JP3986901B2 - 頭皮洗浄器 - Google Patents
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Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、頭皮・顔部洗浄、または口腔洗浄器、シャワーなどに利用可能な頭皮洗浄器に関し、より詳細には、タンクに一時的に貯水された洗浄用水を加圧すると共に脈動を与え、フレキシブルチューブを経由してノズルヘッドからシャワー状に吐出し、頭皮などを洗浄する際に、ノズルヘッドに操作部を設け、ノズルヘッドから本体を遠隔制御することが可能な頭皮洗浄器に関する。
【０００２】
【従来の技術】
従来より、洗浄効率やマッサージ効果、および操作などの利便性、洗浄時における快適性などに優れた頭皮洗浄器がある。一般的に、このような頭皮洗浄器は、頭皮洗浄に使用する１回分の洗浄用水をタンクに貯水し、ポンプでタンク洗浄用水を取り込んで加圧すると共に脈動を与えて脈動水流としてノズルヘッドへ送水し、ノズルヘッドから洗浄用水を吐出する構成がとられている。このような頭皮洗浄器は、たとえば特開平１１−１９６９２５号公報「頭部・顔部洗浄装置」に開示されている。
【０００３】
さて、上記に示されるような頭皮洗浄器では、通常、洗浄用水を加圧し脈動放水する本体と、この本体からホースを介して洗浄用水が導水されて吐出すノズルまでとが離れている。すなわち、通常の頭皮洗浄器では、洗浄用水を頭皮などにかける場合、本体からホースなどで洗浄用水を洗浄すべき位置まで誘導し、本体側に設けられた操作部分を操作する。
【０００４】
しかし、上記のようにノズルと本体が離れている場合には操作が煩わしかったり、洗浄用水による周囲への飛散などが発生しやすい。そこで、これらを考慮し、ノズル部分に操作スイッチ（手元スイッチ）を設け、ノズル部分で吐出／停止の操作を行なうものが知られている。さらに、ノズルと本体とを信号線で電気的に接続し、手元操作によって本体を制御するものもある。
【０００５】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記に示されるような従来の頭皮洗浄器にあっては、ノズル部分に手元スイッチを設けて吐出／停止を行なう構成の場合、本体の制御を行なうことができなかった。また、信号線による接続構成の場合、防水構造を維持することが困難であるという問題点があった。
【０００６】
また、ノズルの破損による交換や、洗浄対象に合わせて幾つかのノズルを付け替える場合、あるいはホースの破損などにより、本体とノズルとが着脱自在であることが要求された場合、従来の装置にあっては一体的な構成であるため、これらの要求に対応することができなかった。
【０００７】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、ノズル部分から本体を制御可能にすることにより洗浄時における操作性を向上させることを第１の目的とする。また、ノズル部分を着脱可能にし、防水構造を確保することを第２の目的とする。
【０００８】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、請求項１にかかる頭皮洗浄器にあっては、少なくとも、洗浄用水を取り込んで加圧し、かつ脈動水流として送水制御を行なうポンプと、電源供給を行なう本体電源と、を有する洗浄器本体と、前記洗浄器本体から送出される前記洗浄用水を導水するフレキシブルチューブと、前記フレキシブルチューブで導水された前記洗浄用水を吐出するノズルヘッドと、を有する頭皮洗浄器において、前記ノズルヘッドは、前記洗浄器本体に対してノズル認識信号およびポンプ制御信号を送信する送信手段と、前記洗浄器本体に対して前記送信手段を介して操作指示を行なう操作手段と、前記操作手段および前記送信手段の制御を実行するノズル制御手段と、前記ノズルヘッド部分に電源を供給するノズル電源と、を備え、前記洗浄器本体は、前記ノズルヘッドの送信手段から送られた前記ノズル認識信号およびポンプ制御信号を受信する受信手段を備え、前記本体制御手段は、前記受信したノズル認識信号およびポンプ制御信号にしたがって当該ノズルヘッドを識別し、かつ前記ポンプを制御するものである。
【０００９】
この発明によれば、洗浄器本体から離れたノズルヘッドに洗浄器本体を無線で制御する機構を設けることにより、洗浄器本体によって加圧され、かつ脈動付加された洗浄用水をフレキシブルチューブを経由してノズルヘッドから吐出して洗浄を行なう場合における手元操作が可能になる。すなわち、ノズルヘッドの操作部に設けられた送信部を介して本体の受信部に制御信号を送信し、その送信命令にしたがって所定の制御をノズル部分で手元操作することが可能になる。
