JP3233364U - 真空システム - Google Patents

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Abstract

【課題】流体を効率的に圧送する真空システムを提供する。【解決手段】ジークバーンポンプ機構2及び再生ポンプ機構3を備えた真空システム1であって、ジークバーンポンプ機構2が複数のジークバーンポンプ段6を含み、ジークバーンポンプ機構2と再生ポンプ機構3が直列に配置され、真空システム1は更に、ジークバーンポンプ機構2の上流に配置された少なくとも1つの第1のポンプ入口4と、少なくとも第1のジークバーンポンプ段の下流に配置された少なくとも1つの第2のポンプ入口5とを備え、第2のポンプ入口5を介して流入する流体が、ジークバーンポンプ段6の少なくとも単一の通過を完了する。このような真空システムを使用してチャンバを排気する。【選択図】図1

Description

本考案は、真空システムに関し、より詳細には、シーグバーンポンプ機構及び再生ポンプ機構を備えた真空システムに関する。
流体の流れは、流体の流動様式に分類することができる。このような流動様式は、ある圧力範囲内で発生するガス流のタイプによって特徴付けることができる。ポンプ機構は、特定の流動様式の流体を圧送するときに最も効率的に動作することができる。
例えば、ターボ分子ポンプは、典型的には、分子流動様式で最も効率的に動作する。分子流動様式は、約10-3mbarから約10-10mbarの流体圧力を含むと理解される。ターボ分子ポンプは、主として「運動量移送」ポンプ機構によって動作する。
対照的に、再生ポンプ機構は、典型的には、連続流動様式で最も効率的に動作する。連続流動様式は、約10mbarを超える流体圧力を含むと理解される。再生段は、「空力」ポンプ機構により動作する。
幾つかの真空システムは、第1の流動様式で動作する主ポンプ機構と、第2の流動様式で動作する補助ポンプ機構とを備えることができる。このような補助ポンプ機構は、ブースター機構として一般的に知られている。例えば、ターボ分子ポンプは、主ポンプ機構とすることができ、再生機構などの補助機構を流体結合させることができる。
しかしながら、再生ポンプ機構は、約10mbarを超える比較的高い圧力で最も効率的に動作するが、ターボ分子ポンプは、約10-3mbarから約10-10mbarの有意に低い圧力で最も効率的に動作する。その結果、真空システムが使用されており、システム内の圧力が10mbarを超える場合、再生ポンプ機構は、流体を効果的に圧送することができるが、ターボ分子ポンプシステムは、可能であったとして、流体を非効率的に圧送する可能性がある。
実際に、ターボ分子ポンプの構成要素間の製造公差が厳しいことに起因して、排気されるチャンバと再生機構との間にターボ分子ポンプが存在することは、真空システム全体を通る流体の流れに対する重大な障害となり、ポンプシステムの全体的な効率を低下させる。このため、最終圧力に達するまでに要する時間が大幅に長くなる可能性がある。
更に、システム内の圧力が約10-3mbarから約10-10mbarに低下した場合、主な流体の流動様式は分子流である。従って、ターボ分子ポンプは、流体を効率的に圧送することができるが、圧力が低すぎるため、可能であったとしても、再生機構が流体を効率的に圧送することはできない。
このタイプのポンプが特に非効率的である可能性がある流動様式は、いわゆる遷移流動様式にある。これは、約10mbarから約10-3mbarの範囲の圧力、つまり空気力学的流れと分子流との間の遷移状態を含むものと理解される。この様式では、再生ポンプ機構もターボ分子ポンプ機構も流体を効率的に圧送していない。
このタイプのポンプシステムに関する問題は、ターボ分子ポンプ機構と再生ポンプ機構が、典型的には共通のシャフト上に配置され、共通のモータによって回転することである。従って、ターボ分子機構のロータの回転速度は、再生機構の回転速度と同じである。これには、ポンプの動きに動力供給しているモータが、ポンプ内の圧力に応じて可変である必要がある。このことは、システムが複雑になり、モータが単一の動作速度でのみ回転する必要がある場合に役立つ。
