JP3987371B2 - 個別車両モニタリング装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、道路上の交通流をモニタし、個々の車両の走行状況や、渋滞、事故、障害物の発生有無を把握するための個別車両モニタリング装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
効果的な交通管制を行うためには道路上の交通流を把握する必要がある。交通流を把握するための装置ではセンサとして車両感知器が多く用いられている。車両感知器には、超音波式やループコイル式等がある。超音波式は、超音波を道路上に照射し、道路上あるいは走行車両からの反射波を受信し、この反射波を受信するまでの時間差から車両の有無を検出する。また、ループコイル式は、道路面にループコイルを埋設し、このループコイル上を車両が通過する際に生じるインダクタンスの変化から車両の有無を検出する。
【0003】
このような車両感知器を設置することにより、所定の時間毎の交通量(Quantity:単位時間に道路のある線上を通過する車両の台数)と占有率(Occupancy:道路のある線上における車両の存在時間比率)とが得られる。そして、車両の平均車長を仮定すれば、交通量と占有率とから、所定の時間内に通過した車両の平均速度を計算により求めることができる。また、一つの車両感知器に車両感知素子を二つ備えたいわゆるダブルヘッドとした場合は、二つのヘッドが車両を検出したときの時間差とヘッド間距離とから、個々の車両の通過地点速度を直接計測することができる。
【0004】
このようにして交通流を把握することにより、渋滞、事故、障害物などの発生を検出することができる。例えば、通過台数が少なく、占有率が高く、速度が低ければ渋滞であると判断する。また、複数車線において、他の車線では交通量が多いのに、一つの車線のみ交通量も占有率も0であれば、その車線に事故や障害物が発生し、これらを車両が回避していると判断される。
【0005】
こうして得られた交通流情報は、交通管制センターなどの表示装置に表示される。表示装置では、多くの場合、図13で示すように、道路を1km程度のブロックに区切り、渋滞している区間や事故または障害物の発生した区間の色を変える等、監視員が把握しやすいように表示している。
【0006】
しかし、このような装置では、車両感知器の設置地点の情報しか得られず、個々の車両の走行状況を把握することができない。また、表示装置では道路を複数のブロックに区切ってブロック単位で扱っているため、渋滞発生時、その正確な先頭位置及び末尾位置を把握できない。さらに、事故や障害物が生じても、車両感知器から離れたところで発生した場合は、これを回避する車両の動きを検出できず、事故や障害物の発生を把握できない。
【0007】
このような問題に対し、最近では、特開平11-96495号、特開平10-105690号、特開平6-76196号などで示すように、TVカメラ等の撮像装置による画像を処理して交通流れを把握する方式が多く提案されている。この方式では、1機の撮像装置によってある程度の領域をカバーでき、また、車両の色、形、ナンバープレートなどの情報が得られるため、同一車両の同定が比較的容易である。このため、車両個々の走行状況の監視が可能になり、渋滞や事故の把握、障害物の発見も容易になる。さらに、テレビカメラの情報を補間することによりテレビカメラ視野外の異常事象を予測することも考えられている。
【0008】
しかし、新規にTVカメラなどの設備を投入するためには多大な費用がかかってしまう。また、運用後においても夜間や、霧、雨等の悪天候時には良好な画像が得られず、誤検出や検出漏れなどが頻繁に起こる恐れがある。特に、トンネル内で火災が起こった場合等は、煙で画像が得られなくなり、交通流の計測そのものが不可能になってしまう。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
このように従来技術では、個々の車両の挙動が監視できず、渋滞の正確な位置が把握できず、事故や障害物の検出も難しい。また、多大な費用をかけてTVカメラなどの設備を新規に投入しても、悪天候などにより検出精度が下がったり、トンネル内の火災発生により検出が不可能になるなど十分満足できるものではなかった。
【0010】
本発明の目的は、新規にTVカメラなどを設備投入する必要がなく、既存の車両感知器のデータを利用して個々の車両の走行状況を把握できる個別車両モニタリング装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の本発明による個別車両モニタリング装置は、道路の車両走行方向に沿って設けられ、走行車両を検出する複数の車両感知器と、各車両感知器からの信号に基づき、各車両感知器の設置地点を通過した車両の台数や速度を集計周期毎に集計処理する車両情報処理手段と、この車両情報処理手段からの情報に基づき前記集計周期内に各設置地点を通過した車両個々に対し、個別に車両ID付し、これら車両ID毎に集計時刻に基く通過時刻を設定する手段、及び前記車両ID毎に前記集計された速度に基く通過速度を設定する手段と、各車両感知器の設置位置と設定された通過時刻及び通過速度から各車両の位置を集計周期毎に推定する車両配置推定手段と、集計周期毎に集計された各車両感知器の設置地点を通過した車両個々の前記車両ID、この車両ID毎に設定された前記通過時刻及び通過速度により前記車両配置推定手段で推定される集計周期内に走行した各車両の推定位置から、各車両について、その推定位置に対する上流側直近の車両感知器よりさらに上流に設置された車両感知器で検出された通過車両データを重複する車両に関するデータとして削除する重複検出車両処理手段と、
