JP3986235B2 - 顕微鏡観察用加温装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、顕微鏡観察用加温装置に係り、特に、検体を所望の温度にまで加温し、その温度を維持することができる顕微鏡観察用加温装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から様々な研究分野で正立顕微鏡、倒立顕微鏡、実体顕微鏡等の各種の光学顕微鏡が使用されており、この中でも正立顕微鏡と倒立顕微鏡が一般的である。
これらの顕微鏡を使用しての遺伝子工学やバイオテクノロジー等の研究分野では検体の温度管理が重要であり、例えば、培養細胞や精子などの検体では37度から38度位の生体温度下において観察する必要がある。このため検体を所定温度にまで加温し維持するための様々な顕微鏡観察用加温装置が従来から提案されている。
【0003】
図10及び図11に従って従来から提案されている顕微鏡観察用加温装置について説明する。
図10は倒立顕微鏡用加温装置121を顕微鏡のステージに装着した状態を示す。
符号125は円板状の加温プレートを示し、2枚の加温プレート125が導電膜127を挟んで重ね合わされている。この導電膜127には図示しない電極が取り付けられており、この電極からは図示しないリード線が延び、このリード線は加温状態を制御するコントローラに接続されている。
符号129は樹脂製の外枠を示し、この外枠129は薄い皿状をしていて、その内側に重ね合わされた2枚の加温プレート125が収納されて固定されている。
外枠129の底板131の中央部には孔133が形成されている。また外枠129の外周部にはフランジ135が形成されている。
符号123は顕微鏡のステージを示し、このステージ123の中央部には段差面137を有した透光孔139が形成されている。倒立顕微鏡用加温装置121は、そのフランジ135が段差面137に載る向きで透光孔139に嵌めることで顕微鏡に装着される。
【0004】
図11は正立顕微鏡用加温装置141を顕微鏡のステージ123上に載せた状態を示す。
この正立顕微鏡用加温装置141も導電膜127を挟んで重ねられた2枚の加温プレート125が樹脂製の外枠143の内部に収納されることで構成されている。
この正立顕微鏡用加温装置141は、顕微鏡のステージ123の上面に載置される。
【0005】
上記2つの顕微鏡加温装置121、141は、導電膜127に通電することによりそれを発熱させて加温プレート125を加温し、この加温プレート125の上面に載せられるスライドガラス59等を加温して検体を所望の温度にまで加温し、その温度を維持する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、顕微鏡での観察においては、検体と対物レンズとの距離が非常に重要である。これは、検体が載っているステージを移動させて検体と対物レンズとの距離を調節することにより対物レンズの焦点を合わせるからである。特に、倒立顕微鏡においては、検体と対物レンズとの間に厚いものが介在すると対物レンズの焦点を合わせることができなくなってしまう場合がある。
【0007】
この点、従来の倒立顕微鏡用加温装置121ではスライドガラス59等に載せられた検体と対物レンズ11との間に2枚の加温プレート125が介在してしまうため、倍率の大きな対物レンズを使用する場合は焦点を正確に合わせることができないことが起こっていた。
【0008】
また、遺伝子工学等の研究分野では顕微鏡で観察しながら検体の処理を行う顕微操作が頻繁に行われている。この顕微操作は極めて繊細な作業であるため、検体の僅かな振れによっても顕微操作に重大な支障を及ぼすことになる。
【0009】
この点、ステージの透光孔に嵌めて使用するタイプの顕微鏡観察用加温装置は、一見、振れが生じないように思えるが、透光孔への着脱をスムーズに行うことができるようにするためには、どうしてもステージと外枠との間に多少の隙間が必要である。このため、このタイプの顕微鏡観察用加温装置においても振れがゼロであることはなかった。
