JP3994018B2 - 現像装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、複写機、プリンタ、ファクシミリ装置、あるいはこれらの複合機等の画像形成装置に関し、特に現像装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の画像形成装置の現像装置としては、特開平10−39617号公報に開示されているように、トナ−とキャリアとを含む現像剤を担持して像担持体との対向する現像領域に搬送する現像剤担持体を備え、現像剤担持体の幅方向で往復させながら現像剤を攪拌し、現像剤担持体に現像剤を担持している。
【0003】
この現像装置100は、図6から図8に示すように、搬送パドル105の内部には矢印B方向に現像剤102を搬送するために搬送スクリュ−101を使用している。搬送スクリュ−101は図示しない駆動ギヤによりパドル駆動ギヤ103が矢印方向に回転し、パドル105をP方向に駆動させている。パドル前ギヤ107は上記パドル105の回転に同期し、アイドラギヤ109を介して搬送スクリューギヤ111を回転させる。
【0004】
これら一連の駆動により、パドル外周に設けたスパイラル113により現像剤は矢印A方向(前側)に搬送され、パドル手前開口部115に入りパドル内部に設けた搬送スクリュー101の回転により矢印B方向(後側)に搬送される。
【0005】
後側に搬送された現像剤は、パドル後開口部117で再びパドル外側に出され、現像剤の搬送が繰り返される。また、トナ−補給口119で矢印C方向から補給されたトナーはパドル手前開口部115より手前側に搬送されてきた現像剤と共に搬送スクリュ−101により後側へ搬送される。このように、現像剤の搬送手段を同一軸の回転部材で行うことにより、装置の大幅な小型化及びユニットレイアウト、メンテナンス性を向上させている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記に開示された従来例では、パドル及び搬送スクリュ−を駆動するための駆動機構が両者に夫々必要であり、構成が複雑でコスト高になるという問題がある。また最近は、現像装置の更なる軽量化、コンパクト化が望まれている。
【0007】
本発明は、構成が簡単でかつ低コストな現像装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は、トナ−とキャリアを含む2成分現像剤を収容する現像容器と、該現像容器内の前記現像剤を担持して潜像担持体上の静電潜像を現像する現像剤担持体と、該現像剤担持体の幅方向における少なくとも一方の端部から他方の端部へ前記現像剤を搬送する搬送回転部材を備えた現像装置において、前記搬送回転部材は回転部材本体の外周に螺旋形状の外周突起と、前記回転部材本体の内周に前記外周突起とは逆巻きの螺旋形状の内周突起とを設け、前記回転部材の一方向の回転により、前記現像剤を前記回転部材本体の内側と外側とで反対方向に搬送するよう構成したことを特徴とする。
【0009】
この請求項1に記載の発明では、現像装置の現像剤の攪拌において、搬送回転部材(搬送パドル)が駆動機構によって所定方向に回転すると、搬送パドル内部の現像剤は、搬送パドル内周に設けた螺旋形状の内周突起に沿って、一方の端部から他方の端部へと搬送される。現像剤が搬送パドルの端部まで達すると、搬送パドルの外側に現像剤が移動する。移動した現像剤はパドル外周に設けた外周突起に沿って、パドル内周面の進行方向と反対方向に搬送される。現像剤は搬送パドルの外側を移動しつつ、現像剤担持体に現像剤が担持される。搬送パドルの外側を通過した現像剤が端部に達すると、現像剤は掻き上げられて再び、パドル内周側に搬送される。そして再びパドル内周の内周突起に沿って、一方の端部側から他方の端部側へと搬送される。
【0010】
このように、パドル外周に設けた螺旋形状の外周突起に対し、パドル内周面に外周突起の螺旋方向とは逆巻きの内周突起を設けているので、別に搬送スクリューを設ける必要がなく、パドルのみで現像剤の往復搬送が可能であり、構成が簡単でかつ低コストな現像装置を提供することができる。
