JP3993228B2 - 1、3、5▲(10)▼−エストラトリエンの経口活性誘導体 - Google Patents

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Description

発明の背景
本発明は、有力な経口および非経口エストロゲン様活性を示すエストラジオールエステルに関する。本発明は、該化合物を含んで成る医薬組成物とそれらの利用方法を提供する。
医療におけるエストロゲン様物質の効用はよく文書で実証されている。エストロゲンは、性機能低下の場合と卵巣の除去または閉経期中の卵巣活動の停止後に、天然ホルモンのエストラジオールの代替に用いることができる。それらは経口避妊薬の成分としても広く使用されている。天然ホルモンであるエストラジオールとエストロンは経口投与すると弱い活性しかなく、従って比較的多量を使わなければならない。最も汎用される経口製剤の17α−エチニルエストラジーオルとそれの3−メチルエーテルは、天然ホルモンの合成誘導体である。経口活性は、腸からの吸収と肝門脈系への通過後の肝臓による分解(いわゆる「初回通過効果」)から該分子を保護する17−エチニル基の存在によると思われる。
エストラジオールやエチニルエストラジオールの広範な商業的採用により証明されるようにそれらの利点は実質的であるが、それらの生成物は欠点がないわけではない。それらの「エチニル化された」エストロゲンは多数の副作用と関連づけられており、そのうちの幾つかは実際に深刻である(Smith,R.L.:Briggs,M.H.およびDiczfalusy,E.編,Pharmaceutical Models in Contraceptive Development,Copenhagen,Bogtrykkeriet Forum,1974)。これらの問題点は、上記に挙げたような製剤を長期に且つ定期的に服用する多数の女性の点から見ると非常に重大である。そのような問題点としては、子宮内膜腫の恐れの増加;特に頸部、胸部、膣および肝臓における悪性腫瘍の誘発;胆のう疾患、血栓塞栓症や血栓症、心筋梗塞、肝腺腫、血圧上昇、および高カルシウム血症の促進;並びにグルコース耐性の低下が挙げられる。それらの問題点は、所望の一次エストロゲン様および避妊効果を達成するのに必要とされる用量レベルで表れがちである。それらの副作用の多くは用量に関連すると考えられる。より有力な経口エストロゲン、特にエチニル基を持たないものが利用可能であれば、それらを低用量で使用することができ、且つ少なくとも一部は副作用を減少または排除することができるだろう。
従って、現在利用可能であるものより臨床的に優れているエチニル基を欠く経口活性エストロゲンを有することが望ましい。医学的配慮が非経口的経路による投与を奨励するような状況では、有力な非経口活性エストロゲンを有することも望ましい。本発明はこれらおよび他の要求に対処する。
背景技術
天然エストロゲンのエステル化は、Emmens,C.W.およびMartin,L.Estrogens.Dorfman,R.I.編,Methods in Hormone Research,Vol III,Part A,New York,Academic Press,1964中に記載されている。より最近には、Baldratti他,Experientia 25:1018-1019(1969)が9α−ヒドロキシエストロン−11−ニトレートエステルの3および/または17位修飾類似体の合成とエストロゲン様活性について報告した。その後、Sykes他,Tetrahedron Letters 37:3393-3396(1971)は、9α,11β−ジオールおよび9β,11β−ジオールエストロン−11−ニトレート並びにそれらの3−アセテートの合成と立体配置について報告した。米国特許第4,705,783号(R34,136として再発行)は、幾つかの7α−メチル類似体を含む9α,11β−置換および11β−置換エストランの合成と生物活性を記載している。この特許明細書の内容はPeters他,J.Med.Chem.32:2306-2310(1989)中にも報告されている。別の関連特許は米国特許第4,859,370号である。
発明の要約
本発明は、新規活性エストロゲンの一化合物群を提供する。本発明の化合物は、エストロゲン投薬が要求される場合はいつでも使用することができる。そのような利用法には、卵巣の外科的除去後または閉経期の間の置換療法、経口避妊薬中のエストロゲン様成分として、並びに老人性または萎縮性膣炎、機能性子宮出血、卵巣の発育不全、アクネ、多毛症およびオステオポローシスの治療が含まれるが、それらに限定されない。
本発明は、経口または非経口投与後に増強されたエストロゲン様活性を有する適当な医薬製剤中のエストラジオールのエステルを提供する。それらの化合物は、併用経口避妊薬のエストロゲン様成分としての使用に特に適する。好ましい化合物としては、エストラジオールおよびエストラジオール−3−アセテートの11β,17β−ジニトレートエステル並びに対応する7α−メチル誘導体が挙げられる。
本発明は雌の哺乳動物においてエストロゲン様効果を生じさせるのに有用な医薬組成物にも関し、該医薬組成物は、経口投与と非経口投与の両方のための医薬上適当な賦形剤(例えば当業界で周知のもの)と共に有効量の本発明の化合物を含んで成る。本発明は、エストロゲン様効果と避妊効果を達成するのに有効な量の化合物を含有する医薬組成物で雌の哺乳動物を治療する方法も包含する。
【図面の簡単な説明】
図1.未熟な雌ラットへの投与後の経口エストロゲン様活性。
図2.未熟な雌ラットへの投与後の経口エストロゲン様活性。
図3.未熟な雌ラットへの投与後の皮下エストロゲン様活性。
図4.未熟な雌ラットへの投与後の経皮エストロゲン様活性。
好ましい実施態様の記載
エストラジオール環上の基および置換基の位置を記載する時には次の番号付け法を使用する。
Figure 0003993228
この構造中、特定の基の立体配座を表すための実線と点線の使用はIUPACステロイド命名法に従う。
本発明の化合物は、エストロゲン使用が指示されるあらゆる医療状況に、医薬上許容される担体と組み合わせて使用することができる。典型的な利用法としては、雌の動物においておよび臨床上許容される避妊手段を達成するのにエストロゲン様活性が必要とされるいずれの場合でも、併用経口避妊薬のエストロゲン様成分としての利用が挙げられる。
本発明は下式の化合物のようなエストラジオールの新規エステルを提供する:
Figure 0003993228
上式中、
1は水素、低級アルキル、シクロアルキルまたは低級アシルである。好ましい置換基としてアシル、特にアセチル基が挙げられる。
2は水素または低級アルキルである。好ましい置換基としては水素およびメチルが挙げられる。
3は水素、ヒドロキシまたは低級アルコキシである。好ましい置換基としては水素が挙げられる。
4は水素または低級アルキルである。好ましい置換基としては水素が挙げられる。
