JP2019217300A - インジェクター、ランセットアッセンブリおよび穿刺デバイス - Google Patents

インジェクター、ランセットアッセンブリおよび穿刺デバイス Download PDF

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秀明 佐伯
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博和 居森
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裕 花房
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晃之 阿部
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和治 関
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Abstract

【課題】穿刺深さ調節機構を備えた、より好適なインジェクターおよびランセットアッセンブリから構成される穿刺デバイスを提供する。【解決手段】穿刺深さ調節機構が、プランジャーからその横断方向に外側へと突出する突出部、凹凸部およびステップ部を備えた円筒部材、並びに、インジェクターの軸方向に沿って円筒部材と横並びに設けられたバネ部材を有する。凹凸部を成す面の法線がインジェクターの軸方向と略平行になるように凹凸部が円筒部材に設けられ、凹凸部の一部と相補的な形状を有する相補形状部がインジェクター・ケーシングに設けられ、バネ部材から供される押圧力によって円筒部材の凹凸部の一部とインジェクター・ケーシングの相補形状部との当接が保持されている。穿刺に際してプランジャーが前方に移動した際、プランジャーの突出部が、円筒部材のステップ部に衝突することで、プランジャーがそれ以上の前方へと移動できないようになっている。【選択図】図13

Description

本発明は、血液などの体液を採取する目的で身体の所定の箇所を鋭利な部材(例えば針)で穿刺する用途に用いられる穿刺デバイスに関する。特に、本発明は、かかる穿刺デバイスの構成要素であるランセットアッセンブリ(ランセットおよびそれを収容しているランセットホルダーから成るアッセンブリ)と、そのようなランセットアッセンブリと組み合わせて用いるインジェクターにも関する。
糖尿病患者の血糖値の測定には血液を採取する必要がある。微少量の血液を採取するために種々の穿刺デバイスが使用されている。そのようなデバイスは、ランセット(例えば特許文献1)およびインジェクターから一般に構成されている。ランセットは実際の穿刺に供する部材である一方、インジェクターはランセットを所定箇所に向かって発射させる機能を有している。
具体的には、ランセットに“穿刺針”が設けられている一方、インジェクターに“ランセット装着部およびスプリングを具備したプランジャー”が設けられている。プランジャーのスプリングは圧縮状態で使用され、その圧縮状態を解放することによって、プランジャーが瞬時に動くことになる。使用に際しては、インジェクターのプランジャーに対してランセットを取り付けた後、トリガーによってプランジャーのスプリングの圧縮状態を解放する。これによって、ランセット付きプランジャーが穿刺方向へと発射されることになり、所定箇所の穿刺が行われる。
米国特許明細書第5385571号公報
本出願人は、これまでに以下で説明する穿刺デバイスについて発明を為しており、その発明に関する出願を行っている(国際特許公開第2007/018215号公報、出願日:2006年8月8日、発明の名称:「穿刺デバイスならびにそれを構成するランセットアッセンブリおよびインジェクター・アッセンブリ」)。図面を参照しながら、この発明に係るランセットアッセンブリおよびインジェクター・アッセンブリを簡潔に説明する(以後では、「インジェクター・アッセンブリ」を「インジェクター」とも称して説明する)。図47にランセットアッセンブリ100’の外観を示すと共に、図48にインジェクター200’の外観を示す。図47に示すように、ランセットアッセンブリ100’は、ランセット101’および保護カバー102’から構成されている。図49および図50に示すように、ランセット101’は、ランセットボディ104’、ランセットキャップ106’および穿刺針105’を有して成る。金属製の穿刺針105’は、樹脂製のランセットボディ104’およびランセットキャップ106’にまたがって存在している。穿刺針105’の先端部は、ランセットキャップ106’によってカバーされていると共に、ランセットキャップ106’とランセットボディ104’とが弱化部材108’を介して一体に結合している。図47および図50に示すように、保護カバー102’は、ランセットボディ104’の一部を包囲するように設けられている。このようなランセットアッセンブリ100’は、インジェクター200’に装填された後でランセットキャップ106’が取り外される。これにより、穿刺針105’の先端部が露出するので、ランセットを穿刺に供すことができる。
図48に示すインジェクター200’は、ランセットアッセンブリ100’と組み合わせて用いて、「穿刺針105’の先端が露出した状態のランセットボディ」を発射することができるデバイスである。インジェクター200’は、「ランセットボディの後端部と係合でき、ランセットボディを穿刺方向に発射させるプランジャー204’」を有して成る(図51参照)。インジェクター200’に装填するに際しては、図51に示すように、ランセットアッセンブリ100’をインジェクター200’の前端開口部214’から挿入する。ある程度挿入すると、図52に示すように、ランセットアッセンブリ100’の後方部分116’が、プランジャー204’の先端部264’, 266’によって把持される。引き続いて挿入を継続すると、プランジャー204’が後退して発射エネルギーが蓄積される。つまり、プランジャー204’の後退により、プランジャー204’に設けられたバネ(図示せず)が圧縮する(従って、その圧縮状態を解放すると、プランジャーが前方へと瞬時に移動し、ランセットが発射されることになる)。プランジャーが後退して発射エネルギーが蓄積された状態のインジェクター200’を図53に示す。
ランセットアッセンブリ100’のインジェクター200’への装填が完了すると、ランセットキャップ106’を取り外して穿刺針105’の先端を露出させる。ランセットキャップ106’の取外しについて詳述すると次のようになる。図49および図50に示すように、ランセットボディ104’とランセットキャップ106’とは、その間に位置する弱化部分108’によって一体に結合されている。かかる弱化部材108’は、ランセットボディ104’とランセットキャップ106’とを穿刺針の周囲で相対的に反対方向に回すことによって破壊させることができ(図53にはG方向に回す態様が示されている)、それによって、ランセットキャップ106’を取り外すことができる。即ち、いわゆる“ツイストオフ”によって、穿刺針105’の先端を露出させる。
穿刺に際しては、穿刺すべき所定の部位(例えば指先)にインジェクター200’の前端開口部214’をあてがった後、トリガー部材514’のプレス部分542’を押す(図54参照)。かかるプレス部分542’の押し込みによって、プランジャー204’が前方へと発射され(つまり、圧縮されていたバネが解放され)、穿刺針によって穿刺が行われることになる。
ここで、インジェクターは、ランセットを発射させる機能を担う重要なものであり、以下のような改善すべき事項が依然あること本願発明者らは見出した。

● 穿刺箇所によっては穿刺針の穿刺深さを変えるニーズがあるところ、穿刺デバイス、特にインジェクターにはそのような穿刺深さを調節する機構が設けられる場合が少ない。また、仮にかかる機構が設けられている場合であってもインジェクターに設けられた深さ調節ダイヤルは必ずしも扱い易いものといえなかった。具体的には、使用者が指先で深さ調節ダイヤルを回すに際して、調節に伴う変化が少なく(例えば、調節ダイヤルの回転時において調節が行われたこと/目盛数値が変わったことを示す“クリック感”が効果的に生じておらず)調節が行われたか否か/目盛数値が適切に変わったか否かなどを感覚的かつ明確に使用者が判別しにくいところがあった。

● ランセットアッセンブリのインジェクターへの装填に際しては、ランセットアッセンブリをインジェクターに対して好適に保持することが望まれるところ、インジェクターの仕様は必ずしもそれに適したものとなっていなかった。また、仮にそのような仕様を考慮したものであっても、十分な機能を呈するものといえない場合が多い。具体的にいえば、インジェクターに設けられた係合突起部などでランセットアッセンブリのホルダーを保持固定することが考えられるが、インジェクター自体が樹脂製であり、それゆえ、かかる係合突起部も樹脂製となるので、繰り返しの使用に際して係合突起部が磨耗してしまい保持力が低下してしまう。
また、ランセットアッセンブリ自体も、以下のような改善すべき事項が依然あること本願発明者らは見出した。

● ランセットアッセンブリを構成するランセットは、針先を覆っているキャップを最終的に取り外してから使用されるものであるが、そのキャップの取り外しに際して針先が曲がってしまう虞がある。具体的には、キャップを取り外すために行う“もぎり操作”に起因して針先に負荷がかかり、その結果、針先が曲がったり、折れたりすることがあった。特に最近では極細の穿刺針を使用する傾向があり、そのような極細の穿刺針では特に針先が曲がりやすい。針先が曲がると、穿刺時に被採血者が感じる痛みが増すことになる。
本発明は、上記事情に鑑みて為されたものである。つまり、本発明の課題は、より好適なインジェクターおよびランセットアッセンブリから構成される穿刺デバイスを提供することである。
上記課題を解決するため、本発明では、
ランセットアッセンブリのランセットを発射させて穿刺に供するインジェクターであって、ランセットを穿刺方向に発射させるプランジャー、および、プランジャーを内包するインジェクター・ケーシング
を有して成り、
インジェクターの穿刺深さ調節機構が、
プランジャーからその横断方向に外側へと突出する突出部、
凹凸部およびステップ部を備えた円筒部材、ならびに
インジェクターの軸方向に沿って円筒部材と横並びに設けられたバネ部材
を有して成り、
凹凸部を成す面の法線がインジェクターの軸方向と略平行になるように凹凸部が円筒部材に設けられている一方、凹凸部の一部と相補的な形状を有する相補形状部がインジェクター・ケーシングに設けられ、バネ部材から供される押圧力によって円筒部材の凹凸部の一部とインジェクター・ケーシングの相補形状部との当接が保持されており、
穿刺に際してプランジャーが前方に移動した際、プランジャーの突出部が、円筒部材のステップ部に衝突することで、プランジャーがそれ以上の前方へと移動できないようになっており、また
穿刺深さの調節に際しては、円筒部材をその軸中心にて回転させることによって、プランジャーの突出部が衝突することになるステップ部を異なる高さのステップ部へと変更でき、それによって、プランジャーの前方移動距離が変更される、インジェクターが提供される。
本発明に係るインジェクターの特徴の1つは、穿刺深さ調節機構が“凹凸部およびステップ部を備えた円筒部材”を有していることである。特に、円筒部材の凹凸部を成す面(即ち、凹凸面)の法線がインジェクターの軸方向と略平行になるように凹凸部が円筒部材に設けられている一方、凹凸部の一部と相補的な形状を有する相補形状部がインジェクター・ケーシングに設けられ、バネ部材から供される押圧力によって円筒部材の凹凸部の一部とインジェクター・ケーシングの相補形状部との当接が保持されている。これによって、指先で円筒部材を回して穿刺深さを調節するに際して好適な“クリック感”が使用者に供されることになる。
本発明に係るインジェクターのある好適な態様では、凹凸部は円筒部材の外周面の端部領域に設けられており、相補形状部がインジェクター・ケーシングの内壁面に設けられている。別のある好適な態様では、ステップ部が円筒部材の内周面に設けられており、また、プランジャーの突出部が円筒部材の内側かつステップ部の後方に位置付けられるようにプランジャーが円筒部材を貫いている。
円筒部材の凹凸部は、円筒部材の周方向に沿って周期的に連続した形態を有していることが好ましい。円筒部材を回転させて穿刺深さの調節を行うに際しては、インジェクター・ケーシングの相補形状部に当接する円筒部材の凹凸部の一部が別の一部へと変わることになる。このようにインジェクター・ケーシングの相補形状部に当接する円筒部材の凹凸部の一部が別の一部へと変わる際には、バネ部材が一時的に収縮することが好ましい。つまり、バネ部材は、一旦収縮した後、元の形態に戻ることが好ましい。尚、バネ部材は例えばコイルバネであってよい。
別のある好適な態様では、円筒部材には周方向に沿って目盛り数値が付されている一方、インジェクター・ケーシングには円筒部材の目盛り数値を露出させるための目盛り用開口窓が設けられている。かかる態様では、円筒部材の目盛り数値が相互に隣接する第1数値列と第2数値列とから構成されていると共に、目盛り用開口窓がインジェクター・ケーシングの対向する側面において対を成すように設けられた第1開口窓と第2開口窓とから構成されており、第1数値列の数字が第1開口窓から露出する一方、第2数値列の数字が第2開口窓から露出する。
また、本発明では、ランセットアッセンブリのランセットを発射させて穿刺に供するインジェクターであって、ランセットを穿刺方向に発射させるプランジャー、および、プランジャーを内包するインジェクター・ケーシングを有して成り、
インジェクターのランセットアッセンブリ保持機構が、
インジェクターの前端開口部に設けられ、ランセットアッセンブリのホルダーを収めることができるランセットアッセンブリ受容部材、および
ランセットアッセンブリ受容部材に取り付けられた金属製のホルダー挟持部材
を有して成り、
ランセットアッセンブリのホルダーがランセットアッセンブリ受容部材に収まるようにランセットアッセンブリがインジェクターに対して装填されるに際して、ホルダー挟持部材がホルダーを挟持する、インジェクターも提供される。
かかる本発明に係るインジェクターの特徴の1つは、ランセットアッセンブリ保持機構が「インジェクターの前端開口部に設けられ、ランセットアッセンブリのホルダーを収めることができるランセットアッセンブリ受容部材」を有すると共に、「ランセットアッセンブリ受容部材に取り付けられた金属製のホルダー挟持部材」を有していることである。特に、ランセットアッセンブリのホルダーがランセットアッセンブリ受容部材に収まるようにランセットアッセンブリがインジェクターに対して装填されるに際しては、ホルダー挟持部材がホルダーを挟持する。これによって、ランセットアッセンブリのインジェクターへの装填に際してランセットアッセンブリをインジェクターに好適に保持することができる。
本発明に係るインジェクターのある好適な態様では、ホルダー挟持部材は弾性特性を有している。かかる態様では、ホルダー挟持部材の弾性力に起因してランセットアッセンブリのホルダーがそのホルダー挟持部材によって挟持される。
ホルダー挟持部材の全体形態は、略リング形態、例えば一部切欠きのリング形態を有している。また、ホルダー挟持部材は単一品に限定されず、複数のパーツから構成されていてもよい。例えば、ホルダー挟持部材が、サブ挟持部材Aとサブ挟持部材Bとから成る2パーツ構成を有しており、それらサブ挟持部材Aとサブ挟持部材Bとが互いに対向配置されていてよい。
