JP3192877B2 - 突発事象検出方法と突発事象検出装置 - Google Patents

突発事象検出方法と突発事象検出装置

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JP3192877B2 JP15774394A JP15774394A JP3192877B2 JP 3192877 B2 JP3192877 B2 JP 3192877B2 JP 15774394 A JP15774394 A JP 15774394A JP 15774394 A JP15774394 A JP 15774394A JP 3192877 B2 JP3192877 B2 JP 3192877B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、道路交通分野、計測制
御分野に係り、特に走行車両の故障や事故による緊急停
車時の運転者および同乗者の安全確保、災害防止、また
は道路交通の制御や管理,運用に利用する突発事象検出
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、突発事象検出方法に関連する技術
として、特開平 3−118696号には、画像を用いて移動車
両の座標データから異常走行を判定する検出装置があ
る。この装置では、車両を追跡し所定距離移動するまで
に収集したデータから異常走行を判定する。
【0003】また、交通流データを用いるものとして
は、一般に閾値による手続き的な判定論理が用いられ
る。複数の条件比較が行われ全ての条件が成立したとき
に突発事象検出と判断される。類似技術として、特開平
3−209599号があり、この検出装置では、設定した閾値
の範囲外に交通状態量があるか否かにより異常を検出し
ていた。この場合、交通状態量データから所定時間後の
閾値を予測し、この閾値と状態量との比較によって判定
を行う。
【0004】実データを用いて判断または診断の手段を
構築する方法には、特開平 2−297074号に見られるよう
にニューラルネットワークによる診断方法がある。この
診断方法は脳の情報処理を人工的に模倣したもので、細
胞モデルを多層および網状に組み合わせて診断に用いる
構造を構成し、本構造を実際の測定値と学習法則により
諸設備の異常の有無を判定するよう学習し、これにより
原因を推定するものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従来の突発事象検出方
法は、移動車両を追跡しこのデータによって判定を行う
場合、渋滞末尾における停車や渋滞中の低速での前進・
停車の繰り返しと故障や事故時の状況間との相違判断が
難しい。
【0006】よって、隣接車線や区間といった周辺の交
通状況を含めて判定する必要がある。交通状況は、道路
の幅員や曲率,車線数等の道路形状や、時間帯や周辺環
境を含む道路の社会的役割に依存する。
【0007】このため、突発事象の発生時,速度または
交通量、他に大きな変化が現れる場合あるいは複合的に
現れる場合もある。さらに、判定に用いる論理や閾値は
感知器などの設置位置にも影響される。
【0008】一般に、判定論理や定量的な閾値は机上で
の事前検討にて設定されるが、対象への依存性から論理
や値のギャップを生じる可能性が大きく、実データ収集
後の修正作業を要する場合が多い。
【0009】この修正作業は、従来では担当者による多
数の収集データ解析に係っており、判定論理の抽出は多
大な労力を要する。このため、論理より閾値を主な修正
対象とするが、修正幅は小さく最適な設定は難しくな
る。予測による動的な閾値設定は、予測手法の精度に左
右されるため実対象に関する再現性の高い手法を構築す
る必要がある。これは、結果的に妥当な閾値を導く予測
手法の設定に帰着し同様の問題を抱える。
【0010】一方、ニューラルネットワークを用いた場
合、実データによる調整,学習が必須であり、未調整の
まま実対象に適用できない。実データが存在しないなら
ば模擬データによる調整方法が考えられるが、机上検討
や一致度の高い模擬プログラムの構築、多数かつ妥当な
データを要することになる。
【0011】ただし、何れの場合も調整後の構造がブラ
ックボックス化してしまうため、突発事象の検出・判断
に至った定性的な合理化が難しく、安全性の点で好まし
くない。
【0012】本発明は人間の定性的な判断に近い条件、
ルールを扱い、判断手段を構築することができる優れた
突発事象検出方法とその装置を提供することを目的とす
る。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明の突発事象検出方
