JP2004532338A - ポリプロピレン系樹脂組成物 - Google Patents

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Abstract

電離性放射線照射処理および/または下記(A)および(B)からなるポリプロピレン系樹脂組成物100質量部に対して0.05〜5質量部の有機過酸化物を配合後溶融処理した、(A)メルトフローレートが0.1〜50g/10分のポリプロピレン系樹脂99.8〜80重量部と、(B)極限粘度[η]が0.5〜4.0dl/gであるオレフィン系共重合体ゴムおよび/または密度が0.895〜0.945g/ccであり、メルトフローレートが0.05〜15g/10分であるポリエチレン系樹脂0.2〜20質量部とからなるポリプロピレン系樹脂組成物。

Description

【技術分野】
【0001】
本発明は、高溶融張力、剛性および成形性に優れたポリプロピレン系樹脂組成物に関する。本発明は、特に、溶融張力が高く、良好な剛性および再溶融後の溶融張力の低下がわずかであり、特にリサイクル性に優れたポリプロピレン系樹脂組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
ポリプロピレン系樹脂は、一般に安価であり、軽量性、耐薬品性、耐酸性、耐熱性などの性質を生かして自動車部品、電気電子部品などの工業材料、および各種包装材料として広く用いられている。特に、包装分野では、近年、環境問題に対応するために高機能化が要求されており、またコスト競争の面からもポリプロピレン系包装材料の特性向上が強く要望されている。
【0003】
しかしながら、ポリプロピレン系樹脂は、押出成形、発泡成形、ブロー成形などの成形性に劣るという欠点を有している。この問題を解決する方法として、例えば、溶融状態の樹脂中で有機過酸化物と架橋助剤とを反応させる方法(特開昭59−93711号公報、特開昭61−152754号公報など)、予め添加しておいた低分解温度過酸化物を不活性雰囲気で反応させる方法(特開平2−298536号公報)、および樹脂に対して不活性雰囲気中で電子線を照射することによって熱処理する方法(特開昭62−121704号公報)などが提案されている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
これらの従来の方法は、いずれもポリプロピレン系樹脂の特性の一部を改良するものではあるが、溶融張力が不十分であり、リサイクルのために再溶融すると溶融張力が低下するという欠点が依然として残されていた。また、有機過酸化物を用いる方法では、架橋助剤を用いているため、臭いの原因になったり、再溶融後の溶融張力の低下が激しく、また添加剤の処方によっては着色の原因になるという問題もあった。
【0005】
本発明は、上記の如き従来技術の問題点を解消し、溶融張力が高く、着色もなく、かつ、リサイクル時の溶融張力の低下が少ないポリプロピレン系樹脂組成物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意研究を重ねた結果、ポリプロピレン系樹脂に極限粘度[η]が0.5〜4.0dl/gであるオレフィン系共重合体ゴムおよび/または密度が0.895〜0.945g/ccであるポリエチレン系樹脂を少量配合し、かつ、電離性放射線照射および/または有機過酸化物処理を行うことにより、高溶融張力が得られるとともに、着色がなく、また電離性放射線照射または有機過酸化物処理によるメルトフローレートの上昇の抑制ができること、さらには再溶融後の溶融張力の低下が少ないこと、またこのようにして電離性放射線の照射ないしは有機過酸化物処理を行った処理物に特定の金属の酸化物および金属アルコキシドから選ばれる少なくとも1種の金属化合物を配合することにより再溶融時の溶融張力の低下がさらに少ない樹脂組成物が得られ、さらに造核剤を配合することによりさらに優れた利点が得られることを見出し、この知見に基づいて本発明を完成するに至ったものである。
【0007】
本発明者らは、特開平9−12761号公報および特開平9−104789号公報に高立体規則性、低MFRのポリプロピレン樹脂に電離性放射線を放射した樹脂を用いることにより溶融張力が高くリサイクル性良好な樹脂を開示している。これらの放射線処理された樹脂は更なる工程のため、ある期間保存されたり輸送されたりすることがあり、40℃以上の高温下になることもしばしばである。たとえば、空気雰囲気下で照射された樹脂は、40℃以上の温度下で長時間放置されると、MFRが上昇し、溶融張力が低下する現象が見られる。これらを解決するためには、電離性放射線を照射後40℃以下で保存する方法、窒素雰囲気下で保管する方法および照射後窒素雰囲気下または真空下で熱処理する方法により改善することができるが、いずれもコスト及び品質管理面で問題があった。しかるに、本発明の組成物を用いることにより、電離性放射線処理あるいは過酸化物処理後、空気雰囲気下に50℃以上で長時間放置されてもMFRの変化はわずかであり、溶融張力の低下もほとんど見られないことが見出された。
【0008】
すなわち、本発明は、下記の(1)〜(5)のポリプロピレン樹脂組成物を提供するものである。
(1)電離性放射線照射処理および/または下記(A)および(B)からなるポリプロピレン系樹脂組成物100重量部に対して0.05〜5重量部の有機過酸化物を配合後溶融処理した、(A)メルトフローレートが0.1〜50g/10分のポリプロピレン系樹脂99.8〜80重量部と、および(B)極限粘度[η]が0.5〜4.0dl/gであるオレフィン系共重合体ゴムおよび/または密度が0.895〜0.945g/ccであり、メルトフローレートが0.05〜15g/10分であるポリエチレン系樹脂0.2〜20重量部とからなるポリプロピレン系樹脂組成物。
【0009】
(2)上記(1)に記載したポリプロピレン系樹脂組成物100重量部に対して0.01〜2重量部の(C)周期率表第2族または第12族の金属の酸化物または下記一般式(I)で表される金属アルコキシドのいずれかがさらに添加されているポリプロピレン系樹脂組成物。
M(R)m-n(OR’)n (I)
(上式中、RおよびR’はそれぞれ炭素数1〜20のアルキル基を表し、mは3または4であり、nはm≧n≧2の整数であり、MはB、Al、Siまたは周期率表第4族または第5族の金属原子を表す)
(3)電離性放射線がγ線であり、その照射線量が1〜80kGyである、上記(1)または(2)に記載のポリプロピレン系樹脂組成物。
【0010】
(4)上記(1)〜(3)のいずれかに記載したポリプロピレン系樹脂組成物5〜95重量部と、(D)メルトフローレートが0.01〜100g/10分であるポリプロピレン系樹脂95〜5重量部とからなるポリプロピレン系樹脂組成物。
