JP3989547B2 - フルオロスルホニル基を含有するモノアゾ染料及びその使用 - Google Patents

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Description

本発明は、アゾ染料、特にフルオロスルホニル基を含有する水不溶性のモノアゾ染料、その製法及び合成繊維材料及び他の材料を着色するためのその使用に関する。
WO 95/20014として公開されている国際特許出願明細書には、少なくとも1個のフルオロスルホニル基を含有し、水溶性化基を含有しないアゾ染料が記載されている。これらの化合物の合成繊維材料の着色のため及びプラスチックのマスカラレーシヨンのための使用も記載されている。
ところで、WO 95/20014に記載の一般群に入るが、その中には詳細に開示されていない特定の染料が、合成繊維材料に分散染料として適用される際に優れた特性を示すことを発見した。
従って、本発明によれば、式:
Figure 0003989547
[式中、Rは−CCN、−CCl、−CCl、−COCOCH又は−COCOCHClを表し;R及びRはそれぞれ独立して、C1〜6−アルキル基を表し;R、R及びRはそれぞれ独立して、H、F、Cl、Br、I、−SOF又は群:C1〜6−アルキル、C1〜6−アルコキシ、C1〜4−アルカノイルアミノ、−NHSO−アルキル、−NHCOC1〜4−アルキル及び−Oフェニル基から選択された有機基を表し、各有機基は非置換であるか又は1個以上の非イオン性置換基で置換されている]のモノアゾ染料が提供される。
式(1)中のR及びRで表される炭素原子数3〜6を有するこれらのアルキル基は、直鎖又は分枝鎖のアルキル基であってよいが、Rがエチルで、Rがメチルであるのが有利である。
及びRの少なくとも1個は、Hを表し、特に有利にはRとRの双方がHを表す。R、R及びRのそれぞれがHを表すのが殊に有利である。
〜Rで表される基の任意の非イオン性置換基には、特に、−CN、−OH、−OC1〜6−アルキル、−OCOC1〜6−アルキル、−COOC1〜6−アルキル、フェニル、フェノキシ、−OCOフェニル、−OCOフェニルSOF、フェニルSOF、−COフェニルSOFが包含される。
式(1)の染料は、2,5−ジクロロ−4−フルオロスルホニルアニリンをジアゾ化し、かつ生じるアゾ化合物と式:
Figure 0003989547
[式中、R〜Rは前記のものを表す]の芳香族アミンとをカップリングさせることにより製造することができる。
ジアゾ化及びカップリング反応は、包含されている反応成分の型に慣用されている条件を用いて実施できる。典型的には、2,5−ジクロロ−4−フルオロスルホニルアニリンを酸性媒体、例えば酢酸又はプロピオン酸又は塩酸中で、ニトロソ化剤、例えばニトロシル硫酸、亜硝酸ナトリウム又は亜硝酸メチルを用いて、−10〜10℃の温度で、ジアゾ化することができる。式(2)の芳香族アミンとのカップリングは、ジアゾ化された2,5−ジクロロ−4−フルオロスルホニルアニリンを、アルカノール、好ましくはC1〜4アルカノール、例えばメタノール中の式(2)の芳香族アミンに0〜10℃の温度で添加することにより達成することができる。カップリングの後に、式(1)の化合物は、慣用法で、例えば濾過により反応混合物から回収することができる。
式(1)のアゾ化合物は、分散染料として有用であり、合成繊維材料及びこのような材料を含有する混紡繊維の着色のために貴重である。
合成繊維材料は、二酢酸セルロース、三酢酸セルロース、ポリアミド、ポリアクリロニトリル及び芳香族ポリエステルから選択され得る。合成繊維材料は、好ましくはポリアミド、例えばポリヘキサメチレンアジパミド又は芳香族ポリエステル、殊にポリエチレンテレフタレートである。混紡繊維は、種々の合成繊維材料の混合物又は合成繊維材料と天然繊維材料との混合物よりなっていてよい。有利な混紡繊維には、ポリエステル−セルロース、例えばポリエステル−木綿のものが包含される。繊維材料及びそれらの混紡物は単繊維、ルーズな繊維、糸又は織布又は編布の形で存在していてよい。
式(1)のアゾ化合物又はその混合物は、場合によっては他の分散染料と組み合わされて、合成繊維材料又はその混紡繊維にこのような材料又は混紡繊維へ分散染料を適用するために慣用されている方法で適用することができる。
