JP3986284B2 - ポリプロピレン系樹脂組成物 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、高溶融張力、剛性および成形性に優れたポリプロピレン系樹脂組成物に関する。特に、本発明は、溶融張力が高く、良好な剛性を有し、再溶融後の溶融張力の低下がわずかであり、特にリサイクル性に優れたポリプロピレン系樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
ポリプロピレン系樹脂は、一般に、安価であり、軽量性、耐薬品性、耐酸性、耐熱性などの性質を生かして自動車部品、電気・電子部品などの工業材料、および各種包装材料として広く用いられている。そして、特に包装分野では、近年、環境問題に対応するためにリサイクル性が要求されており、またコスト競争の面からもポリプロピレン系包装材料の特性向上が強く要望されている。
【0003】
しかしながら、ポリプロピレン系樹脂は、一般に溶融張力が小さいため、押出成形、発泡成形、ブロー成形などの成形性に劣るという欠点を有している。この問題を解決する方法として、例えば、溶融状態の樹脂中で有機過酸化物と架橋助剤とを反応させる方法(特開昭59―93711号公報、特開昭61―152754号公報など)、予め添加しておいた低分解温度過酸化物を不活性雰囲気下で反応させる方法(特開平2―298536号公報)、および樹脂に対して不活性雰囲気中で電子線を照射することによって熱処理する方法(特開昭62―121704号公報)などが提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、これらの従来の方法は、いずれも、ポリプロピレン系樹脂の特性の一部を改良するものではあるが、樹脂の溶融張力が不十分であり、リサイクルのために再溶融すると溶融張力が低下するという欠点が依然として残されている。また、従来の有機過酸化物を用いる方法では、架橋助剤を用いているため、臭いの原因になったり、再溶融後の溶融張力の低下が激しく、また添加剤の処方によっては着色の原因になるという問題もある。
【0005】
本発明は、上記の如き従来技術の問題点を解消し、溶融張力が高く、着色もなく、かつ、リサイクル時の溶融張力の低下が少ないポリプロピレン系樹脂組成物を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記課題を解決するため、下記のポリプロピレン系樹脂組成物を提供する。
【0007】
(1)(A)メルトフローレートが0.1〜50g/10分のポリプロピレン系樹脂100重量部に対して0.05〜5重量部の有機過酸化物を配合し、溶融処理してなるポリプロピレン系樹脂処理物、および(B)前記ポリプロピレン系樹脂処理物の樹脂分100重量部に対して0.01〜2重量部の周期率表第2族または第12族の金属の酸化物または下記一般式(I)
M(R)m-n (OR’)n (I)
(上式中、RおよびR’は炭素数1〜20のアルキル基を表し、mは3または4であり、nはm≧n≧2の整数であり、MはB、Al、Siまたは周期率表第4族または第5族の金属原子を表す)
で表される金属アルコキシドを含むポリプロピレン系樹脂組成物。
【0008】
(2)上記(1)のポリプロピレン系樹脂組成物5〜95重量部、および(C)メルトフローレートが0.01〜100g/10分であるポリプロピレン系樹脂95〜5重量部を含むポリプロピレン系樹脂組成物。
【0009】
(3)(D)樹脂分100重量部あたり0.05〜20重量部の造核剤をさらに含む、上記(1)または(2)のポリプロピレン系樹脂組成物。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好ましい実施形態について詳しく説明する。
【0011】
本発明において、(A)成分に用いられるポリプロピレン系樹脂は、メルトフローレートが0.1〜50g/10分であるプロピレン単独重合体またはプロピレンと他のα−オレフィンとの共重合体からなる。ここで、他のα−オレフィンとしては、エチレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−デセン、4−メチル−1−ペンテン等がある。プロピレンと他のα−オレフィンとの共重合体中のα−オレフィンの重合量は多くとも10重量%である。
【0012】
