JP3987871B1 - 爆破処理装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】簡単な構成で、有害物質等の外部への拡散を抑止することのできる爆破処理装置を提供する。
【解決手段】耐圧容器10が外側容器31と内側容器32とを備え、外側容器32が、耐圧蓋11の反対側の端部および天壁に、その内外を連通する第1吸引部17及び第2吸引部18とを備え、内側容器32が、第1吸引部17に対応する位置に、その内外を連通する連通孔16を備えており、第1吸引部17及び第2吸引部18が、吸引装置19が接続されることにより、第1吸引部17及び連通孔16を通じて内側容器32内の爆破後のガスが吸引されるとともに、内側容器32から内側開口部32aを通じて放出するガスが外側容器31の天壁と前記内側容器32との隙間から吸引される位置に設けられている爆破処理装置。
【選択図】図2

Description

本発明は、爆破処理装置であって、有害物質または化学兵器等の爆発物が爆破処理される際に、当該有害物質等が外部に拡散するのを防止する装置に関する。
前記化学兵器等(銃弾、爆弾、地雷、機雷等)に用いられる軍事用の弾薬の構成としては、鋼製の弾殻の内部に、炸薬と、人体に有害な化学剤とが充填されたものが知られている。前記化学剤としては、人体に有害なマスタードガスやルイサイト等が挙げられる。
そして、前記化学兵器等や、有機ハロゲン等の有害物質を処理(無害化処理等)するための方法としては、爆破による処理方法が知られている。この爆破による処理方法は、解体作業を要しないことから、保存状態が良好な前記兵器等のみならず、経年劣化や変形などにより解体が困難になったものの処理にも適用することができる。さらに爆発に基づく超高温場および超高圧場の実現によって化学剤のほとんど全てを分解できるという利点がある。このような爆破による処理方法としては、例えば特許文献1に開示されている。
前記のような爆破処理は、化学剤の外部漏洩防止の観点や、爆破処理による音や振動などの環境への影響を低減する観点から、密閉された耐圧容器内で行われる場合が多い。そして、この耐圧容器には、一般的に、その内部に前記化学兵器等を搬入するために開閉可能な蓋が設けられており、爆破処理後には当該蓋を開いて内部の清掃等が行われる。ここで、爆破処理後の前記耐圧容器内には、爆破により生じた一酸化炭素等の有害ガスおよび前記有害物質等が残存するので、前記清掃等のために前記蓋を開いて内部を開放する場合には、蓋の反対側に設けた吸引装置から容器内を吸引し、外部から大気を一定速度で流入させて、当該有害物質等が容器内から外部へ拡散しないようにしている。
特開平7−286886号公報
前記のような爆破処理方法で用いられる耐圧容器としては、爆破時の爆発音や衝撃に耐え得るような堅固なものが用いられるが、爆破時の衝撃荷重および飛散する処理対象物の破片等による損傷は小さくなく、比較的早期に交換の必要が生じてしまう。しかも、この爆破処理に用いるような耐圧容器は大きなサイズ及び大きな荷重を有するため、その交換作業には手間及びコストがかかってしまう。
一方、処理対象物の種類や大きさに応じて大型の耐圧容器を使用する場合には、前記吸引装置の吸引力を十分に確保するのが困難になるとともに、前記耐圧容器の大型化に併せて吸引装置を大型化する必要があるためコストがかかってしまうという問題がある。
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、簡単な構成で、有害物質の外部への拡散を抑止することのできる爆破処理装置の外部拡散防止装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明は、処理対象物を爆破処理するための爆破処理装置であって、内部で前記爆破処理が行われる耐圧容器と、この耐圧容器に接続され、当該耐圧容器の内部のガスを外部へ吸引する吸引装置とを備え、前記耐圧容器は、特定方向に延び、その両端部のうちの一方の端部に外側開口部及びこの開口部を開閉する耐圧蓋を有し、この耐圧蓋が閉じられることにより内部が密閉される外側容器と、この外側容器の内側に配設され、前記耐圧蓋と同じ側の端部に内側開口部及びこの内側開口部を開閉可能な内蓋を有するとともに、この内蓋と反対側の端部にその内外を連通する連通孔を有する内側容器とを含み、前記外側容器は、前記内側容器の連通孔と対応する位置に設けられ、当該外側容器の内外を連通する第1吸引部と、この外側容器の天壁に設けられ、前記第1吸引部と前記耐圧蓋との間に位置し、当該外側容器の内外を連通する第2吸引部とを有し、これら第1吸引部及び第2吸引部は、当該両吸引部に前記吸引装置が接続されることにより、当該第1吸引部及び前記内側容器の連通孔を通じて前記内側容器内の爆破後のガスが吸引されるとともに、前記内蓋が開いたときに前記内側容器から前記内側開口部を通じて放出するガスが前記外側容器の天壁と前記内側容器との隙間から吸引される位置に設けられていることを特徴とする爆破処理装置を提供する。
