JP3993057B2 - 赤土流出防止擁壁及びその構築方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、造成地、農地、山間部等からの赤土を含む汚濁水が海へ流出するのを防止する赤土流出防止擁壁及びその構築方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、特に沖縄県沿岸において大きな問題となったように、赤土を含む汚濁水が海へ流出すると、海の透明度を損なうだけでなく、海底に沈殿してサンゴの生育に悪影響を及ぼし、ひいてはサンゴ礁に生息する魚等の生物の生態系にも悪影響を及ぼす。赤土流出の源流は、山間部からの自然流出もあるが、造成や農地改良等の開発による裸地からの流出が多い。
【0003】
この赤土の海への流出を防止するには、もちろん源流での流出抑制が第一ではあるが、一旦源流から流出してしまった赤土が海へ流出するのを防止する方法として、側溝や河川から赤土を含む汚濁水の一部を枡、沈砂池等の構造物に引き入れて貯溜し、赤土を沈殿させて上澄み水を放流する方法がとられている。また、濾過器、吸排水管及びポンプを組み合わせた濾過設備も提案されている(例えば、特許文献1及び特許文献2参照)。
【0004】
【特許文献1】
特開平9−271784号公報
【特許文献2】
特開平10−165717号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、汚濁水を構造物に貯溜する方法は、大規模な構造物が必要であり、多額の施工費が必要になり、沈殿した赤土を除去するメンテナンスも面倒である。また、濾過器、吸排水管及びポンプを組み合わせた濾過設備は、吸排水管やポンプのみならず制御装置等の複雑な付帯設備が必要であり、やはり多額の施工費が必要になる。
【0006】
そこで、本発明の目的は、小規模で簡便で安価な設備により赤土の流出を防止することができる擁壁を提供することにある。また、赤土の流出防止に必要最小限の同擁壁を効率的に構築し、また、その流出防止効果を維持することができる方法を提供することにある。
【0007】
なお、本発明の擁壁に使用する擁壁用ブロックとして、本発明者が先に提案した三角柱枠型ブロックを好ましく使用することができるので、予め文献名のみ挙げておく(例えば、特開平9−217304号公報、特開2001−11840公報参照)。先の提案は、同ブロックの内部空間に栗石や割石を充填し、漁礁、消波提、護岸壁等に使用するというものであるが、当然、赤土の流出防止効果はない。また、栗石や割石の流出を防止するために繊維製マットを添設することも開示しているが、繊維製マットではその種類によっては一時的に赤土を濾過できたとしても、直ぐに目詰まりして使えなくなる。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る赤土流出防止擁壁は、正面壁と背面壁とに通水に十分な大きさの開口を備え、正面壁と背面壁とに間に充填材を収容する空間を有する擁壁用ブロックと、空間に充填材として収容された、汚濁水から赤土を捕捉できる微細間隙を塊表面のみならず塊内部にも大量に有する塊状の濾材とを用いて構築される。
【0009】
ここで、背面壁は赤土を含む汚濁水が流入する側の壁、正面壁は濾材で濾過された水が流出する側の壁であり、背面壁の背方には赤土を含む土砂が徐々に堆積することになる。正面壁及び背面壁の各開口は、特に限定されず、外周の矩形枠を残して開口した大きな窓状開口や、外周の矩形枠間を連結する格子間に開口した多数の格子窓状開口や、多数の円形状開口等を例示できる。
【0010】
