JP3991572B2 - トナー、及び電子写真用二成分系現像剤並びに前記トナーの製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真法、静電記録法、静電印刷法における静電潜像の現像のために使用される電子写真用現像剤及びその製造方法に関する。詳しくは、コピー品質に優れ、且つ耐久性、安定性のある電子写真用現像剤に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より電子写真法を利用する電子写真複写機やレーザービームプリンタ、静電記録法を利用する静電記録装置などを用いて、複写画像や記録画像(以下では両者を併せて、単に「複写画像」という。)を得ることが広く行われている。例えば、電子写真法を利用する電子写真複写機やレーザービームプリンタにおいて、画像形成は通常次のように行われている。すなわち、まず、アモルファスシリコン、セレン、有機半導体等の感光体ドラムからなる静電潜像担持体を、帯電器により正または負に帯電させ、次いでこの帯電された静電潜像担持体をスリット露光またはビーム露光することにより、静電潜像担持体上に静電荷像を形成する。形成された静電荷像は現像剤によって現像され、現像後のトナー画像は転写紙に転写され、転写されたトナー画像は熱ロール、圧力ロールなどにより定着されて複写画像とされる。前記静電荷像を現像する方法としては、(a)鉄粉やガラス粉などのキャリア粒子と、樹脂及び着色剤を主成分とするトナー粒子とを含む二成分系乾式現像剤を用いる、磁気ブラシ法やカスケード法等の二成分乾式現像法、(b)キャリア粒子を用いずトナー粒子のみを用いて現像を行う一成分現像法、および(c)絶縁性キャリア液体を用いる液体現像法などがある。上記二成分現像法では、黒色用現像剤としてトナー中にカーボンブラックを有する絶縁性非磁性トナーを用いる非磁性二成分現像法が一般的である。なお、上記二成分現像法および一成分現像法に用いられるトナー粒子は、通常、結着樹脂、着色剤及び荷電制御剤を成分として、また必要に応じて外添剤と称される添加剤を加えた着色微粒子である。
【0003】
これらのトナー粒子を複写機やプリンターなどで繰り返し、連続複写して用いる場合、カブリと称される白地部分の地汚れ( 以下カブリと称する)が増加したり、画像濃度低下等の好ましくない現象が発生する。またトナー粒子を構成する成分が感光体ドラム上に移行し付着してしまい、連続複写により固着してしまいクリーニングができなくなってしまう。これにより感光体ドラム上に付着したトナー成分は絶縁性であるため、常に付着部分は電荷を保持してしまい有機光半導体である感光体の機能が失われ画像欠陥を引き起こしてしまう。この画像欠陥とは正転現像の場合は、感光体が光半導体である機能が失われることにより、電荷の落ちた白地部分であるべきところに電荷が残るためトナー粒子により現像されてしまうものであり、また反転現像の場合は、電荷の落ちた部分のトナー粒子が現像されるべきところで現像が阻害され黒地部での白抜けが生じてしまうことである。これらの欠点を改良する試みとして従来、着色剤の種類や添加量、荷電制御剤の種類や添加量、流動化剤や研磨剤などの外添剤の種類や添加量、トナー母粒子及びトナー粒子の製造条件、更に二成分現像剤の場合は、キャリア粒子の粒度分布や抵抗、コーティング剤の選択等の材料の選択や組み合わせの改良が行われて来たが必ずしも満足の行く結果が得られていないのが現状である。
【0004】
またトナー粒子を長時間高温の状態で放置しておくことによりトナー粒子の表面状態が経時変化を引き起こし複写画像の品質の悪化、トナー粒子の転写紙へ転写される量の割合を示す数値である転写率の低下及び複写機やプリンターの機内へのトナー粒子の飛散を引き起こしてしまう問題がある。すなわち製造したばかりの状態では画像の品質に優れ、カブリが少なく、トナー粒子の転写率も高い。また機内のトナー粒子の飛散も少ない。しかし長時間高温の状態にさらされることによりトナー粒子が経時変化を起こしてしまい、複写枚数の増大とともに、かぶりが増大し、トナー粒子の転写率が著しく低下してしまい、更に機内飛散が増大してしまう。転写率の低下は、実際に転写されるトナー粒子の割合が低くなることによりトナー粒子を多く使うことになる経済的な欠点だけでなく、転写されない多くのトナー粒子が画像担持体に残り過剰に回収部へ行ったり、あるいはトナー粒子の機内飛散を引き起こす原因になってしまう。そのため転写率はトナー粒子の要求品質として重要である。このトナー粒子の経時変化対策のために従来結着樹脂の種類、荷電制御剤の種類や添加量、トナー母粒子中の添加物( 離型剤等) の検討、外添剤の種類や添加量の検討、トナー粒子の製造条件等の改良が行われて来たが必ずしも満足の行く結果が得られていないのが現状である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は複写機やプリンターなどで繰り返し、連続複写して用いた場合のかぶりの増加や、画像濃度低下が起こらずまた感光体ドラム表面へのトナー粒子成分の付着、フィルミングが起こらない、更には高温環境下での放置による経時変化を受けてもカブリが増大せず、転写率の低下が起こらず、また機内飛散の起こらない、耐久性、安定性のある優れたトナー粒子を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、複写機、プリンター等で繰り返し、連続複写して用いた場合のカブリの増加や、画像濃度低下が起こらずまた感光体ドラム表面へのトナー粒子成分の付着、フィルミングが起こらない、更には高温環境下での放置による経時変化を受けてもカブリが増大せず、転写率の低下が起こらず、また機内飛散の起こらない、耐久性、安定性のある優れたトナー粒子を提供するべく鋭意検討を行った結果、特定の比表面積からなる着色剤、特定の大きさの荷電制御剤及び流動化剤としてシリコーンオイルで表面を処理してなる被処理無機粒子を用いることにより前記問題点が解決されることを見出して本発明を成したものである。
