JP3986056B2 - 偏波変動検出装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光ファイバなどのような光伝送路において、伝搬光に偏波変動が生じた場合にその偏波状態(偏波変動量)を検出する偏波変動検出装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
光の偏波状態が外力により変化する現象として、磁界によって偏波面が回転する現象であるファラデー効果、電界によって光波の位相が変化するポッケルス効果、応力によって光波の位相が変化する光弾性効果などが知られている。これらの効果を利用して、前述した様々な光応用センサが実用されている。これらの現象を起こす媒体は、通常、光結晶や低複屈折の導波路が用いられ、目的の外力によってのみ偏波状態が変わるようにし、その偏波状態の変化を、偏光子の透過出力の変化から測定する。なお、偏光子とは、ある特定の方位の偏波成分のみを透過しその方位と直交する方位の振動成分は透過しない素子である。
【0003】
しかし、この光信号を光ファイバで伝送して受信する場合、一般の通信用光ファイバでは内部にランダムな複屈折が存在し、偏波状態はランダムに変化する。このため、光センサの直後に偏光子を設け、偏波の変化を強度変化に変えて光ファイバ中は偏波に無関係な伝送にする必要がある。また、光ファイバ自身が、圧力,振動,温度,磁界などの外力によって伝搬光の偏波状態が変化するため、センサとしての利用も検討されている。しかし、偏波状態は前述のようにランダムな変動が生ずる。このため、偏波状態の求めたい外力による変動量を測定するには、偏波調整器などにより他の要因による偏波変動を補償するか、或いは偏波状態を完全な形で測定して後で適切な波形演算処理により信号抽出を行う必要がある。
【0004】
図5(a)(b)の従来例は、多心の光ファイバ心線1を有する光ケーブル2が複数本纏められて敷設されている場合において、この中の特定の光ケーブル2から光ファイバ心線1を分岐する場合、どの光ケーブルの光ファイバ心線を分岐するかを識別するため、光ケーブル2に機械的振動等を与えてその偏波変動を起こさせ、その偏波状態を検出して分岐対象の光ケーブル2を識別する方法が採られている。なお、各光ファイバ心線1には色彩が施され識別可能になっている。
【0005】
この場合、図5(b)に示すように、光ケーブル2の任意の光ファイバ心線1の一端に光源3を接続し、その他端にレンズ4を介して偏光子5で検出する方法がよく用いられる。この場合、偏光子5の前段に1/2波長板6や1/4波長板7などを挿入してこれらの複屈折軸を手動により回転させ、また同時に偏光子5の透過方位を回転させて、受光素子8での変動出力が最大となるようにして検出し、偏波状態を表示器9に表示させるものである。
【0006】
また、図6に示すように、一端に光源11が接続された光ファイバ心線12の他端にレンズ13を介して、光分岐器15,偏光子16,光電変換器17,ストークスパラメータ演算回路18などより構成された偏波状態検出回路14が設けられ、光ファイバ心線12の偏波状態を3つのストークスパラメータS1 ,S2 ,S3 として検出し、このストークスパラメータから瞬時変化速度を求めて落雷点の標定をする方法がある(例えば、特許文献1参照。)。
【0007】
【特許文献1】
特開平10−148654号公報(第3−4頁、図1,図3)
【0008】
即ち、この回路による偏波状態の検出は、図7(a)(b)に示すように、偏波の主軸方位と楕円率[θ.ε]、或いはストークスパラメータS1 ,S2 ,S3 といったように、複数の量で表される。ストークスパラメータのS1 は水平/垂直方向の直線偏波成分、S2 は±45度方向の直線偏波成分、S3 は右回り/左回りの円偏波成分の大きさを表す。
【0009】
この3つのストークスパラメータS1 ,S2 ,S3 を直交座標として表すと、偏波状態は半径1の球面又はその内部の1点として表され、この球はポアンカレ球と呼ばれる。その点の中心点からの距離は偏光度Dと呼ばれ、
【0010】
【数1】
