JP4586284B2 - セラミックス成形用顆粒、セラミックス成形体およびセラミックス成形用顆粒の製造方法 - Google Patents
セラミックス成形用顆粒、セラミックス成形体およびセラミックス成形用顆粒の製造方法 Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、セラミックス成形用顆粒、セラミックス成形体、セラミックス焼結体およびこれらを用いた電子部品に関する。より詳しく述べると、広範囲の電子部品の製造に用いることができる高強度のセラミックス成形体や欠け、ヒビ、折れ等の外観不良が少ないセラミックス焼結体を提供することができる優れた品質のセラミックス成形用顆粒、これを用いたセラミックス成形体、セラミックス焼結体並びにこれらを用いた電子部品に関する。
【0002】
【従来の技術】
セラミックスは、種々の電子部品に幅広く用いられている。かかるセラミックスは、一般にセラミックス原料粉末とバインダから構成されたセラミックス成形用顆粒を、例えば図1および図2に示すように目的に応じて種々の形状に成形し、このようにして成形した成形体を焼結することによって得られる。
このようにして得られたセラミックス焼結体は、ノート型パソコン、PDA等の情報端末や携帯電話、PHS等の移動式電話あるいはこれらの周辺機器等の携帯を前提にした電子製品、テレビ、ステレオ等の比較的大型の家電製品等の種々の電子部品に使用されているが、これらに使用されるセラミックス焼結体は益々小型化・薄型化・軽量化されていく傾向にある。そのため、これらの電子製品用の部品に使用される小型または薄型でかつ高い耐久性のセラミックスが望まれている。
【0003】
従来、セラミックス成形用顆粒からセラミックス成形体を製造する方法としては、種々の方法が採用されているが、なかでも乾式の加圧成形法が一般的に広く用いられている。例えば、セラミックス原料粉末とバインダと水とから水性スラリーを調製し、これをスプレードライヤで噴霧乾燥して作製した顆粒、またはセラミックス原料粉末とバインダ溶液とを攪拌混合し、乾燥とオシレーティング押出し造粒とを繰り返して作製した顆粒を加圧成形することによってセラミックス成形体が製造されている。このようにして製造された成形体を必要により加工した後、脱脂、所定温度での焼成、加工の工程を経て最終製品であるセラミックス焼結体とする。
【0004】
この際に添加されるバインダ成分として、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリアクリル系樹脂、セルロース系樹脂等が一般に使用されており、原料粉末100質量部に対して、バインダ成分は、通常1〜10質量部添加される。
ポリビニルアルコールに代表されるバインダを用いて噴霧乾燥により噴霧造粒されたセラミックス成形用顆粒を成形して得られるセラミックス成形体において、通常の3点曲げによる抗折強度は、1.0〜2.0MPa程度である。しかしながら、例えば、図1(a)〜(c)に示すようなコア型にセラミックス成形体を成形し、あるいは図2(a)および(b)に示すように板状にセラミックス成形体を成形するが、その際にコア型の場合には例えばコアの直径を2mm以下にしたり、板状の場合にはその厚みを1mm程度に成形したりすることが多々ある。
【0005】
このような場合、抗折強度が1.0〜2.0MPa程度であると、取り扱い中に破損したり、クラックが発生したりする場合がある。そこで、成形体の抗折強度が2.0MPa以上、好ましくは2.5MPa以上であるセラミックス成形体を成形することができるセラミックス成形用顆粒が要求されている。
【0006】
このような成形体強度を高めるためには、顆粒成形時のバインダの量を増加させることが一般に有効であるが、単にバインダの量を増加させると、脱脂時間を延長したり、焼成して得られた焼結体の密度が低下したり、あるいは焼成収縮の増大に伴って寸法制御が困難になる等の不都合が生じるために、バインダの添加量にも自ずと制限がある。
【0007】
