JP3987160B2 - インターロックアセンブリー - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、伸縮自在なスライド式アセンブリーによって、縦型ファイルキャビネット内等に垂直に配置される複数の引出し、或いは収納箱に使用する為のインターロックアセンブリーに関する。特に、本発明は、引出しの1つが開けられると、その他の引出しが開くのを防ぎ、かつ、引出しが閉じている時には、それを全てロックするロッキングシステムとの連結が可能なインターロックアセンブリーに関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
複数の引出しが縦に配置されているキャビネットは、1つ以上の引出しが同時に開けられると、転倒する可能性があり、危険性がある。キャビネットの転倒は、2つ以上の引出しが開けられた際に、キャビネットの重心がずれることによって起こる。キャビネットの転倒は、特に、比較的重い書類が開けられた引出しに入っている場合に、起こりやすい。
【0003】
このような転倒を防止する為に、引出しが縦に配置されているキャビネットの多くは、引出しの1つが開いている時、他の引出しが開くのを防ぐインターロック装置を取り入れている。米国特許第4,480,883号に見られるように、現在使用されているインターロック装置の幾つかは、ファイル用引出しの後ろの部分に連結するようになっている。この連結部位のせいで、インターロック装置の取付け、及び修理が困難なものとなる。また、インターロックメカニズムがそのような位置にあるので、該システムを、一般にキャビネットの全方で、ファイルの収納部の左右どちらかの上部にあるロッキングシステムと連結させるのが難しくなる。
【0004】
現在使用されているインターロック装置に於いては、順をおって、部品の取付け、及び取外しを行わなければならない。例えば、最下部のスライド間にあるインターロック部品は、最上部のスライド間にあるインターロック部品より先に取付けなければならない。このような設計の一例として、米国特許第4,637,667号に開示されているような、掛け金棒を重ねて使用するインターロックメカニズムがあげられる。更に、最上部のスライド付近にある部品を先に取り外さないと、最下部のスライド付近にある部品を取り外すことができない。その結果、インターロックアセンブリーの取付け、取外しは、複雑で、時間が掛り、経費の掛るものとなる。
【0005】
また、現在使用されているインターロック装置の殆どは、特定の高さの引出し用にデザインされており、異なった高さの引出し用に変造するのは容易ではない。
現在使用されている殆どのインターロック装置に於いては、部品も、丁度定められた耐性を持つように造られている。この耐性にずれがあると、インターロックアセンブリーが正確に作動しない可能性がある。
【0006】
PCT出願整理番号PCT/CA93/00359(国際公報第WO94/07989号)にあるような回転式カムインターロック装置も現在使用されているが、これは、引出しが開くことによって同時に作動するもので、引出しが開いている間、いつもその位置を継続的に維持しているとは限らない。システムの誤動を防止するように、強制的、且つ持続した作動を提供するものではない。その結果、思いがけず、引出しのロックが解除されることにもなりかねない。
【0007】
従って、引出しをキャビネット、或いはその他の収納箱に結合する為のスライドの前側に連結することが可能で、且つ、キャビネットのロッキングシステムとの連結が可能なインターロックアセンブリーが必要となる。更に、取付けが簡単で、耐性の正確性を必要とせず、異なった高さの引出しから成る引出しの配置に合うように変造できるインターロックアセンブリーが必要となる。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、ファイルキャビネットや収納箱等の容物内に、上下に離れて、伸縮自在に取付けられた左右のスライド組上に搭載される2つ以上の縦配置の引出しに使用するスライドインターロックアセンブリーを提供するものである。該インターロックアセンブリーは、左右どちらのスライド組に連結してもよい。
【0009】
各スライドアセンブリーは、キャビネットに取り付ける固定部と、引出しに取り付ける伸縮自在部から成る。
各固定部の前部に隣接して、上下に対向する一対の作動追従部材が、垂直方向に、且つ、スライドできるように取付けてある。各作動追従部材は、伸縮自在部の延伸路を遮る位置から、該延伸路を遮らない位置までスライドする。作動追従部材がもう一方の作動追従部材に向かって移動すると、もう一方の作動追従部材にもたれ掛かり、それを押退ける。例えば、下部作動追従部材が上方に向かって移動し始めると、上部作動追従部材にもたれ掛かり、上方向の移動が続行するに連れ、上部作動追従部材も上方向に向かって押退けられる。