プロピレンと他のα−オレフィンとの共重合体中の他のα−オレフィンの量が10重量%より多いと、有機過酸化物の種類にもよるが、その処理によってストランド荒れが見られたり、剛性が低下することがあるので好ましくない。
【0013】
これらの重合体は、それぞれ単独で用いてもよく、2 種以上を併用してもよい。これらの重合体は、例えば、チーグラー・ナッタ系触媒やメタロセン系触媒を用いて公知の方法によって製造することができる。
【0014】
上記ポリプロピレン系樹脂のメルトフローレートは0.1〜50g/10分の範囲であり、好ましくは0.2〜45g/10分、さらに好ましくは0.2〜40g/10分、特に好ましくは0.3〜30g/10分である。このメルトフローレートの値が小さすぎると、有機過酸化物の種類によってはその処理の際にゲル化する可能性がある。また、大きすぎると、有機過酸化物処理しても溶融張力の向上が小さく、十分な改善が期待できないので好ましくない。
【0015】
また、(A)成分に用いられるポリプロピレン系樹脂は、マレイン酸無水物、マレイン酸、アクリル酸、メタアクリル酸、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸N,N−ジメチルアミノエチル等がグラフト反応されたポリプロピレン系樹脂を含んでいてもよい。
【0016】
なお、本発明におけるメルトフローレートは、JIS K7210に準処し、温度230℃、荷重2.16kgで測定した値であり、以下においてはこれをMFRということもある。
【0017】
本発明では、かかるポリプロピレン系樹脂の100重量部に対して0.05〜5重量部の有機過酸化物を配合し、溶融処理(以下、有機過酸化物処理ともいう)することにより、(A)成分のポリプロピレン系樹脂処理物が形成される。
【0018】
有機過酸化物処理に際しては、上記ポリプロピレン系樹脂と有機過酸化物とをブレンドした後に溶融混練りすることにより処理してもよく、ポリプロピレン系樹脂を押出機で溶融混練りしながらサイドフィーダーにより有機過酸化物を添加して処理してもよい。
【0019】
本発明に用いる有機過酸化物としては、ジアシルパーオキサイド類、パーオキシエステル類、パーオキシカーボネート類が好ましい。
【0020】
具体的には、ラウロイルパーオキサイド、イソブチルパーオキサイド、3,5,5−トリメチルヘキサノールパーオキサイド、オクタノールパーオキサイド、ステアロイルパーオキサイド、スクシンパーオキサイド、t−ブチルパーオキシ2−エチルヘキサノール、t−ブチルパーオキシイソブチルレート、t−ヘキシルパーオキシ2−エチルヘキサノール、t−ヘキシルパーオキシピバレート、t−ブチルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、t−ブチルパーオキシ2−エチルヘキシルモノカーボネート、ジ−n−プロピルパーオキシジカーボネート、ビス(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシカーボネート、ジ−2−エチルヘキシルパーオキシジカーボネート、ジセチルパーオキシジカーボネート、ジミリスチルパーオキシジカーボネート、ジブチルパーオキシジカーボネート等が挙げられるが、それらのうちではジミリスチルパーオキシジカーボネート、ビス(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネートおよびジセチルパーオキシジカーボネートが好ましい。これらの有機過酸化物は、それぞれ単独で用いてもよく、2 種以上を併用してもよい。
【0021】
有機過酸化物の配合量は、ポリプロピレン系樹脂の100重量部に対して0.05〜5重量部であり、好ましくは0.1〜3重量部、特に好ましくは0.2〜3重量部である。この配合量が0.05重量部未満では溶融張力の向上があまり期待できず、5重量部を超えると有機過酸化物の種類によってはその処理の際にゲル化する可能性があるとともに臭いの原因になるので好ましくなく、コスト面からも好ましくない。
【0022】
なお、本発明においては、有機過酸化物処理した(A)成分中にカルボニル基またはカルボキシル基(赤外分光光度計で測定した吸収スペクトルで1780〜1500cm-1にピークがあるもの)が存在する方が、下記の(B)成分を配合したときにより効果的である。
【0023】
本発明に用いる(B)成分の周期率表第2族または第12族の金属の酸化物(以下、「金属酸化物」という)としては、酸化亜鉛、酸化カドミウム、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化バリウムなどが挙げられる。
