JP7059689B2 - 振動検知光ファイバセンサ及び振動検知方法 - Google Patents

振動検知光ファイバセンサ及び振動検知方法 Download PDF

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Description

この発明は、光ファイバの複屈折の時間変動を観測して、この光ファイバに外部から加えられた振動を検知し、その振動位置を特定する振動検知光ファイバセンサ及び振動検知方法に関する。
発電所や工場などの大型の施設にとって、人の不法な侵入行為を検知することは極めて重要である。このため、施設の外周のフェンス等に設けられる、侵入行為を検知するセンサは重要な役割を担っている。
特に、外周の長さが1kmを超えるような距離の侵入検知センサには、光ファイバの低損失性を活用した侵入検知センサが利用されている。
光ファイバに外部から振動が加えられると、光ファイバから出力される光波の偏光状態が時間変化する。この原因は、振動に伴う光ファイバの複屈折性(複屈折の固有軸と複屈折によって発生する直交偏光軸の間の位相差)の時間変化であり、この結果として出力光の偏光状態(SOP:State of Polarization)の時間変化が観測される。フェンス等に光ファイバを張り付け、この光ファイバにプローブ光を入力し、出力されるプローブ光の偏光状態の時間変化を観察すれば、フェンス等の振動を検知できる(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1に開示されている光ファイバセンサでは、単一偏光状態の入力光を光ファイバに入力し、出力光の偏光状態の時間変化を、偏光子を利用して検知している。この構成は安価である。しかし、侵入動作による出力光の偏光状態の変化は、振動によって変化する光ファイバの複屈折の固有軸に対する、入力光の偏光方向の角度に依存する。このため、単純に単一偏光状態の入力光を用いると、感度が安定しないばかりか、再現性に乏しい。
これに対し、時間変化する複屈折性の固有ベクトル及び固有値を解析する技術が提案されている(例えば、非特許文献1参照)。この固有ベクトルは、Differential Angular Velocity(DAV)ベクトル又はDifferential Angular Frequency(DAF)ベクトルと呼ばれる、ストークス空間内のベクトルである。この固有ベクトルの長さは、あらゆる入力光の偏光状態を想定したときの、出力光の偏光状態の時間回転率の最大値と常に一致する。
特開2008-203239
しかしながら、非特許文献1に開示されている技術では、高価な偏光計を用いてストークスベクトルを測定する必要がある。
この発明は、上述の問題点に鑑みてなされたものである。
この発明の目的は、高価な偏光計を用いずに、安価な構成で感度の良い振動検知を実現する振動検知光ファイバセンサ及び振動検知方法を提供することにある。
上述の目的を達成するため、この発明の振動検知光ファイバセンサは、光源部と、光ファイバと、偏光状態計測部とを備えて構成される。
光源部は、周期的に第1~第N(Nは2以上の整数)の偏光状態をとるプローブ光を生成する。光ファイバは、一端側から入力されたプローブ光を伝播させ、他端側から出力光として出力する。偏光状態計測部は、偏光子を介して出力光を光検出器で受光する。
また、この発明の振動検知光ファイバセンサの他の好適実施形態によれば、光源部と、光ファイバと、偏光状態計測部とを備えて構成される。
光源部は、周期的に第1~第N(Nは2以上の整数)の偏光状態をとる光パルス列をプローブ光として生成する。光ファイバは、プローブ光が入力され、プローブ光が当該光ファイバで反射された反射光を出力光として出力する。偏光状態計測部は、偏光子を介して出力光を光検出器で受光する。