【００１０】
また、請求項２にかかる頭皮洗浄器にあっては、前記フレキシブルチューブの送出側先端と前記ノズルヘッドとは、着脱自在に構成されているものである。
【００１１】
この発明によれば、請求項１において、フレキシブルチューブの送出側先端とノズルヘッドとを着脱自在に構成することにより、手元操作可能で、かつ吐出し穴数や先端形状、突起本数などが異なるノズルヘッドに対応させることが可能になると共に、フレキシブルチューブの破損時にも対応することが可能になる。
【００１２】
また、請求項３にかかる頭皮洗浄器にあっては、前記送信手段は、前記洗浄器本体に設けられた前記受信手段に対して微弱電波の信号を送信するものである。
【００１３】
この発明によれば、請求項１において、送信手段は、洗浄器本体に設けられた受信手段に対して微弱電波の信号を送信することにより、洗浄器本体とノズルヘッドとの十分な送信を確保した上で、電波法にかかわる管理を不要とし、販売上の制約を排除することが可能になる。
【００１４】
また、請求項４にかかる頭皮洗浄器にあっては、前記送信手段は、微弱電波に識別コードを含ませて前記受信手段に送信し、前記本体制御手段は、前記受信手段で受け取った前記識別コードにしたがって当該ノズルヘッドを識別するものである。
【００１５】
この発明によれば、請求項１または３において、ノズルヘッドの送信と洗浄器本体の受信を微弱電波により行ない、この微弱電波に固有のコードをのせ、これを洗浄器本体で識別することにより、同様の洗浄器を近接して使用した場合にも混信を回避することが可能になる。
【００１６】
また、請求項５にかかる頭皮洗浄器にあっては、さらに、前記フレキシブルチューブの送出側先端と前記ノズルヘッドとが結合された際に、結合されたことを検出する検出手段を備え、前記送信手段は、前記検出手段が結合を検出したときに、前記本体電源を投入すると共に、当該ノズルヘッドを識別するコード信号を前記受信手段に送信し、前記本体制御手段は、前記コード信号にしたがって当該ノズルヘッドを認識した後、前記本体電源を遮断するものである。
【００１７】
この発明によれば、請求項１または３において、ノズルヘッドをフレキシブルチューブに装着したときに、自動的にノズルヘッドから洗浄器本体の電源を入れ、ノズル固有のコードを発信し、洗浄器本体がこれを認識した後に自動的に本体電源を切ることにより、洗浄目的に対応させたノズルヘッドの選択使用や、ノズルヘッドやフレキシブルチューブの破損時の交換によってノズルヘッドが変わってもノズルヘッドを正しく認識することが可能になる。
【００１８】
【発明の実施の形態】
以下、本発明にかかる頭皮洗浄器の好適な実施の形態について添付図面を参照し、詳細に説明する。なお、本発明はこの実施の形態を一例とするものであり、これに限定されるものではない。
【００１９】
本発明は、タンクに貯水された洗浄用水を所定の圧力でシャワー状に吐出し、頭皮などを洗浄する頭皮洗浄器において、洗浄器本体から加圧・脈動付加された洗浄用水をフレキシブルチューブを経由してノズルヘッドから吐出して洗浄を行なう場合、ノズルヘッドの操作部に設けられた送信部を介して本体の受信部に制御信号を送信し、その送信命令にしたがって所定の制御が行なわれる、いわゆるノズル部分で手元操作可能な頭皮洗浄器を実現するものである。以下、これらについて具体的に説明する。
【００２０】
図１は、本発明の実施の形態にかかる頭皮洗浄器１００の外観図を示し、図２および図３は、図１における頭皮洗浄器１００内部およびノズルヘッドの概略構成を示すブロック図である。
【００２１】
図１に示すように、この頭皮洗浄器１００は、洗浄用水を貯水するタンク１０１と、タンク１０１から洗浄用水を取り込んで加圧すると共に脈動を与えて脈動水流として送水するポンプ部１１３と、ポンプ部１１３から送出された洗浄用水を導水する配管と、配管で導水された洗浄用水を導水するフレキシブルチューブ１０４と、フレキシブルチューブ１０４で導水された洗浄用水を吐出するノズルヘッド１０５と、を備えている。また、配管は、フレキシブルチューブ１０４との結合部１０３ａを有している。フレキシブルチューブ１０４は、配管との結合部１０４ａを有している。
【００２２】
図２および図３において、ノズルヘッド１０５は、手元操作を行なうための操作部１０６と、後述するノズル識別信号を生成するなどの処理を行なうノズル制御部１０７と、ノズル識別信号を本体１２０側に送信する送信部１０８と、ノズル各部に電源供給を行なうノズル電源１０９と、フレキシブルチューブとノズルヘッドとが結合されたときにそのノズルを検出するセンサ１１０と、を備えている。
