JP3994028B2 - キノコ栽培瓶用キャップ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、瓶内にキノコ培地を充填し人工的にキノコを栽培する際に使用されるキノコ栽培瓶用キャップに関する。
【0002】
【従来の技術】
現在、瓶内にキノコ培地を充填し人工的にキノコを栽培することは広く行われている。この瓶内でのキノコ栽培は、外部からの雑菌、塵埃の侵入を嫌うことから瓶の口部にキャップを被せてある。しかしながら、瓶内でキノコの菌を培養させるには、外部との空気の流通が必要となるため、外部からの雑菌、塵埃の侵入を防止しつつ空気を流通させる必要がある。一般的に、瓶内でキノコ栽培を行うには、まず、瓶内にキノコ培地を充填し、次いで外部からの雑菌、塵埃の侵入を防止すると共に、空気の流通が可能なキャップを瓶の口部に被せる。その状態で蒸気殺菌釜に入れ所定時間蒸気を送りキノコ培地を加熱殺菌し、その後、蒸気殺菌釜内でキノコ培地が常温となるまで放冷する。次いで蒸気殺菌釜からキャップを被せたままの瓶を取り出し、瓶内のキノコ培地に種菌を接種して、キノコ栽培に適合した環境を保持した培養室内でキャップを被せた状態の瓶内でキノコを所定期間培養し、次いでキャップを外した状態の瓶内でキノコを生育させる。
【0003】
従来、培養期間におけるこのように外部からの雑菌、塵埃の侵入を防ぎつつ空気を流通させるキノコ栽培瓶用キャップとしては、図17に示すように、キノコ栽培瓶aの口部bに密封状態で嵌脱自在に設けた下蓋cと、この下蓋cに密封状態で嵌脱自在に設けた上蓋dとを有し、これら下蓋cと上蓋dとの間にウレタンフォーム製のフィルタeを介在させたものがある。このフィルタeは、空気を流通させると共に、外部からの雑菌、塵埃の侵入を防ぐものである。そして、下蓋cの蓋板fの外側に外部通気口gを設け、内側の蓋板fに通気孔hを設けている。このキノコ栽培瓶用キャップの空気の流通は、下蓋cの通気孔h、フィルタe及び外部通気口gを通じて行われ、主にフィルタeにより、キノコ栽培瓶a内と外部との間で空気は流通させると共に、外部からの雑菌、塵埃の侵入を防ぎ、逆にキノコ栽培瓶a内からも外部に不必要なものを出さないようにしている。
【0004】
また、ウレタンフォーム製のフィルタeの代わりに不織布製のフィルタe1を採用したキノコ栽培瓶用キャップも知られている。このキノコ栽培瓶用キャップは、図18に示すように、下蓋cと上蓋dとの間にシート状の通気性を有するフィルタe1を介在させ、このフィルタe1により空気を流通させると共に、外部からの雑菌、塵埃の侵入を防止している。すなわち、下蓋cの蓋板mの外側に外部通気口gを設け、蓋板mの内側にフィルタe1を載せ且つ支持する径方向に延びる放射状のリブiを設け、更に上蓋dにフィルタe1を押さえ且つ空気の流通路を確保する押さえリブj及びフィルタe1の周縁を押さえて脱落を防ぐフィルタ押さえkを有している。従って、このキノコ栽培瓶用キャップの空気の流通は、リブiの間、フィルタe1、押さえリブjの間、フィルタ押さえkの間及び外部通気口gを通じて行われ、主にフィルタe1により図17と同様に、キノコ栽培瓶a内と外部との間で空気を流通させると共に、外部からの雑菌、塵埃の侵入を防ぎ、逆にキノコ栽培瓶a内からも外部に不必要なものを出さないようにしている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