成形体強度を向上させる別の方法としては、バインダを含む顆粒の水分を調整する方法が考えられる。このような水分調整は、これまで主として成形性の向上、すなわち造粒粉の加圧時の変形を容易にして、変形に伴う成形体内の欠損を除去するために行われており、例えば、特公平6-8201号公報には、造粒粉末100質量部に対して水分量が1.5〜7質量部となるように調整することが記載されている。
【0008】
しかしながら、一般にセラミックス成形用顆粒中の水分が1.0質量%以上となると、セラミックス微粉末が型に付着する、いわゆるスティッキングが発生しやすくなり、得られた成形体の外観不良や連続成形の際のトラブルの原因となることが知られている。
このようにセラミックス成形用顆粒中のバインダの量や水分量を調整することによって得られたセラミックス成形体の抗折強度を向上させる方法が試みられてきたが、これらの方法で高い抗折強度を有するセラミックス成形体を得ることができなかった。
【0009】
また、高い抗折強度を有するセラミックス成形体を得る別の方法として、例えば特開平10−259060号公報には、バインダとしてフェノール樹脂を含むイソプロパノール等の有機溶剤に基づくセラミックススラリーを噴霧造粒して得られた顆粒をCIP成形後に熱処理を行うことが提案されている。この方法によるとフェノール樹脂50質量%以上を含むバインダを3〜30質量%添加するが、このように多量のバインダを添加すると、前記の通り脱脂を長時間行う必要があり、焼成後の製品密度が低下し、さらには寸法制御が困難となり、その結果得られたセラミックス成形体の寸法精度が低下するという不都合を生じる。さらに、可燃性であるイソプロピルアルコールに代表される有機溶剤を使用するために、製造設備に防爆設備が必要となり、また環境衛生上の問題点が生じる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
そのため、水系のバインダであって、なるべく少ないバインダおよび水分含有量で、得られたセラミックス成形体に高い抗折強度を与えることのできるセラミックス成形用顆粒に対する強い要望がある。
したがって、本発明の課題は、比較的に少ないバインダおよび水分含有量で、得られたセラミックス成形体に高い抗折強度を与えることのできるセラミックス成形用顆粒を提供することである。
本発明の別の課題は、高い抗折強度、好ましくは2.5MPa以上の抗折強度を有するセラミックス成形体を提供することである。
本発明の更に別の課題は、このような高い抗折強度を有するセラミックス成形体を焼成して得られた欠け、ヒビ、折れ等の外観不良が少ないセラミックス焼結体を提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、前記各課題を解決するために鋭意検討した結果、セラミックス成形用顆粒を造粒する際に用いるバインダとして、特定のポリビニルアルコールと水分散型フェノール樹脂を所定の割合で用いると、前記各課題を解決できることを見出して本発明を創作するに至った。
すなわち、本発明の第一の形態は、セラミックス原料粉末とバインダとの混合物を造粒して得られるセラミックス成形用顆粒であって、
セラミックス原料粉末100質量部、平均重合度500〜1700、平均鹸化度88モル%以上のポリビニルアルコール0.4〜1.4質量部、および平均粒径0.5〜3μmの水分散型フェノール樹脂0.4〜1.4質量部を含むことを特徴とするセラミックス成形用顆粒である(請求項1)。
このように構成することによって、高強度のセラミックス成形体を提供可能なセラミックス成形用顆粒が得られる。しかも、第一の形態のセラミックス成形用顆粒は、セラミックス原料粉末、特定のポリビニルアルコールおよび特定の水分散型フェノール樹脂の水性スラリーから造粒されているので、防爆設備等の付加的設備を要することもなく、また環境衛生上好ましい。
【0012】
第一の形態のセラミックス成形用顆粒において、前記ポリビニルアルコールの平均鹸化度が94.5〜97.5モル%であることが好ましい。