また顕微鏡のステージ上に載せるタイプの顕微鏡観察用加温装置においても、検体をシャーレ等に入れて顕微操作を行う場合には加温プレート上でシャーレが動いてしまう場合があり、顕微操作の重大な問題の一つとなっていた。
【0010】
その上、従来の顕微鏡用加温装置121、141には、スライドガラス59等の取り扱いに関しても問題を有している。即ち、倒立顕微鏡用加温装置121、正立顕微鏡用加温装置141のどちらにおいても、スライドガラス59等を載置する加温プレート125の上面よりも外枠129、143の上面の方が高くなっていたために、ここが段差になっている。このため、スライドガラス59をステージ123の端部まで滑らせて交換することができないので、数ミリメートル程度の厚さしかないスライドガラス59を取り上げるには、どうしてもピンセット等を使用しなければならず、非常に面倒であった。
【0011】
更に、観察を行う前までカバーガラス61を加温プレート125上に載せて加温する場合があるが、このカバーガラス61はスライドガラス59よりもなお一層薄いため、ピンセット等を使用してもカバーガラス61を持ち上げる作業は非常に困難である。
【0012】
本発明は上記従来の問題点に着目してなされたものであり、倍率の大きな対物レンズを使用する場合でも焦点合わせが可能であり、また検体の振れを防止して安定した観察を行うことができ、しかもスライドガラス等の取替え等が容易な顕微鏡観察用加温装置を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、倒立顕微鏡用の顕微鏡観察用加温装置であって、下面に透明な導電膜が形成された透明な加温プレートと、前記導電膜に通電させる通電手段と、前記導電膜を挟んで前記加温プレートの下面に重ねた透明な保護シートと、孔が形成され前記保護シートの下面に重ねた透明な補強プレートと、前記補強プレートに形成されたレンズ挿入孔と、前記加温プレートと保護シート及び補強プレートとを一体的に保持する外枠とからなり、前記加温プレートと前記導電膜と前記保護シートには前記補強プレートのレンズ挿入孔と対向する孔は形成されておらず、前記保護シートは前記加温プレートより小さく、温度測定用センサーが前記加温プレートと前記補強プレートとの間に位置することを特徴とする顕微鏡観察用加温装置である。請求項2の発明は、請求項1記載の顕微鏡観察用加温装置において、補強プレートの厚さが略0.4ミリメートル以下であることを特徴とする顕微鏡観察用加温装置である。
【0014】
請求項3の発明は、請求項1又は2記載の顕微鏡観察用加温装置において、加温プレートの下面に形成された導電膜に絶縁性を有し表裏両面が接着面である両面テープの一方の面が接着され、前記両面テープの他方の面上に温度測定用センサーが接着されることで前記温度測定用センサーが前記導電膜に接着されていることを特徴とする顕微鏡観察用加温装置である。
【0015】
請求項4の発明は、請求項1乃至3のいずれか記載の顕微鏡観察用加温装置において、外枠の上面と加温プレートの上面とが同一面上に位置することを特徴とする顕微鏡観察用加温装置である。
【0016】
請求項5の発明は、顕微鏡のステージに設けられ、上端部の径がそれより下の部分の径より大きくなっている透光孔に嵌めて使用する請求項1乃至4のいずれか記載の顕微鏡観察用加温装置において、外枠の外周径が前記顕微鏡の透光孔の内径よりやや小さく、前記外枠の外周面に前記透光孔の内周面に密着する弾性の隙間埋め部材が設けられたことを特徴とする顕微鏡観察用加温装置である。
【0017】
請求項6の発明は、請求項5記載の顕微鏡観察用加温装置において、外枠にはその周壁の上端部全周から外側へ張り出して延びるフランジが備えられ、前記フランジの外周面のうち少なくとも1つの位置に周方向にある程度の長さを有する溝が形成されており、且つ、隙間埋め部材は前記溝と略同じ長さを有し、細幅な帯状に延びる取付部と前記取付部の一側端に沿って延びる密着部とがシリコンゴムにより一体に形成されて成り、前記取付部は前記溝に圧入され且つ接着されることで外枠に固定され、一方前記密着部は前記フランジより外側に突出していることを特徴とする顕微鏡観察用加温装置である。