図17のキノコ栽培瓶用キャップは、フィルタeがウレタンフォーム製であるため、蒸気殺菌釜内で加熱殺菌した後、キノコ培地が常温となるまで放冷している間に多量に吸水し、空気の流通を阻害する。更に蒸気殺菌釜でキノコ培地を殺菌中に含有している夾雑物を排出し、それがフィルタeに付着し目詰まりを起こしてしまう。一方、キノコ栽培瓶a内のキノコ培地に種菌を接種した後は、キノコ栽培瓶用キャップを被せた状態で培養室でキノコを生育させるが、その際キノコ栽培瓶a内と外部との空気の流通が十分に行われないと、品質の良いキノコが得られにくく、更に生育期間も長くなる。従って、従来のウレタンフォーム製のフィルタeを使用したキノコ栽培瓶用キャップは、フィルタeの寿命が短くなり易く、交換頻度が高くなりその取替作業に時間と労力を要する。
【0006】
図18のキノコ栽培瓶用キャップは、フィルタe1がシート状なので、吸水しづらい点で優れているものの、上記したキノコ培地に含有している夾雑物による目詰まりは依然解消されておらず、図17のキノコ栽培瓶用キャップと同様に、フィルタe1の寿命が短くなり易く、交換頻度が高くなりその取替作業に時間と労力を要する。また、フィルタe1がシート状なので、キノコ栽培瓶用キャップ内で隙間が生じないように装着しなければならないため、下蓋c及び上蓋dの構造が複雑になるという問題がある。
【0007】
従って、本発明の目的は、吸水による空気流通の阻害、更にキノコ培地からの夾雑物による目詰まりを原因とする空気流通の阻害を生じることがなく、雑菌や塵埃の混入を防ぎつつ空気流通を十分行い、キノコ栽培を良好にして、且つ空気流通の阻害を解消するための作業を無くすことができるキノコ栽培瓶用キャップを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
すなわち、本発明(1)は、キノコ栽培瓶の口部に密封状態で嵌脱自在に設けた下蓋と、該下蓋に密封状態で嵌脱自在に設けた上蓋とからなり、前記下蓋はその隔絶蓋板に周壁を立設すると共に、該周壁の内側に位置する隔絶蓋板に所定高さの通気筒を設け且つ該周壁の外側に位置する隔絶蓋板に外部通気口を設け、前記上蓋は前記周壁に密封状態で嵌脱自在の周溝を有してなり、該周溝及び前記周壁の少なくともいずれか一方に通気用切欠部を設けてなるキノコ栽培瓶用キャップを提供するものである。また、本発明(2)は、前記下蓋の通気筒の配置は前記隔絶蓋板上に適宜の間隔の複数箇所に立設すると共に、該通気筒の高さはその上端が前記上蓋の蓋板近傍に到達し、該上端と該蓋板との間に隙間を形成する高さである前記キノコ栽培瓶用キャップを提供するものである。また、本発明(3)は、前記通気筒と前記通気用切欠部と前記外部通気口とは、この順序で結ばれる空気の流通路が平面視でジグザク状である前記キノコ栽培瓶用キャップを提供するものである。また、本発明(4)は、前記通気用切欠部が、周方向の長さが3〜10mm、隙間が0.1〜0.5mmの範囲にあることを特徴とする前記キノコ栽培瓶用キャップを提供するものである。
【0009】
また、本発明(5)は、キノコ栽培瓶の口部に密封状態で嵌脱自在に設けた下蓋と、該下蓋に密封状態で嵌脱自在に設けた上蓋とからなり、前記下蓋はその蓋板に周壁を立設すると共に、該周壁の内側に位置する蓋板に複数の通気用第1切欠部を有する隔絶周壁部を設け且つ該周壁の外側に位置する蓋板に外部通気口を設け、前記上蓋は前記周壁に密封状態で嵌脱自在の周溝を有してなり、該周溝及び前記周壁の少なくともいずれか一方に通気用第2切欠部を設けてなることを特徴とするノコ栽培瓶用キャップを提供するものである。また、本発明(6)は、前記通気用第1切欠部と前記通気用第2切欠部と前記外部通気口とは、この順序で結ばれる空気の流通路が平面視でジグザク状である前記キノコ栽培瓶用キャップを提供するものである。
