JP3993906B2 - 直接筒内噴射式火花点火エンジン - Google Patents

直接筒内噴射式火花点火エンジン Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、直接筒内噴射式火花点火エンジンにおいて燃焼室の改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
点火プラグの近傍に燃料を集める混合気の成層化をはかるため、シリンダ内にインジェクタ(燃料噴射弁)を臨ませ、シリンダ内に直接に燃料を噴射するようにした直接筒内噴射式火花点火エンジンがある。
【0003】
従来の直接筒内噴射式火花点火エンジンとして、例えば図8に示すものが特開平6−207542号公報に開示されている。
【0004】
これについて説明すると、シリンダ55内に吸気を導入する吸気ポート51と、シリンダ55内に燃料を噴射するインジェクタ57と、シリンダ55内の混合気に点火する点火プラグ56と、シリンダ55内から排気を排出する排気ポート52とを備える。
【0005】
点火プラグ56を燃焼室天井壁54の中央部から燃焼室53に臨ませ、インジェクタ57を燃焼室天井壁54の側部から燃焼室53に臨ませている。
【0006】
インジェクタ57から噴射される燃料噴霧は、ピストン58のキャビティ59にに向けて拡散し、濃混合気がキャビティ59を介して点火プラグ56の近傍に集められる。これにより、希薄混合気でも失火を無くして安定した燃焼性が得られる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような従来の直接筒内噴射式火花点火エンジンにあっては、インジェクタ57が各吸気ポート51の下方に配置されているため、燃料噴霧方向を下方に偏向させる特殊なノズルを設ける必要がある。このため、製品のコストアップを招き、またノズルに対するカーボン等の付着により燃料噴霧方向が変わりやすいという問題点があった。
【0008】
また、燃料噴霧方向を偏向させる特殊なノズルを備えると、ノズルの回転方向の取付け位置精度を確保することが難しく、生産性および整備性が悪いという問題点が考えられる。
【0009】
本発明は上記の問題点を鑑みてなされたものであり、直接筒内噴射式火花点火エンジンに適したインジェクタの取付け構造を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の直接筒内噴射式火花点火エンジンは、シリンダ内に吸気を導入する複数の吸気ポートと、シリンダ内に燃料を噴射するインジェクタと、シリンダ内の混合気に点火する点火プラグと、シリンダ内から排気を排出する排気ポートとを備え、点火プラグを燃焼室天井壁の中央部から燃焼室に臨ませ、インジェクタを燃焼室天井壁の側部から燃焼室に臨ませる直接筒内噴射式火花点火エンジンにおいて、インジェクタの中心線を各吸気ポートの通路壁面より下方に配置し、インジェクタを各吸気ポートの間に挟まれるように配置し、前記インジェクタの噴口の開口端を、シリンダの中心線を含みクランクシャフトの回転中心軸と直交するシリンダ中心面とシリンダ壁面の延長面との交線上に配置し、前記シリンダの中心線に直交する直線を水平線と定義し、前記インジェクタの中心線を水平線に対して30°以上かつ90°以下の範囲で傾斜するように配置し、前記シリンダ中心面においてインジェクタの燃料噴射方向を吸気ポートのシリンダヘッド上流部における吸気の流れ方向と略同一方向に設定し、インジェクタから噴射される燃料噴霧の形状をインジェクタの中心線と同心の円錐状に拡がる構成とし、リーンバーン領域で圧縮行程中に燃料噴射を行い、リーンバーン領域外で吸気行程中に燃料噴射を行う。
【0013】
請求項2に記載の直接筒内噴射式火花点火エンジンは、請求項1に記載の発明において、前記共通のシリンダに接続する2本の吸気ポートをその間隔が燃焼室から離れるのにしたがって大きくなるハの字状に形成する。
【0014】