【0020】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態に係る顕微鏡観察用加温装置を図面にしたがって説明する。
図1から図4は第一の実施の形態に係る顕微鏡観察用加温装置1を示すものである。
顕微鏡観察用加温装置1を説明する前に、この顕微鏡観察用加温装置1を装着することができる顕微鏡の一例を簡単に説明する(図1参照)。
この顕微鏡3は倒立型のものであって、鏡脚5の後端部から立ち上がったアーム7に昇降調整可能となるように支持されたステージ9と、ステージ9の下に選択自在に配置された複数の対物レンズ11と、鏡脚5の前端部から立ち上がった鏡筒13に保持された接眼レンズ15と、ステージ9の上方にあってアーム7に支持された光源ランプ17等から構成されている。
【0021】
符号19はステージ9の中央部に形成された円形の透光孔を示す。この透光孔19の上端部21の径はそれより下の部分23の径より大きくなっており、従って、透光孔19の内周面には円帯状をした段差面27が形成されている。
符号29はコントローラを示し、このコントローラ29は顕微鏡観察用加温装置1の動作を制御するためのものである。
【0022】
顕微鏡観察用加温装置1は、外枠31と、加温プレート33と、保護シート35、補強プレート37及び等から成る。
外枠31は円形の浅い皿状をしている。即ち、外枠31は円板形の底板39と、底板39の外周沿いに延びる背の低い周壁41と、周壁41の上端部全周から外側へ張り出して円帯状に延びるフランジ43とが断熱性の高い材料によって一体に形成されて成る。底板39には略トラック形をした大きな孔45が形成され、また、底板39の周壁41寄りの位置にリード線通し孔47が形成されている。
周壁41の外周径は顕微鏡3の透光孔19の段差面27から下の部分23の径より僅かに小さく、フランジ43の外周径は透光孔19の上端部21の径より僅かに小さくなっており、フランジ43の厚みは透光孔19の上端部21の深さと一致している。
【0023】
加温プレート33は、厚さ略0.4ミリメートルの透明な板ガラスにより、円板形を為すように形成され、その直径は外枠31の周壁41の内径と略同じになっている。
そして、加温プレート33の下面の全域には透明な導電膜49(図2参照。尚、図面では導電膜49の厚みを誇張して示してある。)が設けられている。この導電膜49は真空蒸着法等により形成されている。符号51は導電膜49に通電するための一対のリード線を示し、このリード線51は一端部が導電膜49の周縁部のうち互いに反対側に位置した部分に接続されており、その接続は導電性を有する接着剤によって行われている。
符号38は熱電対からなる温度測定用センサーを示す。この温度測定用センサー38は、絶縁性を有し表裏両面が接着面である両面テープ40によって導電膜49に接着されている(図3及び4参照。)。この両面テープ40によって絶縁部材が構成されている。温度測定用センサー38はリード線42によってコントローラ29に接続されている。
【0024】
保護シート35は厚さ略0.1ミリメートルのシート状をしており、加温プレート33より稍小さい正方形状に形成され、加温プレート33の下面の中央部に接着されている。従って、加温プレート33に設けられている導電膜49は保護シート35が接着された領域においてはこの保護シート35によって覆われる。補強プレート37は、加温プレート33と略同じ大きさ及び厚さを有した透明な平板ガラスにより形成され、その中央部には保護シート35より一回り小さい矩形をしたレンズ挿入孔53が形成され、外周縁寄りの位置にリード線通し孔55が形成されている。この補強プレート37は、保護シート35及び温度測定用センサー38を挟んで加温プレート33の下面に接着される。これにより、加温プレート33と保護シート35が補強されると共に、導電膜49はその全域が外部に対して電気的に絶縁され、且つ、酸化を防止される。
尚、リード線42、51はリード線通し孔55を通して下に導出する。