図8及び図9に示すように、擁壁用ブロック10としては、特に限定されないが、側面が四角形(図8(a))、正三角形(図9)、前記背面壁側が切り立った三角形(図8(b))、台形(図8(c))四角形の上部の角が丸くなった形状(図8(d))等である柱状ブロックを例示でき、その中でも側面が正三角形である三角柱枠型ブロックを好ましく例示できる(例えば、前記特開平9−217304号公報、特開2001−11840公報参照)。擁壁用ブロックの材料としては、特に限定されないが、コンクリート、金属(鉄鋼等)、樹脂等を例示できる。三角柱枠型ブロックは、特に限定されないが、矩形枠状の前記正面壁と矩形枠状の前記背面壁と矩形状の底壁とが側面三角形状に組まれてなるものが好ましい。正面壁と背面壁と底壁とは、特に限定されないが、図9に示すように、全てが同一形状の部品であっても、例えば正面壁と背面壁とが同一形状の部品で底壁のみが異なった形状の部品であっても、全てが異なった部品であってもよい。このことは、それぞれの壁の形状を最適化して、全ての壁が異なった形状にしてもよく、共通部品を持つ擁壁用ブロックとすることで、製造時に枠型を共通化できるとか、運送・組立時に間違いが少ないとかの利点があるからである。また、三角柱枠型ブロックの組み立て方法は、特に限定されない。
【0011】
濾材の構造としては、特に限定されないが、繊維、発泡体、多孔板等により塊状に成形、積層、巻成等されたものを例示できる。濾材の目の粗さは均一であっても、濾材の一部分で目の粗さが異なっていてもよい。濾材の一部分で目の粗さが異なっている場合には、特に限定されないが、濾材の目の粗さが、前記背面壁側から前記正面壁側へ、段階的に若しくは連続的に細かくすることが好ましい。このことは、濾材の表面若しくは内部で局部的に目詰まりを起こさせにくく、赤土を通過させずに濾材の濾過能力を長持ちさせるために効果的である。例えば、図10に示す三角柱状の濾材30のように、背面壁12側は粗目31、背面壁12と正面壁11の中間部分は中目32、正面壁11側は細目33の濾材部分とすることである。
また、濾材の材料は、特に限定されず、有機でも無機でもよい。
【0012】
特に、濾材の繊維材料としては、以下(A)(B)を例示できる。
(A)有機:
(A1)ポリエステルやポリエチレンのような化学繊維
・一般的な化学繊維の価格は、生分解性材料の価格の約1/10倍であるので、コストの点で化学繊維が好ましい。
・紫外線に強い。
(A2)脂肪酸ポリエステルであるポリ乳酸、ポリコハク酸ブチル、ポリカプロラクトン等のような生分解性材料
・目詰まり後に微生物の働きにより分解する生分解性材料が環境保護の点で好ましい。
(B)無機:ガラス繊維、ロックウール等
【0013】
濾材の形状は、特に限定されないが、前記空間の形状に略合致して、擁壁用ブロックに収容されていることが好ましい。収容されている濾材は、特に限定されないが、1つの塊状の濾材であっても、複数の塊状の濾材が互いに緊密になっているものでもよい。
【0014】
次に、本発明に係る赤土流出防止擁壁の構築方法は、通水に十分な大きさの開口を備えた正面壁と背面壁との間の空間に汚濁水から赤土を捕捉できる微細間隙を塊表面のみならず塊内部にも大量に有する塊状の濾材を収容してなる擁壁用ブロックを、左右に並べて一段の擁壁を構築し、さらに必要に応じて上下に積んで複数段の擁壁を構築する工程と、一段又は複数段の擁壁の濾材が、長期間にわたり赤土を含む汚濁水を濾過した結果、目詰まりして濾過能力を実質的に失ったときに、濾材を新しい同濾材に取り替える工程とを含む。
【0015】
次に、本発明に係る赤土流出防止擁壁の別の構築方法は、通水に十分な大きさの開口を備えた正面壁と背面壁との間の空間に汚濁水から赤土を捕捉できる微細間隙を塊表面のみならず塊内部にも大量に有する塊状の濾材を収容してなる擁壁用ブロックを、左右に並べて一段の擁壁を構築し、さらに必要に応じて上下に積んで複数段の擁壁を構築する工程と、前記一段又は複数段の擁壁の濾材が、長期間にわたり赤土を含む汚濁水を濾過した結果、目詰まりして濾過能力を実質的に失ったときに、前記擁壁の背面側に堆積した土砂の一部を掘り下げて基礎を形成し、該基礎に載せるようにして前記擁壁の上に前記空間に前記濾材を収容してなる前記擁壁用ブロックを左右に並べて新たな一段の擁壁を構築し、さらに必要に応じて上下に積んで新たな複数段の擁壁を構築する工程とを含む。
【0016】