5は水素またはニトレートである。好ましい置換基はニトレートが挙げられる。
本明細書中で使用する時、「アルキル」は、1〜20個の炭素原子を有する直鎖のまたは枝分かれした飽和または不飽和炭化水素基を意味し、例えば1〜8個の炭素を有する低級アルキル、例えばメチル、エチル、i−プロピルおよびn−ブチル等を包含する。
本明細書中で使用する時、「シクロアルキル」は4〜7個の炭素原子を有する環状飽和炭化水素基、例えばシクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシルおよびシクロヘプチル等を意味する。
本明細書中で使用する時、「アシル」は、Rがアルキル(特に低級アルキル)であるR−CO−基を意味する。代表的なアシルとしてはCH3−CO−(アセチル)が挙げられる。
本明細書中で使用する時、「アルコキシ」は、Rがアルキル(特に低級アルキル)であるR−O−基を意味する。アルコキシとしてはメトキシ、エトキシ等が挙げられる。
一般的クラスとして11β,17β−ジニトレートエステルを有する化合物が好ましい。それらの化合物は好ましくは9α,11β−配置と右旋性(+)の光学活性を有する。好ましい本発明の化合物としては、(+)−3,11β,17β−トリヒドロキシエストラ−1,3,5(10)−トリエン 3−アセテート 11,17−ジニトレートエステル〔実施例3〕、(+)−3,11β,17β−トリヒドロキシエストラ−1,3,5(10)−トリエン 11,17−ジニトレートエステル〔実施例4〕、(+)−3,11β,17β−トリヒドロキシ−7α−メチルエストラ−1,3,5(10)−トリエン 3−アセテート 11,17−ジニトレートエステル〔実施例5〕、(+)−3,11β,17β−トリヒドロキシ−7α−メチルエストラ−1,3,5(10)−トリエン 11,17−ジニトレートエステル〔実施例6〕、(+)−エストラジオール 3−アセテート 17β−ニトレートエステル〔実施例7〕および(+)−7α−メチルエストラジオール 17β−ニトレートエステル〔実施例8〕が挙げられる。好ましい担体は、錠剤、カプセルおよび当業界で周知の他の経口剤形を製剤化するのに一般に使われるものである。
合成
エストラジオールの11,17−ジニトレートおよび17−ニトレートエステルを調製するための合成スキームを下のスキーム1〜3に示す。特に好ましい種を調製するための詳細な手順を実施例1〜8に与える。R3とR5がニトレート、ハロ、ヒドロキシおよびアルコキシで置換された誘導体の調製は米国特許第4,859,370号と米国特許第Re.34,136号にも記載されている(これらの刊行物は参考として本明細書中に組み込まれる)。
Figure 0003993228
Figure 0003993228
Figure 0003993228
I.エストラジオールの(+)−11β,17β−ジニトレートエステルおよびその類似体
光学活性(+)−エストラジオール11β,17β−ジニトレートエステルとその類似体は、対応する(+)−11β−ニトレートエステルとその類似体から調製した。相転移触媒を使って3−アルコール(4)を選択的にアシル化した後、Baldratti他、Experientia 25:1018-1019(1969)(この文献は参考として本明細書中に組み込まれる)により記載された通りにC−17のところをニトロ化することが必要であった。C−3のフェノール性OHから対応するアセテートへの変換は、11β−ニトレートエステルと11β,17β−ジニトレートエステルの両者を含むステロイド分子を安定化した。全てのニトレートの生物学的活性を比較するために、(+)−17β−ニトレートエステルとその類似体も調製した。それらのニトレートエステルは次のように合成した。
(A).エストラジオールの11β−ニトレートエステルおよびその類似体
90%酢酸中での(+)−エストロンアセテート(1a)および(+)−7α−メチルエストロンアセテート(1b)(それらの調製はPeters他、J.Med.Chem.32:2306-2310(1989)に記載されている;この文献は参考として本明細書中に組み込まれる)とセリウム含有硝酸アンモニウム(CAN)との反応は、それぞれ46%と40%の収率で優性な9α−ヒドロキシ−11β−ニトレート異性体(2a,b)を与えた。文献(Sykes他、Tetrahedron Lett.37:3393-3396(1971);これは参考として本明細書中に組み込まれる)に報告された通り、TLCとNMRによると、CANによる(+)−エストロンアセテート(1a)の酸化の間に約15〜20%のC−9異性体化合物(11β−ONO2,9β−OH)が形成された。優性な9α,11β−異性体は再結晶またはフラッシュクロマトグラフィー後に容易に得られた。次のBF3・Et2Oの存在下でのトリエチルシランを使ったベンジルC−9ヒドロキシル基の除去は、TLC,IRおよびNMRによれば、収率約50〜約63%の優性な9α−H,11β−ニトレートエステル(3a,b)と共に、所望でない9β−H,11β−ONO2と9ε−H,11β−ONO2,17ε−OHジアステレオマーの19:5混合物を与えた。エタノール中での水素化ホウ素ナトリウムを使った17−ケトンの還元に続く穏和な加水分解は、所望のニトレートエステル(4a,b)をもたらした。9−ヒドロキシ−11−ニトレートエステル(2)の常用1H−NMR分析は11α−水素のエカトリアル位置を証明し、そしてSykes他、Peters他およびBaldratti他(前掲)により得られた事前の化学的相関性への類推によりアキシャル9α−ヒドロキシ配向を指定した。
化合物4aを光の保護なしに室温で放置しておくと、逆相HPLC分析により証明されるように、この11β−ニトレートエストラジオールは多数の未知の極性生成物にゆっくり分解した。これは遊離のフェノール性OH基の存在によるものであった。しかしながら、C−3のところのフェノール性OHのアセチル化は、スキーム2に示される化合物5aのようなステロイド分子に安定性を与えた。
(B).エストラジオールのジニトレートエステルおよびその類似体