【0025】
このように重ね合わされた加温プレート33と保護シート35及び補強プレート37は外枠31内に嵌め込まれ且つ接着される。このとき、リード線42、51はリード線通し孔47を通して下に導出する。これにより、加温プレート33と保護シート35と補強プレート37及び外枠31とが、全て一体的に結合され、加温プレート33の上面57と外枠31のフランジ43の上面は互いに同一面上に位置する。
尚、リード線42、51の底板39から先の部分は外皮に覆われて図示しないコネクタにそれぞれ接続されており、そのコネクタはそれぞれ前記コントローラ29の所定のジャックに着脱自在に結合される。
顕微鏡観察用加温装置1は以上のように構成されている。従って、この顕微鏡観察用加温装置1の中央部の肉厚、即ち、補強プレート37のレンズ挿入孔53と対応した位置における肉厚は、加温プレート33の厚みに保護シート35の厚みを加えた略0.5ミリメートルになっている。
【0026】
次に、顕微鏡観察用加温装置1の使用方法を説明する。
顕微鏡観察用加温装置1は、顕微鏡3のステージ9の透光孔19に装着して使用する。この装着は、ステージ9を適度に上げた状態で、図2に示すように、加温プレート33の上面57が上を向く向きで透光孔19に嵌めることで行う。顕微鏡観察用加温装置1をこのような向きで嵌めると、外枠31のフランジ43が透光孔19の段差面27上に着座すると共に、加温プレート33及びフランジ43の上面がステージ9の上面10と同一面上に位置し、レンズ挿入孔53は使用位置に来ている対物レンズ11の光軸上に位置する。
尚、リード線42、51は、顕微鏡観察用加温装置1を透光孔19に収める前に透光孔19を通しておき、図示しないコネクタをコントローラ29に接続する。
【0027】
顕微鏡観察用加温装置1を透光孔19に収めた後、コントローラ29を操作して導電膜49に通電する。すると、導電膜49が発熱し、その熱によって加温プレート33等が加温される。従って、目的の検体を乗せたスライドガラス59を加温プレート33の上面に置くと、そのスライドガラス59も加温される。検体をスライドガラス59に乗せるタイミングはスライドガラス59が所望の温度に加温された後とするのが良い。加温プレート33の温度は温度測定用センサー38により測定されてコントローラ29の表示部に表示されるので、その表示を見てコントローラ29の温度調節部材を操作して加温の程度を調節する。
カバーガラス61を使用するときは、それを事前に加温プレート33の上面の端辺りに乗せておけば、カバーガラス61を予熱することができる。
【0028】
観察をするときは、ステージ9を微細に移動して焦点を合わせる。このとき、加温プレート33の下にはレンズ挿入孔53が設けられているので、対物レンズ11がレンズ挿入孔53に入る位置までステージ9を下げれば、当該対物レンズ11とスライドガラス59との間の距離を最小0.5ミリメートル程度まで縮めることができる。従って、倍率の大きい対物レンズを使用する場合でも、スライドガラス59上の検体に対する焦点合わせは充分可能である。
【0029】
スライドガラス59を交換したり、加温中のカバーガラス61を取り上げるときは、それを加温プレート33上で滑らせると良い。即ち、前記したように、加温プレートの上面57及び外枠のフランジ43の上面はステージ9の上面10と同一面上に位置していて段差が無いので、加温プレート33上にあるスライドガラス59やカバーガラス61をそのまま滑らせてステージ9の端に持ってくることができる。従って、スライドガラス59の交換やカバーガラス61の取り上げにピンセット等を使用しなくて済む。
【0030】
図5及び図6は本発明の第二の実施の形態に係る顕微鏡観察用加温装置71を示すものである。この顕微鏡観察用加温装置71が前記した顕微鏡観察用加温装置1と相違するところは、主として、外枠に隙間埋め部材を設けた点だけである。
従って、図面には要部のみを示してあり、また、説明は上記相違点のみについて行い、それ以外の部分については、前記顕微鏡観察用加温装置1について使用した符号と同じ符号を図面に付することで説明を省略する。このような符号の使い方とその意味は、後述する第三の実施の形態においても同様とする。