請求項3に記載の直接筒内噴射式火花点火エンジンは、請求項2に記載の発明において、前記各吸気ポートに接続するインテークマニホールドのブランチ部を平面図上においてそれぞれの通路中心線が互いに平行に並ぶ直線状に形成し、隣り合う気筒に連通する各ブランチ部どうしを接合し、共通の気筒に連通する各ブランチ部どうしの間に間隙を画成する。
【0015】
請求項4に記載の直接筒内噴射式火花点火エンジンは、請求項2に記載の発明において、前記各吸気ポートに接続するインテークマニホールドのブランチ部を平面図上においてY字形に分岐させ、隣り合う気筒に連通する各ブランチ部どうしを接合し、共通の気筒に連通する各ブランチ部どうしの間に間隙を画成する。
【0016】
【発明の作用および効果】
請求項1に記載の直接筒内噴射式火花点火エンジンにおいて、吸気バルブが開かれるのに伴って吸気ポートからシリンダ内に空気が吸入される。
【0017】
例えば希薄空燃比で運転されるリーンバーン領域にて、ピストンが上昇する圧縮行程においてインジェクタが開弁し、シリンダ内に燃料が噴射される。吸気ポートを通ってシリンダ内に吸入された空気がピストンで圧縮された状態で、点火プラグを介して燃料を着火燃焼させる。
【0018】
インジェクタの中心線を各吸気ポートの通路壁面より下方に配置し、インジェクタを各吸気ポートの間に挟まれるように配置することにより、シリンダヘッドにおいて各吸気ポートの下方に位置する限られたスペースにおいて、インジェクタの傾き角度を各吸気ポートの傾き角度と同等に大きく設定することが可能となる。
【0019】
このため、インジェクタから噴射される燃料噴霧の形状をインジェクタの中心線と同心の円錐状に拡がる構成としても、燃料噴霧をピストン冠部の中央部に向けて拡散させることが可能となり、ピストンの上昇に伴って燃料を点火プラグの近傍に集めることができる。この結果、点火プラグによる着火が確実に行われ、燃焼性が確保される希薄空燃比の限界値を拡大することができる。また、ピストンの冠部と燃焼室天井壁の間につくられるクレビス部に到達する燃料量を減らし、火炎の伝播を促進することにより、未燃焼HCおよびスモーク排出量を十分に低減できる。
【0020】
燃料噴霧の形状をインジェクタの中心線Fと同心の円錐状に拡がる構成とすることにより、燃料噴霧方向を中心線上から偏向させる特殊なノズルを用いる必要がなく、製品のコストダウンがはかれる。また、ノズルの取付け位置を回転方向に管理する必要がなく、生産性および整備性の向上がはかれる。
また、前記インジェクタの噴口の開口端を、シリンダの中心線を含みクランクシャフトの回転中心軸と直交するシリンダ中心面とシリンダ壁面の延長面との交線上に配置するため、インジェクタの燃料噴射時期がピストンの下降する吸気行程に設定されているリーンバーン領域外でも、燃料噴霧が吸気バルブ等に接触することが抑えられ、未燃焼HCやスモーク等の排出量を低減することができる。
【0022】
また、傾き角度θfが大きくなるのに伴って未燃焼HCおよびスモーク排出量が減少し、傾き角度θfが30°以上に大きいと未燃焼HCおよびスモーク排出量が十分に減少する傾向がある。
【0023】
したがって、インジェクタの中心線を水平線に対して30°以上かつ90°以下の範囲で傾斜するように配置することにより、未燃焼HCおよびスモーク排出量が十分に減少させることができる。
【0024】
請求項2に記載の直接筒内噴射式火花点火エンジンにおいて、共通のシリンダに接続する各吸気ポートをその間隔が燃焼室から離れるのにしたがって大きくなるハの字状に形成したため、各吸気ポートに接続するインテークマニホールドのブランチ部間にインジェクタを着脱するためのスペースを確保できる。この結果、インテークマニホールドをシリンダヘッドから取り外す必要がなくインジェクタの脱着を行うことができ、生産性および整備性の向上がはかれる。
【0025】
請求項3に記載の直接筒内噴射式火花点火エンジンにおいて、隣り合う気筒に連通する各ブランチ部どうしを接合して共通の気筒に連通する各ブランチ部どうしの間に間隙を画成したため、各吸気ポートに接続するインテークマニホールドのブランチ部間にインジェクタを着脱するためのスペースを確保できる。この結果、インテークマニホールドをシリンダヘッドから取り外す必要がなくインジェクタの脱着を行うことができ、生産性および整備性の向上がはかれる。