このような構成によれば、耐圧容器内を外側容器と内側容器との二重構造にすることで、爆破時の衝撃等を内側容器で受け止めることができ、外側容器の損傷を小さくすることできる。従って、重厚な外側容器を交換することなく内側容器の交換のみで爆破処理を続けることができ、ランニングコストを低減できるとともに交換の手間を小さくすることができる。
また、この二重構造の耐圧容器において、前記内側容器に前記連通孔を設けるとともに、この連通孔と対応する位置に前記第1吸引部を設けておけば、爆破後に耐圧容器内の有害なガスや粉塵等を排気する際に、この第1吸引部を通じて、前記内側容器内のガス類のみならず爆破時に前記連通孔から外側容器側に排出されたガス類とを同時に吸引することができる。
さらに、前記第2吸引部を前記第1吸引部と前記耐圧蓋との間に設けておけば、前記耐圧蓋および内蓋を開いて前記外側開口部および内側開口部を開放する際に、この開口部から外側に拡散しようとする前記ガス類を効率よく吸引することができる。すなわち、このガス類のうち前記第1吸引部における吸引力が及び難い位置に存在するガス類は、前記外側開口部および内側開口部が開放されると、この開口部から外側に拡散しようとする。しかし、吸引装置によって前記第2吸引部に吸引力が発生するので、前記ガス類はこの第2吸引部に導入され、当該ガス類の外部への拡散が抑止される。特に、前記開口部付近では、内側容器内のガス温度が外部の大気温度よりも高いために上昇気流が発生するので、この第2吸引部を前記のように外側容器の天壁に設けておけば、この上昇気流にのったガス類を効率よく吸引することができる。従って、本構成によれば、前記第1吸引部の吸引力を高めることなく、耐圧容器内の有害物質の外部への拡散を効率良く抑止することができる。また、前記連通孔から外側容器側に排出されたガス類が前記開口部側に回って、第1吸引部からの吸引が困難となった場合でも、当該ガス類を確実に吸引することができ、有害物質の外部への拡散を抑えることができる。
また本発明において、前記内側容器が前記外側容器の底壁上に載置されるとともに、これら内側容器と外側容器との隙間が上側に偏在しているのが好ましい。
この構成によれば、前記上昇気流にのったガス類を効率よく外側容器と内側容器との隙間に導入することができるので、この導入されたガス類を第2吸引部で吸引することで有害物質の外部への拡散を確実に抑止することができる。
また本発明において、前記吸引装置は、前記第1吸引部及び前記第2吸引部の双方に接続される共通の吸引ポンプと、前記第1吸引部からこの吸引ポンプに吸引されるガスの流量を変化させる第1調整部と、前記第2吸引部から前記吸引ポンプに吸引されるガスの流量を変化させる第2調整部とを含むのが好ましい。
このような構成によれば、各調整部を用いて、共通の吸引ポンプに接続された第1吸引部および第2吸引部の吸引量のバランスを容易に変更できるので、各吸引部に対応した複数の吸引ポンプを設けることなく、耐圧容器の大きさや爆破処理後の容器内のガス温度等の条件に合わせて、より効率のよい吸引処理を行うことができる。
以上のように、本発明によれば簡単な構成で、効率よく有害物質の外部への拡散を抑止することができる。
以下、図面を参照しつつ、本発明に係る爆破処理装置の一実施形態について説明する。
まず、本実施形態に係る爆破処理装置で爆破処理する爆発物の一例として、化学兵器である化学爆弾を図3に基づいて説明する。この図3は、前記化学爆弾の概略構成を示した断面図である。
この図3に示す化学爆弾(爆発物)100は、弾頭110と、炸薬筒111と、爆弾殻120と、姿勢制御羽根130とから構成されている。
前記炸薬筒111は、前記弾頭110から後方に延び、この炸薬筒111には、炸薬(爆薬)112が収容されている。前記弾頭110には、前記炸薬筒111内の炸薬112を炸裂させるための信管113が内設されている。
前記爆弾殻120は、その中に前記炸薬筒111を収容する状態で前記弾頭110に接続されている。この爆弾殻120の内部には、液状の化学剤(有害物質)121が充填されている。前記姿勢制御羽根130は、前記爆弾殻120の軸方向端部のうち前記弾頭110と反対側の端部に配設され、投下時における化学爆弾100の姿勢を制御する。