Figure 0003986056
【0011】
で表される。レーザ光のように単色光で偏波変動の速度が受光素子の検出帯域内のときは偏光度D=1となり、それ以外のときはD<1となる。なお、ストークスパラメータS1 ,S2 ,S3 を偏光度Dで除することにより、常にS1 2+S2 2+S3 2=1となるように規格化して表す場合もある。
例えば、光ファイバにレーザ光を伝送させ、その光ファイバに周期的な振動を加え、出力側の偏波状態を測定して周期的に変動することを検出する場合について示す。この場合、偏波状態をポアンカレ球で示すと、球面上の1点が振動するように現れるが、図8に示すように、振動の中心位置や振動の方向はランダムである。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前述の図5(b)に示した偏波状態の検出方法は、1/2波長板6,1/4波長板7,偏光子5など、回転して調整する素子が複数あるため、適確に調整することが難しいという問題がある。即ち、図7(b)のポアンカレ球で説明すると、ストークスパラメータS1 の成分が最も大きく変動するためには、振動の中心がS1 =0付近にあり、かつ振動の方向がS1 軸に平行な方向のときであり、振動の位置と方向といった2つの要素を調整しなければならないことを意味する。従って、使用者はこのような偏波調整の技能が必要となることが第1の問題である。また、偏波調整作業の面倒さも問題である。更に、偏波調整用の光学素子及びその機械的な回転などの制御機構が必要である点も、小型化や低コスト化の面で問題である。
【0013】
なお、1/2,1/4波長板6,7などの複屈折素子を自動で駆動し、偏波状態を一定に変換するような偏波制御装置を用いて、周期的な振動をする偏波状態に対して振動中心である平均の偏波状態が一定となるように帰還制御し、その出力信号を偏光子で取り出すことも考えられるが、極めて複雑な構造となるという問題がある。
【0014】
また、図6に示した構成によるストークスパラメータS1 ,S2 ,S3 を測定する方法においては、3つのストークスパラメータS1 ,S2 ,S3 のうちの少なくとも1つは振動が大きく現れるが、3つのうちのどのストークスパラメータなのかは不明である。従って、このままでは使用者が3つのストークスパラメータの波形を同時に観察・比較して偏波変動信号の有無や大きさを判定する必要がある。
そこで、これらの信号波形を計算機に取り込み、その後に変動量を自動計算することが考えられるが、3つのストークスパラメータS1 ,S2 ,S3 の入力・蓄積及び変動基準の算出・変動量の算出に時間が掛り、リアルタイムでの観測が難しくなる。また、これら複数の装置とそのインタフェース装置などにより装置全体が大型になり、扱い難いものとなる。
【0015】
図6に示した構成によるストークスパラメータを求める偏波状態検出回路は、レンズ13を介した光を光分岐器15により4等分し、その光強度P0 ,水平直線偏光を透過する偏光子161の出力強度P1 ,45°方向の直線偏光を透過する偏光子162の出力強度P2 ,1/4波長板とその主軸から45°方向の直線偏光を透過する偏光子163の出力強度P3 を求める。実際には光強度P0 ,P1 ,P2 ,P3 はそれぞれの光学素子の過剰損失による感度差が生ずるので、それを補正して、各光電変換素子17の電気出力V0 ,V1 ,V2 ,V3 に変換する。この電気出力V0 ,V1 ,V2 ,V3 をストークスパラメータ演算回路18において、それぞれ次式(2)(3)(4)により各ストークスパラメータS1 ,S2 ,S3 が求められる。
【0016】
【数2】
Figure 0003986056
【0017】
前述の3つのストークスパラメータS1 ,S2 ,S3 を用いる特許文献1に記載された従来例の落雷点標定方法は、各ストークスパラメータS1 ,S2 ,S3 による偏波変動の瞬時変化速度を求め、その瞬時変化速度の急俊な変化から落雷点を標定するものである。従って、この従来例においては、立ち上がりが鋭く徐々に収束するようなインパルス性の偏波変動に対しては偏波変動速度への変換は有効である。しかし、振動性の偏波変動の場合は振動周波数が2倍に表示されるなど問題がある。また、偏波変動の速度よりも変位そのものを知りたい場合もあり、単純にストークスパラメータの時間微分を求めるだけでは不十分である。
