JP3994516B2 - 液晶表示装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、透過型の液晶表示装置あるいは補助光源を有する反射型の液晶表示装置に関し、特に、例えば携帯情報端末のようなポータブル型の機器に搭載して好適な液晶表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば携帯電話や電子ツール(電子メール機能やFAX機能といった通信機能を有する電子手帳)のような携帯情報端末には、文字等を表示するための表示装置として、液晶表示装置(バックライトで液晶パネルを背面から照らすようにした透過型のものか、あるいは主に外光で液晶パネルを照らしつつも外光の不足を補うために補助光源を設けた反射型のもの)が多用されている。
【0003】
従来、こうした液晶表示装置を搭載した携帯情報端末には、例えば操作釦を操作することにより光源(透過型ではバックライト、反射型では補助光源)の照度を調節できるようにしたものが存在していた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、透過型の液晶表示装置には、外光が強いときにはバックライトの照度を高くしないと視認性が低下し、逆に外光が弱いときには、バックライトの照度を高くしなくても視認性は低下しない反面この照度を高くしすぎるとユーザーが眩しく感じてしまうという特徴がある。そして、携帯情報端末の使用場所は、日中の屋外であったり、照明の十分な屋内であったり、照明の不十分な屋内であったりと様々なので、バックライトの照度をそれぞれの使用場所に適したものに調節しなければ、液晶表示装置の視認性を常に十分に確保することはできない。
【0005】
しかし、従来のように操作釦で光源の照度を調節できるようにした携帯情報端末では、ユーザー自身が手動でこの調節を行わなければならないので非常に不便であった。また、調節の度合いを誤ったり調節を怠ったりすることも少なくないので、視認性を常に十分に確保することが困難であった。
【0006】
更に、携帯情報端末は電池を電源としているので、その連続使用可能時間は消費電力の大きさによって決定される。そして、バックライトは携帯情報端末内の他のデバイスと比較して電力消費量が非常に多いので、その照度は携帯情報端末の連続使用可能時間にも大いに影響する。従って、バックライトの照度が適切に調節されないことが、消費電力の不必要な増大による連続使用可能時間の減少をも招いていた。
【0007】
他方、補助光源を有する反射型の液晶表示装置でも、視認性を常に十分に確保するためには外光の強弱に応じて補助光源の照度(及び点灯の有無)を調節しなければならないので、透過型の液晶表示装置について上述したのと同様の問題が存在していた。
【0008】
尚、透過型の液晶表示装置には、外光の強度をセンサで検出してその強度に応じて自動的にバックライトの照度を調節するようにしたものも提案されるに至っている。しかし、そうした液晶表示装置にも、視認性の確保や連続使用可能時間の伸長を実現できるように照度を適切に調節するものは未だ存在していなかった。
【0009】
本発明は上述の点に鑑みてなされたもので、視認性の十分な確保や連続使用可能時間の伸長を実現できるように照度を自動的に適切に調節するようにした液晶表示装置を提供しようとするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1に係る液晶表示装置は、バックライトを光源として有する透過型の液晶表示装置において、外光の強度を検出する検出手段と、この検出手段で検出される外光の強度が第1の閾値以下である第1の範囲では、バックライトを第1の明るさに維持し、外光の強度がこの第1の閾値と第1の閾値よりも大きい第2の閾値との間である第2の範囲では、外光の強度の増加に応じてバックライトの明るさをこの第1の明るさから第1の明るさよりも明るい第2の明るさにまで増加させ、外光の強度がこの第2の閾値以上である第3の範囲では、バックライトをこの第2の明るさに維持するようにバックライトの明るさを調節する調整手段と、この調整手段がこの第2の範囲でバックライトの明るさを増加させる際のパターンを複数のパターン中から選択するための操作手段とを備え、これらの複数のパターンには、少なくとも、外光の強度の増加に対するバックライトの明るさの増加率が外光の強度の増加に伴い次第に増加するパターンと、外光の強度の増加に対するバックライトの明るさの増加率が外光の強度の増加に伴い次第に減少するパターンと、を含むことを特徴としている。