【0031】
この顕微鏡観察用加温装置71においては、外枠31のフランジ43の外周面73の径を、顕微鏡のステージ9に設けられている透光孔19の上端部21の内径よりある程度小さくしてある。
符号75はフランジ43の外周面73に形成された溝を示し、この溝75は外周面73のうち互いに反対側の2つの位置に設けられ、周方向へある程度の長さを有している。
符号77は隙間埋め部材を示す。この隙間埋め部材77は溝75と略同じ長さを有し、細幅な帯状に延びる取付部79と、取付部79の一側端に沿って延びる密着部81とがシリコンゴムにより一体に形成されて成り、密着部81の横断面はこれが変形されていない状態においては縦長の略楕円形をしている。そして、この隙間埋め部材77は、その取付部79が溝75に圧入され且つ接着されることで外枠31に固定され、密着部81はフランジ43の外周面73より外側に突出する。隙間埋め部材77が外枠31に取り付けられた状態において、その密着部81の外周の径は透光孔19の上端部21の内径より多少大きい。
【0032】
この顕微鏡観察用加温装置71を透光孔19に収めるときは、隙間埋め部材77の密着部81を透光孔19に軽く押し込むようにする。従って、外枠31が密着部81を挟んで透光孔19の内周面25に密着するので、顕微鏡観察用加温装置71がステージ9に対してガタつくこと無く安定に装着される。
尚、この顕微鏡観察用加温装置71を外すときは、隙間埋め部材77の無い位置にピンセットの先等を差し入れて起こすようにする。
【0033】
図7から図9は本発明の第三の実施の形態に係る顕微鏡観察用加温装置91を示すものである。この顕微鏡観察用加温装置91は、正立顕微鏡のステージ93上に乗せて使用するタイプのものである。
【0034】
符号95は顕微鏡観察用加温装置91の外枠を示す。この外枠95は長方形の平板状をした天板97と、天板97の外周に沿って延びた背の低い周壁99とが断熱性の良い材料により一体に形成されて成り、天板97には長方形の大きな窓101が形成されている。そして、窓101の幅方向で対向した2つの側縁の中間部には円弧状をした切欠き103が形成されている。
【0035】
符号105及び107はそれぞれ加温プレートを示す。これら加温プレート105及び107は透明な板ガラスにより長方形の板状を為すように形成され、一方の加温プレート105の一面の全域には透明な導電膜49が設けられ、この導電膜49には図示しないリード線が接続されている。そして、導電膜49には図示しない温度測定用センサーが両面テープにより接着されている。
これら2枚の加温プレート105と107は導電膜49を挟むようにして互いに貼り合わせられると共に、外枠95内に嵌め込まれ且つ接着される。従って、天板97側の加温プレート105の天板97側の表面である第一の加温面109は窓101において露出し、別の加温プレート107の反天板側の面である第二の加温面111はその全体が露出する。そして、周壁99の高さはその端面113が第二の加温面111と同一面上に位置する寸法になっている。
【0036】
このような顕微鏡観察用加温装置91は、例えば、次のように使用する。
検体をシャーレ115に入れて観察する場合は、図8に示すように、顕微鏡観察用加温装置91を第一の加温面109が上を向く向きでステージ93に置き、シャーレ115をその底部が2つの切欠き103に収まるように第一の加温面109に載せる。従って、シャーレ115は加温された加温プレート105の熱によって加温されると共に、切欠き103に収まることで位置が安定する。
また、検体をスライドガラス59に乗せて観察する場合は、図9に示すように、顕微鏡観察用加温装置91を第二の加温面111が上を向く向きでステージ93に置き、第二の加温面111にスライドガラス59を載せる。従って、スライドガラス59は加温された加温プレート107の熱によって加温される。そして、スライドガラス59を交換したり、第二の加温面111上で加温中のカバーガラス61を取り上げるときは、それを第二の加温面111の端まで滑らせてやると良い。