【００２３】
また、本体１２０は、タンク１０１と、ポンプ部１１３を駆動して洗浄用水の吐出制御および本体の各種制御を行なう本体制御部１１１と、装置全体へ電源を供給する本体電源１１２と、流路に導水された洗浄用水を加圧すると共に脈動を与えて脈動水流としてノズルヘッド１０５に送水するポンプ部１１３と、ノズルヘッド１０５の送信部１０８から送られた信号を受信する受信部１１４と、を備えている。
【００２４】
本体制御部１１１は、少なくとも、制御プログラムが格納されているＲＯＭ、ワーキングメモリとして使用されるＲＡＭ、ＲＯＭに格納されている制御プログラムにしたがって制御を実行するＣＰＵを具備するマイクロコンピュータシステムで構成される。
【００２５】
つぎに、以上のように構成された頭皮洗浄器１００の基本的な動作について説明する。本発明の頭皮洗浄器１００を用いて洗浄を行なう場合、ユーザは、ノズルヘッド１０５の操作部１０６あるいは本体１２０の電源スイッチ（図示せず）を操作して電源を投入する。電源が投入されると、本体制御部１１１は、本体電源１１２からポンプ部１１３へ電源を供給し、ポンプ部１１３を駆動する。ポンプ部１１３は、タンク１０１から給水された洗浄用水を所定の圧力で加圧すると共に脈動を与え、フレキシブルチューブ１０４を経由してノズルヘッド１０５へ洗浄用水を送水する。ノズルヘッド１０５からは、洗浄用水がシャワー状に吐出され、ユーザは頭皮を洗浄する。
【００２６】
ここで、フレキシブルチューブ１０４とノズルヘッド１０５の分割構成およびノズル装着の検出構成などについて説明する。図４は、ノズルヘッド１０５および当該ノズルを判別するセンサを備えたノズルヘッド取付部の構成を示す説明図である。図５は、ノズルヘッド取付部分の構成を示す説明図である。
【００２７】
これらの図において、フレキシブルチューブ１０４は、ノズルヘッド１０５に差し込まれるピン１２１と、ノズルヘッド１０５に挿入される挿入部１２２と、ノズルヘッド１０５のＯリングと嵌合する溝１０４ｃと、を備えている。
【００２８】
図５において、ノズルヘッド１０５には、ピン１２１が差し込まれたことを検出するセンサ１１０ａ，１１０ｂと、挿入部１２２を挿入して連結される挿入口１２３と、フレキシブルチューブ１０４と接合した場合の防水構造を実現するためのシール材としてのＯリング１２４と、が設けられいる。
【００２９】
以上の構成において、ノズルヘッド１０５がフレキシブルチューブ１０４のノズルヘッド取付部１０４ｂに取り付けられたとき、センサ１１０ａ，１１０ｂにピン１２１が挿入され、ノズルヘッド１０５の結合状態およびヘッドの種類（突起部の長さなど）を検出する。ノズルヘッド１０５が装着されると、ノズルヘッド１０５のノズル制御部１０７はノズル識別信号を生成し、このノズル識別信号を送信部１０８から本体１２０の受信部１１４に送信する。
【００３０】
たとえば、先端の突起が洗浄用水を吐出する方向に３０ｍｍの多数（３０本程度）のノズルヘッド１０５の場合、上記検出により、吐出する水圧を２．９〜５．０×１０5Ｐａ、脈動パルスを１２００〜２５００回／分とする。また、先端の突起が洗浄用水を吐出する方向に１５０ｍｍの少数（１０本程度）のノズルヘッド１０５の場合、上記検出により、吐出する水圧を５．０〜７．８×１０5Ｐａ、脈動パルスを２０００〜３０００回／分とする。
【００３１】
また、ノズルヘッド１０５がフレキシブルチューブ１０４のノズルヘッド取付部１０４ｂに取り付けられたとき、Ｏリング１２４が溝１０４に入り込み、防水構造を形成する。これにより、ノズルヘッド１０５やフレキシブルチューブ１０４を交換した場合にもノズル部分の防水性を確保することができる。
【００３２】
本体１２０は受信部１１４で上記信号を受信すると、ノズルヘッド１０５が有する固有の識別コードにより認識が行なわれる。本体制御部１１１は、このノズル識別信号に合致したノズルヘッド１０５からの命令のみを取り込み、本体１２０を制御する。このノズルヘッド１０５の送信部１０８から命令信号にノズル固有のコードを乗せた例を図６に示す。この命令信号は、電波法などで規制されないレベルの微弱電波によって受信部１１４に送られる。
【００３３】
