JP3992638B2 - フェライト顆粒の製造方法、フェライト成形体、フェライト焼結体および電子部品 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、乾式加圧成形に好適に使用されるフェライト顆粒を製造する方法と、該方法により製造されたフェライト顆粒を乾式加圧成形して得られるフェライト成形体と、該フェライト成形体を焼成して得られるフェライト焼結体と、該フェライト焼結体を有する電子部品とに、関する。
【0002】
【従来の技術】
軟磁性フェライトは、種々の電子部品に幅広く用いられている。この軟磁性フェライトは、一般に、フェライト粉末とバインダーとを含むフェライト顆粒を、目的に応じて種々の形状に成形してフェライト成形体とし、これを焼成して得られるフェライト焼結体で構成されている。
【0003】
フェライト顆粒を成形する方法としては、鋳込み成形、射出成形、乾式加圧成形などが知られている。中でも、乾式加圧成形は、小型から大型までの種々の形状や、複雑な形状にも適用させることが容易であるため、一般的に用いられている。
【0004】
フェライト成形体を乾式加圧成形で成形する場合に、金型へのフェライト粉末の付着や、成形体密度の不均一や欠陥の発生を防止するために、フェライト顆粒への造粒の際に液状の潤滑剤を、あるいは造粒後に固体状の潤滑剤を、添加あるいは混合することとしていた(特許文献1〜2参照)。
【0005】
しかしながら、この特許文献1〜2の技術では、いずれも、造粒後のフェライト顆粒の表面を均一に潤滑剤で被覆することができず、結果として、金型へのフェライト粉末の付着や、成形体密度の不均一などの種々の不都合を生じていた。
【0006】
これに対し、フェライト粉末とバインダーを含む造粒後のフェライト顆粒を撹拌、混合しながら、該フェライト顆粒に対して、潤滑剤としてのステアリン酸亜鉛を含む水を噴霧する技術が提案されている(特許文献3参照)。
【0007】
しかしながら、この特許文献3の技術では、ステアリン酸亜鉛を、前記造粒後のフェライト顆粒に対して0.2重量%もの比較的多くの量で噴霧している。このため、フェライト顆粒の表面でステアリン酸亜鉛の凝集物が生成されやすい。その結果、造粒後のフェライト顆粒の表面を均一に被覆することができないことがあった。これのみならず、この顆粒を用いて成形されたフェライト成形体を焼成して得られるフェライト焼結体の表面に、前記ステアリン酸亜鉛の凝集物に起因していると思われる焼成時の有機物分解に伴う穴が発生し、焼結体に表面欠陥を生じさせることもあった。
【0008】
【特許文献1】
特開平10−94726号公報
【特許文献2】
特開2001−19558号公報
【特許文献3】
特開平8−151272号公報
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、表面欠陥のないフェライト焼結体を得ることが可能なフェライト顆粒の製造方法と、該方法により製造されたフェライト顆粒を乾式加圧成形してなるフェライト成形体と、該成形体を焼成してなるフェライト焼結体と、該焼結体を有する電子部品とを、提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段および作用】
上記目的を達成するために、本発明によれば、造粒後のフェライト顆粒に、金属石鹸の水分散物を、スプレーノズルを用いてミスト径10〜100μmの液滴で噴霧する、フェライト顆粒の製造方法が提供される。
【0010】
上記特許文献3の技術では、上述したように、造粒後のフェライト顆粒に対するステアリン酸亜鉛の噴霧量が0.2重量%と多い。噴霧量が多いと言うことは、比較的大きな平均粒径を持つステアリン酸亜鉛を、比較的大粒のミスト径で噴霧していると、通常は考えられる。本発明者は、このミスト径の大小が、造粒後のフェライト顆粒の表面での凝集物の生成に係わっているのではないかとの仮説を立て、これを検証していった結果、本発明に到達した。
【0011】
この発明によると、金属石鹸の水分散物を特定範囲のミスト径を持つ液滴で、造粒後のフェライト顆粒に噴霧する。ミスト径を特定範囲にするには、用いる金属石鹸の平均粒径も自ずと特定されるのが通常である。本発明では、ミスト径10〜100μmの液滴で噴霧するので、フェライト顆粒の表面には、金属石鹸の凝集物が生成されにくくなる。その結果、造粒後のフェライト顆粒の表面に金属石鹸が均一に被覆される。凝集物の生成がなく、金属石鹸が表面に均一に被覆されたフェライト顆粒を用いて成形されたフェライト成形体を焼成して得られるフェライト焼結体は、その表面に、前記金属石鹸の凝集物に起因していると思われる焼成時の有機物分解に伴う穴の発生が効果的に防止され、焼結体に表面欠陥を生じさせることがない。すなわち、本発明によれば、表面欠陥のないフェライト焼結体を得ることが可能なフェライト顆粒の製造方法を提供することができる。