C−17のニトロ化の前に17−OHの存在下での3−アルコール(4)の選択的アシル化が必要であり、この選択的アシル化は、Illi,Tetrahedron Lett.,26:2431-2432(1979)(この文献は参考として本明細書中に組み込まれる)に従って、便利には粉末状NaOHと触媒量のテトラブチルアンモニウム硫酸水素塩の存在下で無水ジオキサン中アセチルクロリドを使って相転移触媒条件下で行われた。それは収率91%で3−アセテート(5a)を与えた。アセチルニトレートの予備形成と無水酢酸含有エストラジオール−3−アセテート(9a)へのこの試薬の付加を使うことによって、芳香環AのC−2とC−4のところでの同時ニトロ化を伴わずに17−アルコール(5a)の選択的O−ニトロ化を行った。それは収率76%で17−ニトレートエステルだけを与えた。実際、上述したような5aの処理は、TLCとNMRにより検出可能な2−ニトロ−と4−ニトロ−17−ニトレートエステルの混合物のような微量の芳香環Aニトロ化生成物を全く伴わずに、収率83%でもっぱら17−O−ニトレートエステル(6a)のみを提供した。スキーム2に示されるようなK2CO3による6aの穏和な加水分解は、ほぼ定量的収率で11β,17β−ジニトレートエステル(7a)を提供した。ジニトレートエステル(7a)を半調製的HPLCにより99.2%の最終純度に精製した。1H−NMR、IRおよびMSスペクトルのそれらのスペクトルデータは、完全に指定の構造と一致した。不運にも、ジニトレートエステル(7a)は室温で非常に不安定であることがわかった。それは再結晶後すぐに分解し始めた。ジニトレートエステル(7a)の不安定性は、11−ニトレートエステル(4a)と同様な方法でのC−3OHのアセチル化により克服した。
II.エストラジオールの(+)−17β−ニトレートエステルおよびその類似体
前に6a,bの調製に使用したのと同様なアセチルニトレートを使った9a,bのニトロ化は、NMRとMSにより証明されるように何ら検出可能な量の芳香環Aニトロ化生成物を伴わずに、3−アセトキシ−17−ニトレートエステル(10a,b)を与えた。スキーム3に示されるような10%水性MeOH中でのK2CO3による10a,bの穏和な加水分解は、順調に進行して所望の化合物(11a,b)を与えた。化合物4a7aと対照的に、HPLCによりチェックした時、17−ニトレートエステルは6か月の期間に渡り室温で全く分解を示さなかった。
次の実施例は本発明の化合物の合成および本発明の実施を開示するためのものであって、限定するものと解釈してはならない。
参考例1
(+)−3,11β,17β−トリヒドロキシエストラ−1,3,5
(10)−トリエン 11−ニトレートエステル(4a)
中間調製物1:(+)−3,9α,11β−トリヒドロキシエストラ−1,3,5(10)−トリエン−17−オン 3−アセテート 11−ニトレートエステル(2a)。Sykes(前掲)により記載された手順に従って、(+)−エストロンアセテート(1a,5.5g,17.6ミリモル)〔調製はPellicciari他、Steroids 49:433-441(1987)中に記載されている;この文献は参考として本明細書中に組み込まれる〕を窒素下で90%酢酸(115ml)中でセリウム含有硝酸アンモニウム(40.53g,73.9ミリモル)で処理し、TLCとNMRによると9α,11β−と9β,11β−ジオール 11−ニトレートの85:15(または80:20)混合物から成る5.28gの粗生成物を得た。この固体をエーテルで粉砕し、最後にアセトン/ヘキサンから再結晶して2.16gの優性9α,11β−ジオール 11−ニトレートエステル(2a),mp=179-180℃(文献183-184℃)を与えた。3%アセトン/CH2Cl2を使って溶出させる母液のフラッシュクロマトグラフィーは追加の0.8gの生成物を与え、全収率は46%(3.16g)であった。IR(KBr)vmax3452,1756,1709,1635,1280cm-11H-NMR(CDCl3)δ1.0(3H,s,18-CH3),2.25(3H,s,3-OCOCH3),5.83(1H,t,J=3Hz,11α-H),6.80-7.05(2H,m,C-2&C-4H),7.32(1H,d,J=9Hz,C-1H)。
中間調製物2:(+)−3,11β−ジヒドロキシエストラ−1,3,5(10)−トリエン−17−オン 3−アセテート 11−ニトレートエステル(3a)。Sykes他(前掲)により記載されたのと同じ手順を使って、窒素雰囲気下で氷/塩浴温で乾燥CH2Cl2(100ml)中で9α−アルコール(2a,2.36g,6.06ミリモル)、トリエチルシラン(3.4ml,21.2ミリモル)および三フッ化ホウ素エーテラート(6.5ml,52.7ミリモル)の反応は、9α−H,11β−ONO2、9β−H,11β−ONO2および9ε−H,11β−ONO2,17ε−OHジアステレオマーの63:19:5混合物から成る2.3gの安定なフォームを与えた。3%EtOAc/ヘキサンを使って溶出させる粗生成物のフラッシュクロマトグラフィーにより、優性な9α−H,11β−ONO2異性体である1.2g(53%)の3aを得た。mp=187-189℃(文献:190-192℃);IR(KBr)vmax2957,1765,1744,1637,1274cm-11H-NMR(CDCl3)δ1.05(3H,s,18-CH3),2.25(3H,s,3-OCOCH3),6.10(1H,q,J=3Hz,11α-H),6.87(m,C-2&C-4H),7.15(d,J=9Hz,C-1H)。
所望の生成物:(+)−3,11β,17β−トリヒドロキシエストラ−1,3,5(10)−トリエン 11−ニトレートエステル(4a)。無水エタノールとTHF(1:1)20ml中に溶かした3−アセトキシ−17−ケトン 11β−ニトレートエステル(3a,0.537g,1.61ミリモル)を水素化ホウ素ナトリウム(0.244g,6.44ミリモル)で処理し、窒素下で3時間攪拌した。発泡が止むまで酢酸を滴下添加した。この混合物を氷水で希釈し、そして水性HClを使ってpHを2〜3に調整した。水性混合物をEtOAcで抽出した(3回)。EtOAc層を合わせ、H2Oとブラインで洗浄し、無水Na2SO4上で乾燥した。溶媒を蒸発させて610mgの粗アルコールを得た。アセトン/ヘキサンからの粗生成物の再結晶により、白色のふわふわした固体として0.43g(84%)の4aを得た。mp=146-148℃;〔α〕D 25=+60.8°(c=0.72,ジオキサン);IR(KBr)vmax3581,3347,2981,1703,1279cm-11H-NMR(d6-アセトン)δ0.90(3H,s,18-CH3),2.42(1H,dd,J=15Hz,J'=3Hz,9α-H),3.75(1H,m,17α-H),6.10(1H,q,J=3Hz,11α-H),6.65(2H,m,C-2&C-4H),7.05(1H,d,J=9Hz,C-1H)。MS(EI)m/z(相対強度)333(M+,35),270(M+-HNO3,100)。C18H23NO3・CH30Hについての元素分析計算値:C 62.43;H 7.45;N 3.83;実測値:C 62.61;H 7.41;N 3.59。
参考例2
(+)−3,11β,17β−トリヒドロキシエストラ−1,3,5(10)−トリエン 3−アセテート 11−ニトレートエステル(5a)