【0010】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の第1の実施の形態におけるキノコ栽培瓶用キャップを図1〜図12を参照して説明する。図1は本実施の形態例のキノコ栽培瓶用キャップの使用状態図、図2は本実施の形態例のキノコ栽培瓶用キャップの断面図、図3は本実施の形態例のキノコ栽培瓶用キャップの上蓋の裏側から見た斜視図、図4は本実施の形態例のキノコ栽培瓶用キャップの下蓋の斜視図、図5は図4の下蓋の裏面図をそれぞれ示す。なお、図2は図5のII−II線を正面から見た断面図である。図中、樹脂製のキノコ栽培瓶用キャップ1は、キノコ栽培瓶2に装着して使用するものである。このキノコ栽培瓶用キャップ1は、キノコ栽培瓶2の口部3に密封状態で嵌脱自在に設けた下蓋4と、下蓋4に密封状態で嵌脱自在に設けた上蓋5とで形成され、下蓋4はその隔絶蓋板6に周壁7を立設すると共に、周壁7の内側に位置する隔絶蓋板6に通気筒8を設け且つ周壁7の外側に位置する隔絶蓋板6に外部通気口9を設け、上蓋5は周壁7に密封状態で嵌脱自在の周溝10を有してなり、これら周溝10及び周壁7の少なくとも一方に通気用切欠部11を設けてなるものである。
【0011】
下蓋4には、キノコ栽培瓶2の口部3を内嵌する下部円筒20及び上蓋5を内嵌する上部円筒21をそれぞれ設けている。下蓋4の隔絶蓋板6の中央部には下方に向けて円錐台状の凹部22を形成し、下蓋4全体の強度を高めている。隔絶蓋板6上の周壁7は円周壁であり、上部円筒21と同心円状に立設している。前述の如く、周壁7を境としてその内側の隔絶蓋板6に通気筒8を設け、その外側の隔絶蓋板6に外部通気口9を下向きに設けている。
【0012】
通気筒8の配置は、特に制限されないが本例では隔絶蓋板6上に90度間隔の4箇所に立設している。また、通気筒8は両端が流通する孔13を有する円筒部12であり、その高さはその上端81が上蓋5の蓋板23近傍に到達する高さである。通気筒8の上端81と上蓋5との隙間tは0.2〜0.8mm、好ましくは0.4mmである。この隙間tが小さ過ぎると、空気の流通を阻害し、大きすぎると、空気の流通と共に雑菌や塵埃が流通してしまう恐れがある。図4及び図5に示すように、通気筒12は隔絶蓋板6上に立設して両端が開口しているため、キノコ栽培瓶2内と下蓋4と上蓋5とで画成する周壁7の内側空間24との空気の流通を可能にするものである。周壁7の外側に位置する隔絶蓋板6に形成される外部通気口9は、45度間隔の8箇所に形成され、通気筒8とは22.5度のズレを生ずるようにしてあり、外部と周壁7の外側空間25、更に内側空間24との空気の流通を可能にしている。このように、通気筒8と外部通気口9を互い違いに配置することにより、空気の流通距離を稼いで瓶内への雑菌や塵埃の混入を抑制している。
【0013】
上蓋5は、蓋板23に立設する円筒30を有し、この円筒30は下蓋4の上部円筒21に内嵌され、更に、この円筒30と前述の如く下蓋4の周壁7に嵌脱自在に設けた周溝10とが同心円状になっている。この周溝10は、蓋板23上に内周壁31と外周壁32とを同心円状に立設して形成されており、内周壁31と外周壁32とは下蓋4の周壁7に密封状態で嵌脱自在となるよう所定寸法に離間している。従って、下蓋4に上蓋5を嵌めるということは、下蓋4の上部円筒21に上蓋5の円筒30を密封状態で内嵌して第1空間24及び第2空間25を画成すると共に、下蓋4の周壁7を内周壁31と外周壁32とで構成する周溝10に密封状態で嵌めるということである。
【0014】