前記の範囲内の平均鹸化度を有するポリビニルアルコールを使用して得られたセラミックス成形用顆粒は、低圧つぶれ性と耐崩壊性および耐スティッキング性のバランスが良い顆粒であり、これを用いて寸法バラツキが少ない良好なセラミックス成形体およびセラミックス焼結体が得られる。
なお、本発明において使用される用語「低圧つぶれ性」とは、金型成形する際に低圧(代表的には29〜147MPa)で均一につぶれることを意味する。また、「耐崩壊性」とは、貯蔵時や運搬時あるいは型への充填時に転動や相互衝突によってセラミックス成形用顆粒が崩壊しないことを意味する。さらに「耐スティッキング性」とは、金型等にセラミックス成形用顆粒中の微粒子等の成分が付着しないことを意味する。
【0013】
本発明の第二の形態は、前記第一の形態のセラミックス成形用顆粒を乾式加圧成形して得られたセラミックス成形体に関する(請求項3)。
このようにして得られたセラミックス成形体は、抗折強度が2.0MPa以上、好ましくは2.5MPa以上の高い強度を有している。そのため、取り扱い中の破損やクラックの発生が少なくなり、最終製品である高密度のセラミックス焼結体を高い寸法安定性で製造することが可能となる。
【0017】
また、本発明の第三の形態は、2.5MPa以上の抗折強度を有するセラミックス成形体に成形するためのセラミックス成形用顆粒の製造方法であって、セラミックス原料粉末100質量部、平均重合度500〜1700、平均鹸化度88モル%以上のポリビニルアルコール0.4〜1.4質量部、平均粒径0.5〜3μmの水分散型フェノール樹脂0.4〜1.4質量部および水25〜100質量部を含む水性セラミックススラリーを調製し、そしてこのようにして形成された水性セラミックスラリーを噴霧乾燥法によりセラミックス成形用顆粒に造粒することを特徴とするセラミックス成形用顆粒の製造方法に関する(請求項4)。このように構成することによって、有機溶剤系のセラミックススラリーの場合とは異なり防爆対策を施すことなく、高い抗折強度のセラミックス成形体を成形可能にするセラミックス成形用顆粒が容易に製造できる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を必要に応じて添付図面に基づいて詳細に説明する。
[セラミックス粉末]
本発明のセラミックス成形用顆粒は、従来のセラミックス成形用顆粒と同様にしてセラミックス粒子とバインダから構成される。この際に使用されるセラミックス粒子は、最終的に焼結されるセラミックス焼結体の用途に応じて適宜選択され、特に限定されるものではない。代表的にはフェライト、アルミナ、ジルコニア等の金属酸化物系セラミックス、炭化ケイ素、窒化ケイ素等の非酸化物系セラミックス、チタン酸バリウム、チタン・ジルコン酸塩およびこれらの複合化合物等の粉末が挙げられる。これらのセラミックス粉末は、単独で用いてもよくあるいは二種類以上の混合物として用いてもよい。また、得られたセラミックス成形用顆粒は、異なるセラミックス粉末からなる顆粒の混合物であることもできる。また、これらのセラミックス粉末の粒径についても、最終製品であるセラミックス焼結体の原料として従来使用されてきた範囲であることができ、一般には0.5〜5μm、好ましくは0.7〜3μmの範囲である。
【0019】
第一の必須成分であるポリビニルアルコールは、一次粒子の結合剤、すなわち、原料粉末と原料粉末との結合剤として機能し、セラミックス成形用顆粒の低圧つぶれ性、耐崩壊性および成形体強度に影響を及ぼすものである。特に、ポリビニルアルコールの平均鹸化度は、セラミックス成形体への成形性に影響を及ぼすものである。
本発明において使用されるポリビニルアルコールの平均鹸化度は、88モル%以上であることが必須である。すなわち、平均鹸化度が88モル%未満の部分鹸化ポリビニルアルコールをバインダ成分として使用すると、顆粒の低圧つぶれ性は良好なもの、耐崩壊性および耐スティッキング性が悪い。また水への溶解性は良好でスラリー調製が簡単で噴霧造粒に適するが、オシレーティング押出造粒時には金網に材料が付着して連続整粒が困難となる。逆に、ポリビニルアルコールの平均鹸化度が高い場合には耐崩壊性は良好であるが、造粒したセラミックス成形用顆粒が比較的に硬くなるため低圧つぶれ性が悪い場合があり、更に水への溶解性が悪くなり、スラリー調製が困難となる場合がある。そのため、本発明の第一の必須成分であるポリビニルアルコールの平均鹸化度は、94.5〜97.5モル%であることが好ましい。