【0010】
片方の上部作動追従部材とその真上にあるスライドの下部作動追従部材は、ロッドによって相互連結されている。該ロッドは、パチンと簡単に嵌めることができ、必要であれば、同様に、作動追従部材から取外すことができる。作動追従部材と連結する際には、ロッドは、ある程度の範囲なら、自由に動かすことができる。
【0011】
作動部は、伸縮自在部の前端部に取付けてある。該作動部の表面は、先細になっている。伸縮自在部がその閉じた位置から延びると、或いは開いた位置から引っ込むと、先細になっている作動追従部材の表面は、作動部の先細になっている表面と接触する。摩擦を減少し、衝撃を緩和し、スライドが静かに作動するように、該作動部、及び作動追従部材は、重合体性の素材で造ってあることが好ましい。
【0012】
何れかのスライドの伸縮自在部が延びると、伸縮自在部の前部にある作動部が、同スライドの上部作動追従部材と接触し、上方向に向かって押退ける。その結果、作動追従部材が、ロッド、並びに連結されている直上のロッドの下部作動部を押退け、該スライドの伸縮自在部の延長を妨げる位置に、下部作動追従部材を持って来る。
【0013】
同時に、該下部作動追従部材は、対向している上部作動追従部材を押退ける。この過程は同時に繰り返され、その結果、延びたスライドより上にあるスライド上の下部作動追従部材は全て、伸縮自在部が延長するのを妨げる位置に、それぞれ移動する。
同様に、その延びたスライドは、それより下にあるスライド上の上部作動追従部材が上方向に動くのを妨げる。結果として、その延びたスライドより下にあるスライド上の上部作動追従部材は、全て、上方向の動きの対象から除外され、伸縮自在部が延びるのを妨げる位置に、それぞれ残ることになる。
【0014】
閉じた位置に於いてスライドを全てロックする為のロッキングメカニズムは、本インターロックアセンブリーに、簡単に取入れることができる。例えば、最上部スライドの最上部作動追従部材の上方向の動きを妨害する位置に、ロッキングメカニズムを取付けてもよい。これによって、全てのスライドの上部作動追従部材の上方向の動きが不能となる。必然的に、全てのスライドの上部作動追従部材は、伸縮自在部が延びるのを妨げる個所に、それぞれ位置することになる。
【0015】
同様に、ロッキングメカニズムを、アセンブリーの高さ方向の任意の位置に取入れてもよい。例えば、部材を使ってロッドに偏りを持たせ、その偏り用部材の真上にあるスライドの下部作動追従部材を全て上方向に押退ける一方で、該部材の真下にあるスライドの全ての上部作動追従部材が上方向に押退けられるのを防ぐようにすることもできる。必然的に、各引出しのスライド上にある作動追従部材は、伸縮自在部が延びるのを妨げる個所に、それぞれ位置することになる。
【0016】
【発明の実施の形態】
本発明は、ファイルキャビネット等のハウジング内のテレスコピックに伸縮自在なスライドに垂直方向に配置、搭載された2つ又はそれ以上の引出しとともに使用され、引出しの1つが開けられると、その他の引出しが開くのを防ぐ為に使用するインターロックアセンブリーに関する。
【0017】
インターロックアセンブリーは、引出しをキャビネット内に搭載する為の伸縮自在なスライド10に設けられている(図1,2)。伸縮自在なスライド10は、種々の異なったデザインのものでもよい。しかし、説明の都合上、本発明についての説明は、キャビネットの壁35に取付ける薄型の固定部材12と引出し(図示しない)に取付ける伸縮部材14とを有する伸縮自在なスライド10に基づいて行う。好ましくは、中間部材16によって、伸縮部材14を外側の固定部材12と結合させてもよい。説明の都合上、ここで使用する「伸縮部材」とは、スライドアセンブリーのスライドが可能な部材を指す。仲介部材を含むスライドアセンブリーについては、「伸縮部材」は、2つの部材から成るスライドの摺動が可能な部材、及び3つの部分から成るスライドの摺動可能な仲介部材を指す。
【0018】
各引出しは、それぞれ、スライド10を2つ使ってキャビネットに摺動可能に連結されている。スライドの1つは、引出しの左側に連結されており、もう1つは、引出しの右側に連結されている。従って、キャビネットは、左右のスライド組を持つことになる。インターロックアセンブリーは、左側、右側、あるいは両方のスライド組と連結させてもよい。
【0019】