(5)上記(1)〜(4)のいずれかに記載したポリプロピレン樹脂組成物100重量部に対して0.05〜20重量部の(E)造核剤がさらに添加されているポリプロピレン系樹脂組成部物。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明の好ましい実施の形態について詳しく説明する。本発明において(A)成分として用いられるポリプロピレン系樹脂は、メルトフローレートが0.1〜50g/10分である、プロピレンの単独重合体またはプロピレンと他のα−オレフィンとの共重合体である。ここで、他のα−オレフィンとしては、エチレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−デセン、4−メチル−1−ペンテン等がある。プロピレンと他のα−オレフィンとの共重合体中の他のα−オレフィンの重合量は多くとも10重量%であるのが好ましい。これらの樹脂は1種でもよく、2種以上を併用してもよい。これらの樹脂の重合は、例えば、チーグラー・ ナッタ系触媒を用いて公知の方法によって製造することができる。
【0012】
プロピレンと他のα−オレフィンとの共重合体中の他のα−オレフィンの量が10重量%より多いと、照射線量および有機過酸化物の種類にもよるが、電離性放射線処理または有機過酸化物処理した時にストランドの形状に荒れが見られ、また剛性が低下することがあるので好ましくない。上記ポリプロピレン系樹脂のメルトフローレートは0.1〜50g/10分の範囲であり、通常は0.2〜45g/10分、さらに0.2〜40g/10分が好ましく、とりわけ0.3〜30g/10分が好ましい。このメルトフローレートの値が小さすぎると、プロピレン系樹脂とオレフィン系共重合体ゴムまたはポリエチレン系樹脂とのブレンドが均一にならなかったり、有機過酸化物処理するとゲル化する可能性がある。また、大きすぎると、電離性放射線照射処理または有機過酸化物処理しても溶融張力の向上が小さく、十分な改善が期待できないので好ましくない。
【0013】
なお、(A)成分としてポリプロピレン系樹脂のメルトフローレート(以下、MFRということもある)は、JIS K7210に準拠し、230℃、荷重2.16kgで測定した値である。本発明で用いられる(B)成分のオレフィン系共重合体ゴムは非晶性もしくは低結晶性であり、つまりDSCで測定した場合にその融点が観察されないかまたは観察される場合には135℃以下であるものが好ましい。
【0014】
具体例としては、エチレン−プロピレン共重合体ゴム、プロピレン−ブテン共重合体ゴム、エチレン−ブテン共重合体ゴム、エチレン−プロピレン−非共役ジエン共重合体ゴム、スチレン−エチレン/イソプレン−スチレンブロック共重合体ゴム(SEPS)、スチレン−エチレン/ブチレン−スチレンブロック共重合体ゴム(SEBS)等が挙げられるが、それらのうちではエチレン−プロピレン共重合体ゴムおよびエチレン−ブテン共重合体ゴムが好ましい。これらの135℃のテトラリン中で測定した極限粘度[η]は、0.5〜4.0dl/gであり、0.8〜3.8dl/gが好ましく、特に好ましくは、1.0〜3.5dl/gである。この極限粘度が0.5dl/gより小さいと、ポリプロピレン系樹脂に配合し、電離性放射線照射処理ないしは有機過酸化物処理を行っても、リサイクル性が悪い。一方、4.0dl/g以上では、前記の方法で処理した時にゲル化する可能性があり、好ましくない。
【0015】
オレフィン系共重合体ゴムの配合量は0.2〜20重量部であり、0.5〜15重量部、特に1〜15重量部が好ましい。この配合量が0.2重量部未満では、リサイクル性の改良が期待できない。一方、20重量部を超えると、剛性が低下し、好ましくない。これらは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0016】
(B)成分として用いられるポリエチレン系樹脂は、その密度が0.895〜0.945g/ccであり、メルトフローレートが0.05〜15g/10分である。密度が0.895g/cc未満であってもよいが、現時点では製造がむずかしく、現実的ではない。一方、0.945g/cc以上でも効果は発現するが、共重合割合が多くなり、製造上コスト高となる。これらは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0017】
なお、(B)成分としてのポリエチレン樹脂のメルトフローレート(以下MFRということもある)は、JIS K7210に準拠し、190℃、荷重2.16kgで測定した値である。ポリエチレン系樹脂としては、エチレン単独重合体あるいはエチレンと他の単量体との共重合体がある。具体的には、1)高圧法エチレン単独重合体、2)高圧法エチレン系共重合体および3)中低圧法エチレン系共重合体から選ばれるものがある。
【0018】
ポリエチレン系樹脂1)は、高圧法で製造されるエチレン単独重合体であり、密度は好ましくは、0.902〜0.939g/ccである。ポリエチレン系樹脂2)としては、エチレンとの重合性化合物(以下、第2コモノマーと称することがある)のうちの1種または2種以上とのエチレン系共重合体がある。ここで、エチレンとの重合性化合物としては、酢酸ビニル、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸ブチル、アクリル酸ヘキシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸ベンジル、アクリル酸N,N−ジメチルアミノエチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸ヘキシル、メタクリル酸オクチル、メタクリル酸ラウリル、フマル酸、マレイン酸無水物、マレイン酸、フマル酸無水物、フマル酸ジメチル、フマル酸ジエチル、フマル酸ジプロピル、フマル酸ジブチル、マレイン酸ジブチル、メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等が挙げれる。これらの第2コノマーは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。これらの第2コモノマーの共重合割合は、多くても20質量%以下であるのが好ましい。20質量%以上でも所望の性能は発現するが、それ以上の性能は必要ではなく、コストの面からも望ましくない。ポリエチレン系樹脂2)の密度は、好ましくは0.910〜0.945g/ccである。
【0019】
上記のポリエチレン系樹脂1)およびポリエチレン系樹脂2)は、エチレンまたはエチレンと第2コモノマーを、70〜300Mpa、好ましくは100〜250Mpa、100〜300℃、好ましくは150〜270℃(反応器内の平均温度)の条件下に、ラジカル開始剤の存在下で重合させることによって得ることができる。製造に際しては、基本的には、通常の低密度ポリエチレンの製造設備および技術を利用することができる。反応器の形式としては、撹拌機付きのオートクレーブまたはチューブラー型のものを使用することができ、また必要に応じて複数個の反応器を直列または並列に接続して多段重合することもできる。さらに、オートクレーブ型の反応器の場合には、反応器内部を複数のゾーンに仕切ることにより、温度分布を設けたり、より厳密な温度コントロールを行うこともできる。
【0020】
重合に当たっては、エチレンまたはエチレンと第2コモノマーを圧縮して反応器に送入し、別に注入したラジカル開始剤を利用して重合を行う。これらのポリエチレン系樹脂の密度は、好ましくは0.910〜0.945g/ccであり、さらに好ましくは0.911〜0.942g/cc、とりわけ0.911〜0.940g/ccが好ましい。
【0021】