ホルダー挟持部材は、その一部が内側へと局所的に湾曲した又は折れ曲がった局所湾曲部を有していることが好ましい。“2パーツ構成”の場合では、サブ挟持部材Aおよびサブ挟持部材Bの各々が局所湾曲部を有していることが好ましい。ホルダー挟持部材が局所湾曲部を有する場合、ランセットアッセンブリのインジェクターへの装填に際しては局所湾曲部がランセットアッセンブリのホルダーの外面部(ホルダー外周面やそれに設けられたホルダー周状隆起部など)に接することが好ましい。また、ホルダー挟持部材がランセットアッセンブリ受容部材の外面に密接するように取り付けられていることが好ましく、ランセットアッセンブリ受容部材の内面においてはホルダー挟持部材の局所湾曲部がランセットアッセンブリ受容部材の切欠き部から露出していることが好ましい。尚、局所湾曲部の内側面の少なくとも一部がドーム形態を有する(即ち、局所湾曲部の内側面がドーム形状部を有する)ことも好ましい。つまり、好ましくはホルダー挟持部材のホルダー接触面が略半球形態を有している。
ホルダー挟持部材がサブ挟持部材Aとサブ挟持部材Bとから成る場合、ランセットアッセンブリ受容部材も「インジェクターの前方側に位置付けられたサブ受容部材A」と「インジェクターの後方側に位置付けられたサブ受容部材B」とから成る2パーツ構成を有していることが好ましい。また、サブ受容部材Aは全体としてリング形態を有していることが好ましい。かかる場合、サブ受容部材Aには後方側へと突出した一対の後方突出部が設けられており、一対の後方突出部がサブ挟持部材Aおよびサブ挟持部材B上に位置付けられていることが好ましい。
上記の如くの“穿刺深さ調節機構”および/または“ランセットアッセンブリ保持機構”を有するインジェクターは、エジェクターを有している。つまり、インジェクターに装填されたランセットアッセンブリを排出するためのエジェクターを更に有している。
ある好適な態様では、エジェクターに弾性部分が設けられている一方、インジェクター・ケーシングの内壁面に突起部が設けられている。ランセットとプランジャーとを互いに係合させるべくランセットアッセンブリがインジェクターに装填されるに際して、エジェクターの弾性部分がインジェクターの突起部に一旦当接し、その後に該突起部を乗り越えることが好ましい。特に、エジェクターの弾性部分がインジェクターの突起部を乗り越えた時点でランセットとプランジャーとが完全に係合することが好ましい。
エジェクターは例えば長尺形状を有しており、かかる長尺形状のエジェクターの先端部に弾性部分が設けられていることが好ましい。また、弾性部分は、エジェクター・ボディから枝分かれするように後方へと延在する分岐形態を有することが好ましい。
更には、穿刺深さ調節機構”および/または“ランセットアッセンブリ保持機構”を有するインジェクターは“再チャージ機構”を有していることが好ましい。具体的には、インジェクターは、エジェクターにプランジャー後退用当接部を有していることが好ましい。かかる場合、穿刺後にてエジェクターを後方へと移動させると、エジェクターのプランジャー後退用当接部がプランジャーに当接し、その結果、エジェクターから受ける押圧力に起因してプランジャーを後退させることができるので“再チャージ”が可能となる。
また、本発明では、ランセットおよびそれを収納したホルダーから構成されるランセットアッセンブリも提供される。かかるランセットアッセンブリにおいて、ランセットは、ランセットボディ、ランセットキャップおよび穿刺針を有して成り、金属製の穿刺針が樹脂製のランセットボディおよびランセットキャップにまたがってこれらの中に存在し、ランセットキャップによって穿刺針の針先がカバーされている。そして、ランセットのランセットキャップは、
穿刺針を保護する針先保護部、
針先保護部に連結し、ランセットキャップにて最も前方に位置付けられたキャップヘッド部、および、キャップヘッド部に連結し、該キャップヘッド部から後方へと延在する一対の後方延在部
を有して成り、
ランセットキャップの後方延在部がホルダーの胴体の外側面上にて該外側面に沿って延在している。
本発明に係るランセットアッセンブリの特徴の1つは、キャップヘッド部から後方へと延在する一対の後方延在部を有していることである。特に、ランセットキャップの後方延在部がホルダーの胴体の外側面上にて該外側面に沿って延在している。これにより、キャップの取り外しに際して針先が曲がったり折れたりする不都合を防止できる。尚、ここでいう「ランセットキャップの後方延在部がホルダーの胴体の外側面上にて該外側面に沿って延在している」とは、ランセットキャップの後方延在部の少なくとも中央部分(後方延在部の幅方向に沿った場合の中央部分)がホルダー胴体の外側面上に近接または接するようにそれに沿って延在している。
ある好適な態様では、ランセットキャップがランセットから取り外されるに際してはランセットキャップの後方延在部がホルダーの胴体の外側面を摺動するように後方延在部を回転させることができ、それによって、針先の曲がり・折れをより好適に防止できる。
ある好適な態様では、ランセットキャップの後方延在部の内側面とホルダーの胴体の外側面とが相互に近接または密接している。また、ランセットキャップの後方延在部の内側面の少なくとも一部とホルダーの胴体の外側面の少なくとも一部とが互いに相補的な形態を有していることが好ましい。更に、ランセットキャップの後方延在部は、長尺形状を有しているところ、その自由端が外側に拡がるように後方へと延在していることが好ましい。
本発明のランセットアッセンブリは、ランセットキャップの後方延在部が好適に長く延在した形状的特徴を有している。特に、針先端の位置および/または針先保護部後端の位置との関係に照らしてランセットキャップの後方延在部が長く延在している。具体的には、ランセットキャップの後方延在部の自由端/先端が穿刺針の針先端位置または針先保護部の後端よりもに後方に位置付けられるように後方延在部が後方へと延在している。ある好適な態様では、ランセットキャップの後方延在部は、ランセットボディに至るまで延在している(換言すれば、後方延在部の自由端がランセットボディの上方に位置付けられるように、長尺形状の後方延在部がキャップヘッド部から後方へと長く延在している)。
別のある好適な態様では、ホルダーの胴体には開口部が設けられておらず、また、ランセットキャップの針先保護部およびランセットボディがホルダーからはみ出すことなくホルダー内に収納されている。
更に別のある好適な態様では、ランセットボディが一対の可撓性突出部および一対の屈曲形状可変位部を備えている。一対の可撓性突出部がランセットボディの前方側に設けられているのに対して、一対の屈曲形状可変位部がランセットボディの後方側に設けられていることが好ましい。屈曲形状可変位部は好ましくは中空形態を有している。
ランセットボディが屈曲形状可変位部を備えている場合、ホルダーが屈曲形状可変位部の係止のための被係止部を備えていることが好ましい。かかる場合、屈曲形状可変位部の屈曲部分がホルダーの被係止部に係止可能な状態で位置付けられていることが特に好ましい。
更には、本発明では穿刺デバイスも提供される。つまり、上述のインジェクターおよびランセットアッセンブリとから構成される穿刺デバイスが提供される。
本発明に係る穿刺デバイスの特徴の1つは、好適な“穿刺深さ調節機構”および/または“ランセットアッセンブリ保持機構”を備えたインジェクターと、好適な“キャップ取り外し機構”を備えたランセットアッセンブリとから穿刺デバイスが構成されていることである。
穿刺デバイスに用いられるランセットアッセンブリのホルダーの外周面には周状隆起部が設けられてよい。ある好適な態様では、ランセットアッセンブリをインジェクターに装填するに際して、ホルダーの周状隆起部がホルダー挟持部材のドーム形状部に一旦当接し、その後に当該ドーム形状部を乗り越えることになる。ホルダーの周状隆起部がホルダー挟持部材のドーム形状部を乗り越えると、使用者にクリック感が供される。
別のある好適な態様では、ランセットアッセンブリにおいて屈曲形状可変位部の係止のための“更なる被係止部”をホルダーが備えており、
ランセットとプランジャーとが互いに係合してランセットアッセンブリがインジェクターに装填された後においてランセットのみが前方へと動かされると、ランセットボディの屈曲形状可変位部の屈曲部分がホルダーの“更なる被係止部”へと係止する。屈曲形状可変位部の係止のための“被係止部”および“更なる被係止部”は、例えばホルダーに設けられた開口部の形態を有する。
本発明に係る“穿刺深さ調節機構”を備えたインジェクターでは、穿刺深さの調節に際して好適なクリック感”が使用者に供される。具体的には、バネ部材(特に「インジェクターの軸方向に沿って円筒部材と横並びに設けられたバネ部材」)から供される押圧力によって円筒部材の凹凸部の一部とインジェクター・ケーシングの相補形状部との当接が保持されているところ、穿刺深さの調節のために円筒部材を回転させると、インジェクター・ケーシングの相補形状部に当接する円筒部材の凹凸部の一部が別の一部へと変わることになり、その際にバネ部材の押圧力に起因してクリック感が供されることになる。より具体的には、バネ部材の押圧力が常に働いた条件下で“円筒部材の凹凸部の一部”と“インジェクター・ケーシングの相補形状部”との当接状態から“円筒部材の凹凸部の別の一部”と“インジェクター・ケーシングの相補形状部”との別の当接状態へと瞬時に切り替わることになるので、好適なクリック感”が使用者に供される。
また、本発明に係る“ランセットアッセンブリ保持機構”を備えたインジェクターでは、ランセットアッセンブリをインジェクターに保持する点で十分な機能が呈される。具体的には、ランセットアッセンブリ受容部材に取り付けられたホルダー挟持部材によって、装填中または装填後のランセットアッセンブリをインジェクターに適度に保持することができる。特に、ホルダー挟持部材の有する弾性力に起因してランセットアッセンブリをインジェクターに対して適度に保持できる。このように保持されるので、例えば、ランセットアッセンブリのホルダーを穿刺箇所に押し当てて穿刺を行う際、ホルダーがインジェクター(特には“ランセットアッセンブリ受容部材”)に対して傾くといった不都合が防止され、好適な穿刺が供され得る。また、そもそもホルダー挟持部材は金属製ゆえ、繰り返しの使用によっても磨耗しにくく保持力の低下が防止されている。同様に金属製ゆえに、温度による変動を受けにくいものとなっており、使用場所・使用季節などによらず、一定の保持力が供され得る。
更に、本発明に係る“キャップ取り外し機構”を備えたランセットアッセンブリでは、ランセットキャップをランセットから取り外すに際してランセットキャップの後方延在部がホルダーの胴体の外側面を摺動するように後方延在部を回転させることができる。これにより、キャップ取外し時に穿刺針に及ぼされる力の大部分がその穿刺部材の回転力へと変えられることになり、穿刺針の先端部に及ぼされる力を極力低減することができる。よって、キャップ取り外し時の曲がりや折れなどの穿刺針の損傷が好適に防止される。特に最近では極細の穿刺針を使用する傾向があるところ、そのような極細の穿刺針であっても針先の曲がりを好適に防止することができる。穿刺針における曲がりが防止されると、穿刺針の軌道が略直線的となり、その結果、被穿刺者(即ち被採血者)が穿刺時に感じる痛みを低減できる。これは、特定の理論に拘束されるわけではないが、穿刺針によって被採血者の穿刺箇所が“えぐられる”といった現象が減じられることに起因するものと考えられる。また、本発明のランセットアッセンブリでは穿刺針の“曲がり”が防止されるところ、使用者が異なる場合であっても常に一定の同じ取り外し操作が担保され得るので、穿刺先端部につき実質的に一定した露出状態を得ることができる。従って、使用者が異なる場合であっても穿刺針の穿刺軌道が実質的に一定となり、使用者ごとのばらつきが低減されるといった効果も奏され得る。
図1は、本発明の穿刺デバイスの外観を示した斜視図である。 図2は、本発明のランセットアッセンブリおよびそれを構成するランセットおよびホルダーを示した斜視図である。 図3は、本発明のインジェクターの内部構造を示した斜視断面図である。 図4は、本発明の穿刺デバイスの使用態様を示した斜視図である(ランセットアッセンブリがインジェクターに装填される前)。 図5は、本発明の穿刺デバイスの使用態様を示した斜視図である(ランセットアッセンブリがインジェクターに装填された時点)。 図6は、本発明の穿刺デバイスの使用態様を示した斜視図である(ランセットキャップの取り外し時) 図7は、本発明の穿刺デバイスの使用態様を示した斜視図である(穿刺時) 図8は、本発明のインジェクターの外観を示した斜視図である。 図9は、本発明のインジェクターの内部構造および構成部品を示した斜視図である。 図10は、本発明のインジェクターの内部構造および構成部品を示した斜視図である。 図11は、穿刺深さ調節機構を説明するための模式図である。 図12は、穿刺深さ調節機構を説明するための模式図である。 図13は、穿刺深さ調節機構を説明するための模式図である。 図14は、穿刺深さ調節機構を説明するための模式図である。 図15は、ランセットアッセンブリ保持機構に用いられる「ランセットアッセンブリ受容部材」および「ホルダー挟持部材」を示した斜視図である。 図16は、ランセットアッセンブリ保持機構を説明するための模式図である。 図17は、使用時における穿刺デバイスの経時変化を模式的に表した断面図である(ランセットアッセンブリ装填前)。 図18は、使用時における穿刺デバイスの経時変化を模式的に表した断面図である(ランセットアッセンブリ装填途中)。 図19は、使用時における穿刺デバイスの経時変化を模式的に表した断面図である(ランセットとプランジャーとの係合完了)。 図20は、使用時における穿刺デバイスの経時変化を模式的に表した断面図である(装填完了/チャージ完了)。 図21は、使用時における穿刺デバイスの経時変化を模式的に表した断面図である(穿刺時)。 図22は、使用時における穿刺デバイスの経時変化を模式的に表した断面図である(穿刺後)。 図23は、使用時における穿刺デバイスの経時変化を模式的に表した断面図である(ランセットアッセンブリ排出)。 図24は、再チャージにおける穿刺デバイスの経時変化を模式的に表した断面図である。 図25は、ランセットアッセンブリの外観を示した模式図である。 図26は、ランセットアッセンブリの内部構造を示した模式図である。 図27は、キャップを取り外したランセットの断面図である。 図28は、ランセットアッセンブリ受容部材およびランセットホルダーの好的な変更形態例を示している。 図29は、針先保護部の好適な変更形態例を示している。 図30は、ある好適な形態を有するランセットアッセンブリの外観を示した斜視図である。 図31は、図30(A)に示されるランセットアッセンブリの外観斜視図である。 図32は、図30(A)に示されるランセットアッセンブリの外観平面図である。 図33は、図30(A)に示されるランセットアッセンブリの内部構造平面図である。 図34は、ある好適な形態を有するホルダー挟持部材およびランセットアッセンブリ受容部材を示した斜視図である。 図35は、ある好適な形態を有するホルダー挟持部材およびランセットアッセンブリ受容部材を示した斜視図である。 図36は、ある好適な形態を有するホルダー挟持部材、ランセットアッセンブリ受容部材およびランセットホルダーを示した斜視図である。 図37は、ホルダー挟持部材に起因したクリック感について説明するための模式図である。 図38は、ランセット半抜けによる針露出防止に関連したある好適な形態を有するランセットアッセンブリを示す斜視図および端面図である。 図39は、ランセット半抜けによる針露出防止に関連したある好適な形態を有するランセットアッセンブリを示す断面図(使用前の無負荷状態)である。 図40は、ランセット半抜けによる針露出防止に関連したある好適な形態を有するランセットアッセンブリを示す断面図(使用前のランセット引抜き)である。 図41は、ランセット半抜けによる針露出防止に関連したある好適な形態を有するランセットアッセンブリを示す断面図(ランセットアッセンブリ装填完了後の無負荷状態)である。 図42は、ランセット半抜けによる針露出防止に関連したある好適な形態を有するランセットアッセンブリを示す断面図(ランセットアッセンブリ装填完了後のランセット引抜き)である。 図43は、ランセット半抜けによる針露出防止に関連したある好適な形態を有するランセットアッセンブリを示す断面図(ランセットアッセンブリ装填完了後のランセット引抜き)である。 図44は、ランセット半抜けによる針露出防止に関連したある好適な形態を有するランセットアッセンブリを示す断面図(インジェクターから引き抜かれた後/キャップ除去前)である。 図45は、ランセット半抜けによる針露出防止に関連したある好適な形態を有するランセットアッセンブリを示す断面図(インジェクターから引き抜かれた後/キャップ除去後)である。 図46(a)〜(e)は、針露出防止に関連したある好適なインジェクタ形態に係る穿刺デバイスを示す断面図である。 図47は、ランセットアッセンブリの外観を表した斜視図である(従来技術)。 図48は、インジェクターの外観を表した斜視図である(従来技術)。 図49は、ランセットの外観を表した斜視図である(従来技術)。 図50は、ランセットの内部が分かるように、図49のランセットを半分割した場合の斜視図である(従来技術)。 図51は、ランセットアッセンブリがインジェクターに装填される前の態様を示した斜視図である(従来技術)。 図52は、ランセットアッセンブリの装填によりランセットがプランジャー先端部に把持された態様を示した斜視図である(従来技術)。 図53は、ランセットアッセンブリの装填が完了し、プランジャーが後退できない状態となった態様を示した斜視図である(従来技術)。 図54は、ランセットキャップが外されて穿刺可能状態となった態様を示した斜視図である(従来技術)。