法は、検出対象道路の状態をセンサで観察して交通流デ
ータを収集し、これらに基づいて前記検出対象道路上で
突発的に発生した事象を検知するに際し、交通流データ
に基づくデータと各データに対する定量的またはあいま
い性をもつ定性的な基準値とを比較する記述の論理積と
突発事象発生の有無の結論、または前記記述の論理和と
突発事象発生の有無の結論、あるいはこの論理積と論
理和の複合による組み合わせと突発事象発生の推論の
結論からなるルールを記述し、前記ルールの集合によっ
て構成した複数の判定ルール群を用意し、この判定ルー
ル群の内の、任意のルール群の条件に前記各データを用
い、前記突発事象の推定評価値に基づいて選択した前記
任意のルール群による推論処理によって突発事象の発生
有無を統合判断することを特徴とする。
【0014】
【作用】この構成によると、定量的のみならず定性的な
値を用いた人間の判断に類似した表現と組み合わせによ
り判定ルール群を構成し、また、異なるデータや判定条
件の組み合わせによる複数のルール群候補を予め構成し
対象に応じて考え得る判定論理を用意、選択した一つの
ルール群を適用し判定処理を行ない、突発事象の発生有
無を判断する。
【0015】
【実施例】以下、本発明の突発事象検出装置を図1〜図
7に基づいて説明する。本発明の突発事象検出装置は図
1に示すように構成されている。
【0016】制御部1はマイクロプロセッサから構成さ
れており、内蔵のメモリ(図示せず)から実行プログラ
ムをロードし処理を行う。この制御部1には入出力装置
8と複数台の画像処理装置4が接続されている。
【0017】2は検出対象の道路、3は走行車両を模式
化したものである。画像処理装置4は、数100メート
ル間隔で道路2に設置される。各画像処理装置4は、一
定の走査時間で個々の通過車両有無,速度,時間を計測
し送信する。
【0018】制御部1は、実行管理部5と判断手段6と
判定ルール群7および調整手段10とで構成されてい
る。実行管理部5は、制御部1の各手段に対する制御手
段である。判断手段6は、実行管理部5に格納されたデ
ータに対して判定する。判定ルール群7は、判断手段6
のルール格納部の位置付けである。調整手段10は、判
定ルール群7に対する調整手段である。
【0019】次に動作に基づいて全体構成をさらに詳し
く説明する。実行管理部5は、画像処理装置4が計測し
たデータ(すなわち個々の通過車両有無,速度,時間)
と、このデータから集計した各車線または全車線におけ
る1分間交通量,1分間平均速度,1分間占有率と、上
記データを加工した二次的データ(すなわち地点間,時
点間,車線間差の交通量,平均速度,占有率)と、時刻
を格納する。また、実行管理部5は、各走査時間毎に、
1通過車両の速度が規定値以下および今回と前回の走査
時間の間で一定の速度差以上の減少を計測すると、走行
から停車への過渡状態にあるとして判断手段6を起動す
る。
【0020】なお、画像処理装置4の代わりに車両感知
器を設置した場合には、計測・集計データはほぼ同じで
あるが、例えば、1分程度の一定周期で判断手段6を起
動する。
【0021】起動された判断手段6は、判定ルール群7
を用いて判定処理を行う。初期起動時には、判断手段6
は判定ルール群7から判定に用いるルールを読み込む。
判断手段6は、この判定結果を実行管理部5と入出力装
置8に出力し、判断手段6が“ 突発事象の可能性あり
”と判断すると、オペレータ9に入出力装置8から警
報を出力する。
【0022】また、実行管理部5では、判断手段6から
の判定結果と入出力装置8からオペレータ9によって入
力された実際の突発事象の発生地点,車線,時刻などの
過去の実データを逐次格納する。実行管理部5は任意の
タイミングで調整手段10を起動し、調整手段10は過
去データを用いて判定ルール群7を調整する。
【0023】制御部1の各部の構成を具体的に説明す
る。判断手段6は、判定ルール群7の中の予め設定した
複数のルール群候補から1つを選択し、この推論処理に
よって統合判定を行う。但し、初期時のルール群は任意
に選択され、稼働後は調整手段10によって選択され
る。初期時に選択されたルール群は、下記(表1)の各
判定条件を用いた8ルールから構成する。
【0024】
【表1】
【0025】ここで、 ΔVt : 各車線の1分間平均速度を用いた1分前との
速度の差で、次のように表せる。
【0026】ΔVt =( V(t-1) − V(t) ), t
は時点である。 ΔVp : 各車線の1分間平均速度を用いた上流地点と
の速度の差で、次のように表せる。
【0027】ΔVp =( V(p-1) − V(p) ),pは