【0037】
以上、本発明の実施の形態について詳述してきたが、具体的な構成はこの実施の形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における設計の変更などがあっても本発明に含まれる。
例えば、上記第一及び第二の実施の形態における顕微鏡観察用加温装置の各部材の形状は一例を示したに過ぎず、使用する顕微鏡のステージの透光孔の形状に対応したものとする。
また、上記第一及び第二の実施の形態では顕微鏡観察用加温装置の上面と顕微鏡におけるステージの上面とを同一面上に位置する構成としたが、外枠の上面と加温プレートの加温面が同一面上に位置し、且つこの面が顕微鏡のステージの上面よりも上に位置する限り、外枠及び加温プレートの上面とステージの上面とが異なる面上に位置する構成としても良い。
また、第一の実施の形態において、保護シート35の厚さを0.1ミリメートルとしているが、保護シート35の厚さは、これに限定されず、適宜変更する
とが可能である。但し、保護シート35の厚さはなるべく薄いのが望ましく、例えば加温プレート33の厚さの4分1以下に設定することが好ましい。
【0038】
第二の実施の形態に係る顕微鏡観察用加温装置では、外枠の外周面の互いに反対側の2つの位置に溝を形成し、この溝に隙間埋め材を取り付ける構成としたが、隙間埋め材を1つ或いは3つ以上設ける構成としても良く、また、位置も互いに反対側の2つ位置に限られない。第三の実施の形態に係る顕微鏡観察用加温装置は正立顕微鏡に使用しているが、倒立顕微鏡及び実体顕微鏡に使用しても良い。また、上記実施の形態においては温度測定用センサーを導電膜の上から接着するようにしたが、温度測定用センサーを接着する位置には導電膜を形成せず、温度測定用センサーを加温プレート上に直接接着する構成としても良い。上記実施の形態においては、温度測定用センサーに熱電対を用いているが、サーミスタ或いは測温体を用いる構成としても良い。
【0039】
【発明の効果】
保護シート及び補強プレートを備えた発明によれば、補強プレートの中央部にはレンズ挿入孔が形成されているので、対物レンズをレンズ挿入孔に挿入させることにより、従来の倒立顕微鏡用の顕微鏡観察用加温装置に比べて、対物レンズと検体との距離を大幅に縮めることが可能となる。このため、加温プレート等の強度を十分に保った上で、倍率の大きな対物レンズを使用する場合にも正確に焦点を合わせることができる。しかも、導電膜は保護シート及び補強プレートにより外部に対して完全に絶縁され、且つ酸化が防止される。
【0040】
外枠の上面と加温プレートの上面とが同一面上に位置する発明によれば、スライドガラスやカバーガラスを外枠の端部にまで滑られることができる。従って、加温プレート上のスライドガラスやカバーガラス等の交換をピンセット等を使用することなく容易に行うことができる。
【0041】
弾性の隙間埋め材が設けられた発明によれば、外枠の外周面に設けられた隙間埋め材がステージの透光孔の内周面にぴったりと密着するので、顕微鏡のステージに対してガタつくことなく安定に装着される。
【0042】
温度測定用センサーの接着用に絶縁性を有する両面テープを用いた発明によれば、温度測定用センサーは絶縁性を有する両面テープを介して透明プレートの合せ面に備えられており、この両面テープは熱伝導を阻害する要素としては殆ど機能しないので、透明プレートの温度を正確に測定することができ、検体の温度管理を的確に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一の実施の形態に係る顕微鏡観察用加温装置とこれを装着する倒立顕微鏡の全体斜視図である。
【図2】第一の実施の形態に係る顕微鏡観察用加温装置を顕微鏡のステージに装着した状態を示す垂直断面図である。
【図3】第一の実施の形態に係る顕微鏡観察用加温装置の温度測定用センサーを両面テープにより加温プレートに接着した状態を拡大して示す部分垂直断面図である。
【図4】第一の実施の形態に係る顕微鏡観察用加温装置の分解斜視図である