尚、前記爆弾殻120の上部にはこの化学爆弾100を吊り上げるのに用いられる吊り環140が付設され、この吊り上げによって前記化学爆弾100が飛行機に搭載される。
この実施の形態で処理対象となる爆発物は、前記のように少なくとも爆薬112と化学剤121とを有する化学爆弾100の全部又は一部である。なお、本発明は、上述の如く化学剤121が充填された状態の化学爆弾100を爆破処理する場合に限らず、化学爆弾を解体した後の炸薬部のみを耐圧容器内で爆破処理する場合にも適用することができる。
例えば、本発明は、TNT、ピクリン酸、RDX等の軍事用爆薬の爆破処理や、マスタード、ルイサイド等のびらん剤、DC、DA等のくしゃみ剤、ホスゲン、サリン、青酸等の化学剤の爆破処理に適用することができる。
また、例示した化学爆弾100のみならず、例えば有機ハロゲン等の有害物質を容器に入れた状態で爆破処理する場合にも、本実施形態の爆破処理装置を用いることが可能である。
次に、上述の化学爆弾100等の爆発物を爆破処理する場合について、図1に基づいて説明する。この図1は、前記爆破処理装置の概略構成を示した模式図である。
図1に示す爆破処理装置1は、耐圧容器10と、各種排気装置とを主要な構成要素として含んでおり、テント20内に収容されている。
前記耐圧容器10は、鉄等により形成された防爆構造を有し、内部で化学爆弾100等の爆発物を爆破処理する際に、その爆圧に耐えられる強度を有するように、また、その処理時に発生する有害物質等が外部に漏れないように堅固に構成されている。
前記耐圧容器10の構成の詳細を図2を参照して説明する。この図2は耐圧容器10の概略構成を示した断面図である。
この図2に示すように、前記耐圧容器10は外側容器31と内側容器32の二重構造とされている。この外側容器31は、爆破時の衝撃を保持するとともに爆破時に内部で発生する有害物質等の外部への漏洩を防止するのに十分な強度をもつ鉄等からなる強固な耐圧容器である。また、この外側容器31は、円筒状に形成され、その長手方向の片側端部には外側開口部31aが形成されるとともに、外側容器31の本体部分に対して着脱可能で前記外側開口部31aを開閉可能な耐圧蓋11を有している。そして、この耐圧蓋11が閉じられることにより、外側容器31内は密閉される。さらに、前記外側開口部31aの反対側には、外側容器31の内外を連通する第1吸引部17が形成されるとともに、その天壁には、この第1吸引部17と前記外側開口部31aとの間であって外側開口部31aに近い位置に、外側容器31の内外を連通する第2吸引部18が形成されている。
前記内側容器32は、外側容器31と同様に円筒状に形成された容器であり、爆破時にその内部で発生する衝撃荷重を受け止めるとともに、飛来する弾殻の破片との衝突に耐えるために鉄等の強固な材質で製造されている。また、この内側容器32にも、その長手方向の片側端部に内側開口部32aが形成されるとともに、内側容器32の本体部分に対して着脱可能で前記内側開口部32aを開閉可能な内蓋33が設けられている。この内蓋33は前記耐圧蓋11と対応する側に設けられている。また、この内側容器32には、前記内蓋33の反対の端部であって前記外側容器31に設けられた第1吸引部17と対応する位置に、その内外を連通する連通孔16が設けられている。
この内側容器32は、前記外側容器31に対して緊密には固定されておらず、外側容器31に対して若干の相対変位が可能なように緩装されるとともに、内側容器32と外側容器31との間に形成される隙間が上側に偏在するように、外側容器31の底壁上に載置されている。
このようにして形成された耐圧容器10の上部には、複数の注入口12が設けられており、これらの注入口12は、爆破処理前の耐圧容器10内への酸素の注入や、爆破処理後の除染作業の際の耐圧容器10内への空気、水、洗浄剤等の注入に用いられる。
前記外側容器31に形成された第1吸引部17は、爆破処理前にはフィルタ13bおよび真空ポンプ13aと接続されて、この真空ポンプ13aによって前記耐圧容器10内から空気を排出し、耐圧容器10内を減圧状態または真空状態にするよう構成されているとともに、爆破後には、切替えバルブ13の操作によって吸引装置に接続されて、耐圧容器10内の有害物質を含むガスや弾殻の残骸といった粉塵等を吸引、排気するように構成されている。