好適な方法条件には次のものが包含される:
i)4〜6.5のpH値、125〜140℃の温度で、及び1〜2バールの圧力下での10〜120分間のエキゾースト染色、場合により金属イオン封鎖剤を添加することができる;
ii)4〜6.5のpH値、190〜225℃の温度で15秒〜5分間の連続的染色、場合により移染防止剤を添加することができる;
iii)直接、4〜6.5のpH値で、高温スチーミングのための160〜185℃で4〜15分間の、又は乾熱を伴うベーク固着のための190〜225℃の温度で15秒〜5分間の、又は加圧スチーミングのための120〜140℃及び1〜2バールで10〜45分間の捺染、場合によりこの染料の5〜100重量%の湿潤剤及びシックナー(例えばアルギン酸塩)を添加することができる;
iv)4〜6.5のpH値でのデイスチャージ捺染(繊維材料上への染料のパジング、乾燥及び上刷り)、場合により移染防止剤及びシックナーを添加することができる;
v)4〜6.5のpH値、95〜100℃の温度での、キャリア、例えばメチルナフタリン、ジフェニルアミン又は2−フェニルフェノールを用いるキャリア染色、場合により金属イオン封鎖剤を添加することができる;及び
vi)4〜6.5のpH値で、酢酸塩には85℃の温度で、三酢酸塩及びナイロンには90℃の温度で、15〜90分間の酢酸塩、三酢酸塩及びナイロンの大気圧染色、場合により金属イオン封鎖剤を添加することができる。
前記の全ての方法では、式(1)の化合物又はその混合物は、水性媒体中にアゾ化合物又はその混合物0.001〜4重量%を含有する分散液として適用するのが好適である。
染料分散液は、更に、着色適用時に慣用されている成分、例えば分散剤、例えばリグノスルホネート、ナフタリンスルホン酸/ホルムアルデヒド縮合生成物又はフェノール/クレゾール/スルファニル酸/ホルムアルデヒド縮合生成物、界面活性剤、湿潤剤、例えばアルキルアリールエトキシレート(これは、スルホン化又はホスフェート化されていてよい)、無機塩、消泡剤、例えば鉱油又はノナノール、有機液体及び緩衝剤を含有していてよい。分散剤は、式(1)のアゾ化合物の重量に対して10〜200%で存在することができる。湿潤剤は、式(1)のアゾ化合物の重量に対して0〜20%で使用することができる。
好適な分散液は、式(1)の化合物をガラスビーズ又は砂と一緒に水性媒体中でミリングすることにより製造することができる。
式(1)化合物は、洗濯、光及び熱に対する良好な堅牢度を示す赤い色を有する合成繊維材料を提供する。
式(1)の化合物は、プラスチック材料のマスカラレーシヨンのためにも有用である。このアゾ化合物は、一般に顆粒又は粉末状のプラスチック材料との配合により、例えばタンブリング又は高速混合に引き続きスクリュウ装置上での射出成形により、又は慣用のコンパウンデイング/マスターバッチング法により合体される。本発明の染料は一般に熱プラスチック融液中に迅速に溶解又は分散し、一般に良好な透明感及び良好な光堅牢度を有する明るい色を提供する。こうして着色できるプラスチックには、ポリスチレン、アクリル酸系誘導体、スチレン/アクリロニトリル混合物、アクリロニトリル/ブタジエン/スチレン混合物、ポリカルボネート、ポリエーテル−スルホン、ナイロン、硬質PCV(uPVC)及びポリプロピレンが包含される。
式Iのアゾ化合物は、溶剤ベースインキジェット−印刷法で使用されるインキの着色剤としても使用できる。典型的にはケトン及び/又はアルコールをベースとするこのインキは、疎水性基材、例えばプラスチック及び金属上のプリントのために有用である。
次の実施例につき本発明を説明するが、本発明はこれらに限定されるものではなく、例中、全ての「部」は、他に指示のない限り「重量部」である。全てのλmax値は、CHCl中で測定した。
例1