【0007】
すなわち本発明とは、以下の(1)〜(5)の発明に関するものである。
(1)結着樹脂、カーボンブラック及び荷電制御剤を含有してなる混練・粉砕法により製造されるトナー母粒子と外添剤である流動化剤とを混合してなるトナーにおいて、BET法によるカーボンブラックの比表面積が30〜65m 2/gであり、平均粒子径が5〜9μmであり、また10μmを越える粒子を実質的に含まない正荷電制御剤を用い、流動化剤が、シリコーンオイルとアミノシランで表面を処理してなる被処理無機粒子であることを特徴とするトナー。
(2)正荷電制御剤が、4級アンモニウム塩及び/又はニグロシンであることを特徴とする(1)記載のトナー。
(3)無機粒子が、シリカであることを特徴とする(1)又は(2)記載のトナー。
(4)トナー母粒子と流動化剤とを周速10〜30m/sec.で混合してなることを特徴とする(1)ないし(3)いずれか記載のトナー。
(5)(1)ないし(4)いずれか記載のトナー及びキャリア粒子を含むことを特徴とする
電子写真用二成分系現像剤。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下本発明を更に詳細に説明する。本発明に用いられる着色剤の種類としては、カーボンブラックが挙げられる。カーボンブラックは、通常結着樹脂の100重量部に対し、0.1〜20重量部、好ましくは0.3〜20重量部の添加量がよい。
【0009】
本発明のカーボンブラックの使用においては、BET法による比表面積が30〜85m 2 /gのものにおいて所望の効果をを見い出すことができる。着色剤のBET法による比表面積が100m2 /gを超えるものを用いると、カブリが増大して、かつトナーの機内飛散が増大して行く傾向があり複写画像の品質が悪化してしまう。また比表面積が25m2 /gより小さいものを用いると、着色剤粒子がトナー母粒子に十分な着色を行うことが困難になる。ここで着色剤の比表面積とカブリの関係は一定の相関関係を見出すことができる。着色剤の比表面積とカブリの関係については、着色剤の分散性に大きな要因がある。着色剤の比表面積が100m2 /gを超えるとトナー母粒子中への均一な分散が困難になり分散不良を起こしやすい。これによりトナー母粒子中に着色剤の偏在が生じてしまうことによりトナー粒子の抵抗値がばらついてしまい、均一な安定した電荷を保持することができなくなる。この着色剤の偏在が大きい物ほどカブリが生じやすい。即ちカーボンブラックのBET法による比表面積が25〜100m2 /gであれば、カブリが良好になる。しかし着色剤の比表面積を制御するだけではトナー粒子の機内飛散、転写率低下の問題の改善は見られない。
【0010】
本発明に用いられる荷電制御剤の種類としては、従来トナー粒子の荷電制御剤として用いられたものをいずれも用いることが可能である。荷電制御剤は、現像されるべき静電潜像担持体上の静電荷像の極性に応じて、正荷電制御剤または負荷電制御剤が用いられる。本発明においては正荷電制御剤を主として用いるものでり、ニグロシン染料および脂肪酸金属誘導体、トリフェニルメタン系染料、四級アンモニウム塩(例えば、トリブチルベンジルアンモニウム−1−ヒドロキシ−4−ナフトスルホン酸塩、テトラブチルベンジルアンモニウムテトラフルオロボレート)、ジオルガノスズオキサイド(例えば、ジブチルスズオキサイド、ジオクチルスズオキサイド、ジシクロヘキシルスズオキサイド)、ジオルガノスズボレート(ジブチルスズボレート、ジオクチルスズボレート、ジシクロヘキシルスズボレート)等を単独であるいは2種以上組み合わせて用いることができる。これらの中でも四級アンモニウム塩、ニグロシン染料が好ましい。これら荷電制御剤は、通常結着樹脂に対して0.1〜10重量部、好ましくは0.5〜8重量部の割合で使用される。
【0011】
本発明においては荷電制御剤の種類は上記のいずれのものも使用可能であるが、荷電制御剤の粒子径が10μmを超える粒子を実質的に含有しないものでないと所望の効果を見出すことができない。荷電制御剤として粒子径が10μmよりも大きいものを含有するものを用いると、その大きな粒子がトナー母粒子中へ分散、分配しにくくなる。その結果トナー母粒子中に荷電制御剤の偏在が生じてしまい、トナー粒子の帯電量分布が広くなってしまい、均一な安定した電荷を保持することができなくなる。この荷電制御剤の偏在が大きいほど機内飛散と転写率低下が生じやすい。またトナー母粒子の製造工程において、所望の粒度分布に粉砕、分級した上でトナー母粒子を得るが、所望の粒度よりも細かな微粉は再度、原料として使われるのが一般的である。荷電制御剤として粒子径が10μmよりも大きいものを含有するものを用いると、分級したトナー母粒子と再度原料として使われる微粉に含まれる荷電制御剤の含有量に偏りが生じてしまう。荷電制御剤が微粉に多く含まれてしまい、このまま再度原料として使用してしまうと荷電制御剤を一定量含むトナー母粒子を再現性良く製造することが困難になってしまう。