上述した振動検知光ファイバセンサの実施にあたり、好ましくは、偏光状態計測部が、演算器を備える。演算器は、入力光の偏光状態が切り替わる周期で、光検出器の出力を分離し、第1~第Nの偏光状態のそれぞれについて、出力光の偏光状態の変化量を取得し、第1~第Nの偏光状態のなかで、出力光の偏光状態の最も大きい変化量を用いて、振動の検知を行う。
また、この発明の振動検知方法は、以下の過程を備えて構成される。先ず、周期的に第1~第N(Nは2以上の整数)の偏光状態をとるプローブ光を生成する。次に、プローブ光を光ファイバの一端側から入力して、光ファイバを伝播させ、光ファイバの他端側から出力光として出力させる。次に、偏光子を介して出力光を光検出器で受光する。
また、この発明の振動検知方法の他の好適実施形態によれば、以下の過程を備えて構成される。先ず、周期的に第1~第N(Nは2以上の整数)の偏光状態をとる光パルス列をプローブ光として生成する。次に、プローブ光を光ファイバに入力して、プローブ光が光ファイバで反射された反射光を出力光として出力させる。次に、偏光子を介して出力光を光検出器で受光する。
上述した振動検知方法の実施にあたり、好ましくは、さらに、以下の過程を備えて構成される。入力光の偏光状態が切り替わる周期で、光検出器の出力を分離し、第1~第Nの偏光状態のそれぞれについて、出力光の偏光状態の変化量を取得する。その後、第1~第Nの偏光状態のなかで、出力光の偏光状態の最も大きい変化量を用いて、振動の検知を行う。
この発明の振動検知光ファイバセンサ及び振動検知方法では、プローブ光の偏光状態が周期的に切り替わる。このため、単一の偏光状態に比べて、高価な偏光計を用いずに、安価な構成で感度の良い振動検知を実現できる。
第1振動検知光ファイバセンサの概略的構成を示すブロック図である。 偏波スイッチ光を説明するための模式図である。 感度を説明するための模式図である。 第2振動検知光ファイバセンサの概略的構成を示すブロック図である。 第2振動検知光ファイバセンサの効果を説明するための概念図である。
以下、図を参照して、この発明の実施の形態について説明するが、各構成要素の形状、大きさ及び配置関係については、この発明が理解できる程度に概略的に示したものに過ぎず、また、単なる好適例に過ぎない。従って、この発明は以下の実施の形態に限定されるものではなく、この発明の構成の範囲を逸脱せずにこの発明の効果を達成できる多くの変更又は変形を行うことができる。
また、明細書における説明においてベクトル量を扱うが、ベクトル量を表す文字の上に付する右向き矢印は、混乱が生じない範囲で省略することがある。
(第1実施形態の構成)
図1を参照して、この発明の第1実施形態に係る振動検知光ファイバセンサ(以下、第1振動検知光ファイバセンサとも称する。)について説明する。図1は、第1振動検知光ファイバセンサの概略的構成を示すブロック図である。この振動検知光ファイバセンサは、光源部10、光ファイバ20、及び、偏光状態計測部30を備えて構成される。
光源部10は、偏光状態が、時間経過とともに切り替わるプローブ光を生成する。光源部10は、例えば、レーザ光源12、偏波スイッチ14及び関数発生器16を備えて構成される。
レーザ光源12は、通信波長帯の連続光として、レーザ光を生成する。レーザ光の波長は、任意で良いが、光ファイバで低損失の1550nmにするのが良い。レーザ光源12で生成されたレーザ光は、偏波スイッチ14に送られる。
偏波スイッチ14は、関数発生器16で生成された制御信号に応じて、レーザ光の偏光状態を切り替えて偏波スイッチ光を生成する。偏波スイッチ14は、偏光状態を切り替える動作ができる任意好適なデバイスを用いることができるが、電気光学効果による、LiNbOの偏波スイッチが好適である。