粉末状NaOH(180mg,4.5ミリモル)とテトラブチルアンモニウム硫酸水素塩(6mg,0.02ミリモル)を、乾燥ジオキサン(8.0ml)中の11β−ニトレートエステル(4a,600mg,1.8ミリモル)の十分に攪拌した溶液に添加した。前記混合物にジオキサン(2.4ml)中のアセチルクロリド(1.0M)溶液をゆっくり添加した。添加の間に、混合物は次第に濁り、添加の終了近くにはフェノラートアニオンの黄色が消失した。この混合物を放置しておき、次いでシリンジを使って上清を試験管に移し、固体を遠心分離した。上清を丸底フラスコに移した。追加のジオキサンを使って全ての固体を洗い、遠心分離した。合わせたジオキサン上清を真空中で蒸発させ、695mgの非晶質白色フォームを得た。これは結晶化できなかった。5%アセトン/CH2Cl2を使って溶出させるフラッシュクロマトグラフィーにより、585mg(87%)の5aを得た。50%水性CH3CNを使って1.0ml/分の流速で溶出させ276nmのUV検出器で検出するNovaPaK C18カラム上でのHPLC分析は、該物質が100%の純度、tR=5.08分であることを示した。〔α〕D 25=+57.0°(c=0.82,ジオキサン)。FTIR(KBr,拡散反射):vmax3405,2949,1757,1619,1498,1211cm-11H-NMR(CDCl3)δ0.93(3H,s,18-CH3),2.27(3H,s,3-OCOCH3),2.47(1H,dd,J=15Hz,J'=3Hz,9α-H),3.75(1H,br.m,17α-H),6.02(1H,q,J=3Hz,11α-H),6.78-7.00(2H,m,C-2&C-4H),7.12(1H,d,J=9Hz,C-1H)。MS(EI)m/z(相対強度)375(M+,20),333(M+-(Ac-1),100),312(M+-HNO3,7),269(M+-(Ac+HNO3),5)。C20H25NO6についての元素分析計算値:C 63.98;H 6.44;N 3.73;実測値:C 62.36;H 6.59;N 3.67、灰分1.1%。
実施例3
(+)−3,11β,17β−トリヒドロキシエストラ−1,3,5(10)−トリエン 3−アセテート 11,17−ジニトレートエステル(6a)
精製した発煙硝酸(55μl,1.37ミリモル、空気でパージしながら無色になるまで赤色発煙硝酸を固体尿素で処理することにより調製したもの)を窒素下で0℃にて冷無水酢酸(6.0ml)に添加した。この混合物を30分間攪拌し、次いで冷却し(−20℃)十分に攪拌した5a(293mg,0.78ミリモル)の無水酢酸(6.0ml)溶液に滴下添加した。反応混合物を−20℃で1.25時間攪拌した後、氷水中に注いだ。水性混合物をEtOAcで抽出した(3×)。EtOAc層を合わせ、飽和NaHCO3(3×)、H2O(1×)およびブラインで洗浄し、Na2SO4上で乾燥した。溶媒を蒸発させて300mgの白色粉末を得た。アセトン/ヘキサンからの粗生成物の再結晶により、2回の回収物において無色結晶として269.4mg(86%)の6aを得た。mp=160-161℃。35%水性CH3CNを使って1.0ml/分の流速で溶出させ276nmのUV検出器で検出するNovaPak C18カラム上でのHPLC分析は、6aが100%の純度、tR=5.58分であることを示した。〔α〕D 25=+35.62°(c=0.73,ジオキサン);IR(KBr):vmax2936,1764,1631,1616,1274,1205cm-11H-NMR(CDCl3)δ1.0(3H,s,18-CH3),2.25(3H,s,3−OCOCH3),2.50(1H,dd,J=15Hz,J'=3Hz,9α-H),5.95(1H,t,J=6Hz,17α-H),6.01(1H,q,J=3Hz,11α-H),6.90(2H,m,C-2&C-4H),7.15(1H,d,J=9Hz,C-1H);MS(EI)m/z(相対強度)420(M+,10),378(M+-(Ac-1),60),358(M+-NO3,10),146(100)。C20H24N2O8についての元素分析計算値:C 57.14;H 5.75;N 6.66;実測値:C 57.13;H 5.72;N 6.58。
実施例4
(+)−3,11β,17β−トリヒドロキシエストラ−1,3,5(10)−トリエン 11,17−ジニトレートエステル(7a)
10%水性メタノール(50ml)と十分なTHF(〜10ml)中の6a(294mg,0.70ミリモル)の溶液に10%水性炭酸カリウムをゆっくり添加し、該混合物を2時間攪拌した。濾過により固体を除去し、濾液を蒸発させた。残渣をH2O中に取り、水性HClでpHを2〜3に調整した。水性混合物をEtOAcで抽出した(3×)。EtOAc層を合わせ、H2Oとブラインで洗浄し、Na2SO4上で乾燥した。溶媒を蒸発させて安定なフォームとして280mgの7aを得た。これを35%水性CH3CNを使って9ml/分の流速で溶出させるMagnum ODS-3 10μカラム上での半調製用HPLC(3回)によって精製し、99.2%純粋な7aの黄色フォーム201.3mg(収率76%)を得た。IR(KBr):vmax3550,3312,2924,1623,1279cm-11H-NMR(CDCl3)δ1.00(3H,s,18-CH3),2.50(1H,dd,J=15Hz,J'=3Hz,9α-H),4.90(1H,t,J=6Hz,17α-H),5.95(1H,q,J=3Hz,11α-H),6.62(2H,m,C-2&C-4H),6.95(1H,d,J=9Hz,C-1H)。MS(EI)m/z(相対強度)378(M+,25),315(M+-HNO3,15),286(20),146(100)。
実施例5
(+)−3,11β,17β−トリヒドロキシ−7α−メチルエストラ−1,3,5(10)−トリエン 3−アセテート 11,17−ジニトレートエステル(6b)
中間調製物1:(+)−3,9α,11β−トリヒドロキシ−7α−メチルエストラ−1,3,5(10)−トリエン−17−オン 3−アセテート 11−ニトレートエステル(2b)。Peters他(前掲)により記載された手順に従って、(+)−7α−メチルエストロンアセテート(25.67g,78.64ミリモル)と90%酢酸(505ml)中のセリウム含有硝酸アンモニウム(176.6g,0.32モル)から、12.25g(収率40%)の2bを得た。mp=177-180℃分解(文献184-186℃);IR(KBr)vmax3500,2760,1730,1632,1208cm-11H-NMR(CDCl3)δ1.00(3H,s,18-CH3),1.07(3H,d,7α-CH3),2.27(3H,s,3-OCOCH3),5.70(1H,t,J=3Hz,11α-H),6.95(1H,s,C-4H),7.00(1H,m,C-2H),7.40(1H,d,J=9Hz,C-1H)。
