JP3993666B2 - 改良真空ポンプ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する分野】
本発明は真空ポンプに関し、特に、運転の再生モード及び好ましくは運転の再生モードと運転の分子吸収モードの組み合わせを採用したポンプに関する。
【0002】
【従来の技術】
再生モードで作動し、ロータがステータ内で、高速度で,例えば、10000回転/分で回転する真空ポンプ及び又は圧縮機が知られており、真空ポンプ及び又は圧縮機では、ロータはその周縁に或いは別の例として、ロータの側の周囲に環状列に位置決めされた一連のブレードを有し、
ステータはブレードが回転する環状チャンネルを有し、環状チャンネルは、ブレードのために厳密な間隙をもたらす減少した断面を有する「ストリッパ」として知られたチャンネルの小部分を除いて、個々のブレードの断面積よりも大きい断面積を有する。
ポンプの使用中、圧送すべきガスはストリッパの一端に隣接して位置した入口を経て環状チャンネルに入り、ガスは回転しているロータのブレードによってチャンネルに沿って押し進められ、ついには、ガスはストリッパの他端に当たり、次いで、ガスはストリッパの他端に位置した出口を通して押し進められる。このような運転モードを採用したポンプ/圧縮機が比較的低流量で高圧縮比をもたらすことができることが知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このようなポンプでは、タンデムの追加の真空ポンプの使用に頼ることなく十分に高い終極な真空を得ることが困難であることがあり、加えて、より小さい、従って軽いポンプの可能性とともにより高い圧縮率が有利である。
本発明は、特にロータと関連した多段ポンプ作用の使用によって実質的により高い圧縮が得られる真空ポンプを提供することに関する。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、ロータと、ロータを回転させるようになったステータ本体とを有し、
ロータがその側に環状列に位置した一連のブレードを有し、
ステータがブレードが回転することができる環状チャンネルを有し、環状チャンネルがブレードのために厳密な間隙をもたらす減少した断面を有するチャンネルの小部分を除いて、個々のブレードの断面積よりも大きい断面積を有する、再生タイプの真空ポンプにおいて、
ロータはその側に同心の環状列に位置した少なくとも2連のブレードを有し、ステータは環状列のブレードが回転することができる対応した多数のチャンネルを有し、ポンプによって排気されるガスが通ることができる連続通路を形成するためにチャンネルをリンクする手段が設けられる。
【0005】
一般的には、ロータは、ブレードの列が位置した側がブレードの列を受けるための実質的に平坦な面を有し、通常は、この平坦面はロータの主軸線に対して半径方向に向けられる。一般的には、環状列間の平坦面はステータの対応した環状平坦面と協同して環状列間にフェースシールをもたらす。
適当ならば、本発明はまたロータの各側に少なくとも2つの列のブレードがあることの可能性を有し、各側は好ましくはブレードの列を受けるための実質的に平坦な面を有する。
好ましい実施形態では、ロータはその一方の側に又は両側に少なくとも5つの列又は6つの列を有する。
各列の個々のブレードは一般的には、ロータと関係して半径方向に配列される。各ブレードは実質的に平らであり、或いは、少なくとも一部が、円弧状であり、凹面側がロータの移動方向に向いており、これはポンプ効率を助長するのに好まれる。
【0006】
ストリッパと協同するブレードの縁がブレードとストリッパとの間の「密封」を改善するために尖った端ではなく平らな面を持つことが好まれる。
典型的には、各列は少なくとも約10個の、好ましくは、少なくとも50個のブレードを有するのがよい。一般的には、通常は、各列に約150個までのブレードがある。好ましくは、チャンネルの主部分の断面積はブレードの半径方向断面の断面積の3倍乃至6倍である。
本発明によれば、ロータの面に環状列に1連以上のブレードを有することは種々の利点及び機会を提供する。
最初に、ポンプに対して一連の同心列のブレード及び対応したチャンネルの構成は、ポンプの中心に向かって排気させるために、排気されるガスの流れが最外列から最内列まで起こるならば、固有の容積圧縮比をもたらすことができる。この効果は、個々のチャンネルの断面積が最外チャンネルから最内チャンネルまで徐々に減少されるならば、高められる。例えば、6つのかかる列を有するポンプでは、最内チャンネルの横断面積は最外チャンネルの断面積の六分の一乃至二分の一の程度である。
【0007】