関数発生器16は、偏波スイッチ14に送られる制御信号を生成する。制御信号が第1~第N(Nは2以上の整数)電圧であるとき、偏波スイッチ14は、偏波スイッチ光の偏光状態を、それぞれ第1~第N状態とする。制御信号の電圧を、第1電圧~第N電圧まで、一定時間ごとに順に切り替えることで、偏波スイッチ光の偏光状態は、時間経過とともに周期的に第1~第N状態に切り替わる。
図2を参照して、制御信号と偏波スイッチ光の関係を説明する。図2は、偏波スイッチ光を説明するための模式図である。図2(A)及び(B)は、Nが2の場合を示し、図2(C)及び(D)はNが3の場合を示している。また、図2(A)及び(C)は、横軸に時間tを取り、縦軸に電圧を取って、制御信号を示し、図2(B)及び(D)は、偏波スイッチ光の偏光状態を示している。
例えば、制御信号を、電圧が0の第1電圧(図2(A)中、Iで示す。)と、電圧が(1/2)Vπの第2電圧(図2(A)中、IIで示す。)を交互に繰り返す矩形波にすると、偏波スイッチ光の偏光状態は、互いに直交する第1状態(図2(B)中、Iで示す。)と第2状態(図2(B)中、IIで示す。)に時間的に切り替わる。すなわち、2値の偏波スイッチ光が生成される。
また、例えば、制御信号を、電圧が0の第1電圧(図2(C)中、Iで示す。)と、電圧が(2/3)Vπの第2電圧(図2(C)中、IIで示す。)、及び、電圧が(4/3)Vπの第3電圧(図2(C)中、IIIで示す。)を順に繰り返す構成にすると、偏波スイッチ光の偏光状態は、互いに60度異なる、第1状態(図2(D)中、Iで示す。)、第2状態(図2(D)中、IIで示す。)、及び、第3状態(図2(D)中、IIIで示す。)に時間的に切り替わる。すなわち、3値の偏波スイッチ光が生成される。
偏波スイッチ光は、光源部10からプローブ光として出力され、光ファイバ20に入力される。
光ファイバ20は、低偏波モード分散(PMD:Polarization Mode Dispersion)ファイバが望ましい。低PMDファイバとして、複屈折性の波長依存性を抑えた、PMD係数が0.01ps/(km)1/2程度の単一モード光ファイバが市販されている。
光ファイバ20の一端20a側に入力されたプローブ光は、光ファイバ20を伝播する。光ファイバ20に異常な振動が加わると、光ファイバ20を伝播するプローブ光の偏光状態が変化する。光ファイバ20を伝播したプローブ光は、光ファイバ20の他端20b側から、出力光として出力され、偏光状態計測部30に送られる。
偏光状態計測部30は、偏光子32、光検出器34、アナログ-ディジタル(A/D)変換器36及び演算器38を備えて構成される。光ファイバ20から偏光状態計測部30に入力された出力光は、偏光子32を経て、光検出器34に送られる。光検出器34は、入力された光を電気信号に光電変換する。光検出器34は、いわゆる受光素子で構成することができる。
A/D変換器36は、この電気信号をディジタル信号に変換する。ここで、A/D変換器36の標本化周波数は、関数発生器16で発生する制御信号に対して、標本化定理を満たす周波数であればよい。標本化定理とは、アナログ信号をディジタル信号へと変換する際に、どの程度の間隔で標本化(サンプリング)すればよいかを定量的に示す定理である。
A/D変換器36で変換されたディジタル信号は、演算器38に送られる。
演算器38は、ディジタル信号を用いて、異常な振動の有無を検知する。演算器38は、偏波状態が切り替わる周期でディジタル信号を分離する。これは、異なる偏光状態の入力光に対してそれぞれ観測することに対応する。異常な振動の検知は、異なる偏光状態の入力光に対してディジタル信号が示す信号強度が最も大きいものを利用する。また、異常な振動が検知された場合に、演算器38は、振動の位置を特定する。演算器38としては、例えば、異常な振動の有無の検知及び振動の位置の特定を行うソフトウエアがインストールされた市販のパーソナルコンピュータ(PC)を利用できる。