【0024】
一方、一般式(1)で表される金属アルコキシドの具体例としては、アルミニウムイソプロポキシド、ジエチルアルミニウムジエトキシド、チタン(iv)テトラブトキシド、チタン(iii)トリエトキシド、ジエチルチタン(iv)ジイソプロポキシド、ボロントリプロポキシド、テキシルボランジメトキシド、バナジウム(iv)テトラブトキシド、ジルコニウム(iv)テトラエトキシドなどが挙げられる。
【0025】
また、上記金属アルコキシドは、三中心二電子結合を形成して結合した二量体もしくは三量体などの多量体構造を有するものであってもよい。
【0026】
本発明に用いる金属酸化物または金属アルコキシドは市販品をそのまま使用することができるが、それらは純度95%以上であればよい。金属酸化物または金属アルコキシドの配合量は、有機過酸化物処理した(A)成分の樹脂分100重量部に対して0.01〜2重量部であり、好ましくは0.02〜1.8重量部、特に好ましくは0.03〜1.5重量部である。この量が0.01重量部未満では再溶融後の溶融張力向上が十分でないことがあり、2重量部以上では着色または臭いの原因になるので好ましくない。
【0027】
本発明において(C)成分として用いられるポリプロピレン系樹脂としては、プロピレンの単独重合体、またはプロピレンと10重量%以下の他のα−オレフィン、例えば、エチレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−デセン、4−メチル−1−ペンテン等のα−オレフィンとの共重合体が挙げられる。α−オレフィンの共重合量が10重量%を超える場合には、組成割合にもよるが、剛性の低下が見られることがある。
【0028】
これらの重合体は、前述したと同様に、公知のチーグラー・ナッタ系触媒やメタロセン系触媒を用いて公知の方法により製造することができる。これらの重合体は、それぞれ単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0029】
(C)成分のポリプロピレン系樹脂のMFRは、0.01〜100g/10分であり、好ましくは0.05〜80g/10分、特に好ましくは0.1〜70g/10分である。
【0030】
この(C)成分は、前述した本発明(1)のポリプロピレン系樹脂組成物(以下、これ自体が最終製品とならず中間生成物として用いられる場合は配合処理物ということもある)と混合することによって、上記配合処理物の量を減じてコストの低減化を図ることを目的として用いられるものであり、この(C)成分自体には有機過酸化物処理はされない。
【0031】
したがって、(C)成分の配合量は、主としてコストを考慮して設定され、上記配合処理物5〜95重量部に対して(C)成分のポリプロピレン系樹脂を95〜5重量部の割合で配合するのが好ましく、配合処理物10〜70重量部に対して(C)成分のポリプロピレン系樹脂を90〜30重量部の範囲で配合するのが特に好ましい。
【0032】
(C)成分のポリプロピレン系樹脂が5重量部未満であってもよいが、その場合にはコストを低減させる効果が小さく、メリットがほとんどない。また、(C)成分が95重量部を超えると、高溶融張力のポリプロピレン系樹脂が得られないことがある。
【0033】
上記した如き本発明の樹脂組成物には、さらに、合成樹脂分野において普通に用いられ、ポリプロピレンなどの結晶性樹脂に添加した時に結晶の核となって結晶を成長させる効果のある造核剤(D)を添加してもよい。そのような造核剤としては、例えば、カルボン酸の金属塩、ジベンジルソルビトール誘導体、ホスフェートアルカリ金属塩、タルク等の無機化合物等が挙げられる。
【0034】
それらの具体例としては、安息香酸ナトリウム、アジピン酸アルミニウム、アルミニウム−p−t−ブチルベンゾエート、1,3,2,4−ジベンジリデンソルビトール、1,3,2,4−ビス(p−メチルベンジリデン)ソルビトール、1,3,2,4−ビス(p−エチルベンジリデン)ソルビトール、1,3−p−クロルベンジリデン−2,4−p−メチルベンジリデンソルビトール、ナトリウムビス(4−t−ブチルフェニル)ホスフェート、ナトリウムビス(4−t−メチルフェニル)ホスフェート、カリウムビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)ホスフェート、ナトリウム2,2’−メチレン−ビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)ホスフェート、ナトリウム2,2’−エチリデン−ビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)ホスフェートならびにタルク、炭酸カルシウム等が挙げられる。