10μmを超える粒子を実質的に含有しない荷電制御剤を用いれば、トナー母粒子中への分散性、分配性は良好になる。これによりトナー母粒子中の荷電制御剤の偏在は起こらず、トナー粒子は均一な安定した電荷を保持することができ、転写率は低下せず、また機内飛散も起こらない。また荷電制御剤の含有量も所望の粒度のトナー母粒子及びそれよりも細かな微粉のどちらにおいても差はなくなる。しかし粒子径が10μmを超える粒子を実質的に含有しない荷電制御剤を用いるだけでは、トナー粒子のかぶりの問題の改善は見られない。
更にここで用いられる荷電制御剤の平均粒子径は5〜9μmが好ましく、5μmよりも小さくなると凝集を起こしてしまい効果が見られない。
【0012】
本発明のトナー母粒子に用いられる結着樹脂としては、具体的にはスチレン系重合体、例えば、ポリスチレン、ポリ−p−クロルスチレン、ポリビニルトルエンなどのスチレンおよびその置換体の単重合体、スチレン−p−クロルスチレン共重合体、スチレン−プロピレン共重合体、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−ビニルナフタレン共重合体、スチレン−アクリル系共重合体、スチレン−α−クロルメタアクリル酸メチル共重合体、スチレン−ビニルメチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルエチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルメチルケトン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、スチレン−アクリロニトリル−インデン共重合体、スチレン−ジメチルアミノエチルアクリレート共重合体、スチレンジエチルアミノエチルアクリレート共重合体、スチレン−ブチルアクリレート−ジエチルアミノエチルメタクリレート共重合体等のスチレン系共重合体、架橋されたスチレン系共重合体など;ポリエステル樹脂、例えば、脂肪属ジカルボン酸、芳香属ジカルボン酸、芳香属ジアルコール、ジフェノール類から選択される単量体を構造単位として有するポリエステル樹脂、架橋したポリエステル樹脂など;その他ポリ塩化ビニル、フェノール樹脂、変性フェノール樹脂、マレイン樹脂、ロジン変性マレイン樹脂、ポリ酢酸ビニル、シリコーン樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、エポキシ樹脂、ポリビニルブチラール、ロジン、変性ロジン、テルペン樹脂、キシレン樹脂、脂肪族または脂肪族炭化水素樹脂、石油樹脂などを挙げることができる。
【0013】
上記スチレンアクリル系共重合体に使用されるアクリル系単量体としては、例えば、アクリル酸やメタクリル酸、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸2エチルヘキシル、アクリル酸フェニル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸オクチルなどの(メタ) アクリル酸エステル類が挙げられ、更にはこれと共に用いることができる単量体として、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミド、マレイン酸、マレイン酸ブチルなどのマレイン酸ハーフエステル、あるいはジエステル類、酢酸ビニル、塩化ビニル、ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルプロピルエーテル、ビニルブチルエーテルなどのビニルエーテル類、ビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン、ビニルヘキシルケトンなどのビニルケトン類を挙げることができる。
【0014】
また、上記の架橋したスチレン系重合体を製造するために用いる架橋剤としては、主として不飽和結合を2個以上有する化合物を挙げることができ、具体的には、例えばジビニルベンゼン、ジビニルナフタレンなどの芳香族ジビニル化合物;エチレングリコールジアクリレート、エチレングリコールジメタクリレートなどの不飽和結合を2個以上有するカルボン酸エステル;ジビニルアニリン、ジビニルエーテル、ジビニルスルフィド、ジビニルスルホンなどのジビニル化合物;および不飽和結合を 3個以上有する化合物を、単独であるいは混合して使用することができる。上記架橋剤は、結着樹脂100重量部に対して、0.01〜10重量%、好ましくは0.05〜5重量%で用いられる。
【0015】
これらの樹脂は、単独であるいは2種以上を併用して用いることができる。これら樹脂のうち、スチレン系重合体、ポリエステル樹脂は、特に優れた帯電特性を示すため好ましいものである。また、GPC(ゲルパーミエーション・クロマトグラフー)により測定される分子量分布で3x 103 から5x 104 の領域に少なくとも一つのピークを有し、かつ105 以上の領域に少なくとも一つのピークあるいはショルダーを有するスチレン系共重合体、更には2種以上の樹脂、例えば前記スチレン樹脂とスチレン−アクリル系共重合体との併用あるいは2種以上のスチレン−アクリル系共重合体の併用などによりこのような分子量分布を有するようにされた樹脂組成物が、トナー母粒子の粉砕性、定着性などの点から好ましいものである。
【0016】