各スライドの固定部材12は、垂直なウェブ部分18を持った溝型をしており、その垂直なウェブ部材から円孤状の横部分20,21が延び、溝を構成する(図3)。固定部材12の溝の前端近傍には、ウェブ部分18と交差して細長く延びる切抜き部22がある。好ましくは、切抜き部22が固定部材12の前端に隣接し、典型的にその幅が1インチ以下である。
【0020】
更に図3で示すように、固定部材の横方向の部分20,21には、切抜き部22の両端に開口部28が設けられている。これ等の開口部28は、固定部材のウェブ部分18に設けられた切抜き部22より幅が広く、切抜き部22と共に一続きの開口部を構成する。切抜き部は、全て、溝と交差して、横方向に一列に並び、一続きの切抜き部を構成する。
【0021】
対向する上下の作動追従部材32,34は、これらの切抜き部に摺動可能に嵌め込まれる(図2,3,4)。上部作動追従部材32は、固定部材12の上部横方向部分20に設けられた切抜き部28を通して摺動可能に嵌め込まれる。同様に、下部作動追従部材34は、固定部材12の下部横方向部分21に設けられた切抜き部28を通して嵌め込まれる(図1,2,4)。通常、作動追従部材32,34は、スライド10の固定部材12をキャビネットの壁35に取付ける前に、切抜き部28に嵌め込まれる(図5)。切抜き部28に嵌め込まれると、各作動追従部材32,34の一部36が、横方向部分20,21を越えて、固定部材12の外に延びる。説明の都合上、いつも横方向部分20,21を越えて外側へ延びる作動追従部材32,34の一部分36を、ここでは、作動追従部材の「外部分」と呼ぶことにする(図1)。
【0022】
作動追従部材の裏面38は、幅が狭くなった段付きに形成されている(図7,8)。この段付きの部分は、固定部材12の垂直方向のウェブ部分18の垂直方向の切抜き部22に作動部の裏面を嵌め込み、スライドさせることができる。作動追従部材32,34の幅が広くなっている部分40は、固定部材12の横方向部分20,21に設けられた切抜き部28に嵌まり、スライドするように設計されている。作動追従部材32,34の幅の狭い部分は、作動追従部材32,34の段々段付き裏面の部分を導く為のガイドの役割を果たすもので、作動追従部材32,34がスライドする際に、その動きを助けるようになっている。
【0023】
各作動追従部材32,34は、典型的に断面が円錐形で、先端が丸くなった横突起部材42を有する(図7,9)。円錐形の突起42の傾斜面44,46は、45度の角度であることが好ましい。作動追従部材32,34が固定部材12に摺動可能に嵌め込まれると、円錐形の突起42は、固定部材12に設けられた2つの横方向の部分20,21の間に位置することになる。更に、円錐形の突起42は、固定部材12の横方向部分20,21に設けられた切抜き部28より外に突き出るだけの長さ48を持っていることが望ましい。その結果、作動追従部材32,34が開口部22,28に挿入されると、円錐形の突起42によって、作動追従部材32,34が固定部材12の横方向部分20,21を越えてスライドするのが防止できる(図4,5)。
【0024】
作動追従部材32,34の裏面38の一部として、垂直方向の突起50が、円錐面を越えて垂直方向に延びている(図7,9)。一方の作動追従部材がもう一方の作動追従部材に向かってスライドすると、対向している2つの作動追従部材から出ている垂直方向の突起50同士が接触するように設計されている(図1,2)。従って、一方の作動追従部材がもう一方の作動追従部材に向かって動くと、もう一方の作動追従部材を押退けることになる。
【0025】
作動追従部材保持用クリップ52を使って、作動追従部材32,34をスライド10の固定部材12内に保持してもよい(図10,11)。該保持用クリップ52は、典型的に平行にずらした2つの部分54,55を有する形状の金属片でできている。クリップの一方の部分54が固定部材12に固定、或いは繋いであるので、もう一方の部分55が、垂直方向の切抜き部22を隔てて、固定部材12が搭載されているキャビネット面と該部分間の間隔を決定することになる。作動追従部材32,34の突起50は、上記の間隔内に於いてスライドする(図1,2,3,4,10,11)。
【0026】
作動追従部材32,34が保持用クリップ52によって絶えず保持されていることを保証する為に、即ち、作動追従部材の突起50が保持用クリップ52がカバーしている領域外にスライドしないように、該突起50は、その幅方向に沿って段付きになっている。その幅方向の半分の部分に於ける該突起の長さ56は、幅方向の残りの半分の部分での長さ57よりも長い。対向する作動追従部材32,34の段付きの突起50は、お互いに補完し合うようになっている。