【図5】第二の実施の形態に係る顕微鏡観察用加温装置の斜視図である。
【図6】顕微鏡のステージと第二の実施の形態に係る顕微鏡観察用加温装置との装着状態を拡大して示す一部垂直断面図である。
【図7】第三の実施の形態に係る顕微鏡観察用加温装置にシャーレを載せた状態を示す斜視図である。
【図8】検体をシャーレに載せて使用する場合の第三の実施の形態に係る顕微鏡観察用加温装置の垂直断面図である。
【図9】検体をスライドガラスに載せて使用する場合の第三の実施の形態に係る顕微鏡観察用加温装置の垂直断面図である。
【図10】倒立顕微鏡に従来の顕微鏡観察用加温装置を装着した状態を示す垂直断面図である。
【図11】正立顕微鏡に従来の顕微鏡観察用加温装置を装着した状態を示す垂直断面図である。
【符号の説明】
1 (第一の実施の形態に係る)顕微鏡観察用加温装置
3 顕微鏡
9 ステージ
10 (ステージの)上面
19 透光孔
31 外枠
33 加温プレート
35 保護シート
37 補強プレート
38 温度測定用センサー
40 両面テープ
45 孔
49 導電膜
51 リード線
53 レンズ挿入孔
57 (加温プレートの)上面
71 (第二の実施の形態に係る)顕微鏡観察用加温装置
77 隙間埋め部材
91 (第三の実施の形態に係る)顕微鏡観察用加温装置
93 ステージ
95 外枠
103 切欠き
105 加温プレート
107 加温プレート
109 第一の加温面
111 第二の加温面

Claims (6)

  1. 倒立顕微鏡用の顕微鏡観察用加温装置であって、下面に透明な導電膜が形成された透明な加温プレートと、前記導電膜に通電させる通電手段と、前記導電膜を挟んで前記加温プレートの下面に重ねた透明な保護シートと、孔が形成され前記保護シートの下面に重ねた透明な補強プレートと、前記補強プレートに形成されたレンズ挿入孔と、前記加温プレートと保護シート及び補強プレートとを一体的に保持する外枠とからなり、前記加温プレートと前記導電膜と前記保護シートには前記補強プレートのレンズ挿入孔と対向する孔は形成されておらず、前記保護シートは前記加温プレートより小さく、温度測定用センサーが前記加温プレートと前記補強プレートとの間に位置することを特徴とする顕微鏡観察用加温装置。
  2. 請求項1記載の顕微鏡観察用加温装置において、補強プレートの厚さが略0.4ミリメートル以下であることを特徴とする顕微鏡観察用加温装置。
  3. 請求項1又は2記載の顕微鏡観察用加温装置において、加温プレートの下面に形成された導電膜に絶縁性を有し表裏両面が接着面である両面テープの一方の面が接着され、前記両面テープの他方の面上に温度測定用センサーが接着されることで前記温度測定用センサーが前記導電膜に接着されていることを特徴とする顕微鏡観察用加温装置。
  4. 請求項1乃至3のいずれか記載の顕微鏡観察用加温装置において、外枠の上面と加温プレートの上面とが同一面上に位置することを特徴とする顕微鏡観察用加温装置。
  5. 顕微鏡のステージに設けられ、上端部の径がそれより下の部分の径より大きくなっている透光孔に嵌めて使用する請求項1乃至4のいずれか記載の顕微鏡観察用加温装置において、外枠の外周径が前記顕微鏡の透光孔の内径よりやや小さく、前記外枠の外周面に前記透光孔の内周面に密着する弾性の隙間埋め部材が設けられたことを特徴とする顕微鏡観察用加温装置。
  6. 請求項5記載の顕微鏡観察用加温装置において、外枠にはその周壁の上端部全周から外側へ張り出して延びるフランジが備えられ、前記フランジの外周面のうち少なくとも1つの位置に周方向にある程度の長さを有する溝が形成されており、且つ、隙間埋め部材は前記溝と略同じ長さを有し、細幅な帯状に延びる取付部と前記取付部の一側端に沿って延びる密着部とがシリコンゴムにより一体に形成されて成り、前記取付部は前記溝に圧入され且つ接着されることで外枠に固定され、一方前記密着部は前記フランジより外側に突出していることを特徴とする顕微鏡観察用加温装置。
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