前記吸引装置は吸引ポンプ19と、この吸引ポンプ19と第1吸引部17との間に設けられた第1調整バルブ(第1調整部)19aと、吸引ポンプ19と第2吸引部18との間に設けられた第2調整バルブ(第2調整部)19bとを有しており、各調整バルブ19a,19bと吸引ポンプ19との間には前記ガス類を浄化するための活性炭フィルタ19cが設置されている。そして、この第1調整バルブ19aと第2調整バルブ19bとを調整することで、第1吸引部17および第2吸引部18における吸引ポンプ19による吸引力のバランスを調整することができる。これら第1吸引部17および第2吸引部18の作用についての詳細は後述する。
さらに、前記耐圧容器10の底部には、排水口14が設けられており、この排水口14を通じて除染作業後の廃液が処理槽15に排水される。
また、前記耐圧容器10の外部には、耐圧容器10内に固定された化学爆弾100等の爆発物を点火するための図示されない点火装置が設けられており、この点火装置は、遠隔操作による爆破処理を可能にする。
なお、万一、前記化学爆弾100等の爆発物が前記耐圧容器10を打ち破った場合であっても前記テント20が保護されるように、前記耐圧容器10の周囲に強固な壁が設置されることが好ましい。
前記テント20は図示しないドアを有し、このドアが開かれた状態で、前記テント20内への前記耐圧容器10や化学爆弾100等の爆発物の搬入が行われる。また、前記テント20には排気口21が設けられ、この排気口21は、ブロア21aを用いて前記テント20の内部から活性炭等のフィルタ21bを通して排気することに用いられる。
次に、この爆破処理装置1において化学爆弾100を爆破処理する方法について説明する。
前記テント20内に搬送された化学爆弾100が前記内側容器32内に設置されると、内蓋33および耐圧蓋11が閉じられ耐圧容器10内が密閉される。そして、前記第1吸引部17に接続された真空ポンプ13aによって耐圧容器10内の空気がフィルタ13bを介して排気され、耐圧容器10内が減圧または真空状態になり、この状態において、図示しない点火装置により点火が行われ、前記化学爆弾100が爆破される。
前記化学爆弾100の爆破が終了すると、注入口12から空気、水、洗浄剤等を注入して廃液を耐圧容器10から処理槽15に排出する。そして、前記切替えバルブ13を操作して、第1吸引部17と吸引ポンプ19を接続し、吸引ポンプ19を作動させて、耐圧容器10内の有害物質を含むガス類を第1吸引部17および第2吸引部18から吸引、排気しつつ、内蓋33および耐圧蓋11を開ける。その後。開放された耐圧容器10内の洗浄を行い、次の爆破処理の準備等を行う。
ここで、前記爆破時には、爆発により衝撃荷重が発生するとともに化学爆弾100の弾殻等の金属破片が高速で飛散するが、本耐圧容器10は前記のように外側容器31と内側容器32との二重構造になっているため、この衝撃荷重および破片等は内側容器32で受け止められて、外側容器31にはほとんど損傷が加えられない。従って、この内側容器32を交換するだけで、爆破処理を再開することができる。
また、前記有害物質を含むガス類は、内側容器32内のみならず、この内側容器32内から前記連通孔16を通って外側容器31と内側容器32との間に形成された隙間にも充満するが、前記第1吸引部17が連通孔16を介して内側容器32内と連通しているとともに、前記隙間とも連通しているので、この第1吸引部17を通じて吸引ポンプ19により前記隙間に充満した有害なガス類を吸引することができる。
また、前記第1吸引部17における吸引力が及び難く、この第1吸引部17からは吸引され難い位置に存在するガス類は、内蓋33および耐圧蓋11を開いて内側容器32および外側容器31の開口部31a、32aを開放すると、内側開口部32aから外部に向けて拡散しようとする。しかし、吸引ポンプ19に接続された第2吸引部18が前記外側容器31の天壁に設けられているので、この第2吸引部18に発生する吸引力によって、前記ガス類を外側容器31と内側容器32との隙間内に吸引し第2吸引部18から容器外へ回収することができる。特に、前記開口部31a、32a付近には、内側容器32内の高温ガスと外部の大気との温度差に基づいて上昇気流が発生するため、前記のように第2吸引部18を外側容器31の天壁に設けておけば、効率良く吸引することができる。また、前記連通孔16から外側容器31側に排出されたガス類が、前記開口部側に回ったとしても、この第2吸引部18から吸引することができるので、前記有害物質を含むガス類の外部への拡散を確実に抑止することができる。