【0018】
【課題を解決するための手段】
本発明による偏波変動検出装置は、光伝送路における偏波状態を検出する光分岐器,偏光子,光電変換器及びストークスパラメータ演算回路から構成された偏波状態検出回路と、該偏波状態検出回路から検出される3つのストークスパラメータを基準状態として保持する基準状態設定回路と、前記ストークスパラメータの後に順次に検出される各3つのストークスパラメータの各偏波状態と前記基準状態設定回路に保持されている基準状態との差をそれぞれ検出する差分検出回路と、該差分検出回路によって検出された各差分をそれぞれ自乗する自乗回路と、該自乗回路の各出力を加算する加算回路と、該加算回路によって検出された偏波変動量をリアルタイムで表示する表示器と、さらに、前記表示器に出力される偏波変動量が所定値を超えたことを検出すると共に該偏波変動量が所定値を超えた場合においても前記基準状態設定回路の基準状態を次の基準状態の更新時まで前記偏波変動量が所定値を超える前の基準値に保持する制御回路、若しくは、前記表示器に出力される偏波変動量が所定値以下になったことを検出すると共に前記基準状態設定回路の基準状態を次の基準状態の更新時まで前記偏波変動量が所定値以下の状態における基準状態に保持する制御回路とを備えたものである。
【0019】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明による偏波変動検出装置の一実施例を示すものであり、図6の従来回路で示したストークスパラメータS1 ,S2 ,S3 を入力とする偏波変動変換器21を設けたものである。この偏波変動変換器21は、基準状態設定回路22と、差分検出回路241,242,243自乗回路251,252,253,加算回路26,平方根演算回路27及びアークサイン(arcsin)演算回路28を備えた偏波変動量演算回路23とから構成されている。なお、偏波変動変換器21の出力側には、その出力である偏波状態を示す電気信号βを表示する表示器29が設けられている。
【0020】
図1において、基準状態設定回路22はサンプルホールド回路のような機能を有し、例えば、光ファイバに加えられた周期振動により、周期的な偏波の振動を検出したい場合、測定された3つのストークスパラメータS1 ,S2 ,S3 から最も大きく振動する両端を求め、その一方を基準状態S10,S20,S30として保持させるものである。なお、その最も大きく振動する両端を最短距離で結ぶ線の延長線上で、振動範囲の外側に移動した位置を基準としてもよい。この様子を図2に示す。その基準状態をS10,S20,S30として保持し、測定された基準状態をS1 ,S2 ,S3 とすると、[S10,S20,S30]と[S1 ,S2 ,S3 ]の2点間の直線距離Lは、
【0021】
【数3】
Figure 0003986056
【0022】
であり、この2点と原点[0,0,0]からなる三角形は、底辺の長さがL,2辺の長さが1の二等辺三角形なので、その頂点角をβとし、頂点から底辺へ垂線を下ろせば、
【0023】
【数4】
Figure 0003986056
の関係がある。従って、偏波変動量βは次式で表される。
【0024】
【数5】
Figure 0003986056
【0025】
偏波の振動の軌跡が図3に示すように楕円になってたり、曲がっていたりする場合は、その最も大きい振動方向を算出して基準を求めればよい。時間波形が若干歪むが、振動の基本周波数を正しく求めることができ、偏波変動が確実に検出できる。
【0026】
偏波変動演算回路23においては、各差分検出回路241,242,243で基準ストークスパラメータS10,S20,S30と計測ストークスパラメータS1 ,S2 ,S3 との各差分△S1 ,△S2 ,△S3 を検出し、各自乗回路251,252,253で各自乗値W1 ,W2 ,W3 を求め、加算回路26で各自乗値W1 ,W2 ,W3 を加算して偏波変動量の近似値γを求める。その後、平方根演算回路27及びアークサイン演算回路28の各演算処理を行い偏波変動量βを求め、その出力を表示器29に表示させ偏波状態を観測するものである。