2,5−ジクロロ−4−フルオロスルホニルアニリン(2部)及び酢酸/プロピオン酸混合物(15部、86/14 v/v)の混合物に、0〜5℃で撹拌しながらニトロシル硫酸溶液(5部)を滴加した。この混合物をこの温度で更に15分間撹拌した。このジアゾ溶液を、N−エチル−N−(2−(3−シアノプロポキシカルボニル)エチル)−3−トルイジン(2.6部)、メタノール(50部)、水(20部)及びスルファミン酸(0.5部)の混合物に、0〜5℃で撹拌下にゆっくり添加した。この温度で3時間撹拌の後に、生成物を濾過により単離させ、水で洗浄し、50℃で乾燥させると、3−メチル−4−(2,5−ジクロロ−4−フルオロスルホニルフェニルアゾ)−N−エチル−N−(2−(3−シアノプロポキシカルボニル)エチル)アニリン(2.6部)が得られた。水性分散液からポリエステニル材料に適用する際に、この染料(λmax=515nm)は、優れた光堅牢度及び湿式処理に対する優れた堅牢度を有する帯青赤色色調を与える。
この染料(ここでは、式(1)のRは−CCNである)からの染色物は、WO 95/20014の実施例63の染料(ここでは、Rは−CHCNである)から得られた染色物と比べて優れた接触堅牢度を示す。
例2
N−エチル−N−(2−(3−シアノプロポキシカルボニル)エチル)−3−トルイジン2.6部をN−エチル−N−(2−(2−クロロエトキシカルボニル)エチル)−3−トルイジン2.4部で代えて、例1に記載の製法を繰り返した。こうして、水性分散液からポリエステル材料に適用する際に光及び湿式処理に対して優れた堅牢度を有する帯青赤色色調を与える同様な赤色染料(λmax=517nm)が得られた。
例3
N−エチル−N−(2−(3−シアノプロポキシカルボニル)エチル)−3−トルイジン2.6部をN−エチル−N−(2−(2−アセトキシエトキシカルボニル)エチル)−3−トルイジン2.7部で代えて、例1に記載の製造を繰り返した。こうして、水性分散液からポリエステル材料に適用する際に光及び湿式処理に対して優れた堅牢度を有する帯青赤色色調を与える同様な赤色染料(λmax=515nm)が得られた。
例4
N−エチル−N−(2−(3−シアノプロポキシカルボニル)エチル)−3−トルイジン2.6部をN−エチル−N−(2−(2−クロロアセトキシ)エトキシカルボニル)エチル)−3−トルイジン2.9部で代えて、例1に記載の製造を繰り返した。こうして、水性分散液からポリエステル材料に適用する際に光及び湿式処理に対して優れた堅牢度を有する帯青赤色色調を与える同様な赤色染料(λmax=515nm)が得られた。
例5
N−エチル−N−(2−(3−シアノプロポキシカルボニル)エチル)−3−トルイジン2.6部をN−エチル−N−(2−(3−クロロプロポキシカルボニル)エチル)−3−トルイジン2.7部で代えて、例1に記載の製造を繰り返した。こうして、水性分散液からポリエステル材料に適用する際に光及び湿式処理に対して優れた堅牢度を有する帯青赤色色調を与える同様な赤色染料(λmax=516nm)が得られた。

Claims (6)

  1. 式:
    Figure 0003989547
    [式中、Rは−CCN、−CCl、−CCl、−COCOCH又は−COCOCHClを表し;R及びRはそれぞれ独立して、C1〜6−アルキル基を表し;R、R及びRはそれぞれ独立して、H、F、Cl、Br、I、−SOF又は群:C1〜6−アルキル、C1〜6−アルコキシ、C1〜4−アルカノイルアミノ、−NHSO−アルキル、−NHCOC1〜4−アルキル及び−Oフェニル基から選択された有機基を表し、各有機基は非置換であるか又は1個以上の非イオン性置換基で置換されている]のモノアゾ染料。
  2. 式中のRはエチルであり、Rはメチルである、請求項1に記載のモノアゾ染料。
  3. 式中のR及びRの少なくとも1個はHを表し、好ましくはRとRの双方がHを表す、請求項1又は2に記載のモノアゾ染料。
  4. 式中のR、R及びRのそれぞれはHを表す、請求項3に記載のモノアゾ染料。
  5. 請求項1に記載のモノアゾ染料を製造するために、2,5−ジクロロ−4−フルオロスルホニルアニリンをジアゾ化し、かつ生じるジアゾ化合物を、式:
    Figure 0003989547
    [式中、R及びRは請求項1に記載のものを表す]の芳香族アミンとカップリングさせることを特徴とする、モノアゾ染料の製法。
  6. 合成繊維材料又はその混紡繊維に、請求項1から4のいずれか1項に記載のモノアゾ染料を適用することを特徴とする、合成繊維材料又はその混紡繊維を着色する方法。
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