任意地点の任意車線 (p−1)は1地点上流側 ΔQt : 各車線の1分間交通量を用いた1分前との交
通量の差で、次のように表せる。
【0028】ΔQt =( Q(t-1) − Q(t) ) ΔQl : 各車線の1分間交通量を用いた隣接車線との
交通量の差の絶対値で、次のように表せる。
【0029】ΔQl =( Q(l±1) − Q(l) ) ,l
は任意地点の任意車線 (l±1)は隣接車線 本実施例では、画像処理装置4の設置地点を挟み隣接の
同地点との2等分点間の区間における各車線が判定対象
となる。上流側地点がないなどデータが存在しないとき
は、そのルールは適用しない。その他のルール群は、類
似のルールだが異なる判定条件やそれらの組み合わせに
よって構成する。
【0030】例えば、上記の判定条件で用いる4つのデ
ータΔVt ,ΔVp ,ΔQt ,ΔQ l における「大き
い」または「小さい」の2定性値によって、4データの
条件組み合わせを生成し、突発事象の「可能性あり」ま
たは「可能性なし」の結論を割当て、ルールを構成す
る。
【0031】この場合、例えば、『ifΔVt が大き
い、かつΔVp が小さい、かつΔQt が大きい、かつΔ
lが小さいthen突発事象の可能性あり』といった
ルールでルール群を構成することになる。判定ルール群
7はこれらの考え得るルール群候補で構成する。
【0032】上記のルール群を用いた判断手段6におけ
る判定処理の動作について図2を用いて説明する。本実
施例でのルール条件の「大きい」「小さい」といった定
性値はファジィ集合とする。ファジィ集合を規定するメ
ンバシップ関数は初期時に任意に設定しておく。図3は
ΔVt の定性的な基準値を表すファジィ集合とメンバシ
ップ関数の特性図である。他のΔVp ,ΔQt ,ΔQl
は同様に設定する。図3に示す本関数にてデータから各
判定条件の適合度[0,1]を求める。
【0033】判断手段6は、(ステップ21)でΔV
t ,ΔVp ,ΔQt ,ΔQl の各データを読み込み、
(ステップ22)では、メンバシップ関数により各判定
条件の適合度を導く。例えば、ルール1の条件「ΔVt
が大きい」の適合度を求める。この適合度を用いて(ス
テップ23)(ステップ24)では、個々ルールに対し
て以下のような演算を行ない、結論である突発事象の可
能性の適合度を導く。実施例では、各ルールにルール自
体の適合度と内部保持値を所有させ、これらを含めた以
下のような演算によって推論を行う。
【0034】
【数1】
【0035】
【数2】
【0036】
【数3】
【0037】
【数4】
【0038】Xi は1ルールのif部にある条件の適合
度(本例では前述の各ルールは1条件で構成するためi
=1)、Iはif部の適合度、Wはルール適合度、Oは
ルールのif部からthen部への適合度、Pは内部保
持値、Yは結論のルール推論結果である。WとPの初期
値は各々1.0 ,0.0 とする。
【0039】個々ルールの演算後、(ステップ25)
(ステップ26)では、1つの結論の適合度、ここでは
突発事象の可能性有無に対する適合度を導く。例えば
「突発事象の可能性あり」は同じ結論をthen部に持
つルール推論結果の以下統合による。
【0040】
【数5】
【0041】Yj はYを結論に持つルールjの推論結果
である適合度を示す。(ステップ27)では、上記(数
式5)の演算で得られた「突発事象の可能性あり」と
「突発事象の可能性なし」の適合度を比較し、適合度の
大きい結論を判定結果として採用して判断する。この判
定結果が「可能性あり」の場合には、(ステップ28)
(ステップ29)で入出力装置8に警報を出力し、推論
結果は入出力装置8と実行管理部5に出力する。
【0042】本実施例の突発事象検出装置の稼働後、実
行管理部5は定期的にまたは一定数のデータを収集した
任意時点で調整手段10を起動する。この調整手段10
の動作について説明する。
【0043】実行管理部5に収集したデータの調整は、
基準値の修正または再設定、判定ルール群の評価または
再選択、ルール調整と順次行う。図4は本実施例の調整
手段10における基準値修正の処理動作流れ図である。
【0044】まず、基準値の修正の流れについて図4を
用いて説明する。基準値の修正は実データの統計的処理
によるが、本実施例における定性的な基準値は以下の方
法により修正する。本実施例では、各条件はファジィ集
合で構成されていることから本集合の修正となる。(ス
テップ41)では、調整用の過去の一定期間の実突発事
象の発生有無のデータとその時の個々の判定条件に用い
る値を読み込み、ステップ42)では、これらが形成す
る多次元空間をファジィ集合数に対応する複数の領域に
分割しデータ群を形成する。