当初構築する擁壁を何段にするかは、構築場所における汚濁水の流量や、構築する擁壁の幅や、擁壁用ブロックの高さや、上に新たな擁壁を構築するまでの所要期間の予測等の要因に応じて適宜決めることができ、これらの要因から判断される赤土の流出防止に必要最小限の同擁壁を効率的に構築すればよい。その上に新たに構築する擁壁を何段にするかについても同様である。
【0017】
【発明の実施の形態】
[第一実施形態]
図1〜図7に示す第一実施形態の赤土流出防止擁壁1は、海岸に円弧状に敷設されてその内側に浅い沈砂池3を形成している土塁2の一部に、該一部を排水口として置き換えるようにして構築されたものである。上流の山間部(図示略)や農地4(例えばパイナップル畑)から流出した赤土を含む汚濁水は、農地4と雑草地5とを通る排水溝6を流れて、沈砂池3へと流れ込むようになっている。なお、農地4と雑草地5との間には、透水性材料により形成された小型擁壁用ブロック7aを左右に並べて小型擁壁7が構築されている。
【0018】
赤土流出防止擁壁1は、塊状の濾材20を収容してなる擁壁用ブロック10を左右に並べて構築される。
【0019】
擁壁用ブロック10は、いずれもプレキャスト製の矩形枠状の正面壁11と、正面壁11と同一形状の背面壁12と、矩形枠状の底壁13とが側面三角形状に組まれてボルト止めされる。さらにこれらの壁11,12,13の両側端部にプレキャスト製の三角枠状のトラス枠14,14が内接するように嵌合されてボルト止めされ、もって組み立てられた三角柱枠型ブロックである。擁壁用ブロック10の横幅は約3000mm、奥行は約2400mm、高さは約2080mmであるが、これは例示であって適宜変更できる。正面壁11及び背面壁12は、それぞれ外周の矩形枠を残して開口した通水に十分な大きさの窓状開口15,16を有している。また、正面壁11と背面壁12とに間には三角柱状の空間17を有しており、充填材として4つの塊状の濾材20が、互いに緊密になって、空間17に略合致するように収容されている。この濾材20の収容は、前記擁壁用ブロック10の組立時に行われる。
【0020】
濾材20は、図4に示すように、トウモロコシから得られる生分解性のポリ乳酸繊維(例えばユニチカ株式会社の商品名テラマック)よりなり、空間17の断面の正三角形に略合致する形状の不織布シート21(厚さ5mm)を積層することにより形成される。濾材20の形状は、空間17の断面の正三角形に略合致し、擁壁用ブロック10の長さ方向に前記空間17の長さを略4等分した三角短柱形状となっている。この濾材20は、汚濁水から赤土を捕捉できる微細間隙としてのポリ乳酸繊維間の間隙を塊表面のみならず塊内部にも大量に有している。
【0021】
赤土流出防止擁壁1を構築するには、図1、図2及び図6(a)に示すように、濾材20を収容してなる擁壁用ブロック10を、左右に3〜10個(図示例では5個)並べて一段(又は複数段)の擁壁を構築すればよいので、非常に簡単である。この段数は、前述したような要因に応じて適宜決めることができるが、該要因から判断される赤土の流出防止に必要最小限の同擁壁を効率的に構築すればよいので、初期投資が少なくて済む。なお、背面壁12に繊維製の目の粗いシート18をかけてもよい。
【0022】
上記構築後、図6(a)に示すように、沈砂池3に流れ込んだ赤土を含む汚濁水W1は、まずシート18で比較的大きい浮遊物が除去された後、背面壁12の窓状開口16から擁壁用ブロック10に入る。汚濁水W1は、濾材20を通過する際に濾材20の微細間隙により赤土が捕捉され、正面壁11の窓状開口15から濾過水W2として排出される。排出された濾過水W2は、集水溝8を経て枡9(内部構造は図示を省略している)に集められた後、該桝9で念のためさらに沈降分離されてから海35に流れ込む。こうして、赤土が海35へ流出するのを防止することができる。濾材20は赤土を捕捉できる微細間隙を塊表面のみならず塊内部にも大量に有しているので、長期間にわたり赤土を含む汚濁水W1を濾過する。
【0023】
期間の経過とともに、図6(b)に示すように、濾材20は下部から赤土で目詰まりし始め、また、沈砂池3の底部に堆積土砂23が堆積し始める。そして、図6(c)に示すように、目詰まりして濾過能力を実質的に失ったときに、次の2通の方法で濾過能力を初期に戻すことができる。