ここで、光ファイバ20からの出力光の偏光状態の時間発展は、以下の式(1)で与えられる(例えば、非特許文献1参照)。
Figure 0007059689000001
ここで、sout(t)は、光ファイバ20へ入力される任意の光波に対して、時刻tにおいてこの光ファイバ20から出力される出力光の偏光状態を表す3行1列のストークスベクトルである。また、tは光ファイバ20の出力端において定義される時刻である。
角速度ベクトルωは、複屈折の時間変化を反映する光ファイバ固有の特性であり、微小な時間幅dt内でストークスベクトルsout(t)に、角速度ベクトルωの向きを中心とする回転を与える、3行1列の実ベクトルである。一方、光ファイバ20から出力される光波の偏光状態sout(t)は、光ファイバ20に入力される光波の偏光状態に依存する。この偏光状態を表すストークスベクトルの先端は、光ファイバ20への入力光の偏光状態に依存してポアンカレ球面上のあらゆる点を通り得る。
上記式(1)から明らかなように、出力光の偏光状態の時間変化は、複屈折の時間変化を反映する角速度ベクトルωと、光ファイバ20から出力される出力光の偏光状態を表すストークスベクトルsout(t)が直交するときに最大となる。また、これらのベクトルが平行な場合は、光ファイバ20が振動しても、出力光の偏光状態の時間変化が観測されない。
この振動検知光ファイバセンサでは、プローブ光に偏波スイッチ光を利用し、複数の偏光状態の入力光に対する、出力光の偏光状態の時間変化を、偏光子を介して検知する。
ここで、光ファイバの偏波変換過程は、ユニタリ変換によって記述できる。このため、偏波スイッチ光の複数の偏光状態間の相対的な角度の関係は、出力光においても不変である。例えば、プローブ光が2値の偏波スイッチ光の場合は、出力光の偏光状態は、互いに直交する2つの状態が時間経過とともに切り替わり、プローブ光が3値の偏波スイッチ光の場合は、出力光の偏光状態は、互いに60°異なる3つの状態が時間経過とともに切り替わる。
図3(A)は、ωと、sout(t)がなす角度αに対して発生する偏波状態を表すストークスベクトルの時間回転率を表す図である。図3(A)では、横軸に角度αを取って示し、縦軸に、時間回転率の大きさを1に正規化して示している。また、図3(B)は、ω、sout(t)及びαの関係を示す模式図である。
ωと、sout(t)が直交する場合、すなわち、α=(1/2)π又は(3/2)πの場合、上記の式(1)により、出力光の偏光状態は最も大きく変化し、感度は最大となる。一方、ωと、sout(t)が平行な場合、すなわち、α=0、π又は2πの場合、複屈折性が変化していても、上記の式(1)により、出力光の偏光状態は変化しない。このため、偏光子32を介して測定する光強度も変化しない。この場合の感度は、最大感度の0%となる。
これに対し、プローブ光として、2値の偏波スイッチ光を利用した場合、一方の偏光状態がωと平行となって、偏光状態が時間変化しない、すなわち、感度が最大感度の0%の場合であっても、他方の偏光状態がωと直交するので、偏光状態が大きく変化し、感度が最大感度となる。このように、プローブ光として、複数の偏光状態の偏波スイッチ光を用いて、それぞれに対して得られる出力光の偏光状態の時間変化から、最大の変化を採用することで、感度良く測定することができる。
プローブ光として2値の偏波スイッチ光を用いた場合、感度はα=(1/4)πの場合に最も悪くなる。しかし、この場合であっても、最大の感度の70%程度の感度が得られる。同様に、プローブ光として3値の偏波スイッチ光を用いた場合、感度はα=(1/3)πの場合に最も悪くなる。しかし、この場合であっても、最大の感度の85%程度の感度が得られる。
なお、偏波スイッチ光が取りうる状態の数(多値数)Nが多いほど、感度の良い測定が可能になる。しかし、状態の数Nが多くなれば、測定時間が長くなる。従って、状態の数Nは、感度と測定時間を考慮して適切に定めるのが良い。