ポリエチレン系樹脂3)としては、中低圧法で得られるエチレンと他のα−オレフィンとの共重合体が挙げられる。他のα−オレフィンとしては、プロピレン、ブテン−1、4−メチル−ペンテン−1、ヘキセン−1、ヘプテン−1、オクテンー1等が挙げられる。これらは、2種以上組み合わせて用いられてもよい。共重合体中の他のα−オレフィンの量は10重量%以下であるのが好ましい。
【0022】
ポリエチレン系樹脂3)は、公知のチーグラー触媒やメタロセン触媒を用いて、溶液重合法、スラリー重合法、気相重合法などの公知の重合方法により製造することができる。密度は、0.895〜0.945g/ccであるのが好ましい。上記のポリエチレン系樹脂1)〜3)の配合量は、ポリプロピレン系樹脂100重量部に対して0.2〜20重量部であり、0.5〜15重量部、特に1〜15重量部が好ましい。配合量が0.2重量部未満では、リサイクル性の改良が期待できない。一方、20重量部を超えると、剛性が低下し、好ましくない。
【0023】
ポリエチレン系樹脂のメルトフローレートは、0.05〜15g/10分の範囲であり、通常は0.06〜13g/10分、特に0.07〜10g/10分、とりわけ0.08〜8g/10分であるのが好ましい。このメルトフローレートの値が小さすぎると、電離線放射線照射ないしは有機過酸化物処理した時に一部ゲル化が起こる。また、大きすぎると、高溶融張力が得られないばかりか、リサイクル性の改善効果が小さくなる。
【0024】
電離性放射線照射処理としては、(A)成分のプロピレン系樹脂と(B)成分のオレフィン系共重合体ゴムおよび/またはポリエチレン系樹脂とを溶融混練後にいっしょに照射処理するか、または(A)成分と(B)成分とを、溶融混練する前に、別々に照射処理する方法があり、後者の場合には各成分で照射線量が異なってもよい。照射に付される樹脂の形状は、ペレット状、粉状、粉砕品状等であってよい。また、照射は、真空下、不活性ガス中または空気雰囲気中で行うことができる。
【0025】
また、有機過酸化物処理としては、(A)成分のプロピレン系樹脂および(B)成分のオレフィン系共重合体ゴムおよび/またはポリエチレン系樹脂と有機過酸化物とをブレンドした後に溶融混練段階で処理してもよく、(A)成分と(B)成分とを溶融混練後に有機過酸化物を配合して処理してもよい。あるいは、(A)成分と(B)成分とを別々に有機過酸化物処理してもよく、この場合には各成分で有機過酸化物の量が異なってもよい。
【0026】
電離性放射線の照射は、窒素雰囲気、不活性ガスまたは空気雰囲気下で行うことができるが、コストおよび作業性の面からは空気雰囲気下で行うことが望ましい。電離性放射線としては、X線、電子線、γ線、α線等が挙げられるが、透過能力の観点からγ線が好ましい。照射線量は、一般に、1〜80kGyであるのが好ましく、さらに好ましくは2〜70kGyであり、とりわけ5〜50kGyが好適である。この照射量が1kGy未満では、溶融張力を向上させる効果が期待できない。また、80kGyを超えると、組成によってゲル化が見られ、再溶融しても成形性が悪く、例えば、ポリプロピレン系樹脂組成物をストランド状に成形すると綺麗なストランドが得られないことがある。
【0027】
本発明に用いられる有機過酸化物としては、ジアシルパーオキサイド類、パーオキシエステル類、パーオキシジカーボネート類が好ましい。具体例としては、ラウロイルパーオキサイド、イソブチルパーオキサイド、3,5,5−トリメチルヘキサノールパーオキサイド、オクタノールパーオキサイド、ステアロイルパーオキサイド、スクシンパーオキサイド、t−ブチルパーオキシ2−エチルヘキサノール、t−ブチルパーオキシイソブチレート、t−ヘキシルパーオキシ2−エチルヘキサノール、t−ヘキシルパーオキシピバレート、t−ブチルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、t−ブチルパーオキシ2−エチルヘキシルモノカーボネート、ジーn−プロピルパーオキシジカーボネート、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ビス(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシカーボネート、ジー2−エチルヘキシルパーオキシジカーボネート、ジセチルパーオキシジカーボネート、ジミリスチルパーオキシジカーボネート、ジブチルパーオキシジカーボネート等が挙げられるが、それらのうちではジミリスチルパーオキシジカーボネート、ビス(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネートおよびジセチルパーオキシジカーボネートが好ましい。これらの有機過酸化物は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0028】
有機過酸化物の配合量は、前記(A)成分と(B)成分との合計量100重量部に対して0.05〜5重量部であり、0.1〜3重量部、とりわけ0.2〜3重量部であるのが好ましい。この配合量が0.05重量部未満では溶融張力の向上はあまり期待できず、5重量部を超えるとパーオキサイドの種類によってはゲル化する可能性があるとともに臭いの原因になるので好ましくなく、コストの面からも好ましくない。
【0029】
なお、本発明において、電離性放射線照射処理または有機過酸化物処理した(A)成分と(B)成分、またはその組成物中にカルボニル基またはカルボキシル基(分光光度計で測定した吸収スペクトルで1780cm-1〜1500cm-1にピークがあるもの)が存在する方が、下記の(C)成分を配合したときにより効果的である。
【0030】
本発明に用いる(C)周期率表第2族または第12族の金属の酸化物(以下、金属酸化物という)としては、酸化亜鉛、酸化カドミウム、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化バリウムなどが挙げられる。また、一般式(I)で表される金属アルコキシドの具体例としては、アルミニウムイソプロポキシド、ジエチルアルミニウムジエトキシド、チタン(IV)テトラブトキシド、チタン(III)トリエトキシド、ジエチルチタン(IV)ジイソプロポキシド、ボロントリプロポキシド、テキシルボランジメトキシド、バナジウム(IV)テトラブトキシド、ジルコニウム(IV)テトラエトキシドなどが挙げられる。
【0031】
また、上記金属アルコキシドは、三中心二電子結合を形成して結合した二量体あるいは三量体などの多量体構造を有するものであってもよい。金属酸化物または金属アルコキシドとしては、市販品をそのまま使用することができるが、その場合それらは純度95%以上あるのがよい。金属酸化物または金属アルコキシドの配合量は、電離性放射線照射処理または有機過酸化物処理した(A)成分と(B)成分からなるポリプロピレン系樹脂組成物100重量部に対して0.01〜2重量部であるのが好ましく、0.02〜1.8重量部がさらに好ましく、とりわけ0.03〜1.5重量部が好適である。この配合量が0.01重量部未満では再溶融後の溶融張力の向上が十分でないことがあり、2重量部を超えると着色または臭いの原因になることがあるので好ましくない。
【0032】