【0012】
好ましくは、平均粒径が0.1〜9μmの金属石鹸を用いる。
【0013】
好ましくは、造粒後のフェライト顆粒に含まれるフェライト粉末100質量部に対して、金属石鹸の量が0.01〜0.1質量部となるような量の金属石鹸の水分散物を噴霧する。金属石鹸の量をこの範囲にすることで、凝集物の生成防止に一層寄与しうる。
【0014】
好ましくは、前記金属石鹸として、ステアリン酸亜鉛またはステアリン酸マグネシウムを用いる。
【0015】
好ましくは、平均粒径が150μm以下の造粒後のフェライト顆粒を用いる。これにより、近年の電子部品の小型化、薄型化などの要請に好適に応えることが可能となる。
【0016】
好ましくは、転動流動層を持つ噴霧装置を用い、該噴霧装置の転動流動層内に導入されたフェライト顆粒を、該フェライト顆粒が凝集または破壊しないような、金属石鹸の水分散物の噴霧量、金属石鹸の水分散物の噴霧速度、層内温度および流動条件で、転動流動させながら、該フェライト顆粒に金属石鹸の水分散物を噴霧する。
【0017】
好ましくは、造粒後のフェライト顆粒に含まれるバインダーとして、平均鹸化度が88〜98モル%、平均重合度が500〜1700のポリビニルアルコールを用いる。
【0018】
本発明によれば、上記いずれかに記載の方法により製造されたフェライト顆粒を乾式加圧成形して得られるフェライト成形体が提供される。
【0019】
本発明によれば、該フェライト成形体を焼成して得られるフェライト焼結体が提供される。
【0020】
本発明によれば、該フェライト焼結体を有する電子部品が提供される。
【0021】
電子部品としては、特に限定されないが、ノート型パソコン、PDA等の情報端末や携帯電話、PHS等の移動式電話あるいはこれらの周辺機器等の携帯を前提にした電子部品、テレビ、ステレオ等の比較的大型の家電製品等の種々の電子部品が例示される。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を説明する。ここにおいて、図1は本発明方法を実現可能な噴霧装置の一例を示す断面図、図2は図1の噴霧装置に含まれる転動流動層の要部を示す一部破断断面図、図3は、実施例1〜2と比較例1〜2のフェライト成形体の成形圧力と成形体密度との関係を示すグラフ、図4は、実施例1〜2と比較例1〜2のフェライト成形体の成形圧力と抜き圧との関係を示すグラフ、図5は実施例1のフェライト成形体の上部側面の顕微鏡写真、図6は実施例1のフェライト成形体の中間部側面の顕微鏡写真、図7は比較例2のフェライト成形体の上部側面の顕微鏡写真、図8は比較例2のフェライト成形体の中間部側面の顕微鏡写真、図9は実施例1のフェライト焼結体表面の顕微鏡写真、図10は比較例2のフェライト焼結体表面の顕微鏡写真、図11は比較例5のフェライト焼結体表面の顕微鏡写真である。
【0023】
フェライト顆粒の製造方法
本発明に係るフェライト顆粒の製造方法は、造粒後のフェライト顆粒に、金属石鹸の水分散物を、スプレーノズルを用いてミスト径10〜100μmの液滴で、噴霧することを特徴とする。以下、これを順を追って説明する。
【0024】
(1)まず、フェライト顆粒を準備する。
【0025】
フェライト顆粒は、本実施形態では、フェライト粉末と、バインダーとを含む。
【0026】
フェライト粉末としては、特に限定されず、用途に応じて適宜選択すればよい。このフェライト粉末は、通常、少なくともFe2 O3 を含み、好ましくは、さらにNiO、MnO、MgO、CuOおよびZnOからなる群から選ばれる少なくとも一つの酸化物を含み、必要に応じて、副成分もしくは不可避的不純物としての、Ca、Co、W、Bi、Si、B、Zr等の金属酸化物が含まれていても良い。本実施形態では、1種類のフェライト粉末に限らず、2種類以上のフェライト粉末を混合して用いてもよい。本実施形態では、フェライト粉末の代表例として、Fe2 O3 、NiO、CuOおよびZnOを主成分とするNi−Cu−Zn系フェライト粉末が挙げられる。
【0027】
フェライト粉末の粒径は、最終製品であるフェライト焼結体の原料として従来使用されてきた範囲内で適宜選択すれば良く、一般には0.5〜5μm、好ましくは0.7〜3μm程度である。
【0028】