【0026】
請求項4に記載の直接筒内噴射式火花点火エンジンにおいて、隣り合う気筒に連通する各ブランチ部どうしを接合して共通の気筒に連通する各ブランチ部どうしの間に間隙を画成したため、各吸気ポートに接続するインテークマニホールドのブランチ部間にインジェクタを着脱するためのスペースを確保できる。この結果、インテークマニホールドをシリンダヘッドから取り外す必要がなくインジェクタの脱着を行うことができ、生産性および整備性の向上がはかれる。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を添付図面に基づいて説明する。
【0028】
図1、図3に示すように、シリンダヘッド1に形成された燃焼室天井壁20とピストン16の間に燃焼室3が画成される。ピストン16のシリンダ5における往復運動はコンロッド(図示せず)を介してクランクシャフト(図示せず)の連続回転運動に変換される。
【0029】
燃焼室天井壁20の側部から燃焼室3に臨むインジェクタ(図示せず)と、燃焼室天井壁20の中央部から燃焼室3に臨む点火プラグ(図示せず)がそれぞれ設けられる。図1において、14はインジェクタに対する取付け穴であり、15は点火プラグに対する取付け穴である。
【0030】
ピストン16が下降する吸気行程において、吸気バルブが開かれるのに伴って各吸気ポート21からシリンダ5内に空気が吸入される。
【0031】
ピストン16が上昇する圧縮行程において、各吸気ポート21を通ってシリンダ5内に吸入された空気がピストン16で圧縮される。
【0032】
ピストン16が圧縮行程で上死点の近傍に到達するとき、点火プラグを介して燃料を着火燃焼させる。
【0033】
ピストン16が下降する膨張行程において、燃焼したガスはピストン16はコンロッドを介してクランクシャフトを回転させる。
【0034】
ピストン16が上昇する排気行程において、排気バルブが開かれるのに伴ってシリンダ5内の排気ガスが各排気ポート22から排出される。これらの各行程が連続して繰り返される。
【0035】
インジェクタはその開弁時期と開弁期間(噴射パルス幅)がコントロールユニットにより運転状態に応じて制御される。コントロールユニットは、エンジンの負荷および回転数が所定値以下のリーンバーン領域で、シリンダ5に供給される混合気の空燃比を理論空燃比より希薄側に調節する。エンジンの負荷または回転数が所定値を超えて上昇するリーンバーン領域外で、シリンダ5に供給される混合気の空燃比を理論空燃比またはリッチ側に調節する。
【0036】
インジェクタの開弁時期である燃料噴射時期は、リーンバーン領域でピストン16が上昇する圧縮行程の後半に設定され、リーンバーン領域外でピストン16が下降する吸気行程に設定されている。
【0037】
図1において、線分Oはシリンダ5の中心線であり、線分Pは点火プラグの中心線である。点火プラグはその中心線Pがシリンダ5の中心線Oの近傍に並んで配置され、図示しない2本の吸気バルブと2本の排気バルブの間に位置して燃焼室3に臨んでいる。
【0038】
図2に示すように、ペントルーフ型に傾斜する燃焼室天井壁20には2本に独立した吸気ポート21と2本に分岐する排気ポート22が互いに対向して開口している。各吸気バルブと各排気バルブは点火プラグを挟むようにして互いに対向して設けられる。
【0039】
図1において、Ibは吸気バルブの中心線、Ipは吸気ポート21の通路中心線、Ebは排気バルブの中心線、Epは排気ポート22の通路中心線、αは吸気ポート21の通路中心線Ipと排気バルブの中心線Epが為すバルブ挟み角である。吸・排気ポート21,22の開口端には吸・排気バルブを着座させるバルブシート38,39がそれぞれ嵌め込まれている。
【0040】
シリンダヘッド1にはエンジン冷却水を循環させるウォータジャケット29が燃焼室3と排気ポート22および吸気ポート21のまわりに形成される。図3において、27は吸・排気カムシャフトを支承する軸受部であり、28はヘッドボルトを挿通させるヘッドボルト穴である。
【0041】