本発明において(D)成分として用いられるポリプロピレン系樹脂としては、プロピレンの単独重合体、またはプロピレンと10重量%以下の他のα−オレフィン、例えば、エチレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−デセン、4−メチル−1−ペンテン等との共重合体がある。プロピレンと他のα−オレフィンとの共重合体中の他のα−オレフィンの量が10重量%を超える場合には、組成割合にもよるが、剛性の低下が見られることがある。
【0033】
これらの重合体は、(A)成分のポリプロピレン系樹脂に関して前記したと同様に、チーグラー・ナッタ系触媒を用い、公知の方法によって製造することができる。これらの樹脂は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。(D)成分のポリプロピレン系樹脂のメルトフローレートは、0.01〜100g/10分であるのが好ましく、0.05〜80g/10分がさらに好ましく、とりわけ0.1〜70g/10分が好適である。この(D)成分のポリプロピレン系樹脂のメルトフローレート(以下MFRということもある)は、JISK7210に準拠し、230℃、荷重2.16kgで測定した値である。
【0034】
この(D)成分は、前述した本発明(1)および(2)のポリプロピレン系樹脂組成物(以下においては、それ自体が最終製品としてではなく、中間生成物として用いられる場合には処理物ということもある)と混合することによって、上記処理物の少量を減じてコストの低減化を図ることを目的として用いられるものであり、この(D)成分自体には電離性放射線照射また有機過酸化物処理はなされない。
【0035】
したがって、(D)成分の配合量は、主としてコストを考慮して設定され、上記処理物5〜95重量部に対して(D)成分のポリプロピレン系樹脂95〜5重量部、特に処理物10〜70重量部に対して(D)成分のポリプロピレン系樹脂を90〜30重量部の範囲であるのが望ましい。(D)成分のポリプロピレン系樹脂が5重量部未満であってもよいが、その場合にはコストを低減させる効果が小さく、メリットがほとんどない。また、(D)成分が95重量部を超えると、高溶融張力のポリプロピレン系樹脂が得られないことがある。
【0036】
さらに、本発明の樹脂組成物には、合成樹脂分野において、ポリプロピレンなどの結晶性樹脂に添加されたときに結晶の核となって結晶を成長させる効果のある造核剤(E)を添加してもよい。そのような造核剤としては、例えば、カルボン酸の金属塩、ジベンジルソルビトール誘導体、ホスフェートアルカリ金属塩、タルク等の無機化合物等が挙げられる。それらの具体例としては、安息香酸ナトリウム、アジピン酸アルミニウム、アルミニウム−p−t−ブチルベンゾエート、1,3,2,4−ジベンジリデンソルビトール、1,3,2,4−ビス(p−メチルベンジリデン)ソルビトール、1,3,2,4−ビス(p−エチルベンジリデン)ソルビトール、1,3−p−クロロベンジリデン−2,4−p−メチルベンジリデンソルビトール、ナトリウム−ビス(4−t−ブチルフェニル)ホスフェート、ナトリウム−ビス(4−t−メチルフェニル)ホスフェート、カリウム−ビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)ホスフェート、ナトリウム−2,2’−メチレン−ビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)ホスフェート、ナトリウム−2,2’−エチリデン−ビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)ホスフェートならびにタルク、炭酸カルシウム等が挙げられる。
【0037】
造核剤の配合量は、一般には、ポリプロビレン系樹脂組成物100重量部に対して0.05〜20重量部であるのが好ましく、その種類により好ましい割合がある。例えば、無機化合物を除く有機系の場合には、通常0.05〜1重量部であり、0.08〜0.8重量部が好ましく、0.1〜0.5重量部が特に好ましい。一方、タルクなどの無機化合物の場合には、通常1〜18重量部であり、特に5〜15重量部が好適である。
【0038】
なお、無機化合物を用いる際、チタネート系、シラン系、アルミニウム系のカップリング剤、脂肪酸、脂肪酸金属塩または脂肪酸エステルなどの表面処理剤などにより処理したものを用いてもよい。本発明の第1の実施形態は、(A)成分のポリプロピレン系樹脂と、(B)成分のオレフィン系共重合体ゴムおよび/またはポリエチレン系樹脂を用い、これを電離性放射線照射または有機過酸化物で処理して得られるポリプロピレン系樹脂組成物である。
【0039】
この実施形態によれば、(A)成分のポリプロピレン系樹脂と、(B)成分のポリエチレン系樹脂またはその組成物に対して電離性放射線照射処理または有機過酸化物処理を行う(別々に処理した後で組成物化してもよい)と、得られる樹脂組成物の溶融張力を向上させることができるとともに、再溶融混練等を施しても溶融張力の低下が(A)成分のポリプロピレン系樹脂のみに電離線放射線処理または有機過酸化物処理を行った場合よりも溶融張力が大きく、再溶融混練後の溶融張力の低下を少なくすることができる。
【0040】
本発明の第2の実施形態においては、上記の実施形態に(C)成分の金属酸化物または金属アルコキシドを添加し、組成物化することにより、さらに再溶融混練時の溶融張力の低下およびMFRの上昇を少なくし、溶融張力を効果的に維持することができる。本発明の第3の実施形態は、上記第1の実施形態および第2の実施形態のポリプロピレン系樹脂組成物と(D)成分であるポリプロピレン系樹脂を上述の範囲で混合した樹脂組成物である。この実施形態によれば、第1の実施形態および第2の実施形態と同様の作用効果が得られるとともに、電離性放射線照射の処理量または有機過酸化物の処理量を減らして、コストの低減、製造効率の向上を実現できる。
【0041】
本発明の第4の実施形態においては、上記第1の実施形態、上記第2の形態および上記第3の実施形態のポリプロピレン系樹脂組成物に(E)成分の造核剤を上記した範囲で混合することにより、溶融張力の低下を少なくした状態で剛性を向上させることができる。この場合、(D)成分のポリプロピレン系樹脂と(E)成分の造核剤とを第1〜第3の実施形態の樹脂組成物と同時に配合し、混合することが望ましい。
【0042】
上記第1〜第4の実施形態のポリプロピレン系樹脂組成物を製造するには、まず上記(A)成分と(B)成分の混合物に電離性放射線照射処理するか、または(A)成分と(B)成分の混合物に有機過酸化物を配合して溶融混練するのが好ましい。ここで、(A)成分と(B)成分の混合物を得る方法としては、各成分を製造した後にこれらを溶融混練する方法あるいは(A)成分と(B)成分を予備重合または多段重合の方法により1つの重合系内で重合して得る方法が挙げられる。例えば、予備重合で(B)成分を製造し、本重合で(A)成分を製造する方法あるいは1段目で(A)成分を製造し、2段目で(B)成分を製造する方法が挙げられる。
【0043】
また、(C)成分、(D)成分および(E)成分の各成分の配合は、例えば、(A)成分と(B)成分の電離性放射線照射処理物または有機過酸化物処理したポリプロピレン系樹脂組成物に各成分を配合し、ヘンシェルミキサー等でブレンド後に溶融混練を行うか、または各成分を押出機のサイドフィーダーから添加することにより行ってもよい。本発明においては、(C)成分〜(E)成分のうちの1種の成分または2種以上の複数の成分を配合してもよく、2種以上の複数の成分を配合する場合には、それらを同時に添加してもあるいは順次に添加してもよく、順次に添加する場合にはそれらの添加順序は特に限定されない。