なお、単独で平均鹸化度が前記範囲内であるポリビニルアルコールを使用するのが好ましいが、異なる鹸化度を有するポリビニルアルコールをブレンドして全体で平均鹸化度を前記範囲内とすることも可能である。
【0020】
また、本発明において使用されるポリビニルアルコールの平均重合度は、500〜1700の範囲内であることが必須である。すなわち、ポリビニルアルコールの平均重合度が500未満では、顆粒のつぶれ性は良いものの耐崩壊性が悪くなり、また得られたセラミックス成形体の強度も低くなるので好ましくない。逆に、ポリビニルアルコールの平均重合度が1700を超えると顆粒の耐崩壊性および得られたセラミックス成形体の強度は比較的良いものの、セラミックス成形用顆粒が硬くなりすぎるため低圧つぶれ性が悪くなるので好ましくない。
【0021】
前記の特定のポリビニルアルコールは、セラミックス原料粉末100質量部に対して0.4〜1.4質量部の範囲で添加される。ポリビニルアルコールの添加量が0.4質量部未満ではセラミックス成形用顆粒を造粒できなくなるので好ましくなく、逆に1.4質量部を超えると、得られたセラミックス成形用顆粒が硬くなりすぎて、つぶれ性が悪くなり、その結果顆粒粒界を多く残して成形不良が発生しやすくなるので好ましくない。
【0022】
第二の必須成分である水分散型フェノール樹脂とは、フェノールをベースとする樹脂の分子中に、ポリウレタン系アイオノマ−樹脂、ポリエステル系アイオノマ−樹脂、ポリエチレン系アイオノマ−樹脂等のアイオマー成分が導入されたフェノール樹脂、特にフェノールホルムアルデヒド樹脂であって、このようにして樹脂中に導入されたアイオマー成分の作用により水分散性を有する樹脂である。このような水分散性フェノール樹脂は、例えば特開昭61−250024号公報、同昭60−215015号公報、特開平08−027357号公報等に記載されており、例えば大日本インキ化学工業株式会社からフェノライトPEシリーズの商品名で販売されている樹脂を使用することができる。このような水分散型フェノール樹脂は、前記した特定のポリビニルアルコールの水溶液と混合することが可能であり、前記したポリビニルアルコールの特性を損なうことなしに使用することが可能であるとともに、得られた顆粒を加熱処理することによってセラミックス成形体に高い成形体強度を付与することが可能であることがわかった。
【0023】
本発明に使用される前記水分散型フェノール樹脂の平均粒径は、前記したポリビニルアルコール水溶液との分散性を考慮して0.5〜3μmであることが必要である。また、前記水分散型フェノール樹脂の添加量は、セラミックス原料100質量部に対して0.4〜1.4質量部の範囲内である。添加量が0.4質量部未満であると、セラミックス成形体に十分な強度を与えることができないので好ましくなく、逆に添加量が1.4質量部を超えるとフェノール樹脂の水分散性が悪くなるとともに、最終製品中にフェノール樹脂が熱分解せず残存する可能性があるので好ましくない。
【0024】
[任意成分]
本発明において、セラミックス成形用顆粒を造粒する際に、所望に応じて本発明の目的・効果が損なわれない範囲で従来公知の各種添加物を添加することができる。このような添加物の例として、ポリカルボン酸塩、縮合ナフタレンスルホン酸等の分散剤、グリセリン、グリコール類、トリオール類等の可塑剤、ワックス、ステアリン酸(塩)等の滑剤、ポリエーテル系、ウレタン変性ポリエーテル系、ポリアクリル酸系、変性アクリル酸系有機高分子等の有機系高分子凝集剤、硫酸アルミニウム、塩化アルミニウム、硝酸アルミニウム等の無機系凝集剤等が挙げられる。
【0025】