【0027】
作動追従部材32,34の外側の部分36の幅は、固定部材12の横方向部分20,21に設けられた切抜き部28の長さよりも大きい。そうすることによって、外側の部分36が横方向部分20,21を通過するのが防止できる。この外側の部分36は、内部垂直溝65を構成する。この溝65は、横方向の壁62によって結合された2つの側壁60によって構成されている。横方向の壁62は、作動追従部材32,34の裏面38の一部である(図8,9)。溝65の上端部66は開いており、下端部68は作動追従部材32,34の下の部分によって拘束されている。各側壁60の内面には、小さいリップ70が設けられている。リップ70は、側壁60の縦方向、及び横方向の端部から始まり、その縦方向、及び横方向の範囲は、各側壁の内面のごく一部に過ぎない。
【0028】
隣接するスライド10の作動追従部材32,34を結合させるために、ロッド72が使用される(図1,2)。例えば、1つのロッド72が、1つのスライド10の上部作動追従部材32をそのすぐ上にあるスライド10の下部作動追従部材34に接続する。使用するロッド72の断面は、どんな形状のものでもよい。しかしながら、説明の都合上、ここでは、円筒状のロッドについて述べることにする。
【0029】
ロッド72は作動追従部材32,34の外側部分36の溝65の開口部に挿入される。ロッド72は、側壁60の内面のリップ70を過ぎるまで押し込むことによって挿入する。ロッド72は、リップ70を過ぎたところでスナップフィットされる。リップ70は、ロッド72を溝65の開口部内に維持する為の保持具の役割を果たす。必要であれば、ロッド72をリップ70の手前まで引っ張り出す(スナップアウトする)ことによって、簡単に取外すこともできる。縦方向の溝65の開口部に挿入したら、溝65の開口部内でロッド72が自由にスライドできる状態にあるのが好ましい。
【0030】
作動部材74は、スライドの伸縮部材14の前部に取付ける。取付けたときには、作動部材74が伸縮部材14の前端部76を取り囲むようなかたちになる。(図2)。作動部材74は、伸縮部材14の端部と平行する平面78を備えている。2つの傾斜面80,82は、この平面78の上下の端部から伸縮部材14の端部に向かって延びる。傾斜面80,82は、伸縮部材14の長手軸線84について対称的であることが好ましい。ここでは、この傾斜面を前方傾斜面と呼ぶことにする。これ等の傾斜面は、伸縮部材14の端部の垂直方向の平面を過ぎるまで続いた後、伸縮部材14の上下端部に向かって徐々に約90度曲げられ、スライドの軸線に対して、もう一組の傾斜面86,88(ここでは、「後方傾斜面」と呼ぶ)を形成する。前方傾斜面と後方傾斜面は、45度の角度で傾斜していることが好ましいが、その他の角度で傾斜させてもよい。
【0031】
作動追従部材32,34の円錐形の突起42の傾斜面44,46は、作動部材74の傾斜面80,82,86,88にのる。従って、作動部材74の傾斜面の傾斜が円錐形の突起42の傾斜面の傾斜と合致することが好ましい。
作動追従部材32,34が完全に延び切った位置にある時には、即ち、作動追従部材32,34の円錐形の突起42が固定部材12の横方向部分20,21に接触するときには、作動追従部材32,34は、伸縮部材14の延伸の通路の障害にはならない。第1の伸縮部材14が延びた時、作動追従部材32,34の円錐形の突起42間の間隔は、非常に僅かな差であるが、作動部材72の一番幅がある部分より広くなることができる(図13)。円錐形の突起42間の間隔が作動部材72の一番幅が広い部分より狭い場合には、突起42は、作動部材72の延伸の通路に対する障害物となり、伸縮部材14がブロックされる。具体例の1つでは、各作動追従部材32,34が、その延びた位置から約1/2インチ分だけスライドできるようになっている。
【0032】
中の伸縮部材14が閉じた位置にある時には(図1)、下部作動追従部材34の円錐形の突起42は、重力の影響下で休止し、スライド10の固定部材12の下部の横方向部分20に対して、完全に延び切っている。一方、上部作動追従部材32は、円錐形の突起42が伸縮部材14の延伸の通路をブロックした状態で、重力の影響で、完全に閉じた位置にある(図1,2)。キャビネット内の全ての伸縮部材14が閉じられ、1つのスライドの伸縮部材14が閉じた位置から延ばされると、作動部材72の上方傾斜面80が、上部作動追従部材32の円錐形の突起42の適合する傾斜面44に接触し、上記作動追従部材32を上方向に押退ける(図1,2)。従って、ロッド72は、その作動追従部材32に押されて、そのすぐ上にあるスライドの下部作動追従部材に相互接続し、該下部作動追従部材の円錐形の突起をその伸縮部材の延伸の通路に持って来る。