添付図面を参照して本発明を説明する。本発明は、インジェクター、ランセットアッセンブリおよび穿刺デバイスに関する。まず、穿刺デバイスの構成について説明した後、その後、インジェクターおよびランセットアッセンブリをそれぞれ説明していく。尚、穿刺デバイスはインジェクターとランセットアッセンブリとから構成されるものであるので、穿刺デバイス自体の詳細説明は、インジェクターおよびランセットアッセンブリのそれぞれの説明として実質行う。
本明細書で用いる方向についての用語は、上述したように、穿刺に際してインジェクターのプランジャーまたはランセットアッセンブリのランセットボディが移動する「穿刺方向」を「前」方向とし、その反対の方向を「後」方向としている。インジェクターにおいてはエジェクターの把持部からケーシング開口部へと向かう方向が“前方向”/“穿刺方向”に相当し、ランセットアッセンブリでは、ケースの開口端から穿刺開口部へと向かう方向が“前方向”/“穿刺方向”に相当する。また、「横断方向」は、かかる穿刺方向に対して直交する方向を実質的に意味している。こらら明細書本文で用いる方向は図面に示している。
《穿刺デバイスの全体構成および使用態様》
(穿刺デバイスの全体構成)
図1は、穿刺デバイス1000を示している。図1に示すように、本発明に係る穿刺デバイス1000は、ランセットアッセンブリ100とインジェクター200とから構成されている。
ランセットアッセンブリ100は、穿刺針が設けられた部材であって、実際の穿刺に供する部材である。ランセットアッセンブリ100は、穿刺針を備えたランセット130と、そのランセットが収納されたホルダー170から構成されている(図2参照)。「ランセットアッセンブリ」における“アッセンブリ”とは、これらランセットとホルダーとが互いに組み合わされていることに鑑みて用いている。
インジェクター200は、発射機能を有する部材であって、ランセットアッセンブリと共に使用される。つまり、インジェクター200を用いることによって、穿刺すべき箇所へと「穿刺針を備えたランセット」を発射させることができる。インジェクター200は、ランセットを穿刺方向へと発射させるプランジャー220、および、そのプランジャーを内包するインジェクター・ケーシング210を少なくとも有して成る(図1および図3参照)。
(穿刺デバイスの使用構成)
穿刺デバイスの使用に際しては、図4および図5に示すように、まずランセットアッセンブリ100をインジェクター200に装填する操作を行う。装填は、図示するように、ランセットアッセンブリ100を、インジェクター200の前端開口部201に嵌め込むことによって行う。具体的には、ランセットアッセンブリ100のホルダー170がインジェクター200のランセットアッセンブリ受容部材202に部分的に嵌まり込んだ形態となるようにランセットアッセンブリ100をインジェクター200に挿入する。かかる装填に際しては、ランセットがインジェクターのプランジャー220と係合することになる。また、かかる係合に先立って又はそれに伴って、ランセットはプランジャー220に当接することになるが、ランセットがインジェクター内部へと押し込まれるので、プランジャーはインジェクター内部にて後退することになる。具体的には、ランセットアッセンブリの挿入が進むと、ホルダー170に保持固定されているランセットボディ140(図2参照)がプランジャー220を押圧することになり、プランジャー220が後退する。図4および図5に示すように、プランジャー220にはファイヤー・スプリング220aが設けられている。特に本発明ではプランジャー220の胴体筒部221の内部にファイヤー・スプリング220aが配置されている。プランジャー220の後退は、ファイヤー・スプリング220aの力に抗するようにプランジャー220が押し下げられることを意味している。それゆえ、プランジャーのスプリング220aが好適に圧縮されることになり、ランセットの発射に必要な力がプランジャー220に蓄えられる。最終的には、図5に示すようにプランジャー220のトリガー用突起部220bが、トリガーレバー230の後方突起部230aと係止してコッキング状態が得られるまで、プランジャーが後退することになる。トリガーレバー230は、インジェクターに装填されたランセットアッセンブリに対してランセットの発射を引き起こすための部材である。装填前または装填中のランセットアッセンブリではランセットとホルダーとの係合に起因してランセット(特にランセットボディ)がホルダーに保持固定された状態になっているものの、装填が完了したランセットアッセンブリにおいては、かかる係合が解除された状態となるので、穿刺針を備えたランセットボディがホルダーに対して可動状態となる。つまり、穿刺方向へと発射できる状態となる。
ランセットアッセンブリのインジェクターへの装填が完了したら、次に、図6に示すように、ランセットキャップ150を取り外す操作を行う。穿刺に際しては、穿刺すべき所定の部位(例えば指先)にランセットアッセンブリの前端をあてがった後、トリガーレバーの先端部230bをインジェクターの内部に向かって押し込む(図7参照)。これにより、トリガーレバー230の後方突起部230aとプランジャー220の突起部220bとのコッキング状態が解除され、その結果、圧縮されていたスプリング220aが瞬時に伸びることになり、プランジャー220が前方へと発射される。つまり、かかるプランジャー220に取り付けられた「穿刺針を備えたランセットボディ」が前方の穿刺方向に向かって発射され、穿刺が行われることになる。図7は、トリガーレバーの前端部230bをインジェクター200の内部に向かって押し込むことによって穿刺が行われる態様、即ち、穿刺針143がランセットアッセンブリの前端から露出した時点の態様を示している。
以下では、穿刺デバイス1000を構成するインジェクター200およびランセットアッセンブリ100をそれぞれ詳細に説明していく。
《インジェクターの全体構成・機能》
図8〜10に本発明に係るインジェクター200を示す。図8はインジェクター200の外観を示し、図9および図10はインジェクター200の内部構造を示すと共に、インジェクター200の主たる構成部品を示している。具体的には、図9および図10においては、「プランジャー220」、「穿刺深さ調節機構の円筒部材240」、「穿刺深さ調節機構のバネ部材250」、「ランセットアッセンブリ保持機構のランセットアッセンブリ受容部材202」、「ランセットアッセンブリ保持機構のホルダー挟持部材260」および「エジェクター270」などが示されている。
インジェクター200のケーシング210は、図9および図10に示す如く、プランジャー220を含めインジェクターの種々の構成要素を内包する部材である。インジェクター・ケーシング210は、樹脂材から成ることが好ましい。また、インジェクター・ケーシング210は例えば二分割したサブ部材から構成されてよく、それらを一体に組み合わせたものであってよい。なお、ケーシング210には、図8に示すように脚部として機能する脚突起218が設けられていてよい。脚突起218が設けられていると、インジェクター200を全体的に安定して据え置くことができる(より具体的には、かかる脚突起218が設置面と接するようにインジェクター200を略水平に安定した状態で置いておくことができる)。
プランジャー220は、インジェクター200の軸方向、即ち、インジェクターの長手方向に沿って配置されているものであって、ランセット(特にランセットボディ)を穿刺方向に発射させる機能を有している。図10に示されるように、プランジャー220の先端部222は、ランセットボディ140の後端部145(図2参照)と係合できるようになっている。インジェクター200へのランセットアッセンブリ100の装填に際しては、プランジャー220の先端部222とランセットボディ140の後端部145とが係合する。また、装填に伴って後方へとランセットボディ140が挿入されると、プランジャー220が後方へと押し込まれることになる(図17および図18参照)。その結果、プランジャー220のファイヤー・スプリング220aが圧縮され、穿刺針の発射に必要な力がプランジャー220に蓄えられる。
(穿刺深さ調節機構)
本発明のインジェクター200は「穿刺深さ調節機構」を有している。かかる穿刺深さ調節機構は、インジェクターの内部に設けられている。穿刺深さ調節機構に寄与する部材は、主として、「プランジャーの突出部225」、「円筒部材240」および「バネ部材250」である(図9および図10参照)。
プランジャーの突出部225は、プランジャー220に設けられており、そのプランジャー200からその横断方向に外側へと突出している。かかる突出部225は、穿刺に際しては円筒部材240と協働することになる。例えば図10に示すように、突出部225は、その前端面が平面状になっていることが好ましく、また、かかる前端面の法線がインジェクターの軸方向(即ち、インジェクターの長手方向の軸)と略平行となっていることが好ましい。
円筒部材240は、図11に示すように、凹凸部242およびステップ部246を備えている。図示されるように、凹凸部242は、円筒部材240の外周面の端部領域に設けられていることが好ましい。また凹凸部242は、円筒部材の周方向に沿って周期的に連続した形態を有していることが好ましい。一方、ステップ部246は円筒部材240の内周面に設けられていることが好ましい。ステップ部246は円筒部材240の内周面に設けられているので、図11の下側の斜視図では点線で示されている。このような凹凸部242および/またはステップ部246は、円筒部材240と別個のパーツを構成するものであってよく、あるいは、円筒部材240と一体化したものであってもよい(“一体化”の場合、凹凸部242および/またはステップ部246は、円筒部材240の成形に際して一体的に形成されるものであってよい。つまり、円筒部材240の外周面および/または内周面の形態そのものが、凹凸部242および/またはステップ部246の形態を有するものであってよい)。尚、プランジャー220は、その突出部225が円筒部材240の内側であってステップ部246よりも後方に位置付けられるように円筒部材240を通って設置されている。
バネ部材250は、図9〜図11に示すように、インジェクターの軸方向(即ち、インジェクターの長手方向の軸)に沿って円筒部材240と横並びに設けられている。つまり、バネ部材250と円筒部材240とはインジェクターの長手方向に沿って互いに隣接して配置されている。かかるバネ部材250は、そのバネ伸縮がインジェクターの軸方向(即ち、インジェクターの長手方向)に発現されるようにインジェクター・ケーシングに設けられているといえる。尚、バネ部材250は、図示されるように、例えばコイルバネであってよい。
このような穿刺調節機構では、穿刺に際してプランジャー220が前方に移動した際、プランジャーの突出部225が、図12に示すように、“A方向”(穿刺方向)に移動して円筒部材240のステップ部246に最終的に衝突することで、プランジャー220がそれ以上の前方へと移動できないようになっている。その結果、円筒部材240をその軸中心にて回転させ、突出部225が衝突することになるステップ部246を異なる高さのステップ部へと変更(例えばステップ部246aから246bへの変更)することによって、穿刺に際してプランジャー220が前方へと移動することのできる距離を変更できる。つまり、穿刺深さの調節が可能となる。
円筒部材の凹凸部242は、その凹凸を成す面(242a、242b、242c、・・・・)の法線がインジェクターの軸方向と略平行になるようになっている(図9参照)。インジェクター・ケーシング210には、かかる凹凸部242の一部と相補的な形状を有する相補形状部215が設けられている。図9にはインジェクター・ケーシングの内壁面に設けられた相補形状部215が明確に示されている。かかる相補形状部215は、インジェクター・ケーシングの内壁面と一体成形によって形成されたものであってよい(即ち、インジェクター・ケーシングの内壁面の一部が凹凸部242の一部と相補的な形状を有していてよい)。本発明に係るインジェクターの穿刺深さ調節機構においては、バネ部材250から供される押圧力によって円筒部材の凹凸部242の一部とインジェクター・ケーシングの相補形状部215との当接状態が保持されている。図13に示されているように、円筒部材240の後端側にはその円筒部材240に隣接してバネ部材250が設けられており、円筒部材240が前方に向かって付勢された状態にある。それゆえ、円筒部材240の前端に設けられた凹凸部242がインジェクター・ケーシング210の相補形状部215へと押し当った状態になっている。
円筒部材を回転させて穿刺深さの調節を行うに際しては、図13に示すように、インジェクター・ケーシングの相補形状部215に当接する円筒部材の凹凸部242の一部242aが別の一部242bへと変わることになる。かかる変化の間であっても、バネ部材250に起因して円筒部材240が前方に向かって依然付勢された状態にあるので、相補形状部215と別の一部242bとが互いに勢いよく嵌まり合うことになり、その結果として“クリック感”が生じることになる。つまり、指先で円筒部材を回して穿刺深さを調節するに際しては好適なクリック感”が使用者に供される。
これをバネ部材250の観点からみると、穿刺深さの調節に際してバネ部材250の形態が一時的に変化することになる。具体的には、インジェクター・ケーシングの相補形状部215に当接する凹凸部242の一部242aが別の一部242bへと変わるに際しては、バネ部材250が一時的に収縮することになる。つまり、図13に示すように「相補形状部215と凹凸部の一部242aとの当接状態」が解除されてから、次の「相補形状部215と凹凸部の別の一部242bとの当接状態」へと切り替わるに際して、バネ部材250は一旦収縮した後、元の形態へと戻ることなる。
本発明に係る穿刺調節機構では、使用者にとってより分かり易い“調節ダイヤル”が供されている。これにつき詳述する。
図14示すように、円筒部材240には周方向に沿って目盛り数値248が付されている一方、インジェクター・ケーシングには円筒部材の目盛り数値を露出させるための目盛り用開口窓216が設けられている。図示されるように、円筒部材の目盛り数値248は相互に隣接する第1数値列248aと第2数値列248bとから構成されている。それに対応するが如く、インジェクター・ケーシングの目盛り用開口窓216は、第1開口窓216aと第2開口窓216bとから構成されている。より具体的には、インジェクター・ケーシングの対向する側面において対を成すように設けられた第1開口窓216aと第2開口窓216bとから目盛り用開口窓216が構成されている。