また、本発明の請求項3に係る液晶表示装置は、バックライトを光源として有する透過型の液晶表示装置において、外光の強度を検出する検出手段と、この検出手段で検出される外光の強度が第1の閾値以下である第1の範囲では、バックライトを第1の明るさに維持し、外光の強度がこの第1の閾値と第1の閾値よりも大きい第2の閾値との間である第2の範囲では、外光の強度の増加に応じてバックライトの明るさをこの第1の明るさから第1の明るさよりも明るい第2の明るさにまで増加させ、外光の強度がこの第2の閾値以上である第3の範囲では、バックライトをこの第2の明るさに維持するようにバックライトの明るさを調節する調整手段と、この調整手段がこの第2の範囲でバックライトの明るさを増加させる際のパターンを複数のパターン中から選択するための操作手段とを備え、これらの複数のパターンには、少なくとも、この第2の閾値における第2の明るさが互いに異なる2つのパターンを含む、ことを特徴としている。
【0011】
これらの液晶表示装置によれば、検出手段で検出された外光の強度が比較的小さい範囲(第1の範囲)や比較的大きい範囲(第3の範囲)では、バックライトの明るさが一定に維持され、他方外光の強度が中程度である範囲(第2の範囲)では、バックライトの明るさが第1の範囲における明るさから第3の範囲における明るさにまで増加するように、調節手段によりバックライトの明るさが自動的に調節される。
【0012】
ここで、透過型の液晶表示装置では、外光の強度が比較的小さい範囲や比較的大きい範囲では、光源の明るさをそれほど変化させなくても、視認性を十分に確保することが可能である。
【0013】
即ち、透過型の液晶表示装置では、外光の強度が比較的小さい範囲においては、バックライトを明るくしなくても視認性は低下しないのでバックライトを例えばほぼ一定の低い明るさに維持しておけば足り、逆に外光の強度が比較的大きい範囲においては、バックライトを明るくしておかなければ視認性が低下するのでバックライトを例えばほぼ一定の高い明るさに維持しておけば足りる。
【0015】
これに対し、外光の強度が中程度である範囲では、外光の強度の変化に対する光源の明るさの変化の度合いを比較的大きくすることが、視認性を十分に確保するためには望ましい。
【0016】
即ち、透過型の液晶表示装置では、外光の強度が中程度である範囲においては、外光の強度の増加に応じてバックライトの明るさを増加させることが、視認性を十分に確保するためには望ましい。
【0018】
本発明に係る液晶表示装置の調節手段はまさにこのような仕方で光源の明るさを調節するものであり、これにより、外光の強度が比較的小さい場合、中程度である場合、比較的大きい場合のいずれにおいても、視認性を十分に確保できるように照度が自動的に適切に調節されるようになる。そして、このように照度が自動的に適切に調節されることが、消費電力の不必要な増大の防止にもつながるので、連続使用可能時間の伸長も実現される。
【0019】
また、これらの液晶表示装置では、調整手段が第2の範囲でバックライトの明るさを増加させる際のパターンを、操作手段の操作により、複数のパターン中から選択することができる。
請求項1に係る液晶表示装置では、これらの複数のパターンには、少なくとも、外光の強度の増加に対するバックライトの明るさの増加率が外光の強度の増加に伴い次第に増加するパターンと、外光の強度の増加に対するバックライトの明るさの増加率が外光の強度の増加に伴い次第に減少するパターンとが含まれている。
請求項3に係る液晶表示装置では、これらの複数のパターンには、少なくとも、第2の閾値における第2の明るさが互いに異なる2つのパターンが含まれている。
【0020】
これにより、基本的には前述のように視認性の十分な確保と連続使用可能時間の伸長とを実現しつつ、例えば、連続使用可能時間を幾分減少させても視認性の十分な確保を最優先させるか、それとも視認性を幾分低下させても連続使用可能時間の伸長を優先させるかを、ユーザーがこの操作手段を用いて自由に決定することができる。
【0021】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明を適用した透過型の液晶表示装置を搭載した携帯情報端末の外観構成の一例を略示するものである。この携帯情報端末の表面には、液晶パネルと入力デバイスとしてのタッチパネルとを兼ねたパネル部1が設けられている。また携帯情報端末のコーナー部分には、外光を取り入れるための窓2が設けられている。携帯情報端末の内部には、図示せずも、窓2から取り入れた外光の強度を検出するための光センサ(例えばフォトダイオードまたは太陽電池等)が設けられている。
【0022】
