JP3987432B2 - スキンプリッカに関する改良 - Google Patents

Description

【０００１】
本発明はスキンプリッカ（皮膚穿刺具）に関する。本発明はEP-B-0634000に記載のスキンプリッカの改良であり、かつ一旦発射されるとランセットが針尖端の孔を介して押し戻されず、再コック（cock)されず、かつ再発射されないことを確実にすることに関する。
【０００２】
本発明の１つの特徴によれば使い捨てプリッカが提供され、前記プリッカはバネ負荷された長手移動自在のランセットを担持した細長いハウジングを含み、前記ランセットの先端部は、通常、前記ハウジング内にある。前記プリッカは、更に、バネ手段を励起する完全収縮位置に前記ランセットを保持しかつ前記ランセットの先端部を前記ハウジングの前方端部から突出させる瞬間位置に付かせるために前記ランセットを作動自在に解除または発射するトリガ機構を含み、かつ前記ランセットから後方へ前記ランセットの本体と平行に離隔して延びるバネフィンガを含む反復使用を阻止するための手段を含み、かつ前記ランセットの前進運動時に前記バネフィンガの先端部がスナップ係止する当接部を前記ハウジングの内壁上に含み、発射後に所定力より大きな力により前記ランセットを押し戻す試みによって前記バネフィンガは、前記当接部に前記先端部が当接し、前記ハウジングの内壁と前記ランセットの本体との間に拘束されることにより座屈してＶ字形の尖部が後方を指す楔を形成する。
前記トリガ機構は、本願に全内容が参考として組み込まれるＥＰ−Ｂ−０６３４０００（日本国特許番号第２６３５８２３号）に記載のトリガ機構を採用している。
【０００３】
好適には、前記ランセットは両側に対称的な２つのフィンガを有し、かつ前記ハウジングは２つの対峙する当接壁を有し、前記当接壁は内方かつ前方に尖端を有する顎部として形成されている。
【０００４】
一形態として、前記バネフィンガは前記ランセットの本体から外方に傾斜すると共に後方へ延びている。
【０００５】
選択的に、前記バネフィンガは前記ランセットの本体の隣接部から概ね平行に離隔するが外方へ拡がった先端部を有する。
【０００６】
針の尖端部は、前記フィンガの先端部が前記当接壁の直ぐ後に付く初期予備発射位置から完全収縮位置へ前記ランセットを押し戻すことのできる細長いキャップにより当初は保護されていてよい。前記キャップの再使用を阻止するために、発射後に前記ランセットを前記当接壁によって保持する位置を越えて前記ランセットを押し戻す付勢に対して、前記細長いキャップは、前記キャップが前記ランセットを前記初期予備発射位置から収縮させるために使用されるときには有意義でない弱部を有する。この弱部は、発射後に前記ランセットを押し戻すために使用されるとき等のように過剰な軸方向圧縮を前記キャップが受ける場合には前記キャップを変形させる。前記弱部は前記細長いキャップの断面の局部的減少により適宜形成される。
【０００７】
前記弱部を有するキャップは前記ランセットおよび前記プリッカによる制限を受けない。
【０００８】
従って、本発明の他の特徴によれば、本発明はスキンプリッカ用ランセットを提供する。前記ランセットは針のまわりに分離可能キャップと一体成形されたプラスチック本体を有し、前記キャップは前記針および前記針の尖端を包囲する端部と整列する細長いステムを有し、前記針の尖端は前記キャップが除去されるときに露出され、前記ステムは弱化領域を有し、それにより所定レベルを越える前記キャップの長手圧縮が前記ステムを座屈させる。
【０００９】
前記弱化領域は前記ステムに刻まれた少なくとも１つの切欠きにより適宜形成され、かつ好適には前記切欠きは両側にありかつ前記ステムの長手方向で相互にオフセットしている。他の可能性は、前記弱化領域は前記ステムを横切る孔により形成されているか、または前記ステムの首部により形成されている。
【００１０】
本発明のより良い理解のために、添付図面を参照して例示として幾つかの実施形態を以下に説明する。
【００１１】
図１および２の装置はランセット２を保持するために長手方向のスリット部で結合された二分割部から成るバレル１を有する。ランセット２は針３を包囲するプラスチック本体を有し、針３の尖端はプラスチック本体と一体成形され、捩じって取り除くことのできる細長いキャップ４内に最初は埋設されている。キャップ４はEP-B-0634000と同一目的に寄与する。ランセット２を前方へ駆動するバネ、およびそれを解放するトリガは説明を簡単にするために図１には示されていない。ただし、図５および６に EP-B-0634000 に開示されたトリガに対応するトリガが一部簡単に示されている（ EP-B-0634000 の図面を参照）。
【００１２】
ランセット本体はバレルの前方部に回転不可能に案内される大きな頭部５を有する。ステム６が頭部から後方へ延びバネの先端を位置決めする成形部７で終端する。ステム６の両側にはフィンガ８が頭部５とステム６との間の移行部で肩部の根元から外方かつ後方へ延びている。フィンガ８は拡大部９で終端している。フィンガ８はプラスチック本体と一体成形されており、弾力的可撓性を有しかつバネとして作用する。
