JP3987326B2 - アルミニウム又はアルミニウム合金の陽極酸化皮膜の封孔処理方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、アルミニウム又はアルミニウム合金(以下、「アルミニウム」という)の陽極酸化皮膜の封孔処理液、及びその封孔処理液を使用したアルミニウムの封孔処理法に関する。
【0002】
【従来の技術】
陽極酸化したアルミニウムの表面は、吸着性を有する多孔質皮膜であるため、汚染されやすく耐食性も不充分である。従来、このような酸化皮膜の吸着性の減少、耐食性の向上及び吸着染料の溶出防止等を目的として封孔処理が実施されている。
工業的に実施されてきた封孔処理としては、加圧水蒸気処理、沸騰水(熱水)処理、重クロム酸塩またはクロム酸塩溶液処理、酢酸ニッケル処理、などが挙げられる。
【0003】
加圧水蒸気処理は、他の方法による封孔皮膜と比較すると優れた性能を持っているが、多額の設備費を必要とする上、形状の大きい建材品を連続処理するには適さない。沸騰水処理は、操作が簡単で、連続処理が可能であるので、大型建材品の封孔処理に適しているが、耐食性が充分でなく、また着色されたアルミニウムの陽極酸化皮膜の封孔処理において色素の溶出が多いという欠点がある。重クロム酸塩またはクロム酸塩溶液処理は、封孔処理面が黄色化する欠点があり、環境にも悪影響を与える恐れがある。また、酢酸ニッケル処理は、染料着色品及び電解着色品に広く用いられているが、封孔浴中に濁りや沈殿を生成し、封孔処理面に多量の粉ふきを形成するなどの欠点がある。
【0004】
これら従来の処理方法の欠点をある程度改善した方法として、改良酢酸ニッケル処理法が一般に実施されてきた。この方法は、従来の酢酸ニッケル浴に、粉ふきを防止する目的で、スルホサリチル酸塩、ナフタレンスルホン酸塩ホルマリン縮合物、リグニンスルホン酸塩、ノニールフェノールエーテル類、アルキルトリメチルアンモニウムクロライド類などの分散または湿潤作用を有する界面活性剤を一種または二種以上添加し、さらに浴の緩衝作用を強化して浴pHを安定させ、濁りや沈殿の生成を防止する目的で、ホウ酸、酢酸、コハク酸、安息香酸、無水フタル酸、酒石酸などの酸あるいはそれらのアルカリ塩を一種ないし二種添加する方法である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記改良酢酸ニッケル法は、建浴当初濁りや沈殿がほとんど生成されず粉ふきもほとんど発生しないのであるが、得られた封孔皮膜の塗料に対する密着性が不充分である上、封孔浴を長期間連続使用すると錯化能力低減により浴中に濁りや沈殿が発生し、次第にそれが増して、ついには粉ふきが生じるようになる。
そして、改良酢酸ニッケル浴に沈殿や濁りが形成されてから、粉ふき防止剤や緩衝剤を補給しても、浴の濁りや沈殿を解消できず粉ふきや汚れの発生を阻止するのは困難である。このように、改良酢酸ニッケル法によっても浴の濁りや沈殿の早期発生を防止できないため粉ふきや汚れが発生し、かつ皮膜性能も劣化し、また浴寿命が短いため、浴の更新を頻繁に実施しなければならないなどの欠点があった。
【0006】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、従来の沸騰水や酢酸ニッケル浴に比べて封孔処理液の寿命が長く、アルミニウムの陽極酸化皮膜に対し充分な耐食性を付与し、かつ、封孔皮膜表面に粉ふきを発生させない封孔処理液を提供すること、及び、その封孔処理液を使用したアルミニウムの陽極酸化皮膜の封孔処理法を提供することである。
以上