ある範囲の圧力(すなわち、流動様式)にわたって高レベルのポンプ性能を達成することができる真空システムを有することは有利であろう。特に、遷移流動様式においてより効率的なポンプ性能を提供する真空システムを有することが有利となる。
本考案は、既知の真空システムに関連するこれら及び他の問題を少なくとも部分的に解決することを目的としている。
従って、第1の態様では、本考案は、シーグバーンポンプ機構及び再生ポンプ機構を備えた真空システムを提供する。シーグバーンポンプ機構は、複数のシーグバーンポンプ段を含む。シーグバーンポンプ機構と再生ポンプ機構は、直列に配置されている。真空システムは更に、シーグバーンポンプ機構の上流に配置された少なくとも1つの第1ポンプ入口を備える。真空システムは更に、少なくとも第1のシーグバーンポンプ段の下流に配置された少なくとも1つの第2のポンプ入口を備え、第2のポンプ入口を介して流入する流体は、シーグバーンポンプ段の少なくとも単一の通過を完了するようになる。
シーグバーンポンプ機構は当技術分野で知られている。典型的には、シーグバーンポンプ機構は、複数のシーグバーンポンプ段を備えることができる。シーグバーンポンプ段は、軸方向に整列した構成で配置されたディスクロータ(ロータ)と環状ステータ(ステータ)を含むことができ、ディスクロータ及び環状ステータは、軸方向に間隔を置いて配置され、これらの間に流路を定める。使用時には、ディスクロータの回転により、流路を通る流体流れを促進することができる。
典型的には、各ディスクロータは、駆動シャフトから半径方向外向きに延びることができる。1又は2以上のディスクロータは、駆動シャフトに結合することができ、及び/又は1又は2以上のディスクロータは、一体構成要素を形成するように共に一体的に形成することができる。1又は2以上の環状ステータは、シーグバーンポンプ機構の外壁から実質的に半径方向内向きに延びて、駆動シャフトを実質的に取り囲むことができる。各環状ステータは、その上面及び/又は下面から実質的に軸方向に延びる複数の壁を含むことができ、壁は、これらの間に複数のチャネルを定める。チャネルは、典型的には、少なくとも1つの螺旋配置で環状ステータの外周縁部から環状ステータの中心軸に向かって半径方向内向きに延びることができる。典型的には、各ステータは、駆動シャフトの周りに配置されて環状ステータを形成することができる2又は3以上の半環状構成要素を含むことができる。
シーグバーンポンプ機構は、単一のシーグバーンポンプ段を含むことができ、又は好ましくは、シーグバーンポンプ機構は、シーグバーンスタックを含むことができる。シーグバーンスタックは、典型的には、複数のシーグバーンポンプ段を含むことができる。好ましくは、シーグバーンスタックは、約1から約8つのシーグバーンポンプ段、例えば4つのシーグバーンポンプ段を含むことができる。より好ましくは、上記シーグバーンポンプ段は、交互するディスクロータと環状ステータの同軸スタックを含むことができる。好ましくは、ディスクロータは、駆動シャフトの一部に沿って実質的に等間隔に配置することができる。
典型的には、各ディスクロータの半径方向に最外周縁部とシーグバーン機構ポンプチャンバの外壁との間にギャップを設けて、流体が上流のシーグバーンポンプ段から下流のシーグバーンポンプ段に流れることを可能にすることができる。典型的には、環状ステータの半径方向最内周縁部と駆動シャフトとの間にギャップを設けて、流体が上流のシーグバーンポンプ段から下流のシーグバーンポンプ段に流れるようにすることができる。
使用時には、1又は2以上のディスクロータは、駆動シャフトの回転と共に回転するように構成することができる。流体分子は、回転するディスクロータの表面と相互作用して、ディスクロータが上記流体分子に速度成分を与えるようにすることができる。その結果、流体分子は、相互作用するディスクロータの表面と同じ運動方向をとることができる。