このような第1数値列248aと第2数値列248bとは、第1開口窓216aと第2開口窓216bと好適に組み合わされている。具体的には図示されるように、円筒部材240の第1数値列248aの個々の数字がインジェクター・ケーシングの第1開口窓216aから露出すると共に、円筒部材240の第2数値列248bの個々の数字が第2開口窓216bから露出する。
このような調節ダイヤルでは、第1開口窓216aから表示させる第1数値列248aと、第2開口窓216bから表示させる第1数値列248bとが互いに独立している。この点、従来のインジェクターでは、目盛り数値が単一列で設けられており、それを「インジェクター・ケーシングの対向する側面で対を成すように設けられた2つの開口窓」から表示させていたので、その点で決して好ましいといえなかった。具体的には、従来技術においては、一方の開口窓から露出させる数字と、他方の開口窓から露出させるための数字との配置調整が難しく、対を成す開口窓の相対位置が必ずしも好適とならなかった。例えば、一方の開口窓がボディの中央部に設けることができるのに対して、他方の開口窓は、そのボディ中央部よりも上側あるいは下側にずれて設けるなどの対策が必要であった。本発明に係る調節ダイヤルでは、第1開口窓216aから表示させる第1数値列248aと、第2開口窓216bから表示させる第1数値列248bとを互いに独立させているので、上記の対策は本質的に回避されている。また、そもそも数値列を2つに分けて表示するので、それぞれの数値列の数字自体を大きくすることができ、使用者にとって見やすいインジェクターを提供することができる。つまり、本発明ではコンパクトなインジェクターであるものの調節ダイヤルの数値表示が必要以上に小さくなっておらず、ユーザーフレンドリーなインジェクターが供される。
(ランセットアッセンブリ保持機構)
本発明のインジェクターは「ランセットアッセンブリ保持機構」を有している。かかる機構は、インジェクターに装填される又は装填されたランセットアッセンブリのホルダーをインジェクターに対して好適に保持する機構である。ランセットアッセンブリ保持機構に寄与する部材は、主として、「ランセットアッセンブリ受容部材202」および「ホルダー挟持部材260」である(図9参照)。
ランセットアッセンブリ受容部材202は、図9に示すように、インジェクターの前端開口部に設けられ、使用時に挿入されるランセットアッセンブリを受けるようになっている。つまり、受容部材202にランセットのホルダー170の一部が収まることになるようにランセットアッセンブリをインジェクターに装填できるようになっている(図4および図5参照)。図示されるように、ランセットアッセンブリ受容部材202は、全体として筒形状を有していることが好ましい。
図15に示すように、ランセットアッセンブリ受容部材202は、その胴体外面にて周方向溝部202aが設けられていると共に、その溝部領域に切欠き部202bが設けられていることが好ましい。図示するように、切欠き部202bは開口形態を有するものであってよい。
ホルダー挟持部材260は、図9および図15に示すように、ランセットアッセンブリ受容部材202に対して取り付けられている。ホルダー挟持部材260は、例えばSUSなどの金属から成る部材であることが好ましい。ホルダー挟持部材260は、弾性特性を呈することができる部材である。特に、インジェクターに設けられた状態において、ホルダー挟持部材260はインジェクターの外側および内側の方向に弾性変形できる部材であることが好ましい(例えば図15に示す態様でいうと、外力に起因してA方向に拡がった際にその逆方向に向かって元の形状へと戻ろうとする力がホルダー挟持部材260に働くことが好ましい)。
また、図示されるように、ホルダー挟持部材260の全体形態は、略リング形態、例えば一部切欠きのリング形態であってよい。このような「一部切欠きのリング形態のホルダー挟持部材260」は、“一部切欠き部分”を基点にして特に弾性変形し易い。
特に図15に示されるように、ホルダー挟持部材260は、その一部が内側へと局所的に湾曲した又は折れ曲がった局所湾曲部265を有している。局所湾曲部265としては、図示されるように、互いに対を成すように2つの局所湾曲部(265a、265b)が設けられていてよい。かかる局所湾曲部265の個数は特に2つに限定されるものでなく、1つであってもよく、あるいは、3つもしくはそれ以上であってもよい。
図15に示されるように、局所湾曲部265の内側面は、その少なくとも一部がドーム形態(ないしは“半球状形態”)となっていることが好ましい。より具体的には、局所湾曲部265の内側面の一部(図15の参照番号265’)は、局所的に内側へと隆起していることが好ましく、その隆起が連続的に滑らかに湾曲したような曲面形態となっていることが好ましい。
図9および図15に示すように、ホルダー挟持部材260は、ランセットアッセンブリ受容部材202の外周面に密接するように、全体としてランセットアッセンブリ受容部材202の外側に取り付けられている。より具体的には、ホルダー挟持部材260は、ホルダー挟持部材260の周方向溝部202aに嵌め込まれるように設けられることが好ましい。ここで、ホルダー挟持部材260の局所湾曲部265は、ランセットアッセンブリ受容部材202の切欠き開口部202bに位置付けられるように設けられる。従って、ランセットアッセンブリ受容部材202の内周面においてはホルダー挟持部材260の局所湾曲部265がランセットアッセンブリ受容部材202の切欠き部202b(図15に示すように、例えば開口形態の切欠き部)から露出している。
図16(A)に示すように、ホルダー挟持部材260の局所湾曲部265は、ランセットアッセンブリ受容部材202の内側面より僅かに内側に位置付けられていることが好ましい。より具体的には、局所湾曲部265のドーム形状部分265’の頂部は少なくともアッセンブリ受容部材202の内側面よりも内側に位置付けられていることが好ましい。
図16(B)は、ランセットアッセンブリ受容部材202に対してランセットアッセンブリのホルダー170が挿入された状態を示している。かかる図16(B)から分かるように、ランセットアッセンブリ受容部材202に挿入される又は挿入されたホルダー170は局所湾曲部265を基点にしてホルダー挟持部材260で挟持されることになる。より具体的には、ホルダー170の外周面に対して局所湾曲部265のドーム形状部分265aが接することによって、ホルダー挟持部材260が僅かに外側に拡げられる一方、それに起因して生じる“ホルダー挟持部材の弾性力”によってホルダー170が好適に保持される。
このように好適に保持されるので、例えば、ランセットアッセンブリのホルダーを穿刺箇所に押し当てて穿刺を行う際、ホルダーがインジェクター(特には“ランセットアッセンブリ受容部材”)に対して傾いてずれることが防止され、所望の穿刺が供され得る。また、そもそもホルダー挟持部材は金属製であるゆえ、繰り返しの使用によって磨耗しにくく保持力の低下が好適に防止されている。
ちなみに、ドーム形状部分265’に起因して、局所湾曲部265とホルダー170の外周面との接触は“点接触”となっているので、ホルダー170の挿入に対して過度な抵抗が生じないようになっている。つまり、本発明に係るランセットアッセンブリ保持機構では、インジェクターに挿入されるホルダー170をランセットアッセンブリ受容部材202に好適に保持しつつも(かかる保持のためにはホルダー170と挟持部材との間の“摩擦抵抗”が有効に寄与することになるが)、かかる摩擦抵抗を生じる態様であってもスムーズなホルダー挿入を適度に確保している。
(エジェクターに関連する機構)
次に、図17〜図23を参照しながら、本発明に係るインジェクターの「エジェクターに関連する機構」を説明する。図17〜図23は、ランセットアッセンブリ100の装填操作に始まり、装填の完了、穿刺、そして、穿刺後のランセットアッセンブリ100の排出までを経時的に示している。つまり、図17〜図23は、その番号順にランセットアッセンブリ100およびインジェクター200(即ち、それらから構成される穿刺デバイス)の経時変化を示している。
本発明のインジェクターはエジェクター270を有している(図10参照)。かかるエジェクター270は、本質的には「使用済みのランセットアッセンブリ」をエジェクトするために使用する、即ち、「穿刺処理に既に供したランセットアッセンブリ」をインジェクターから排出するために使用するものである。
図22は、穿刺後におけるランセットアッセンブリ100およびインジェクター200を示している。図示される態様から分かるように、エジェクター270の先端部272がランセットアッセンブリ100のホルダー170の後端に当接できるようにエジェクター270が配置されている。従って、かかるエジェクターを前方へと動かすことによって、ホルダー170がエジェクター270によって後方から押圧されることになる。図23に示されるように、エジェクター駆動時においてはランセットアッセンブリ100がインジェクターから離れるように前方へと動かされる。よって、最終的には、使用済みのランセットアッセンブリ100がインジェクターから排出されることになる。
本発明のインジェクターにおいては、エジェクター270が、ランセットアッセンブリ100の排出のみに機能するだけでなく、ランセットアッセンブリ100の装填時においても機能する。具体的には、エジェクター270は、ランセットアッセンブリ100の装填時において装填完了(より具体的にはランセットとプランジャーとの係合完了)を示唆する“クリック感”を出す役割をも担っている。
かかる装填完了を示唆する“クリック感”を出すのに特に寄与する部分は、エジェクター270に設けられた弾性部分275(図10および図17参照)である。かかる弾性部分275が、インジェクター・ケーシング210の内壁面に設けられた突起部212(図17参照)と協働することによって、装填完了を示す“クリック感”が供されることになる。これにつき以下詳述する。
ランセットとプランジャーとを互いに係合させるべくランセットアッセンブリがインジェクターに装填されるに際しては、エジェクター270がランセットアッセンブリ100のホルダー170によって後方へと押圧されることに起因して、エジェクター270がインジェクター内部で後方へと移動する。具体的には、装填されるランセットアッセンブリは、そのホルダー170の後端がエジェクター270の前端に当接することになり、その結果、当接部分を基点にしてエジェクターが後方へと押圧され移動する。そのようにエジェクター270が後方移動するに際しては、エジェクター270の弾性部分275がインジェクターの突起部212に一旦当接し、その後に突起部212を乗り越えることになる。この乗り超えに際しては、エジェクターの後方移動が一旦阻まれた後、瞬時にそれが解除されるので、使用者(ホルダー170を摘んでインジェクターに挿入している使用者)には“クリック感”がもたらされる。
特に、エジェクターの弾性部分275がインジェクターの突起部212を乗り越えた時点でランセットとプランジャーとが完全に係合すると共に、ランセットアッセンブリ100のホルダー170がランセットアッセンブリ受容部材202に最終的に収まることになって、装填が実質的に完了する。つまり、“クリック感の発生”と、“ランセットとプランジャーとの係合完了”/“装填完了”とが互いに連動しており、使用者にとってみれば、かかる“クリック感”によって係合完了/装填完了を感覚的により明確に把握することができる。
図18は、エジェクターの弾性部分275がインジェクターの突起部212を乗り越える直前の態様を示しているのに対して、図19は、エジェクターの弾性部分275がインジェクターの突起部212を乗り越えた直後の態様を示している。かかる図18および図19から分かるように、弾性部分275が突起部212を乗り越えた時点で、ランセット(特にランセットボディ140)とプランジャー(特にその先端部222)とが完全に係合すると共に、ランセットアッセンブリ100のホルダー170がランセットアッセンブリ受容部材202に最終的に収まり、実質的に装填完了となる。
尚、エジェクターは例えば長尺形状を有しているところ、かかる長尺エジェクターの先端部に弾性部分275が設けられていることが好ましい(図10参照)。また、弾性部分275は、エジェクター・ボディから枝分かれするように後方へと延在する分岐形態を有することが好ましい(図10参照)。これらによって弾性特性が好適に発現され得るので、ランセットアッセンブリの装填時にて“クリック感”を出す役割をエジェクターが好適に担うことができる。
本発明において、エジェクター270は、ランセットアッセンブリのインジェクターへの装填が完了したことを示すインジケータ機構をも担っている。具体的には、エジェクター270は、その後端部分にインジケータ窓部276を有しており、それによって、プランジャー220の後端に設けられたインジケータ表示部227が露出するようになっている(図10参照)。
より具体的には、ランセットアッセンブリ100をインジェクター200に装填するに際して、プランジャー220のトリガー用突起部220bがトリガーレバー230の後方突起部230aと係止してコッキング状態が得られるようになると、プランジャー220のインジケータ表示部227がエジェクター270のインジケータ窓部276から適切に露出することになる(図5および図20参照)。
つまり、かかるプランジャー220のインジケータ表示部227の露出状態からランセットアッセンブリの装填状態を間接的に把握することができ、ひいては、装填が完了した状態にあるか否かを把握することができる。
更には、本発明のインジェクターにおいてエジェクター270は「ランセットアッセンブリの排出」および「ランセットアッセンブリの装填時のクリック感発生」などに供するだけでなく、“再チャージ”に関する機能をも担っている。
“再チャージ”の態様を図24(A)〜24(C)に示す。図24(A)は、穿刺後におけるランセットアッセンブリ100およびインジェクター200を示している。図24(B)は、“再チャージ”すべく、エジェクター270がインジェクター・ケーシング210に対して相対的に後方へと移動させた態様を示しており、図24(C)は、“再チャージ”が完了した時点の態様を示している。
エジェクター270において、再チャージに資する部分はプランジャー後退用当接部277である(図24(A)および図24(B)参照)。図示するように、プランジャー後退用当接部277は、段差形態を有していることが好ましい。より具体的には、プランジャー後退用当接部277は、「使用済みのランセットアッセンブリ」を排出する際にホルダーの後端に当接することになる「エジェクターの突出形態の先端部272」において、その後端部分を成していることが好ましい(図10および図24(A)・24(B)参照)。
一方、プランジャー220において、再チャージに資する部分は胴体筒部221である。つまり、内部にてファイヤー・スプリング220aが設置された胴体筒部221である。特には、かかる胴体筒部221の前側エッジ部221Aである(図10および図24A参照)。
穿刺後において、エジェクター270を後方へと移動させると、エジェクター270のプランジャー後退用当接部277がプランジャー220に当接する。より具体的には、エジェクターのプランジャー後退用当接部277が、プランジャーの胴体筒部221の前側エッジ部221Aに当接する(図24(A)および図24(B)参照)。それゆえ、エジェクターの後方移動を継続すると、エジェクター270から受ける押圧力に起因してプランジャー220が後退することになり、最終的には、図24(C)に示すように、プランジャー220のトリガー用突起部220bが、トリガーレバー230の後方突起部230aと再び係止してコッキング状態を再度得ることができる。つまり、“再チャージ”が完了し、穿刺可能な状態を再度得ることができる。