【0035】
造核剤の配合量は、一般には、ポリプロピレン系樹脂組成物中の樹脂分100重量部に対して0.05〜20重量部であるのがよく、その種類により好ましい配合割合がある。例えば、有機系造核剤の場合には、通常0.05〜1重量部であり、0.08〜0.8重量部が好ましく、0.1〜0.5重量部が特に好ましい。一方、タルクなどの無機化合物の場合は通常1〜18重量部であり、特に5〜15重量部が好適である。
【0036】
なお、無機化合物を用いる際には、チタネート系、シラン系、アルミニウム系のカップリング剤、脂肪酸、脂肪酸金属塩もしくは脂肪酸エステルなどの表面処理剤などにより処理したものを用いてもよい。
【0037】
本発明の第1の実施形態においては、(A)成分のポリプロピレン系樹脂を有機過酸化物で処理して得られるポリプロピレン系樹脂処理物に、(B)成分の金属酸化物または金属アルコキシドを添加し、組成物とすることにより、再溶融混練りの溶融張力の低下およびMFRの上昇を少なくし、溶融張力を効果的に維持することができる。
【0038】
本発明の第2実施形態は、上記第1の実施形態で得られるポリプロピレン系樹脂組成物と(C)成分であるポリプロピレン系樹脂を上述の範囲で混合した樹脂組成物である。この実施形態によれば、上記第1の実施形態と同様の作用効果が得られるとともに、有機過酸化物の処理量を減らして、コストの低減、製造効率の向上を実現することができる。
【0039】
本発明の第3実施形態においては、上記第1の実施形態または第2の実施形態のポリプロピレン系樹脂組成物に(D)成分の造核剤を上記の範囲で混合することにより、溶融張力の低下を少なくした状態で剛性を向上させることができる。第2の実施態様において(D)成分を配合する場合、(C)成分のポリプロピレン系樹脂と(D)成分の造核剤の両方を第2の実施形態の樹脂組成物に同時に配合し、混合することが望ましい。
【0040】
上記第1〜第3の形態のポリプロピレン系樹脂組成物の製造方法について以下に説明する。
【0041】
メルトフローレートが0.1〜50g/10分のポリプロピレン系樹脂100重量部に対し、有機過酸化物0.05〜5重量部配合後溶融処理してなる(A)のポリプロピレン系樹脂の処理物を製造する。有機過酸化物処理を行う場合は、ヘンシェルミキサー、リボンミキサー等を用い、(A)成分と有機過酸化物ならびに添加剤等をブレンドし、上記方法で、有機過酸化物の半減期温度にもよるが、一般には、温度150〜280℃、好ましくは160〜260℃の範囲で溶融混練りすることが望ましい。また、(A)成分と下記で述べる添加剤等をヘンシェルミキサーやリボンミキサー等でブレンドし、さらに温度150〜280℃、好ましくは160〜260℃の範囲で溶融混練しながら、サイドフィーダーで有機過酸化物を添加してもよい。また、有機過酸化物処理する場合、反応釜を使用し、溶液中でポリプロピレン系樹脂と有機過酸化物を混合し、不活性ガス下に40〜150℃の温度で2分〜3時間撹拌しながら処理してもよい。
【0042】
この(A)成分および(B)成分を配合する場合あるいは(A)成分および(B)成分に加えて(C)成分および/または(D)成分を配合する場合には、上記有機過酸化物の大部分が消滅していることが本発明における有機過酸化物の効果を発現する上で望ましい。
【0043】
上記(A)成分の有機過酸化物処理したものに(B)成分を配合し溶融混練りするか、有機過酸化物で処理しながら、サイドフィーダーで(B)成分を添加するのが好ましい。
【0044】
また、有機過酸化物処理された(A)成分に(B)成分を配合し、ヘンシェルミキサー等でブレンド後溶融混練物したものに(C)成分を配合し、前記と同じようにブレンド後溶融混練りするか、有機過酸化物処理された(A)成分に(B)成分と(C)成分を同時に配合し、前記と同じようにブレンド後溶融混練りしてもよい。
【0045】