従って、第1のディスクロータと第1の環状ステータとの間に配置された流体分子は、ディスクロータとの相互作用によって加速され、例えば、螺旋状チャネルによって実質的に半径方向内向きに配向することができる。流体が環状ステータの半径方向最内周縁部に到達すると、環状ステータの半径方向最内周縁部と駆動シャフトとの間のギャップから流体を押し出すことができる。次に、流体は、環状ステータの下側にあるスパイラルチャネルによって実質的に半径方向外向きに押し出すことができる。流体がディスクロータの最外周縁部に到達すると、ディスクロータの半径方向最外周縁部とシーグバーン機構ポンプチャンバの外壁との間のギャップを通って流体を押し出すことができる。しかしながら、これは、流体が出口ポートを通ってシーグバーン機構から流出するまで、シーグバーンポンプ機構を構成する多くのシーグバーン段で継続する可能性がある。
好ましくは、ディスクロータは、シーグバーン機構の最終構成要素とすることができる。好ましくは、上記ディスクロータは、単一の一体構成要素を形成するように駆動シャフトと一体的に形成することができる。
典型的には、再生ポンプ機構は、ロータディスク(ロータ、ディスクロータ)を含むことができ、ロータディスクは、そこから軸方向に延びる少なくとも1つの再生ポンプ段を有する。各再生ポンプ段は、ロータディスクに取り付けられ又はロータディスクと一体化された軸方向に延びるブレードの実質的に環状のアレイを含むことができる。典型的には、ブレードは、下流の圧送方向に実質的に軸方向に延びることができる。しかしながら、ブレードは、実質的に半径方向外向き方向に、すなわち回転軸から離れて延びることができ、好ましくは、ブレードが実質的に環状ディスクの外周部から実質的に半径方向外向きに延びることができることが認められる。或いは、ブレードは、実質的に上流の圧送方向に軸方向に延びることができる。
再生ポンプ機構は更に、使用時に、軸方向に延びるブレードの実質的に環状のアレイが回転することができる、少なくとも1つの実質的に円形の導管を定めるステータを含むことができる。再生ポンプ機構の各再生ポンプ段は、実質的に円形の導管を含むことができる。各導管は、全長にわたって個々のブレードの断面積よりも大きい断面積を有することができる。「ストリッパー」として知られる導管の小部分は、導管の残りの部分と比較して、ブレードに対して比較的狭いクリアランスを提供する小さい断面積を有することができる。
典型的には、使用時には、流体は、入口を通って実質的に円形の導管に流入することができ、回転方向で実質的に円形の導管に沿って回転するロータディスク上のブレードとの相互作用によって押し出すことができる。円形導管は更に、ロータディスクの回転方向でストリッパーの前に配置された出口を含むことができる。流体が出口に到達すると、ストリッパーにて実質的に円形の導管の断面積が狭くなると、流体の圧縮をもたらす可能性がある。圧力上昇を最小限に抑えるために、流体は、出口を通って流れ、実質的に円形の導管から流出することができる。
好ましくは、再生ポンプ機構は、単一の実質的に円形の導管を含む単一の再生段を含むことができ、円形導管の出口は、再生ポンプ機構の出口である。
或いは、再生ポンプ機構は、複数の再生段、及び複数の対応する実質的に円形の導管を含むことができる。このような実施形態では、第1の上流の実質的に円形の導管の出口は、第2の下流の実質的に円形の導管の入口に流体接続することができる。
シーグバーンポンプ機構と再生ポンプ機構は、直列に配置されている。従って、シーグバーンポンプ機構の出口は、再生ポンプ機構の入口に流体接続することができる。好ましくは、シーグバーンポンプ機構の出口は、再生ポンプ機構の入口に直接接続することができる。好ましくは、シーグバーンポンプ機構の最終ロータディスクと再生ポンプ機構のロータディスクは、単一の構成要素として一体的に形成することができる。
シーグバーンポンプ機構の上流に配置された少なくとも1つの第1のポンプ入口は、好ましくは、シーグバーンポンプ機構の第1の端部に配置することができる。より好ましくは、第1のポンプ入口は、シーグバーンポンプ機構の第1の端部にてシーグバーンポンプ機構の上流に配置することができる。典型的には、シーグバーンポンプ機構の出口は、第1のポンプ入口からシーグバーンポンプ機構の軸方向遠位端に配置することができる。複数のシーグバーンポンプ段は、シーグバーンポンプ機構の第1のポンプ入口と出口との間に軸方向に配置することができる。