ノズルヘッド１０５の操作部１０６を操作し、本体１２０を動作させようとすると、操作部１０６からの操作指示をノズル制御部１０７が認識する。その後、本体制御部１１１は、送信部１０８から命令にしたがってポンプ部１１３に制御信号を出力する。ポンプ部１１３は、この制御信号に基づいて洗浄用水を加圧し、フレキシブルチューブ１０４を経由させてノズルヘッド１０５の開口部から吐出させる。また、この洗浄用水の吐出を停止する場合にも、ノズルヘッド１０５の操作部１０６を操作し、停止命令を送信部１０８から受信部１１４に送り、本体１２０において停止の制御が行なわれる。
【００３４】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明にかかる頭皮洗浄器（請求項１）によれば、洗浄器本体から離れたノズルヘッドに洗浄器本体を無線で制御する機構を設けたので、洗浄器本体によって加圧され、かつ脈動付加された洗浄用水をフレキシブルチューブを経由してノズルヘッドから吐出して洗浄を行なう場合における手元操作が実現するため、洗浄時における操作性を向上させることができる。
【００３５】
また、本発明にかかる頭皮洗浄器（請求項２）によれば、請求項１において、フレキシブルチューブの送出側先端とノズルヘッドとを着脱自在に構成したので、手元での操作を行なうことができると共に、吐出し穴数や先端形状などが異なるノズルヘッドに対応させることができ、また、フレキシブルチューブの破損時にも対応することもできる。
【００３６】
また、本発明にかかる頭皮洗浄器（請求項３）によれば、請求項１において、送信手段は、洗浄器本体に設けられた受信手段に対して微弱電波の信号を送信するため、洗浄器本体とノズルヘッドとの十分な送信を確保した上で、電波法にかかわる煩わしい管理が不要となり、販売しやすくなる。
【００３７】
また、本発明にかかる頭皮洗浄器（請求項４）によれば、請求項１または３において、ノズルヘッドの送信と洗浄器本体の受信を微弱電波により行ない、この微弱電波に固有のコードをのせ、これを洗浄器本体で識別するので、同様の洗浄器を近接して使用した場合であっても混信を回避し、洗浄器ごとの正しい制御が実現する。
【００３８】
また、本発明にかかる頭皮洗浄器（請求項５）によれば、請求項１または３において、ノズルヘッドをフレキシブルチューブに装着したときに、自動的にノズルヘッドから洗浄器本体の電源を入れ、ノズル固有のコードを発信し、洗浄器本体がこれを認識した後に自動的に本体電源を切ることにより、洗浄目的に対応させたノズルヘッドの選択使用や、ノズルヘッドやフレキシブルチューブの破損時の交換によってノズルヘッドが変わってもノズルヘッドを正しく認識することが可能になるめ、ユーザごとにコード管理したり、ノズルヘッドのコードを管理するという作業を排除することができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の実施の形態にかかる頭皮洗浄器の外観構成を示す説明図である。
【図２】図１における頭皮洗浄器の内部構成およびノズルヘッドの概略構成を示すブロック図である。
【図３】図１における頭皮洗浄器の内部およびノズルヘッドの内部構成を示すブロック図である。
【図４】フレキシブルチューブとノズルヘッドの分離構造を示す説明図である。
【図５】図４におけるノズルヘッドのＢ方向からみた説明図である。
【図６】ノズルヘッドから出力される信号例を示す説明図である。
【符号の説明】
１００ 頭皮洗浄器
１０１ タンク
１０４ フレキシブルチューブ
１０４ｂ ノズルヘッド取付部
１０４ｃ 溝
１０５ ノズルヘッド
１０６ 操作部
１０７ ノズル制御部
１０８ 送信部
１０９ ノズル電源
１１０ センサ
１１１ 本体制御部
１１２ 本体電源
１１３ ポンプ部
１２０ 本体
１２２ 挿入部
１２３ 挿入口
１２４ Ｏリング
【発明の属する技術分野】
本発明は、頭皮・顔部洗浄、または口腔洗浄器、シャワーなどに利用可能な頭皮洗浄器に関し、より詳細には、タンクに一時的に貯水された洗浄用水を加圧すると共に脈動を与え、フレキシブルチューブを経由してノズルヘッドからシャワー状に吐出し、頭皮などを洗浄する際に、ノズルヘッドに操作部を設け、ノズルヘッドから本体を遠隔制御することが可能な頭皮洗浄器に関する。
【０００２】
【従来の技術】
従来より、洗浄効率やマッサージ効果、および操作などの利便性、洗浄時における快適性などに優れた頭皮洗浄器がある。一般的に、このような頭皮洗浄器は、頭皮洗浄に使用する１回分の洗浄用水をタンクに貯水し、ポンプでタンク洗浄用水を取り込んで加圧すると共に脈動を与えて脈動水流としてノズルヘッドへ送水し、ノズルヘッドから洗浄用水を吐出する構成がとられている。このような頭皮洗浄器は、たとえば特開平１１−１９６９２５号公報「頭部・顔部洗浄装置」に開示されている。