第2に、ブレード/チャンネルの同心列は軸線方向におけるポンプ全体を多段軸線方向列のブレードのポンプよりも短くする。
第3に、特に、ガスの流れが外側チャンネルから内側チャンネルになされるならば、軸線方向の荷重を減少させることができる。何故ならば、かかる構成において最も高い圧力がポンプの中心であり、より小さい領域にわたって作用するからである。
第4に、ブレードの各列がロータの面になる隆起リングに取付けられ、ステータの対応したチャンネルがブレードの回転を可能にするためブレードの周りにあり、ステータと隆起したリングの湾曲面との間の比較的厳密な公差はロータとステータとの間に半径方向の密封の機会をもたらす。
【0008】
本発明のポンプは、
i) それ自身で個々の真空ポンプとして、
ii)ターボ分子ポンプ又は分子吸収ポンプのような他の真空ポンプと関連して、
iii)異なるタイプの段、例えば分子吸収段をゆうする大きなハイブリッド真空ポンプの構成部品として、
採用される。
しかしながら、例えば、「ホルウェック」として知られている分子吸収段のタイプとともに、本発明による再生段を有するハイブリッドポンプは特に有利である。ホルウェック段では、ねじ山直立フランジをもった交互の定置及び回転同心中空円筒体が設けられ、隣接した円筒体間の隙間を実質的に横切って延びる螺旋構造を形成し、フランジは回転する円筒体の面か定置の円筒体の面のいずれかに取付けられる。
【0009】
本発明におけるかかる実施形態では、ホルウェック円筒体を軸線方向に配列し、回転する円筒体を再生段の回転するロータと同じシャフトに取付けるのが特に有用である事がわかった。
ロータブレードがロータから軸線方向に垂下する、本発明の再生ポンプ段と関連して、ホルウェック円筒体の対応した軸腺方向の配列が好まれる。ロータの再生ブレードと組み合わせて、これは半径方向にはさみ込むステータ部分をもたないポンプを形成し、それによって、ポンプの組み立て及び分解を容易にする。
この点では、一方のポンプ段がロータの一方の側にあり、他方の段がロータの反対の側にあることが好まれる。この特徴は全体的により小さくてより軽いポンプの可能性を提供する。
【0010】
ホルウェック段は特に、一般的には、ポンプの入口(低真空)端にあり、ホルウェック円筒体のかかる軸線方向の配列はガスを最内の円筒体を通して流入させることによって全体としてポンプにとって自然な入口をもたらすことがわかった。
この好ましいハイブリッドポンプの実施形態では、ホルウェック段のガス流れが中心から外方になり、再生段のガス流れが外周から内方でありことが有利であり、それによって、全体としてバランスした効率的なポンプとなる。
ホルウェック段の改良に関してここに記載した特徴は一般的にはホルウェック段にとって、それ自身で、又はここに記載した段とは異なる段と関連して有利である。
【0011】
本発明の好ましい実施形態の再生/ホルウェックポンプの組み合わせでは、一般的な設計は有利には、通常は軽金属又は合金、例えば、アルミニウムで作ることができる単一ピースのロータにする。
本発明のポンプは特に、以下に記載の発明の特定な実施形態と関連して説明するある好ましい特徴をによって採用されたとき、ダスト同伴ガスの取扱いに特に適している。
本発明のより良い理解のために、単なる例示として、添付図面を参照する。
図面、特に先ず図1を参照すると、全体的に参照番号1で指示した再生段及び全体的に参照番号2で指示した分子吸収(ホルウェック(Holweck)段を有する複式真空ポンプを示す。
【0012】
真空ポンプは一緒にボルト締めされた多数の異なる本体部分で作られ、それらの間に適切なシールを備えたハウジング3を有する。
ハウジング3内には、軸受4、5間にシャフト6が取付けられている。シャフト6はその長手方向軸腺を中心に回転するようになっており、それ自体知られた方法でシャフト6を取り囲む電動機7で駆動される。
再生段1に関して、ロータ9がボルト手段8でシャフトにしっかりと取付けられている。図2を参照すると、ロータ9は一般的には円形ディスクの形態をなし、その下面は実質的に平らな面を有し、この平らな面には、ロータの中心点を中心に対象的に位置した複数(6個)の隆起リング10、11、12、13、14、15が面と一体に位置決めされている。隆起リングの各々には、一連の等間隔のブレードB、例えば、各リングに100個のブレードが取り付けられて同心環状列のブレードを形成する。
【0013】
各リングの幅及び各リングのブレードの対応する寸法は最も外側のリング15から最も内側のリング10まで徐々に減少する。
ブレードの各々は、凹面側が図5により明瞭に示すようにロータの移動方向に向いて僅かに円弧状である。