少なくとも1つの第2のポンプ入口は、少なくとも第1のシーグバーンポンプ段の下流に配置され、シーグバーンポンプ機構に流入する流体が、シーグバーンポンプ段の少なくとも1つの通過を完了するようにする。好ましくは、第2のポンプ入口は、シーグバーンポンプ機構の外壁に配置することができる。好ましくは、第2のポンプ入口は、少なくともシーグバーンポンプ機構の最終シーグバーンポンプ段の上流に配置することができる。使用時には、上記第2のポンプ入口を通る流体の流れは、第2のポンプ入口の下流にあるシーグバーンポンプ機構のシーグバーンポンプ段によって実質的に半径方向内向きに配向することができる。シーグバーンポンプ段の少なくとも1回の通過に続いて、流体は、シーグバーンポンプ機構の更なるシーグバーンポンプ段を通過することができ、又は、再生ポンプ機構の入口に流入することができる。
有利には、第2のポンプ入口を通り、シーグバーンポンプ段の少なくとも1つの通過を実行する流体の流れは、シーグバーンポンプ機構の出口を通って再生ポンプ機構に流入する流体の流れを増加させることができる。これにより、特に低圧において再生ポンプ機構がより効率的に圧送可能にすることができる。
典型的には、真空システムは、使用時に、少なくとも第1及び第2のサブチャンバを有する装置に結合することができる。好ましくは、第1及び第2のサブチャンバは、流体接続することができる。例えば、装置は、第1及び第2のサブチャンバを有する質量分析計を備えることができる。好ましくは、第1のサブチャンバは、第2のポンプ入口に流体接続することができる。好ましくは、第2のサブチャンバは、第1のポンプ入口に流体接続することができる。好ましくは、使用時には、真空システムは、装置の第1及び第2のサブチャンバを差動的に圧送することができる。例えば、真空システムは、装置のサブチャンバから流体を圧送して、第1のサブチャンバにて約1mbarの第1の圧力を生成し、第2のサブチャンバにて第1の圧力よりも低い第2の圧力を生成することができる。
装置は、同じ真空システム又は別個の真空システムによって圧送することができる、上記のものよりも低い圧力の追加のサブチャンバを有することができる。
第2のポンプ入口とシーグバーンポンプ機構の出口との間でシーグバーンポンプ段の単一の通過を提供するには、有利には、第2のポンプ入口とシーグバーンポンプ機構の出口との間の複数のシーグバーンポンプ段の通過と比較して、より少ない電力消費を必要とすることができる。
典型的には、真空システムは更に、シーグバーンポンプ機構の上流に第1のポンプセクションを備えることができる。第1ポンプセクション、シーグバーンポンプ機構、及び再生ポンプ機構は、直列に配置することができる。好ましくは、第1のポンプセクションの流体出口は、シーグバーンポンプ機構のポンプ入口に流体接続することができる。シーグバーンポンプ機構の上流に第1のポンプセクションを含む実施形態では、第1のポンプセクションの入口は、第1のポンプ入口を含むことができる。好ましくは、第1のポンプセクションの出口は、シーグバーンポンプ機構の入口に流体接続することができ、シーグバーンポンプ機構の入口は、第2のポンプ入口の上流に存在することができる。
典型的には、真空システムの使用時には、シーグバーンポンプ機構から流出する流体の総流量は、最大で約2000標準立方センチメートル/分(sccm)、好ましくは最大で約1000sccmとすることができる。典型的には、真空システムの使用時には、シーグバーンポンプ機構から流出する流体の総流量の少なくとも約20%、好ましくは少なくとも約40%、より好ましくは少なくとも約50%、より好ましくは少なくとも約60%、最も好ましくは少なくとも約80%は、第2のポンプ入口を通過済みとすることができる。好ましくは、使用時には、シーグバーンポンプ機構から流出する流体の総流量の大部分が、第2のポンプ入口を通過済みとすることができる。例えば、使用時には、シーグバーンポンプ機構から流出する流体の総流量の約60%〜約80%が、第2のポンプ入口を通過済みとすることができる。
典型的には、シーグバーンポンプ機構と再生ポンプ機構は同軸に整列させることができる。好ましくは、シーグバーンポンプ機構及び再生ポンプ機構は、共通の駆動シャフト上に配置することができる。有利には、これにより、共通の駆動シャフトに結合された単一の駆動手段によって両方のポンプ機構を動作させることを可能にすることができる。