同時に、下部作動部34の段付きの垂直方向の突起50(図6,9)は、その対向する上部作動部32の段付きの垂直方向の突起に当接し、上部作動追従部材を押退ける。同様に、その延びているスライドより上方に位置するスライドの作動追従部材は、全て同じように移動する。従って、その延びているスライドより上方に位置する全てのスライドの下部作動追従部材の円錐形の突起は、それぞれが対応するスライドの伸縮部材をブロックし、その延伸を阻止する。同様に、その延びているスライドは、下方のスライド即ち、それより下に位置するスライド、の上部作動追従部材の上方向の動きをブロックする。従って、その延びているスライドより下に位置するスライドの上部作動追従部材の円錐形の突起が、該スライドの伸縮部材をブロックし、その延伸を阻止する。
【0033】
ロッド72が作動追従部材の溝開口部内をスライドできるようになっており、作動追従部材が伸長した位置から閉じた位置まで移動する距離が比較的にかなりあるので(例えば、好ましい具体例では、1/2インチ)、移動し始めてから初めの1/8インチ以内でブロックされるので、当業者にとっては、インターロックアセンブリーが正しく機能する為にロッドの長さの公差が必ずしも精密でなくてもよい。
【0034】
もし、引出しが、従って、スライドが、部分的に開いて、スライドの作動部材74の前方傾斜面80,82が作動追従部材32,34の円錐形の突起42の何れかと接触し、他の引出しが開いているならば、作動追従部材32,34を閉じたり、これに圧力を掛けたりするような動き90によって、作動追従部材の表面44,46が作動部材74の前方傾斜面80,82に押し付けられ、伸縮部材14の軸線に沿って力が加わり、作動部材74と伸縮部材14を、閉じた位置とは反対方向92に移動させる(図13)。また、スライドの伸縮部材14が延びた後で閉じた位置の方向に向かって移動する際(図13)、作動部材74の後方傾斜面86,88が、円錐形の突起42の傾斜面44,46と接触し、これを延ばして伸縮部材14を閉じさせるのを許容する(図2)。作動追従部材に掛る作動部材74の衝撃を緩和し、作動を静かなものにする為に、作動部材74と作動追従部材32,34が重合体性の素材で造ってあることが好ましい。
【0035】
別個のロッキングシステム、或いはロッキングメカニズムを連結することによって、簡単に、このインターロッキングアセンブリーに施錠能力を持たせることもできる。例えば、スライドが開くのを全て防止するように、作動追従部材が上方向に押退けられるのをブロックする為の部材102を使って、ロッキングシステム100を構成してもよい。これは、最上部のスライドの上部作動追従部材に結合されたロッド72の移動路の前方でスライドするロック部材を使うことによって達成できる。
【0036】
当業者にとっては、一目瞭然となることだが、インターロックアセンブリーに沿った位置であれば、該ロッキングメカニズムをどの位置に配置してもよい。例えば、図14に示すように、ロック、または付勢部材104を使って、ロッドのどれかに偏りを持たせ、付勢部材のすぐ上にあるスライド上の下部作動追従部材を全て上方向に押退け、付勢部材104のすぐ下にあるスライド上の上部作動追従部材が上方向に押退けられるのを防ぐようにしてもよい。従って、全ての作動追従部材が、伸縮部材の延伸をブロックする場所に、それぞれ位置することになる。
【0037】
本発明のインターロックアセンブリーが、最上部のスライドに取入れられた上部作動追従部材がなくても作動し、同様に、最下部のスライドに取入れられた下部作動追従部材がなくても作動することも、当業者にとっては明瞭なことである。
ここで説明したインターロックアセンブリーには、幾つかの利点がある。本発明のインターロックアセンブリーに於いては、モジュラー構成が可能である。該インターロックアセンブリーは、異なった高さの引出しを持ったキャビネットに使用できる。異なった高さの引出しに適応する為には、相互連結された適当な長さのロッドを使用するだけでよい。その他の必要な構成は、全て同じものでよい。もう一つの利点は、アセンブリー間の違いがロッドの長さだけにあるため、本発明のインターロックアセンブリーに係る在庫経費が減されることである。また、現在出回っているインターロックシステムの殆どと違って、作業員がキャビネットの底部から上に向かってスライドを取付けることによってインターロックシステムを構築する必要がなくなったので、取付けに掛る人件費も節減できる。作業員は、自分に一番都合が良い順番で、ロッドを取付けることができる。また、引出しが開いている間は、ロッキングメカニズム(作動追従部材、及び相互連結用ロッド)が押退け作業を続行しているので、他の引出しが完全に開いたり、偶然に引出しが全てロックされるといったシステムの誤動は実質上皆無である。