ハウジング3の本体部分16はステータを形成し、そして上面に、「鍵孔」断面の6つの円形チャンネルを有し、該チャンネルは長方形断面上部に6つの隆起リング10、11、12、13、14をぴったりと収容する寸法のものであり、円形断面下部は関連した隆起リングのブレードを収容し、ブレードの断面はチャンネルの円形断面部の断面積の約六分の一である。
この一般的なタイプの運転再生モードのあらゆるポンプと同じように、各チャンネル(この場合には、チャンネルの円形断面部)は、その中に収容されたブレードの形状寸法と実質的に同じ形状寸法の長さの小さい、例えば1cmの部分の間、減少した断面積(図示せず)を有する。各チャンネルのこの減少した断面積部分は、使用中、チャンネルの中を通るガスを、ポート(図示せず)によって、次の(内側の)チャンネルへ強制的に偏向させる「ストリッパー」を形成する。
【0014】
隆起リングにブレードを取付けることを含む、上記の構成は、ロータとステータとの間の半径方向の密封並びに以前に採用された軸受線方向の密封を考慮している点で改良を有する。この点で、半径方向の密封は隆起リング10、11、12、13、14、15の側面と関連したチャンネルの長方形断面部との間17、18で、特に、単に図面に明らかにするのを助けるために、リング10について示すように最外側面18で起こる。
本発明のポンプはダスト同伴ガスの取扱いを必要とする条件で使用するのに特に適している。図3は、1つ又はそれ以上の再生チャンネルに採用することができる種々の随意の特徴を示す再生段のこの部分の右側だけの拡大図である。
図3に示すように、隆起リング10、11、12と関連したチャンネルは上記の如くである。しかしながら、特に、遠心力の作用でこの領域に蓄積するかもしれないいかなるダストがそのようする傾向がないように修正された断面形状の隆起リング13及び対応したチャンネルが示される。蓄積しないのは、ダストが遠心力の作用で傾斜19に沿って再び下方に押し進められるからである。
【0015】
隆起リング14と関連し、図3に示すチャンネルは、長方形断面部の内面に、ブレード面を隆起リング14の方に向けて、実質的に軸線方向に向けられた薄い真っ直ぐな突出部20(又は間隔を隔てた多数のかかる突出部)を有し、該突出部は、この領域に蓄積する傾向があるダストを擦り落としてこのチャンネルの円形断面部の方に押し進める。
リング15と関連し、図3に示すチャンネルは、長方形断面部の内面に、螺旋突出部21(リングの周りに右に延びる)を有し、螺旋突出部は再び、この領域に蓄積する傾向があるダストを擦り落としてこのチャンネルの円形断面部の方に螺旋に沿って押し進める。
通常、どんなポンプでも、たった1つのかかるダスト取扱い特徴が1つ又はそれ以上のリングに使用される。しかしながら、単一のポンプに2つ又はそれ以上の特徴を採用し、或いはリング13を参照して上記した「傾斜付き」特徴をリング14又は15を参照して上記した特徴とを組み合わせることが可能である。
【0016】
特に、図2に戻ると、ホルウェック(Holweck)段2に関して、この段は一般的には、ハウジングの本体部分22内に形成される。
本体部分22に応じて、シャフト6に関して軸線方向に向けられた一組の3つの中空環状円筒体23、24、25がこの段のステータを形成する。
シャフト6に関して軸線方向に向けられた一組のさらに3つの同心の中空円筒体26、27、28がその下端でロータ9の上面にしっかりと固定される。この実施形態では、これら3つの円筒体はポンプに組み立て分解しやすくするためにベースプレート29によって一体に形成され且つ接合される。
6つの円筒体の各々はポンプの主軸線に関して対象的に取り付けられ、一方の組の円筒体に図2に示す方法で他方の組の円筒体がはさみ込まれ、それによって各隣接した円筒体間に一様な隙間を形成する。
【0017】
しかしながら、この隙間は最内の隣接した円筒体から最外の隣接した円筒体まで減少する。
各隣接した円筒体間の隙間にはねじ山直立フランジが位置して実質的に隙間にわたって延びる螺旋構造を形成する。このフランジは隣接した円筒体のいずれかに取り付けてもよい。しかしながら、好ましい実施形態によれば、そして特にダスト同伴ガスを処理する用途については、フランジが各円筒体の外に向いた面に取り付けられるから、特に、遠心力の作用で内に向いた面に集まる傾向があるダストは螺旋構造、特に定置円筒体の螺旋構造にに捕捉されない。
図2はかかる好ましい実施形態を示し、図1には直立のフランジが示されていないことに気付くべきである。
【0018】
図面には示されていないが、ロータ9及び中空円筒体26、27、28とともにベースプレート29を全て通常、例えば、アルミニウム又はアルミニウム合金で作られた一体の構成部品として製造してもよいことに気付くべきである。