(1)濾材の取り替え
擁壁用ブロック内に収容された濾材を新しい同濾材に取り替えれば、また赤土流出防止擁壁1として再生することができる。その際、赤土で目詰まりした濾材20を擁壁用ブロック10より抜き出して廃棄することになる。
この方法は、赤土流出防止擁壁1の高さは変えず濾過能力を再生する方法であるので、背面壁12側の堆積土砂23の高さが赤土流出防止擁壁1の高さより比較的低い場合に特に有効である。
【0024】
(2)上積み
前記擁壁1の上に前記擁壁用ブロック10を左右に並べて新たな一段の擁壁1を構築し、さらに必要に応じて上下に積んで新たな複数段の擁壁1を構築する。
例えば、図7(d)に示すように、2段の赤土流出防止擁壁1とする。この際、2段目の擁壁用ブロック10の基礎を、下段の擁壁用ブロック10の底部と同じ高さまで堆積土砂23を掘り下げて形成する。背面壁12側には、粗いシート18を2段目の基礎24の下部から基礎24に沿って、擁壁用ブロック10の上部まで設ける。
2段に積み上げられた新たな赤土流出防止擁壁1を汚濁水W1の濾過に使用することによって、2段目の濾材20も目詰まりし始めて、濾過能力が実質的に低下してくる。
すると、図7(e)に示すように、2段目の赤土流出防止擁壁1の上部に、さらに、擁壁用ブロック10を左右に並べて新たな一段の擁壁を構築し、3段の赤土流出防止擁壁とする。この際、3段目の擁壁用ブロック10の基礎25を、下段の擁壁用ブロック10の底部と同じ高さまで堆積土砂23を掘り下げて形成する。背面壁12側には、粗いシート18を背面壁12側の堆積土砂23の上部から基礎25に沿って、擁壁用ブロック10の上部まで設ける。
【0025】
上記方法(1)の擁壁用ブロック10より抜き出して廃棄することになる濾材20及び、上記方法(2)の擁壁用ブロック10内に放置されることになる濾材20は、生分解性材料よりなるため、土中及び水中において2〜4年かけて形状崩壊が起こり、最終的には炭酸ガスと水とに完全に分解される。
【0026】
以上のように構成された本実施形態の擁壁によれば、次の効果(1)(2)(3)(4)(5)(6)が得られる。
(1)濾過能力が大きい
濾材20が、汚濁水W1から赤土を捕捉できる微細間隙を表面のみならず内部にも大量に有する塊状であるので、シート状の濾材を用いる場合と比較して、大きな濾過効果を持続的に発揮することができる。また、濾材20が、擁壁用ブロック10内に収容されているので、赤土が流出しやすい悪天候時においても安定している。
(2)狭い施工場所
汚濁水W1を貯留するのみではなく、排水しながら汚濁水W1の赤土を取り除くので、沈砂池3を大きくする必要がなく、狭い場所にも施工することができる。
(3)濾材の取り替えが可能
赤土流出防止擁壁1を赤土を含む汚濁水W1の濾過に長期間使用し、擁壁用ブロック10内の濾材20の目詰まりが進行して、濾過能力の実質的に失ったときに、濾材20を取り替えて、濾過能力を再生することができるので、新たな施設を施工する必要がなく経済的である。
(4)使用後に擁壁の高さを上げる施工が可能
初期の構築時において、現場の状況によって、赤土流出防止擁壁1の擁壁用ブロック10の高さを設定でき、赤土流出防止擁壁1を赤土を含む汚濁水W1の濾過に長期間使用し、濾材20の目詰まりが進行して、濾過能力の実質的に失ったときに、必要に応じて高さを上げる施工ができるので、初期の施工費用が少なくすむし、他の施設を新たに設置するより安価である。また、使用中及び使用後も基本的には放置状態であるので、メンテナンスの手間がかからない。
(5)環境によい濾材
濾材20の素材が生分解性であるので、擁壁用ブロック10内に目詰まりした濾材20を抜き出して廃棄しても、収容したまま放置しても、年月を経て分解されるので環境によい。
(6)施工現場での擁壁用ブロック10の組み立てが可能
擁壁用ブロック10が、矩形枠状の正面壁11と、背面壁12及び底壁13と、三角枠状の一対のトラス枠14、14で構成されており、組み立ても簡単なので、施工現場での擁壁用ブロック10を組み立てて、濾材20を収容することができ、運搬効率もよい。
【0027】