更に、加圧定着方式を用いる場合には、圧力トナー用結着樹脂を使用することができる。このような樹脂としては、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチレン、ポリウレタンエラストマー、エチレン−エチルアクリレート共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、線状飽和ポリエステル、パラフィンおよび他のワックス類を挙げることができる。
【0017】
また本発明のトナー母粒子には、実質的な悪影響を与えない限りにおいて、従来トナー粒子を製造する際に用いられている離型剤などの添加剤を加えることができる。離型剤としては、例えば熱ロール定着時の離型性(オフセット防止性)を向上させる、脂肪族炭化水素、脂肪酸金属塩類、高級脂肪酸類、脂肪酸エステル類もしくはその部分ケン化物、シリコーンオイル、各種ワックスが挙げられる。これらの中では、重量平均分子量が1000〜10000程度の低分子量ポリエチレンや低分子量ポリプロピレン、マイクロクリスタリンワックス、カルナバワックス、サゾールワックス、パラフィンワックス等のワックス類が好ましい。その他の添加剤としては、流動化剤、滑材剤、導電性付与剤などが挙げられる。
【0018】
本発明のトナー粒子に用いられる外添剤としては流動化剤、研磨剤、導電性付与剤、滑剤などのものを、使用することができる。本発明において使用される流動化剤の基材としては、例えばシリカ、アルミナ、チタニア、マグネシア、非晶質珪素−アルミニウム共酸化物、非晶質珪素−チタニウム共酸化物などの微粉末を用いることができる。また外添剤としての流動化剤はトナー粒子に流動性を付与する目的のみならず、トナー粒子の帯電性付与及び制御の役割をも担っている。つまり外添剤はトナー粒子の最表部に付着することによって、トナー粒子の帯電性に大きな影響を及ぼす。
【0019】
流動化剤に用いられる粒子については、表面処理を行わずそのまま用いてしまうと、吸湿性により環境安定性が損なわれてしまうことと、流動化剤が感光体ドラム表面に付着して、フィルミングを起こしてしまい画像欠陥を引き起こしてしまう問題がある。吸湿性により環境安定性が損なわれると、高湿環境下において流動化剤が水分の影響を受けて、トナー粒子の帯電が減衰してしまい、画像上のカブリの発生、トナー粒子の機内飛散を引き起こしてしまう。そこで流動化剤に用いる粒子の表面処理を行い、疎水性持たせることが好ましい。またこの表面処理に用いる処理剤の選択により、正極性の所望の極性を持たせトナー粒子の帯電性を制御し安定させることができる。しかし流動化剤成分の感光体への付着、フィルミングを引き起こしてしまう問題を考慮すると、使用する表面処理剤の選択を行う必要がある。表面処理剤としてジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン等のオルガノアルコキシシラン類、ジメチルジクロロシラン、トリメチルクロロシラン、オクタデシルトリクロロシラン、t−ブチルジメチルクロロシラン等のオルガノクロロシラン類、ヘキサメチルジシラザン等のシラザン類等などの化合物は、複写機、プリンタ等において繰り返し連続複写した場合に、感光体ドラム表面がこれらの表面処理剤と接触しその摩擦により、感光体表面に被処理無機粒子とともに付着、フィルミングしてしまうため使用することは困難である。本発明において用いられる流動化剤の表面処理剤としてはシリコーンオイル系の化合物が好ましく、ジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル、メチルハイドロジェンシリコーンオイルなどのストレートシリコーンオイル、更には変性シリコーンオイルが使用できる。変性シリコーンオイルに用いられる変性基としては、メチルスチレン基、長鎖アルキル基、ポリエーテル基、カルビノール基、アミノ基、エポキシ基、カルボキシル基、高級脂肪酸基、メルカプト基、メタクリル基等があげられる。シリコーンオイルは優れた離型性、滑り性を持っていることが感光体ドラム表面への付着、フィルミングを防ぐ効果を果たしているのである。これより吸湿性による環境安定性の低下、及び感光体ドラムへのトナー粒子成分の付着、フィルミングの両方の問題を解決する手段として流動化剤の表面処理剤としてシリコーンオイルを用いることが好ましい。
【0020】
本発明に使用される流動化剤以外の外添剤は滑剤、研磨剤、導電性付与剤等について以下の公知のものを使用することができる。滑剤としては、例えばポリテトラフルオロエチレン、ステアリン酸アエンなどが、研磨剤としては例えばチタン酸ストロンチウム、チタン酸カルシウム、チタン酸バリウム、炭酸カルシウム、酸化クロム、炭化ケイ素、炭化タングステンなどの微粉体が挙げられる。これらの研磨剤は感光体ドラム表面へのトナー粒子成分の付着物、フィルミング物を研磨し削ることにより、除去する効果があり、前記のシリコーンオイルで表面処理を行った流動化剤と併せて用いることにより大きな効果を見い出すことができる。導電性付与剤としては酸化スズの如き金属酸化物等を加えることもできる。しかし、これらの例は単なる例示に過ぎないものであり、本発明の電子写真用現像剤に添加混合されるものが上記具体的に例示されたものに限定されるものではない。
【0021】
本発明においてBET法による比表面積が30〜65m 2 /gのカーボンブラック、粒子径が10μmを越える粒子を実質的に含有しない平均粒子径が5〜9μmである正荷電制御剤及びシリコーンオイルとアミノシランで表面を処理してなる被処理無機粒子を流動化剤として用いることにより、大きな効果が現れ、カブリ、トナー粒子の機内飛散、転写率低下及び感光体ドラムへのトナー粒子成分の付着、フィルミングの問題点が全て解決できる良好なトナー粒子を得ることができる。