【0011】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の現像装置において、前記内周突起のピッチ間には内周に向いた攪拌補助部材を設けたことを特徴とする。
【0012】
この請求項2に記載の発明では、請求項1に記載の発明と同様の作用効果を奏するとともに、内周突起のピッチ間には内周に向いた攪拌補助部材を設けているので、補給されたトナーと現像剤とを効率よく攪拌することができ、現像剤の部分的なトナー濃度の上昇や浮遊トナーを大幅に減少させ、画像品質の安定した現像装置を提供することができる。
【0013】
請求項3に記載の発明は、請求項2記載の現像装置において、前記攪拌補助部材は前記搬送回転部材の回転軸に沿って連続していることを特徴とする。
【0014】
この請求項3に記載の発明では、請求項2記載の発明と同様の作用効果を奏するとともに、攪拌補助部材をパドルの回転軸に沿って連続して設けているので、補給されたトナーと現像剤をさらに効率よく攪拌し、現像剤の部分的なトナー濃度の上昇や浮遊トナーを大幅に減少させ、画像品質の安定した現像装置を提供することができる。
【0015】
請求項4に記載の発明は、請求項1から3の何れかに記載の現像装置において、前記内周突起のピッチを前記外周突起のピッチよりも大きくしたことを特徴とする。
【0016】
この請求項4に記載の発明では、請求項1から3の何れかに記載の発明と同様の作用効果を奏するとともに、内周突起のピッチを外周突起のピッチよりも大きくしているので、パドル内面の現像剤の搬送速度を上げることができ、適正なトナー濃度の現像剤をできるだけ速くTセンサ位置に搬送し、トナー濃度のバラツキを小さくして、画像品質の安定した現像装置を提供することができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しつつ、この発明の実施の形態について説明する。図1は第1実施形態に係る現像装置の正面図、図2は図1の搬送パドルを示す断面図、図3は第2実施形態の搬送パドルを示す断面図、図4は第3実施形態の搬送パドルを示す断面図である。図5は現像装置の周囲を概略的に示す正面図である。
【0018】
図5に示すように、本実施形態の画像形成装置50は、図中矢印方向に回転する像担持体としての感光体11を備えており、感光体11の周囲には、感光体11を帯電する帯電装置2と、帯電した感光体11に原稿画像に対応した静電潜像を書き込む書き込み装置とを備えている。感光体11の周囲には、感光体11の静電潜像をトナー像として現像する現像ローラ4を有する現像装置20等を備えており、給紙装置から搬送された転写紙は、転写装置5で感光体11に現像されたトナー像が転写され、トナー像は定着装置で定着されて排紙部へと排出される。また、感光体11の周囲には感光体11上の残留トナーを掻き取るためのクリーニング装置7が設けられており、クリーニングブレード10で掻き取られた残留トナーは、搬送パイプ6を介して現像装置20まで戻され、リサイクルトナーとして再利用される。
【0019】
次に本実施形態の現像装置20について説明する。図1に示すように現像装置20は、感光体11に近接する位置に現像剤担持体である現像スリーブ28を備え、現像剤を感光体11に担持している。また、現像スリーブ28の周囲には現像スリーブ28上の現像剤量を規制するドクタブレード29が設けられている。
【0020】
現像装置20の下部位置には、現像剤を収容する収容部21が設けられており、また収容部21の下部には、収容部21内のトナー濃度を計測するTセンサ23が設けられている。
【0021】
次に本実施の形態の特徴部分である現像装置20の搬送回転部材(以下搬送パドル30)について説明する。従来の搬送パドルはパドル内部に搬送スクリューを設ける構成としたが、本実施形態では搬送スクリューを設けず、その代わりとして搬送パドル30の内周壁に螺旋形状の突起を設けた。
【0022】
図2に示すように、搬送パドル30は円筒状のパドル本体31と、パドル本体31を支える回転軸31a、31bをパドル本体31の両端に設け、図示しないモータによって所定の方向(Z方向)に回転させている。また、パドル本体31の上部位置には現像スリーブ28を備え、本体31の下部位置にはTセンサ23を備えた現像剤の収容部21を備えている。