図4は円筒体23の一部を示し、直立フランジ30が多数の個々のフランジの形態で取り付けられて全体的に螺旋構造を形成する。たの円筒体24及び25は実質的に同じ構造を有する。
ポンプの使用中、シャフト6及びロータ9は高速度で回転しており、ガスが本体部分22の入口31に吸い込まれ、且つ隣接した円筒体23と26との間の隙間に吸い込まれる。次いで、ガスは円筒体26の直立フランジによって形成された螺旋に沿って下方に通り、それ故に、円筒体23と27との間の隙間を上方に通り、円筒体25と28との間の隙間を下方に通るまで同様である。次いで、ガスは図示してない口を通ってリング15と関連したチャンネルの円形断面部に流入し、それ故に、それぞれのストリッパの作用によってリング14、13、12、11、10と関連したチャンネルを通り、ついには、本体部分16のボア32、33を経てポンプから排気される。
【0019】
従って、ガスの流れは分子吸収(ホルウェック(Holweck))段でほぼ半径方向外方であり、そして再生段で半径方向内方であた、それによって、バランスした効率的なポンプとなる。これは、一般的には、ポンプの高圧領域と低圧領域との間に複数の動的シールを設ける必要をなくすことができる。
図面を参照して説明した構成は、本体部分22を取り外すだけで、保守のために、シャフト及びロータを軸線方向に取り外すことができるために組み立てたり分解したりすることができる。
最後に、図5は各側に凹面50及び平坦面51、52を示す個々のブレードBの断面図を示す。上述したように、これはブレードとストリッパとの間の良好な密封を可能にし、その協同する縁53を図5に点線で示す。ロータ9のブレードBの移動方向を本体部分16のチャンネル54内に矢印Aで示す。
【図面の簡単な説明】
【図1】再生段とホルウェック段の両方を有する本発明の真空ポンプの断面図である。
【図2】真空段を特に強調している、図1に示す図の拡大断面図である。
【図3】再生段及びここに使用される種々の随意の特徴を特に強調した、図1及び2に示す図の更なる拡大断面図である。
【図4】図1乃至3に示すポンプのホルウェック段に使用される円筒体の一部の斜視図である。
【図5】図3のVーV線におけるここの再生ブレードの断面図である。
【符号の説明】
1 再生段
2 分子吸収(ホルウェック)段
6 シャフト
9 ロータ
10 隆起リング
11 隆起リング
12 隆起リング
13 隆起リング
14 隆起リング
15 隆起リング
B ブレード
22 本体部分
23 円筒体
24 円筒体
25 円筒体
26 円筒体
27 円筒体
28 円筒体

Claims (9)

  1. ロータと、ロータを回転させるようになったステータ本体とを有し、
    ロータが、該ロータの側に環状円形列に位置した少なくともニ連のブレードを有し、
    ステータが、ブレードが回転することができる、ブレードに対応する数の環状チャンネルを有し、環状チャンネルが、減少した断面を有するチャンネルの小部分を除いて、個々のブレードの断面積よりも大きい断面積を有し、
    ポンプによって排気されるガスが通ることができる連続通路を形成するためにチャンネルをリンクする手段が設けられている、再生タイプの真空ポンプにおいて、
    各環状列のブレードは、ロータの側にある隆起リングに取付けられ、対応する環状チャンネルがブレードの回転を可能にするためブレードの周りにあり、ステータと隆起リングの湾曲面との間の比較的厳密な公差がロータとステータとの間に半径方向の密封の機会を作る、ことを特徴とする再生タイプの真空ポンプ。
  2. ロータの両側に少なくとも2つの列のブレードがある、請求項1に記載のポンプ。
  3. ロータの両側に少なくとも5列又は6列のブレードを有する、請求項1又は2に記載のポンプ。
  4. 排気されるガスの流れが、ポンプの中心に向かって排気させるために、最外列のブレードから最内列のブレードまで起こるようにする、前請求項のいずれかに記載のポンプ。
  5. 個々のチャンネルの断面積は最外のチャンネルから最内のチャンネルまで徐々に減少される、前請求項のいずれかに記載のポンプ。
  6. 分子吸収段とともに再生段を有するハイブリッドポンプの形態をなしている、前請求項のいずれかに記載のポンプ。
  7. 分子吸収段は交互の定置円筒体と回転円筒体を有するホルウェック段である、前請求項のいずれかに記載のポンプ。
  8. ホルウェック円筒体は軸線方向に配列され、回転円筒体は再生段の回転ロータと同じシャフトに取付けられる、請求項7に記載のポンプ。
  9. ホルウェック円筒体は軸腺方向に配列される、請求項7又は8に記載のポンプ。
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