【0022】
本発明で用いられるトナー母粒子は、前記のトナー母粒子構成成分を、乾式ブレンダー、ヘンシェルミキサー、ボールミル等により予備混合し、しかる後、この混合物を熱ロール、ニーダー、一軸または二軸のエクストルーダー等の熱混練機によって溶融混練し、得られた混練物を冷却後粉砕し、必要に応じ所望の粒径に分級する方法により製造するのが好ましい。本発明で用いられるトナー母粒子としては、体積平均粒径が3〜35μmであることが好ましく、5〜25μmが更に好ましい。小粒径トナーの場合には、4〜10μm程度の粒径で用いられる。
【0023】
最終的にトナー粒子を製造するには、上記より得られたトナー母粒子に外添剤を添加、混合させる必要がある。一般的にはヘンシェルミキサー、スーパーミキサーなどを用いてトナー母粒子に外添剤を添加し混合する。この混合工程においても、工程条件の違いにより現像剤の品位、特性は変わる。この混合工程での制御しうる因子としてはミキサー中への充填量、回転数、混合時間等が挙げられる。本発明においてはミキサーの回転数を制御することが大きな要因であり、好ましくはミキサーの周速で10〜30m/sec. の低速条件で混合することにより更に良好な品質の現像剤を製造し、提供することが可能となる。この混合条件で製造することによりトナー母粒子上に外添剤を分散させ、適当な流動性を保持させることができる。30m/sec. を超える周速で混合してしまうと流動化剤がトナー母粒子上に物理的に強く付着してしまい流動性が低下してしまう。また10m/sec.未満の周速では十分にトナー母粒子と外添剤を混合し分散させることが困難である。外添剤を添加、混合した後の最終工程として、トナー粒子中の異物除去の目的で篩い工程を経てトナー粒子は製造される。
【0024】
本発明の静電荷像現像剤が二成分系乾式現像剤である場合には、本発明の現像剤にはキャリア粒子が含まれる。本発明の二成分現像剤において用いられるキャリア粒子は、従来二成分系乾式現像剤において用いられるキャリア粒子のいずれであってもよく、例えば、鉄粉等の強磁性金属あるいは強磁性金属の合金粉、ニッケル、銅、亜鉛、マグネシウム、バリウム等の元素から構成されるフェライト粉、マグネタイト粉等が好ましいものとして挙げられる。これらキャリア粒子は、スチレン・メタクリレート共重合体、スチレン重合体、シリコーン樹脂等の樹脂で被覆されたものでよい。キャリア粒子を樹脂により被覆する方法としては、被覆用樹脂を溶剤に溶解し、これを浸漬法、スプレー法、流動床法等によりコア粒子上に塗布し、乾燥させた後必要に応じ加熱して塗膜を硬化する方法等公知の任意の方法によることができる。またキャリア粒子の平均粒径は、通常15〜500μm、好ましくは20〜300μmのものを用いることができる。
【0025】
【実施例】
以下製造例、実施例および比較例により本発明を更に具体的に説明するが、本発明の態様がこれらの例に限定されるものではない。なお以下については、部数は全て重量部を表す。
【0026】
[実施例1]
結着樹脂 スチレンアクリル共重合体樹脂 86部
着色剤 カーボンブラック (比表面積 65m2 /g) 8部
荷電制御剤 四級アンモニウム塩化合物
(粒子径10μmを超える粒子を含有しない。平均粒径7μm)3部
ワックス ポリオレフィン系ワックス 3部
を配合、混練、粉砕、分級して平均粒径12μmのトナー母粒子を得た。このトナー母粒子と、このトナー母粒子100部に対して、シリコーンオイルとアミノシランにて表面処理された正帯電性疎水性シリカ0.3部とをヘンシェルミキサーにて混合し、振動篩いにて異物を除去した後トナー粒子を得た。このときヘンシェルミキサーの混合条件は周速20m/sec.で、振動篩いに用いたメッシュの径は目開き100μmの条件にて行った。ここでトナー粒子は経時変化の確認を促進して見極めるべく乾燥機中に50℃、72時間の条件にて加熱した。得られたこのトナー粒子4部と平均粒径100μmのシリコーン樹脂コートのキャリア100部とをボールミルを用いて混合し現像剤を作成した。
次にこの現像剤及びトナー粒子を用いて、市販されている松下電器産業社製複写機FP−4080を用いて実写テストを行ったところ10万枚実写後でも、カブリは少なく、画像濃度も安定しており、トナー粒子の成分が感光体ドラムに付着したことによる画像欠陥も見られなかった。トナー粒子の転写率は85〜87%の間で推移し、また機内のトナー飛散も見られなかった。ここで転写率は消費したトナー粒子量(Ta)から回収容器中のトナー粒子量(Tw)の差を求め、転写されたトナー粒子の重量を求め、消費したトナー粒子量との割合を求めた値であり以下の式として表される。
転写率(%)=(Ta−Tw)/Ta x 100
【0027】
[実施例2]
結着樹脂 スチレンアクリル共重合体樹脂 86部
着色剤 カーボンブラック (比表面積 65m2 /g) 8部
荷電制御剤 四級アンモニウム塩化合物
(粒子径10μmを超える粒子を含有しない。平均粒径7μm)2部
ニグロシン染料
(粒子径10μmを超える粒子を含有しない。平均粒径6μm)1部
ワックス ポリオレフィン系ワックス 3部