《ランセットアッセンブリの全体構成・機能》
図25〜図28および図2は、ランセットアッセンブリ100を示している。図25は、ランセットアッセンブリ100の外観図を示し、図26は、ランセットアッセンブリ100の内部構造が容易に理解できるように、ランセットホルダーを、その長手方向に沿って半分切除した形態で示している。図27は、ランセット130(キャップを取り外した状態)の断面図を示している。また、図28は、図26の線I−I’で切り取った断面図を示している。更には、ランセットアッセンブリ100の構成要素が容易に理解できるように、アッセンブリの分解図・展開図を図2に示している。
図26および図2に示すように、ランセットアッセンブリ100は、ホルダー170内にランセット130が収容された構造を有している。つまり、本発明のランセットアッセンブリ100は「ランセット130」と「ホルダー170」と2点の部品から実質的に構成されている。
具体的には、図26および図2に示すように、ランセットキャップ150の針先保護部152およびランセットボディ140がホルダー170からはみ出すことなくランセット130がホルダー170内に収納されている。
以下では、ランセットアッセンブリ100の各構成部材について説明していく。
(ホルダー)
ランセットアッセンブリのホルダー170は、図25および図2に示すように、例えば全体として円筒の形態である。かかるホルダー170のサイズは小さく、図4に示すごとく、全体として指で摘めるようなサイズを有している。尚、ホルダー170の形状は必ずしも円筒の形態に限定されるものではなく、例えば角筒の形態であってもよい。
ホルダー170は、一般的なランセットに用いられる樹脂材料であれば、いずれの種類の樹脂材料から形成してもよい。ホルダー170は開口後端171を有すると共にそれに対向する位置に穿刺開口端172を有している(図2参照)。かかる穿刺開口端172は、穿刺すべき所定の部位(例えば指先)にあてがわれる部分に相当する。
図25および図2に示すように、ホルダーの外面には隆起部173が設けられている。好ましくは、複数の隆起部173がホルダー胴部の周方向に並ぶように環状に設けられている。かかる複数の隆起部173は、ホルダーがインジェクターに挿入された際に、インジェクターのランセットアッセンブリ受容部材202のガイド隆起部(図15の参照番号202c)と係わり合うことになり、それによって、スムーズな挿入が実現される。
また、図25および図2に示されるように、本発明のランセットアッセンブリ100において、ホルダー170の胴部に開口部(一部切欠き開口部など)は設けられていない。ホルダー170の内壁には、ランセットのボディ部分の前方移動を阻止しておくための段差部174が設けられている(特に図26参照)。図示するように段差部174によって形成される面174Aは、その法線がホルダーの軸と略平行になるように後方側を向いた形態を有している。また、ホルダー内壁には係止部175も設けられている(特に図26参照)。かかる係止部175は、使用前にてランセットのボディ部分の後方移動を阻止しておくのに供すると共に、また、使用後にてランセットボディ140の前方移動を阻止しておくのに供する。図示するように係止部175は、インジェクターの内側中央に向かって後方へと突出する形態を有していることが好ましい。
(ランセット)
ランセット130は、ホルダー170と組み合わせられている。かかるランセット130も、ホルダー170と同様に小さく、そのホルダー170内に収まることができるボディ・サイズを有している。図示されるように、ランセット130は、ランセットボディ140、ランセットキャップ150および穿刺針143を有して成る。穿刺針143は、特に図26および図27に示すように、樹脂製のランセットボディ140およびランセットキャップ150にまたがってこれらの中に存在しており、穿刺針143の先端部143aがランセットキャップ150によってカバーされている。このため、例えば図2では、穿刺針143が表れていない。図26および図2に示すように、ランセットキャップ150とランセットボディ140とは僅かな接点を介して一体に結合している。このようなランセット130は、穿刺針を金型にインサートして樹脂(例えばポリエチレン、ポリプロピレン等)を成型するいわゆるインサート成形によって製造することができ、“僅かな接点”(即ち“連結部分”)は、このインサート成形の際に併せて製造することができる。従って、“僅かな接点”は、ランセットキャップ150およびランセットボディ140と同じ樹脂材料から形成され得る。
ランセットキャップ150は、「穿刺針を保護する針先保護部152」、「針先保護部に連結し、ランセットキャップにて最も前方に位置付けられたキャップヘッド部154」および「キャップヘッド部に連結し、該キャップヘッド部から後方へと延在する一対の後方延在部156」を有している。
ランセットのボディ140はホルダー170に対して一時的に保持された状態で設けられるが、そのための要素をランセットボディ140は備えている。具体的には、ランセットボディ140は、一対の可撓性突出部142および一対の屈曲形状可変位部144を備えている。一対の可撓性突出部142がランセットボディの前方側に設けられているのに対して、一対の屈曲形状可変位部144がランセットボディの後方側に設けられている。図26に示すように、可撓性突出部142がホルダー内壁の係止部175と係り合うことによって、また、屈曲形状可変位部144(特にその屈曲部分144A)がホルダー内壁の段差部174(特にその段差面174A)と係り合うことによって、ランセットのボディ140はホルダー170に対して一時的に保持された状態となっている。前者の係り合いは、主として、ホルダー170に対するランセットボディの相対的な後方移動を阻止している一方、後者の係り合いは、主として、ホルダー170に対するランセットボディの相対的な前方移動を阻止している。尚、使用時においてはランセットアッセンブリのインジェクターへの装填が完了すると、屈曲形状可変位部144は、プランジャー部材の前端部222との兼ね合い・当接に起因して内側へと変位した形態となるので(図18および図19参照)、ランセットボディが前方へと移動可能となり、ひいては、発射可能な状態となる。
ランセットボディ140では穿刺針143の胴部が固定化されている。従って、穿刺に際しては、ランセットボディ140が穿刺針143と一体となって前方へと発射される。また、ランセットボディ140には、その後端部に、インジェクターのプランジャー220の取り付け部(図10の参照番号222)と係合するための係合部145を有している。つまり、ランセットアッセンブリをインジェクターに装填する際、ランセットボディの後端部145がプランジャー220の前端部222と係合できるようになっており、それによって、ホルダーの挿入に伴ってプランジャーが後退して穿刺部材の発射に必要な力がプランジャーに蓄えられることになる。
(ランセットキャップの取り外し)
本発明のランセットアッセンブリ100では、キャップヘッド部154から後方へと延在する一対の後方延在部156を有している(好ましくは一対の後方延在部156が対称的な形態を有している)。特に本発明では、図26に示すようにランセットキャップの後方延在部156がホルダー170の胴体の外側面170A上にてその外側面170Aに沿ってランセットの長手方向に延在している。これにより、キャップの取り外しに際して針先が曲がったり折れたりすることを防止できる。
より具体的には、ランセットキャップ150がランセット100から取り外されるに際してランセットキャップ150の後方延在部156がホルダーの胴体の外側面170Aを摺動するように後方延在部156を回転させることができ、それによって、穿刺針143の針先143aの曲がり・折れを好適に防止できる。換言すれば、本発明では、後方延在部156が把持部(特に「ランセットキャップを取り外す際に使用者が把持するための把持部」)となっており、それゆえ、その後方延在部156を摘んでホルダーの胴体の外側面170Aを摺動するように後方延在部156を回転させてランセットキャップを取り外す。後方延在部156が把持部ゆえ、好ましくは後方延在部の幅方向に沿って延在するような隆起部分(即ち、ランセットの軸方向ではなく、それと直交するような方向に延在する隆起部分)が後方延在部156の外側面に設けられていてよい(例えば、後述で参照することになる図30(C)および(D)のような外面形態を後方延在部が有していてよい)。より好ましくは「後方延在部の幅方向に沿って延在するような複数の隆起部分」が後方延在部の自由端156Bに近い位置(固定端側よりも自由端側に近い位置)に設けられてよい。
好ましくは、ランセットキャップの後方延在部の少なくとも中央部分(「後方延在部の幅方向に沿った場合の中央部分156’」)がホルダー胴体の外側面上に近接および/または接するように当該ホルダー胴体の外側面に沿ってランセットの長手方向に延在している。「中央部分156’」について図2を参照のこと。より好ましくは、ランセットキャップの後方延在部156の内側面156Aとホルダーの胴体の外側面170Aとが相互に近接または密接している(図26参照)。具体的には、後方延在部156の内側面156Aとホルダー胴体の外側面170Aとが接していてよく、あるいは、0mm(“0”を含まず)〜2mm、好ましくは0mm(“0”を含まず)〜1mm、より好ましくは0mm(“0”を含まず)〜0.5mmの僅かな隙間を空けて後方延在部156の内側面156Aとホルダー胴体の外側面170Aとが互いに位置付けられていてよい。即ち、ここでいう「近接する」とは、後方延在部156の内側面156Aとホルダー胴体の外側面170Aとの離隔距離(特にいえば「内側面156Aと外側面170Aとの最小の離隔距離」)が、0mm(“0”を含まず)〜2mm、好ましくは0mm(“0”を含まず)〜1mm、より好ましくは0mm(“0”を含まず)〜0.5mmとなっている態様を指している。ある1つの好適な態様では、ランセットキャップの後方延在部の中央部分156’の内側面の少なくとも一部がホルダー胴体の外側面170Aと接している。また、ランセットキャップの後方延在部156の内側面156Aの少なくとも一部とホルダーの胴体の外側面170Aの少なくとも一部とが互いに相補的な形態を有していることも好ましい。例えば、ランセットキャップの後方延在部の中央部分156’における内側面156Aの少なくとも一部(より好ましくは「中央部分156’における内側面156Aの全て」)が、それと対向するホルダー胴体の外側面170Aの一部分とが相補的な形態を有していることが好ましい。
図26に示すように、ランセットキャップの後方延在部156は、大きく/長く後方へと延在した形態を有している。例えば、ランセットキャップの後方延在部156の自由端156Bが穿刺針143の針先端143aの位置(または針先保護部152の後端152Aの位置)よりも相対的に後方に位置付けられるように後方延在部156が後方に延在している。好ましくは、後方延在部156の自由端156Bがランセットボディ140に至るまで後方延在部156が長く延在している(換言すれば、後方延在部の自由端156Bがランセットボディ140の上方に位置付けられるように、長尺形状の後方延在部156がキャップヘッド部から後方へと延在している)。更にいえば、例えばランセットホルダー170にはその径寸法が全体として減じられた狭窄部が設けられているところ、かかる狭窄部に後方延在部の自由端156Bが位置付けられるように(即ち、狭窄部上に自由端156Bが位置付けられるように)後方延在部156が延在していることが好ましい。
上記の如くの種々の特徴的な形態に起因して、ランセットキャップの取り外し時には使用者は後方延在部156のみを把持して(即ち、キャップヘッド部154を把持することなく後方延在部156を把持して)、後方延在部156をホルダーの胴体の外側面170Aに対してより好適に摺動させることができ、結果として、針先143aの曲がり・折れをより好適に防止できる。
また、図26に示すように、ランセットキャップの後方延在部156は、長尺形状を有しているところ、その自由端156Bが外側に拡がるように後方へと延在していることが好ましい。これにより、キャップ取外し時に後方延在部156を好適に把持することができ、よりスムーズな“摺動回転”の実現がなされ得る。
尚、ランセットアッセンブリは、インジェクターへの装填前においては、ランセットキャップを軸方向中心に回転させることができないものの、インジェクターへの装填が完了した後においては回転させることができるようになっている。これは、針先保護部152の先端領域の局所的隆起部152aが関係している(図26および図2参照)。具体的には、インジェクターへの装填前においては、ランセットキャップの針先保護部152の局所的隆起部152aがホルダーの内壁面(例えば内壁に形成された溝部など)と係り合うことによって回転が阻止されている。一方、インジェクターへの装填が完了した後では、かかる係り合いができないように、ホルダーに対してランセットキャップが僅かに前方へと移動した状態になる。具体的には、ランセットアッセンブリ100のインジェクター200への装填においては、図19および図20に示すようにプランジャー220のトリガー用突起部220bがトリガーレバー230の後方突起部230aと係止してコッキング状態が得られた直後では、前方へと付勢された状態のプランジャーに押される形でランセットが前方へと押圧される。その結果、ホルダーに対してランセットが僅かに前方へと移動、即ち、ランセットキャップが僅かに前方へと移動した状態になり、ランセットキャップの針先保護部152の局所的隆起部152aとホルダーの内壁面(例えば内壁に形成された溝部など)との係り合いは解除される。よって、装填が最終的に完了した後では、ランセットキャップを軸方向中心に回転させることができるようになる。
(使用済みランセットアッセンブリのセイフティ機能)
穿刺後にてインジェクターから排出されたランセットアッセンブリにおいては、穿刺針が外部に露出しないようになっている。
具体的には、穿刺後にランセットアッセンブリをインジェクターから排出するに際しては、エジェクターを前方へと動かして、ランセットアッセンブリ100のホルダー170を前方へと押圧する。これにより、図22および図23に示すように、ホルダー170がランセットボディ140に対して相対的に前方へと移動することになり(即ち、見方を変えれば、ホルダー170に対してランセットボディ140が相対的に後退することになり)、ランセットボディの可撓性突出部142と、ホルダー内壁の係止部175との係り合いが生じる。よって、かかる係り合いに起因して、使用済みのランセットボディ140(即ち、穿刺針を備えたランセットボディ140)がホルダー内にて前方へと移動することができず、穿刺針が外部に露出することがない。また、図示するように、ランセットボディの先端部146が係止部175の付け根領域でつかえることになるので、ホルダー170内にてランセットボディ140の後方移動もできないようになっている。
本発明に係るインジェクター、ランセットアッセンブリおよび穿刺デバイスは、種々の好適な形態で具現化され得る。これにつき以下にて説明する。
(ランセットアッセンブリ受容部材およびランセットホルダーのある好適な形態)