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、アルミニウムの陽極酸化皮膜の封孔処理について調査・研究していたところ、封孔処理液として、有機酸のニッケル塩を主成分とし、分子中にポリオキシアルキレン基、酸無水物基及びスチリレン基を持つ高分子を副成分として含有する液を使用したときに、アルミニウムの陽極酸化皮膜に対し充分な耐食性を付与することができ、かつ、封孔皮膜表面に粉ふきが発生せず、また、封孔処理液の寿命も長いことを見いだし、本発明を完成したものである。
また、その封孔処理液に、一種または二種以上の界面活性剤を添加した場合には、その効果が、一段と優れたものとなることを見いだしたものである。
【0008】
1.本発明に係るアルミニウムの陽極酸化皮膜の封孔処理液は、有機酸のニッケル塩と下記の一般式で表される高分子とを含有していることを特徴とする。
【化3】
(式中、AOは、炭素数が2〜10のオキシアルキレン基、mは1〜1000、nは1〜100である。)
【0009】
2.本発明に係るアルミニウムの陽極酸化皮膜の封孔処理液は、前記1に記載の封孔処理液において、有機酸のニッケル塩の含有量が、0.0001〜1mol/lであり、上記の一般式で表される高分子の含有量が、0.000001〜0.01mol/lであることを特徴とする。
【0010】
3.本発明に係るアルミニウムの陽極酸化皮膜の封孔処理液は、前記1又は2に記載の封孔処理液において、さらに一種又は二種以上の界面活性剤を含有していることを特徴とする。
【0011】
4.本発明に係るアルミニウムの陽極酸化皮膜の封孔処理法は、アルミニウム又はアルミニウム合金を陽極酸化処理した後、有機酸のニッケル塩と下記の一般式で表される高分子を含有している封孔処理液中に浸漬することを特徴とする。
【化4】
(式中、AOは、炭素数が2〜10のオキシアルキレン基、mは1〜1000、nは1〜100である。)
【0012】
5.本発明に係るアルミニウムの陽極酸化皮膜の封孔処理法は、前記4に記載の封孔処理法において、前記封孔処理液中の有機酸のニッケル塩の含有量が、0.0001〜1mol/lであり、上記の一般式で表される高分子の含有量が、0.000001〜0.01mol/lであることを特徴とする。
【0013】
6.本発明に係るアルミニウムの陽極酸化皮膜の封孔処理法は、前記4又は5に記載の封孔処理法において、前記封孔処理液が、さらに一種又は二種以上の界面活性剤を含有していることを特徴とする。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明は、アルミニウムの陽極酸化皮膜の封孔処理液として、有機酸のニッケル塩を主成分とし、分子中にポリオキシアルキレン基、酸無水物基及びスチリレン基を持つ高分子を副成分とし、必要に応じて一種または二種以上の界面活性剤を添加した水溶液を使用することを特徴とするものである。
【0015】
本発明の封孔処理液に用いられる有機酸のニッケル塩としては、酢酸ニッケル、乳酸ニッケルなどの不飽和カルボン酸のニッケル塩、マロン酸ニッケル、コハク酸ニッケル、アジピン酸ニッケルなどの飽和ジカルボン酸のニッケル塩、マレイン酸ニッケル、フマル酸ニッケルなどの不飽和ジカルボン酸のニッケル塩、リンゴ酸ニッケル、酒石酸ニッケル、クエン酸ニッケル、ジグリコール酸ニッケルなどの多塩基オキシ酸のニッケル塩、フタル酸ニッケル、トリメリット酸ニッケル、ピロメリット酸ニッケルなどの芳香族多塩基塩などが挙げられる。これらの有機酸のニッケル塩は、一種または二種以上併用することもできる。
これらの有機酸のニッケル塩の中では、酢酸ニッケル、リンゴ酸ニッケル、コハク酸ニッケルが好ましい。
【0016】