各吸気ポート21は、その通路中心線Ipが図1の正面図上において直線状に延びる。各吸気ポート21の通路中心線Ipがシリンダ5の中心線Oに直交する水平線Yに対して為す吸気ポート流入角度θiは、30°以上かつ90°以下の範囲で可能な限り大きく設定される。
【0042】
図2において、25はバリブリフタ(図示せず)を収装する取付け穴であり、26はバルブスプリング(図示せず)の下端を着座させるスプリング受け部である。吸気ポート流入角度θiは各吸気ポート21とバリブリフタ取付け穴25やスプリング受け部26との間に所定の肉厚が確保される範囲で可能な限り大きく形成される。
【0043】
図1において、シリンダ中心面Zはシリンダ5の中心線Oを含み図示しないクランクシャフトの回転中心軸と直交する平面である。キャビティ11をはじめピストン16と燃焼室天井壁20と吸気ポート21および排気ポート22は、シリンダ中心面Zについて対称的に形成される。
【0044】
シリンダヘッド1には各吸気ポート21に吸気を導くインテークマニホールド30が接続される。インテークマニホールド30は、各吸気ポート21に接続するブランチ部31が独立して形成される。スロットルバルブを通過した吸気がインテークマニホールド30のコレクタ部34に導入された後、各ブランチ部31を通って各吸気ポート21に導入される。
【0045】
図5の平面図上において、各吸気ポート21は直線上に延び、共通の気筒に接続する各吸気ポート21は両者の間隔が燃焼室3から離れるのにしたがって大きくなるハの字状に形成される。
【0046】
直線状に延びる各ブランチ部31は互いに平行に並ぶ。隣り合う気筒に連通する各ブランチ部31どうしが接合し、共通の気筒に連通する各ブランチ部31どうしの間に間隙33が画成される。インジェクタをシリンダヘッド1に取付ける際に、インジェクタや工具等を間隙33から差し込めるようになっている。
【0047】
インジェクタは各吸気バルブの側方で、かつ各吸気バルブの間に位置して燃焼室3に臨んでいる。インジェクタの中心線Fはシリンダ中心面Z上に配置される。
【0048】
インジェクタ取付け穴14は、図5の平面図上において、各吸気ポート21の間に挟まれるように配置される。
【0049】
図4に示すように、インジェクタの中心線Fは各吸気ポート22の通路壁面の下部を結ぶ線分Kより下方に配置される。インジェクタ取付け穴14はその上部が線分Kより所定距離Hだけ上方に配置され、各吸気ポート21の間に挟まれるように配置される。
【0050】
各吸気ポート21はその通路中心線Ip間の距離Mはインジェクタ取付け穴14の直径と各吸気ポート21の半径を加算した値と略等しく設定される。これにより、シリンダヘッド1における各吸気ポート21と点火プラグ取付け穴14間の肉厚が確保される。
【0051】
インジェクタはピストン16の冠部に対向するように、その中心線Fが水平線Yに対して所定角度θfで下向きに傾斜するように配置される。インジェクタの傾斜角度θはは30°以上かつ90°以下の範囲で可能な限り大きく設定される。本実施形態では、インジェクタの傾斜角度θfは吸気ポート流入角度θiと略等しく設定される。
【0052】
インジェクタの燃料噴射方向は吸気ポートにおける吸気の流れ方向と略同一方向に設定される。インジェクタの噴口から噴射される燃料噴霧はインジェクタの中心線Fを中心として円錐状に拡がる構成とし、その大部分がピストン1の冠部に到達するようになっている。
【0053】
インジェクタの先端部はシリンダ壁面5aの延長上に配置される。すなわち、インジェクタの噴口の開口端の中心がシリンダ壁面5aの延長面S上に配置される。
【0054】
ピストン1の冠部には凹状に窪むキャビティ11が形成される。キャビティ11は冠部の中央部から吸気バルブの下方に配置される。キャビティ11に点火プラグに向けて傾斜するスロープ12が形成される。
【0055】
以上のように構成され、次に作用について説明する。
【0056】
リーンバーン領域外ではピストン16が下降する吸気行程にインジェクタが開弁する。インジェクタから噴射された燃料噴霧が各吸気ポート21から導入される吸気と混合し、ピストン1が上昇して点火時期を迎えるまでに燃焼室に均質な混合気が形成される。