中間調製物2:(+)−3,11β−ジヒドロキシ−7α−メチルエストラ−1,3,5(10)−トリエン−17−オン 3−アセテート 11−ニトレートエステル(3b)。Peters他(前掲)により記載されたのと同じ手順を使って、窒素雰囲気下で氷/塩浴温で乾燥CH2Cl2(990ml)中で9α−アルコール(2b,25.75g,63.83ミリモル)、トリエチルシラン(35.2ml,219.48ミリモル)および三フッ化ホウ素エーテラート(68.2ml,552.94ミリモル)を反応させると、CH2Cl2/エーテルからの再結晶後、11.62g(収率47%)の純粋な脱酸素生成物3bが得られた。mp=189-191℃分解(文献:195-196℃);IR(KBr)vmax1770,1748,1637,1204cm-11H-NMR(CDCl3)δ0.88(3H,d,J=7Hz,7α-CH3),1.07(3H,s,18-CH3),2.27(3H,s,3-OCOCH3),6.12(1H,m,11α-H),7.05(3H,br.m,芳香族H)。
中間調製物3:(+)−3,11β,17β−トリヒドロキシ−7α−メチルエストラ−1,3,5(10)−トリエン 11−ニトレートエステル(4b)。Peters他(前掲)の手順に従って、720mlのTHF−EtOH(1:1)中の3b(14.80g,42.60ミリモル)を144mlのEtOH-H2O(1:1)中のNaBH4(7.10g,189.68ミリモル)で還元してフォームとして15.69gの粗生成物を得た。CH2Cl2からの粗フォームの再結晶により、白色板状結晶として10.05g(68%)の純粋な4bを得た。mp=179-180℃分解(文献179-182℃);〔α〕D 27=+41.94°(c:0.76,ジオキサン);IR(KBr)vmax3375,1675cm-11H-NMR(CDC3:CD3OD,1:1)δ0.83(3H,d,J=7Hz,7α-CH3),0.90(3H,s,C-18CH3),3.75(1H,m,C-17α-H),6.07(1H,m,11α−H),6.60(1H,s,C-4H),6.65(1H,m,C-2H),7.03(d,J=8Hz,C-1H);MS(EI)m/z(相対強度)347(M+,9.0),284(M+-HNO3,100),251(20),225(19)。
中間調製物4:(+)−3,11β,17β−トリヒドロキシ−7α−メチルエストラ−1,3,5(10)−トリエン 3−アセテート 11−ニトレートエステル(5b)。粉末状NaOH(144.09mg,3.6ミリモル)とテトラブチルアンモニウム硫酸水素塩(5.0mg,1モル%)を、ジオキサン中の4b(500mg,1.44ミリモル)の溶液に添加した。激しく攪拌しながら、前記混合物にジオキサン中のアセチルクロリド(1.9ml,1.0M)をゆっくり添加した。添加の間に混合物は次第に濁り、最初の黄色が消失し始めた。反応混合物を遠心分離し、透明な上清を丸底フラスコに移した。追加のジオキサンを使って固体をこし、再遠心した。合わせたジオキサン上清を真空中で蒸発させ、623mgの5bを得た。4%アセトン/CH2Cl2を使って溶出させるこのフォームのフラッシュクロマトグラフィーにより、安定なフォームとして547mg(97%)の5bを得た。IR(KBr):vmax3590,2960,1752,1614,1207,1190cm-11H-NMR(CDCl3)δ0.83(3H,d,J=6Hz,7α-CH3),0.93(3H,s,18-CH3),2.23(3H,s,3−OCOCH3),2.4(1H,dd,J=15Hz,J'=3Hz,9α-H),3.72(1H,br.t,J=6Hz,17α-H),6.00(1H,q,J=3Hz,11α−H),6.72-6.92(2H,m,C-2&C-4H),7.15(1H,d,J=9Hz,C-1H)。MS(EI)m/z(相対強度)389(M+),347(M+-(Ac-1)),283,147(100)。
所望の生成物:(+)−3,11β,17β−トリヒドロキシ−7α−メチルエストラ−1,3,5(10)−トリエン 3−アセテート 11,17−ジニトレートエステル(6b)。精製した発煙硝酸(107μl,2.37ミリモル)を0℃にて冷無水酢酸(2.0ml)に添加し、この溶液を0℃で15分間攪拌した。シリンジを使って前記溶液を−20℃の無水酢酸(8ml)中の5b(526mg,1.35ミリモル)の溶液にゆっくり加えた。反応混合物を−20℃で更に1.5時間攪拌した後、氷水中に注いだ。この混合物をEtOAcで抽出した。EtOAc抽出液を合わせ、飽和NaHCO3溶液(3×)、H2Oおよびブラインで洗浄し、Na2SO4上で乾燥した。溶媒を蒸発させて582mgの白色固体を得た。アセトン/ヘキサンからのこの固体の再結晶により429.5mg(73%)の6bを得た。mp=186-187℃。FTIR(KBr):vmax2903,1762,1616,1212cm-11H-NMR(CDCl3)δ0.83(3H,d,J=6Hz,7α-CH3),1.00(3H,s,18-CH3),2.23(3H,s,3-OCOCH3),2.40(1H,dd,J=15Hz,J'=3Hz,9α-H),4.93(1H,t,J=6Hz,17α-H),6.03(1H,q,J=3Hz,11α-H),6.72-6.92(2H,m,C-2&C-4H);MS(EI)m/z(相対強度)434(M+),392(M+-(Ac-H)),300,160(100)。
実施例6
(+)−3,11β,17β−トリヒドロキシ−7α−メチルエストラ−1,3,5(10)−トリエン 11,17−ジニトレートエステル(7b)
3−アセテート(6b,316mg,0.73ミリモル)のメタノール懸濁液に水性NaOH溶液(0.5N,1.8ml,0.91ミリモル)を加えた。15分以内に混合物が均質になり、全く出発物質がTLCにより検出されなくなった。反応混合物をHClでpH=3〜4に酸性化し、次いでメタノールを蒸発させた。残渣をH2O中に懸濁し、水性混合物をEtOAcで抽出した。EtOAc抽出液を合わせ、H2Oとブラインで洗浄し、Na2SO4上で乾燥した。溶媒を蒸発させて311mgの固体を得た。この固体をアセトン/ヘキサンから再結晶して219mg(76%)の白色固体、mp=172-173℃分解を得た。母液の再結晶により追加の65mg(23%)を得た。〔α〕D 27=+21.99°(c=0.68,ジオキサン);C19H24N2O7についての分析計算値:C 58.15;H 6.17;N 7.14;実測値:C 57.77;H 6.06;N 6.83。
参考例7
(+)−エストラジオール 17β−ニトレートエステル(11a)
中間調製物1:エストラジオール−3−アセテート(10a)。乾燥ジオキサン(20ml)中の(+)−エストラジオール(8a,1g,3.67ミリモル)、粉末状NaOH(0.367g,9.18ミリモル)およびテトラブチルアンモニウム硫酸水素塩(12mg,3.5ミリモル%)の攪拌混合物に、アセチルクロリド(ジオキサン中1.0M、6.2ml)を45分間に渡り滴下添加した。添加の終了後、セライトの入ったガラス濾過器を通して反応混合物を濾過し、次いで溶媒を蒸発させた。残渣をCHCl3中に取り、H2O(1×)とブライン(1×)で洗浄した。CHCl3層を無水Na2SO4上で乾燥し、濾過し、蒸発させて1.19gのフォームを得た。この物質をアセトン:CH2Cl2(5:95)を使って溶出させるフラッシュクロマトグラフィーにより精製し、920mg(収率92%)の3−アセテート(9a)を得た。mp=138-139℃;IR(KBr)vmax3492,3053,2922,1736,1464,1372,1242cm-11H-NMR(CDCl3)δ0.90(3H,s,18-CH3),2.25(3H,s,3-OAc),3.75(1H,t,J=6Hz,17α-H),6.85-7.30(3H,m,C-1,C-2&C-4H)。