なお、前述したような誤差を含む場合や振幅が一定である場合などでは、平方根演算回路27及び/又はアークサイン演算回路28を省略し、近似的な演算を行うことも可能である。
【0027】
図1の偏波変動変換器21により、▲1▼偏波変動速度,▲2▼過渡振動における偏波変動量,又は▲3▼周期振動における偏波変動、の何れかの瞬時値をリアルタイムで出力することができる。
なお、▲2▼偏波変動速度の検出は、雷撃点標定のような単発現象で「変動が始まる時刻」を正確に知る上で有効である。但し、変動の大きさは、変動速度と変動時間によるもので分りにくい。▲2▼過渡振動における偏波変動量の検出は、単発現象であるときに「変動の大きさ」が時間とともに変化するのを知るのに有効であり、落雷の大きさなど外乱の大きさを知る上で有効である。▲3▼周期振動における偏波変動の検出は、交流電流のほか、人工的に周期振動を加えた場合における偏波変動の周期や大きさを検出するときに有効である。
【0028】
これら3つの出力モードは、観測したい条件によって選択する必要があるが、各モードは基準状態の設定方法を変えることにより実現できる。以下にその動作を説明する。
先ず第1に、偏波変動速度を出力する場合は、現在のストークスパラメータS1 ,S2 ,S3 より常に一定時間前のストークスパラメータS1 ,S2 ,S3 を偏波状態S10,S20,S30としてサンプルホールドするよう制御回路301により制御する。即ち、制御回路301は基準状態設定回路22の基準状態S10,S20,S30を、ストークスパラメータS1 ,S2 ,S3 の入力時より一定時間遅延させた状態に制御すればよい。
【0029】
第2に、単発現象や過渡的な振動の偏波変動量を求める場合又は観測する場合は、前述の偏波変動速度の検出モードでの出力信号が、急激にある閾値以上に大きくなったことを制御回路302で検出すると共に、制御回路302基準状態設定回路22にサンプルホールドされている前の偏波状態S10,S20,S30を、リセットがかかる(偏波変動速度モードに戻る)まで更新しないで保持するよう制御を行う。なお、出力信号が急激に大きくなる時点より更に前の基準状態を基準として、より精度の高い観測等を行う場合は、基準状態をサンプルホールドする基準状態設定回路22を2段以上の多段に構成して、急激に変化する状態の2回以上前の基準状態と比較するようにすればよい。
また、リセットは、手動により行う場合、又は出力信号が所定値以下の正常状態に戻った場合、或いは過大な偏波出力が発生してから所定時間経過したとき、リセットするようにしてもよい。
【0030】
第3に、偏波変動の周期的な変動に対して偏波変動量を求める場合は、前述の偏波変動速度の検出モードでの出力信号が最小になる時点を制御回路303が判別し、そのときの偏波状態を基準状態S10,S20,S30に設定するように制御信号を送出する。この基準状態はリセットがかかる(偏波変動速度モードに戻る)まで、または所定時間経過するまでは更新しないで保持されるように制御回路303により制御する。最小となる時点を取る方法は、変動のAC(交流波形)成分を取り、閾値レベルを徐々に上げていき、交流波形の下端部が閾値に掛かったときを最小として設定する。
なお、ポアンカレ球上の振動両端の一方に相当する。この他の方法として、デジタル回路の場合は、波形1周期分を記憶してポアンカレ球上の最大振幅となる2点を演算で探し出して設定してもよい。
【0031】
以上のように、基準状態の設定(サンプルホールド)のタイミングの取り方を変えるだけで、3つの変動モードに対応することができる。即ち、制御回路30の機能は、前述の▲1▼偏波変動速度の検出モードにおける制御回路301は、単に周期的なクロック信号を送出する制御回路としたものであり、出力信号を参照する必要はない。また、▲2▼過渡振動における偏波変動量の検出モードにおける制御回路302は、出力信号の閾値レベルとの比較,検出を行うことと、その検出結果に基づく基準状態設定回路22の制御とを兼ねている。