「ランセットアッセンブリ受容部材202の複数のガイド隆起部202c」および「ランセットホルダーの外面の複数の隆起部173」は、より長尺な形態となっていてもよい。具体的には、図28の下側に示すように「ランセットアッセンブリ受容部材202のガイド隆起部202c’’」は、ランセットアッセンブリ受容部材202の内面において長く延在していてよく、即ち、ランセットアッセンブリ受容部材202の開口端から底部に向かって深く延在していてよい。換言すれば、図28の下側に示すように、隣接するガイド隆起部202c’’によって形成されるガイド溝202d’’が開口端から底部に向かってより深く延在していてよい。同様にして、図28の下側に示すように、ランセットホルダーの隆起部173’’もホルダー外面にて長く延在していてよい。このような長尺な形態では、ホルダーがインジェクターに挿入されるに際して「ホルダーの隆起部173’’」と「受容部材のガイド隆起部202c’’」とが互いに好適に係わり合うことになり、より望ましい挿入が実現される。特に、ランセットとプランジャーとの係合する直前にランセットホルダーの位置が決まり易い。その結果、プランジャーがランセットボディを掴む直前にランセットホルダーだけが回って位置がねじれてしまう不都合が防止される。
(針先保護部のある好適な形態)
ランセットキャップの針先保護部152は、図29の下側に示すような形態であってもよい。具体的には、穿刺針を保護する針先保護部152’’は、穿刺針の先端143aの近傍に中空部152b’’を有するものであってもよい。図示されるように、穿刺針の先端の周囲を前方側から部分的に囲むような形態を有する中空部152b’’が針先保護部152’’に設けられていてよい。このような針先保護部152’’では、ランセットの製造時に特に有利な効果が奏され得る。具体的には、ランセットの成形時(金型に樹脂原料が射出される際)において樹脂原料が図29の点線矢印で示されるように流動して金型が充填されることになり、穿刺針の先端への負荷が低減されることになる。つまり、ランセットの成形時にて穿刺針の先端が樹脂原料から受ける負荷が低減し、針先の曲がりなどの不都合が効果的に防止される。
(ランセットアッセンブリのある好適な形態)
ランセットアッセンブリは、図30に示すような形態を有するものであってもよい。図30(A)〜(H)のそれぞれに示されるランセットアッセンブリ100は、ランセットキャップの取外しに際して回転もぎり操作(後方延在部156を把持してランセットの軸方向中心にキャップを回転させる操作)が使用者に対して積極的に促される形態を有している。図示する態様から分かるように、かかる“回転もぎり操作”は、使用者に与える視覚的効果の観点から促されるものであってよいし、あるいは、使用者の操作性の観点から促されるものであってもよい。
例えば図30(A)に示されるランセットアッセンブリでは、ランセットキャップ(特に、その後方延在部156)が2つの外側曲面156M,156Nを有している。具体的には、2つの外側曲面156M,156Nが、後方延在部の長手方向に沿うように延在している。更に具体的にいうと、外側曲面156Mと外側曲面156Nとは、それらの側端部分を共通させる形態で互いに隣接して設けられている。かかる図30(A)のランセットアッセンブリ100では、ランセットキャップの後方延在部156を指先で把持した際に、「a方向」(即ち、キャップを引き抜く方向)に動かすよりも「b方向」(即ち、キャップを軸方向中心に回転させる方向)に動かす方が指先が受ける抵抗が大きくなる。つまり、使用者にとってみれば、「b方向」(キャップを軸方向中心に回転させる方向)に後方延在部156を動かす方が自然であり、それゆえ、“回転もぎり操作”が積極的に促進される。
図31〜図33は、それぞれ、図30(A)に示されるランセットアッセンブリ100の外観斜視図、外観平面図および内部構造平面図を表している。図30(A)に示される態様であっても(より正確には、図30(A)およびそれと同様のランセットキャップを有する図30(B)〜30(H)を有するランセットアッセンブリであっても)、ランセットキャップの後方延在部156は、大きく後方へと延在した形態を有している。特に図33に示すように、ランセットキャップの後方延在部156の自由端/先端156Bが穿刺針143の針先端143aの位置(または針先保護部152の後端152Aの位置)よりも相対的に後方に位置付けられるように後方延在部156が延在している。好ましくは、後方延在部156の自由端156Bがランセットボディ140に至るまで後方延在部156が長く後方へと延びている(換言すれば、後方延在部の自由端156Bがランセットボディ140の上方に位置付けられるように、長尺形状の後方延在部156がキャップヘッド部から後方へと延在している)。
尚、特に図31〜33に示すように、図30(A)のランセットアッセンブリ100では、ホルダー170に周状隆起部180が設けられていることが好ましい。後述することになるが、かかる周状隆起部180は、ランセットアッセンブリ100のインジェクター200への装填に際してホルダー挟持部材(特にサブ挟持部材AおよびB)と協働して有利な効果を奏し得る。
(ホルダー挟持部材、ランセットアッセンブリ受容部材およびランセットホルダーのある好適な形態)
ホルダー挟持部材は単一品に限定されず、複数のパーツから構成されていてよい。図34および図35に示すように、ホルダー挟持部材260が、例えばサブ挟持部材A(260A)とサブ挟持部材B(260B)とから成る2パーツ構成を有しており、サブ挟持部材Aとサブ挟持部材Bとが対向配置されていてよい。サブ挟持部材A(260A)とサブ挟持部材B(260B)は、それぞれ、例えばSUSなどの金属から成る部材である。
“2パーツ構成”の場合、サブ挟持部材Aおよびサブ挟持部材Bの各々が局所湾曲部を有することが好ましい。図34および図35に示すように、“2パーツ構成”の場合であっても、内側へと局所的に湾曲した又は折れ曲がった局所湾曲部(265A,265B)が設けられていることが好ましい。図示するように、サブ挟持部材A(260A)は、その一部が前方に向かって延在しており、その前方延在部が内側に向かって湾曲または折れ曲がっている。つまり、サブ挟持部材A(260A)の局所湾曲部265Aは、インジェクターにおいて前方側へと局所的に延在して内側に湾曲または折れ曲がった形態を有している。サブ挟持部材B(260B)も同様であって、サブ挟持部材B(260B)の局所湾曲部265Bは、インジェクターにおいて前方側へと局所的に延在して内側に湾曲または折れ曲がった形態を有している。更には、局所湾曲部の内側面の少なくとも一部がドーム形態を有することが好ましく、即ち、図示するようにサブ挟持部材A(260A)およびサブ挟持部材B(260B)の各々の局所湾曲部(265A,265B)の内側面がドーム形状部(265A’、265B’)を有することが好ましい。これは、ホルダー挟持部材のホルダー接触面が略半球形態を有することを意味している。
ホルダー挟持部材260がサブ挟持部材A(260A)とサブ挟持部材B(260B)とから成る場合、ランセットアッセンブリ受容部材202が複数のサブ部材から構成されることが好ましい。図34に示すように、ランセットアッセンブリ受容部材202は、「インジェクターの前方側に位置付けられたサブ受容部材A(202A)」と「インジェクターの後方側に位置付けられたサブ受容部材B(202B)」とから成る2パーツ構成を有していることが好ましい。かかる場合、サブ受容部材A(202A)は全体としてリング形態を有していることが好ましい。
サブ挟持部材A(260A)およびサブ挟持部材B(260B)が局所湾曲部を有する場合、ランセットアッセンブリのインジェクターへの装填に際しては、それぞれの局所湾曲部(265A,265B)がランセットアッセンブリのホルダーの外面部に接することが好ましい。また、サブ挟持部材A(260A)およびサブ挟持部材B(260B)は、それぞれ、ランセットアッセンブリ受容部材の外面に取り付けられていることが好ましく、特にサブ受容部材B(202B)の外面に取り付けられていることが好ましい。サブ受容部材B(202B)の前端にはその一部が欠かれることで形成された切欠き部が2つ対向するように設けられているところ、その切欠き部に対して局所湾曲部が位置付けられるようにサブ挟持部材A(260A)およびサブ挟持部材B(260B)が設けられていることが好ましい。換言すれば、ランセットアッセンブリ受容部材の内部側からみると、サブ挟持部材A(260A)およびサブ挟持部材B(260B)のそれぞれの局所湾曲部(265A,265B)がランセットアッセンブリ受容部材の切欠き部から露出するように、ホルダー挟持部材260とランセットアッセンブリ受容部材202とが互いに組み合わされている。
尚、図34に示すように、サブ受容部材A(202A)には後方側へと突出した一対の後方突出部(202A,202A)が設けられているところ、かかる一対の後方突出部(202A,202A)がサブ挟持部材AおよびB(260A,260B)上に被さるように位置付けられていることが好ましい。具体的には、一方の後方突出部(202A)がサブ挟持部材A(260A)に被さるように位置付けられると共に、他方の後方突出部(202A)がサブ挟持部材B(260B)に被さるように位置付けられていることが好ましい。これにより、サブ受容部材B(202B)に対するサブ挟持部材A(260A)およびサブ挟持部材B(260B)の取り付け・固定がより確実なものとなり、ホルダー挟持部材260の挟持効果がより好適に奏されることになる。
図34および図35に示すような「ホルダ挟持部材260」および「ランセットアッセンブリ受容部材202」は、図31〜図33に示される「ランセットアッセンブリ100」と組み合わせて用いられることにより、更に有利な効果が奏される。特にランセットアッセンブリのインジェクターへの装填に際して更なる有利な効果が奏される。これにつき、図36および図37を参照して詳述する。
図36は、ランセットアッセンブリ100のインジェクターへの装填が完了した状態を示している。図示する態様から分かるように、装填が完了した穿刺デバイスにおいては、ホルダーの周状隆起部180がホルダー挟持部材のドーム形状部(265A’、265B’)の後方側に位置付けられている。これは、装填完了に際しては、ホルダーの周状隆起部180がかかるドーム形状部(265A’、265B’)に一旦当接し、その後に当該ドーム形状部(265A’、265B’)を乗り越えることを意味している(図37Aおよび37Bも併せて参照のこと)。このようにホルダーの周状隆起部180がホルダー挟持部材のドーム形状部(265A’、265B’)を乗り越える際、使用者には好適なクリック感”が供される。つまり、使用者にとってみれば、クリック感”によってランセットアッセンブリの装填完了を確実に把握することができる。
(針露出防止に関連したある好適な形態)
図38〜図45を参照して「針露出防止に関連したある好適な形態」を説明する。特に「ランセット半抜けによる針露出防止に関連したある好適なランセットアッセンブリ形態」について説明する。かかる形態を有するランセットアッセンブリでは、不本意または偶発的にランセットが前方に付勢された場合であってもランセットがホルダーから抜け落ちないようになっており、また、ランセットキャップ取外し時にて同様に不本意または偶発的にランセットが前方に付勢された場合であっても針先がホルダーから飛び出さないようになっている。
かかる形態を有するランセットアッセンブリ100では、ランセットボディ140が屈曲形状可変位部144を備え、ホルダー170が屈曲形状可変位部の係止のための被係止部190Aを備えているところ、屈曲形状可変位部144の屈曲部分144Aがホルダーの被係止部190Aに係止可能な状態で位置付けられている(図39参照)。図38および図39に示すように、被係止部190Aは開口形態を有するものであってよく、そのような開口を規定するホルダー壁部に屈曲形状可変位部144の屈曲部分144Aが係止できるようになっている。
図39に示す状態のランセットアッセンブリ100に対して、不本意または偶発的にランセットが前方に付勢された場合、図40に示すように屈曲形状可変位部の屈曲部分144A(特にその外面部)がホルダーの被係止部190Aに係止することになり、結果としてランセットがホルダーから抜け落ちないようになっている。
図41は、ランセットアッセンブリ100のインジェクター200への装填が完了した状態を示している。つまり、図41に示す態様では、ランセットボディ140とプランジャー(特にその先端の筒状取付け部222)とが互いに係合することによって、ランセットアッセンブリ100のインジェクター200に対する装填が完了している。かかる図41に示す状態のランセットアッセンブリ100に対して、仮に不本意または偶発的にランセットが前方に付勢された場合(例えばランセットキャップ取外し時にランセットを前方へと引き抜く力が加わった場合)、図42に示すように、屈曲形状可変位部144の屈曲部分144A(特にその外面部)がホルダーの“更なる被係止部190B”に係止することになり、ランセットがホルダーから抜け落ちないようになっている。「更なる被係止部190B」も被係止部190Aと同様に開口形態を有するものであってよく、それゆえ、そのような開口を規定するホルダー壁部に屈曲形状可変位部144の屈曲部分144Aが係止できる。つまり、ランセットキャップ取外し時において不本意または偶発的にランセットが前方に付勢された場合であっても針先がホルダーから飛び出さないようになっている(図43〜45も併せて参照のこと)。
(針露出防止に関連した別のある好適な形態)
次に図46を参照して「針露出防止に関連した別のある好適な形態」を説明する。特には、そのような防止のために好適に構成されたインジェクターについて説明する。かかるインジェクターでは、ランセットアッセンブリの装填が完了した後の段階かつランセットキャップの取外しの前の段階にて(以下では「装填後のキャップ除去前の段階」とも称す)、不本意または偶発的にインジェクターのトリガーレバーが操作されてしまった場合でも、安全性が好適に担保されている。
具体的には、装填完了後のキャップ除去前の段階において、インジェクターのトリガーレバーが押されてしまい(即ち、トリガーレバーが外部からインジェクター内部方向に押し込まれ)、かつ、その後にランセットアッセンブリがインジェクターから引き抜かれた場合であっても、ランセットアッセンブリにおいて針露出の虞はない。より具体的には、かくの如く引き抜かれたランセットアッセンブリでは、仮にランセットキャップが外されたとしても、穿刺部材の針先が外部に露出しないようになっている。
このような安全性が担保された穿刺デバイスに寄与する部分は、トリガーレバー230(インジェクターに装填されたランセットアッセンブリでランセットの発射を引き起こすトリガー部材)に設けられた突起部である。具体的には、図46において参照番号230cで示される突起部である。トリガーレバーには、インジェクターに装填されたランセットアッセンブリのランセットの先方への移動を一旦阻止するための後方突起部230aが設けられているところ、その後方突起部230aの前方側の位置に“更なる突起部230c”が設けられている。図示する形態から分かるように、“更なる突起部230c”は後方突起部230aと横並びでそれに隣接して設けられていることが好ましい。
本態様においては、ランセットとプランジャーとが互いに係合してランセットアッセンブリがインジェクターに完全に装填された後であって、ランセットキャップの取外し前にトリガーレバーの操作が行われ、かつ、ランセットアッセンブリがインジェクターから引き抜かれた場合であっても、ランセットと連結しているプランジャーの前進がトリガーレバーの“更なる突起部230c”によって阻止され、結果として上記安全性がもたらされる。