【0045】ここでは、群形成の手法として学習ベクト
ル量子化手法(LVQ: LearningVector Quantization
)を用いる。データの分布情報に応じて分割できれば
他の手法でも良い。(ステップ43)では、複数領域に
分割後、形成したデータ群の中で個々のデータの平均ポ
テンシャルを計算する。2つのデータ間のポテンシャル
Uはデータ間の距離rの関数による。データは[0,
1]に規格化する。
【0046】
【数6】
【0047】1つのデータiの平均ポテンシャルは所属
するデータ群におけるデータjとのポテンシャルUi,j
の平均値とする。
【0048】
【数7】
【0049】(ステップ44)では、(数式6)(数式
7)の計算後、各領域のデータ群の個々データの平均ポ
テンシャル分布形状を各次元に投影し、任意に「大き
い」「小さい」といったファジィ集合としてラベル付け
し、メンバシップ関数に置換する。本実施例では、各次
元の両端の分布を除き、各領域の平均ポテンシャル値が
最大のデータを頂点とし、隣接する平均ポテンシャル値
が最大のデータを端点とする三角型メンバシップ関数に
置換する。各次元の両端では最も端のデータを頂点とす
るが、以降のデータの分布は不明のため各端点側に開い
た台形状となる。これにより、(ステップ45)では、
各判定条件の新たなファジィ集合とメンバシップ関数を
再設定し、判定ルール群7に書き込む。但し、本実施例
では、上記設定した関数が定性的に妥当ではない場合を
考慮し、入出力装置8からのオペレータ9による変更ま
たは設定が可能とする。
【0050】以上の概念を図5に示す。図5は調整手段
10における基準値修正時の処理概念を示す特性図であ
り、ΔVt と実突発事象の発生有無(有が1.0 ,無が0.
0 )による2次元空間を対象にした2つのファジィ集合
とそのメンバシップ関数(51〜52)への置換例であ
る(他のデータの次元空間とデータ群によるポテンシャ
ル分布形状は記述していない)。定量的な基準値を扱う
場合はメンバシップ関数を[0,1]ではなく、{0,
1}の値を取るように定義すればよい。この場合、例え
ばメンバシップ関数の頂点の座標間の中点を閾値とすれ
ば領域を形成できる。
【0051】次に、調整手段10は判定ルール群7の評
価,選択を行う。図6は本実施例の調整手段10におけ
る判定ルール群の評価、選択の処理動作の流れ図であ
る。図6を用いて説明する。(ステップ61)では、過
去の一定期間における個々の判定条件に用いる値と実際
の突発事象データを読み込み、(ステップ62)では、
これらを調整用データとして判断手段6での判定処理を
行ない全判定結果を得る。(ステップ63)では、この
結果から(数式8)により評価値Eを導く。ここでは、
全判定結果の認識率をR(%)、誤認識率をM(%)の
線形加重和をEとする。
【0052】
【数8】
【0053】認識率Rは突発事象と判断した結果と実際
の突発事象との一致した場合数を実際の突発事象数で除
した百分率であり、全て一致したとき100%である。
誤認識率Mは突発事象と判断した結果の中で突発事象で
はなかった場合の数を実際の突発事象数で除した百分率
である。この評価を全ルール群について行う(ステップ
64)。(ステップ65)では、各々の条件で最も認識
率が大きくかつ誤認識率の小さくなるルール群、つま
り、Eが0により近いルール群を選択する。例えば、本
実施例の判断手段6で用いたものと同一の8ルールによ
るルール群が選択される。
【0054】ルール群の選択後、ルール群中のルールを
調整する。図7は本実施例の調整手段10における判定
ルール群7の調整処理の流れ図である。図7において、
判定ルール群7の調整は、個々ルールの適合度Wと内部
保持値Pによって行われる。まず(ステップ71)で
は、この調整に用いる過去の一定期間における個々の判
定条件に用いる値と実際の突発事象データを読み込む。
(ステップ72)では、これらを調整用データとして、
各データの組について判断手段6での判定処理を行な
い、推論結果を得る。(ステップ73)では、その結果
と正しい突発事象有無の判定結果との出力誤差を用い
て、ルール適合度を調整する。この調整はヘッブ則また
は誤差逆伝播学習法と同様の方法による。本実施例で
は、発生有無の両推論結果に関与した推論経路上のルー
ルを対象に(数式9)(数式10)調整を行う。
【0055】
【数9】
【0056】
【数10】
【0057】ここで、W′は新たなルール適合度、cは
修正定数、eは推論結果としての値を出力したルールに
おける誤差である。実際の突発事象が起こっている場
合、「可能性あり」の正解は1.0 、「可能性なし」の正
解は0.0 、起こっていない場合の前者は0.0 、後者は1.