フェライト顆粒を造粒する際に使用されるバインダーは、従来、フェライト顆粒を造粒するために使用されてきたバインダーから使用目的にあわせて適宜選択することができる。かかるバインダーの例として、ポリビニルアルコールやポリ酢酸ビニルの部分けん化物、ポリ(メタ)アクリル酸、メチルセルロース、アクリルアミド類等の単独重合体や共重合体などが挙げられる。これらのバインダーは、単独であるいは二種類以上の混合物として使用することができる。
【0029】
本発明では、特に、下記構造式(I)で示されるポリビニルアルコール(PVA)をバインダーとして含有させることが好ましい。バインダーとして特定のポリビニルアルコールを含有させることにより、顆粒粒界による欠陥が少なく、かつ高い成形体強度を保つことにより、焼結体の密度と抗折強度を向上させることができる。また、スプリングバックと称する離型後の膨張化現象を抑制させることができ、成形体の亀裂の発生を抑制し、金型への負担を軽減することもできる。
【0030】
【化1】
【0031】
バインダーであるポリビニルアルコールは、一次粒子の結合剤、すなわち、フェライト粉末とフェライト粉末との結合剤として機能し、フェライト顆粒の低圧つぶれ性、耐崩壊性、成形体強度および焼結体強度に影響を及ぼす。特に、ポリビニルアルコールの平均鹸化度は、成形体の成形性に影響を及ぼす。
【0032】
本発明におけるポリビニルアルコールの平均鹸化度〔m/(n+m)〕は、バインダーとしてのポリビニルアルコール全体として、好ましくは88〜98モル%、より好ましくは93〜97モル%である。このような範囲の鹸化度のPVAを中間鹸化ポリビニルアルコールと称する。
【0033】
全体の平均鹸化度が88モル%未満のいわゆる部分鹸化ポリビニルアルコールでは、顆粒の低圧つぶれ性は良好なものの、耐崩壊性および耐スティッキング性が悪い。また水への溶解性が良好でスラリー調製が簡単で噴霧造粒に適するが、オシレーティング押出造粒時には金網に材料が付着して連続整粒が困難となる。逆に、全体の平均鹸化度が98モル%以上の所謂完全鹸化ポリビニルアルコールでは、耐崩壊性は良好であるが、造粒したフェライト顆粒が比較的に硬くなるため低圧つぶれ性が悪くなる。また、水への溶解性が悪く、スラリー調製が困難となる。
【0034】
また、ポリビニルアルコールの平均重合度(m+n)は、好ましくは500〜1700、より好ましくは800〜1500である。平均重合度が500未満では、顆粒の低圧つぶれ性は良好なものの、耐崩壊性が悪く、成形体強度が低くなってくる。逆に、平均重合度が1700を超えると、顆粒の耐崩壊性および成形体強度は比較的良好であるが、硬くなるため低圧つぶれ性が悪化し、顆粒粒界による欠陥が発生しやすくなる。
【0035】
バインダーとして好ましく用いられる前記ポリビニルアルコールの含有量は、仮焼物の粉砕物としてのフェライト粉末100質量部に対して0.4〜1.2質量部が好ましく、特に0.6〜0.8質量部の範囲が好ましい。ポリビニルアルコールの含有量が0.4質量部未満の場合、フェライト粉末の仮焼物を造粒できなくなる場合もある。逆に1.2質量部を超えると、フェライト顆粒が硬くなりすぎ、つぶれが悪くなることにより、顆粒粒界を多く残し成形不良を発生させる場合もある。また、同様に容量欠損が増加する傾向にある。
【0036】
本発明において好ましく使用されるポリビニルアルコールは、全体として前記の所定の平均鹸化度、重合度を有していれば特に制限されず、また未変性のものであっても、たとえばアルキルビニルエーテル、ヒドロキシビニルエーテル、酢酸アリル、アミド、ビニルシラン、エチレン等により変性されていてもよい。
【0037】
フェライト顆粒への造粒は、従来公知の噴霧乾燥造粒法またはオシレーティング押出し造粒法により行うことができる。具体的には、前述のフェライト粉末、バインダーおよび所望に応じて各種添加剤を水に分散させたスラリーを調製し、この調製されたスラリーを噴霧乾燥装置(スプレードライヤー)等で噴霧乾燥することによって、あるいはフェライト粉末、バインダーおよび所望に応じて各種添加剤を攪拌造粒機にて混合造粒して造粒粉を作製し、この造粒粉をオシレーティング造粒機により押出し造粒と乾燥を繰り返して適用することで、フェライト顆粒が作製される。
【0038】
スプレードライヤーに使用されるアトマイザー(霧化器)は、従来、噴霧乾燥機に使用されるアトマイザであれば特に限定されず、例えば、二流体ノズル、ディスク方式のアトマイザを採用することが可能である。中でも、ディスク式のアトマイザを用いると、粒径の制御が容易であり、また得られた顆粒の粒度分布を狭くできる点で好ましい。この粒径は、ディスクの直径、アトマイザの回転数に依存して制御されるが、後述するように、好ましくは平均粒径150μm以下の球形顆粒を得るためには、例えばディスクの直径は80mm〜125mmで、アトマイザの回転数を3000rpm〜10000rpmの範囲で調整するのが好ましい。