【0044】
また、(A)成分を電離性放射線照射処理または有機過酸化物処理し、次いで(B)成分を電離性放射線処理または有機過酸化物処理し、次いで(A)成分と(B)成分を樹脂混合物としてもよい。この場合には、両者を単にブレンドするだけでもよい。本発明の樹脂組成物には、さらに必要に応じて、酸化防止剤、耐候性安定剤、帯電防止剤、滑剤、防曇剤、電気特性改良剤、加工安定剤、顔料、柔軟剤などの慣用の各種添加剤を、本発明の目的を損なわない範囲で、添加することができる。その場合、添加剤処方は特に限定はされないが、好ましい添加剤処方としてはフェノール系酸化防止剤とホスファイト系添加剤とステアリン酸カルシウムの組み合わせがある。フェノール系酸化防止剤としては、特に、テトラキス[メチレン−3−(3’,5’−ジ−t−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタンまたはn−オクタデシニル−3−(4’−ヒドロキシニル)プロピオネートが好ましい。フェノール系酸化防止剤の配合量は、樹脂組成物100重量部当たり0.001〜2重量部の範囲、特に0.002〜1.8重量部、とりわけ0.005〜1.5重量部が好ましい。フェノール系酸化防止剤の配合量が2重量部より多いと電離性放射線照射または有機過酸化物処理によるMFRの上昇が大きく、溶融張力が小さくなることがあり、また0.001重量部未満では、電離性放射線処理時の線量および有機過酸化物処理時の量によっては劣化が生じて成形性が悪くなる場合がある。
【0045】
ホスファイト添加剤としては、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイトが好ましい。配合量は、樹脂組成物100重量部当たり0.001〜1.5重量部の範囲、特に0.005〜1.5重量部、とりわけ0.01〜1.0重量部が好ましい。この配合量が0.001重量部未満でも特に問題はないが、場合によりポリオレフィン系樹脂組成物の成形時に劣化が起こる可能性がある。1.5重量部を超えると、リサイクル性および電離性放射線照射処理および有機過酸化物処理時にMFRの上昇が見られることがある。
【0046】
ステアリン酸カルシウムの配合量は、樹脂組成物100重量部当たり0.01〜2重量部の範囲、特に0.02〜1.5重量部、とりわけ0.03〜1.5重量部が好ましい。ステアリン酸カルシウムの配合量が2重量部より大きいと電離線放射線の照射処理によるMFRが上昇して溶融張力が低下することがあり、0.01重量部未満では電離性放射線の照射処理または有機過酸化物処理を行ったときに劣化が見られることがある。
【0047】
電離性放射線を照射する樹脂の混合方法としては、ヘンシェルミキサー、リボンミキサーなどを用いて混合した後、ミキシングロール、バンバリーミキサー、ニーダー、押出機等の混練装置を用いて溶融混合する方法等が挙げられる。溶融混合する際の温度は、一般に150〜280℃であり、160〜260℃の範囲で行うことが望ましい。
【0048】
また、樹脂組成物をペレット化する場合には、周知の各手法を用いることができ、例えば、押出機からストランドを押出し、これを水冷した後、一定の長さに切断するストランドカツト法を好ましく用いることができる。ただ、(A)成分と(B)成分の電離性放射線の照射量が異なるときは、添加剤等を配合し、別々に溶融混合してもよい。そして、この混合樹脂ペレットまたは各樹脂ペレツトに電離性放射線照射を施す。
【0049】
有機過酸化物処理を行う場合には、ヘンシェルミキサー、リボンミキサー等を用い、(A)成分と(B)成分と有機過酸化物ならびに添加剤等をブレンドし、上記方法で、有機過酸化物の半減期温度にもよるが、一般には、温度150〜280℃、好ましくは160〜260℃の範囲で溶融混合することが望ましい。混合樹脂をペレット化する方法は上記と同じであってよい。また、有機過酸化物処理する場合、反応釜等を使用し、(A)成分と(B)成分と有機過酸化物を混合し、不活性ガス下に40〜150℃の温度で2分間〜3時間撹拌しながら処理してもよく、その後押出機でペレット化してもよい。
【0050】
このようにして得られる最終製品としてのポリプロピレン系樹脂組成物の溶融張力は、3g以上であることが望ましく、特に4g以上が望ましい。また、MFRは0.1〜20g/10分であるのが好ましく、0.15〜15g/10分がさらに好ましい。ポリプロピレン系樹脂組成物の溶融張力が3g以上であれば、良好な成形性が得られやすい。また、MFRが0.1g/10分以上であれば成形性が十分となりやすく、20g/10分以下では溶融張力が3g以下になることもなく、成形性が良好で、特に真空成形時にドローダウンを起こすこともなく、好ましい。
【0051】
実施例
以下、具体的な実施例を示して本発明をさらに説明する。なお、以下の実施例において各物性は次の方法でそれぞれ測定した。
1.ポリプロピレン系樹脂またはポリプロピレン系樹脂組成物のMFRの測定JIS K7210に準拠し、附属書A表1、条件Mで測定した。
2.ポリエチレン系樹脂のMFRの測定JIS K7210に準拠し、附属書A表1、条件Dで測定した。
3.密度は密度勾配管法で求めた。
4.コモノマー含量核磁気共鳴(13C−NMR)および分光光度計で求めた。
5.極限粘度[η]はテトラリン中135℃で測定した。
6.カルボキシル基またはカルボニル基は核磁気共鳴(13C−NMR)または分光光度計で調べた。
7.溶融張力東洋精機製作所(株)製メルトテンションテスター2型を用い、温度230℃の条件でノズル(口径=2.095mm、L/D=3.8)から速度15mm/分で23℃の空気中に押出したストランドを引取り、速度2.5m/分で引き取る際にかかる荷重(g)で表した。
8.曲げ弾性率(剛性)はASTM D790により測定した。
9.ポリプロピレン系樹脂組成物の外観ペレット化時のストランドを目視により次の3段階で評価した。
【0052】
○・・・荒れがなく、奇麗なストランドである。
△・・・ストランドがザラザラしている。
×・・・ストランドが荒れており、ストランドの原形を保っていない。
10.溶融張力の減衰率ポリプロピレン系樹脂組成物を吉井鉄工(株)製の40mmφの押出機を用い、温度210℃にてペレット化したときの溶融張力をMT1(1パス)とし、このペレット化品を同じ条件で2回繰り返し再溶融(ペレット化)したときの溶融張力をMT3(3パス)とし、[(MT1−MT3)/MT1]×100(%)を減衰率とした。
11.オーブンテストオーブンテストは循環式オーブンを用い、空気雰囲気下に50℃で720時間放置して行った。
【0053】
以下の実施例および比較例で使用した各材料は次の通りである。
(A)成分のポリプロピレン系樹脂MFR0.58g/10分のホモポリプロピレン(以下、PP−Aという)。MFR6.5g/10分のホモポリプロピレン(以下、PP−Bという)。エチレン含量0.6重量%、MFR4.2g/10分のポリプロピレンランダム共重合体(以下、PP−Cという)。
【0054】