【０００３】
さて、上記に示されるような頭皮洗浄器では、通常、洗浄用水を加圧し脈動放水する本体と、この本体からホースを介して洗浄用水が導水されて吐出すノズルまでとが離れている。すなわち、通常の頭皮洗浄器では、洗浄用水を頭皮などにかける場合、本体からホースなどで洗浄用水を洗浄すべき位置まで誘導し、本体側に設けられた操作部分を操作する。
【０００４】
しかし、上記のようにノズルと本体が離れている場合には操作が煩わしかったり、洗浄用水による周囲への飛散などが発生しやすい。そこで、これらを考慮し、ノズル部分に操作スイッチ（手元スイッチ）を設け、ノズル部分で吐出／停止の操作を行なうものが知られている。さらに、ノズルと本体とを信号線で電気的に接続し、手元操作によって本体を制御するものもある。
【０００５】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記に示されるような従来の頭皮洗浄器にあっては、ノズル部分に手元スイッチを設けて吐出／停止を行なう構成の場合、本体の制御を行なうことができなかった。また、信号線による接続構成の場合、防水構造を維持することが困難であるという問題点があった。
【０００６】
また、ノズルの破損による交換や、洗浄対象に合わせて幾つかのノズルを付け替える場合、あるいはホースの破損などにより、本体とノズルとが着脱自在であることが要求された場合、従来の装置にあっては一体的な構成であるため、これらの要求に対応することができなかった。
【０００７】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、ノズル部分から本体を制御可能にすることにより洗浄時における操作性を向上させることを第１の目的とする。また、ノズル部分を着脱可能にし、防水構造を確保することを第２の目的とする。
【０００８】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、請求項１にかかる頭皮洗浄器にあっては、少なくとも、洗浄用水を取り込んで加圧し、かつ脈動水流として送水制御を行なうポンプと、電源供給を行なう本体電源と、を有する洗浄器本体と、前記洗浄器本体から送出される前記洗浄用水を導水するフレキシブルチューブと、前記フレキシブルチューブで導水された前記洗浄用水を吐出するノズルヘッドと、を有する頭皮洗浄器において、前記ノズルヘッドは、前記洗浄器本体に対してノズル認識信号およびポンプ制御信号を送信する送信手段と、前記洗浄器本体に対して前記送信手段を介して操作指示を行なう操作手段と、前記操作手段および前記送信手段の制御を実行するノズル制御手段と、前記ノズルヘッド部分に電源を供給するノズル電源と、を備え、前記洗浄器本体は、前記ノズルヘッドの送信手段から送られた前記ノズル認識信号およびポンプ制御信号を受信する受信手段を備え、前記本体制御手段は、前記受信したノズル認識信号およびポンプ制御信号にしたがって当該ノズルヘッドを識別し、かつ前記ポンプを制御するものである。
【０００９】
この発明によれば、洗浄器本体から離れたノズルヘッドに洗浄器本体を無線で制御する機構を設けることにより、洗浄器本体によって加圧され、かつ脈動付加された洗浄用水をフレキシブルチューブを経由してノズルヘッドから吐出して洗浄を行なう場合における手元操作が可能になる。すなわち、ノズルヘッドの操作部に設けられた送信部を介して本体の受信部に制御信号を送信し、その送信命令にしたがって所定の制御をノズル部分で手元操作することが可能になる。
【００１０】
また、請求項２にかかる頭皮洗浄器にあっては、前記フレキシブルチューブの送出側先端と前記ノズルヘッドとは、着脱自在に構成されているものである。
【００１１】
この発明によれば、請求項１において、フレキシブルチューブの送出側先端とノズルヘッドとを着脱自在に構成することにより、手元操作可能で、かつ吐出し穴数や先端形状、突起本数などが異なるノズルヘッドに対応させることが可能になると共に、フレキシブルチューブの破損時にも対応することが可能になる。
【００１２】
また、請求項３にかかる頭皮洗浄器にあっては、前記送信手段は、前記洗浄器本体に設けられた前記受信手段に対して微弱電波の信号を送信するものである。
【００１３】
この発明によれば、請求項１において、送信手段は、洗浄器本体に設けられた受信手段に対して微弱電波の信号を送信することにより、洗浄器本体とノズルヘッドとの十分な送信を確保した上で、電波法にかかわる管理を不要とし、販売上の制約を排除することが可能になる。
【００１４】