中間調製物2:(+)−エストラジオール 3−アセテート 17β−ニトレートエステル(10a)。精製した発煙硝酸(204.5μl,4.45ミリモル)を窒素下で0℃にて冷無水酢酸(10ml)に添加した。この混合物を15分間攪拌し、次いで無水酢酸(10ml)中の9a(800mg,2.54ミリモル)の冷却(−20℃)攪拌溶液に滴下添加した。反応混合物を−20℃で1時間攪拌した後、氷水中に注いだ。水性混合物をEtOAcで抽出した(3×)。EtOAc抽出液を合わせ、飽和NaHCO3(3×)、H2O(1×)およびブラインで洗浄し、Na2SO4上で乾燥した。溶媒を蒸発させて0.96gの粗生成物を得た。それを一晩乾燥させて残留無水酢酸を除去し、900mg(収率99%)の10aを得た。それを更に精製せずに次の段階に使った。mp=102-103℃;1H-NMR(CDCl3)δ0.9(3H,s,C-18CH3),2.27(3H,s,3-OCOCH3),4.93(1H,t,J=6Hz,17α-H),6.85-7.30(3H,m,C-1,C-2&C-4H)。
所望の生成物:(+)−エストラジオール 17β−ニトレートエステル(11a)。10%水性MeOH(100ml)中の10a(820mg,2.28ミリモル)の懸濁液を溶解させるために十分な量のTHF(25ml)を加えた。この反応混合物をK2CO3(0.5g,3.62ミリモル)で処理し、2時間攪拌した。濾過により固体を除去し、濾液を蒸発させた。残渣をH2O中に取り、EtOAcで抽出した(3×)。EtOAc層を合わせ、H2Oとブラインで洗浄し、無水Na2SO4上で乾燥した。溶媒を蒸発させて725mgの粗生成物11aを得た。この粗生成物をアセトン/ヘキサンから再結晶して480mg(収率54%)、mp=182-183℃を得た。1ml/分の流速で溶離液として35%水性CH3CNを使ったWaters社製のNovaPak C18カラム上でのλmax=280の波長でのHPLC分析は、それが98%純粋であることを示した。〔α〕D 25=+71.00°(c=1.01,95%EtOH);IR(KBr)vmax3553,2932,1610,1501,1441,1272cm-11H-NMR(CDCl3)δ0.9(3H,s,18-CH3),4.93(1H,t,17-H),6.57(3H,m,芳香族)。MS(EI)m/z(相対強度)317(M+,70),253(11),159(100)。C18H23NO4についての分析計算値:C 68.10;H 7.31;N 4.42;実測値:C 68.30;H 7.32;N 4.42。
参考例8
(+)−7α−メチルエストラジオール 17β−ニトレートエステル(11b)
中間調製物1:(+)−7α−メチルエストラジオール 3−アセテート(9b)。ジオキサン中の(+)−7α−メチルエストラジオール(8b,430mg,1.5ミリモル)の攪拌溶液に、粉末状NaOH(150mg,3.75ミリモル)とテトラブチルアンモニウム硫酸水素塩(5mg,0.02ミリモル)を添加した。(+)−7α−メチルエストラジオールの調製は、Kalvoda他,Helv.Chim.Acta 50:281-288(1967)中に記載されている(この文献は参考として本明細書中に組み込まれる)。前記混合物にジオキサン中のアセチルクロリド(1.0M,1.95ml,1.95ミリモル)をゆっくり添加した。添加の間に反応混合物は次第に濁り、添加の終了近くには最初の黄色が消失した。反応混合物を遠心分離し、ジオキサン上清を丸底フラスコに移した。追加のジオキサンを使って固体をこし、再遠心した(2×)。合わせたジオキサン上清を真空中で蒸発させ、470mgの安定なフォームを得た。3%アセトン/CH2Cl2を使って溶出させるフラッシュクロマトグラフィーにより、安定なフォームとして400mg(81%)の9bを得た。FTIR(KBr,拡散反射):vmax3475,2879,1753,1200cm-11H-NMR(CDCl3)δ0.73(3H,s,18-CH3),0.80(3H,d,J=6Hz,7α-CH3),2.23(3H,s,3-OCOCH3),3.10(1H,dd,J=15Hz,J'=6Hz,7β-H),3.73(1H,t,J=6Hz,17α-H),6.70-6.95(2H,m,C-2&C-4H),7.30(1H,d,J=9Hz,C-1H);MS(EI)m/z(相対強度)328(M+),286(M+-(Ac-1),100)。
中間調製物2:(+)−7α−メチルエストラジオール 3−アセテート 17β−ニトレートエステル(10b)。精製した発煙硝酸(51μl,1.28ミリモル)を0℃にて無水酢酸(2.0ml)に添加し、この溶液を0℃で更に15分間攪拌した。シリンジを使って前記アセチルニトレート溶液を−20℃の無水酢酸中の9b(239mg,0.73ミリモル)の溶液にゆっくり添加した。反応混合物を−20℃で1.5時間攪拌し、氷水中に注ぎ、そして水性混合物をEtOAcで抽出した。EtOAc抽出液を合わせ、飽和NaHCO3溶液(3×)、H2O(1×)およびブラインで洗浄し、Na2SO4上で乾燥した。溶媒を蒸発させて277mgのフォームを得た。この物質を1%アセトン/CH2Cl2を使って溶出させるフラッシュクロマトグラフィーにより精製し、フォームとして236.2mg(87%)の10bを得た。FTIR(KBr,拡散反射):vmax2932,1767,1622,1279,1207cm-11H-NMR(CDCl3)δ0.83(3H,d,J=6Hz,7α-CH3),0.88(3H,s,18-CH3),2.27(3H,s,3-OCOCH3),3.13(1H,dd,J=15Hz,J'=6Hz,7β-H),4.95(1H,t,J=6Hz,17α-H),6.75-7.00(2H,m,C-2&C-4H),7.33(1H,d,J=9Hz,C-1H);MS(EI)m/z(相対強度)373(M+),331(M+-(Ac-1),100)。
所望の生成物:_(+)−7α−メチルエストラジオール 17β−ニトレートエステル(11b)。THF/MeOH(1:1,20ml)中の10b(236mg,0.63ミリモル)を0.5N水性NaOH(1.6ml,0.79ミリモル)で処理し、該混合物を15分間攪拌した。反応混合物をHClにより酸性(pH=3.4)にし、THF/MeOHを蒸発させた。残渣をH2Oで希釈し、水性混合物をEtOAcで抽出した。EtOAc抽出液を合わせ、H2Oとブラインで洗浄し、Na2SO4上で乾燥した。溶媒を蒸発させて220mgの安定なフォームを得た。1%アセトン/CH2Cl2を用いて溶出させるフラッシュクロマトグラフィーによりこの物質を精製し、安定な非晶質フォームとして208mg(100%)の11bを得た。