【0039】
造粒されたフェライト顆粒の平均粒径は、造粒方法や、目的とする成形体の形状等に依存して適宜選択することができる。通常は、平均粒径が小さすぎると、流動性および金型への充填性が悪くなり、成形体の寸法および単重量のばらつきが大きくなる傾向にある。また、金型への微粉付着(スティッキング)が発生しやすくなる傾向にある。逆に、平均粒径が大きすぎると、顆粒粒界を多く残し、成形不良の発生率が増加する傾向にある。さらに、成形体の寸法および単重量のばらつきも大きくなる傾向にある。
【0040】
本発明では、特に、電子部品の益々の小型化、薄型化、軽量化などの要請に応えるために、噴霧乾燥により造粒された場合には、フェライト顆粒の平均粒径が、150μm以下(より好ましくは125μm以下)となるように、造粒条件などを調整することが好ましい。平均粒径の下限は、好ましくは30μm、より好ましくは60μm程度である。オシレーティング押出しにより造粒された場合には、フェライト顆粒の平均粒径が、300μm以下(より好ましくは250μm以下)となるように、造粒条件などを調整することが好ましい。平均粒径の下限は、好ましくは150μm、より好ましくは200μm程度である。
【0041】
フェライト顆粒の形状は、流動性などを考慮して、球形であることが好ましい。
【0042】
なお、フェライト顆粒への造粒に際し、上記フェライト粉末およびバインダーの他に、所望に応じて本発明の目的・効果が損なわれない範囲で従来公知の各種添加物を含有させることができる。このような添加物の例として、ポリカルボン酸塩、縮合ナフタレンスルホン酸等の分散剤、グリセリン、グリコール類、トリオール類等の可塑剤、ワックス等の滑剤、ポリエーテル系、ウレタン変性ポリエーテル系、ポリアクリル酸系、変性アクリル酸系有機高分子等の有機系高分子凝集剤、硫酸アルミニウム、塩化アルミニウム、硝酸アルミニウム等の無機系凝集剤等が挙げられる。
【0043】
(2)次に、造粒後のフェライト顆粒に、金属石鹸の水分散物を噴霧する。ここでの水分散物には、少量であれば、アルコールが含まれていても良い。つまり、本発明でいう水分散物には、純粋な水分散物の他に、水−アルコール系分散物をも含む。
【0044】
本発明では、特に、造粒後のフェライト顆粒に対して、金属石鹸の水分散物を、スプレーノズルを用いて、ミスト径10〜100μm(好ましくは10〜50μm)の液滴で噴霧する点に特徴がある。この方法で噴霧すると、フェライト顆粒の表面には、金属石鹸の凝集物が生成されにくくなる。その結果、得られるフェライト顆粒は、造粒後のフェライト顆粒の表面に金属石鹸が均一に被覆されて構成される。
【0045】
ミスト径が100μmを超えると、後述する転動流動層内でフェライト顆粒同士が付着し易くなり、凝集物が発生する。また、より小さい10μm未満のミスト径を得ようとすると、スプレーノズルの圧縮空気量が高くなり、今度は容器内でフェライト顆粒の破壊が発生する。
【0046】
本発明では、スプレーノズルでの圧縮空気量を調整することにより、金属石鹸の水分散物のミスト径を任意に調整することができる。金属石鹸の水分散物のミスト径を上記範囲とするには、スプレーノズルでの圧縮空気量を、好ましくは10〜200NL/min、より好ましくは20〜100NL/min程度に調整する。
【0047】
本発明では、平均粒径が、好ましくは0.1〜9μm、より好ましくは0.5〜3μmの金属石鹸を用いる。金属石鹸の平均粒径が大きすぎると、上述したミスト径の水分散物を噴霧することができない。
【0048】
本発明では、金属石鹸として、好ましくはステアリン酸亜鉛またはステアリン酸マグネシウムを用いる。
【0049】
金属石鹸の水分散物の噴霧量は、該水分散物中の金属石鹸が、造粒後のフェライト顆粒中のフェライト粉末100質量部に対して、好ましくは0.01〜0.1質量部、より好ましくは0.015〜0.05質量部となる量である。この量で噴霧することで、凝集物の生成防止に一層寄与しうる。
【0050】
本発明では、好ましくは20〜70質量部、より好ましくは30〜50質量部の金属石鹸を含有する水分散物を用いる。
【0051】
以下に、本発明方法を実現可能な噴霧装置の一例を説明する。
【0052】
図1〜2に示すように、本実施形態で用いる噴霧装置2は、円筒型の装置本体3と、該装置本体3の中央付近に内部に配置された転動流動層4と、前記装置本体3の内部で、かつ該転動流動層4の上方に配置された微粒子除去層6とを、有する。
【0053】