典型的には、再生ポンプシステムは、少なくとも1つの略円形の導管を含むことができる。好ましくは、再生ポンプ機構は、少なくとも2つの略円形の導管を含むことができる。
典型的には、第1のポンプセクションは、少なくとも1つのターボ分子スタックを有するターボ分子ポンプ機構を含むことができる。各ターボ分子スタックは、複数のターボ分子段を含むことができる。各ターボ分子段は、ロータと軸方向に整列したステータとを含むことができる。ロータは、シャフトから半径方向外向きに延びる傾斜したロータブレードのアレイを含むことができる。ステータは、ターボ分子段の外壁から実質的に半径方向内向きに延びる傾斜したステータブレードの環状アレイを含むことができる。
当業者であれば、ターボ分子スタック内のターボ分子段の数は、ポンプのタイプに依存することを理解するであろう。一例として、各ターボ分子スタックは、約1から約20のターボ分子段、好ましくは約6から約14のターボ分子段を含むことができる。好ましくは、ターボ分子段は、ロータとステータの交互配置を形成するように配置することができる。
好ましくは、ターボ分子ポンプ機構は、少なくとも1つの第2のターボ分子スタックを含むことができる。好ましくは、第1及び第2のターボ分子スタックは、直列に配置することができる。
有利には、ターボ分子ポンプ機構と併せて、本明細書に記載のジークバーンポンプ機構及び再生ポンプ機構を含めることにより、特に低圧で、例えば分子流動様式においてある範囲の圧力にわたって効率的な圧送を提供することができる。
更なる態様において、本考案は、チャンバを排気する方法を提供する。この方法は、シーグバーンポンプ機構及び再生ポンプ機構を直列に配置させた真空システムを提供するステップを含む。シーグバーンポンプ機構は、複数のシーグバーンポンプ段を含む。真空システムは更に、ジークバーンポンプ機構の上流に配置された少なくとも1つの第1のポンプ入口と、少なくとも第1のジークバーンポンプ段の下流に配置された少なくとも1つの第2のポンプ入口とを含み、上記第2のポンプ入口を介して流入する流体は、シーグバーンポンプ段の少なくとも単一の通過を完了するようになる。本方法は更に、第1のポンプ入口及び第2のポンプ入口を通って流体を配向するステップを含む。シーグバーンポンプ機構から流出した流体の実質的に全てが、再生ポンプ機構に流入し、これを通って配向される。
第1の実施形態では、第1のポンプ入口は、チャンバのポートに結合することができる。第2のポンプ入口は、例えば、バックアップポンプなどの追加システムに結合することができる。
代替の実施形態では、チャンバは、少なくとも第1及び第2のサブチャンバを含むことができる。好ましくは、第1及び第2のサブチャンバは、流体接続することができる。例えば、真空システムは、第1及び第2のサブチャンバを有する質量分析計のチャンバに結合することができる。好ましくは、第1のサブチャンバは、第2のポンプ入口に流体接続することができる。好ましくは、第2のサブチャンバは、第1のポンプ入口に流体接続することができる。好ましくは、使用時には、真空システムは、装置の第1及び第2のサブチャンバを差動的に圧送することができる。例えば、真空システムは、装置のサブチャンバから流体を圧送して、第1のサブチャンバに約1mbarの第1の圧力を生成し、第2のサブチャンバに第1の圧力よりも低い第2の圧力を生成することができる。
装置は、上記のものより低圧の追加のサブチャンバを有することができ、同じ真空システム又は別個の真空システムによって圧送することができる。
典型的には、シーグバーンポンプ機構及び再生ポンプ機構は、本明細書に記載の何れかの上述の実施形態又は態様に記載されているものとすることができる。
有利には、第2のポンプ入口を通り少なくとも1つの再生段を横切る流体の流れは、シーグバーンポンプ機構の出口を通って再生ポンプ機構に流入する流体の流れを増加させることができる。これにより、特に低圧で再生ポンプ機構がより効率的に圧送できるようになり、例えば、再生段への入口の圧力は、約0.1mbar未満である。
典型的には、真空システムは更に、シーグバーンポンプ機構の上流に配置された第1のポンプセクションを含むことができる。好ましくは、第1ポンプセクション、シーグバーンポンプ機構、再生ポンプ機構は、直列に配置することができる。好ましくは、第1のポンプセクションの流体出口は、シーグバーンポンプ機構の第1のポンプ入口に流体接続することができる。