しかしながら、これでは空気が流通しないから、周溝10及び周壁7の少なくとも一方に僅かな隙間ができるように通気用切欠部11を設けて、空気の流通路を確保している。通気用切欠部11の配置の形態例を図6〜図12を参照して説明する。図6は通気用切欠部11の第1の配置形態を示す上から見た拡大断面図、図7は図6のVII−VII線に沿って見た図、図8は図6のVIII−VIII線に沿って見た図をそれぞれ示す。第1の配置形態は図6及び図7に示すように、周溝10に通気用切欠部11を90度間隔で4箇所設けたものである。すなわち、内周壁31の外側壁面及び外周壁32の内側壁面に周方向長さw、径方向の隙間dの略矩形断面の通気用切欠部11a及び11bを設けている。従って、空気は図7の矢線A、Bに示すようにいずれの方向にも流通できる。そして、これら通気用切欠部11a及び11bにおいて、周方向長さwが3〜10mm、径方向の隙間dが0.1〜0.5mmの範囲にある。これらの範囲よりも狭い場合は、空気の流通が不十分となる恐れがあり、逆にこれらの範囲よりも広い場合は、空気の流通と共に雑菌や塵埃が流通してしまう恐れがある。
【0015】
図9は通気用切欠部11の第2の配置形態を示す上から見た拡大断面図、図10は図9のX−X線に沿って見た図をそれぞれ示す。第2の配置形態は図9及び図10に示すように、周壁7の両側壁面に第1の配置形態例とほぼ同様の形状寸法を有する通気用切欠部11c及び11dを設けた態様である。第2の配置形態においても空気は通気用切欠部11c及び11dで図10の矢線A、Bに示すようにいずれの方向にも流通できる。
【0016】
図11は通気用切欠部11の第3の配置形態を示す上から見た拡大断面図を示す。第3の配置形態は図11に示すように、周溝10を構成する内周壁31の外側及び周壁7の外側に通気用切欠部11a及び11dを設けた態様である。図12は通気用切欠部11の第4の配置形態を示す上から見た拡大断面図を示す。第4の配置形態は図12に示すように、周溝10を構成する外周壁32の内側及び周壁7の内側に通気用切欠部11b及び11cを設けた態様である。第3及び第4の配置形態においては、空気の流通路は下蓋4に上蓋5を嵌める際、通気用切欠部11a及び11d、並びに通気用切欠部11b及び11cの位置決めをする必要があるものの、第1及び第2の形態と同様に空気は通気用切欠部11a及び11d、あるいは11b及び11cにおいて、周壁7の内側方向及び外側方向にも流通できる。
【0017】
次に、本第1の実施の形態例のキノコ栽培瓶用キャップ1を使用する方法について説明する。まず、キノコ栽培瓶2の口部3に適合するキノコ栽培瓶用キャップ1を選択する。これらは下蓋4及び上蓋5に分かれているから、下蓋4に上蓋5を嵌めキノコ栽培瓶用キャップ1とする。その際、下蓋4の通気筒12と通気用切欠部11とが22.5度ずれるようにし、通気用切欠部11と外部通気口9とが更にずれるようにする。これは通気筒12と外部通気口9との距離を最長にして雑菌や塵埃をできるだけ付着等により捕捉できるようにするためである。次に、キノコ栽培瓶2内にキノコ培地を充填し、口部3にキノコ栽培瓶用キャップ1を装着する。次いでその状態で蒸気殺菌釜に入れ所定時間蒸気を送りキノコ培地を加熱殺菌し、そのあと蒸気殺菌釜内でキノコ培地が常温となるまで放冷する。蒸気殺菌釜からキノコ栽培瓶用キャップ1付のキノコ栽培瓶2を取り出し、殺菌後のキノコ培地に種菌を接種して、キノコ栽培に適合した環境を保持した培養室内でキノコ栽培瓶用キャップ1を被せた状態のキノコ栽培瓶2内でキノコを生育させる。
【0018】
キノコ培地の殺菌過程での流通路は、蒸気が下蓋4の下向きの外部通気口9から外側空間25に入り、通気用切欠部11b及び11aを通り内側空間24に入る。この内側空間24内に形成され、上端が上蓋5の蓋板23近傍に到達している通気筒8のわずかな隙間tを蒸気が通り、孔13から通気筒8に入ってキノコ栽培瓶2内に到る。一方、キノコ培地を蒸気殺菌中に含有している夾雑物が排出するが、この夾雑物排出の流通路は上述の蒸気の場合の逆である。前記した流通路は、通気筒8と通気用切欠部11と外部通気口9とは、この順序で結ばれる空気の流通路が平面視でジグザク状で長く複雑であり狭いもののフィルタなどが介在することはないから、吸水して通気性を失ったり、目詰まりなどを起こすこともなく、最悪でも流通路途中で水滴となったり、付着したりするに過ぎない。