転動流動層4には、フェライト顆粒Cを貯留可能な受け部42を持つ水平回転自在なローター44と、該受け部42に貯留されたフェライト顆粒Cに対して、金属石鹸の水分散物を噴霧可能な二流体ノズル(スプレーノズルの一例)46が設置してある。この二流体ノズル46は、金属石鹸の水分散物の噴霧量を微調整自在とすることができ、しかも金属石鹸の水分散物を霧化自在に噴霧する。
【0054】
微粒子除去層6は、フェライト顆粒への造粒の際に造粒しきれずに残存した一次フェライト微粒子を除去する作用を司る。この微粒子除去層6は、たとえば、バグフィルターあるいは、好ましくはバグフィルターの代わりに取り付けたメッシュクロス、好ましくは目開き75μm以下のメッシュクロスなどで構成され、例えば粒径10μm以下の微粒子を除去することができる。
【0055】
本実施形態では、このような噴霧装置2の内部にフェライト顆粒Cを導入する。導入方法は、特に限定されない。
【0056】
次に、導入されたフェライト顆粒Cを、好ましくは20〜50℃の加温下で、装置2の下方に設置された給気部7から給気を行いながら、ローター44を回転させる。これにより、ローター44の受け部42に貯留されたフェライト顆粒Cを流動させる。すると、フェライト顆粒Cは、ローター44の回転に伴う遠心力により、ローター44上を径方向に転動する。次に、フェライト顆粒Cは、給気部7からの給気により、装置2上方に吹き上げられ、装置2の内径面に沿って上昇しながら流動し、やがて、処理容器の中心付近に向かって落下する。この際に、給気部7からの給気量を調整することによって、粒径が小さい、すなわち軽い微粒子は上方に移動し、微粒子除去層6に導入されて除去される(風力分級)。このように分級を行うことで、金型を用いたその後の成形工程で、金型にこれらの微粒子が付着・残存して生じるスティッキングを効果的に防止でき、成形不良を軽減できる。
【0057】
次に、一次フェライト微粒子が除去されたフェライト顆粒を、該フェライト顆粒が凝集または破壊しないような、金属石鹸の水分散物の噴霧量、金属石鹸の水分散物の噴霧速度、転動流動層4内温度および流動条件で、転動流動させながら、該フェライト顆粒に金属石鹸の水分散物を二流体ノズル46から噴霧する。これにより、ミスト径10〜100μmの液滴で、金属石鹸の水分散物が噴霧される。フェライト顆粒の表面には、金属石鹸の凝集物が生成されにくくなる結果、造粒後のフェライト顆粒の表面に金属石鹸が均一に被覆される。
【0058】
一次フェライト微粒子が除去されたフェライト顆粒が凝集または破壊しないような、金属石鹸の水分散物の噴霧量、金属石鹸の水分散物の噴霧速度、転動流動層4内温度および流動条件は、処理すべきフェライト顆粒自体の性状(造粒方法、粒径、密度等)、フェライト顆粒に含まれるフェライト粉末の種類、その平均粒径、バインダーの種類、その含有量等に依存し適宜選択される。
【0059】
転動流動の際には、装置内温度を、好ましくは20〜50℃、より好ましくは30〜40℃に設定する。転動流動の際の装置内温度が20℃未満であると、フェライト顆粒同士が凝集・造粒してしまうので好ましくなく、逆に50℃を超えると、フェライト顆粒の表面近傍に、水分散物中の水分が充分に浸透する前に、水分が蒸発し乾燥してしまい、金属石鹸が均一に被覆されないおそれがある。
【0060】
次に、表面に金属石鹸が均一に被覆されたフェライト顆粒を乾燥させる。乾燥の際には、装置内温度を、好ましくは50〜80℃、より好ましくは65〜75℃に設定する。乾燥時の装置内温度が50℃未満であると、フェライト顆粒同士が凝集・造粒してしまうので好ましくなく、逆に80℃を超えると、水分が急激に蒸発して、フェライト顆粒の表面に金属石鹸が均一に被覆されないおそれがある。乾燥時間は、使用設備やその容量、フェライト顆粒への金属石鹸の付着状態や、乾燥温度等の周囲環境に依存して適宜選択されるが、例えば導入量が20kgの装置においては30秒〜10分、好ましくは1〜3分である。
【0061】
次に、乾燥後のフェライト顆粒の粒径を均一にするため、シフター等の整粒手段(図示省略)により所定の粒度分布となるように整粒するのが好ましい。
【0062】
なお、以上の説明では、予め造粒されたフェライト顆粒について説明したが、フェライト顆粒は、図1に示す噴霧装置2内で造粒した後に、そのままの状態で、金属石鹸の水分散物を噴霧することも可能である。
【0063】
フェライト成形体および焼結体
このようにして得られた、表面に金属石鹸が均一に被覆された乾燥後のフェライト顆粒は成形に供され、フェライト成形体とされる。
【0064】