典型的には、第1のポンプセクションは、少なくとも1つのターボ分子スタックを含むターボ分子ポンプ機構を含むことができる。ターボ分子スタックは、複数のターボ分子段を含むことができる。各ターボ分子段は、ロータと軸方向に整列したステータとを含むことができる。ロータは、ロータシャフトから実質的に半径方向外向きに延びる傾斜したロータブレードのアレイを含むことができる。ステータは、ターボ分子段の外壁から半径方向内向きに延びる傾斜したステータブレードの環状アレイを備えることができる。好ましくは、ターボ分子スタックは、約1から約20のターボ分子段、より好ましくは約6から約14のターボ分子段階を含むことができる。好ましくは、ターボ分子段は、ロータとステータの交互する配置を形成するように配置することができる。
好ましくは、ターボ分子ポンプ機構は、少なくとも1つの第2のターボ分子スタックを含むことができる。好ましくは、第1及び第2のターボ分子スタックは、直列に配置することができる。
好ましくは、第1のポンプセクションは、直列に配置された少なくとも2つのターボ分子ポンプスタックを含むことができ、その結果、使用時には、流体は第1のターボ分子ポンプスタックを通して配向され、第1のターボ分子ポンプスタックから流出する流体は、第2のターボ分子ポンプスタックを通して配向することができ、第2のターボ分子ポンプスタックから流出する流体は、第1のポンプ入口に流入することができる。
好ましくは、本方法は、上記第1のターボ分子ポンプスタックと上記第2のターボ分子ポンプスタックとの間に第3のポンプ入口ポートを提供して、更なる流体が第1のポンプセクションに入ることができるようにするステップを更に含むことができる。好ましくは、第3のポンプ入口ポートは、追加の真空ポンプ、或いは装置の更なるサブチャンバに流体接続することができる。
更なる態様において、本考案は、何れかの前述の実施形態による真空システムを提供することを含むチャンバを排気する方法、及び/又は何れかの前述の実施形態による方法を提供する。
なお、誤解を避けるために、上述の全ての態様は、準用して組み合わせることができる。
ここで、以下の図に従って本考案を説明する
本考案による真空システムの一部の断面図を示している。 本考案による真空システムの概略図を示している。
図1は、本考案による真空システム(1)の一部の断面図を示している。バキュームシステム(1)は、シーグバーンポンプ機構(2)と、再生ポンプ機構(3)とを備える。
シーグバーンポンプ機構(2)及び再生ポンプ機構(3)は、直列に配置されている。真空システム(1)は、シーグバーンポンプ機構(2)の上流に配置された第1のポンプ入口(4)を備える。
シーグバーンポンプ機構(2)は、複数のシーグバーンポンプ段(6)を備える。シーグバーンポンプ機構(2)は、駆動シャフト(9)に取り付けられた複数のディスクロータ(7)を備えることができる。使用時には、駆動軸(9)は、駆動手段(図示せず)によって回転駆動することができる。ディスクロータ(7)は、駆動シャフト(9)と一体的に形成され、共に回転するように構成することができる。ディスクロータ(7)は、駆動シャフト(9)から半径方向外向きに延びるように、駆動シャフト(9)に取り付けることができる。
各ディスクロータ(7)は、少なくとも1つの環状ステータ(8)に軸方向に隣接して配置することができる。環状ステータ(8)は、駆動シャフト(9)の周りで少なくとも1つのディスクロータ(7)に近接して配置させることができる。環状ステータ(8)は、シーグバーン機構ポンプチャンバの外壁(15)から実質的に半径方向内向きに延びることができる。各環状ステータ(8)は、少なくとも1つの螺旋状チャネルを間に定める複数の実質的に軸方向に延びる壁(16)を含むことができる。複数の実質的に軸方向に延びる壁(16)は、駆動シャフト(9)の軸に実質的に平行な環状ステータ(8)の表面から実質的に上流方向及び/又は実質的に下流方向に延びることができる。
下流方向は、矢印(A)で示される。真空システム(1)の使用時には、流体は、真空システム(1)を通って実質的に下流方向(A)に流れることができる。