0 である。この正解と判定処理時の推論結果の適合度を
用いて誤差を算出し、ルールを調整する。1ルールが複
数の推論経路上にあった場合には、誤差の平均をとる
(本実施例では「可能性あり」「可能性なし」の同経路
上にある場合があり、このとき誤差の平均を取る)。以
上の調整を、全データの組に関して誤差が一定基準内に
収束するまたは一定回数まで行う(ステップ74)。
【0058】内部保持値は常に1の適合度をもつ事象属
性を仮定してIを1とし、上式のfのIについての偏微
分をPについてとすれば、同様の方法で調整できる(ス
テップ75〜77)。
【0059】また、本実施例では、ファジィ集合である
基準値も1条件1結論のルールと記述し構成すれば、同
様の方法で調整できる。以上の過程を任意回数繰り返す
(ステップ78)。調整時、認識率Rと誤認識率Mによ
る評価値Eの変動を監視し、Eの値が最も小さい場合の
WとPを採用、ルール群に書き込む(ステップ79)。
【0060】なお、上記の例では、調整手段10で評価
値Eが最小のルール群7を選択してから当該ルール群中
のルールを調整したが、全ルール群のルールについて同
様に調整し、その後に評価値Eが最小のルール群を選択
する処理順序でもよい。
【0061】本実施例において、過去の実データによる
調整手段10の実行はオンライン、マルチプロセスで行
ない、定期的または実突発事象データの蓄積に応じて実
行管理部5が自動的に、あるいは入出力装置8からのオ
ペレータ9の任意指令により実行する。
【0062】これ以外に、図1を模擬する構成を別に構
築し、実データを用いてオフラインで調整し、判定ルー
ル群7を任意のタイミングで入れ換えることも可能であ
る。
【0063】
【発明の効果】以上のように本発明によると、検出対象
道路の状態をセンサで観察して交通流データを収集し、
これらに基づいて前記検出対象道路上で突発的に発生し
た事象を検知するに際し、交通流データに基づくデータ
と各データに対する定量的またはあいまい性をもつ定性
的な基準値とを比較する記述の論理積と突発事象発生の
有無の結論、または前記記述の論理和と突発事象発生
の有無の結論、あるいはこの論理積と論理和の複合によ
る組み合わせと突発事象発生の推論の結論からなるル
ールを記述し、前記ルールの集合によって構成した複数
の判定ルール群を用意し、この判定ルール群の内の、任
意のルール群の条件に前記各データを用い、前記突発事
象の推定評価値に基づいて選択した前記任意のルール群
による推論処理によって突発事象の発生有無を統合判断
するため、検出対象における突発事象の発生または未発
生時における事象のデータに対する影響や推移、条件の
有効性、判定過程を合理化できる。
【0064】また、複数のルール群候補を適用でき、デ
ータの存在しない机上における事前検討で1つに絞り込
む必要がなく、初期構築時や事後修正、改造の対応を軽
減できる。
【0065】条件やルールは一種の判定に要するデータ
または個々の知識の集合体として構成することから、ル
ールやルール群の追加も容易である。類似の交通状況を
もつ対象のルール群があるような場合、これらを再利用
し組み込むことが可能となり、蓄積した資産として有効
に活用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施例の全体構成図である。
【図2】判断手段における判定処理のフロー図である。
【図3】ある定性的な基準値を表すファジィ集合とメン
バシップ関数の説明図である。
【図4】調整手段における基準値修正の処理動作フロー
図である。
【図5】調整手段における基準値修正時の処理概念図で
ある。
【図6】調整手段での判定ルール群の評価、選択の処理
フロー図である。
【図7】調整手段での判定ルール調整の処理フロー図で
ある。
【符号の説明】
1 制御部 2 道路 3 走行車両 4 画像処理装置 5 実行管理部 6 判断手段 7 判定ルール群 8 入出力装置 9 オペレータ 10 調整手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G08G 1/00 G06F 9/44

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 検出対象道路の状態をセンサで観察して