本発明において、これらの各成分を従来公知の造粒法によりセラミックス成形用顆粒に造粒する。より具体的には噴霧乾燥法またはオシレーティング押出によりセラミックス成形用顆粒に造粒することができる。これらの造粒法は、セラミックス成形用顆粒の製造量、目的とするセラミックス成形体の性状等に依存して適宜選択することが可能である。
[顆粒の造粒:噴霧乾燥]
本発明の一実施態様において、噴霧乾燥法によりセラミックス成形用顆粒を造粒するが、この際にこれらの成分、すなわち前記セラミックス原料粉末100質量部、前記特定のポリビニルアルコール0.4〜1.4質量部、前記特定の水分散型フェノール樹脂0.4〜1.4質量部、所望に応じて任意の量で添加される任意成分および水25〜100質量部を従来公知の方法に従ってセラミックス成形顆粒造粒用の水性セラミックススラリーを調製する。
【0026】
このようにして調製された水性セラミックススラリーを従来公知の噴霧乾燥法によってセラミックス成形用顆粒に造粒することが可能となる。このようにして噴霧造粒法により得られた本発明のセラミックス成形用顆粒の形状および粒径は、通常40〜250μm、好ましくは60〜200μm、より好ましくは80〜150μmの球形とすることが好ましい。セラミックス成形用顆粒の粒径が前記範囲未満である場合には、流動性および金型への充填性が悪くなり、得られた成形体の寸法および成形体の単質量のばらつきが多くなる場合がある。逆に、粒径が前記範囲を超える場合には、顆粒粒界を多く残し成形不良を発生させる場合や成形体の寸法および単質量のばらつきが多くなる場合がある。
【0027】
[顆粒の造粒:オシレーティング押出し]
本発明の別の実施形態において、前記した所定の割合の各成分を、すなわち、セラミックス原料粉末100質量部、平均重合度500〜1700、平均鹸化度88モル%以上のポリビニルアルコール0.4〜1.4質量部および平均粒径0.5〜3μmの水分散型フェノール樹脂0.4〜1.4質量部を直接オシレーティング押出法によりセラミックス成形用顆粒とすることができる、このようにしてオシレーティング押出法により造粒された本発明のセラミックス成形用顆粒は、通常80μm〜500μm、好ましくは100〜300μm、より好ましくは125〜200μmの粒径を有している。セラミックス成形用顆粒の粒径が前記範囲未満である場合には、流動性および金型への充填性が悪くなり、得られた成形体の寸法および成形体の単質量のばらつきが多くなる場合がある。逆に、粒径が前記範囲を超える場合には、顆粒粒界を多く残し成形不良を発生させる場合や成形体の寸法および単質量のばらつきが多くなる場合がある。
【0028】
[セラミックス成形体]
以上のようにして得られた本発明のセラミックス成形用顆粒を金型に充填し、そして従来公知の乾式加圧法により成形することによって、本発明のセラミックス成形体を得ることができる。
【0029】
このようにして成形した本発明のセラミックス成形体は、成形体に高い強度を付与する目的で熱処理を施すのが好ましい。この際の熱処理条件は成形体中に存在する水分散型フェノール樹脂成分の硬化温度以上、好ましくは100〜180℃、より好ましくは110〜160℃の温度で5〜90分程度である。また、このような熱処理は、流動層、箱型乾燥器、連続乾燥炉、ロータリーキルン中で行うことができる。
このようにして熱処理を行うことによって、本発明のセラミックス成形体に通常、2.0MPa以上、好ましくは2.5MPa以上の抗折強度という高い強度を付与することが可能となる。
【0030】
[セラミックス焼結体]
このようにして得られた本発明のセラミックス成形体を常法に従って1000〜1450℃の温度で焼成を行うことによって欠け、ヒビ、折れ等の外観不良のないセラミックス焼結体が得られる。特に、従来例えば図1および図2に示す矢印部分で多発する欠け、ヒビ、折れ等の外観不良の頻度が低減する。
【0031】
【実施例】
以下、本発明を、本発明の必要条件を満足する実施例と、本発明の必要条件を満足しない比較例とを対比させながら、更に詳細に説明するが、本発明は、これらの実施例のみに限定されるものではなく、本発明の技術的思想に基づく限りにおいて適宜に変更することが可能である。