図46を参照して具体的に説明すると次のようになる。ランセット(特にはランセットボディ140)とプランジャー(特にはその先端の筒状取付け部222)とが互いに係合してランセットアッセンブリがインジェクターに十分に装填された状態、即ち、「装填後のキャップ除去前の段階」では、本来的には以後にランセットキャップ150が除去されてからトリガーレバー230が操作されることになる。しかしながら、不本意または偶発的にもランセットキャップ150の除去に先立ってトリガーレバー230が操作されてしまうことがなきにしもあらずである。ランセットキャップの除去に先立ってトリガーレバーが操作された場合、穿刺デバイスは図46(a)に示される状態となる。具体的には、トリガーレバーの先端部230bがインジェクターの内部に向かって押し込まれてトリガーレバーが操作されると(図7参照)、トリガーレバー230の後方突起部230aとプランジャー220の突起部220bとのコッキング状態が解除される。よって、ファイヤー・スプリングの圧縮状態の解除に起因してプランジャー220がより前方へと位置付けられ、穿刺デバイスは図46(a)に示される形態をとることになる。かかる状態からランセットアッセンブリ100が引き抜かれた場合、より具体的には、ランセットアッセンブリ100がインジェクター200から引き抜かれた場合、ランセット130と係合しているプランジャー220が前方へと移動することになる。プランジャー220は、前進移動するものの、それに設けられたトリガー用突起部220bが“更なる突起部230c”に係止するので、かかる移動自体は直ぐに阻止されることになる(図46(b)参照)。
引き続いて、ランセットアッセンブリの引抜きが継続されると、ランセットとプランジャーとの係合が最終的に解除されることになるが、その際、図46(c)に示すように、ランセットアッセンブリ100において屈曲形状可変位部144の屈曲部分144A(特にその外面部)がホルダーの“更なる被係止部190B”に係止することになる。具体的には、かかる係合解除に際してはプランジャーの筒状取付け部222に部分的に収められていたランセットの屈曲形状可変位部144がその筒状取付け部222から抜けることになるので、屈曲形状可変位部144が元の形態に戻ることになる。これにより、屈曲形状可変位部144の屈曲部分144Aがホルダーの“更なる被係止部190B”に係止できるようになる。このような係止状態ではランセットの針先の位置がランセットホルダー170の先端部と同じ位置か又はそれよりも後方に位置付けられる。従って、最終的にインジェクターから取り外されたランセットアッセンブリ100では、そのキャップ150が取り外されたとしても、針先(即ち、穿刺針の針先端143a)がホルダー170から露出しない(図46(d)および図46(e)参照)。
上記で説明した本発明は下記の態様を有するものであることを確認的に付言しておく。
第1態様:ランセットアッセンブリのランセットを発射させて穿刺に供するインジェクターであって、ランセットを穿刺方向に発射させるプランジャー、および、プランジャーを内包するインジェクター・ケーシングを有して成り、
インジェクターの穿刺深さ調節機構が、
プランジャーからその横断方向に外側へと突出する突出部、
凹凸部およびステップ部を備えた円筒部材、ならびに
インジェクターの軸方向に沿って円筒部材と横並びに設けられたバネ部材
を有して成り、
凹凸部を成す面の法線がインジェクターの軸方向と略平行になるように凹凸部が円筒部材に設けられている一方、凹凸部の一部と相補的な形状を有する相補形状部がインジェクター・ケーシングに設けられ、バネ部材から供される押圧力によって円筒部材の凹凸部の一部とインジェクター・ケーシングの相補形状部との当接が保持されており、
穿刺に際してプランジャーが前方に移動した際、プランジャーの突出部が、円筒部材のステップ部に衝突することで、プランジャーがそれ以上の前方へと移動できないようになっており、また
穿刺深さの調節に際しては、円筒部材をその軸中心にて回転させることによって、プランジャーの突出部が衝突することになるステップ部を異なる高さのステップ部へと変更でき、それによって、プランジャーの前方移動距離が変更される、インジェクター。
第2態様:上記第1態様において、円筒部材の凹凸部は、円筒部材の周方向に沿って周期的に連続した形態を有しており、
円筒部材を回転させて穿刺深さの調節を行うに際しては、インジェクター・ケーシングの相補形状部に当接する円筒部材の凹凸部の一部が別の一部へと変わることを特徴とするインジェクター。
第3態様:上記第2態様において、インジェクター・ケーシングの相補形状部に当接する円筒部材の凹凸部の一部が別の一部へと変わるに際しては、バネ部材が一時的に収縮することを特徴とするインジェクター。
第4態様:上記第1態様〜第3態様のいずれかにおいて、バネ部材がコイルバネであることを特徴とするインジェクター。
第5態様:上記第1態様〜第4態様のいずれかにおいて、円筒部材には周方向に沿って目盛り数値が付されている一方、インジェクター・ケーシングには円筒部材の目盛り数値を露出させるための目盛り用開口窓が設けられており、
円筒部材の目盛り数値が相互に隣接する第1数値列と第2数値列とから構成されていると共に、目盛り用開口窓がインジェクター・ケーシングの対向する側面に設けられた第1開口窓と第2開口窓とから構成されており、第1数値列の数字が第1開口窓から露出する一方、第2数値列の数字が第2開口窓から露出することを特徴とするインジェクター。
第6態様:上記第1態様〜第5態様のいずれかにおいて、凹凸部が円筒部材の外周面の端部領域に設けられており、相補形状部がインジェクター・ケーシングの内壁面に設けられていることを特徴とするインジェクター。
第7態様:上記第1態様〜第6態様のいずれかにおいて、ステップ部が円筒部材の内周面に設けられており、また
プランジャーの突出部が円筒部材の内側に位置付けられるようにプランジャーが円筒部材を貫いていることを特徴とするインジェクター。
第8態様:ランセットアッセンブリのランセットを発射させて穿刺に供するインジェクターであって、ランセットを穿刺方向に発射させるプランジャー、および、プランジャーを内包するインジェクター・ケーシングを有して成り、
インジェクターのランセットアッセンブリ保持機構が、
インジェクターの前端開口部に設けられ、ランセットアッセンブリのホルダーを収めることができるランセットアッセンブリ受容部材、および
ランセットアッセンブリ受容部材に取り付けられた金属製のホルダー挟持部材
を有して成り、
ランセットアッセンブリのホルダーがランセットアッセンブリ受容部材に収まるようにランセットアッセンブリがインジェクターに対して装填されるに際しては、ホルダー挟持部材がホルダーを挟持する、インジェクター。
第9態様:上記第8態様において、ホルダー挟持部材が呈する弾性力によってランセットアッセンブリのホルダーが該ホルダー挟持部材に挟持されることを特徴とするインジェクター。
第10態様:上記第8態様または第9態様において、ホルダー挟持部材の全体形態が、一部切欠きのリング形態を有していることを特徴とするインジェクター。
第11態様:上記第8態様〜第10態様のいずれかにおいて、ホルダー挟持部材が、サブ挟持部材Aとサブ挟持部材Bとから成る2パーツ構成を有しており、サブ挟持部材Aとサブ挟持部材Bとが対向配置されていることを特徴とするインジェクター。
第12態様:上記第8態様〜第11態様のいずれかにおいて、ホルダー挟持部材は、その一部が内側へと湾曲した又は折れ曲がった局所湾曲部(局所折曲部)を有しており、
ランセットアッセンブリのインジェクターへの装填に際しては局所湾曲部がランセットアッセンブリのホルダーの外面部(ホルダー外周面やそれに設けられた周状隆起部など)に接することを特徴とするインジェクター。
第13態様:上記第12態様において、ホルダー挟持部材がランセットアッセンブリ受容部材の外周面に密接するように取り付けられており、
ランセットアッセンブリ受容部材の内周面においてはホルダー挟持部材の局所湾曲部がランセットアッセンブリ受容部材の切欠き部から露出していることを特徴とするインジェクター。
第14態様:上記第8態様〜第13態様のいずれかにおいて、局所湾曲部の内側面の少なくとも一部がドーム形態(ドーム形状部)を有していることを特徴とするインジェクター。
第15態様:上記第11態様に従属する上記第12態様〜第14態様のいずれかにおいて、ランセットアッセンブリ受容部材が、インジェクターの前方側に位置付けられたサブ受容部材Aと、インジェクターの後方側に位置付けられたサブ受容部材Bとから成る2パーツ構成を有しており、サブ受容部材Aが全体としてリング形態を有していることを特徴とするインジェクター。
第16態様:上記第15態様において、サブ受容部材Aには後方側へと突出した一対の後方突出部が設けられており、一対の後方突出部がサブ挟持部材Aおよびサブ挟持部材B上に被さるように位置付けられていることを特徴とするインジェクター。
第17態様:ランセットアッセンブリのランセットを発射させて穿刺に供するインジェクターであって、
ランセットを穿刺方向に発射させるプランジャー、プランジャーを内包するインジェクター・ケーシング、および、インジェクターに装填されたランセットアッセンブリを排出するためのエジェクターを有して成り、
エジェクターに弾性部分が設けられる一方、インジェクター・ケーシングの内壁面に突起部が設けられており、ランセットとプランジャーとを互いに係合させるべくランセットアッセンブリがインジェクターに装填されるに際しては、エジェクターの弾性部分がインジェクターの突起部に一旦当接し、その後に該突起部を乗り越える、インジェクター。
第18態様:上記第17態様において、エジェクターの弾性部分がインジェクターの突起部を乗り越えた時点でランセットとプランジャーとが完全に係合することを特徴とするインジェクター。
第19態様:上記第17態様または第18態様において、エジェクターが長尺形状を有しており、該長尺形状のエジェクターの先端部に弾性部分が設けられていることを特徴とするインジェクター。
第20態様:上記第17態様〜第20態様のいずれかにおいて、弾性部分は、エジェクター・ボディから枝分かれするように後方へと延在する分岐形態を有することを特徴とするインジェクター。
第21態様:ランセットアッセンブリのランセットを発射させて穿刺に供するインジェクターであって、
ランセットを穿刺方向に発射させるプランジャー、プランジャーを内包するインジェクター・ケーシング、および、インジェクターに装填されたランセットアッセンブリを排出するためのエジェクターを有して成り、
エジェクターにプランジャー後退用当接部が設けられており、
穿刺後にてエジェクターを後方へと移動させると、エジェクターのプランジャー後退用当接部がプランジャーに当接し、それによって、エジェクターから受ける押圧力に起因してプランジャーが後退する、インジェクター。
第22態様:ランセットおよびそれを収納したホルダーから構成されるランセットアッセンブリであって、
ランセットは、ランセットボディ、ランセットキャップおよび穿刺針を有して成り、金属製の穿刺針が樹脂製のランセットボディおよびランセットキャップにまたがってこれらの中に存在し、ランセットキャップによって穿刺針の針先がカバーされており、
ランセットキャップが、
穿刺針を保護する針先保護部、
針先保護部に連結し、ランセットキャップにて最も前方に位置付けられたキャップヘッド部、および、キャップヘッド部に連結し、該キャップヘッド部から後方へと延在する一対の後方延在部
を有して成り、
ランセットキャップの後方延在部がホルダーの胴体の外側面上にて該外側面に沿って延在している、ランセットアッセンブリ。
第23態様:上記第22態様において、ランセットキャップの後方延在部の自由端が穿刺針の針先端の位置または針先保護部の設置位置(特に「針先保護部の後端」)よりも後方に位置付けられるように後方延在部が後方に延在していることを特徴とするランセットアッセンブリ。
第24態様:上記第22態様または第23態様において、ランセットキャップの後方延在部の内側面とホルダーの胴体の外側面とが相互に近接または密接していることを特徴とするランセットアッセンブリ。
第25態様:上記第22態様〜第24態様のいずれかにおいて、ランセットキャップの後方延在部の内側面の少なくとも一部とホルダーの胴体の外側面の少なくとも一部とが互いに相補的な形態を有していることを特徴とするランセットアッセンブリ。
第26態様:上記第22態様〜第25態様のいずれかにおいて、ランセットキャップがランセットから取り外されるに際してはランセットキャップの後方延在部がホルダーの胴体の外側面を摺動するように後方延在部を回転させることができる(即ち、ランセットキャップの取り外しに際しては、使用者によって把持された後方延在部がホルダーの胴体の外側面を摺動して回転する)ことを特徴とするランセットアッセンブリ。
第27態様:上記第22態様〜第26態様のいずれかにおいて、ランセットボディが屈曲形状可変位部を備えている一方、ホルダーが屈曲形状可変位部の係止のための被係止部を備えており、
屈曲形状可変位部の屈曲部分(即ち、屈曲形状可変位部の中間部分に位置する折れ曲がり部)がホルダーの被係止部に係止可能な状態で位置付けられていることを特徴とするランセットアッセンブリ。
第28態様:上記第1態様〜第21態様のいずれかのインジェクターおよび上記第22態様〜第27態様のいずれかのランセットアッセンブリとから構成される穿刺デバイス。
第29態様:上記第14態様に従属する上記第28態様において、
ランセットアッセンブリのホルダーの外周面には周状隆起部が設けられており、
ランセットアッセンブリをインジェクターに装填するに際しては、ホルダーの周状隆起部がホルダー挟持部材のドーム形状部に一旦当接し、その後に該ドーム形状部を乗り越えることを特徴とする穿刺デバイス。
第30態様:上記第27態様に従属する上記第28態様または第29態様において、屈曲形状可変位部の係止のための更なる被係止部をホルダーが備えており、
ランセットとプランジャーとが互いに係合してランセットアッセンブリがインジェクターに装填された後においてランセットのみが前方へと動かされると、ランセットボディの屈曲形状可変位部の屈曲部分(即ち、屈曲形状可変位部の中間部分に位置する折れ曲がり部)がホルダーの更なる被係止部へと係止することを特徴とする穿刺デバイス。
第31態様:上記第8態様に従属する上記第28態様〜第30態様いずれかにおいて、
インジェクターが、該インジェクターに装填されたランセットアッセンブリにおけるランセットの発射を引き起こすトリガーレバーを更に有して成り、
トリガーレバーには、インジェクターに装填されたランセットアッセンブリのランセットの先方への移動を一旦阻止するための後方突起部を有して成ると共に、該後方突起部の前方側の位置にて更なる付加突起部を有することを特徴とする穿刺デバイス。
第32態様:上記第31態様において、ランセットとプランジャーとが互いに係合することによってランセットアッセンブリがインジェクターに装填された後において、ランセットキャップの取外し前にトリガー部材の操作が行われ、かつ、ランセットアッセンブリがインジェクターから引き抜かれた場合、ランセットアッセンブリと連結しているプランジャーの前進がトリガーレバーの付加突起部によって阻止されることを特徴とする穿刺デバイス。
以上、本発明の実施形態について説明してきたが、本発明はこれに限定されない。本発明では種々の形態が考えられるだけでなく、種々の改変がなされ得ることを当業者は容易に理解されよう。例えば、穿刺針143は、図示されたように最先端が針状に尖った形態を有するものであったが、必ずしもかかる形態に限定されない。例えば、穿刺針143は、先端部の一側面が鋭利になった“ブレード形態(blade)”であってもよい。
関連出願の相互参照
本出願は、日本国特許出願第2015−31017号(出願日:2015年2月19日、発明の名称:「インジェクター、ランセットアッセンブリおよび穿刺デバイス」)に基づくパリ条約上の優先権を主張する。当該出願に開示された内容は全て、この引用により、本明細書に含まれるものとする。
100 ランセットアッセンブリ
130 ランセットアッセンブリのランセット
140 ランセットボディ
142 ランセットボディの可撓性突出部
143 穿刺針
143a 穿刺針の針先端(針先部分)
144 ランセットボディの屈曲形状可変位部
144A 屈曲形状可変位部の屈曲部分
145 ランセットボディの後端部
146 ランセットボディの前端部
150 ランセットキャップ
152 ランセットキャップの針先保護部
152A ランセットキャップの針先保護部の後端
152’’ ランセットキャップの針先保護部(好適な変更形態例)