【0057】
リーンバーン領域ではピストン16が上昇する圧縮行程の後半にインジェクタが開弁する。インジェクタから噴射された燃料噴霧がシリンダ5内に生起されるタンブルと共に旋回し、スロープ12に沿って上昇することにより、濃混合気が点火プラグの近傍に集められる。
【0058】
インジェクタから噴射される燃料噴霧の形状をインジェクタの中心線Fと同心の円錐状に拡がる構成としたため、インジェクタの傾き角度θfを大きくするほど、燃料噴霧をピストン1の冠部上に集められ、燃料噴霧がシリンダ壁面5aや燃焼室天井壁20等に直接当たることを抑えられる。
【0059】
図6は、インジェクタの傾き角度θfに対する未燃焼HCおよびスモーク排出量の特性図である。傾き角度θfが大きくなるのに伴って未燃焼HCおよびスモーク排出量が減少し、傾き角度θfが30°以上に大きいと未燃焼HCおよびスモーク排出量が十分に減少する傾向がある。
【0060】
インジェクタ取付け穴14を各吸気ポート21の間に挟まれるように配置し、インジェクタ取付け穴14の上部を各吸気ポート22の通路壁面の下部を結ぶ線分Kより上方に配置する構造により、シリンダヘッド1において各吸気ポート21の下方に位置する限られたスペースにおいて、インジェクタの傾き角度θfを各吸気ポート21の傾き角度θpと同等に大きく設定することが可能となる。
【0061】
この結果、インジェクタから噴射される燃料噴霧の形状をインジェクタの中心線Fと同心の円錐状に拡がる構成としても、燃料を点火プラグの近傍に集中させることができ、着火が確実に行われ、燃焼性が確保される希薄空燃比の限界値を拡大することができる。シリンダ5に供給される混合気の空燃比を希薄化することにより、エンジンのポンピング損失を低減し、燃費の低減がはかれる。
【0062】
また、ピストン16の冠部と燃焼室天井壁20の間につくられるクレビス部に到達する燃料量を抑えられ、火炎の伝播を促進し、未燃焼HCおよびスモーク排出量を十分に低減できる。
【0063】
インジェクタの噴口の開口端の中心をシリンダ壁面5aの延長面S上に配置することにより、インジェクタの燃料噴射時期がピストン16が下降する吸気行程に設定されているリーンバーン領域外でも、燃料噴霧が吸気バルブ等に接触することが抑えられ、未燃焼HCやスモーク等の排出量を低減することができる。
【0064】
燃料噴霧の形状をインジェクタの中心線Fと同心の円錐状に拡がる構成とすることにより、燃料噴霧方向を中心線F上から偏向させる特殊なノズルを用いる必要がなく、製品のコストダウンがはかれる。また、ノズルの取付け位置を回転方向に管理する必要がなく、生産性を高められる。
【0065】
共通の気筒に接続する各吸気ポート21をその間隔が燃焼室から離れるのにしたがって大きくなるハの字状に形成するとともに、直線状に延びる各ブランチ部31が互いに平行に並び、共通の気筒に連通する各ブランチ部31どうしの間に間隙33が画成されるため、インジェクタをシリンダヘッド1に取付ける際に、インジェクタや工具等を間隙33から差し込むことが可能となる。この結果、インテークマニホールド30をシリンダヘッド1から取り外す必要なくインジェクタの脱着を行うことができ、生産性および整備性の向上がはかれる。
【0066】
次に、図7に示す実施形態について説明する。なお、図5との対応部分には同一符号を付す。
【0067】
シリンダヘッド1には各吸気ポート21に吸気を導くインテークマニホールド40が接続される。インテークマニホールド40は、各吸気ポート21に接続するブランチ部41がY字形に分岐して形成される。スロットルバルブを通過した吸気がインテークマニホールド40のコレクタ部44に導入された後、各ブランチ部41を通って各吸気ポート21に導入される。
【0068】
図7の平面図上において、各吸気ポート21は直線上に延び、共通の気筒に接続する各吸気ポート21は両者の間隔が燃焼室4から離れるのにしたがって大きくなるハの字状に形成される。
【0069】
各ブランチ部41は各吸気ポート12から連続しながら湾曲して形成される。隣り合う気筒に連通する各ブランチ部41どうしが接合し、共通の気筒に連通する各ブランチ部41どうしの間に間隙43が画成される。