集計周期毎に設定された個々の車両に関する通過時刻及び通過速度に基づき、集計周期より短い所定周期毎に個々の車両の現在位置を推定する現在位置推定手段と、この現在位置推定手段により求められた道路上におけるここの車両位置を表示する表示手段とを備えたことを特徴とする。
【0012】
請求項2に記載の本発明では、通過時刻設定手段は、集計周期毎に集計された台数の車両をポアソン分布を用いて集計周期内に割り振り、個々の車両の通過時刻として設定することを特徴とする。
【0013】
請求項3に記載の本発明では、通過時刻設定手段は、車両感知器が検出した累積交通量から求まる累積交通量の時間推移を表す累積交通量データを用い、この累積交通量データが集計周期内において整数に達する時刻を個々の車両の通過時刻として設定することを特徴とする。
【0014】
請求項4に記載の本発明では、通過速度設定手段は、上流側の車両感知器とすぐ隣の下流側車両感知器とが検出した累積交通量から求まる累積交通量の時間推移を表す各累積交通量データから、累積交通量が互いに等しくなるそれぞれの時刻を求め、これら両時刻間の時間と前記車両感知器間の距離とから求めた車両の走行速度を設定することを特徴とする。
【0015】
請求項5に記載の本発明では、車両配置推定手段は、上流側の車両感知器とすぐ隣の下流側の車両感知器とが検出した累積交通量から求まる累積交通量の時間推移を表す各累積交通量データから、累積交通量が互いに等しくなるそれぞれの時刻を求め、これら両時刻の時間差から前記車両感知器間の走行所要時間予測値を求め、この走行所要時間予測値と上流側車両感知器の通過時刻から集計時刻までの時間との比、および、この比と前記車両感知器間の距離とから集計時刻における車両位置を推定することを特徴とする。
【0016】
請求項6に記載の本発明による個別車両モニタリング装置は、道路の車両走行方向に沿って設けられ、走行車両を検出する複数の車両感知器と、各車両感知器からの信号に基づき、各車両感知器の設置地点を通過した車両の台数や速度を集計周期毎に集計処理する車両情報処理手段と、この車両情報処理手段からの情報に基づき前記集計周期内に各設置地点を通過した車両個々に対し、個別に車両ID付し、これら車両ID毎に集計時刻に基く通過時刻を設定する手段、及び前記車両ID毎に前記集計された速度に基く通過速度を設定する手段と、各車両感知器の設置位置と設定された通過時刻及び通過速度から各車両の位置を集計周期毎に推定する車両配置推定手段と、各車両感知器が検出した累積交通量から求まる累積交通量の時間推移を表す累積交通量データを用い、これら各車両感知器の累積交通量データから、すぐ下流側に配置された車両感知器の最新の集計時刻における累積交通量と等しくなる時刻を求め、この時刻以降に検出されたデータを採用する重複検出車両処理手段と、集計周期毎に設定された個々の車両に関する通過時刻及び通過速度に基づき、集計周期より短い所定周期毎に個々の車両の現在位置を推定する現在位置推定手段と、この現在位置推定手段により求められた道路上におけるここの車両位置を表示する表示手段とを備えたことを特徴とする
【0017】
請求項7に記載の本発明では、現在位置推定手段は、上流側の車両感知器とすぐ隣の下流側の車両感知器とが検出した累積交通量から求まる累積交通量の時間推移を表す各累積交通量データから、累積交通量が互いに等しくなるそれぞれの時刻を求め、これら両時刻の時間差から前記車両感知器間の走行所要時間予測値を求め、この走行所要時間予測値と上流側車両感知器の通過時刻から現在時刻までの時間との比、および、この比と前記車両感知器間の距離とから現在時刻における車両位置を推定することを特徴とする。
【0018】
請求項8に記載の本発明では、各車両感知器が検出した累積交通量から求まる累積交通量の時間推移を表す各累積交通量データを用い、すぐ下流側に配置された車両感知器のある時刻における累積交通量と等しくなる時刻を求め、この求められた時刻と下流側車両感知器の前記時刻との差から求めた所要時間と、前記累積交通量データに対して独立して得られる車両感知器設置地点間の実際の所要時間とを比較し、この実際の所要時間との差分、対応する累積交通量データを補正する補正手段を有することを特徴とする。
【0019】
請求項9に記載の本発明では、車両情報処理手段は、個々の車両が車両感知器の設置地点を通過したときの時刻を出力することを特徴とする。
【0020】
請求項10に記載の本発明では、車両情報処理手段は、個々の車両が車両感知器の設置地点を通過したときの車両速度を個々に出力することを特徴とする。
【0021】
これらの発明では、道路の車両走行方向に沿って設けた複数の車両感知器からの信号に基づき、各車両感知器の設置地点を通過した車両の台数や速度を集計周期毎に集計処理する。この集計された情報に基づき各設置地点を通過した個々の車両に、その通過時刻及び通過速度を設定する。そして、各車両感知器の設置位置と設定された通過時刻及び通過速度から各車両の位置と速度を集計周期毎に推定する。また、複数の車両感知器で検出された車両を特定し、重複する車輌に関するデータを削除する。さらに、集計周期毎に集計された各車両のデータから現在の道路上における個々の車両の位置を求め、これを時々刻々と表示している。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明による個別車両モニタリング装置の一実施の形態を図面を参照して説明する。