【0032】
〔実施例1〜6、比較例1〜6〕
(造粒)
セラミックスの原料粉末としてNi−Cu−Zn系のフェライト粉末を67質量部と、水を33質量部と、表1に示す条件を備えたバインダおよび分散剤としてのポリカルボン酸アンモニウム塩0.3質量部とを、通常に用いられる湿式法で混合して、フェライトスラリーを調製した。このフェライトスラリーをスプレードライヤにて噴霧して造粒し、平均粒径が90μm、水分の含有率が0.3質量%である球形状の顆粒を得た。
【0033】
(顆粒の成形)
次いで、得られた顆粒をそれぞれ40〜150MPaの圧力で、通常に用いられる乾式法で加圧成形することにより、密度が3.0g/cm3の直方体のブロック成形体(長さ:55mm、幅:12mm、高さ:3.0mm)および密度が3.2g/cm3の直方体のブロック成形体(長さ:55mm、幅:12mm、高さ:2.8mm)を製造した。
【0034】
〔熱処理〕
次いで、このようにして得られたブロック成形体に対して箱型の乾燥器を用いて、130℃、30分間、熱処理を施した。その後、このブロック成形体を常温に1時間放置して、常温になるまで冷却した。
【0035】
【表1】
【0036】
〔成形体抗折強度の測定〕
次に、これらのブロック成形体の抗折強度を、荷重試験機(アイコーエンジニアリング社製)を用いてJIS R1601に規定されている方法に従って測定した。表2に前記ブロック成形体の抗折強度の測定結果を示す。表2より、本発明の必要条件を満足する実施例1〜6のセラミックス成形用顆粒から作製されたブロック成形体は、いずれも2.5MPa以上の高い抗折強度を示していることがわかる。また、熱処理前のブロック成形体の抗折強度についても同様にして測定を行ったところ、1.2〜1.8MPaの抗折強度の結果が得られ、比較的高い抗折強度を示すことがわかる。
【0037】
【表2】
【0038】
一方、本発明の必要条件を満足しない比較例1〜6のセラミックス成形用顆粒から作製されたブロック成形体は、熱処理前の抗折強度が0.2〜0.7MPaと低いものとなっており、取り扱い時の降伏強さが低いという問題点があった。また、比較例5および比較例6のポリビニルアルコールのみのバインダ溶液を添加してなるセラミックス成形用顆粒から作製されたブロック成形体では、熱処理の前後で抗折強度の変化がほとんど見られず、2.5MPa以上のブロック成形体を得ることができなかった。
【0039】
〔実施例7および8および比較例7および8〕
表2に示すように、実施例1および実施例3で得られたセラミックス成形用顆粒(実施例7および8)と、比較例1および比較例5で得られたセラミックス成形用顆粒(比較例7および8)を、直径1.8mm、L寸法2.0mmの円柱コア形状に連続して成形した。このようにして形成された成形体に対して箱型乾燥器を用いて130℃、30分間の熱処理を施した。このようにして熱処理を施した成形体を常温まで冷却した後、ダイヤモンドホイルにて切削加工して芯径0.8mmのコイル用のドラム型コアを作製し、更に1050℃にて焼成を行って焼結体を得た。表3にこれらの成形体および焼結体に対して行った各種評価の結果を示す。
【0040】
【表3】
【0041】
表3に示す評価の結果より、本発明の必要条件を満足しない比較例1および比較例5のセラミックス成形体用顆粒から製造された成形体および焼結体(比較例7および比較例8)においてはいずれも評価結果が×または△となっているが、本発明の必要条件を満足する実施例1および実施例3のセラミックス成形体用の顆粒から製造された成形体および焼結体(実施例7および実施例8)にあってはいずれも評価結果が○となり、欠け、ヒビ、折れの発生が非常に少なくなっていることがわかる。
【0042】
【発明の効果】