図2は、図1のパネル部1の断面構造の一例を略示するものである。パネル部1は、LCD(液晶パネル)11(例えばツイストネマティック型のもの)を中心にして、その上側,下側にそれぞれタッチパネル12,バックライト13を重ねて成っている。
【0023】
タッチパネル12は、ほぼ透明なシート状の入力デバイスであり、ペン先や指等でその表面を押圧することにより、メニュー選択や手書き文字入力のような操作が行われる。
【0024】
バックライト13は、LCD11を背面から照らすものであり、例えば蛍光管(図示せず)から発した光を拡散板(フィルタ板)13aでLCD11の全面に拡散させるようになっている。この拡散光の透過率がLCD11の各画素において制御されることにより、LCD11に映像が表示される。
こうしたパネル部1自体の構造は、既存の周知のものと同じであってよい。
【0025】
図3は、図1の携帯情報端末の回路構成の一例を示す。この携帯情報端末は、電源回路ブロック3,メインブロック4,光センサ5(図1の説明で述べたもの),LCD11,タッチパネル12及びバックライト13(それぞれ図2に示したもの)を含んでいる。
【0026】
電源回路ブロック3は、携帯情報端末の各部にそれぞれに適した電圧で電力を供給するブロックである。電源回路ブロック3は、主電源(電池)34と、携帯情報端末内の必要な各デバイスに供給される安定化電源31の出力電圧を安定化させるDC−DCコンバータ32と、主電源34の出力電圧を昇圧してバックライト13に供給するための昇圧DC−DCコンバータ33と、主電源34の出力電圧を一定値に制御するレギュレータ35とを含んでいる。
【0027】
メインブロック4は、CPU41が全てのデータ処理を実行すると共にブロック4内の各種周辺デバイスを介して携帯情報端末全体の動作を制御するブロックである。メインブロック4は、CPU41の他に、次の各部を含んでいる。
【0028】
(a)CPU41が実行するプログラム及び後述のテーブルを格納したROM42。
(b)タッチパネル12の操作により入力されたデータ等を一時的に蓄積するためのDRAM(ダイナミックRAM)43。
(c)タッチパネル12の操作により主電源をオフにすることが指示されたとき、DRAM43内の必要なデータを保存しておくためのEEPROM(エレクトリカルイレーザブルプログラマブルROM)44。
【0029】
(d)タッチパネル12の操作に応じてCPU41が作成した映像データに基づいてLCD11に映像を表示させるためのGDC46,アンプ51,LCDコントローラ45。
(e)タッチパネル12の出力電圧を検知することによりその押圧位置を特定して座標データとしてCPU41に送るタッチパネルコントローラ47。
(f)光センサ5の検出出力をCPU41に供給するためのアンプ48及びA/D変換器49。
(g)CPU41から昇圧レベル制御用の信号を昇圧DC−DCコンバータ33に供給するためのD/A変換器50。
【0030】
CPU41,タッチパネル12,メインブロック4内のタッチパネルコントローラ42は、電源回路ブロック3からレギュレータ32を介して主電源34の電力が供給されることにより、常に動作可能な状態にある。そして、タッチパネル12になんらかの操作が行われると、タッチパネルコントローラ47がCPU41に割り込み信号を送り、それに応じてCPU41がDC−DCコンバータ32及び昇圧DC−DCコンバータ33のスイッチをオンにするので、安定化電源31の電力が携帯情報端末内の必要なデバイスに供給されると共に主電源34の電力が昇圧されてバックライト13に供給されることにより、携帯情報端末全体が動作可能になる。
【0031】
ROM42には、光センサ5で検出される外光の強度とバックライト13の照度との変換テーブルが格納されている。図4は、この変換テーブルにおける変換パターンの一例を示す。この例では、3通りのパターンP1,P2,P3が存在している。
【0032】
これらのパターンP1〜P3は、いずれも、外光の強度が比較的小さい範囲X1ではバックライト13が一定の低い照度に維持され、外光の強度が中程度である範囲X2では外光の強度の増加に応じてバックライト13の照度が増大し、外光の強度が比較的大きい範囲X3ではバックライト13がほぼ一定の高い照度に維持される点では一致している。
【0033】
しかし、パターンP1とパターンP2とは、範囲X1及びX3ではバックライト13の照度が一致しているが、範囲X2ではパターンP2のほうが照度の増大の度合いが高くなっている。(尚、図ではパターンP1を表す実線とパターンP2を表す破線とを識別できるようにするために範囲X1及びX3でもこの実線と破線とを僅かにずらせているが、これは作図の都合上にすぎない。)