本発明の封孔処理液における有機酸のニッケル塩の含有量は、0.0001〜1mol/l、好ましくは、0.001〜0.1mol/lである。0.0001mol/l未満である場合には、ニッケルがただちに消費されることにより、浴寿命が短命になり封孔度が悪化する。また、1mol/lを超える場合には、有機酸のニッケル塩が水溶液に完全に溶解せず封孔処理液を濁し、封孔処理面に粉ふきを生じる。
【0017】
これらの有機酸のニッケル塩は、陽極酸化皮膜の微細孔中において容易に加水分解して水酸化ニッケルを形成し、微細孔を充填して酸化皮膜の耐食性を増加させる作用をするとともに、キレート安定効果により封孔処理液中に沈殿が形成するのを抑制する作用をする。
【0018】
本発明の封孔処理液に用いられる「分子中にポリオキシアルキレン基、酸無水物基及びスチリレン基を持つ高分子」は、下記の一般式で表される高分子であり、一種または二種以上併用することもできる。
【化5】
(式中、AOは、炭素数が2〜10のオキシアルキレン基、mは1〜1000、nは1〜100である。)
【0019】
オキシアルキレン基としては、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシドなどが挙げられる。その中では、エチレンオキシド、プロピレンオシド好ましい。
【0020】
本発明の封孔処理液における上記の一般式で表される高分子の含有量は、0.000001〜・0.01mol/l、好ましくは、0.00001〜0.001mol/lである。0.000001mol/l未満である場合には、界面活性剤としての能力が低下し、粉ふき防止効果が弱くなる。また、0.01molを超える場合には、界面活性剤が封孔処理面に部分的に過剰吸着し外見を悪くする。
【0021】
上記の一般式で表される高分子は、該高分子自体が封孔効果を奏するとともに、さらに他の界面活性剤の一種あるいは二種以上併用した場合には、相乗分散効果などが生じ酸化皮膜表面の状態を一層綺麗に仕上げ、また強力な分散力とキレート作用により封孔処理液の寿命を延ばす効果もある。
【0022】
本発明の封孔処理液に使用することのできる界面活性剤としては、ポリアクリル酸塩、ビニル化合物とマレイン酸の共重合物の塩、アルギン酸塩、カルボキシメチルセルロースなどのポリカルボン酸塩系;アルキルナフタレンスルホン酸塩ホルマリン縮合物、ナフタレンスルホン酸塩ホルマリン縮合物、リグニンスルホン酸塩、石油スルホン酸塩、メラミンスルホン酸塩ホルマリン縮合物などのポリスルホン酸塩系;ヘキサメタリン酸塩などのポリリン酸塩系;ポリビニルアルコール、水溶性デンプンなどの非イオン系高分子;ポリアクリルアミド、カチオンデンプン、ポリエチレンアミンなどの陽イオン系高分子が挙げられる。その中では、ナフタレンスルホン酸塩ホルマリン縮合物、リグニンスルホン酸塩が好ましい。
また、これらの界面活性剤は、一種あるいは二種以上併用することができる。
本発明の封孔処理液におけるこれら界面活性剤の含有量は、0.000001〜1mol/l、好ましくは、0.00001〜0.1mol/lである。
これらの界面活性剤を使用する理由は封孔効果を促進させ、かつ封孔処理面の清浄性を向上させるためである。
【0023】
また、本発明においては、封孔処理液の緩衝作用を増強する目的で酢酸、酢酸塩、アンモニア水などの緩衝剤を、封孔処理液の清澄化を一層促進する目的でトリエタノールアミン、ニトリロトリ酢酸3塩、エチレンジアミン四酢酸2塩などのキレート剤を、また、ニッケル分補給の目的で酢酸ニッケル、グルコン酸ニッケル、グリコール酸ニッケル、スルホサリチル酸ニッケル、硫酸ニッケルなどのニッケル塩を一種ないし二種以上封孔処理液に添加しても差し支えない。
【0024】
【実施例】
次に、本発明の実施例を比較例と共に挙げ、本発明を具体的に説明するが、本発明は、以下の実施例によって限定されるものではない。
【0025】
[実施例1]