また、有機過酸化物処理された(A)成分に(B)成分を配合して溶融混練り後、(D)成分を配合し、溶融混練りしてもよく、有機過酸化物処理した(A)成分に(B)成分を配合した溶融混練り物に(C)成分と(D)成分を配合し、溶融混合して行うか、有機過酸化物処理された(A)成分に各成分を押出し機のサイドフィーダーから添加することにより行ってもよい。
【0046】
また、(A)成分および(B)成分を配合して得られたポリプロピレン系樹脂組成物あるいは(A)成分および(B)成分に加え(C)成分および/または(D)成分を配合して得られたポリプロピレン系樹脂組成物をペレット化するには周知のペレット化の手法を用いることができる。たとえば、押出し機からストランドを押出し、水冷した後に一定の長さに切断するストランドカット法を好ましく用いることができる。
【0047】
尚、上記製造方法において必要に応じて途中でペレット化を行ってもよい。これも当業者に周知の手法を用いることができる。
【0048】
本発明の樹脂組成物には、さらに必要に応じて、所望の添加剤を添加してもよい。その場合、添加剤処方は特に限定されないが、好ましい添加剤処方としてはフェノール系酸化防止剤とホスファイト系添加剤とステアリン酸カルシウムの組み合わせが望ましい。フェノール酸化防止剤としては、特に、テトラキス〔メチレン−3−(3’,5’−ジ−t−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕メタンおよびn−オクタデシニル−3−(4’−ヒドロキシニル)プロピオネートが好ましい。フェノール系酸化防止剤の配合量は、樹脂組成物100重量部当たり0.001〜2重量部の範囲、特に0.002〜1.8重量部、とりわけ0.005〜1.5重量部が好ましい。
【0049】
フェノール系酸化防止剤の配合量が2重量部より多いと有機過酸化物処理によるMFRの上昇が大きく、溶融張力が小さくなることがあり、また0.001重量部未満では有機過酸化物処理時の量によっては劣化が生じ、成形性が悪くなる場合がある。
【0050】
ホスファイト系添加剤としては、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイトが好ましい。配合量は樹脂組成物100重量部あたり0.001〜1.5重量部の範囲、特に0.005〜1.5重量部、とりわけ0.01〜1.0重量部が好ましい。この配合量が0.001重量部未満でも特に問題はないが、場合によりポリプロピレン系樹脂組成物の成形時劣化が起こる可能性がある。1.5重量部を超えると、リサイクル性および有機過酸化物処理時にMFRの上昇が見られることがある。
【0051】
ステアリン酸カルシウムの配合量は、樹脂組成物100重量部あたり0.01〜2重量部の範囲、特に0.02〜1.5重量部、とりわけ0.03〜1.5重量部が好ましい。ステアリン酸カルシウムの配合量が2重量部より多いと有機過酸化処理時にMFRが上昇して溶融張力が低下することがあり、0.01重量部未満では有機過酸化物処理した時の劣化が見られることがある。
【0052】
また、本発明のポリプロピレン系樹脂組成物には、所望により、慣用の各種添加剤、例えば、酸化防止剤、耐候性安定剤、帯電防止剤、滑剤、防曇剤、電気特性改良剤、加工安定剤、顔料、柔軟剤などを、本発明の目的を損なわない範囲で、添加することができる。
【0053】
このようにして得られる最終製品としてのポリプロピレン系樹脂組成物の溶融張力は、3g以上であることが好ましく、特に4g以上が好ましい。また、MFRは0.1〜20g/10分であるのが好ましく、0.15〜15g/10分がさらに好ましい。ポリプロピレン系樹脂組成物の溶融張力が3g以上であれば、良好な成形性が得られやすい。また、MFRが0.1g/10分以上であれば成形性が十分となりやすく、20g/10分を超えると溶融張力も3g以下になるものもあり、成形性が悪く、特に真空成形時にドローダウンを起こすことから好ましくない。
【0054】
【実施例】
以下、具体的な実施例を示して本発明をさらに詳しく説明する。
【0055】
なお、以下の実施例において、各物性は次の方法でそれぞれ測定した。
【0056】
1.MFRの測定
JIS K7210に準拠し、附属書A表1、条件Mで測定した。
【0057】
2.コモノマー含量
核磁気共鳴(13C−NMR)および分光光度計で求めた。
【0058】
3.溶融張力
東洋精機製作所製メルトテンションテスター2型を用い、温度230℃の条件で、ノズル(口径:2.095mm、L/D=3.8)から速度15mm/分で23℃の空気中に押出したストランドを引取り速度2.5m/分で引き取る際にかかる荷重(g)で表した。