【0023】
図1は本装置の全体構成を示す機能ブロック図である。図1において、1は車両感知器で、道路の車両進行方向に沿って複数個、所定間隔(300m程度)で設置されている。この車両感知器1としては前述した超音波式やループコイル式のものを用いる。
【0024】
2は車両情報処理手段で、各車両感知器1からの信号を入力し、予定の集計周期毎にこれらを集計し、その結果を出力する。この車両情報処理手段2の出力情報は、各車両感知器1の設置位置、その設置地点を通過した車両の台数、平均速度、時刻などの情報である。
【0025】
3は走行条件設定手段で、車両情報処理手段2から得られる各種情報に基づき、推定用パラメータ格納手段4に格納された推定用パラメータを用いて集計周期毎に個々の車両の位置、速度などを推定する。
【0026】
すなわち、まず、通過時刻設定手段31により、個々の車両が車両感知器1に検出された時刻(通過時刻)を個々の車両毎に設定する。通過時刻の設定手法については詳細を後述する。
【0027】
また、通過速度設定手段32により、個々の車両が車両感知器1に検出されたときの速度(通過速度)を個々の車両毎に設定する。通過速度の設定手法についても詳細は後述する。
【0028】
次に、車両配置推定手段33は、各車両感知器1の設置位置情報、この設置位置を通過した個々の車両の、設定された通過時刻及び通過速度を用いて、集計周期における個々の車両の位置及び速度を推定用パラメータを用いて演算し、推定する。
【0029】
重複検出車両処理手段34は、複数の車両感知器1によって重複して検出された車両を特定し、この重複車両データを削除して、検出誤差を排除する。
【0030】
5は現在位置推定手段で、走行条件設定手段3によって集計周期毎に設定された個々の車両の通過時刻や速度などの情報に基づき、推定用パラメータ格納手段4に格納されたパラメータを用いて表示周期毎に現在の個々の車両の位置及び速度を推定し、それらの結果を表示手段6に出力する。表示周期は集計周期より短く設定されており、表示手段6は、表示周期毎に求められる個々の車両の位置を、図12で示すように、時々刻々変化する道路上における個々の車両の現在位置として表示する。
【0031】
上記構成による全体的な動作を図2を用いて説明する。各車両感知器1はその設置地点を通過する車両を感知して動作し信号を出力する。すなわち、車両感知器によるデータ収集が行われる(ステップ201)。この状態において、あらかじめ設定した集計周期になると(ステップ202)、車両情報処理手段2が車両感知器1からのデータを集計処理する(ステップ203)。
【0032】
この集計されたデータ、すなわち車両感知器1の設置地点を通過した車両の台数や平均速度、時刻などに関するデータを用い、走行条件推定手段3は各車両の走行条件推定を行う(ステップ204)。すなわち、通過車両個々の通過速度、通過時刻などを設定し、集計周期における個々の車両の位置及び速度を推定すると共に、重複する車両データを削除する。
【0033】
また、予め設定した表示周期になると(ステップ205)、現在位置推定手段5によって表示周期における個々の車両の現在位置を、最新の走行条件推定結果に基づいて推定する(ステップ206)。そして、その推定結果を表示手段6によって図11で示すように表示し(ステップ207)、終了指令がなければ(ステップ208)上記動作を繰り返す。
【0034】
次に、前記通過時刻設定手段31による設定機能を詳細に説明する。通過時刻設定手段31には、車両情報処理手段2から、集計時刻(集計周期の終端の時刻)情報と、車両感知器1の設置地点を通過した車両台数に関する情報が、集計周期毎に与えられる。通過時刻設定手段31は、これらの情報が与えられる度に、台数分の車両IDを用意し、車両ID毎にその車両が車両感知器1の設置地点を通過した時刻を設定する。この通過時刻の設定方法としては次の4つがある。
【0035】
1a:集計周期内に台数分を等分に割り振る。
【0036】
1b:ポアソン分布を利用して、台数分を集計周期内に割り振る。
【0037】
1c:累積交通量の推移を利用して、集計周期内に割り振る。
【0038】
1d:車両情報処理手段2が個々の通過時刻を与える機能を有する場合は、与えられた個々の通過時刻をそのまま用いて設定する。
【0039】
これらのうち1a、1b、1dについては記載のとおりであり、説明は省略する。なお、1bのポアソン分布を用いた場合は、個々の車両の通過時刻を適当なバラツキを持たせて設定するので、後続の車両位置推定において現実性の高い推定が可能となる。
【0040】
また、1dによると、個々の車両が車両感知器によって検出された時刻(実測値)を設定するので、後続の車両位置推定精度を向上させることができる。
【0041】