を配合、混練、粉砕、分級して平均粒径12μmのトナー母粒子を得た。このトナー母粒子と、このトナー母粒子100部に対して、シリコーンオイルとアミノシランにて表面処理された正帯電性疎水性シリカ0.3部とをヘンシェルミキサーにて混合し、振動篩いにて異物を除去した後トナー粒子を得た。このときヘンシェルミキサーの混合条件は周速20m/sec.で、振動篩いに用いたメッシュの径は目開き100μmの条件にて行った。ここでトナー粒子は経時変化の確認を促進して見極めるべく乾燥機中に50℃、72時間の条件にて加熱した。得られたこのトナー粒子4部と平均粒径100μmのシリコーン樹脂コートのキャリア100部とをボールミルを用いて混合し現像剤を作成した。
次にこの現像剤及びトナー粒子を用いて、市販されている松下電器産業社製複写機FP−4080を用いて実写テストを行ったところ10万枚実写後でも、カブリは少なく、画像濃度も安定しており、トナー粒子の成分が感光体ドラムに付着したことによる画像欠陥も見られなかった。トナー粒子の転写率は86〜89%の間で推移し、また機内のトナー飛散も見られなかった。
【0028】
[実施例3]
結着樹脂 スチレンアクリル共重合体樹脂 87部
着色剤 カーボンブラック (比表面積 65m2 /g) 8部
荷電制御剤 ニグロシン染料
(粒子径10μmを超える粒子を含有しない。平均粒径6μm)2部
ワックス ポリオレフィン系ワックス 3部
を配合、混練、粉砕、分級して平均粒径12μmのトナー母粒子を得た。このトナー母粒子と、このトナー母粒子100部に対して、シリコーンオイルとアミノシランにて表面処理された正帯電性疎水性シリカ0.3部とをヘンシェルミキサーにて混合し、振動篩いにて異物を除去した後トナー粒子を得た。このときヘンシェルミキサーの混合条件は周速20m/sec.で、振動篩いに用いたメッシュの径は目開き100μmの条件にて行った。ここでトナー粒子は経時変化の確認を促進して見極めるべく乾燥機中に50℃、72時間の条件にて加熱した。得られたこのトナー粒子4部と平均粒径100μmのシリコーン樹脂コートのキャリア100部とをボールミルを用いて混合し現像剤を作成した。
次にこの現像剤及びトナー粒子を用いて、市販されている松下電器産業社製複写機FP−4080を用いて実写テストを行ったところ10万枚実写後でも、カブリは少なく、画像濃度も安定しており、トナー粒子の成分が感光体ドラムに付着したことによる画像欠陥も見られなかった。トナー粒子の転写率は83〜85%の間で推移し、また機内のトナー飛散も見られなかった。
【0029】
[参考例4]
結着樹脂 スチレンアクリル共重合体樹脂 86部 着色剤 カーボンブラック (比表面積 65m2 /g) 8部 荷電制御剤 四級アンモニウム塩化合物 (粒子径10μmを超える粒子を含有しない。平均粒径7μm)3部 ワックス ポリオレフィン系ワックス 3部を配合、混練、粉砕、分級して平均粒径12μmのトナー母粒子を得た。このトナー母粒子と、このトナー母粒子100部に対して、シリコーンオイルにて表面処理された非晶質珪素−アルミニウム共酸化物0.3部とをヘンシェルミキサーにて混合し、振動篩いにて異物を除去した後トナー粒子を得た。このときヘンシェルミキサーの混合条件は周速20m/sec.で、振動篩いに用いたメッシュの径は目開き100μmの条件にて行った。ここでトナー粒子は経時変化の確認を促進して見極めるべく乾燥機中に50℃、72時間の条件にて加熱した。得られたこのトナー粒子4部と平均粒径100μmのシリコーン樹脂コートのキャリア100部とをボールミルを用いて混合し現像剤を作成した。次にこの現像剤及びトナー粒子を用いて、市販されている松下電器産業社製複写機FP−4080を用いて実写テストを行ったところ10万枚実写後でも、カブリは少なく、画像濃度も安定しており、トナー粒子の成分が感光体ドラムに付着したことによる画像欠陥も見られなかった。トナー粒子の転写率は82〜85%の間で推移し、また機内のトナー飛散も見られなかった。
【0030】
[実施例5]
結着樹脂 スチレンアクリル共重合体樹脂 86部
着色剤 カーボンブラック (比表面積 65m2 /g) 8部
荷電制御剤 四級アンモニウム塩化合物
(粒子径10μmを超える粒子を含有しない。平均粒径7μm)3部
ワックス ポリオレフィン系ワックス 3部
を配合、混練、粉砕、分級して平均粒径12μmのトナー母粒子を得た。このトナー母粒子と、このトナー母粒子100部に対して、シリコーンオイルとアミノシランにて表面処理された正帯電性疎水性シリカ0.3部とをヘンシェルミキサーにて混合し、振動篩いにて異物を除去した後トナー粒子を得た。このときヘンシェルミキサーの混合条件は周速40m/sec.で、振動篩いに用いたメッシュの径は目開き100μmの条件にて行った。ここでトナー粒子は経時変化の確認を促進して見極めるべく乾燥機中に50℃、72時間の条件にて加熱した。得られたこのトナー粒子4部と平均粒径100μmのシリコーン樹脂コートのキャリア100部とをボールミルを用いて混合し現像剤を作成した。
次にこの現像剤及びトナー粒子を用いて、市販されている松下電器産業社製複写機FP−4080を用いて実写テストを行ったところ10万枚実写後でも、カブリは少なく、画像濃度も安定しており、トナー粒子の成分が感光体ドラムに付着したことによる画像欠陥も見られなかった。トナー粒子の転写率は82〜83%の間で推移し、また機内のトナー飛散もほとんど見られなかった。
【0031】
[比較例1]
結着樹脂 スチレンアクリル共重合体樹脂 86部
着色剤 カーボンブラック (比表面積 65m2 /g) 8部
荷電制御剤 四級アンモニウム塩化合物
(粒子径10μmを超える粒子を含有しない。平均粒径7μm)3部
ワックス ポリオレフィン系ワックス 3部