またパターンP3は、全ての範囲X1〜X3でパターンP1よりも照度が低くなっている。
【0034】
タッチパネル12では、このパターンP1〜P3のうちのいずれか一つを選択するための操作も行えるようになっている。また例えば、ユーザーがパターンP2やパターンP3を選択する操作をタッチパネル12で行わなかった場合には、パターンP1が基本パターンとして決定されるようになっている。
【0035】
次に、この携帯情報端末におけるバックライト13の照度の調節動作の一例を説明する。
図5は、バックライト13の照度の調節のためにCPU41が実行する処理の一例を示すフローチャートである。
主電源31がオンにされるとこの処理を開始し、最初に、光センサ5による外光の強度の検出結果をアンプ48及びA/D変換器49を介して読み込む(ステップS1)。続いて、ROM42内の変換テーブルを参照して、検出された外光の強度に対応するバックライト13の照度を求める(ステップS2)。そして、D/A変換器50を介して昇圧DC−DCコンバータ33の出力電圧を制御することにより、ステップS2で求めた照度でバックライト13を点灯する(ステップS3)。
【0036】
尚、ステップS2では、タッチパネル12の操作によりパターンP2またはパターンP3(図4)が選択された場合にはその選択されたパターンに基づいてバックライト13の照度が求められ、他方そうした選択操作が行われていない場合(全く選択が行われていない場合またはパターンP1(図4)が選択された場合)にはパターンP1に基づいてバックライト13の照度が求められる。
【0037】
ステップS3を終了すると、光センサ5の検出結果を読み込むタイミングを測るためのタイマを一定時間Tに設定してスタートさせる(ステップS4)。そして、タイマがタイムアップしたか否かを判断し(ステップS5)、ノーであればタイムアップするまで待機する。
【0038】
タイムアップすると、そのタイミングでの光センサ5の検出結果を読み込む(ステップS6)。そして、そのタイミングでの外光の強度と、直前の読み込みタイミング(時間Tだけ前)での外光の強度(最初はステップS1のタイミングでの外光の強度)との差が、一定値α(図4の各範囲X1〜X3の長さに対して無視できる程度の小さい値)未満であるか否かを判断する(ステップS7)。
【0039】
イエスであれば、ステップS4に戻ってタイマを時間Tに設定し直し、ステップS5〜S7の処理を繰り返す。このようにして、時間T毎に、外光の強度の変化が一定未満(図4の各範囲X1〜X3の長さに対して無視できる程度のもの)であるか否か判断される。
【0040】
そして、この判断結果がノーとなると、ステップS7からステップS8に進み、ROM42内の変換テーブルを参照して、ステップS6のタイミングで検出された外光の強度に対応するバックライト13の照度を求める。そして、D/A変換器50を介して昇圧DC−DCコンバータ33の昇圧レベルを制御することにより、バックライト13の照度をステップS8で求めた照度に変更する(ステップS9)。そして、ステップS4に戻ってステップS4〜S7の処理を繰り返す。
【0041】
以上のような処理により、この携帯情報端末では、外光の強度に応じて、基本的には図4のパターンP1を外光の強度とバックライト13の照度との変換パターンとして用いて、外光の強度が比較的小さい範囲においてはバックライト13がほぼ一定の低い明るさに維持され、外光の強度が中程度である範囲においては外光の強度の増加に応じてバックライト13の明るさが増加し、外光の強度が比較的大きい範囲においてはバックライト13が一定の高い明るさに維持されるように、バックライト13の照度が自動的に調節される。
【0042】
ここで、外光の強度が比較的小さい範囲においてはバックライト13を明るくしなくても視認性を十分に確保することができ、逆に外光の強度が比較的大きい範囲においては、バックライト13を明るくしておかなければ視認性を十分に確保することができない。また、外光の強度が中程度である範囲においては、外光の強度の増加に応じてバックライト13の明るさを増加させることが、視認性を十分に確保するためには望ましい。
【0043】
従って、このパターンP1を変換パターンとして用いることにより、外光の強度が比較的小さい場合、中程度である場合、比較的大きい場合のいずれにおいても視認性を十分に確保できるようにバックライト13の照度が自動的に適切に調節されるようになる。そして、このように照度が自動的に適切に調節されることが、主電源34の消費電力の不必要な増大の防止にもつながるので、この携帯情報端末の連続使用可能時間の伸長も実現される。