【0023】
パドル本体31は、外周壁に巻き付くように螺旋状の外周突起33が設けられており、搬送パドル30の回転により収容部21内の現像剤を攪拌するようになっている。また、パドル本体31の左側には、図示しないトナーボトルからのニュートナーや、クリーニングブレード10により掻き取られたリサイクルトナーが流入するためのパドル手前開口部35が設けられている。また、パドル本体31の右側の下部位置には、パドル本体31の内部を攪拌されて移動してきたトナーを、パドル本体31の外側の収容部21側に落下させるためのパドル後開口部37が設けられている。
【0024】
パドル本体31の内周壁には、内周壁に巻き付くように螺旋形状の内周突起39が設けられている。この突起39は、パドル本体31の外周突起33とは螺旋方向が異なり、パドル30の回転により、パドル本体31の外側の現像剤と、内側の現像剤とは軸方向にそれぞれ反対方向に移動するようになっている。パドル本体31の左側の外周壁には、パドル外側壁を搬送してきた現像剤を掻き上げるための掻き上げプレート38が設けられており、この掻き上げプレート38によって現像剤を掻き上げ、パドル手前開口部35から再度パドル本体31の内側に戻すようにしている。
【0025】
次に、上述した構成に基づき本実施の形態の作用を説明する。パドル本体31のパドル手前開口部35からは、トナーボトル等からトナーがパドル本体31の内側に入る。搬送パドル30が図示しない駆動機構によって所定方向(Z方向)に回転すると、パドル本体31の内側の現像剤は、攪拌されながら内周突起39に沿って、一方の端部側から他方の端部側(X方向)へと搬送される。現像剤がパドル本体31内の右端部まで達すると、パドル後開口部37からパドル本体31の外側に現像剤が落下する。落下した現像剤は外周突起33に沿って、パドル内側の現像剤の進行方向とは反対方向(Y方向)に搬送される。パドル本体31の外側の現像剤はY方向に移動しつつ、現像ローラ28に現像剤が担持される。また、Tセンサ23によってトナー濃度が計測される。
【0026】
パドル本体31の外側を搬送された現像剤が左端部に達すると、現像剤は掻き上げプレート38により掻き上げられ、パドル手前開口部35から再びパドル本体31の内側に戻される。そして内周突起39に沿って右側の端部方向(X方向)へと搬送される。
【0027】
このように、パドル本体31の内側には外周突起33とは逆巻きの螺旋形状の内周突起39を設けているので、搬送パドル30のみで現像剤の往復搬送が可能で、構成が簡単でかつ低コストな現像装置20を提供することができる。また、装置全体の軽量化、コンパクト化も図ることができる。
【0028】
次に、他の実施の形態を説明するが、その説明にあたり上述した部分と同一の作用効果を奏する部分には、同一の符号を付することにより、その部分の詳細な説明を省略する。
【0029】
図3に示すように、第2の実施形態では第1の実施形態で説明したパドル本体31の内周突起39のピッチ間に、凸状の攪拌補助部材40を設けるようにした。これにより搬送パドル30の回転により、攪拌補助部材40が現像剤の底部を矢印Q方向に掻き上げ、上方付近まで回転したところで現像剤を落とすことができる。この動作が繰り返されることにより、現像剤が搬送パドル30内部の上面付近に滞留したまま搬送されることなく十分に攪拌される。さらに図4に示すように、攪拌補助部材40がパドル回転中心軸に沿って連続した突起41になっていれば、パドル内の現像剤は進行方向に対して垂直に攪拌力を受けることになり、攪拌機能がさらに促進される。
【0030】
次に、第3実施の形態について説明する。第3実施の形態では、第1の実施の形態又は第2の実施形態に示した搬送パドル30において、内周突起39の突起間のピッチLiを、外周突起33に設けた突起間のピッチLoよりも長くなるようにした。
【0031】