使用時には、シーグバーンポンプ段(6)の「通過」は、環状ステータ(8)の単一の実質的に半径方向に延びる面と、ディスクロータ(7)の単一の実質的に半径方向に延びる面との間で螺旋状チャネルを通って流れる流体として定義することができる。流体は、ディスクロータ(7)が段(6)の下流側にあるか又は上流側にあるかに応じて、それぞれ実質的に半径方向外向き又は実質的に半径方向内向きの何れかに流れることができる。
真空システムは、第2のポンプ入口(5)を更に備える。第2のポンプ入口(5)は、シーグバーンポンプ機構(2)の外壁(15)にあるポートであり、ここをと通って流体が真空システム(1)に流入することができる。第2ポンプ入口(5)は、少なくとも第1シーグバーンポンプ段の下流に配置することができる。この実施形態では、第2のポンプ入口(5)は、第1の5つのシーグバーンポンプ段の下流に配置されている。第2ポンプ入口(5)は、使用時に、第2ポンプ入口(5)を介して流入する流体が、シーグバーンポンプ段(6)の少なくとも単一の通過を完了するように配置される。
シーグバーンポンプ機構(2)から流出した流体は、再生段入口(13)を通って再生ポンプ機構(3)に流入することができる。
再生ポンプ機構(3)は、ロータディスク(11)に取り付けられ又はロータディスク(11)と一体化された軸方向に延びるブレード(10a、10b)の少なくとも1つの環状アレイを含むことができる。再生ポンプ機構(3)は更に、ブレード(10)が回転することができる少なくとも1つの環状導管(12a、12b)を定めるステータを備えることができる。各略円形導管(12a、12b)は、軸方向に延びるブレード(10a、10b)の環状アレイに対応する。
再生ポンプ機構(3)は更に、流体が再生ポンプ機構(3)から流出することができる出口(14)を備えることができる。再生ポンプ機構(3)の出口(14)は、真空システムの出口(17)に流体接続することができる。
図1に示される実施形態は、再生段入口(13)に接続された第1の導管(12a)と、再生段出口(14)に接続された第2の導管(12b)とを含む。使用時には、流体は、再生段入口(13)を通って第1の導管(12a)に流入することができる。次に、流体は、ロータディスク(11)に取り付けられ又はロータディスク(11)と一体化されたブレード(10a)の回転によって、第1の導管(12a)の周りに配向することができる。流体が「ストリッパー」(図示せず)に到達すると、ここでは第1の導管(12a)の断面幅が狭くなり、ブレード(10a)との比較的狭いクリアランスが提供され、流体は、第1の導管(12a)から出口(図示せず)を通って第2の導管(12b)に入ることができる。次に、ブレード(10b)を回転させることにより、流体を第2の導管(12b)の周りに配向することができる。その後、流体は、再生段出口(14)を通過することができる。
図2は、本考案による真空システム(18)の概略図を示している。
真空システム(18)は、第1のポンプセクション(19)を含むことができる。典型的には、第1のポンプセクション(19)は、例えば、複数のターボ分子ポンプ段を含む少なくとも1つのターボ分子ポンプスタックを含むことができる。
第1のポンプセクション(19)は、流体が真空システム(18)に流入することができる入口(20)、すなわち第1のポンプ入口を有することができる。第1のポンプセクション(19)は更に、流体が第1のポンプセクション(19)から流出することができる出口(21)を含むことができる。
第1のポンプセクション(19)の出口(21)は、第1のシーグバーンポンプ機構入口(23)を介してシーグバーンポンプ機構(22)に流体接続することができる。シーグバーンポンプ機構(22)は更に、第1のシーグバーンポンプ段(24)及び第2のシーグバーンポンプ段(25)を含むことができ、第1のシーグバーンポンプ段(24)は、第2のシーグバーンポンプ段(25)の上流にある。シーグバーンポンプ機構(22)は更に、第2のシーグバーンポンプ機構入口(26)、すなわち、流体がシーグバーンポンプ機構(22)に流入することができる第2のポンプ入口を含むことができる。第2シーグバーンポンプ機構入口(26)は、第1シーグバーンポンプ段(24)と第2シーグバーンポンプ段(25)の間に配置することができる。