【0032】
また、▲3▼周期振動における偏波変動の検出モードにおける制御回路303は、出力信号をACフィルタと閾値レベルの検出と、その検出結果に基づく基準状態設定回路22の制御を行うものである。この3つの検出モードの選択に際して制御回路30も図示していないスイッチにより切り替えられるものである。また、制御回路30は3つのブロック(301,302,303)として示したが、制御回路30の機能部分の切り替えで行えることは勿論である。
【0033】
なお、基準状態をマニュアルで固定した場合は、図1の基準状態設定回路22に所要の基準状態S1F,S2F,S3Fを入力し保持させる。例えば、[S1F,S2F,S3F]=[1,0,0]と設定すれば、水平偏波成分を見ることができる。また、制御回路30に対しては、図1に示すように外部から動作タイミングの信号CF を入力して制御することもできる。
なお、図1に示した偏波変動変換器21はアナログ回路で構成されているが、図4に示すようにディジタル回路で構成することもできる。
【0034】
図4はディジタルシグナルプロセッサ(DSP)などによるディジタル処理機能を有する偏波変動変換器31であり、図6に示したストロークパラメータ演算回路18と図1に示した偏波変動変換器21とを一体化したものである。この図4の回路は、A/D(アナログ/ディジタル)変換部32,記憶・演算部33,D/A(ディジタル/アナログ)変換部34から構成されている。
【0035】
図4の偏波変動変換器21に対する入力信号はストークスパラメータS1 ,S2 ,S3 でもよいが、前述したように入力信号を光電変換器17の出力である電気信号出力V0 ,V1 ,V2 ,V3 とし、図6のストークスパラメータ演算回路18もディジタル処理することで回路の簡素化を図っている。入力信号V0 ,V1 ,V2 ,V3 をA/D変換し、ストークスパラメータ演算,基準状態設定,偏波変動量演算を全てディジタル処理し、最後にD/A変換して1つの信号として偏波変動量βが出力されるようにしている。
【0036】
なお、ディジタル信号のまま出力したい場合は、D/A変換器33を省略し、代わりにパソコンなどとのインタフェース装置に置き換えることも可能である。前述した基準状態の設定は、前述した図1の基準状態設定回路22での動作をソフトウエアで実現すればよい。ディジタル回路では、波形の記憶がある程度の範囲でできるものであり、過渡振動時の基準状態を数サンプル前の偏波状態に設定することも可能である。また、周期振動の場合には、1周期分程度の波形を記憶し、ポアンカレ球上の最大振幅となる2点を算出して、その一方を基準とするというように計算機と同等の演算を行うことも可能である。
【0037】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、本発明による偏波変動検出装置により、光の偏波変動を検出する場合に、波長板や移相素子などの偏波調整用の素子が不要となり、これらの駆動回路や制御回路が不要となる。使用者にとっては、偏波変動出力を最大化するための偏波調整技能や調整作業が不要となる。また、ストークスパラメータ測定器における複数の信号の監視や信号間の比較を行う必要がなく、1つの信号で出力されるので、容易に偏波変動を観測できる。特に、偏波状態が周期的に振動し、その振動面の向きや振動中心が徐々にドリフトするような場合、偏波調整が不要となることは作業効率を大きく改善することになる。また、偏波変動の速度、過渡振動又は周期振動の観測といった異なる目的に対し、同一の回路構成において基準状態の設定方法の変更により実現できる。これらにより、偏波変動検出装置は極めて小型になり、小型の液晶ディスプレイや表示器を加えても携帯可能な大きさにすることができ、現場での観測が容易となるなどの効果を奏するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による偏波変動検出装置の主要部である偏波変動変換器の一実施例の回路図である。