【0019】
キノコ栽培瓶2内のキノコ培地におけるキノコの培養過程での空気の流通は、上述の蒸気と同様に外部空気が下蓋4の下向きの外部通気口9から外側空間25に入り、通気用切欠部11b及び11aで形成される山を乗り越え内側空間24に入る。更に上述のわずかな隙間tを外部空気が通り通気筒8に入り、平面視ジグザグ状を経てキノコ栽培瓶2内に到る。一方、キノコ生育による排気の流通路は外部空気の逆である。しかし、前記した流通路は、長く山有り谷有りと複雑であり狭いからフィルタなどが介在しなくても、空気の流通過程で雑菌や塵埃の侵入を防ぎ、逆にキノコ栽培瓶2内からも外部に不必要なものを排出しないようにできる。加えて、フィルタに起因する目詰まりなどを起こすこともなくフィルタやキノコ栽培瓶用キャップ1の取替作業なども省略できる。
【0020】
次に、本発明の第2の実施の形態例におけるキノコ栽培瓶用キャップを図13〜図15を参照して説明する。図13は本実施の形態例のキノコ栽培瓶用キャップの下蓋の斜視図、図14は図13のA−A線に沿って見た図、図15は図13のB−B線に沿って見た図をそれぞれ示す。図13〜図15において、第1の実施の形態例を示す図2及び図4と同一の構成要素には同一符号を付して、その説明を省略し、異なる点についてのみ主に説明する。すなわち、図13〜図15において図2及び図4と異なる点は、下蓋4において、通気筒の代わりに適宜の間隔で複数の通気用切欠部16を有する隔絶周壁部15を設けると共に、円錐台状の凹部22を省略して開口部17を設けた点にある。
【0021】
キノコ栽培瓶用キャップ1aにおいて、下蓋4はそのフランジ状蓋板14に周壁7を立設すると共に、周壁7の内側に位置するフランジ状蓋板14に通気用第1切欠部16を有する隔絶周壁部15を設け且つ周壁7の外側に位置するフランジ状蓋板14に外部通気口9を設けた点にある。通気用第1切欠部16は、空気等の流通量を制限すると共に、空気等の流通方向を上昇流から下降流に制御できる形態であればその形状や設置数は特に制限されず、本例では隔絶周壁15の90度間隔の位置において上方から矩形状に切欠いた形態である。なお、本例の通気用第2切欠部は、第1の実施の形態例における通気用切欠部と同じものである。キノコ栽培瓶用キャップ1aは下蓋4と上蓋5が嵌着した状態で、隔絶周壁部15の上端151は上蓋の裏面と当接しているため、隔絶周壁部15の内側と外側とを流通する空気等の流れは通気用第1切欠部16を通して行われる。また、通気用第1切欠部16と通気用第2切欠部11と外部通気口9とは、この順序で結ばれる空気の流通路が平面視でジグザク状である。従って、下蓋4と上蓋5で形成される空間内の空気等の流れは、例えば空気が瓶内に流入する場合、平面視でジグザク状に流れると共に、通気用第2切欠部11で一山を越え、隔絶周壁部15の通気用第1切欠部16で更に一山を越えるため、流通過程が複雑化でき、外部空気と共に飛来する雑菌や塵埃の除去効率が向上する。通気用第1切欠部16の形状及び寸法等は特に制限されないが、その軸方向の隙間は、例えば0.2〜0.8mm、好ましくは0.4mmであり、周方向の長さは適宜決定される。また、開口部17の形態についても図示したものに制限されず、例えば第1の実施の形態例にあるような円錐台の凹部の底面又は側面に通気穴を設けたものであってもよい。この場合、第2の実施の形態例のフランジ状蓋板は通気穴のある円錐台状の凹部を有した蓋板となる。
【0022】