上記の式(1)で示したように、出力光の偏光状態の時間変化は、ωと、sout(t)が成す角度に依存する。ωは、ランダムであるので、単一偏光状態の入力光に対しては、感度が不安定なばかりか、最悪の場合変化が観測されない。
しかしながら、第1振動検知光ファイバセンサでは、時間経過とともに異なる偏光状態を示す偏波スイッチ光をプローブ光として利用することで、高価な偏光計を用いることなく、2値の偏波スイッチ光の利用で最高感度の70%程度、3値の偏波スイッチ光の利用で最高感度の85%程度の感度が得られる。
(第2実施形態の構成)
図4を参照して、この発明の第2実施形態に係る振動検知光ファイバセンサ(以下、第2振動検知光ファイバセンサとも称する。)について説明する。図4は、第2振動検知光ファイバセンサの概略的構成を示すブロック図である。この振動検知光ファイバセンサは、光源部11、光ファイバ20、光サーキュレータ40、及び、偏光状態計測部30を備えて構成される。第2振動検知光ファイバセンサは、偏光時間領域反射率測定法(POTDR:Polarization Optical Time Domain Reflectometry)を利用している。すなわち、第2振動検知光ファイバセンサは、偏光状態を利用した時間領域反射率測定法(OTDR)を利用している。
光源部11は、短パルス光であり、時間的に隣接するパルス間の偏光状態が異なるプローブ光を生成する。光源部11は、例えば、レーザ光源12、偏波スイッチ14、強度変調器18及び関数発生器16を備えて構成される。レーザ光源12及び偏波スイッチ14は、第1振動検知光ファイバセンサと同様に構成される。
関数発生器16は、偏波スイッチ14に送られる制御信号とともに、強度変調器18に送られるパルス生成信号を生成する。制御信号は、第1振動検知光ファイバセンサと同様であるので、重複する説明を省略することもある。
パルス生成信号は、短パルスの電気信号である。ここで、短パルス光のパルス幅は空間分解能を決定し、繰り返し周波数は測定距離を決定する。プローブ光には、光ファイバでの伝搬に伴って、1mあたりおよそ5nsの伝搬遅延が発生する。反射光には、プローブ光が入力されてから反射するまでの時間と、反射してから反射光が出力されるまでの時間がかかるので、1mあたり往復で10nsの遅延が発生する。例えば、測定距離を10km、空間分解能を10mにする場合、パルス幅は100ns、繰り返し周波数は10kHzと設定できる。
関数発生器16が生成する、制御信号とパルス生成信号は、同期するように生成される。制御信号の周波数は、パルス生成信号の周波数の1/Nに設定される。例えば、偏波スイッチが2値の偏波スイッチ光を生成する場合は、制御信号の周波数は、パルス生成信号の1/2の周波数とする。
レーザ光源12は、レーザ光を生成する。レーザ光源12で生成されたレーザ光は、偏波スイッチ14に送られる。
偏波スイッチ14は、関数発生器16で発生した制御信号に応じて、レーザ光の偏光状態を切り替えて偏波スイッチ光を生成する。偏波スイッチ光は、強度変調器18に送られる。
強度変調器18は、関数発生器16で発生したパルス生成信号に応じて、偏波スイッチ光を強度変調して、偏波スイッチ光パルスを生成する。偏波スイッチ光パルスは、光源部11からプローブ光として出力され、光サーキュレータ40を経て、光ファイバ20に入力される。
光ファイバ20に入力されたプローブ光は、光ファイバ20を伝播し、プローブ光の一部は、光ファイバ20で反射される。この反射光が出力光として、光サーキュレータ40を経て偏光状態計測部30に送られる。
偏光状態計測部30は、第1振動検知光ファイバセンサと同様に、偏光子32、光検出器34、アナログ-ディジタル(A/D)変換器36及び演算器38を備えて構成される。光ファイバ20から偏光状態計測部30に入力された出力光は、偏光子32を経て、光検出器34に送られる。光検出器34は、入力された光を電気信号に光電変換する。