【００１３】
バレル１の内部には、内方かつ前方に傾斜した顎部（barb)１１で終端する漸次的傾斜面１０が両側で長手の略中心から後方に向かって拡がっている。
【００１４】
初期において、拡大部９はバネ弛緩により顎部１１の背後にある。キャップ４が押圧されてランセットを収縮し、かつそこでその装置がコック（cock）する。キャップ４は捩じって取り外されかつ装置が付勢されて発射する。針の尖端がバレルの前方端部から瞬間的に表れる直前で、拡大部９が顎部１１にスナップ係止するときに、バネのスラストがランセットを前方へ付勢し、かつフィンガ８が内方へ撓曲する。過剰に伸張したバネが収縮するときに、拡大部９は傾斜面１０に沿って摺動して顎部１１により形成されたフックと係合する。ラチエット機構が効果的に作用する。
【００１５】
図１に示された位置で、キャップ４はその装置をコック位置へ回復させるために押し戻される。
【００１６】
しかし、キャップが更に押し戻される場合には、ランセットの主本体が少なくとも初期移動し、フィンガ８が顎部１１に捕捉される。そこで、フィンガは、図２に示されたように、顎部１１とステム６との間に挟まれ、捩じれて即ち座屈してＶ字の尖部が後方を指すＶ字形の楔を形成する。拡大部９はフィンガ８の両端部が顎部から外れないことを確実にする。
【００１７】
このようにして、ランセットはコック位置に達する前に拘束されかつ不動になり、再発射を阻止される。
【００１８】
図３および４の装置は図１および２の装置と多くの点で類似しており、対応する部品は同様に示されている。
【００１９】
大きな相違点は参照番号１８で示されたバネフィンガにある。バネフィンガ１８は頭部５とステム６間の移行部で肩部の先端から後方へ延び、かつ通常はステム６から平行に離隔している。バネフィンガ１８は外方に拡がった先端部１９で終端する。
【００２０】
ラチエット動作は上述の通りである。ランセットが前進運動の終点に向けて発射されると、先端部１９は顎部１１へスナップ係止し、瞬間的にフィンガ１８が内方へ撓曲する。ランセットの跳ね返りにより先端部１９は顎部１１と緩く係合する。ランセット上へのなんらかの後方力がその係合を促進し、かつランセットの後方運動がフィンガ１８により抵抗を受け、フィンガ１８は長手方向の軽い圧縮下で直線を維持する。しかしながら、この後方力が一旦一定レベルに達すると、図４に点線で示されたように、フィンガ１８の主な長手の外側で顎部１１と先端部１９との係合によってフィンガ１８は曲折を開始し、かつフィンガ１８は外方でなく内方へ撓曲する。先端部１９は顎部１１の鋭角へ向かって外方かつ後方へ突進し、かつ従って、顎部１１を飛び越さないようになる。更に力が加わるとフィンガ１８が座屈して上記実施形態と同様に楔を形成する。
【００２１】
これらの装置は必ず小型装置であり、かつ顎部１１およびそれと係合するフィンガ１８の寸法は同様に小型である。適度な後方力が発射後のランセットに加わる場合には顎部１１およびフィンガ１８は上述のごとく作動するが、実際に実行される押圧は顎部１１の係合を解除しかつ装置を再コックさせる。この押圧を加えるための自明器具は使用直前に取り外されているがおそらく廃棄されていない細長いキャップ4である。
【００２２】
更に安全な方法として、上記実施形態には適用されていないが、キャップ４は発射後のランセットを収縮させるためには使用不可に構成されてよい。図５および６の例において、２つの切欠き２０および２１がジグザグ形態でキャップ４のステム６の長手中心まわりの僅かに異なる軸位置で両側に形成されている。キャップ４はバネに対して装置の初期作動に充分に剛性であるが、ランセットが顎部１１により保持される場合には、顎部１１またはフィンガ８または１８の先端部が崩れる前に図６に示されたように、折れ曲がるものである。
【００２３】
キャップを弱化させる他の好適方法は、単純には、長手中心まわりでキャップを横断する孔を形成する方法である。選択的に、単一切欠きで充分であり、また首部を有する形態であってもよい。
【００２４】
上述の実施形態において、ランセットはバネフィンガ８または１８に対して両側に対称的である。好適には、単一フィンガで充分なようにランセットを構成しかつ案内することが可能であればよい。
【図面の簡単な説明】
【図１】 ランセット発射後のスキンプリッカの軸断面図である。
【図２】 発射後にランセットを収縮させる試みを示すスキンプリッカの軸断面図である。
【図３】 ランセット発射前の他のスキンプリッカの軸断面図である。
【図４】 発射後の図３のランセットを示すスキンプリッカの軸断面図である。
【図５】 針尖端用の安全キャップを有するスキンプリッカの側面図である。
【図６】 発射されたランセットを収縮させる試みに使用されるキャップを示す側面図である。