【0038】
以上特定の具体例を元に本発明を説明してきたが、当業者にとっては、その他各種の修正、変形案が可能であることは、明らかである。従って、添付した特許請求の範囲内であれば、本発明を、特別に記載した以外の方法で実施してもよいものとする。例えば、隣接する引出しの幅が狭く、そのスライド同士が近接している場合には、接続用ロッドを使用しなくてもいいように、作動追従部材を合わせたり、もたれ掛からせてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、縦方向に配置した3つのスライドのインターロックアセンブリーインターフェイスで、全てのスライドが完全に閉じているものを示す図である。
【図2】図2は、縦方向に配置した3つのスライドのインターロックアセンブリーインターフェイスで、中央のスライドが開いているものを描写している図である。
【図3】図3は、作動追従部材がスライドできるように取付ける為の切抜き部を示すスライド固定部材の斜視図である。
【図4】図4は、上下の作動追従部材を取付けたスライド固定部材の斜視図である。
【図5】図5は、キャビネットの側壁に作動追従部材を嵌め込んだ固定部材の端面図である。
【図6】図6は、作動追従部材の1つが他を押退けている様子を示す固定部材の端面図である。
【図7】図7は、作動追従部材の側面図である。
【図8】図8は、作動追従部材の上面図である。
【図9】図9は、作動追従部材の正面図である。
【図10】図10は、保持用クリップの上面図である。
【図11】図11は、保持用クリップの側面図である。
【図12】図12は、作動部が伸縮自在部の先端とかみ合わさったところを描写している図である。
【図13】図13は、作動部上の作動追従部材が接触して、作動部、及びその伸縮自在部を閉じた位置に押しやっているところを描写している図である。
【図14】図14は、スライドをロックする目的で、ロック部材が仲介用ロッドに偏りを持たせているところを描写している図である。
【符号の説明】
10…スライド
12…固定部材
14…伸縮部材
16…中間部材
18…垂直方向のウェブ部分
20,21…横方向の部分
22…切抜き部
28…開口部
32,34…作動追従部材
42…突起
44,46…傾斜面
50…突起
52…クリップ
65…溝
72…ロッド
74…作動部材
80,82…傾斜面
86,88…傾斜面
Claims (25)
- 引出しの1つが開けられると、もう一つの引出しが開くのを防止する為の引出しのスライド用インターロックアセンブリーであって、
間隔を開けて取付けられる第1と第2のスライドを備え、第2のスライドが第1のスライドの上方に配置され且つ該第1のスライドに対して垂直方向にずらされており、各スライドは、ユニットハウジングに取り付けられる固定部材と引出しの一つに取り付けられる伸縮部材とからなり、該伸縮部材は該固定部材の前端部から延び出すことができ、
各固定部材に摺動可能に且つ垂直に嵌め込んである上下一対の作動追従部材を備え、該作動追従部材は固定部材の前端部の近傍に互いに対向する関係で配置され、各作動追従部材は一つの伸縮部材の延伸をブロックする位置とブロックしない位置の間で摺動可能であり、
複数の長手方向のロッドを備え、一つのロッドの一端が第1のスライドの上部作動追従部材に取外し可能に結合され、もう一方の端が第2のスライドの下部作動追従部材に取外し可能に結合され、
第1のスライドの伸縮部材が延びることによって第1のスライドの上部作動追従部材と該一つのロッドを上方向に動かし、それによって第2のスライドの下部作動追従部材を上方向に動かし、第2のスライドの伸縮部材の延伸をブロックするようにしたことを特徴とするインターロックアセンブリー。 - 該一つのロッドの端部が作動追従部材に摺動可能に結合されている請求項1に記載のインターロックアセンブリー。
- 伸縮部材が延び出す際に作動追従部材に接触し、それを変位させるように、各伸縮部材の前端部に結合された作動部材を更に備えている請求項1に記載のインターロックアセンブリー。
- 一つのスライドの該作動部材は、該一つのスライドの伸縮部材が延び出す際に該一つのスライドの上部作動追従部材と接触し、上部作動追従部材を持ち上げるように、上方傾斜面を備えている請求項3に記載のインターロックアセンブリー。
- 該作動部材の上方傾斜面が、伸縮部材の長手軸線に対して、約45度の角度で傾斜している請求項4に記載のインターロックアセンブリー。