イオン交換水500mlに、酢酸ニッケル5gと上記の分子中にポリオキシアルキレン基、酸無水物基及びスチリレン基を持つ高分子(商品名:AKM−0531、日本油脂株式会社製)(以下、「PA」という)0.5gを添加後、攪拌・混合して得た水溶液にイオン交換水を加え、全体が11になるように調整して封孔処理液1を得た。
【0026】
[実施例2]
イオン交換水500mlに、コハク酸ニッケル5gとPA0.6gを添加後、撹拌・混合して得た水溶液にイオン交換水を加え、全体が11になるように調整して封孔処理液2を得た。
【0027】
[実施例3]
イオン交換水500mlに、酢酸ニッケル5gとPA0.3gとアルキルナフタレンスルホン酸塩ホルマリン縮合物0.2gを添加後、撹拌・混合して得た水溶液にイオン交換水を加え、全体が11になるように調整して、封孔処理液3を得た。
【0028】
[実施例4]
イオン交換水500mlに、酢酸ニッケル6gとPA0.5gとリグニンスルホン酸塩0.1gを添加後、撹拌・混合して得た水溶液にイオン交換水を加え、全体が11になるように調整して、封孔処理液4を得た。
【0029】
[実施例5]
イオン交換水500mlに、リンゴ酸ニッケル5gとPA0.5gとポリビニルアルコール0.08gを添加後、撹拌・混合して得た水溶液にイオン交換水を加え、全体が11になるように調整して、封孔処理液5を得た。
【0030】
[実施例6]
イオン交換水500mlに、酢酸ニッケル6gとPA0.4gとアルキルナフタレンスルホン酸塩ホルマリン縮合物0.15gと水溶性でんぷん0.04gを添加後、撹拌・混合して得た水溶液にイオン交換水を加え、全体が11になるように調整して、封孔処理液6を得た。
【0031】
[実施例7]
イオン交換水500mlに、酢酸ニッケル5gとPA0.4gとナフタレンスルホン酸塩ホルマリン縮合物0.1gとリグニンスルホン酸塩0.06gを添加後、撹拌・混合して得た水溶液にイオン交換水を加え、全体が11になるように調整して、封孔処理液7を得た。
【0032】
[実施例8]
封孔処理液7を50回封孔処理した後の液(200cm2 の前記被封孔試片を50回処理し、封孔処理液1リットル当たり1m2 処理したことに相当するように処理した後の液)を封孔処理液8とした。
【0033】
[比較例1]
沸騰水道水を封孔処理液9とした(従来の沸騰水法で使用の封孔処理液)。
【0034】
[比較例2]
イオン交換水500mlに、酢酸ニッケル6gとホウ酸8gと酢酸ナトリウム8gと酢酸0.5gを添加後、撹拌・混合して得た水溶液にイオン交換水を加え、全体が11になるように調整して、封孔処理液10を得た(従来の酢酸ニッケル法で使用の封孔処理液)。
【0035】
[比較例3]
イオン交換水500mlに、酢酸ニッケル6gとナフタレンスルホン酸塩ホルマリン縮合物0.9g無水フタル酸1.5gを添加後、撹拌・混合して得た水溶液にイオン交換水を加え、全体が11になるように調整して、封孔処理液11を得た(従来の改良酢酸ニッケル法で使用の封孔処理液)。
【0036】
[比較例4]
封孔処理液11を50回封孔処理した後の液(200cm2 の前記被封孔試片を50回処理し、封孔処理液1リットル当たり1m2 処理したことに相当するように処理した後の液)を封孔処理液12とした。
【0037】
<被封孔試片の調製>
通常の脱脂及びエッチング処理を行ったJIS A 1100Pのアルミニウム試片を20℃の20重量%硫酸水溶液中において電流密度1A/dm2 で30分間陽極酸化した後、30℃の100g硫酸ニッケル+30gホウ酸/Lの水溶液中において、10V、5分間交流電解したものである。
【0038】
[実施例9〜16、比較例5〜8]
上記のようにして得られた被封孔試片を、前記の本発明の封孔処理液及び比較例の封孔処理液に92℃で20分間浸漬して封孔処理を行った。