〔α〕D 25=+62.7°(c=0.89,ジオキサン);FTIR(KBr,拡散反射):vmax3300,2930,1620,1501,1278cm-11H-NMR(CDCl3)δ0.83(3H,d,J=6Hz,7α-CH3),0.88(3H,s,18-CH3),3.13(1H,dd,J=15Hz,J'=6Hz,7β-H),4.95(1H,t,J=6Hz,17α-H),6.50-6.78(2H,m,C-2&C-4H),7.20(1H,d,J=9Hz,C-1H);MS(EI)m/z(相対強度)331(M+,90),267(M+-(HNO3+H),14),173(96),159(64),147(100)。C19H25NO4についての元素分析計算値:C 68.85;H 7.61;N 4.23;実測値:C 68.69;H 7.47;N 4.23。
生物学的活性
方法
本発明の化合物のエストロゲン様活性は、当業者に周知の様々なアッセイにおいて試験することができる(例えばRe.34,136参照)。後述するように、ラット子宮重量法を使って本発明の化合物をエストロゲン様活性について試験した。特定の化合物は、ラットにおける交尾後活性および卵巣摘出したアカゲザルにおけるエストロゲン停止出血についても試験した。それらの実験の詳細とそこから得られた結果を下記に記載する。
エストロゲン様活性−ラット子宮重量法
未熟な(生後約21日)Sprague-Dawley株の雌ラットを標準的な飼育条件下で維持し、餌と水を自由に摂取できるようにした。各24時間のうち12時間の日照と12時間の暗闇となるように光を調節した。試験化合物を無水エタノール中に溶かし、次いでエタノールの最終濃度が10%となるようにゴマ油を添加することにより準備した。動物を各々10匹のラットのグループに無作為抽出し、標準物質または試験物質の3つの用量グループの1つまたは賦形剤対照に割り当てた。試験化合物は連続3日間毎日アルコール溶液において経口、皮下注射または皮膚への直接塗布により投与した。エストラジオール−17βを皮下標準物質として使用し、そしてエチニルエストラジオールを経口標準物質として使用した。エストラジオールとエチニルエストラジオールの両方を経皮経路の標準物質として使った。最終投薬の24時間後にラットを犠牲にし、子宮を切除し、脂肪と結合組織を取り去り、湿った濾紙で拭き取り、0.1mgまで計量した。平均値と平均値の標準誤差を計算し、平均値を片対数グラフ上にプロットした。PROPHETデータ管理システム(Holford,N.“Drug model in Prophet Public Procedures”BBN System and Technologies,Cambridge,MA,1990)を使って、曲線の当てはめ、力価比および通常の統計を行った。
性交後避妊活性交尾後の成熟ラット
Sprague-Dawley株の成熟雌ラットを、餌と水の自由な摂取および12時間の明と12時間の暗の周期を含む標準的な飼育条件下で維持した。正常な4日発情周期の確立後、検定済種畜雄を発情前期の雌と一緒に一晩入れておいた。翌朝、雄を取り除き、膣スミアを得て精子の存在により交尾の発生を確認した。交尾の証拠を示した雌を、各々10匹の動物から成る試験物質、標準物質または対照の用量グループに無作為に割り当てた。試験化合物と標準物質は10%エタノール/ゴマ油に溶かし、膣洗浄液中に精子が観察された日から始まる連続5日間の間、毎日投与した。対照には賦形剤のみを投与した。推定上の妊娠10日目に動物を犠牲にし、受胎産物の数と状態を記録した。力価はED100として表した。
エストロゲン停止出血−卵巣摘出したアカゲザル
容認された飼育および厚生条件下で維持した卵巣摘出したアカゲザルを、各々約5匹の動物のグループに無作為に割り当てた。試験物質または標準物質はゴマ油溶液に浸したパンにおいて連続10日間毎日与えた。対照動物には賦形剤のみを与えた。標準物質エストロゲンは、治療を停止すると通常14日以内に子宮出血を引き起こす。この停止出血の開始、期間および強度をこの種におけるエストロゲン様力価の尺度として使用した。
結果
エストロゲン様活性
生物学的試験の結果を表1に要約する。11−ニトレートエステルはエストラジオールの経口エストロゲン様活性の10倍増加と皮下エストロゲン様活性の4〜7倍増加を示した。11,17−ジニトレートエステルは遊離アルコールの経口エストロゲン様活性の56倍増加を示したが、皮下活性は僅かな増加しか示さなかった。不思議なことに、17−モノニトレートエステルはいずれの経路でもエストロゲン様活性を事実上全く示さなかった。17位のところのエステル化は一般的に非経口投与後の活性を増強するかまたは少なくとも作用期間を増加させるが、経口活性に対しては全く影響がなく且つ確かに経口活性を低下させない(図1)ので、これは全く意外であった。11,17−ジニトレートエステルの経口活性が11−ニトレートエステルの経口活性よりも実質的に大きいという事実は、上記の点から見ても全く予想外であった。それらの観察結果は図2と図3に示される。皮下経路では、11−ニトレートエステルはエストラジオールの約5倍の活性を示し、一方で11,17−ジニトレートエステルはこの経路による遊離アルコールとほぼ同じ活性を示した。17−モノニトレートエステルは皮下注射によっても不活性であった。
11−モノニトレートエステルの7α−メチル化は、10倍以上の経口エストロゲン様活性の更なる増加をもたらしたが、一方で11,17−ジニトレートエステルの7α−メチル化はわずかな活性の増加しか示さなかった。その上、17−モノニトレートエステルの7α−メチル化は、エストラジオールそれ自体よりも幾分効力の小さい控え目な経口活性を有する化合物を提供した。皮下投与後には、7α−メチル化は、エストラジオールの11−モノニトレートエステルと11,17−ジニトレートエステルの両方のエストロゲン様活性に約2倍の更なる増加を引き起こした。7α−メチル化後、17−モノニトレートエステルはエストラジオールと同様な約10%の活性を示した。
3位のアシル化は、エストラジオールの11−ニトレートエステルと11,17−ジニトレートエステルの経口および非経口エストロゲン様活性に対してあまり大きくない効果しか与えなかった。
経皮投与後、11−ニトレートエステルと11,17−ジニトレートエステル並びにそれらの各々の7α−メチル類似体はエストラジオールと同様な活性を示した(図4)。
性交後活性
11−ニトレートエステルと11,17−ジニトレートエステルは、ラットにおいてエストラジオールの経口性交後避妊活性のそれぞれ5倍と100倍の増加を示した。それらの結果は、エストロゲン様活性の増加の所見と類似する。
エストロゲン停止出血