次に、上記方法1cについて説明する。始に、累積交通量とは一つの地点で検出された車両台数の合計値である。時間に対してプロットすると、図3のような累積交通量の時間推移を表す累積交通量データ(曲線q)が得られる。図3において、Δtは集計周期の大きさ、tは最新の集計時刻、t−Δtは前回の集計時刻、Q(t)は今回得られた交通量、Q(t−Δt)は前回得られた交通量である。基準時刻からの交通量Qの総和が現在の累積交通量である。
【0042】
曲線qは、過去の累積交通量を記憶しておき、その推移から、自己回帰モデル等を利用して、t−Δtからtまでの累積交通量の動きを推定することにより作成できる。そして、この曲線qが整数に達するところの時刻を、図示のように個々の車両の通過時刻として設定する。図の例では6台の車両の通過時刻が曲線qによって設定されている。
【0043】
このように累積交通量の推移に基づいて、個々の車両が車両感知器1に検出された時刻を設定しているので、実際の交通流の状況を反映した時刻設定となり、後続する車両位置の推定において実際に近い推定が可能となる。
【0044】
これら1a〜1dのいずれかの手法を用いることにより、IDを付された各車両について、それぞれ通過時刻を設定することができる。
【0045】
ところで、車両感知器1から得られる交通量データには信頼性が低いものが存在することがある。異常データは車両情報処理手段2により削除されるが、その分計測された累積交通量は実際より少なくなってしまう。つまり、累積交通量には、異常データによる誤差が蓄積されることになるため、この誤差を補正する必要がある。この補正方法としては次の2つがある。
【0046】
2a:一般に、交通量データの信頼性が低い部分は、車両感知器1の設置場所によって決まってくるので、その車両感知器の検出率が、例えば80%とわかっている場合は、累積交通量に一定の係数、この場合、1÷0.8=1.25を乗じて補正する。
【0047】
2b:累積交通量から求められる各車両感知器間の所要時間と、実際に計測された所要時間との差に基づいて補正を行う。
【0048】
2c:累積交通量から求められる各車両感知器間の存在台数と、実際の存在台数との差に基づいて補正を行なう。
【0049】
上記3つの方法のうち、2aについては記載のとおりである。まず、2bについて図4を用いて説明する。
【0050】
図4において、曲線q1は道路の上流側に設けた車両感知器1により計測された累積交通量の推移、曲線q2は道路の下流側に設けた車両感知器1により計測された累積交通量の推移をそれぞれ表している。これら2つの車両感知器1,1の設置地点での累積交通量が同じ台数に達したところを求め、これらの時刻の差から地点間の所要時間Δtxを求める。すなわち、車両感知器1,1が検出した累積交通量の推移を表す曲線q1及び曲線q2から、すぐ下流側に配置された車両感知器のある時刻txbにおける累積交通量と等しくなる時刻txaを求め、この求められた時刻txaと下流側車両感知器の時刻txbとの差から所要時間Δtxを求める。
【0051】
しかし、どちらか一方、あるいは両方の累積交通量に誤差があると、求められた所要時間Δtxにも誤差が含まれる。そこで、この累積交通量から求められた所要時間と、累積交通量に対して独立して求められた実際の所要時間とを比較し、両者に差が無いかを確認する。
【0052】
実際の所要時間は、次のようにして求める。すなわち、2つの車両感知器1,1の設置間隔は、前述のように、せいぜい300mと短いので、各車両感知器設置地点での通過車両速度と区間走行速度は等しいと仮定する。そして、この車両感知器設置地点の通過車両速度(車両感知器に、前述したダブルへッド等による速度測定機能があれば、その測定速度を用いる)と既知の設置地点間距離とから、実際に近い所要時間Δtx1(以下、実際の所要時間とする)を得る。
【0053】
このようにして求めた実際の所要時間Δtx1と、累積交通量から求められた所要時間Δtxとに差があれば、累積交通量の推移を表す曲線q1,q2いずれかまたは双方に誤差が含まれていることになり、この誤差分を補正する。すなわち、所要時間Δtx1と所要時間Δtxとの時間差をとったところが、実際に同じ累積交通量となった時刻txatとなる。また、このようにして求めた時刻と累積交通量との交点をつなげば、補正された累積交通量の曲線q10が得られる。さらに、この累積交通量の補正幅から、2aで説明した補正係数を求めることも可能である。
【0054】
すなわち、この補正手段は、計測された累積交通量の曲線q1及び曲線q2から求まる所要時間Δtxと、車両速度と設置地点間距離から求まる実際の所要時間Δtx1とを比較し、その差分、累積交通量データを補正するものである。
【0055】
このような補正を行うことにより、各車両感知器1の検出精度(検出率)が不明であっても、検出データに基づく累積交通量データの誤差を適正に補正でき、この誤差の影響を軽減して、この累積交通量データを用いた前述の時刻設定処理や、後述する重複車両の特定処理などの処理精度を向上させることができる。
【0056】
なお、累積交通量に対して独立して得られる実際の所要時間Δtx1は、上述した車両感知器設置地点の通過車両速度と既知の設置地点間距離とから求めるだけではなく、他の手段から求めてもよい。例えば、高速道路の各料金所から得られる磁気式通行券のデータやETCシステムからのデータ(いずれも車両のID及び入りまたは出時刻)から各料金所間の実際の走行所要時間を求め、これを基に各車両感知器間の実際の走行所要時間Δtx1を求めることができる。
【0057】
次に、2cについて図5を参照して説明する。