【0044】
他方、パターンP2が選択されたときには、このパターンP2を変換パターンとして用いてバックライト13の照度が自動的に調節されるので、パターンP1が変換パターンとして用いられるときよりも、外光の強度が中程度である範囲におけるバックライト13の照度の増大の度合いが高くなる。
【0045】
また、パターンP3が選択されたときには、このパターンP3を変換パターンとして用いてバックライト13の照度が自動的に調節されるので、パターンP1が変換パターンとして用いられるときよりも、バックライト13の照度が全体的に低くなる。
【0046】
従って、ユーザーは、パターンP1が変換パターンとして用いられるときよりも連続使用可能時間を幾分減少させても視認性の十分な確保を最優先させたい場合には、タッチパネル12を操作してパターンP2を選択すれば、その通りにバックライト13の照度が自動的に調節される。他方、パターンP1が変換パターンとして用いられるときよりも視認性を幾分低下させても連続使用可能時間の伸長を優先させたい場合には、タッチパネル12を操作してパターンP3を選択すれば、その通りにバックライト13の照度が自動的に調節される。
【0047】
尚、以上の例では、図5の処理において、検出された外光の強度が図4の範囲X1〜X3のうちのいずれに含まれるかにかかわらず、直前の読み込みタイミングでの外光の強度との差が一定値α以上のときバックライト13の照度を変更するようにしている。しかし、図4の変換パターンからも明かなように、範囲X1及びX3では外光の強度の変化にかかわらずバックライト13の照度はほぼ一定なので、例えば、外光の強度が図4の範囲X1またはX3に含まれる場合には、外光の強度がこの一定値αよりも大きい値(範囲X1やX3の長さに対して無視できない程度の値)以上のときにのみバックライト13の照度を変更するようにしてもよい。
【0048】
また、以上の例ではROM42内の変換テーブルによる変換パターンとして図4の3通りのパターンP1〜P3を用意しているが、2通りまたは4通り以上のパターンを用意するようにしてもよい。あるいは、基本パターンであるパターンP1のみを用意すると共にタッチパネル12でパターンを選択する機能をなくすようにしてもよい。
【0049】
また、以上の例では、光センサ5の検出結果に基づき、CPU41がROM42に格納した変換テーブルを参照することにより、図4のような変換パターンにおいて外光の強度に対応するバックライト13の照度を求めている。しかし、別の例として、ROM42にこうした変換テーブルを格納する代わりに、光センサ5の検出結果に基づき、CPU41が演算処理を実行することにより、図4のような変換パターンにおいて外光の強度に対応するバックライト13の照度を求めるようにしてもよい。
【0050】
また、以上の例では透過型の液晶表示装置に本発明を適用しているが、補助光源を有する反射型の液晶表示装置に本発明を適用するようにしてもよい。図6は、そうした反射型の液晶表示装置に本発明を適用する場合における外光の強度と補助光源の照度との変換パターン(以上の例における図4に相当するもの)の一例を示す。
【0051】
この図6の例では、外光の強度が比較的小さい範囲X11においては補助光源がほぼ一定の高い明るさに維持され、外光の強度が中程度である範囲X12においては外光の強度の増加に応じて補助光源の明るさが減少し、外光の強度が比較的大きい範囲X13においては補助光源が消灯される。
【0052】
ここで、補助光源を有する反射型の液晶表示装置では、外光の強度が比較的小さい範囲においては補助光源をほぼ一定の高い明るさに維持しておけば視認性を十分に確保することができ、逆に外光の強度が比較的大きい範囲においては補助光源を消灯しておいても視認性を十分に確保することができる。また、外光の強度が中程度である範囲においては、外光の強度の増加に応じて補助光源の明るさを減少させることが、視認性を十分に確保するためには望ましい。
【0053】
従って、図6の例のような変換パターンを用いることにより、反射型の液晶表示装置でも、やはり外光の強度が比較的小さい場合、中程度である場合、比較的大きい場合のいずれにおいても視認性の十分な確保と連続使用可能時間の伸長とが実現できるように補助光源の照度が自動的に適切に調節されるようになる。
【0054】
また、以上の例では携帯情報端末に搭載される液晶表示装置に本発明を適用しているが、それ以外の機器(特に、電池を電源とするポータブル機器)に搭載される液晶表示装置に本発明を適用してもよいことはもちろんである。