このように、内周突起39の突起間のピッチLiを、外周突起33の突起間のピッチLoよりも長くすることにより、パドル本体31の内部を搬送する現像剤の搬送速度を速めることができる。従って、現像剤がパドル後開口部37から排出され、Tセンサ23に到達するまでの時間が短くなる。つまりトナーが補給されてからTセンサ23の出力に反映されるまでのタイムラグが短くなり現像剤中のトナー濃度のバラツキも小さく、良好な画像を得ることができる。
【0032】
なお、本発明は上述した実施の形態に限定されず、その要旨を逸脱しない範囲で種々の変形が可能である。例えば、パドル内周面には内周突起39のピッチ間に攪拌補助部材40を設けたが、これに限定されずパドル外周面に設けても良い。
【0033】
また、攪拌補助部材40を搬送パドル30の内周壁の一方に設けるようにしたが、これに限定されず、内周壁の周に渡り複数設けるようにしても良い。
【0034】
【発明の効果】
請求項1に記載の発明では、パドル外周に設けた螺旋形状の外周突起に対し、パドル内周面に外周突起の螺旋方向とは逆巻きの内周突起を設けているので、別に搬送スクリューを設ける必要がなく、パドルのみで現像剤の往復搬送が可能であり、構成が簡単でかつ低コストな現像装置を提供することができる。
【0035】
請求項2に記載の発明では、請求項1に記載の発明と同様の効果を奏するとともに、内周突起のピッチ間には内周に向いた攪拌補助部材を設けているので、補給されたトナーと現像剤とを効率よく攪拌することができ、現像剤の部分的なトナー濃度の上昇や浮遊トナーを大幅に減少させ、画像品質の安定した現像装置を提供することができる。
【0036】
請求項3に記載の発明では、請求項2記載の発明と同様の効果を奏するとともに、攪拌補助部材をパドルの回転軸に沿って連続して設けているので、補給されたトナーと現像剤をさらに効率よく攪拌し、現像剤の部分的なトナー濃度の上昇や浮遊トナーを大幅に減少させ、画像品質の安定した現像装置を提供することができる。
【0037】
請求項4に記載の発明では、請求項1から3の何れかに記載の発明と同様の効果を奏するとともに、内周突起のピッチを外周突起のピッチよりも大きくしているので、パドル内面の現像剤の搬送速度を上げることができ、適正なトナー濃度の現像剤をできるだけ速くTセンサ位置に搬送し、トナー濃度のバラツキを小さくして、画像品質の安定した現像装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施形態に係る現像装置を示す正面図である。
【図2】図1の搬送パドルを示す断面図である。
【図3】第2実施形態の搬送パドルを示す断面図である。
【図4】第3実施形態の搬送パドルを示す断面図である。
【図5】現像装置の周囲を概略的に示す正面図である。
【図6】従来例に係る現像装置を示す正面図である。
【図7】従来例に係る搬送パドルを示す斜視図である。
【図8】従来例に係る搬送パドルを示す断面図である。
【符号の説明】
11 感光体(像担持体)
21 収容部(現像容器)
30 搬送パドル(搬送回転部材)
31 パドル本体(回転部材本体)
33 外周突起
39 内周突起
40 攪拌補助部材
Claims (4)
- トナ−とキャリアを含む2成分現像剤を収容する現像容器と、該現像容器内の前記現像剤を担持して潜像担持体上の静電潜像を現像する現像剤担持体と、該現像剤担持体の幅方向における少なくとも一方の端部から他方の端部へ前記現像剤を搬送する搬送回転部材を備えた現像装置において、前記搬送回転部材は回転部材本体の外周に螺旋形状の外周突起と、前記回転部材本体の内周に前記外周突起とは逆巻きの螺旋形状の内周突起とを設け、前記回転部材の一方向の回転により、前記現像剤を前記回転部材本体の内側と外側とで反対方向に搬送するよう構成したことを特徴とする現像装置。
- 前記内周突起のピッチ間には内周に向いた攪拌補助部材を設けたことを特徴とする請求項1記載の現像装置。
- 前記攪拌補助部材は前記搬送回転部材の回転軸に沿って連続していることを特徴とする請求項2記載の現像装置。
- 前記内周突起のピッチを前記外周突起のピッチよりも大きくしたことを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の現像装置。
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