【0058】
図5において、曲線q1は道路の上流のデータ収集地点TC1に設けた車両感知器1による累積交通量の推移、曲線q2は道路の下流のデータ収集地点TC2に設けた車両感知器1による累積交通量の推移をそれぞれ表している。累積交通量の推移q1から、TC2における最新の集計時刻tにおける累積交通量Q2(t)と等しくなる時刻を求め、この時刻以降、TC1で検出された台数がTC1とTC2との間に存在する台数となる。すなわち、図5から、Q1(t)−Q2(t)が、累積交通量の推移から求められた区間存在台数である。
【0059】
これに対し、時刻tにおけるTC1〜TC2間の実際の存在台数E(t)を次のようにして求める。なお、前回のデータ収集時刻t−1とのデータ収集間隔をn分とする。
【0060】
E(t)=K(t)×L×n
K(t):時刻tでのTC1〜TC2間密度[台/km]
L:TC1〜TC2間距離
また、K(t)は次のように求める。
【0061】
K(t)=q1(t-1)×60÷V(t)
V(t):時刻tでのTC1〜TC2間走行速度
q1(t-1):前回データ収集周期でのTC1における1分交通量[台/分]
上式において、前回データ収集周期でのTC1における交通量q1(t-1)が今回周期におけるTC1〜TC2間の交通量である。これを、車両感知器などから別途得られる走行速度V(t)で除算することにより、TC1〜TC2間の密度K(t)が得られ、この密度K(t)と距離L及び集計時間nから、時刻tにおけるTC1〜TC2間の実際の存在台数E(t)が求められる。
【0062】
この実際の存在台数E(t)を、TC1の累積交通量Q1(t)から減算した値が実際の時刻tにおけるTC2での累積交通量Q20(t)になる。そして、補正後の累積交通量の推移データq20を得ることができる。
【0063】
通過速度設定手段32では、集計周期毎に車両情報処理手段2から車両感知器1の設置地点を通過した車両台数及びそれらの平均速度が与えられると、台数分の車両IDを用意する。そして、各車両ID毎に車両感知器1の設置地点を通過したときの速度を設定する。この通過速度の設定方法には次の4つがあり、これらのいずれかを採用する。
【0064】
3a:各車両IDに対して一律に平均速度を設定する。
【0065】
3b:ポアソン分布を利用して平均速度近傍に割り振る。
【0066】
3c:累積交通量の推移を利用して設定する。
【0067】
3d:車両情報処理手段2から各車両の通過速度も与えられる場合には、それをそのまま設定する。
【0068】
これらの手法を用いることにより、通過速度設定手段32によってIDを付された各車両の通過速度をそれぞれ設定することができる。
【0069】
なお、上記3a、3b、3dについては記載のとおりであり、3cについて説明する。
【0070】
各車両感知器1ではそれぞれ通過車両を検出しており、前述のように自己回帰モデル等を用いて累積交通量の時間推移である累積交通量データがそれぞれ求められている。図6において、曲線q1は上流の車両感知器TC1による累積交通量データ、曲線q2は下流側に隣接する車両感知器TC2による累積交通量データ、曲線3はさらに下流側に隣接する車両感知器による累積交通量データである。集計時刻tにおいて、各車両感知器TC1、TC2で検出された車両については、それぞれ図示のように通過時刻が設定されている。
【0071】
各交通量累積データq1、q2、q3は、通過時刻以降も予測形成されているので、これらのデータq1、q2、q3を用い、図示破線矢印で示すように、累積交通量が同じ台数に達した時刻をそれぞれ求める。すなわち、上流側の車両感知器については集計時刻に設定された通過時刻を用い、下流側に位置する車両感知器の通過時刻については、下流側の交通量累積データを用いて予測する。
【0072】
このようにして求められた時刻の差から車両感知器間の走行所要時間が予測される。車両感知器の設置間隔は、前述のようにせいぜい300m程度と短いので、次の車両感知器設置地点まで一定速度で走行すると仮定すれば、走行所要時間予測値と車両感知器間距離(既知)とから走行速度が算出される。この算出された速度を、個々の車両の通過速度として設定する。
【0073】
このように累積交通量の推移を利用することにより、実際の交通流の状況を反映して通過速度を設定することができる。
【0074】
車両配置推定手段33では、通過時刻設定手段31によって設定された各車両ID毎の通過時刻と、通過速度設定手段32によって設定された各車両ID毎の通過速度と、車両情報処理手段2から与えられる各車両感知器1の位置情報とから、IDを付された各車両が集計時点に道路上のどの地点に到達していたかを推定する。この位置推定手法には次の3つがあり、いずれかを採用する。
【0075】
4a:予測式を採用する。
【0076】
4b:計算機シミュレーションを行う。
【0077】
4c:累積交通量の推移を利用する。
【0078】
上記4aでは、各車両が設定された通過速度でそのまま走行すると仮定し、通過時刻td、通過速度vd及び車両感知器1の位置xtから次の関係式により、現時刻tにおける車両の位置x(t)を求める。
【0079】
x(t)=xt+vd(t−td)
しかし、この方法では他の車両との関係を考慮していないため、次の車両感知器の設置位置に到達する前に渋滞の末尾に到達した場合など、車両の位置が重なってしまったり、先行車両を踏み越していったりする可能性がある。