- 該作動部材の上方傾斜面と接触している上部作動追従部材の表面が、該作動部材の上方傾斜面と平行になるように傾斜している請求項5に記載のインターロックアセンブリー。
- 上方傾斜面を持った作動部材は、該一つのスライドの下部作動追従部材と接触するように、更に下方傾斜面を備えており、該一つのスライドの上部作動追従部材の上方傾斜面への接触と該一つのスライドの下部作動追従部材の下方傾斜面への接触との同時的接触によって作動部材の上方及び下方傾斜面に加わる圧力によって、該一つのスライドの作動部材、並びに該一つのスライドの伸縮部材が、強制的に閉じた位置に戻されるようになっている請求項4に記載のインターロックアセンブリー。
- 作動部材の下方傾斜面が、伸縮部材の長手軸線に対して、約45度の角度で傾斜している請求項7に記載のインターロックアセンブリー。
- 作動部材の下方傾斜面と接触している下部作動追従部材の表面が、作動部材の下方傾斜面と平行になるように傾斜している請求項7に記載のインターロックアセンブリー。
- 各スライドの上下それぞれの作動追従部材は、垂直方向の突起を更に設けられており、作動追従部材が互いに向かって移動すると、突起が互いに当接するようになっている請求項1に記載のインターロックアセンブリー。
- 各固定部材に繋がれ、各固定部材に嵌め込まれた作動追従部材の垂直方向の突起を覆うように延びる保持用クリップが更に設けられている請求項1に記載のインターロックアセンブリー。
- スライドの伸縮部材が延びるのをブロックしない位置に各スライド内の作動部が移動するのを防止する為の中央ロッキング手段が更に設けられている請求項10に記載のインターロックアセンブリー。
- ロッキング手段が、第2のスライドの上方に配置されたロック部材から成り、該ロック部材はロックされる位置とロックされない位置の間で摺動可能であり、ロックされる位置にある時には、ロック部材が、第2のスライドの伸縮部材が延びるのをブロックしない位置まで第2のスライドの上部作動追従部材が摺動するのを防止できるような位置に来るようにしてある請求項12に記載のインターロックアセンブリー。
- 中央ロッキング手段は該ロッドのいずれかの通路に沿って配置され、かつ、少なくとも一つのロッドを付勢し、上下の作動追従部材を変位させることによって、開けられた引出しの動きを模倣し、それによって、伸縮部材が延びるのをブロックするようになっている請求項12に記載のインターロックアセンブリー。
- 請求項1に記載のインターロックアセンブリーであって、
該第2のスライドの上方に備えられた第3のスライドを備え、該第3のスライドはユニットハウジングに取付けられる固定部材と一つの引出しに取付けられる伸縮部材から成り、固定部材の前端部から伸縮部材が延び出すことができ、
該第3のスライドの固定部材に摺動可能に垂直に嵌め込んである上下一対の作動追従部材を備え、該作動追従部材は固定部材の前端部の近傍に互いに対向する関係で設けてあり、各作動追従部材は第3のスライドの伸縮部材の延伸をブロックする位置とブロックしない位置の間を摺動可能であり、
一端が第2のスライドの上部作動追従部材に取外し可能結合され、もう一方の端が第3のスライドの下部作動追従部材に取外し可能に結合されている垂直方向のもう一つのロッドを備え、
一つのスライドの伸縮部材の延伸が、そのスライドの上部作動追従部材、及び延びているスライドより上方にあるスライドの下部作動追従部材を変位させ、変位した下部作動追従部材がそのスライドの伸縮部材が延びないようにブロックし、その延びているスライドより下方にあるスライドの上部作動追従部材がそのスライドの伸縮部材の延伸をブロックする位置からブロックしない位置へ動くのを防止するようにしたインターロックアセンブリー。 - 引出しの1つが開けられると、もう一つの引出しが開くのを防止する為の引出し用スライドのインターロックアセンブリーであって、
第1と第2のスライドを備え、第2のスライドが第1のスライドの上方に設けられ、各スライドは、引出しを備えたユニットに取り付けられる固定部材と引出しに取付ける伸縮部材とからなり、該伸縮部材が該固定部材の前端部から延び出すことができ、
各伸縮部材の前端部に接続された作動部材を備え、
第2のスライドの伸縮部材の前端部に接続された作動部材と係合する為の下部作動追従部材を備え、該下部作動追従部材は第2のスライドの固定部材の前端近傍に配置され、第2のスライドの固定部材に摺動可能に結合され、
第1のスライドの伸縮部材の前端部に接続された作動部材と係合する為の上部作動追従部材を備え、該上部作動追従部材は第1のスライドの固定部材の前端近傍に配置され、第1のスライドの固定部材に摺動可能に結合され、