以上のように、本実施形態の耐圧容器10は、爆破時の圧力を保持する強度をもつ外側容器31と、爆破時の衝撃荷重や弾殻等を受け止めて外側容器31を保護する内側容器32とを備えるので、外側容器31の損傷を小さくすることができる。従って、前記堅固な構造を必要とされる重厚な外側容器31を含む耐圧容器10の全体を交換する必要がなく、内側容器32のみの交換によって爆破処理を再開することができる。すなわち、本爆破処理装置1によれば、従来の耐圧容器に比べて爆破処理装置1のランニングコストを低減させることが可能になる。
また、爆破後においては、内側容器32内のガス類および内側容器32から連通孔16を介して外側容器31側へ排出されたガス類を第1吸引部17から吸引するとともに、内側容器32の内側開口部32aから外側へ拡散しようとする前記ガス類を第2吸引部18から吸引することによって、この有害物質を含むガス類の外部への拡散を抑止することができる。
さらに、前記第1吸引部17と吸引ポンプ19および第2吸引部18と吸引ポンプ19との間にそれぞれ設けられた第1調整バルブ19aおよび第2調整バルブ19bを操作して、各吸引部で発生させる吸引量のバランスを調整することができるので、より効率よく吸引することが可能になる。
また、内側容器32と外側容器31との隙間が上側に偏在するように構成すれば、前記ガス類をこの隙間に導入することができるので、より効果的に前記ガス類の外部への拡散を抑止することができる。
ここで、前記実施形態では、内側容器32が外側容器31に対し緩装されているものについて示したが、本発明は、前記内側容器32が前記外側容器31に緊密に固定されるものも含む。しかし、前記のように緩装されているものであれば、爆発処理時の衝撃が外側容器31に直接伝わりにくく、また、内側容器32と外側容器31との連結部分に過大な力が加わらない。従って、当該連結部分が損傷しにくく、前記耐圧容器10の耐久性がより向上する。
なお、前記実施形態は、爆破処理装置1が屋外に設置されるものであるが、本発明は、爆発物を密閉した耐圧容器10が地下に埋設され、この地下で爆破処理が行われる場合も含む。
本発明に係る爆破処理装置の全体図である。 本発明に係る耐圧容器の概略断面図である。 本発明に係る耐圧容器内で処理される化学爆弾の例を示す断面図である。
符号の説明
1 爆破処理装置
10 耐圧容器
11 耐圧蓋
16 連通孔
17 第1吸引部
18 第2吸引部
19 吸引ポンプ(吸引装置)
19a 第1調整バルブ(第1調整部)
19b 第2調整バルブ(第2調整部)
31 外側容器
32 内側容器
31a 外側開口部
32a 内側開口部
33 内蓋
100 化学爆弾

Claims (3)

  1. 処理対象物を爆破処理するための爆破処理装置であって、
    内部で前記爆破処理が行われる耐圧容器と、
    この耐圧容器に接続され、当該耐圧容器の内部のガスを外部へ吸引する吸引装置とを備え、
    前記耐圧容器は、特定方向に延び、その両端部のうちの一方の端部に外側開口部及びこの開口部を開閉する耐圧蓋を有し、この耐圧蓋が閉じられることにより内部が密閉される外側容器と、この外側容器の内側に配設され、前記耐圧蓋と同じ側の端部に内側開口部及びこの内側開口部を開閉可能な内蓋を有するとともに、この内蓋と反対側の端部にその内外を連通する連通孔を有する内側容器とを含み、
    前記外側容器は、前記内側容器の連通孔と対応する位置に設けられ、当該外側容器の内外を連通する第1吸引部と、この外側容器の天壁に設けられ、前記第1吸引部と前記耐圧蓋との間に位置し、当該外側容器の内外を連通する第2吸引部とを有し、
    これら第1吸引部及び第2吸引部は、当該両吸引部に前記吸引装置が接続されることにより、当該第1吸引部及び前記内側容器の連通孔を通じて前記内側容器内の爆破後のガスが吸引されるとともに、前記内蓋が開いたときに前記内側容器から前記内側開口部を通じて放出するガスが前記外側容器の天壁と前記内側容器との隙間から吸引される位置に設けられていることを特徴とする爆破処理装置。
  2. 請求項1に記載の爆破処理装置において、
    前記内側容器が前記外側容器の底壁上に載置されるとともに、これら内側容器と外側容器との隙間が上側に偏在していることを特徴とする爆破処理装置。
  3. 請求項1または2に記載の爆破処理装置において、
    前記吸引装置は、前記第1吸引部及び前記第2吸引部の双方に接続される共通の吸引ポンプと、前記第1吸引部からこの吸引ポンプに吸引されるガスの流量を変化させる第1調整部と、前記第2吸引部から前記吸引ポンプに吸引されるガスの流量を変化させる第2調整部とを含むことを特徴とする爆破処理装置。
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