【0080】
そこで、このような問題が生じないように4bの方法が考えられた。この方法は、たとえば次式で示される追従モデルや、その他のモデルを用いて計算機シミュレーションを行い、車両の位置と速度を求めている。
【数1】
Figure 0003987371
上記式は他の車両との関係を考慮したモデルを表しており、渋滞の先端や末尾での動きを模擬することができる。なお、上記式に用いるm,l,Tなどの各パラメータは、推定用パラメータ格納手段4に格納していたものである。
【0081】
次に、4cの累積交通量の推移を利用する場合について図7を用いて説明する。この場合も、図6と同様に、各車両感知器による累積交通量データq1、q2、q3を用いる。この手法では、車両は車両感知器間を一定速度で走行するものと仮定し、累積交通量データq1、q2、q3を用いて求められる車両感知器間の走行所要時間予測値Δtxと、通過時刻設定手段31で設定した各車両の通過時刻から集計時刻tまでの時間Δt1との比から、既知の車両感知器間距離を用いて集計時刻tにおける車両位置を推定する。
【0082】
このように、累積交通量データq1、q2、q3を用いた場合、下流側の累積交通量が上流側の累積交通量より多くなることはあり得ないので累積交通量データq1、q2、q3が互いに交差することはない。したがって、これらに基づいて求めた車両の位置が互いに重なったり、先行車両を踏み越したりすることはなく、各車両位置を実際に近い状態で求めることができる。
【0083】
これらの手法により、車両配置推定手段33によって各車両の位置や速度を推定することができる。
【0084】
次に、重複検出車両処理手段34の機能について詳細に説明する。車両感知器1は、道路の車両進行方向に沿って設置されているが、その設置間隔と車両速度との関係によっては、1集計周期の間に、複数の車両検知器設置地点を通過し、重複して検出される車両が存在する。このため各車両感知器の検出データをそのまま集計すると、実際より多い車両が存在することになり、間違った観測結果となる。
【0085】
例えば、図8において、道路8上の矢印で示す車両進行方向に沿って車両感知器1-1,1-2,1-3が所定の設置間隔で設置されており、1集計周期の間に上流の車両感知器1-1の設置地点を7台の車両A,B,C,D,E,F,Gが通過したものとする。このうち車両A(Bについても同じ)は、既に車両感知器1-3の設置地点を通過しており、下流側の車両感知器1-2,1-3でも検出される。このため、サフィックス1,2,3を付したように、車両Aは1台であるにかかわらず、3台分の検出信号A1,A2,A3が集計されてしまう。すなわち、車両Aは1集計周期の間に重複して検出されたことになり、車両感知器1-1,1-2で検出した信号A1,A2を削除し、車両感知器1-3による検出信号A3のみを採用する。
【0086】
同様に車両C(D,Eについても同じ)についてみると、1集計周期の間に車両感知器1-2の設置地点を通過しており、この車両感知器1-2でも検出される。このため、サフィックス1,2を付したように、車両Cは1台であるにかかわらず、2台分の検出信号C1,C2が集計されるので、車両感知器1-1で検出した信号C1を削除し、車両感知器1-2による検出信号C2のみを採用する。
【0087】
このように重複検出車両の検出信号を削除することにより、図8の例では1集計周期の間に7台の車両が車両感知器1-1,1-2,1-3が設置された各区間に存在していることが正確に集計される。
【0088】
重複検出車両処理手段34は、車両配置推定手段33で推定した各車両位置の重なりを調べ、上述した重複検出車両を特定して重複車両データ削除し、実際の車両とIDとが1対1に対応するように処理を行う。この重複検出車両の処理方法を図9により説明する。
【0089】
図9において、q11は道路の上流側に配置された車両感知器(図8の1-1に相当)により検出された累積交通量の推移、q12は下流側に隣り合って配置された車両感知器(図8の1-2に相当)によって検出された累積交通量の推移、q13はさらに下流側に隣り合って配置された車両感知器(図8の1-3に相当)による累積交通量の推移を表している。また、tは最新集計時刻であり、t−Δtは前回の収集時刻である。
【0090】
累積交通量の推移q11から、最新の集計時刻tまでの集計周期Δtの間に上流の車両感知器1-1が検出した車両台数Q1はFからOまでの10台とする。このような状況において、隣り合った車両感知器、例えば1-1と1-2に着目し、車両感知器1-1での累積交通量の推移q11から、下流側車両感知器1-2の最新の集計時刻における累積交通量Q2と等しくなる時刻t1を求める。
【0091】
この時刻t1より以前に車両感知器1-1で検出された車両F,G,H,I,Jは,同一集計周期内において下流の車両感知器1-2によっても検出されている。したがって、上流側車両感知器1-1の検出データとしては、時刻t1以降に検出された車両KからOまでのデータのみを採用する。このようにすれば、下流側車両感知器1-2で検出された車両データは、上流側車両感知器1-1の検出データから削除され、重複することはない。
【0092】
このことは、下流側車両感知器1-2と1-3との関係においても同じである。すなわち、車両感知器1-2について、その累積交通量が、すぐ下流側の車両感知器1-3設置位置での最新集計時刻tにおける累積交通量Q3と等しくなる時刻t2を求め、これ以降に検出された車両GからJまでのデータのみを採用すれば、車両データが重複することはない。