また、請求項４にかかる頭皮洗浄器にあっては、前記送信手段は、微弱電波に識別コードを含ませて前記受信手段に送信し、前記本体制御手段は、前記受信手段で受け取った前記識別コードにしたがって当該ノズルヘッドを識別するものである。
【００１５】
この発明によれば、請求項１または３において、ノズルヘッドの送信と洗浄器本体の受信を微弱電波により行ない、この微弱電波に固有のコードをのせ、これを洗浄器本体で識別することにより、同様の洗浄器を近接して使用した場合にも混信を回避することが可能になる。
【００１６】
また、請求項５にかかる頭皮洗浄器にあっては、さらに、前記フレキシブルチューブの送出側先端と前記ノズルヘッドとが結合された際に、結合されたことを検出する検出手段を備え、前記送信手段は、前記検出手段が結合を検出したときに、前記本体電源を投入すると共に、当該ノズルヘッドを識別するコード信号を前記受信手段に送信し、前記本体制御手段は、前記コード信号にしたがって当該ノズルヘッドを認識した後、前記本体電源を遮断するものである。
【００１７】
この発明によれば、請求項１または３において、ノズルヘッドをフレキシブルチューブに装着したときに、自動的にノズルヘッドから洗浄器本体の電源を入れ、ノズル固有のコードを発信し、洗浄器本体がこれを認識した後に自動的に本体電源を切ることにより、洗浄目的に対応させたノズルヘッドの選択使用や、ノズルヘッドやフレキシブルチューブの破損時の交換によってノズルヘッドが変わってもノズルヘッドを正しく認識することが可能になる。
【００１８】
【発明の実施の形態】
以下、本発明にかかる頭皮洗浄器の好適な実施の形態について添付図面を参照し、詳細に説明する。なお、本発明はこの実施の形態を一例とするものであり、これに限定されるものではない。
【００１９】
本発明は、タンクに貯水された洗浄用水を所定の圧力でシャワー状に吐出し、頭皮などを洗浄する頭皮洗浄器において、洗浄器本体から加圧・脈動付加された洗浄用水をフレキシブルチューブを経由してノズルヘッドから吐出して洗浄を行なう場合、ノズルヘッドの操作部に設けられた送信部を介して本体の受信部に制御信号を送信し、その送信命令にしたがって所定の制御が行なわれる、いわゆるノズル部分で手元操作可能な頭皮洗浄器を実現するものである。以下、これらについて具体的に説明する。
【００２０】
図１は、本発明の実施の形態にかかる頭皮洗浄器１００の外観図を示し、図２および図３は、図１における頭皮洗浄器１００内部およびノズルヘッドの概略構成を示すブロック図である。
【００２１】
図１に示すように、この頭皮洗浄器１００は、洗浄用水を貯水するタンク１０１と、タンク１０１から洗浄用水を取り込んで加圧すると共に脈動を与えて脈動水流として送水するポンプ部１１３と、ポンプ部１１３から送出された洗浄用水を導水する配管と、配管で導水された洗浄用水を導水するフレキシブルチューブ１０４と、フレキシブルチューブ１０４で導水された洗浄用水を吐出するノズルヘッド１０５と、を備えている。また、配管は、フレキシブルチューブ１０４との結合部１０３ａを有している。フレキシブルチューブ１０４は、配管との結合部１０４ａを有している。
【００２２】
図２および図３において、ノズルヘッド１０５は、手元操作を行なうための操作部１０６と、後述するノズル識別信号を生成するなどの処理を行なうノズル制御部１０７と、ノズル識別信号を本体１２０側に送信する送信部１０８と、ノズル各部に電源供給を行なうノズル電源１０９と、フレキシブルチューブとノズルヘッドとが結合されたときにそのノズルを検出するセンサ１１０と、を備えている。
【００２３】
また、本体１２０は、タンク１０１と、ポンプ部１１３を駆動して洗浄用水の吐出制御および本体の各種制御を行なう本体制御部１１１と、装置全体へ電源を供給する本体電源１１２と、流路に導水された洗浄用水を加圧すると共に脈動を与えて脈動水流としてノズルヘッド１０５に送水するポンプ部１１３と、ノズルヘッド１０５の送信部１０８から送られた信号を受信する受信部１１４と、を備えている。
【００２４】
本体制御部１１１は、少なくとも、制御プログラムが格納されているＲＯＭ、ワーキングメモリとして使用されるＲＡＭ、ＲＯＭに格納されている制御プログラムにしたがって制御を実行するＣＰＵを具備するマイクロコンピュータシステムで構成される。
【００２５】