MFR0.03g/10分のホモポリプロピレン(以下、PP−Dという)。MFR85g/10分のホモポリプロピレン(以下、PP−Eという)。
(B)成分のオレフィン共重合体ゴム極限粘度[η]1.9dl/g、エチレン含量73.5重量%のエチレン−プロピレン共重合体ゴム(以下、B−1という)。
【0055】
極限粘度[η]2.5dl/g、エチレン含量74.2重量%のエチレン−プロピレン共重合体ゴム(以下、B−2という)。極限粘度[η]2.8dl/g、エチレン含量73.4重量%のエチレン−プロピレン共重合体ゴム(以下、B−3という)。極限粘度[η]4.3dl/g、エチレン含量74重量%のエチレン−プロピレン共重合体ゴム(以下、B−4という)。
【0056】
極限粘度[η]0.46dl/g、エチレン含量74.2重量%のエチレン−プロピレン共重合体ゴム(以下、B−5という)。極限粘度[η]2.4dl/g、エチレン含量70.4重量%のエチレン−プロピレン共重合体ゴム(以下、B−6という)。極限粘度[η]4.5dl/g、エチレン含量73.3重量%のエチレン−プロピレン共重合体ゴム(以下、B−7という)。
【0057】
融点:PERKIN ELMER社製DSC7型で30℃から230℃まで20℃/1分で昇温し、230℃で5分ホールド後、20℃/1分で降下させた後、30℃で5分ホールド後、更に20℃/1分で昇温させて融点を測定した。B−1〜B−7の融点は検出されなかった。
(B)成分のポリエチレン系樹脂密度0.922g/cc、MFR1.1g/10分のポリエチレン系樹脂(以下、PE−Aという)。
【0058】
密度0.923g/cc、MFR2.8g/10分のポリエチレン系樹脂(以下、PE−Bという)。密度0.928g/cc、メチルメタアクリレートの共重合割合2.8重量%、MFR3.2g/10分のポリエチレン系樹脂(以下、PE−Cという)。密度0.926g/cc、ブテン−1の共重合割合2.7重量%、MFR2.1g/10分のポリエチレン系樹脂(以下、PE−Dという)。
【0059】
添加剤として、テトラキス[メチレン−3−(3’,5’−ジ−t−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイトおよびステアリン酸カルシウムを用いた。有機過酸化物として、ジミリスチルパーオキシジカーボネート(以下、PO−1という)、ビス(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート(以下、PO−2という)およびジセチルパーオキシジカーボネート(以下、PO−3という)を用いた。
【0060】
(C)成分の金属酸化物および金属アルコキシドとして、それぞれ酸化マグネシウム(和光純薬工業社製、純度99.8重量%、以下「C−1」という)およびアルミニウムイソプロポキシド(和光純薬工業社製、純度98.2重量%、以下「C−2」という)を用いた。
(D)成分のポリプロピレン系樹脂MFR4.2g/10分のホモポリプロピレン(以下、PP−1という)。
【0061】
MFR7.8g/10分のホモポリプロピレン(以下、PP−2という)。エチレン含量3.2質量%、MFR1.8g/10分のポリプロピレンランダム共重合体(以下、PP−3という)。MFR152g/10分のホモポリプロピレン(以下、PP−4という)。MFR0.007g/10分のホモポリプロピレン(以下、PP−5という)。
【0062】
(E)成分の造核剤として、ナトリウム−2,2−メチレン−ビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)ホスフェート(商品名NA11、旭電化(株)製)を用いた。
実施例1〜5(本発明の第1の実施形態)、比較例1〜7
(A)成分および(B)成分として下記の表1に示すポリプロピレン系樹脂とオレフィン系共重合体ゴムをそれぞれ用い、これにテトラキス[メチレン−3−(3’,5’−ジ−t−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタンを0.05重量部と、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイトを0.03重量部と、カルシウムステアレートを0.08重量部配合し、吉井鉄工(株)の40mmφの押出機を用い、温度210℃でペレット化した。
【0063】
得られたペレットに対して、γ線照射装置(コーガアイソトープ社製)を用い、空気雰囲気下に表1に示す線量でγ線照射し、本発明のポリプロピレン系樹脂組成物を得た。このポリプロピレン系樹脂組成物(実施例1〜5のγ線照射処理したものをXPP−1〜5、比較例1〜7のγ線照射処理したものをXPP−6〜12と記す)についてMFR、溶融張力および着色を調べた。
【0064】
さらに、各ペレットを吉井鉄工(株)の40mmφ押出機を用い、温度210℃で再溶融混練し、ペレット化した。得られたペレットについて溶融張力MT1(1パス)を測定した。さらに、各ペレットを再度溶融混練を行い、ペレット化を2回繰り返した後、溶融張力MT3(3パス)を測定して減衰率を求めた。また、溶融張力MT3(3パス)測定時のストランドの外観およびリサイクル性を調べた。
【0065】
これらの結果を表1に示す。
【0066】
【表1】
Figure 2004532338
【0067】
表1の結果より、実施例1〜5の樹脂組成物は、高溶融張力を示し、ストランドの外観も良好で、リサイクルしたときの溶融張力の減衰率も小さいことがわかる。また、着色も認められなかった。これに対して、比較例1、比較例2、比較例4および比較例7の組成物は、ストランドの外観が悪い。比較例3の組成物は、ストランドの外観は良好であるが、溶融張力が小さい。また、比較例5および6の組成物は、リサイクルしたときの溶融張力の減衰率が大きい。
【0068】
実施例6〜9(本発明の第1の実施形態)、比較例8〜11
(A)成分および(B)成分として下記の表2に示すポリプロピレン系樹脂とオレフィン系共重合体ゴムを用い、これに実施例1と同様に添加剤を配合し、有機過酸化物としてPO−1、PO−2およびPO−3を配合し、吉井鉄工(株)の40mmφの押出機を使用し、温度190℃でペレット化し、本発明のポリプロピレン系樹脂組成物を得た。
【0069】
次いで、実施例6〜9で得られたポリプロピレン系樹脂組成物(XPP−13〜16)および比較例8〜11で得られたポリプロピレン系樹脂組成物(XPP−17〜20)についてMFRと溶融張力および着色を調べた。さらに、実施例1と同様の再溶融混練を行い、溶融張力の減衰率およびストランドの外観(但し、XPP−17のリサイクル性を除く)を調べた。
【0070】
結果を表2に示す。
【0071】
【表2】
Figure 2004532338
【0072】
表2の結果より、実施例6〜9の組成物は、高溶融張力を示し、ストランドの外観も良好で、リサイクルした時の溶融張力の減衰率も小さいことがわかる。また、着色も認められなかった。一方、比較例8の組成物は溶融張力が小さく、比較例9および10の組成物はストランドの外観が劣っている。また、比較例11の組成物は、リサイクルした時の溶融張力の減衰率が大きい。
【0073】
実施例6の赤外吸収スペクトル図を図1に示す。
実施例10〜15(本発明の第1の実施形態)