第2の実施の形態例におけるキノコ栽培瓶用キャップ1aにおいて、キノコ培地の殺菌過程での流通路は、蒸気が下蓋4の下向きの外部通気口9から外側空間25に入り、通気用第2切欠部11b及び11aを通り内側空間24に入る。この内側空間24内に形成され、隔絶周壁部15に形成された通気用第1切欠部16のわずかな隙間を蒸気が通り、開口部17からキノコ栽培瓶2内に到る。一方、キノコ培地を蒸気殺菌中に含有している夾雑物が排出するが、この夾雑物排出の流通路は上述の蒸気の場合の逆である。しかし、前記した流通路は長く複雑であり狭いものの、フィルタなどが介在することはないから、吸水して通気性を失ったり、目詰まりなどを起こすこともなく、最悪でも流通路途中で水滴となったり、付着したりするに過ぎない。また、キノコ栽培瓶2内のキノコ培地におけるキノコの培養過程での空気の流通は、上述の蒸気と同様である。このように、第2の実施の形態例においても、第1の実施の形態例と同様の効果を奏する。
【0023】
上記第1及び第2の実施の形態例において、通気筒8の設置数や隙間t、あるいは通気用第1切欠部16の設置数や隙間の大きさ等はキノコの種類により適宜決定される。これにより、キノコの呼吸量に適したキャップを容易に作製することができ、キノコの種類を問わず幅広い適用が可能となる。キノコとしては、例えばエノキ、ブナシメジ、エリンギ、舞茸、平茸、ナメコ等が挙げられる。また、上蓋5と下蓋4とで形成される空間内における空気や蒸気の流れ方向を図16に判り易く示した。図16(A)は鉛直方向の空気の流れを示す模式図、(B)は平面方向の空気の流れを示す模式図である。なお、図16中、空気の流れは外部から瓶内の流入する場合であるが、瓶内の空気が外部に流出する場合は、図中の矢印が逆となる。図16から明らかなように、キノコ栽培瓶用キャップ内の空間における空気や蒸気の流れ方向は鉛直方向で二つの山を越えると共に、平面方向においてはジグザグ方向であることが判る。なお、実際の空気や蒸気の流れは更に複雑であることは当然のことである。
【0024】
以上、本発明の実施の形態を説明したが、具体的な構成はこれに限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲での変更、追加は本発明の範囲内である。
【0025】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明のキノコ栽培瓶用キャップによれば、外部の空気の流通路は、外部通気口から中に入り、上蓋の周溝と下蓋の周壁との間の通気用切欠部又は通気用第2切欠部を通り、更にその周壁の内側にある通気筒の孔又は隔絶周壁部の通気用第1切欠部を通ってキノコ栽培瓶内に入るようになっているから、その複雑な流通過程で外部の空気と共に飛来する雑菌や塵埃は重力沈降したり衝突による付着等により流通路内で除去され、最終的にキノコ栽培瓶内への侵入が阻止される。一方、空気等の流通過程は複雑ではあるもののフィルタに比べ格段に流通路の断面積が広い。従って、吸水による空気流通の阻害、更にキノコ培地からの夾雑物による目詰まりにより起こる空気流通の阻害を起こさず、雑菌や塵埃の混入を防ぎつつ空気流通を十分行い、キノコ栽培を良好にして、且つ空気流通の阻害を解消するための作業を省略できる効果がある。
また、本発明のキノコ栽培瓶用キャップは、外部と瓶内の空気や蒸気の流通量を制御できるため、外部の空気と共に飛来する雑菌や塵埃を除去しつつ、キノコの種類により異なるキノコの呼吸量に応じたものを容易に作製することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態を示すキノコ栽培瓶用キャップの使用状態図を示す。
【図2】本発明の第1の実施の形態を示すキノコ栽培瓶用キャップの断面図を示す。
【図3】本発明の第1の実施の形態を示すキノコ栽培瓶用キャップの上蓋の斜視図である。
【図4】本発明の第1の実施の形態を示すキノコ栽培瓶用キャップの下蓋の斜視図である。
【図5】図4の下蓋の裏面図である。