フェライト顆粒の成形方法としては、たとえば、乾式成形、湿式成形、押出成形などが挙げられるが、本実施形態では、フェライト顆粒を、金型に充填して圧縮加圧(プレス)することにより行う乾式加圧成形法を用いることが好ましい。成形体の形状は、特に限定されず、たとえばトロイダル(Toroidal)形状などが挙げられる。
【0065】
得られたフェライト成形体は、本焼成に供され、フェライト焼結体が形成される。本焼成は、多くの空隙を含んでいる成形体の粉体粒子間に、融点以下の温度で粉体が凝着する焼結を起こさせ、緻密な焼結体を得るために行われる。本焼成に用いる炉としては、バッチ式、プッシャー式、台車式などが挙げられる。焼成温度は、好ましくは900〜1300℃である。焼成温度があまりに低いと焼成不足になる傾向がある。焼成時間は、通常1〜3時間程度である。本焼成は、大気中で行ってもよく、大気中よりも酸素分圧が高い雰囲気で行っても良い。
【0066】
得られたフェライト焼結体は、ノート型パソコン、PDA等の情報端末や携帯電話、PHS等の移動式電話あるいはこれらの周辺機器等の携帯を前提にした電子部品、テレビ、ステレオ等の比較的大型の家電製品等の種々の電子部品のコア材として使用される。
【0067】
以上、本発明の実施形態について説明してきたが、本発明はこうした実施形態に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々なる態様で実施し得ることは勿論である。
【0068】
【実施例】
次に、本発明の実施の形態をより具体化した実施例を挙げ、本発明をさらに詳細に説明する。ただし、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。
【0069】
フェライト顆粒の作製
実施例1〜9
まず、Ni−Cu−Zn系フェライト粉末(フェライト粉末)66質量部と、水33質量部と、平均鹸化度93モル%および重合度1300のポリビニルアルコール(バインダー)1質量部と、ポリカルボン酸アンモニウム塩(分散剤)0.3質量部とを、湿式粉砕混合機で混合してフェライトスラリーを調製した。
【0070】
次に、調製されたスラリーを、スプレードライヤーを用いて噴霧造粒して平均粒径100μmの球形フェライト顆粒を得た。
【0071】
得られたフェライト顆粒20kgを図1に示す転動流動層4を有する噴霧装置2に導入して、層内圧力を−400mmAqに保持して、加熱しながらロータ回転数240rpm、一次エア量55L/分で空気を吹き込みながら顆粒を転動流動させ、二流体ノズル(スプレーノズル)46を用いて、流量60cc/分で、16分間、総量960ccの表1に示す金属石鹸の水分散物を、前記フェライト顆粒に噴霧した。
【0072】
次に、給気温度67℃、給気風量2m3 /分で熱風を吹き込みながら転動流動をさらに続行して、フェライト顆粒の乾燥を2分間行い、乾燥終了後、装置からフェライト顆粒を排出して、顆粒表面が金属石鹸で均一に被覆された乾式加圧成形用のフェライト顆粒を作製した。
【0073】
比較例1
金属石鹸の水分散物を噴霧しなかった以外は、実施例1と同様にしてフェライト顆粒を得た。
【0074】
比較例2
金属石鹸の水分散物を噴霧する代わりに、金属石鹸(一次粒子の平均粒径3μm)の粉末を固形のまま、顆粒に対して0.03質量%添加して、フェライト顆粒を得た。
【0075】
参考例1
造粒後のフェライト顆粒に含まれるフェライト粉末100質量部に対して、金属石鹸の量が0.15質量部となるような量の金属石鹸の水分散物を噴霧した以外は、実施例1と同様にして、フェライト顆粒を得た。
【0076】
比較例3
造粒後のフェライト顆粒に含まれるフェライト粉末100質量部に対して、金属石鹸の量が0.03質量部となるような量の金属石鹸の水分散物を、ミスト径150μmの液滴で噴霧した以外は、実施例1と同様にして、フェライト顆粒を得た。
【0077】
比較例4
造粒後のフェライト顆粒に含まれるフェライト粉末100質量部に対して、金属石鹸の量が0.2質量部となるような量の金属石鹸(一次粒子の平均粒径3μm)の水分散物を、ミスト径150μmの液滴で噴霧した以外は、実施例1と同様にして、フェライト顆粒を得た。
【0078】
【表1】
【0079】
フェライト顆粒の評価
得られたそれぞれのフェライト顆粒の表面を顕微鏡で観察し、金属石鹸の凝集物の発生状態を評価した。結果を表2に示す。
【0080】
フェライト成形体(1)の作製および評価
また、それぞれのフェライト顆粒0.5gを直径6mmの金型に充填し、成形圧力98MPa、294MPa、490MPaの間で変化させ、乾式加圧成形することにより、直径6mm、長さ5.0mm〜5.5mmの円柱状のフェライト成形体を作製した。