152a 針先保護部に設けられた局所的隆起部
152b’’ 針先保護部に設けられた中空部(好適な変更形態例)
154 ランセットキャップのキャップヘッド部
156 ランセットキャップの後方延在部
156M,156N 後方延在部の外側曲面
156A 後方延在部の内側面
156B 後方延在部の自由端
170 ランセットアッセンブリのホルダー
170A ホルダーの胴体の外側面
171 ホルダーの開口後端
172 ホルダーの穿刺開口端
173 ホルダー外面に設けられた隆起部
173’’ ホルダー外面に設けられた隆起部(好適な変更形態例)
174 ホルダー内壁に設けられた段差部
174A 段差部によって形成された面
175 ホルダー内壁に設けられた係止部
180 ホルダーの周状隆起部
190A 屈曲形状可変位部の係止のためのホルダー被係止部
190B 屈曲形状可変位部の係止のための更なるホルダー被係止部
200 インジェクター
201 インジェクターの前端開口部
202 ランセットアッセンブリ保持機構のランセットアッセンブリ受容部材
202A サブ受容部材A
202A,202A サブ受容部材Aの一対の後方突出部
202B サブ受容部材B
202a ランセットアッセンブリ受容部材の胴体外面に設けられた周方向溝部
202b ランセットアッセンブリ受容部材の胴体に設けられた切欠き開口部
202c ランセットアッセンブリ受容部材のガイド隆起部
202c’’ ランセットアッセンブリ受容部材のガイド隆起部(好適な変更形態例)
202d ランセットアッセンブリ受容部材のガイド溝
202d’’ ランセットアッセンブリ受容部材のガイド溝(好適な変更形態例)
210 インジェクター・ケーシング
212 インジェクター・ケーシングの内壁面に設けられた突起部
215 インジェクター・ケーシングの内壁面に設けられた相補形状部
216 インジェクター・ケーシングに設けられた目盛り用開口窓
216a 目盛り用の第1開口窓
216b 目盛り用の第2開口窓
220 プランジャー
220a プランジャーのファイヤー・スプリング
220b プランジャーのトリガー用突起部
220c プランジャーのリターン・スプリング
221 プランジャーの胴体筒部
221A プランジャーの胴体筒部の前側エッジ
222 プランジャーの先端部(ランセットが取り付けられる筒状取付け部)
225 プランジャーの深さ調節用突出部
227 プランジャーの後端に設けられたインジケータ表示部
230 トリガーレバー(トリガー部材)
230a トリガーレバーの後方突起部
230b トリガーレバーの前端部
230c トリガーレバーの更なる突起部(針先露出防止用の突起部)
240 穿刺深さ調節機構の円筒部材
242 穿刺深さ調節機構の円筒部材に設けられた凹凸部
242a,242b,242c・・・凹凸部を成す面
246 穿刺深さ調節機構の円筒部材に設けられたステップ部
246a,246b,246c・・・高さの異なるステップ部
248 穿刺深さ調節機構の円筒部材に設けられた目盛り数値
248a 目盛り数値の第1数値列
248b 目盛り数値の第2数値列
250 穿刺深さ調節機構のバネ部材
260 ランセットアッセンブリ保持機構のホルダー挟持部材
260A サブ挟持部材A
260B サブ挟持部材B
265(265a,265b) ホルダー挟持部材の局所湾曲部
265’ 局所湾曲部のドーム形状部
265A サブ挟持部材Aの局所湾曲部
265A’ サブ挟持部材Aの局所湾曲部(内側面)に設けられたドーム形状部
265B サブ挟持部材Bの局所湾曲部
265B’ サブ挟持部材Bの局所湾曲部(内側面)に設けられたドーム形状部
270 エジェクター
272 エジェクターの先端部
275 エジェクターに設けられた弾性部分
276 エジェクターに設けられたインジケータ窓部
277 エジェクターのプランジャー後退用当接部
1000 穿刺デバイス

100’ ランセットアッセンブリ
101’ ランセット
102’ 保護カバー
104’ ランセットボディ
105’ 穿刺部材
106’ ランセットキャップ
108’ 弱化部材
200’ インジェクター
204’ プランジャー
214’ インジェクターの前端開口部
264’,266’ プランジャーの先端部
514’ トリガー部材
542’ トリガー部材のプレス部分

Claims (31)

  1. ランセットアッセンブリのランセットを発射させて穿刺に供するインジェクターであって、ランセットを穿刺方向に発射させるプランジャー、および、プランジャーを内包するインジェクター・ケーシングを有して成り、
    インジェクターの穿刺深さ調節機構が、
    プランジャーからその横断方向に外側へと突出する突出部、
    凹凸部およびステップ部を備えた円筒部材、ならびに
    インジェクターの軸方向に沿って円筒部材と横並びに設けられたバネ部材
    を有して成り、
    凹凸部を成す面の法線がインジェクターの軸方向と略平行になるように凹凸部が円筒部材に設けられている一方、凹凸部の一部と相補的な形状を有する相補形状部がインジェクター・ケーシングに設けられ、バネ部材から供される押圧力によって円筒部材の凹凸部の一部とインジェクター・ケーシングの相補形状部との当接が保持されており、
    穿刺に際してプランジャーが前方に移動した際、プランジャーの突出部が、円筒部材のステップ部に衝突することで、プランジャーがそれ以上の前方へと移動できないようになっており、また
    穿刺深さの調節に際しては、円筒部材をその軸中心にて回転させることによって、プランジャーの突出部が衝突することになるステップ部を異なる高さのステップ部へと変更でき、それによって、プランジャーの前方移動距離が変更される、インジェクター。
  2. 円筒部材の凹凸部は、円筒部材の周方向に沿って周期的に連続した形態を有しており、
    円筒部材を回転させて穿刺深さの調節を行うに際しては、インジェクター・ケーシングの相補形状部に当接する円筒部材の凹凸部の一部が別の一部へと変わることを特徴とする、請求項1に記載のインジェクター。
  3. インジェクター・ケーシングの相補形状部に当接する円筒部材の凹凸部の一部が別の一部へと変わるに際しては、バネ部材が一時的に収縮することを特徴とする、請求項2に記載のインジェクター。
  4. バネ部材がコイルバネであることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載のインジェクター。
  5. 円筒部材には周方向に沿って目盛り数値が付されている一方、インジェクター・ケーシングには円筒部材の目盛り数値を露出させるための目盛り用開口窓が設けられており、
    円筒部材の目盛り数値が相互に隣接する第1数値列と第2数値列とから構成されていると共に、目盛り用開口窓がインジェクター・ケーシングの対向する側面に設けられた第1開口窓と第2開口窓とから構成されており、第1数値列の数字が第1開口窓から露出する一方、第2数値列の数字が第2開口窓から露出することを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載のインジェクター。
  6. 凹凸部が円筒部材の外周面の端部領域に設けられており、相補形状部がインジェクター・ケーシングの内壁面に設けられていることを特徴とする、請求項1〜5のいずれかに記載のインジェクター。
  7. ステップ部が円筒部材の内周面に設けられており、また
    プランジャーの突出部が円筒部材の内側に位置付けられるようにプランジャーが円筒部材を貫いていることを特徴とする、請求項1〜6のいずれかに記載のインジェクター。
  8. ランセットアッセンブリのランセットを発射させて穿刺に供するインジェクターであって、ランセットを穿刺方向に発射させるプランジャー、および、プランジャーを内包するインジェクター・ケーシングを有して成り、
    インジェクターのランセットアッセンブリ保持機構が、
    インジェクターの前端開口部に設けられ、ランセットアッセンブリのホルダーを収めることができるランセットアッセンブリ受容部材、および
    ランセットアッセンブリ受容部材に取り付けられた金属製のホルダー挟持部材
    を有して成り、
    ランセットアッセンブリのホルダーがランセットアッセンブリ受容部材に収まるようにランセットアッセンブリがインジェクターに対して装填されるに際しては、ホルダー挟持部材がホルダーを挟持する、インジェクター。
  9. ホルダー挟持部材の弾性力によってランセットアッセンブリのホルダーが該ホルダー挟持部材に挟持されることを特徴とする、請求項8に記載のインジェクター。
  10. ホルダー挟持部材が、サブ挟持部材Aとサブ挟持部材Bとから成る2パーツ構成を有しており、サブ挟持部材Aとサブ挟持部材Bとが対向配置されていることを特徴とする、請求項8または9に記載のインジェクター。
  11. ホルダー挟持部材は、その一部が内側へと局所的に湾曲した又は折れ曲がった局所湾曲部を有しており、
    ランセットアッセンブリのインジェクターへの装填に際しては局所湾曲部がランセットアッセンブリのホルダーの外面部に接することを特徴とする、請求項8〜10のいずれかに記載のインジェクター。
  12. ホルダー挟持部材がランセットアッセンブリ受容部材の外面に取り付けられており、
    ランセットアッセンブリ受容部材の内面においてはホルダー挟持部材の局所湾曲部がランセットアッセンブリ受容部材の切欠き部から露出していることを特徴とする、請求項11に記載のインジェクター。
  13. 局所湾曲部の内側面がドーム形状部を有していることを特徴とする、請求項8〜12のいずれかに記載のインジェクター。
  14. ランセットアッセンブリ受容部材が、インジェクターの前方側に位置付けられたサブ受容部材Aと、インジェクターの後方側に位置付けられたサブ受容部材Bとから成る2パーツ構成を有しており、サブ受容部材Aが全体としてリング形態を有していることを特徴とする、請求項10に従属する請求項11〜13のいずれかに記載のインジェクター。
  15. サブ受容部材Aには後方側へと突出した一対の後方突出部が設けられており、一対の後方突出部がサブ挟持部材Aおよびサブ挟持部材B上に位置付けられていることを特徴とする、請求項14に記載のインジェクター。
  16. インジェクターに装填されたランセットアッセンブリを排出するためのエジェクターを更に有して成り、
    エジェクターに弾性部分が設けられる一方、インジェクター・ケーシングの内壁面に突起部が設けられており、ランセットとプランジャーとを互いに係合させるべくランセットアッセンブリがインジェクターに装填されるに際しては、エジェクターの弾性部分がインジェクターの突起部に一旦当接し、その後に該突起部を乗り越えることを特徴とする、請求項1〜15のいずれかに記載のインジェクター。
  17. エジェクターの弾性部分がインジェクターの突起部を乗り越えた時点でランセットとプランジャーとが完全に係合することを特徴とする、請求項16に記載のインジェクター。
  18. エジェクターが長尺形状を有しており、該長尺形状のエジェクターの先端部に弾性部分が設けられていることを特徴とする、請求項16または17に記載のインジェクター。
  19. 弾性部分は、エジェクター・ボディから枝分かれするように後方へと延在する分岐形態を有することを特徴とする、請求項16〜18のいずれかに記載のインジェクター。
  20. エジェクターにプランジャー後退用当接部が設けられており、
    穿刺後にてエジェクターを後方へと移動させると、エジェクターのプランジャー後退用当接部がプランジャーに当接し、それによって、エジェクターから受ける押圧力に起因してプランジャーが後退することを特徴とする、請求項1〜19のいずれかに記載のインジェクター。
  21. ランセットおよびそれを収納したホルダーから構成されるランセットアッセンブリであって、
    ランセットは、ランセットボディ、ランセットキャップおよび穿刺針を有して成り、金属製の穿刺針が樹脂製のランセットボディおよびランセットキャップにまたがってこれらの中に存在し、ランセットキャップによって穿刺針の針先がカバーされており、
    ランセットキャップが、
    穿刺針を保護する針先保護部、
    針先保護部に連結し、ランセットキャップにて最も前方に位置付けられたキャップヘッド部、および、キャップヘッド部に連結し、該キャップヘッド部から後方へと延在する一対の後方延在部
    を有して成り、
    ランセットキャップの後方延在部がホルダーの胴体の外側面上にて該外側面に沿って延在している、ランセットアッセンブリ。
  22. ランセットキャップの後方延在部の自由端が穿刺針の針先端位置または針先保護部の後端よりも後方に位置付けられるように後方延在部が後方へと延在していることを特徴とする、請求項21に記載のランセットアッセンブリ。
  23. ランセットキャップの後方延在部の内側面とホルダーの胴体の外側面とが相互に近接または密接していることを特徴とする、請求項21または22に記載のランセットアッセンブリ。
  24. ランセットキャップの後方延在部の内側面の少なくとも一部とホルダーの胴体の外側面の少なくとも一部とが互いに相補的な形態を有していることを特徴とする、請求項21〜23のいずれかに記載のランセットアッセンブリ。
  25. ランセットキャップがランセットから取り外されるに際してはランセットキャップの後方延在部がホルダーの胴体の外側面を摺動するように後方延在部を回転させることができる、請求項21〜24のいずれかに記載のランセットアッセンブリ。
  26. ランセットボディが屈曲形状可変位部を備えている一方、ホルダーが屈曲形状可変位部の係止のための被係止部を備えており、
    屈曲形状可変位部の屈曲部分がホルダーの被係止部に係止可能な状態で位置付けられていることを特徴とする、請求項21〜25のいずれかに記載のランセットアッセンブリ。
  27. 請求項1〜20のいずれかに記載のインジェクターおよび請求項21〜26のいずれかに記載のランセットアッセンブリとから構成される穿刺デバイス。
  28. ランセットアッセンブリのホルダーの外周面には周状隆起部が設けられており、
    ランセットアッセンブリをインジェクターに装填するに際しては、ホルダーの周状隆起部がホルダー挟持部材のドーム形状部に一旦当接し、その後に該ドーム形状部を乗り越えることを特徴とする、請求項13に従属する請求項27に記載の穿刺デバイス。
  29. 屈曲形状可変位部の係止のための更なる被係止部をホルダーが備えており、
    ランセットとプランジャーとが互いに係合してランセットアッセンブリがインジェクターに装填された後においてランセットのみが前方へと動かされると、ランセットボディの屈曲形状可変位部の屈曲部分がホルダーの更なる被係止部へと係止することを特徴とする、請求項26に従属する請求項27または28に記載の穿刺デバイス。
  30. インジェクターが、該インジェクターに装填されたランセットアッセンブリにおけるランセットの発射を引き起こすトリガーレバーを更に有して成り、
    トリガーレバーには、インジェクターに装填されたランセットアッセンブリにおけるランセットの先方への移動を一旦阻止するための後方突起部を有して成ると共に、該後方突起部の前方側の位置にて更なる突起部を有することを特徴とする、請求項8に従属する請求項27〜29のいずれかに記載の穿刺デバイス。
  31. ランセットとプランジャーとが互いに係合することによってランセットアッセンブリがインジェクターに装填された後において、ランセットキャップの取外し前にトリガー部材の操作が行われ、かつ、ランセットアッセンブリがインジェクターから引き抜かれた場合、ランセットと連結しているプランジャーの前進がトリガーレバーの更なる突起部によって阻止されることを特徴とする、請求項30に記載の穿刺デバイス。
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