封孔処理した封孔試片について耐酸性試験(JIS H 8681−2)、耐アルカリ性試験(JIS H 8681−1)、封孔度試験(JIS H 8683−2)、表面観察試験(粉ふき、汚れ、虹、ピット状腐食などの有無)、封孔処理液の寿命試験(アルマイト総処理面積量)を行い、下記の評価基準に従って評価し、その結果を表1に示す。
【0039】
<耐酸性試験>
キャス試験器を用いて、銅塩を含む酢酸酸性の塩水溶液を8時間試料に噴霧し、腐食の発生状態によって皮膜の耐食性を調べた。全腐食面積率0%の状態をレイティングナンバ10とし、8時間試験後の封孔試片の状態をレイティングナンバで評価し次の五段階に分類した。
評価A:レイティングナンバ 9.5以上
評価B:レイティングナンバ 9.3
評価C:レイティングナンバ 9
評価D:レイティングナンバ 8
評価E:レイティングナンバ 7以下
【0040】
<耐アルカリ性試験>
アルカリ滴下試験装置を用いて試片に水酸化ナトリウム水溶液を滴下し、皮膜が去るまでの時間を測定して耐アルカリ性を調べた。秒数が多いほど封孔性能は良い。
封孔試片上の皮膜が溶け去るまでの時間を次の五段階に分類した。
評価A:130秒以上
評価B:110秒以上130秒未満
評価C:90秒以上110秒未満
評価D:70秒以上90秒未満
評価E:70秒未満
【0041】
<封孔度試験>
封孔試片をリン酸−クロム酸水溶液に浸せきすることによって、侵された質量減少を測定し、耐酸性の度合いによって、封孔度を調べた。質量減少量が少ないほど封孔性能は良い。
封孔試片の質量減少量を次の五段階に分類した。
評価A:0.01g/dm2 未満
評価B:0.01g/dm2 以上0.02g/dm2 未満
評価C:0.02g/dm2 以上0.03g/dm2 未満
評価D:0.03g/dm2 以上0.05g/dm2 未満
評価E:0.05g/dm2 以上
【0042】
<表面観察試験>
封孔試片表面の粉ふき、汚れ、虹、ピット状腐食などの状態により次の五段階に分類した。
評価A:不良が全く見られない
評価B:不良がほとんど見られない
評価C:不良がうっすら発生
評価D:不良が所々に発生
評価E:不良が全体に発生
【0043】
<寿命試験>
封孔処理液に92℃で20分間浸漬して封孔処理を行った後の試片総処理面積量を次の五段階に分類した。封孔処理液寿命の判断は上記表面観察試験で不良が所々に発生(D)以下の状態になった時点を寿命とした。
評価A:2.0m2 /L以上
評価B:1.5m2 /L以上2.0m2 /L未満
評価C:1.0m2 /L以上1.5m2 /L未満
評価D:0.5m2 /L以上1.0m2 /L未満
評価E:0.5m2 /L未満
【0044】
【表1】
【0045】
【発明の効果】
本発明は、以上詳記したとおり、有機酸のニッケル塩と前記の一般式で表される高分子とを含有する封孔処理液を用いてアルミニウム陽極酸化皮膜に封孔処理を施した場合には、封孔処理面に粉ふき、汚れ、虹、ピット状腐食などが存在せず、耐酸性、耐アルカリ性、封孔度などの封孔皮膜性能も優れていて、封孔処理液中に濁りや沈殿もほとんど生成しない顕著な効果を奏する。また、本発明の封孔処理液は、長寿命で安価かつ容易に封孔処理に使用できるので工業的価値も非常に高い。
Claims (4)
- さらに一種又は二種以上の界面活性剤を含有している、請求項1に記載のアルミニウム又はアルミニウム合金の陽極酸化皮膜の封孔処理液。
- 前記封孔処理液が、さらに一種又は二種以上の界面活性剤を含有している、請求項3に記載のアルミニウム又はアルミニウム合金の陽極酸化皮膜の封孔処理法。
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