以上説明した通りに構成される本発明のセラミックス成形用顆粒によれば、セラミックスの原料粉末100質量部と、平均重合度500〜1700、平均鹸化度88モル%以上であるポリビニルアルコール0.4〜1.4質量部と、平均粒径が0.5〜3μmの水分散型フェノール樹脂0.4〜1.4質量部とを用いて造粒することにより、抗折強度が高く、しかも、欠け、ヒビ、折れの少ない良好なセラミックス成形体または焼結体を形成することが可能なセラミックス成形用顆粒を提供することができる。(請求項1)。
また、このセラミックス成形用顆粒は、有機系溶剤を使用していないので防爆設備等の付加的設備を要することもなく、また環境衛生上好ましい。
【0043】
本発明のセラミックス成形用顆粒において、前記ポリビニルアルコールの平均鹸化度が94.5〜97.5モル%とすると低圧つぶれ性と耐崩壊性および耐スティッキング性のバランスが良い顆粒であり、これを用いて寸法バラツキが少ない良好なセラミックス成形体およびセラミックス焼結体が得られる(請求項2)。
【0044】
本発明のセラミックス成形用顆粒を乾式加圧成形して得られたセラミックス成形体は、抗折強度が2.0MPa以上、好ましくは2.5MPa以上の高い強度を有している。そのため、取り扱い中の破損やクラックの発生が少なくなり、最終製品である高密度のセラミックス焼結体を高い寸法安定性で製造することが可能となる。(請求項3)
【0045】
また、本発明の形態のセラミックス成形体を焼成して得られたセラミックス焼結体は、欠けやヒビ等の外観不良が少なく高密度でありかつ高い寸法安定性を有している。特にこのように高密度でかつ高い寸法安定性を有するセラミックス焼結体は、直径2mm以下の円柱状や厚さ1mm以下の板状等の形状に好適に使用可能であり、小型、薄型、軽量化等が要望されている各種電子部品に好適に使用可能である。また、本発明は、2.5MPa以上の抗折強度を有するセラミックス成形体に成形するためのセラミックス成形用顆粒の製造方法であって、セラミックス原料粉末100質量部、平均重合度500〜1700、平均鹸化度88モル%以上のポリビニルアルコール0.4〜1.4質量部、平均粒径0.5〜3μmの水分散型フェノール樹脂0.4〜1.4質量部および水25〜100質量部を含む水性セラミックススラリーを調製し、そしてこのようにして形成された水性セラミックスラリーを噴霧乾燥法によりセラミックス成形用顆粒に造粒することを特徴とするセラミックス成形用顆粒の製造方法は有機溶剤系のセラミックススラリーの場合とは異なり防爆対策を施すことなく、高い抗折強度のセラミックス成形体を成形することができるセラミックス成形用顆粒が容易に製造できる(請求項4)。
【図面の簡単な説明】
【図1】 セラミックス成形体(焼結体)の形状の一例を示す斜視図である。
【図2】 セラミックス成形体(焼結体)の形状の別の例を示す斜視図である。
Claims (4)
- セラミックス原料粉末とバインダとの混合物を造粒して得られるセラミックス成形用顆粒であって、セラミックス原料粉末100質量部、平均重合度500〜1700、平均鹸化度88モル%以上のポリビニルアルコール0.4〜1.4質量部、および平均粒径0.5〜3μmの水分散型フェノール樹脂0.4〜1.4質量部を含むことを特徴とするセラミックス成形用顆粒。
- 前記ポリビニルアルコールの平均鹸化度が94.5〜97.5モル%であることを特徴とする請求項1に記載のセラミックス成形用顆粒。
- 請求項1または請求項2に記載のセラミックス成形用顆粒を乾式加圧成形して得られたセラミックス成形体。
- 2.5MPa以上の抗折強度を有するセラミックス成形体に成形するためのセラミックス成形用顆粒の製造方法であって、セラミックス原料粉末100質量部、平均重合度500〜1700、平均鹸化度88モル%以上のポリビニルアルコール0.4〜1.4質量部、平均粒径0.5〜3μmの水分散型フェノール樹脂0.4〜1.4質量部および水25〜100質量部を含む水性セラミックススラリーを調製し、このようにして形成された水性セラミックススラリーを噴霧乾燥法によりセラミックス成形用顆粒に造粒することを特徴とするセラミックス成形用顆粒の製造方法。
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