【0059】
4.曲げ弾性率(剛性)はASTMD790により測定した。
【0060】
5.ポリプロピレン系樹脂組成物の外観
ペレタイズ時のストランドを目視により次の3段階で評価した。
【0061】
〇:荒れがなく、奇麗なストランドである。
【0062】
△:ストランドがザラザラしている。
【0063】
×:ストランドが荒れており、ストランドの原形を保っていない。
【0064】
6.溶融張力の減衰率
ポリプロピレン系樹脂組成物を吉井鉄工(株)製の40mmΦの押出機を用い、温度210℃にてペレタイズした時の溶融張力をMT1 (1パス)とし、このペレタイズ品を同じ条件で2回繰り返し再溶融(ペレット化)したときの溶融張力をMT3 (3パス)とし、〔(MT1 −MT3 )/MT1 〕×100(%)を減衰率とした。
【0065】
以下の実施例および比較例で使用した各材料は次の通りである。
【0066】
(A)成分用のポリプロピレン系樹脂として、次のものを用いた。
【0067】
MFRが3.2g/10分であるホモポリプロピレン(以下、「PP−A」という)。
【0068】
MFRが4.5g/10分であるホモポリプロピレン(以下、「PP−B」という)。
【0069】
エチレン含量が2.1wt%で、MFRが4.2g/10分であるランダム共重合体(以下、「PP−C」という)。
【0070】
MFRが0.03g/10分であるホモポリプロピレン(以下、「PP−D」という。
【0071】
MFRが85g/10分であるホモポリプロピレン(以下、「PP−E」という)。
【0072】
添加剤として、テトラキス〔メチレン−3−(3' ,5' −ジ−t−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕メタン、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイトおよびステアリン酸カルシウムを用いた。
【0073】
有機過酸化物として、ジミリスチルパーオキシジカーボネート(以下、「PO−1」という)、ビス(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート(以下、「PO−2」という)またはジセチルパーオキシジカーボネート(以下、「PO−3」という)を用いた。
【0074】
(B)成分の金属酸化物および金属アルコキシドとして、それぞれ、酸化マグネシウム(和光純薬工業社製、純度99.8重量%、以下「B−1」という)およびアルミニウムイソプロポキシド(和光純薬工業社製、純度98.2重量%、以下「B−2 」という)を用いた。
【0075】
(C)成分のポリプロピレン系樹脂として、上記PP−A、PP−BまたはPP−Cを用いた。
【0076】
(D)成分として、ナトリウム−2,2−メチレン−ビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)ホスフェート(商品名NA11、旭電化社製)を用いた。
【0077】
実施例1〜4(本発明の第1の実施形態)、比較例1〜3
(A)成分および下記表1に示したポリプロピレン系樹脂と有機過酸化物を用い、これにテトラキス〔メチレン−3−(3’,5’−ジ−t−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕メタンを0.05PHRと、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイトを0.03PHRとステアリン酸カルシウムを0.08PHR配合し、吉井鉄工(株)製の40mmΦの押出機を用い、温度190℃でペレット化し、ポリプロピレン系樹脂処理物を得た。
【0078】
各有機過酸化物処理物に(B)成分を配合(比較例3では未配合)し、さらに各ペレットを吉井鉄工(株)製の40mmΦ押出し機を用い、温度210℃で再溶融混練し、ペレット化し、ポリプロピレン系樹脂組成物を得た。得られたペレットについて溶融張力MT1 (1パス)を測定した。さらに、各ペレットの再度溶融混練りを行い、ペレット化を2回繰り返した後、溶融張力の減衰率を求めた。なお、比較例1はMFRが低く、しかもゲル化したため、溶融張力は測定できなかった。
【0079】
得られた実施例1〜4の樹脂組成物をXPP−1〜XPP−4とし、比較例1〜3の樹脂組成物をXPP−5〜XPP−7とする。
【0080】
結果を下記の表1に示す。