    交通流データを収集し、これらに基づいて前記検出対象
    道路上で突発的に発生した事象を検知するに際し、交通
    流データに基づくデータと各データに対する定量的また
    はあいまい性をもつ定性的な基準値とを比較する記述の
    論理積と突発事象発生の有無の結論、または前記記述の
    論理和と突発事象発生の有無の結論、あるいはこの論
    理積と論理和の複合による組み合わせと突発事象発生
    の推論の結論からなるルールを記述し、前記ルールの集
    合によって構成した複数の判定ルール群を用意し、この
    判定ルール群の内の、任意のルール群の条件に前記各デ
    ータを用い、前記突発事象の推定評価値に基づいて選択
    した前記任意のルール群による推論処理によって突発事
    象の発生有無を統合判断する突発事象検出方法。
  2. 【請求項2】 検出対象道路に設置した車両感知器また
    は画像処理装置によって車両の速度,交通量,占有率の
    交通流データを計測し、これらに基づいて故障や事故に
    よる車両停止といった突発的に発生した事象を検知する
    突発事象検出装置であって、突発事象の判定に適用する
    個々の条件を速度や交通量,占有率の絶対値によるデー
    タまたは速度や交通量,占有率の空間的,時系列的変化
    のデータである地点間,時点間,車線間の差あるいは経
    過時間の任意のデータと予め設定した各データに対する
    定量的またはあいまい性をもつ定性的な基準値との比較
    によって構成し、統合的な判定条件を個々条件の論理積
    または論理和、あるいは左記の複合による組み合わせと
    組み合わせの成否結果として突発事象発生の有無を推論
    することを記述したif条件then結論形式のルール
    によって構成し、前記ルールの集合によって構成した複
    数の異なる判定ルール群の内の任意の一つのルール群に
    前記突発事象の判定に適用する個々の条件を速度や交通
    量、占有率の絶対値によるデータまたは速度や交通量,
    占有率の空間的,時系列的変化のデータである地点間,
    時点間,車線間の差あるいは経過時間の任意のデータと
    予め設定した各データを当てはめ、推論処理によって
    発事象の発生有無を統合判断する制御部を設けた突発事
    象検出装置。
  3. 【請求項3】 検出対象道路に設置した車両感知器また
    は画像処理装置によって車両の速度,交通量,占有率の
    交通流データを計測し、これらに基づいて故 障や事故に
    よる車両停止といった突発的に発生した事象を検知する
    突発事象検出装置であって、突発事象の判定に適用する
    個々の条件を速度や交通量,占有率の絶対値によるデー
    タまたは速度や交通量,占有率の空間的,時系列的変化
    のデータである地点間,時点間,車線間の差あるいは経
    過時間の任意のデータと予め設定した各データに対する
    定量的またはあいまい性をもつ定性的な基準値との比較
    によって構成し、統合的な判定条件を個々条件の論理積
    または論理和、あるいは左記の複合による組み合わせと
    組み合わせの成否結果として突発事象発生の有無を推論
    することを記述したif条件then結論形式の断片的
    ルールによって構成し、前記ルールの集合によって構成
    した複数の異なる判定ルール群の内の任意の一つのルー
    ル群中のルールの条件と前記データとのマッチングを行
    ない突発事象の発生有無を判断する制御部を設け、かつ
    前記制御部を、実際の交通流データと判定結果および突
    発事象有無の実データを用いて、適用する判定ルール群
    を選択し、各データに対する定量的またはあいまい性を
    もつ定性的な基準値もしくは選択された判定ルール群中
    の判定ルールを調整し、突発事象を判断する手段を実対
    象に適合させるように構成した突発事象検出装置。
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