【0081】
そして、成形圧力490MPaで成形されたフェライト成形体を金型内から排出する際の抜き圧を測定した。結果を表2に示す。
【0082】
また、得られたフェライト成形体について、成形圧力294MPaでの成形体密度を測定した。成形体密度の測定は、成形体を切断し、水銀ポロシメータを用いて算出した。結果を表2に示す。
【0083】
また、このフェライト成形体を20万個連続成形した。連続成形後のフェライト材料の金型への付着(スティッキング)の様子を目視により観察し、20万個連続成形後も金型にフェライト材料の付着が観察されなかったものを◎で、10万個連続成形時点で金型へのフェライト材料の付着が観察されたものを△で、1万個程度でフェライト材料の付着が起こり連続成形不能であったものを×で、評価した。結果を表2に示す。
【0084】
また、実施例1〜2および比較例1〜2でのサンプルに関し、成形圧力と成形体密度との関係を図3に、成形圧力と抜き圧(成形体を金型から脱型するために必要な圧力)との関係を図4に示した。
【0085】
フェライト成形体(2)の作製および評価
また、実施例1と比較例2のフェライト顆粒に関し、それぞれの顆粒の充填量を0.5gから1.0gに変更し、かつ上記と同様の金型を用いて、成形圧力294MPaで乾式加圧成形することにより、直径6mm、長さ10.5mmのフェライト成形体を作製した。このフェライト成形体の圧力が伝わり易い上部と、比較的に圧力が伝わり難い成形体の中間部の成形体表面の顆粒粒界(潰れ状態)と成形体密度の比較を行った。実施例1のフェライト成形体の上部側面および中間部側面の顕微鏡写真を図5および6に、比較例2のフェライト成形体の上部側面および中間部側面の顕微鏡写真を図7および8に示した。また、成形体密度の測定は、上述と同様の方法で行った。
【0086】
フェライト成形体(3)およびフェライト焼結体(1)の作製および評価
また、それぞれのフェライト顆粒1.0gを、245MPaの圧力で乾式加圧成形し、長さ55mm、幅12mm、高さ5mmの直方体状のブロック成形体を得た。
【0087】
得られたブロック成形体を、焼成温度1060℃で2時間保つことにより焼成し、Ni−Cu−Znフェライト焼結体を得た。
【0088】
このフェライト焼結体の抗折強度を、加重試験機(アイコーエンジニアリング社製)を用いてJIS−R1601に規定されている方法を用いて測定した。結果を表2に示す。
【0089】
フェライト焼結体(2)の作製および評価
次に、得られたフェライト成形体(1)を、焼成温度1060℃で2時間保つことにより焼成し、Ni−Cu−Znフェライト焼結体を得た。
【0090】
得られたそれぞれのフェライト焼結体の表面を顕微鏡で観察し、穴やヒビの発生状態を評価した。結果を表2に示す。代表的な実施例1のフェライト焼結体表面の顕微鏡写真を図9に、比較例2のフェライト焼結体表面の顕微鏡写真を図10に、比較例4のフェライト焼結体表面の顕微鏡写真を図11に示す。
【0091】
また、得られたそれぞれのフェライト焼結体について、成形圧力294MPaで成形体を成形した場合の焼結体密度を測定した。焼結体密度の測定は、上述と同様の方法で行った。結果を表2に示す。
【0092】
【表2】
【0093】
表2に示すように、実施例の成形体サンプルでは、比較例3〜4の成形体サンプルと比較して、フェライト顆粒の表面に、金属石鹸の凝集物が発生していないことが確認できた。なお、ここでの凝集物は、SEMで200倍の視野1mm×1mmの観察により、30μm以上の凝集物の存在の有無を基準に判断した。
【0094】
表2および図3〜4に示すように、実施例の成形体サンプルでは、比較例1〜4および参考例1の成形体サンプルと比較して、抜き圧が低く、かつ低い成形圧力で高い成形体密度が得られることが確認できた。なお、ここでは、抜き圧が30kgf以下の場合に良好と判断し、成形体密度が上部および中間部の平均で3.28g/cm3 以上の場合に良好と判断した。
【0095】
表2に示すように、実施例の成形体サンプルでは、比較例4および参考例1の成形体サンプルと比較して、金型へのスティッキングが観察されず、良好な耐スティッキング性を有することが確認された。
【0096】
図5〜8に示すように、密度測定の結果、実施例1の成形体サンプルは、上部の成形体密度が3.35g/cm3 、中間部の成形体密度が3.30g/cm3 とほとんど差が無かったのに対し、比較例2の成形体サンプルは、上部が3.28g/cm3 、中間部が3.10g/cm3 と成形体密度に大きな差が有り、中間部は顆粒粒界が多く見られた。なお、ここでは、成形体サンプルの上部と中間部との密度差が、0.10g/cm3 以内である場合に良好と判断した。