【0093】
このように複数の車両感知器で重複して検出した車両を特定し、重複する車両データを削除することにより、走行状況を推定する対象の車両数を正確に把握でき、車両位置推定精度が向上する。
【0094】
また、このように、すぐ下流側の車両感知器設置位置での最新集計時刻における累積交通量と等しくなる時刻を求めれば、各車両感知器間に存在する車両がわかる。図の例では、車両感知器1-1と1-2との間には車両KからOが存在し、車両感知器1-2と1-3との間には車両GからJが存在していることがわかる。したがって、重複して検出された車両情報を利用すれば各車両の推定位置の精度を上げることも可能である。
【0095】
なお、このように累積交通量の推移を利用する場合は、当然、図4や図5で示す方法などにより累積交通量データを補正してから利用する。
【0096】
また、重複して検出された車両を特定するためには、図11で示すように、車両情報処理手段2からの情報をまず重複検出車両処理手段34で受け、まず重複車両のデータを除き、検出車両台数を修正してから、通過時刻設定手段31や通過速度設定手段32に伝え、処理を行うようにしてもよい。
【0097】
このように、各車の走行条件、すなわち、車両感知器データを集計した時点での位置や通過時刻、速度などが確定したなら、現在位置推定手段5によって、次の集計時刻での走行条件が与えられるまで、表示周期毎に繰り返し各車両の位置と速度を推定する。この表示周期毎の位置の推定は、集計時点での位置の推定と同じ方法、すなわち、前述した手法4a、4b、4cのいずれかを用いればよい。
【0098】
このうち4cの累積交通量データを用いた場合を図10によって説明する。この場合も、図7と同様に、各車両感知器による累積交通量データq1、q2、q3を用い、累積交通量データq1、q2、q3から求められる車両感知器間の走行所要時間予測値Δtxと、通過時刻設定手段31で設定した各車両の通過時刻から現在時刻(表示時刻)tiまでの時間Δt11との比から、既知の車両感知器間距離を用いて現在時刻tiにおける車両位置を推定する。
【0099】
表示手段6では、現在位置推定手段5によって表示周期毎に求められ、送られてくる最新の位置情報などを時々刻々更新して表示する。この場合、図12で示すように、各車両を点などで表せば、車両の動きを模擬的に表示することができる。したがって、図13で示した道路をブロックごとに区切って表示する従来装置に比べ、監視員がより把握しやすい形で渋滞の正確な位置を表示することができる。
【0100】
【発明の効果】
本発明によれば、車両感知器が検出したデータを所定の周期毎に集計し、その結果から個々の車両位置などの状況を推定するので、これに基づいて時々刻々の動きを推定、表示して、個々の車両の動きを仮想的にモニタできる。したがって、個々の車両の走行状態を把握して渋滞の先頭や末尾などの正確な位置を把握することが可能になる。また、車線毎に個々車両の走行状態を把握するようにすれば、事故や障害物の発生なども把握可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による個別車両モニタリング装置の一実施の形態を示す機能ブロック図である。
【図2】同上一実施の形態の動作を説明するフローチャートである。
【図3】同上一実施に形態における時刻設定方法の一例を説明する特性図である。
【図4】同上一実施の形態における累積交通量の補正方法の一例を説明する特性図である。
【図5】同上一実施の形態における累積交通量の補正方法の他の例を説明する特性図である。
【図6】同上一実施の形態における累積交通量データを用いた車両速度推定方法を説明する特性図である。
【図7】同上一実施の形態における累積交通量データを用いた集計時刻での車両位置推定方法を説明する特性図である。
【図8】同上一実施の形態における重複検出車両を説明するための模式図である。
【図9】同上一実施の形態における重複検出車両の特定方法を説明するための特性図である。
【図10】同上一実施の形態における累積交通量データを用いた現在時刻での車両位置推定方法を説明する特性図である。
【図11】本発明の他の実施の形態を示す機能ブロック図である。
【図12】本発明による表示例を示す図である。
【図13】従来技術による表示例を示す図である。
【符号の説明】
1 車両感知器
2 車両情報処理手段
31 通過時刻設定手段
32 通過速度設定手段
33 車両配置推定手段
34 重複検出車両処理手段
5 現在位置推定手段
6 表示手段

Claims (10)

  1. 道路の車両走行方向に沿って設けられ、走行車両を検出する複数の車両感知器と、
    各車両感知器からの信号に基づき、各車両感知器の設置地点を通過した車両の台数や速度を集計周期毎に集計処理する車両情報処理手段と、
    この車両情報処理手段からの情報に基づき前記集計周期内に各設置地点を通過した車両個々に対し、個別に車両ID付し、これら車両ID毎に集計時刻に基く通過時刻を設定する手段、及び前記車両ID毎に前記集計された速度に基く通過速度を設定する手段と、
    各車両感知器の設置位置と設定された通過時刻及び通過速度から各車両の位置を集計周期毎に推定する車両配置推定手段と、