表3に示す(A)成分と(B)成分を、それぞれ別々に、γ線照射処理または有機過酸化物処理した。なお、(A)成分には添加剤としてテトラキス[メチレン−3−(3’,5’−ジ−t−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタンを0.03重量部と、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイトを0.02重量部と、カルシウムステアレートを0.05重量部配合して処理し、(B)成分については添加剤を添加せずに処理を行なった。これらの別々にγ線照射処理または有機過酸化物処理した各成分を表3に示す割合で配合し、吉井鉄工(株)の40mmφの押出機を用い、温度210℃でペレット化し、本発明のポリプロピレン樹脂組成物を得、MFRと溶融張力および着色をしらべた。また、これを実施例1と同様にして再溶融混練を行い、減衰率、ストランドの外観およびリサイクル性をしらべた。
【0074】
【表3】
Figure 2004532338
【0075】
得られた樹脂組成物について、実施例1と同様にして測定を行った結果を下記の表4に示す。なお、ポリプロピレン系樹脂のγ線処理物でPP−Aの処理物をPP−A−1、PP−Cの処理物をPP−C−1と記し、有機過酸化物処理物でPP−Bの処理物をPP−B−1−1、PP−C処理物をPP−C−1−1と記す。また、オレフィン系共重合体ゴムのγ線処理物でB−1の処理物をB−1−1、B−3の処理物をB−3−1と記し、有機過酸化物処理物でB−1の物処理物をB−1−1−1、B−2の処理物をB−2−1−1と記す。
【0076】
【表4】
Figure 2004532338
【0077】
γ線照射の照射線量が異なるポリプロピレン系樹脂とオレフィン系共重合体ゴムとの組成物およびその他の形態で処理したものの組成物であるXPP−21〜26は、いずれも、高溶融張力を示し、リサイクル性が良好なであり、また着色もなかった。
実施例16〜19(本発明の第2の実施形態)、比較例12〜15
実施例1で得られたXPP−1、実施例6で得られたXPP−13、実施例11で得られたXPP−22、実施例13で得られたXPP−24、比較例2で得られたXPP−7、比較例6で得られたXPP−11、比較例10で得られたXPP−19および比較例11で得られたXPP−20のサンプルに下記の表5に示す割合でC−1とC−2を配合し、吉井鉄工(株)の40mmφ押出機を用いて温度210℃で混練し、ペレット化し、本発明のポリプロピレン系樹脂組成物を得た。
【0078】
次いで、得られたポリプロピレン系組成物についてMFRおよび溶融張力(これをMT1(1パス)とする)を測定した。さらに、各ペレットを再度溶融混練装置を用いて溶融混合し、ペレット化を2回繰り返した後、溶融張力MT3(3パス)を測定して減衰率を求めた。また、溶融張力MT3(3パス)測定時のストランドの外観を調べた。
【0079】
これらの結果を表5に示す。
【0080】
【表5】
Figure 2004532338
【0081】
表5の結果から、実施例16〜19の組成物においては、(C)成分を配合し、溶融混練することにより、溶融張力は上記実施例の場合と殆ど変化していないことがわかる。また、再溶融後の溶融張力MTの減衰率は、前記実施例より小さい。一方、比較例の組成物においては、再溶融後の溶融張力MTは低下し、減衰率も実施例のものより大きい。
【0082】
実施例20〜24(本発明の第3の実施形態)、比較例16〜19
実施例1で得られたXPP−1、実施例3で得られたXPP−3、実施例9で得られたXPP−16、実施例10で得られたXPP−21、実施例12で得られたXPP−23、実施例17で得られたXPP−28、比較例1で得られたXPP−6、比較例4で得られたXPP−9、比較例10で得られたXPP−19および比較例14で得られたXPP−33のサンプルに下記の表6に示す割合で(D)成分を配合し、実施例16と同様にして溶融混練し、ペレット化し、本発明のポリプロピレン系樹脂組成物を得た。
【0083】
得られたペレットについて実施例16と同様にしてMFRと溶融張力(MT1(1パス)とする)を測定した。さらに、実施例16と同様にして再度溶融混練を行い、溶融張力の減衰率および外観を調べた。これらの結果を表6に示す。
【0084】
【表6】
Figure 2004532338
【0085】
実施例20〜24によれば、(D)成分を配合しても溶融張力が高く、しかも溶融張力の減衰率が小さいことがわかる。特に、実施例24の(C)成分を配合した組成物は、溶融張力の減衰率が小さい。一方、比較例16〜18の組成物では、ストランドの外観が悪く、溶融張力の減衰率も大きい。比較例19の組成物では、溶融張力が小さく、しかもストランドの外観が悪い。
【0086】
実施例25〜26(本発明の第4の実施形態)
実施例1のXPP−1および実施例9のXPP−16のサンプルに(E)成分としてNA11を0.4重量部配合し、実施例16と同様にしてペレット化し、本発明のポリプロピレン系樹脂組成物を得た。このペレットで試験片を作成し、曲げ弾性率を測定した。また、実施例16と同様にして溶融張力および減衰率を調べた。
【0087】
結果を下記の表7に示す。
【0088】
【表7】
Figure 2004532338
【0089】
実施例25〜26の組成物は、いずれも溶融張力が高く、ストランドの外観も良好であり、曲げ弾性率も高い。
実施例27〜29(本発明の第1の実施形態)、比較例20〜21
(A)成分および(B)成分として下記の表1に示すポリプロピレン系樹脂とポリエチレン系樹脂をそれぞれ用い、これにテトラキス[メチレン−3−(3’,5’−ジ−t−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタンを0.05重量部と、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイトを0.03重量部と、カルシウムステアレートを0.08重量部配合し、中谷(株)の30mmφの2軸押出機を用い、温度210℃でペレット化した。
【0090】
得られたペレットに対して、γ線照射装置(コーガアイソトープ社製)を用い、空気雰囲気下に表1に示す線量でγ線照射し、本発明のポリプロピレン系樹脂組成物を得た。このγ線照射処理したペレット(実施例27〜29のγ線照射処理したものをXPP−35〜37、比較例20〜21のγ線照射処理したものをXPP−38〜39と記す)についてMFR、溶融張力および着色を調べた。
【0091】
さらに、各ポリプロピレン系樹脂組成物ペレットを吉井鉄工(株)製40mmφ押出機を用い、温度210℃で再溶融混練し、ペレット化した。得られたペレットについて溶融張力MT1(1パス)を測定した。さらに、各ペレットを再度溶融混練を行い、ペレット化を2回繰り返した後、溶融張力MT3(3パス)を測定して減衰率を求めた。また、溶融張力MT3(3パス)測定時のストランドの外観およびリサイクル性を調べた。
【0092】
これらの結果を表8に示す。
【0093】
【表8】
Figure 2004532338
【0094】
表8の結果より、実施例27〜29の組成物は、高溶融張力を示し、ストランドの外観も良好で、リサイクルしたときの溶融張力の減衰率も小さいことがわかる。また、着色も認められなかった。これに対して、比較例20の組成物は、ストランドの外観が悪く、溶融張力の減衰率も大きい。比較例21の組成物は、ストランドの外観は良好であるが、溶融張力が小さい。