【0097】
表2に示すように、抗折強度測定の結果、実施例の焼結体サンプルは、いずれも15〜18kgf/mm2 の高い抗折強度が得られた。これに対し、比較例の焼結体サンプルでは、12kgf/mm2 と低い抗折強度しか得られないことが確認できた。なお、ここでは、焼結体サンプルの抗折強度が、15kgf/mm2 以上である場合に良好と判断した。
【0098】
図9〜11にも示すように、実施例のいずれの焼結体サンプルも、顆粒時に金属石鹸が表面に均一に噴霧されていたため、焼成時の有機物分解による穴やヒビの発生が見られず、表面の欠陥の無いことが確認できた。これに対し、比較例の焼結体サンプルでは、顆粒時に金属石鹸の凝集物がフェライト成形体内に点在していたため、焼結体表面に有機物の分解による穴が多く見られ、外観不良を生じることが確認できた。
【0099】
表2に示すように、実施例の焼結体サンプルでは、比較例の焼結体サンプルと比較して、高い焼結体密度が得られることが確認できた。なお、ここでは、焼結体密度が5.15g/cm3 以上の場合に良好と判断した。
【0100】
以上の考察により、比較例および参考例の各サンプルと比較して、実施例の各サンプルの優位性が確認できた。
【0101】
【発明の効果】
以上説明してきたように、本発明によれば、表面欠陥のないフェライト焼結体を得ることが可能なフェライト顆粒の製造方法と、該方法により製造されたフェライト顆粒を乾式加圧成形してなるフェライト成形体と、該成形体を焼成してなるフェライト焼結体と、該焼結体を有する電子部品とを、提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は本発明方法を実現可能な噴霧装置の一例を示す断面図である。
【図2】 図2は図1の噴霧装置に含まれる転動流動層の要部を示す一部破断断面図である。
【図3】 図3は、実施例1〜2と比較例1〜2のフェライト成形体の成形圧力と成形体密度との関係を示すグラフである。
【図4】 図4は、実施例1〜2と比較例1〜2のフェライト成形体の成形圧力と抜き圧との関係を示すグラフである。
【図5】 図5は実施例1のフェライト成形体の上部側面の顕微鏡写真である。
【図6】 図6は実施例1のフェライト成形体の中間部側面の顕微鏡写真である。
【図7】 図7は比較例2のフェライト成形体の上部側面の顕微鏡写真である。
【図8】 図8は比較例2のフェライト成形体の中間部側面の顕微鏡写真である。
【図9】 図9は実施例1のフェライト焼結体表面の顕微鏡写真である。
【図10】 図10は比較例2のフェライト焼結体表面の顕微鏡写真である。
【図11】 図11は比較例5のフェライト焼結体表面の顕微鏡写真である。
【符号の説明】
2… 噴霧装置
3… 装置本体
4… 転動流動層
42… 受け部
44… 円形ローター
46… 二流体ノズル(スプレーノズル)
6… 微粒子除去層
7… 給気部
Claims (7)
- 造粒後のフェライト顆粒に、金属石鹸の水分散物を、スプレーノズルを用いてミスト径30〜100μmの液滴で噴霧し、
前記造粒後のフェライト顆粒に含まれるフェライト粉末100質量部に対して、前記金属石鹸の量が0.01〜0.1質量部であることを特徴とするフェライト顆粒の製造方法。 - 前記造粒後のフェライト顆粒に含まれるフェライト粉末100質量部に対して、前記金属石鹸の量が0.015〜0.05質量部である請求項1に記載のフェライト顆粒の製造方法。
- 平均粒径が0.1〜9μmの金属石鹸を用いる、請求項1または2に記載のフェライト顆粒の製造方法。
- 前記金属石鹸として、ステアリン酸亜鉛またはステアリン酸マグネシウムを用いる、請求項1〜3のいずれかに記載のフェライト顆粒の製造方法。
- 平均粒径が150μm以下の造粒後のフェライト顆粒を用いる、請求項1〜4のいずれかに記載のフェライト顆粒の製造方法。
- 転動流動層を持つ噴霧装置を用い、該噴霧装置の転動流動層内に導入されたフェライト顆粒を、該フェライト顆粒が凝集または破壊しないような、金属石鹸の水分散物の噴霧量、金属石鹸の水分散物の噴霧速度、層内温度および流動条件で、転動流動させながら、該フェライト顆粒に金属石鹸の水分散物を噴霧する、請求項1〜5のいずれかに記載のフェライト顆粒の製造方法。
- 造粒後のフェライト顆粒に含まれるバインダーとして、平均鹸化度が88〜98モル%、平均重合度が500〜1700のポリビニルアルコールを用いる、請求項1〜6のいずれかに記載のフェライト顆粒の製造方法。
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