一端が上部作動追従部材に取外し可能に接続され、もう一方の端が下部作動追従部材に取外し可能に接続されているロッドを備え、
第1のスライドの伸縮部材の延伸が上部作動追従部材を上方向に動かし、それによってロッドが上方向に動き、そして第2のスライドの下部作動追従部材を上方向に動かして、第2のスライドの伸縮部材がブロックされて、その延伸が妨げられ、第2のスライドの伸縮部材の延伸が第1のスライドの伸縮部材の延伸をブロックしない位置に第1のスライドの上部作動追従部材が移動するのを防止し、第1のスライドの伸縮部材の延伸を防止するようにしたインターロックアセンブリー。 - 第1のスライドの伸縮部材の前端部に接続された作動部材が、第1のスライドの伸縮部材が延びる際に上部作動追従部材と接触し、上部作動追従部材を変位させる為の上方傾斜面を含む請求項16に記載のインターロックアセンブリー。
- 第2のスライドの伸縮部材の前端部に接続された作動部材が、下部作動追従部材に接触する為の下方傾斜面を含む請求項16に記載のインターロックアセンブリー。
- 一つの作動追従部材が伸縮部材の延伸をブロックする位置へ動くのを防止するための、ロック手段を備えている請求項16に記載のインターロックアセンブリー。
- 複数の引出しの1つが開けられると、もう一つの引出しが開くのを防止する為の調節可能な引出しのスライド用インターロックアセンブリーであって、
最上部のスライドと最下部のスライド間に垂直方向に配置された少なくとも1つの中間スライドを備え、各スライドが、ユニットハウジングに取り付けられる固定部材と引出しの一つに取り付けられる伸縮部材を含み、該伸縮部材は固定部材の前端部から延び出すことができ、
各中間スライドの伸縮部材の延び出しをブロックし、防止するために、各中間スライドの固定部材の前端部の近傍に互いに対向し、変位する関係で摺動可能に嵌め込んである上下の作動追従部材を備え、
最上部のスライドの前端部の近傍に摺動可能に嵌め込んである上部作動追従部材を備え、
最下部のスライドの前端部の近傍に摺動可能に嵌め込んである下部作動追従部材を備え、
各伸縮部材の前端部の近傍に結合された作動部材を備え、
連続するスライドに嵌め込まれた上下各一対の作動追従部材を相互に接続するためのロッドを備え、該ロッドの一端部が一つのスライドの上部作動追従部材に摺動関係で取り外し可能に接続され、該ロッドの他端部がその次の下部作動追従部材に摺動関係で取り外し可能に接続され、
ロッドの長さとスライド間の間隔を変えることによって、該アセンブリーが異なった高さの引出しに対応できるようになっていることを特徴とするインターロックアセンブリー。 - 最上部のスライドの固定部材の前端部の近傍に最上部のスライドの下部作動追従部材と対向し、変位する関係で摺動可能に嵌め込んである上部作動追従部材を備える請求項20に記載のインターロックアセンブリー。
- 最上部のスライドの上方に配置されたロック部材を備え、該ロック部材はロック位置と非ロック位置の間で摺動可能であり、ロック位置にある時には、ロック部材が、最上部のスライドの伸縮部材の延伸をブロックしない位置へ最上部のスライドの上部作動追従部材が摺動するのを防止できるように配置されている請求項21に記載のインターロックアセンブリー。
- 最下部のスライドの固定部材の前端部の近傍に最下部のスライドの上部作動追従部材と対向し、変位する関係で摺動可能に嵌め込んである下部作動追従部材を備える請求項20に記載のインターロックアセンブリー。
- 最下部のスライドの下方に配置されたロック部材を備え、該ロック部材はロック位置と非ロック位置の間で摺動可能であり、ロック位置にある時には、ロック部材が、最下部のスライドの伸縮部材の延伸をブロックしない位置へ最下部のスライドの上部作動追従部材が摺動するのを防止できるように配置されている請求項23に記載のインターロックアセンブリー。
- ロッドの一つは上方部分と該上方部分とは別の下方部分からなる2部分ロッドからなり、上方部分の端部は一つのスライドの下部作動追従部材に取り外し可能に結合され、下方部分の端部は該一つのスライドの直下にあるスライドの上部作動追従部材へ取り外し可能に結合され、さらに、2部分ロッドの通路に沿って配置されたロック部材を備え、該ロック部材は2部分ロッドを付勢する位置へ摺動可能であり、該2部分ロッドの上方部分を下方部分から変位させ、該2部分ロッドに接続された上部及び下部作動追従部材を対応する伸縮部材の延伸をブロックする位置に変位させる請求項20に記載の インターロックアセンブリー。
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