を配合、混練、粉砕、分級して平均粒径12μmのトナー母粒子を得た。このトナー母粒子と、このトナー母粒子100部に対して、ヘキサメチルジシラザンとアミノシランにて表面処理された正帯電性疎水性シリカ0.3部とをヘンシェルミキサーにて混合し、振動篩いにて異物を除去した後トナー粒子を得た。このときヘンシェルミキサーの混合条件は周速20m/sec.で、振動篩いに用いたメッシュの径は目開き100μmの条件にて行った。ここでトナー粒子は経時変化の確認を促進して見極めるべく乾燥機中に50℃、72時間の条件にて加熱した。得られたこのトナー粒子4部と平均粒径100μmのシリコーン樹脂コートのキャリア100部とをボールミルを用いて混合し現像剤を作成した。
次にこの現像剤及びトナー粒子を用いて、市販されている松下電器産業社製複写機FP−4080を用いて実写テストを行ったところ、2万枚実写後から感光体上にトナー粒子の成分が付着してフィルミングしてしまい、白地部にフィルミングした部分が現像され黒くなる画像欠陥が生じた。このとき画像上のカブリは少なく、画像濃度も安定しており、トナー粒子の転写率は88%であり、また機内のトナー飛散もほとんど見られなかったが、感光体上のトナー粒子成分のフィルミングは致命的欠陥であり画像試験を取りやめた。この感光体上のフィルミング物を採取し組成分析を行ったところSiの元素が確認され、ヘキサメチルジシラザンとアミノシランにて表面処理された正帯電性疎水性シリカであることを確認した。
【0032】
[比較例2]
結着樹脂 スチレンアクリル共重合体樹脂 86部
着色剤 カーボンブラック (比表面積 65m2 /g) 8部
荷電制御剤 四級アンモニウム塩化合物
(粒子径10μmを超える粒子を含有しない。平均粒径7μm)3部
ワックス ポリオレフィン系ワックス 3部
を配合、混練、粉砕、分級して平均粒径12μmのトナー母粒子を得た。このトナー母粒子と、このトナー母粒子100部に対して、ヘキサメチルジシラザンにて表面処理された非晶質珪素−アルミニウム共酸化物0.3部とをヘンシェルミキサーにて混合し、振動篩いにて異物を除去した後トナー粒子を得た。このときヘンシェルミキサーの混合条件は周速20m/sec.で、振動篩いに用いたメッシュの径は目開き100μmの条件にて行った。ここでトナー粒子は経時変化の確認を促進して見極めるべく乾燥機中に50℃、72時間の条件にて加熱した。得られたこのトナー粒子4部と平均粒径100μmのシリコーン樹脂コートのキャリア100部とをボールミルを用いて混合し現像剤を作成した。
次にこの現像剤及びトナー粒子を用いて、市販されている松下電器産業社製複写機FP−4080を用いて実写テストを行ったところ、1.5万枚実写後から感光体上にトナー粒子の成分が付着してフィルミングしてしまい、白地部にフィルミングした部分が現像され黒くなる画像欠陥が生じた。このとき画像上のカブリは少なく、画像濃度も安定しており、トナー粒子の転写率は84%であり、また機内のトナー飛散もほとんど見られなかったが、感光体上のトナー粒子成分のフィルミングは致命的欠陥であり画像試験を取りやめた。この感光体上のフィルミング物を採取し組成分析を行ったところSiとAlの元素が確認され、ヘキサメチルジシラザンにて表面処理された非晶質珪素−アルミニウム共酸化物であることを確認した。
【0033】
[比較例3]
結着樹脂 スチレンアクリル共重合体樹脂 86部
着色剤 カーボンブラック (比表面積 65m2 /g) 8部
荷電制御剤 四級アンモニウム塩化合物
(粒子径10μmを超える粒子を含有。平均粒径30μm) 3部
ワックス ポリオレフィン系ワックス 3部
を配合、混練、粉砕、分級して平均粒径12μmのトナー母粒子を得た。このトナー母粒子と、このトナー母粒子100部に対して、シリコーンオイルとアミノシランにて表面処理された正帯電性疎水性シリカ0.3部とをヘンシェルミキサーにて混合し、振動篩いにて異物を除去した後トナー粒子を得た。このときヘンシェルミキサーの混合条件は周速20m/sec.で、振動篩いに用いたメッシュの径は目開き100μmの条件にて行った。ここでトナー粒子は経時変化の確認を促進して見極めるべく乾燥機中に50℃、72時間の条件にて加熱した。得られたこのトナー粒子4部と平均粒径100μmのシリコーン樹脂コートのキャリア100部とをボールミルを用いて混合し現像剤を作成した。
次にこの現像剤及びトナー粒子を用いて、市販されている松下電器産業社製複写機FP−4080を用いて実写テストを行ったところ、3万枚実写後までは実施例1と同様に良好であったものの、それ以降はトナー粒子の転写率が低下して、4万枚実写時には転写率が68%になり、機内飛散も多く見られたため実写試験を中止した。このとき複写画像上のカブリはほとんど見られず、またトナー粒子の成分が感光体ドラム上に付着したことによる画像欠陥は見られなかった。
【0034】
[比較例4]
結着樹脂 スチレンアクリル共重合体樹脂 86部
着色剤 カーボンブラック (比表面積 125m2 /g) 8部
荷電制御剤 四級アンモニウム塩化合物
(粒子径10μmを超える粒子を含有しない。平均粒径7μm)3部
ワックス ポリオレフィン系ワックス 3部
を配合、混練、粉砕、分級して平均粒径12μmのトナー母粒子を得た。このトナー母粒子と、このトナー母粒子100部に対して、シリコーンオイルとアミノシランにて表面処理された正帯電性疎水性シリカ0.3部とをヘンシェルミキサーにて混合し、振動篩いにて異物を除去した後トナー粒子を得た。このときヘンシェルミキサーの混合条件は周速20m/sec.で、振動篩いに用いたメッシュの径は目開き100μmの条件にて行った。ここでトナー粒子は経時変化の確認を促進して見極めるべく乾燥機中に50℃、72時間の条件にて加熱した。得られたこのトナー粒子4部と平均粒径100μmのシリコーン樹脂コートのキャリア100部とをボールミルを用いて混合し現像剤を作成した。