【0070】
これにより、インジェクタをシリンダヘッド1に取付ける際に、インジェクタや工具等を間隙43から差し込むことが可能となる。この結果、インテークマニホールド40をシリンダヘッド1から取り外す必要なくインジェクタの脱着を行うことができ、生産性および整備性の向上がはかれる。
【0071】
前記各実施形態では吸・排気バルブを2本づつ備えているが、排気バルブの数を3本とすることも可能である。
【0072】
また、本発明は直列4気筒エンジン、直列6気筒エンジン、V型6気筒エンジン、V型5気筒エンジン等いずれのエンジンにも適用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態を示し、図5のA−A線に沿うエンジンの断面図。
【図2】同じく図5のB−B線に沿うエンジンの断面図。
【図3】同じく図5のC−C線に沿うシリンダヘッドの断面図。
【図4】同じく図1のD−D線に沿うシリンダヘッドの断面図。
【図5】同じくシリンダヘッド等の平面図。
【図6】同じくインジェクタの傾き角度θfに対する未燃焼HCおよびスモーク排出量の特性図。
【図7】他の実施形態をシリンダヘッド等の平面図。
【図8】従来例を示すエンジンの断面図。
【符号の説明】
1 シリンダヘッド
3 燃焼室
5 シリンダ
14 インジェクタ取付け穴
15 点火プラグ取付け穴
16 ピストン
20 燃焼室天井壁
21 吸気ポート
22 排気ポート
30 インテークマニホールド
31 ブランチ部
33 間隙
40 インテークマニホールド
41 ブランチ部
43 間隙

Claims (4)

  1. シリンダ内に吸気を導入する複数の吸気ポートと、
    シリンダ内に燃料を噴射するインジェクタと、
    シリンダ内の混合気に点火する点火プラグと、
    シリンダ内から排気を排出する排気ポートとを備え、
    点火プラグを燃焼室天井壁の中央部から燃焼室に臨ませ、
    インジェクタを燃焼室天井壁の側部から燃焼室に臨ませる直接筒内噴射式火花点火エンジンにおいて、
    インジェクタの中心線を各吸気ポートの通路壁面より下方に配置し、
    インジェクタを各吸気ポートの間に挟まれるように配置し、
    前記インジェクタの噴口の開口端を、シリンダの中心線を含みクランクシャフトの回転中心軸と直交するシリンダ中心面とシリンダ壁面の延長面との交線上に配置し、
    前記シリンダの中心線に直交する直線を水平線と定義し、
    前記インジェクタの中心線を水平線に対して30°以上かつ90°以下の範囲で傾斜するように配置し、
    前記シリンダ中心面においてインジェクタの燃料噴射方向を吸気ポートのシリンダヘッド上流部における吸気の流れ方向と略同一方向に設定し、
    インジェクタから噴射される燃料噴霧の形状をインジェクタの中心線と同心の円錐状に拡がる構成とし、
    リーンバーン領域で圧縮行程中に燃料噴射を行い、リーンバーン領域外で吸気行程中に燃料噴射を行うことを特徴とする直接筒内噴射式火花点火エンジン。
  2. 前記共通のシリンダに接続する2本の吸気ポートをその間隔が燃焼室から離れるのにしたがって大きくなるハの字状に形成したことを特徴とする請求項1に記載の直接筒内噴射式火花点火エンジン。
  3. 前記各吸気ポートに接続するインテークマニホールドのブランチ部を平面図上においてそれぞれの通路中心線が互いに平行に並ぶ直線状に形成し、
    隣り合う気筒に連通する各ブランチ部どうしを接合し、
    共通の気筒に連通する各ブランチ部の間に間隙を画成したことを特徴とする請求項2に記載の直接筒内噴射式火花点火エンジン
  4. 前記各吸気ポートに接続するインテークマニホールドのブランチ部を平面図上においてY字形に分岐させ、
    隣り合う気筒に連通する各ブランチ部どうしを接合し、
    共通の気筒に連通する各ブランチ部の間に間隙を画成したことを特徴とする請求項2に記載の直接筒内噴射式火花点火エンジン
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