また、本発明は、以上の例に限らず、本発明の要旨を逸脱することなく、その他様々の構成をとりうることはもちろんである。
【0055】
【発明の効果】
以上のように、本発明に係る液晶表示装置によれば、外光の強度が比較的小さい場合、中程度である場合、比較的大きい場合のいずれにおいても、視認性を十分に確保できるように照度を自動的に適切に調節することができる。そして、このように照度が自動的に適切に調節されることが、消費電力の不必要な増大の防止にもつながるので、連続使用可能時間の伸長も実現することができる。
【0056】
また、基本的には前述のように視認性の十分な確保と連続使用可能時間の伸長とを実現しつつ、例えば、連続使用可能時間を幾分減少させても視認性の十分な確保を最優先させるか、それとも視認性を幾分低下させても連続使用可能時間の伸長を優先させるかを、ユーザーが自由に決定することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した透過型の液晶表示装置を搭載した携帯情報端末の外観構成の一例を略示する斜視図である。
【図2】図1のパネル部の断面構造の一例を略示する断面図である。
【図3】図1の携帯情報端末の回路構成の一例を示すブロック図である。
【図4】図1のROM内の変換テーブルの変換パターンの一例を示す図である。
【図5】図1のCPUが実行する処理の一例を示すフローチャートである。
【図6】反射型の液晶表示装置に本発明を適用する場合における外光の強度と補助光源の照度との変換パターンの一例を示す図である。
【符号の説明】
1 パネル部、 2 窓、 3 電源回路ブロック、 4 メインブロック、5 光センサ、 11 LCD、 12 タッチパネル、 13 バックライト、 13a 拡散板、 31 安定化電源、 32 DC−DCコンバータ、33 昇圧DC−DCコンバータ、 34 主電源、 35 レギュレータ、41 CPU、 42 ROM、 43 DRAM、 44 EEPROM、45 LCDコントローラ、 46 GDC、 47 タッチパネルコントローラ、 48 アンプ、 49 A/D変換器、 50 D/A変換器
Claims (3)
- バックライトを光源として有する透過型の液晶表示装置において、
外光の強度を検出する検出手段と、
前記検出手段で検出される外光の強度が第1の閾値以下である第1の範囲では、前記バックライトを第1の明るさに維持し、前記外光の強度が前記第1の閾値と前記第1の閾値よりも大きい第2の閾値との間である第2の範囲では、前記外光の強度の増加に応じて前記バックライトの明るさを前記第1の明るさから前記第1の明るさよりも明るい第2の明るさにまで増加させ、前記外光の強度が前記第2の閾値以上である第3の範囲では、前記バックライトを前記第2の明るさに維持するように前記バックライトの明るさを調節する調整手段と、
前記調整手段が前記第2の範囲で前記バックライトの明るさを増加させる際のパターンを複数のパターン中から選択するための操作手段とを備え、
前記複数のパターンには、少なくとも、外光の強度の増加に対するバックライトの明るさの増加率が外光の強度の増加に伴い次第に増加するパターンと、外光の強度の増加に対するバックライトの明るさの増加率が外光の強度の増加に伴い次第に減少するパターンと、を含むことを特徴とする液晶表示装置。 - 請求項1に記載の液晶表示装置において、
前記複数のパターンには、さらに、前記第2の閾値における前記第2の明るさが互いに異なる2つのパターンを含むことを特徴とする液晶表示装置。 - バックライトを光源として有する透過型の液晶表示装置において、
外光の強度を検出する検出手段と、
前記検出手段で検出される外光の強度が第1の閾値以下である第1の範囲では、前記バックライトを第1の明るさに維持し、前記外光の強度が前記第1の閾値と前記第1の閾値よりも大きい第2の閾値との間である第2の範囲では、前記外光の強度の増加に応じて前記バックライトの明るさを前記第1の明るさから前記第1の明るさよりも明るい第2の明るさにまで増加させ、前記外光の強度が前記第2の閾値以上である第3の範囲では、前記バックライトを前記第2の明るさに維持するように前記バックライトの明るさを調節する調整手段と、
前記調整手段が前記第2の範囲で前記バックライトの明るさを増加させる際のパターンを複数のパターン中から選択するための操作手段とを備え、
前記複数のパターンには、少なくとも、前記第2の閾値における前記第2の明るさが互いに異なる2つのパターンを含むことを特徴とする液晶表示装置。
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