流体は、第2のシーグバーンポンプ段(25)の下流に配置することができるシーグバーンポンプ機構出口(27)を通ってシーグバーンポンプ機構(22)から流出することができる。
シーグバーンポンプ機構の出口(27)は、再生ポンプ機構(29)の入口(28)に流体接続することができる。使用時には、流体は、再生ポンプ機構(29)を通って圧送され、再生ポンプ機構出口(30)を通って流出することができる。
再生ポンプ機構出口(30)は、真空システム出口(31)に流体結合することができる。
実用新案法の下で解釈される添付の実用新案登録請求の範囲によって定義される本考案の精神及び範囲から逸脱することなく、図示された実施形態に様々な修正を加えることができることが理解されるであろう。
1 真空システム
2 シーグバーンポンプ機構
3 再生ポンプ機構
4 第1のポンプ入口
5 第2のポンプ入口
6 シーグバーンポンプ段
7 シーグバーンディスクロータ
8 シーグバーン環状ステータ
9 駆動シャフト
10 再生段ロータ
10a ブレードアレイ
10b ブレードアレイ
11 ロータディスク
12 再生段ステータ
12a 導管
12b 導管
13 再生段入口
14 再生段出口
15 外壁
16 軸方向に延びる壁
17 真空システム出口
18 真空システム
19 第1のポンプセクション
20 第1のポンプセクションの入口
21 第1のポンプセクション出口
22 シーグバーンポンプ機構
23 第1のシーグバーンポンプ機構入口
24 第1のシーグバーンポンプ段
25 第2のシーグバーンポンプ段
26 第2のシーグバーンポンプ機構入口
27 シーグバーンポンプ機構出口
28 再生ポンプ機構入口
29 再生ポンプ機構
30 再生ポンプ機構出口
31 真空システム出口

Claims (9)

  1. シーグバーンポンプ機構及び再生ポンプ機構を備えた真空システムであって、
    前記シーグバーンポンプ機構が複数のシーグバーンポンプ段を備え、
    前記シーグバーンポンプ機構と前記再生ポンプ機構が直列に配置され、
    前記真空システムは、更に、前記ジークバーンポンプ機構の上流に配置された少なくとも1つの第1のポンプ入口と、少なくとも第1のジークバーンポンプ段の下流に配置された少なくとも1つの第2のポンプ入口とを備え、前記第2のポンプ入口を介して流入する流体が、 ジークバーンポンプ段の少なくとも単一の通過を完了するようにする、
    ことを特徴とする真空システム。
  2. 前記真空システムは更に、前記ジークバーンポンプ機構の上流に第1のポンプセクションを備え、前記第1のポンプセクション、前記ジークバーンポンプ機構及び前記再生ポンプ機構が直列に配置されている、
    請求項1に記載の真空システム。
  3. 前記第1のポンプセクションの流体出口が、前記シーグバーンポンプ機構の前記第1のポンプ入口に結合されている、
    請求項2に記載の真空システム。
  4. 前記真空システムの使用時には、前記シーグバーンポンプ機構から流出する流体の総流量の少なくとも約20%、好ましくは少なくとも約40%、より好ましくは少なくとも約50%、より好ましくは少なくとも約60%、最も好ましくは少なくとも約80%が、前記第2のポンプ入口を通過する、
    請求項1ないし3の何れか1項に記載の真空システム。
  5. 前記シーグバーンポンプ機構及び前記再生ポンプ機構が同軸である、
    請求項1ないし4の何れか1項に記載の真空システム。
  6. 前記シーグバーンポンプ機構及び前記再生ポンプ機構が、共通の駆動シャフト上に位置決めされている、
    請求項5に記載の真空システム。
  7. 前記シーグバーンポンプ機構の各シーグバーンポンプ段が、ディスクロータと、対向するステータとを備えている、
    請求項1ないし6の何れか1項に記載の真空システム。
  8. 前記再生ポンプシステムが、少なくとも1つの導管を含む、請求項1〜7の何れかに記載の真空システム。
  9. 前記第1のポンプセクションは、少なくとも1つのターボ分子スタックを備えている、 請求項2ないし8の何れか1項に記載の真空システム。
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