【0081】
【表1】
【0082】
表1に示す結果から、実施例1〜4の組成物は、高溶融張力を示し、ストランドの外観も良好であり、リサイクルした時の溶融張力の減衰率も小さいことがわかる。また、着色も見れなかった。比較例1の組成物では、MFRが低く、しかもゲル化が見られ、ストランドの外観が悪かった。また、溶融張力の測定はできなかった。また、比較例2では、溶融張力が小さかった。比較例3の(B)成分を配合しない組成物では減衰率も大きかった。
【0083】
なお、図1に実施例4で得られたポリプロピレン樹脂組成物について赤外分光光度計で測定したスペクトル図を示す。
【0084】
実施例5〜8(本発明の第2の実施形態)、比較例4〜5
実施例1で得られたXPP−1、実施例2で得られたXPP−2および実施例4で得られたXPP−4、比較例1で得られたXPP−5および比較例3で得られたXPP−7のサンプルに下記の表2示す割合で(C)成分を配合し、吉井鉄工(株)製の40mmΦ押出機を用いて温度210℃で混練りし、ペレット化し、ポリプロピレン系樹脂組成物を得た。得られたペレットについてMFRおよび溶融張力(これをMT1(1パス)とする)を測定した。さらに、ペレット化を2回繰り返した後、溶融張力MT3(3パス)を測定して減衰率を求めた。また、溶融張力MT3(3パス)測定時のストランドの外観を調べた。
【0085】
得られた実施例5〜7の樹脂組成物をXPP−8〜XPP−11とし、比較例4〜5の樹脂組成物をXPP−12〜XPP−13とする。
【0086】
結果を下記の表2に示す。
【0087】
【表2】
【0088】
表2の結果より、実施例5〜7の組成物は高溶融張力を示し、ストランドの外観も良く、着色もなく、リサイクルした時の溶融張力の減衰率も小さいことがわかる。
【0089】
比較例4では、混ざりも悪く、しかも一部にゲル化がみられ、しかもペレット化が困難であり、溶融張力を測定する時にストランドが切れてしまった。比較例5では、溶融張力が小さく、溶融張力の減衰率も大きかった。
【0090】
実施例9〜10(本発明の第3の実施形態)
実施例1で得られたXPP−1および実施例6で得られたXPP−9のサンプルに(D)成分としてNA11を0.4重量部配合し、実施例5と同様にしてペレット化し、本発明のポリプロピレン系樹脂組成物を得た。これらのペレットで試験片を作成し、曲げ弾性率を測定した。また、実施例5と同様にして溶融張力および減衰率を調べた。
【0091】
結果を下記の表3に示す。
【0092】
【表3】
【0093】
実施例9〜10の組成物は、いずれも溶融張力が高く、ストランドの外観も良好であり、曲げ弾性率も高かった。
【0094】
【発明の効果】
以上に説明したように、本発明によれば、溶融張力が高くかつ成形性に優れるとともに、リサイクル性に優れ、着色や臭気もないポリプロピレン系樹脂組成物が提供される。また、再溶融混練した時のMFRが抑制され、溶融張力の低下が防止され、さらにリサイクル性に優れたポリプロピレン系樹脂組成物が得られ、またコストの低減、製造効率の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例4で得られたポリプロピレン系樹脂組成物の赤外吸収スペクトル図。
Claims (2)
- (A)メルトフローレートが0.1〜50g/10分のポリプロピレン系樹脂100重量部に対して0.05〜5重量部の有機過酸化物を配合し、溶融処理してなるポリプロピレン系樹脂処理物、および(B)前記ポリプロピレン系樹脂処理物の樹脂分100重量部に対して0.01〜2重量部の周期率表第2族または第12族の金属の酸化物または下記一般式(I)
M(R)m-n(OR')n (I)
(上式中、RおよびR'は炭素数1〜20のアルキル基を表し、mは3または4であり、nはm≧n≧2の整数であり、Mはホウ素(B)、アルミニウム(Al)、ケイ素(Si)または周期率表第4族または第5族の金属原子を表す)
で表される金属アルコキシドを含むポリプロピレン系樹脂組成物5〜95重量部、ならびに(C)メルトフローレートが0.01〜100g/10分であるポリプロピレン系樹脂95〜5重量部を含むポリプロピレン系樹脂組成物。 - (D)樹脂分100重量部あたり0.05〜20重量部の造核剤をさらに含む、請求項1に記載のポリプロピレン系樹脂組成物。
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