【図6】通気用切欠部の第1の配置形態を示す上から見た拡大断面図である。
【図7】図6のVII−VII線に沿って見た図である。
【図8】図6のVIII−VIII線に沿って見た図である。
【図9】通気用切欠部の第2の配置形態を示す上から見た拡大断面図である。
【図10】図9のX−X線に沿って見た図である。
【図11】通気用切欠部の第3の配置形態を示す上から見た拡大断面図である。
【図12】通気用切欠部の第4の配置形態を示す上から見た拡大断面図である。
【図13】本発明の第2の実施の形態例のキノコ栽培瓶用キャップの下蓋の斜視図である。
【図14】図13のA−A線に沿って見た図である。
【図15】図13のB−B線に沿って見た図である。
【図16】本発明のキノコ栽培瓶用キャップ内における空気の流れ方向を示す模式図である。
【図17】従来例のキノコ栽培瓶用キャップの一部を示す断面図である。
【図18】従来の他の例のキノコ栽培瓶用キャップの一部を示す断面図である。
【符号の説明】
1 キノコ栽培瓶用キャップ
2、a キノコ栽培瓶
3、b 口部
4、c 下蓋
5、d 上蓋
6 隔絶蓋板
7 周壁
8、h 通気筒
9、g 外部通気口
10 周溝
11、11a、11b、11c、11d
通気用切欠部(通気用第2切欠部)
12 円筒部
13 孔
14 フランジ状蓋板(蓋板)
15 隔絶周壁部
16 通気用第1切欠部
17 開口部
20 下部円筒
21 上部円筒
22 円錐台状の凹部
23、f 蓋板
24 内側空間
25 外側空間
30 円筒
31 内周壁
32 外周壁
e、e1 フィルタ
i リブ
j 押さえリブ
k フィルタ押さえ

Claims (6)

  1. キノコ栽培瓶の口部に密封状態で嵌脱自在に設けた下蓋と、該下蓋に密封状態で嵌脱自在に設けた上蓋とからなり、前記下蓋はその隔絶蓋板に周壁を立設すると共に、該周壁の内側に位置する隔絶蓋板に所定高さの通気筒を設け且つ該周壁の外側に位置する隔絶蓋板に外部通気口を設け、前記上蓋は前記周壁に密封状態で嵌脱自在の周溝を有してなり、該周溝及び前記周壁の少なくともいずれか一方に通気用切欠部を設けてなることを特徴とするキノコ栽培瓶用キャップ。
  2. 前記下蓋の通気筒の配置は前記隔絶蓋板上に適宜の間隔の複数箇所に立設すると共に、該通気筒の高さはその上端が前記上蓋の蓋板近傍に到達し、該上端と該蓋板との間に隙間を形成する高さであることを特徴とする請求項1記載のキノコ栽培瓶用キャップ。
  3. 前記通気筒と前記通気用切欠部と前記外部通気口とは、この順序で結ばれる空気の流通路が平面視でジグザク状であることを特徴とする請求項1又は2記載のキノコ栽培瓶用キャップ。
  4. 前記通気用切欠部は、周方向の長さが3〜10mm、隙間が0.1〜0.5mmの範囲にあることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記載のキノコ栽培瓶用キャップ。
  5. キノコ栽培瓶の口部に密封状態で嵌脱自在に設けた下蓋と、該下蓋に密封状態で嵌脱自在に設けた上蓋とからなり、前記下蓋はその蓋板に周壁を立設すると共に、該周壁の内側に位置する蓋板に複数の通気用第1切欠部を有する隔絶周壁部を設け且つ該周壁の外側に位置する蓋板に外部通気口を設け、前記上蓋は前記周壁に密封状態で嵌脱自在の周溝を有してなり、該周溝及び前記周壁の少なくともいずれか一方に通気用第2切欠部を設けてなることを特徴とするキノコ栽培瓶用キャップ。
  6. 前記通気用第1切欠部と前記通気用第2切欠部と前記外部通気口とは、この順序で結ばれる空気の流通路が平面視でジグザク状であることを特徴とする請求項5記載のキノコ栽培瓶用キャップ。
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