つぎに、以上のように構成された頭皮洗浄器１００の基本的な動作について説明する。本発明の頭皮洗浄器１００を用いて洗浄を行なう場合、ユーザは、ノズルヘッド１０５の操作部１０６あるいは本体１２０の電源スイッチ（図示せず）を操作して電源を投入する。電源が投入されると、本体制御部１１１は、本体電源１１２からポンプ部１１３へ電源を供給し、ポンプ部１１３を駆動する。ポンプ部１１３は、タンク１０１から給水された洗浄用水を所定の圧力で加圧すると共に脈動を与え、フレキシブルチューブ１０４を経由してノズルヘッド１０５へ洗浄用水を送水する。ノズルヘッド１０５からは、洗浄用水がシャワー状に吐出され、ユーザは頭皮を洗浄する。
【００２６】
ここで、フレキシブルチューブ１０４とノズルヘッド１０５の分割構成およびノズル装着の検出構成などについて説明する。図４は、ノズルヘッド１０５および当該ノズルを判別するセンサを備えたノズルヘッド取付部の構成を示す説明図である。図５は、ノズルヘッド取付部分の構成を示す説明図である。
【００２７】
これらの図において、フレキシブルチューブ１０４は、ノズルヘッド１０５に差し込まれるピン１２１と、ノズルヘッド１０５に挿入される挿入部１２２と、ノズルヘッド１０５のＯリングと嵌合する溝１０４ｃと、を備えている。
【００２８】
図５において、ノズルヘッド１０５には、ピン１２１が差し込まれたことを検出するセンサ１１０ａ，１１０ｂと、挿入部１２２を挿入して連結される挿入口１２３と、フレキシブルチューブ１０４と接合した場合の防水構造を実現するためのシール材としてのＯリング１２４と、が設けられいる。
【００２９】
以上の構成において、ノズルヘッド１０５がフレキシブルチューブ１０４のノズルヘッド取付部１０４ｂに取り付けられたとき、センサ１１０ａ，１１０ｂにピン１２１が挿入され、ノズルヘッド１０５の結合状態およびヘッドの種類（突起部の長さなど）を検出する。ノズルヘッド１０５が装着されると、ノズルヘッド１０５のノズル制御部１０７はノズル識別信号を生成し、このノズル識別信号を送信部１０８から本体１２０の受信部１１４に送信する。
【００３０】
たとえば、先端の突起が洗浄用水を吐出する方向に３０ｍｍの多数（３０本程度）のノズルヘッド１０５の場合、上記検出により、吐出する水圧を２．９〜５．０×１０5Ｐａ、脈動パルスを１２００〜２５００回／分とする。また、先端の突起が洗浄用水を吐出する方向に１５０ｍｍの少数（１０本程度）のノズルヘッド１０５の場合、上記検出により、吐出する水圧を５．０〜７．８×１０5Ｐａ、脈動パルスを２０００〜３０００回／分とする。
【００３１】
また、ノズルヘッド１０５がフレキシブルチューブ１０４のノズルヘッド取付部１０４ｂに取り付けられたとき、Ｏリング１２４が溝１０４に入り込み、防水構造を形成する。これにより、ノズルヘッド１０５やフレキシブルチューブ１０４を交換した場合にもノズル部分の防水性を確保することができる。
【００３２】
本体１２０は受信部１１４で上記信号を受信すると、ノズルヘッド１０５が有する固有の識別コードにより認識が行なわれる。本体制御部１１１は、このノズル識別信号に合致したノズルヘッド１０５からの命令のみを取り込み、本体１２０を制御する。このノズルヘッド１０５の送信部１０８から命令信号にノズル固有のコードを乗せた例を図６に示す。この命令信号は、電波法などで規制されないレベルの微弱電波によって受信部１１４に送られる。
【００３３】
ノズルヘッド１０５の操作部１０６を操作し、本体１２０を動作させようとすると、操作部１０６からの操作指示をノズル制御部１０７が認識する。その後、本体制御部１１１は、送信部１０８から命令にしたがってポンプ部１１３に制御信号を出力する。ポンプ部１１３は、この制御信号に基づいて洗浄用水を加圧し、フレキシブルチューブ１０４を経由させてノズルヘッド１０５の開口部から吐出させる。また、この洗浄用水の吐出を停止する場合にも、ノズルヘッド１０５の操作部１０６を操作し、停止命令を送信部１０８から受信部１１４に送り、本体１２０において停止の制御が行なわれる。
【００３４】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明にかかる頭皮洗浄器（請求項１）によれば、洗浄器本体から離れたノズルヘッドに洗浄器本体を無線で制御する機構を設けたので、洗浄器本体によって加圧され、かつ脈動付加された洗浄用水をフレキシブルチューブを経由してノズルヘッドから吐出して洗浄を行なう場合における手元操作が実現するため、洗浄時における操作性を向上させることができる。
【００３５】
また、本発明にかかる頭皮洗浄器（請求項２）によれば、請求項１において、フレキシブルチューブの送出側先端とノズルヘッドとを着脱自在に構成したので、手元での操作を行なうことができると共に、吐出し穴数や先端形状などが異なるノズルヘッドに対応させることができ、また、フレキシブルチューブの破損時にも対応することもできる。