【0095】
実施例30〜33(本発明の第1の実施形態)、比較例22
(A)成分および(B)成分として下記の表9に示すポリプロピレン系樹脂とポリエチレン系樹脂を用い、これに実施例27と同様に添加剤を配合し、有機過酸化物としてPO−1、PO−2およびPO−3を配合し、中谷(株)の30mmφの2軸押出機を使用し、温度190℃でペレット化し、本発明のポリプロピレン系樹脂組成物を得た。
【0096】
次いで、実施例30〜32の組成物(XPP−40〜43)および比較例22の組成物(XPP−44)についてMFRと溶融張力および着色を調べた。さらに、実施例27と同様の再溶融混練を行い、溶融張力の減衰率およびストランドの外観を調べた。結果を表9に示す。
【0097】
【表9】
Figure 2004532338
【0098】
表9の結果より、実施例30〜33の組成物は、溶融張力が高く、ストランドの外観も良好で、溶融張力の減衰率も小さいことがわかる。一方、比較例22の組成物は、ストランドの外観は良好であるが、溶融張力が小さい。
実施例34〜38(本発明の第2の実施形態)、比較例23〜24
実施例27で得られたXPP−35、実施例28で得られたXPP−36、実施例31で得られたXPP−41、実施例32で得られたXPP−42、実施例29で得られたXPP−37、比較例20で得られたXPP−38および比較例21で得られたXPP−39のサンプルに下記の表10に示す割合でC−1とC−2を配合し、吉井鉄工(株)の40mmφ押出機を用いて温度210℃で混練し、ペレット化し、本発明のポリプロピレン系樹脂組成物を得た。
【0099】
次いで、得られたペレットについてMFRおよび溶融張力(これをMT1(1パス)とする)を測定した。さらに、各ペレットを再度溶融混練装置を用いて溶融混合し、ペレット化を2回繰り返した後、溶融張力MT3(3パス)を測定して減衰率を求めた。また、溶融張力MT3(3パス)測定時のストランドの外観を調べた。
【0100】
これらの結果を表10に示す。なお、実施例34〜38の組成物をXPP−45〜49とし、比較例23〜24の組成物をXPP−50〜51とした。
【0101】
【表10】
Figure 2004532338
【0102】
表10の結果から、実施例34〜38の組成物においては、(C)成分を配合し、溶融混練することにより、溶融張力は高く、再溶融後の溶融張力の減衰率は前記実施例より小さいことがわかる。一方、比較例23の組成物においては、1パス後の溶融張力は高いが、ストランドの外観が悪く、再溶融後の溶融張力の減衰率も大きい。比較例24では、溶融張力が小さい。
【0103】
実施例39〜45(本発明の第3の実施形態)、比較例25〜26
実施例27で得られたXPP−35、実施例28で得られたXPP−36、実施例30で得られたXPP−40、実施例31で得られたXPP−41、実施例34で得られたXPP−45、実施例36で得られたXPP−47、実施例33で得られたXPP−43、比較例23で得られたXPP−50および比較例22で得られたXPP−44のサンプルに下記の表11に示す割合で(D)成分を配合し、実施例27と同様にして溶融混練し、ペレット化し、本発明のポリプロピレン系樹脂組成物を得た。
【0104】
得られたペレットについて実施例30と同様にしてMFRと溶融張力(これをMT1(1パス)とする)を測定した。さらに、実施例30と同様にして再度溶融混練を行い、溶融張力の減衰率および外観を調べた。これらの結果を表11に示す。
【0105】
【表11】
Figure 2004532338
【0106】
実施例39〜45によれば、(D)成分を配合しても溶融張力が高く、しかも溶融張力の減衰率が小さいことがわかる。特に、実施例43〜44の(C)成分を配合した組成物は、溶融張力の減衰率が小さく、またストランドの外観も良好である。一方、比較例25〜26の組成物では、ストランドの外観が悪く、溶融張力の減衰率も大きい。
【0107】
実施例46〜47(本発明の第4の実施形態)
実施例27のXPP−35および実施例32のXPP−42のサンプルに(E)成分としてNA11を0.4重量部配合し、実施例30と同様にしてペレット化し、本発明のポリプロピレン系樹脂組成物を得た。このペレットで試験片を作成し、曲げ弾性率を測定した。また、実施例30と同様にして溶融張力および減衰率を調べた。
【0108】
結果を下記の表12に示す。
【0109】
【表12】
Figure 2004532338
【0110】
実施例46〜47の組成物は、いずれも溶融張力が高く、ストランドの外観も良好であり、曲げ弾性率も高い。
【0111】
以上説明したように、本発明によれば、溶融張力が高くかつ成形性に優れるとともに、リサイクル性に優れ、着色や臭気もないポリプロピレン系樹脂組成物が得られる。また、再溶融した時にMFRの上昇が抑制され、溶融張力の低下が防止され、さらにリサイクル性に優れたポリプロピレン系樹脂組成物が得られ、またコストの低減、製造効率の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0112】
図面の簡単な説明
図1は、実施例6で得られたポリプロピレン系樹脂組成物を赤外分光光度計で測定したスペクトルを示す。

Claims (5)

  1. 電離性放射線照射処理および/または下記(A)および(B)からなるポリプロピレン系樹脂組成物100重量部に対して0.05〜5重量部の有機過酸化物を配合後溶融処理した、(A)メルトフローレートが0.1〜50g/10分のポリプロピレン系樹脂99.8〜80重量部と、および(B)極限粘度[η]が0.5〜4.0dl/gであるオレフィン系共重合体ゴムおよび/または密度が0.895〜0.945g/ccであり、メルトフローレートが0.05〜15g/10分であるポリエチレン系樹脂0.2〜20重量部とからなるポリプロピレン系樹脂組成物。
  2. 請求項1に記載した(A)と(B)からなるポリプロピレン系樹脂組成物100重量部に対して0.01〜2重量部の(C)周期率表第2族または第12族の金属の酸化物または下記一般式(I)で表される金属アルコキシドのいずれかがさらに添加されているポリプロピレン系樹脂組成物。
    M(R)m-n(OR’)n (I)
    (上式中、RおよびR’はそれぞれ炭素数1〜20のアルキル基を表し、mは3または4であり、nはm≧n≧2の整数であり、MはB、Al、Siまたは周期率表第4族または第5族の金属原子を表す)
  3. 電離性放射線がγ線であり、その照射線量が1〜80kGyである、請求項1または2のポリプロピレン系樹脂組成物。
  4. 請求項1に記載したポリプロピレン系樹脂組成物5〜95重量部と、および(D)メルトフローレートが0.01〜100g/10分であるポリプロピレン系樹脂95〜5重量部とからなる請求項1のポリプロピレン系樹脂組成物。
  5. 請求項1に記載したポリプロピレン系樹脂組成物100重量部に対して0.05〜20重量部の(E)造核剤がさらに添加されている請求項1のポリプロピレン系樹脂組成物。
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