Claims (8)

1. バネ負荷された長手移動自在のランセットを担持した細長いハウジング、
   バネ手段を励起する完全収縮位置に前記ランセットを保持しかつ前記ランセットの先端部を前記ハウジングの前方端部から突出させる瞬間位置に付かせるために前記ランセットを作動自在に解除または発射させるトリガ機構、
   前記ランセットから後方へ前記ランセットの本体と平行に離隔して延びるバネフィンガを含む反復使用を阻止するための手段、および
   前記ランセットの前進運動時に前記バネフィンガの先端部がスナップ係止する当接部を前記ハウジングの内壁上に含み、
   前記ランセットの先端部は通常は前記ハウジング内にあり、
   発射後に所定力より大きな力により前記ランセットを後方へ押す試みによって前記バネフィンガは、前記当接部に前記先端部が当接し、前記ハウジングの内壁と前記ランセットの本体との間に拘束されることにより座屈してＶ字形の尖部が後方を指す楔形を形成する使い捨て可能スキンプリッカ。
2. 前記ランセットは両側に対称的な２つのバネフィンガを有し、かつ前記ハウジングは２つの対峙する当接部を有する、請求項１に記載の使い捨て可能スキンプリッカ。
3. 前記当接部は内方かつ前方に尖部を有する顎部として形成されている、請求項１または２に記載の使い捨て可能スキンプリッカ。
4. 前記バネフィンガは前記ランセットの本体から外方に傾斜すると共に後方へ延びている、請求項１〜３のいずれか１に記載の使い捨て可能スキンプリッカ。
5. 前記バネフィンガは前記ランセットの本体の隣接部から概ね平行に離隔するが外方へ拡がった先端部を有する、請求項１〜３のいずれか１に記載の使い捨て可能スキンプリッカ。
6. 針の尖端部は、前記バネフィンガの拡大先端部が前記当接部の直ぐ後に付く初期予備発射位置から完全収縮位置へ前記ランセットを押し戻すことのできる細長いキャップにより当初保護されている、請求項１〜５のいずれか１に記載の使い捨て可能スキンプリッカ。
7. 前記細長いキャップは、前記キャップが前記ランセットを前記初期予備発射位置から収縮するために使用されるときには有意義でないが、発射後に前記ランセットを押し戻すために使用されるときに前記キャップを変形させる弱部を有する、請求項６に記載の使い捨て可能スキンプリッカ。
8. 前記弱部は前記細長いキャップの断面の局部的減少により形成され、前記変形が座屈である、請求項７に記載の使い捨て可能スキンプリッカ。

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