【００３６】
また、本発明にかかる頭皮洗浄器（請求項３）によれば、請求項１において、送信手段は、洗浄器本体に設けられた受信手段に対して微弱電波の信号を送信するため、洗浄器本体とノズルヘッドとの十分な送信を確保した上で、電波法にかかわる煩わしい管理が不要となり、販売しやすくなる。
【００３７】
また、本発明にかかる頭皮洗浄器（請求項４）によれば、請求項１または３において、ノズルヘッドの送信と洗浄器本体の受信を微弱電波により行ない、この微弱電波に固有のコードをのせ、これを洗浄器本体で識別するので、同様の洗浄器を近接して使用した場合であっても混信を回避し、洗浄器ごとの正しい制御が実現する。
【００３８】
また、本発明にかかる頭皮洗浄器（請求項５）によれば、請求項１または３において、ノズルヘッドをフレキシブルチューブに装着したときに、自動的にノズルヘッドから洗浄器本体の電源を入れ、ノズル固有のコードを発信し、洗浄器本体がこれを認識した後に自動的に本体電源を切ることにより、洗浄目的に対応させたノズルヘッドの選択使用や、ノズルヘッドやフレキシブルチューブの破損時の交換によってノズルヘッドが変わってもノズルヘッドを正しく認識することが可能になるめ、ユーザごとにコード管理したり、ノズルヘッドのコードを管理するという作業を排除することができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の実施の形態にかかる頭皮洗浄器の外観構成を示す説明図である。
【図２】図１における頭皮洗浄器の内部構成およびノズルヘッドの概略構成を示すブロック図である。
【図３】図１における頭皮洗浄器の内部およびノズルヘッドの内部構成を示すブロック図である。
【図４】フレキシブルチューブとノズルヘッドの分離構造を示す説明図である。
【図５】図４におけるノズルヘッドのＢ方向からみた説明図である。
【図６】ノズルヘッドから出力される信号例を示す説明図である。
【符号の説明】
１００ 頭皮洗浄器
１０１ タンク
１０４ フレキシブルチューブ
１０４ｂ ノズルヘッド取付部
１０４ｃ 溝
１０５ ノズルヘッド
１０６ 操作部
１０７ ノズル制御部
１０８ 送信部
１０９ ノズル電源
１１０ センサ
１１１ 本体制御部
１１２ 本体電源
１１３ ポンプ部
１２０ 本体
１２２ 挿入部
１２３ 挿入口
１２４ Ｏリング
Claims (5)
- 少なくとも、洗浄用水を取り込んで加圧し、かつ脈動水流として送水制御を行なうポンプと、電源供給を行なう本体電源と、を有する洗浄器本体と、前記洗浄器本体から送出される前記洗浄用水を導水するフレキシブルチューブと、前記フレキシブルチューブで導水された前記洗浄用水を吐出するノズルヘッドと、を有する頭皮洗浄器において、
前記ノズルヘッドは、
前記洗浄器本体に対してノズル認識信号およびポンプ制御信号を送信する送信手段と、
前記洗浄器本体に対して前記送信手段を介して操作指示を行なう操作手段と、
前記操作手段および前記送信手段の制御を実行するノズル制御手段と、
前記ノズルヘッド部分に電源を供給するノズル電源と、
を備え、
前記洗浄器本体は、
前記ノズルヘッドの送信手段から送られた前記ノズル認識信号およびポンプ制御信号を受信する受信手段を備え、
前記本体制御手段は、前記受信したノズル認識信号およびポンプ制御信号にしたがって当該ノズルヘッドを識別し、かつ前記ポンプを制御することを特徴とする頭皮洗浄器。 - 前記フレキシブルチューブの送出側先端と前記ノズルヘッドとは、着脱自在に構成されていることを特徴とする請求項１に記載の頭皮洗浄器。
- 前記送信手段は、前記洗浄器本体に設けられた前記受信手段に対して微弱電波の信号を送信することを特徴とする請求項１に記載の頭皮洗浄器。
- 前記送信手段は、微弱電波に識別コードを含ませて前記受信手段に送信し、前記本体制御手段は、前記受信手段で受け取った前記識別コードにしたがって当該ノズルヘッドを識別することを特徴とする請求項１または３に記載の頭皮洗浄器。
- さらに、前記フレキシブルチューブの送出側先端と前記ノズルヘッドとが結合された際に、結合されたことを検出する検出手段を備え、
前記送信手段は、前記検出手段が結合を検出したときに、前記本体電源を投入すると共に、当該ノズルヘッドを識別するコード信号を前記受信手段に送信し、前記本体制御手段は、前記コード信号にしたがって当該ノズルヘッドを認識した後、前記本体電源を遮断することを特徴とする請求項１または３に記載の頭皮洗浄器。
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