【図2】本発明における偏波変動の基準状態の設定を説明するポアンカレ球を示す図である。
【図3】本発明における偏波変動が歪んだ場合の基準状態の設定を説明するポアンカレ球を示す図である。
【図4】本発明による偏波変動検出装置の主要部である偏波変動変換器の他の実施例の回路図である。
【図5】従来の回転偏光子による偏波変動を検出する一例を示す模式図である。
【図6】従来のストークスパラメータ測定器による偏波変動を検出する他の例を示す回路図である。
【図7】偏波の状態を説明するポアンカレ球を示す図である。
【図8】偏波変動の状態を説明するポアンカレ球を示す図である。
【符号の説明】
1,12 光ファイバ心線
2 光ケーブル
3,11 光源
4,13 レンズ
5,16 偏光子
6 1/2波長板
7 1/4波長板
8 受光素子
9,29 表示器
14 偏波状態検出回路
15 光分岐器
17 光電変換器
18 ストークスパラメータ演算回路
21 偏波変動変換器
22 基準状態設定回路
23 偏波変動量演算回路
24 差分検出回路
25 自乗回路
26 加算回路
27 平方根演算回路
28 アークサイン演算回路
30 制御回路
31 ディジタル回路による偏波変動変換器
32 A/D変換部
33 記憶・演算部
34 D/A変換部

Claims (5)

  1. 光伝送路における偏波状態を検出する光分岐器,偏光子,光電変換器及びストークスパラメータ演算回路から構成された偏波状態検出回路と、
    該偏波状態検出回路から検出される3つのストークスパラメータを基準状態として保持する基準状態設定回路と、
    前記ストークスパラメータの後に順次に検出される各3つのストークスパラメータの各偏波状態と前記基準状態設定回路に保持されている基準状態との差をそれぞれ検出する差分検出回路と、
    該差分検出回路によって検出された各差分をそれぞれ自乗する自乗回路と、
    該自乗回路の各出力を加算する加算回路と、
    該加算回路によって検出された偏波変動量をリアルタイムで表示する表示器と、
    表示器に出力される偏波変動量が所定値を超えたことを検出すると共に、該偏波変動量が所定値を超えた場合においても、前記基準状態設定回路の基準状態を次の基準状態の更新時まで、前記偏波変動量が所定値を超える前の基準値に保持する制御回路とを備えた偏波変動検出装置。
  2. 光伝送路における偏波状態を検出する光分岐器,偏光子,光電変換器及びストークスパラメータ演算回路から構成された偏波状態検出回路と、
    該偏波状態検出回路から検出される3つのストークスパラメータを基準状態として保持する基準状態設定回路と、
    前記ストークスパラメータの後に順次に検出される各3つのストークスパラメータの各偏波状態と前記基準状態設定回路に保持されている基準状態との差をそれぞれ検出する差分検出回路と、
    該差分検出回路によって検出された各差分をそれぞれ自乗する自乗回路と、
    該自乗回路の各出力を加算する加算回路と、
    該加算回路によって検出された偏波変動量をリアルタイムで表示する表示器と、
    表示器に出力される偏波変動量が所定値以下になったことを検出すると共に、前記基準状態設定回路の基準状態を次の基準状態の更新時まで、前記偏波変動量が所定値以下の状態における基準状態に保持する制御回路とを備えた偏波変動検出装置。
  3. 前記加算回路の出力側に該前記加算回路の加算値出力を平方根演算する平方根演算回路を備えた請求項1又は2に記載の偏波変動検出装置。
  4. 前記平方根演算回路の出力側に該平方根演算回路の出力をアークサイン演算するアークサイン演算回路を備えた請求項に記載の偏波変動検出装置。
  5. 前記基準状態設定回路に保持される基準状態を、前回基準状態に保持した時間から一定時間差で基準状態を更新するように制御する制御回路が備えられた請求項1から4のいずれか一つに記載の偏波変動検出装置。
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