    集計周期毎に集計された各車両感知器の設置地点を通過した車両個々の前記車両ID、この車両ID毎に設定された前記通過時刻及び通過速度により前記車両配置推定手段で推定される集計周期内に走行した各車両の推定位置から、各車両について、その推定位置に対する上流側直近の車両感知器よりさらに上流に設置された車両感知器で検出された通過車両データを重複する車両に関するデータとして削除する重複検出車両処理手段と、
    集計周期毎に設定された個々の車両に関する通過時刻及び通過速度に基づき、集計周期より短い所定周期毎に個々の車両の現在位置を推定する現在位置推定手段と、
    この現在位置推定手段により求められた道路上におけるここの車両位置を表示する表示手段と、
    を備えたことを特徴とする個別車両モニタリング装置。
  2. 通過時刻設定手段は、集計周期毎に集計された台数の車両をポアソン分布を用いて集計周期内に割り振り、個々の車両の通過時刻として設定することを特徴とする請求項1に記載の個別車両モニタリング装置。
  3. 通過時刻設定手段は、車両感知器が検出した累積交通量から求まる累積交通量の時間推移を表す累積交通量データを用い、この累積交通量データが集計周期内において整数に達する時刻を個々の車両の通過時刻として設定することを特徴とする請求項1に記載の個別車両モニタリング装置。
  4. 通過速度設定手段は、上流側の車両感知器とすぐ隣の下流側の車両感知器が検出した累積交通量から求まる累積交通量の時間推移を表す各累積交通量データから、累積交通量が互いに等しくなるそれぞれの時刻を求め、これら両時刻間の時間と前記車両感知器間の距離とから求めた車両の走行速度を設定することを特徴とする請求項1に記載の個別車両モニタリング装置。
  5. 車両配置推定手段は、上流側の車両感知器とすぐ隣の下流側の車両感知器とが検出した累積交通量から求まる累積交通量の時間推移を表す各累積交通量データから、累積交通量が互いに等しくなるそれぞれの時刻を求め、これら両時刻の時間差から前記車両感知器間の走行所要時間予測値を求め、この走行所要時間予測値と上流側車両感知器の通過時刻から集計時刻までの時間との比、および、この比と前記車両感知器間の距離とから集計時刻における車両位置を推定することを特徴とする請求項1に記載の個別車両モニタリング装置。
  6. 道路の車両走行方向に沿って設けられ、走行車両を検出する複数の車両感知器と、
    各車両感知器からの信号に基づき、各車両感知器の設置地点を通過した車両の台数や速度を集計周期毎に集計処理する車両情報処理手段と、
    この車両情報処理手段からの情報に基づき前記集計周期内に各設置地点を通過した車両個々に対し、個別に車両ID付し、これら車両ID毎に集計時刻に基く通過時刻を設定する手段、及び前記車両ID毎に前記集計された速度に基く通過速度を設定する手段と、
    各車両感知器の設置位置と設定された通過時刻及び通過速度から各車両の位置を集計周期毎に推定する車両配置推定手段と、
    各車両感知器が検出した累積交通量から求まる累積交通量の時間推移を表す累積交通量データを用い、これら各車両感知器の累積交通量データから、すぐ下流側に配置された車 両感知器の最新の集計時刻における累積交通量と等しくなる時刻を求め、この時刻以降に検出されたデータを採用する重複検出車両処理手段と、
    集計周期毎に設定された個々の車両に関する通過時刻及び通過速度に基づき、集計周期より短い所定周期毎に個々の車両の現在位置を推定する現在位置推定手段と、
    この現在位置推定手段により求められた道路上におけるここの車両位置を表示する表示手段と、
    を備えたことを特徴とする個別車両モニタリング装置。
  7. 現在位置推定手段は、上流側の車両感知器とすぐ隣の下流側の車両感知器とが検出した累積交通量から求まる累積交通量の時間推移を表す各累積交通量データから、累積交通量が互いに等しくなるそれぞれの時刻を求め、これら両時刻の時間差から前記車両感知器間の走行所要時間予測値を求め、この走行所要時間予測値と上流側車両感知器の通過時刻から現在時刻までの時間との比、および、この比と前記車両感知器間の距離とから現在時刻における車両位置を推定することを特徴とする請求項1に記載の個別車両モニタリング装置。
  8. 各車両感知器が検出した累積交通量から求まる累積交通量の時間推移を表す各累積交通量データを用い、すぐ下流側に配置された車両感知器のある時刻における累積交通量と等しくなる時刻を求め、この求められた時刻と下流側車両感知器の前記時刻との差から求めた所要時間と、前記累積交通量データに対して独立して得られる車両感知器設置地点間の実際の所要時間とを比較し、この実際の所要時間との差の分、対応する累積交通量データを補正する補正手段を有することを特徴とする請求項3、請求項5、請求項6、請求項7のいずれかに記載の個別車両モニタリング装置。
  9. 車両情報処理手段は、個々の車両が車両感知器の設置地点を通過したときの時刻を出力することを特徴とする請求項1に記載の個別車両モニタリング装置。
  10. 車両情報処理手段は、個々の車両が車両感知器の設置地点を通過したときの車両速度を個々に出力することを特徴とする請求項1に記載の個別車両モニタリング装置。
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