次にこの現像剤及びトナー粒子を用いて、市販されている松下電器産業社製複写機FP−4080を用いて実写テストを行ったところ、2万枚実写後までは実施例1と同様に良好であったものの、それ以降カブリが増大し、2.5万枚実写時には白地部分が灰色になるほどカブリが増大したため実写試験を中止した。またこのときトナー粒子の転写率は83%で、機内飛散はほとんど見られなかった。またトナー粒子の成分が感光体ドラム上に付着したことによる画像欠陥は見られなかった。
【0035】
[比較例5]
結着樹脂 スチレンアクリル共重合体樹脂 86部
着色剤 カーボンブラック (比表面積 20m2 /g) 8部
荷電制御剤 四級アンモニウム塩化合物
(粒子径10μmを超える粒子を含有しない。平均粒径7μm)3部
ワックス ポリオレフィン系ワックス 3部
を配合、混練、粉砕、分級して平均粒径12μmのトナー母粒子を得た。このトナー母粒子と、このトナー母粒子100部に対して、シリコーンオイルとアミノシランにて表面処理された正帯電性疎水性シリカ0.3部とをヘンシェルミキサーにて混合し、振動篩いにて異物を除去した後トナー粒子を得た。このときヘンシェルミキサーの混合条件は周速20m/sec.で、振動篩いに用いたメッシュの径は目開き100μmの条件にて行った。ここでトナー粒子は経時変化の確認を促進して見極めるべく乾燥機中に50℃、72時間の条件にて加熱した。得られたこのトナー粒子4部と平均粒径100μmのシリコーン樹脂コートのキャリア100部とをボールミルを用いて混合し現像剤を作成した。
次にこの現像剤及びトナー粒子を用いて、市販されている松下電器産業社製複写機FP−4080を用いて実写テストを行ったところ、初期から画像濃度が低くなり実写試験を中止した。
【0036】
[比較例6]
結着樹脂 スチレンアクリル共重合体樹脂 86部
着色剤 カーボンブラック (比表面積 65m2 /g) 8部
荷電制御剤 四級アンモニウム塩化合物
(粒子径10μmを超える粒子を含有しない。平均粒径7μm)3部
ワックス ポリオレフィン系ワックス 3部
を配合、混練、粉砕、分級して平均粒径12μmのトナー母粒子を得た。このトナー母粒子と、このトナー母粒子100部に対して、表面処理を施してない未処理のシリカ0.3部とをヘンシェルミキサーにて混合し、振動篩いにて異物を除去した後トナー粒子を得た。このときヘンシェルミキサーの混合条件は周速20m/sec.で、振動篩いに用いたメッシュの径は目開き100μmの条件にて行った。ここでトナー粒子は経時変化の確認を促進して見極めるべく乾燥機中に50℃、72時間の条件にて加熱した。得られたこのトナー粒子4部と平均粒径100μmのシリコーン樹脂コートのキャリア100部とをボールミルを用いて混合し現像剤を作成した。
次にこの現像剤及びトナー粒子を用いて、市販されている松下電器産業社製複写機FP−4080を用いて実写テストを行ったところ、2万枚実写後から感光体上にトナー粒子の成分が付着してフィルミングしてしまい、白地部にフィルミングした部分が現像され黒くなる画像欠陥が生じた。このとき画像上のカブリは少なく、画像濃度も安定しており、トナー粒子の転写率は85%であり、また機内のトナー飛散もほとんど見られなかったが、感光体上のトナー粒子成分のフィルミングは致命的欠陥であり画像試験を取りやめた。この感光体上のフィルミング物を採取し組成分析を行ったところSiの元素が確認され、シリカであることを確認した。
【0037】
【発明の効果】
特定の比表面積のカーボンブラック、特定の大きさの正荷電制御剤及び流動化剤としてシリコーンオイルとアミノシランで表面を処理してなる被処理無機粒子を用いることにより、複写機やプリンタで繰り返し、連続複写して用いた場合のかぶりの増加や画像濃度の低下、また感光体表面にトナー粒子成分の付着を起こさず、さらに高温下での放置による経時変化を受けても、カブリが増加せず、トナー粒子の転写率低下が起こらずまた複写機、プリンタの機内飛散の起こらない耐久性、安定性のある優れたトナー母粒子、トナー粒子を得ることができた。
Claims (5)
- 結着樹脂、カーボンブラック及び荷電制御剤を含有してなる混練・粉砕法により製造されるトナー母粒子と外添剤である流動化剤とを混合してなるトナーにおいて、BET法によるカーボンブラックの比表面積が30〜65m 2/gであり、平均粒子径が5〜9μmであり、また10μmを越える粒子を実質的に含まない正荷電制御剤を用い、流動化剤が、シリコーンオイルとアミノシランで表面を処理してなる被処理無機粒子であることを特徴とするトナー。
- 正荷電制御剤が、4級アンモニウム塩化合物及び/又はニグロシンであることを特徴とする請求項1記載のトナー。
- 無機粒子が、シリカであることを特徴とする請求項1又は2記載のトナー。
- トナー母粒子と流動化剤とを周速10〜30m/sec.で混合してなることを特徴とする請求項1ないし3いずれか記載のトナー。
- 請求項1ないし4いずれか記載のトナー及びキャリア粒子を含むことを特徴とする電子写真用二成分系現像剤。
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