なお、本発明は上記各実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜に変更して具体化することもできる。
(1)赤土流出防止擁壁を二重に施工すること。
(2)目詰まりした濾材を取り替えて、赤土流出防止擁壁の背面壁近傍の堆積土砂を掘り下げて、赤土流出防止擁壁の濾過能力を再生すること。
(3)第一実施形態の土塁2をすべて赤土流出防止擁壁とすること。
(4)図11に示すように、赤土流出防止擁壁1の擁壁用ブロック10の正面壁11側に、正面壁11から流出した濾過水W2を流す側溝26を設けること。
(5)図12に示すように、赤土流出防止擁壁1の初期の施工時に、3段の濾材20が収容された擁壁用ブロック10を施工すること。その際、背面壁12側に、栗石27の間に略水平にフィルターシート28を挟んだ基礎29を構築し、基礎29に沿って粗いシート18を擁壁用ブロック10の上部まで設けること。
【0028】
【発明の効果】
以上詳述した通り、本発明に係る赤土流出防止擁壁の構築方法によれば、赤土の流出防止に必要最小限の同擁壁を効率的に構築することができる。すなわち、初期の構築時において、現場の状況によって、赤土流出防止擁壁の擁壁用ブロックの高さを設定できる。また、赤土流出防止擁壁を赤土を含む汚濁水の濾過に長期間使用し、濾材の目詰まりが進行して、濾過能力の実質的に失ったときに、必要に応じて高さを上げる施工ができるので、初期の施工費用が少なくすむし、他の施設を新たに設置するより安価である。また、使用中及び使用後も基本的には放置状態であるので、メンテナンスの手間がかからない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一実施形態に係る赤土流出防止擁壁が施工されている現地の斜視図である。
【図2】同赤土流出防止擁壁が施工されている現地の断面図である。
【図3】同赤土流出防止擁壁に使用する擁壁用ブロックに濾材を収容する方法を示す斜視図である。
【図4】同赤土流出防止擁壁に使用する濾材の積層構造の斜視図である。
【図5】同赤土流出防止擁壁に使用する擁壁用ブロックの斜視図である。
【図6】同赤土流出防止擁壁の使用の(a)初期、(b)濾材が目詰まりし始めた時点、(c)濾材が目詰まりした時点の断面図である。
【図7】同赤土流出防止擁壁の使用の(d)2段に施工した時点、(e)3段に施工した時点の断面図である。
【図8】本発明の赤土流出防止擁壁に使用する擁壁用ブロックの形状の変更例を示す側面図である。
【図9】本発明の赤土流出防止擁壁に使用する擁壁用ブロックの形状の変更例を示す側面図である。
【図10】本発明の赤土流出防止擁壁に使用する濾材の構造の変更例を示す斜視図である。
【図11】本発明の赤土流出防止擁壁の変更例を示す断面図である。
【図12】本発明の赤土流出防止擁壁の変更例を示す断面図である。
【符号の説明】
1 赤土流出防止擁壁
2 土塁
3 沈砂池
4 農地
6 排水溝
10 擁壁用ブロック
11 正面壁
12 背面壁
13 底壁
14 トラス枠
15、16 窓状開口
17 空間
18 粗いシート
20 濾材
23 堆積土砂
W1 汚濁水
W2 濾過水
Claims (1)
- 通水に十分な大きさの開口を備えた正面壁と背面壁との間の空間に汚濁水から赤土を捕捉できる微細間隙を塊表面のみならず塊内部にも大量に有する塊状の濾材を収容してなる擁壁用ブロックを、左右に並べて一段の擁壁を構築し、さらに必要に応じて上下に積んで複数段の擁壁を構築する工程と、
前記一段又は複数段の擁壁の濾材が、長期間にわたり赤土を含む汚濁水を濾過した結果、目詰まりして濾過能力を実質的に失ったときに、前記擁壁の背面側に堆積した土砂の一部を掘り下げて基礎を形成し、該基礎に載せるようにして前記擁壁の上に前記空間に前記濾材を収容してなる前記擁壁用ブロックを左右に並べて新たな一段の擁壁を構築し、さらに必要に応じて上下に積んで新たな複数段の擁壁を構築する工程とを含む赤土流出防止擁壁の構築方法。
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