11−ニトレートエステルと11,17−ジニトレートエステルは、決定点としてホルモン援助の停止後の子宮出血を使った時、アカゲザルへの経口投与後にエストラジオールとほぼ同じ力価を示した。これは、多分この非ヒト霊長類種における貧弱な経口吸収または迅速な代謝の結果だろう。ラット経口子宮向性試験において17α−エチニルエストラジオールよりも10倍効力が弱いエストラジオールが、アカゲザルへの経口投与後に停止出血を誘発することにおいては同等に活性である点に注目することも重要である。
それらの実験に基づくと、本発明の化合物は、経口投与後に、エチニルエストラジオールまたはそれの3−メチルエーテルと等しいかまたはそれより大きいエストロゲン様活性を提供する。それらの化合物は非経口経路や静脈内注射または経皮適用により投与した時にも有用性がある。
本発明の化合物は、ステロイド系薬剤に容認されるいずれの投与方法によってもヒトまたは他の哺乳類に投与することができる。それらの方法としては、経口、非経口、坐剤、局所等が挙げられる。該化合物は単独でまたは組成物の一部として----例えばプロゲスチン等と共に投与することができる。
意図する投与方法に依存して、使用する組成物は固体、半固体または液体の剤形であることができ、例えば注射剤、坐剤、ピル、カプセル、粉末、液体、懸濁液等であることができ、好ましくは正確な用量の1回投与に適当な単位剤形であることができる。組成物は常用の医薬担体または賦形剤および本発明の活性化合物を含み、加えて、他の薬剤、担体、補助剤、等を含んでもよい。経口投与用には、常用される賦形剤、例えば薬用のマンニトール、ラクトース、デンプン、ステアリン酸マグネシウム、サッカリンナトリウム、タルク、セルロース、ショ糖、炭酸マグネシウム等、のいずれかの包含により医薬上許容される非毒性組成物が調製される。そのような組成物は溶液、懸濁液、錠剤、ピル、カプセル、粉末、徐放性製剤等の形態をとる。
上記に定義したような本発明の化合物は、例えば、担体としてポリアルキレングリコール、例えばプロピレングリコールを使って、坐剤として製剤することができる。
特に非経口投与(一般に皮下、筋肉内または静脈内注射により特徴付けられる)用の医薬上投与可能な液体組成物は、本発明の化合物と任意の製薬補助剤を担体、例えば水、食塩水、水性ブドウ糖、グリセロール、エタノール等に溶解するか、分散させるかし、それによって溶液または懸濁液を形成させることにより、調製することができる。所望であれば、投与すべき医薬組成物は、少量の非毒性補助物質、例えば湿潤剤または乳化剤、pH緩衝剤等、例えば酢酸ナトリウム、ソルビタンモノラウレート、トリエタノールアミン酢酸ナトリウム、オレイン酸トリエタノールアミン等を含んでもよい。そのような剤形の実際の調製方法は既知であるか、または当業者に明白であろう;例えば、RemingtonのPharmaceutical Sciences,Mack Publishing Company,Easton,Pa.,第15版,1975年を参照のこと。投与可能な組成物または製剤は、いずれにしても、治療しようとする被検者において所望のエストロゲン様効果または避妊効果を達成するのに適当な量の1または複数の活性化合物を含有するだろう。
治療組成物は、上述したような病気に既にかかっている患者に、そのような病気と合併症の症状を治癒するかまたは少なくとも部分的に阻止するのに十分な量で投与される。あるいは、該化合物は、卵巣の外科的除去後または閉経期の間の置換療法に、または経口避妊薬中のエストロゲン様成分として使うことができる。所望の効果を達成するのに適当な量は「有効量」として定義される。この用途に有効な量は、患者の体重および一般状態並びに担当医の判断に依存するだろう。経口ピルおよび錠剤は0.01mg〜約1.0mgの活性物質を含むことができ、一方で注射用組成物の用量は約0.01mg〜約10mgの活性化合物を含んで成ることができる。
明確化と理解の目的で本発明を上記実施例と開示中に或る程度詳細に記載してきた。しかしながら、添付の請求の範囲内で幾つかの変更および改良を行うことができることは明白であろう。
Figure 0003993228

Claims (9)

  1. 次式:
    Figure 0003993228
    (式中、
    1は水素、低級アルキル、シクロアルキルおよび低級アシルから成る群より選択され;
    2は水素および低級アルキルから成る群より選択され;
    3は水素、ヒドロキシおよび低級アルコキシから成る群より選択され;
    4は水素および低級アルキルから成る群より選択され;そして
    5はニトレートである)
    により表される化合物。
  2. 3とR4が水素である、請求項1に記載の化合物。
  3. 1がHである、請求項1に記載の化合物。
  4. 1がアセチルである、請求項1に記載の化合物。
  5. 2がメチルである、請求項1に記載の化合物。
  6. (+)−3,11β,17β−トリヒドロキシエストラ−1,3,5(10)−トリエン 3−アセテート 11,17−ジニトレートエステル、
    (+)−3,11β,17β−トリヒドロキシエストラ−1,3,5
    (10)−トリエン 11,17−ジニトレートエステル、
    (+)−3,11β,17β−トリヒドロキシ−7α−メチルエストラ−1,3,5(10)−トリエン 3−アセテート 11,17−ジニトレートエステル、および
    (+)−3,11β,17β−トリヒドロキシ−7α−メチルエストラ−1,3,5(10)−トリエン ll,17−ジニトレートエステル
    から成る群より選択される、請求項1に記載の化合物。
  7. 雌の哺乳動物においてエストロゲン様効果を生じさせるために使用される医薬組成物であって、医薬上許容される賦形剤と共に有効量の請求項1〜6のいずれか1項に記載の化合物を含み、ここで、当該医薬組成物は、避妊薬として又は老人性または萎縮性膣炎、機能性子宮出血、卵巣の発育不全、アクネ、多毛症、あるいはオステオポローシスの内のいずれかの治療のために使用されるものである、前記医薬組成物。
  8. 前記化合物が
    (+)−3,11β,17β−トリヒドロキシエストラ−1,3,5
    (10)−トリエン 3−アセテート 11,17−ジニトレートエステル、
    (+)−3,11β,17β−トリヒドロキシエストラ−1,3,5
    (10)−トリエン 11,17−ジニトレートエステル、
    (+)−3,11β,17β−トリヒドロキシ−7α−メチルエストラ−1,3,5
    (10)−トリエン 3−アセテート 11,17−ジニトレートエステル、および
    (+)−3,11β,17β−トリヒドロキシ−7α−メチルエストラ−1,3,5
    (10)−トリエン 11,17−ジニトレートエステル、
    から成る群より選択される、請求項に記載の医薬組成物。
  9. 経口投与または非経口投与される、請求項またはに記載の医薬組成物。
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