A/D変換器36は、この電気信号をディジタル信号に変換する。A/D変換器36で変換されたディジタル信号は、演算器38に送られる。
演算器38は、ディジタル信号を用いて、異常な振動の有無を検知する。演算器38は、偏波状態が切り替わる周期で、ディジタル信号を分離する。これは、異なる偏光状態の入力光に対してそれぞれ観測することに対応する。異常な振動の検知は、異なる偏光状態の入力光に対して、測定された波形を減算するなどして、波形変化が最も大きいものを利用する。また、異常な振動が検知された場合に、演算器38は、振動の位置を特定する。演算器38としては、例えば、異常な振動の有無の検知及び振動の位置の特定を行うソフトウエアがインストールされた市販のパーソナルコンピュータ(PC)を利用できる。
図5を参照して、第2振動検知光ファイバセンサの効果を説明する。図5は、第2振動検知光ファイバセンサにおいて、2値の偏波スイッチ光を用いたときの効果を説明するための概念図である。図5では横軸に距離(m)を取って示し、縦軸に振動の程度(例えば、信号強度)を取って示している。ここでは、測定距離を4.2kmとし、3km地点(図中、Iで示す。)で振動を加えている。プローブ光を単一偏光状態とした場合を、曲線IIで示し、プローブ光として2値の偏波スイッチ光パルスを用いた場合を、曲線IIIで示している。
単一偏光状態のプローブ光を用いた場合(II)、振動による変化を示す信号強度が小さく、十分な感度で検知できない場合がある。これに対し、プローブ光として2値の偏波スイッチ光パルスを用いると(III)、振動による変化をより確実に検知できる。
第2振動検知光ファイバセンサでは、時間経過とともに異なる偏光状態を示す偏波スイッチ光パルスをプローブ光として利用している。このため、第1振動検知光ファイバセンサと同様に、POTDRにおいても、高価な偏光計を用いることなく、2値の偏波スイッチ光の利用で最高感度の70%程度、3値の偏波スイッチ光の利用で最高感度の85%程度の感度が得られる。
なお、図5では、偏光計を偏光子として用いている。偏光計の帯域が10MHz程度であるため、強度変化の位置が十分な分解能で得られていない。
特に、POTDRで高空間分解能を得るためには、GHz程度の高周波数帯域での測定が必要になる。容易に入手可能な偏光計は、10MHz程度の帯域であるため、非特許文献1に開示されている技術では、高空間分解能の実現は容易ではない。一方、第2振動検知光ファイバセンサでは、50GHz以上の高帯域が容易に得られる光検出器を用いているので、高空間分解能が期待される。
10、11 光源部
12 レーザ光源
14 偏波スイッチ
16 関数発生器
18 強度変調器
20 光ファイバ
30 偏光状態計測部
32 偏光子
34 光検出器(PD)
36 A/D変換器
38 演算器
40 光サーキュレータ

Claims (4)

  1. 周期的に第1~第N(Nは2以上の整数)の偏光状態をとるプローブ光を生成する光源部と、
    一端側から入力された前記プローブ光を伝播させ、他端側から出力光として出力する光ファイバと、
    偏光子を介して前記出力光を光検出器で受光する偏光状態計測部と
    を備え
    前記偏光状態計測部は、
    入力光の偏光状態が切り替わる周期で、前記光検出器の出力を分離し、第1~第Nの偏光状態のそれぞれについて、出力光の偏光状態の変化量を取得し、
    第1~第Nの偏光状態のなかで、出力光の偏光状態の最も大きい変化量を用いて、振動の検知を行う演算器
    を備えることを特徴とする振動検知光ファイバセンサ。
  2. 周期的に第1~第N(Nは2以上の整数)の偏光状態をとる光パルス列をプローブ光として生成する光源部と、
    前記プローブ光が入力される光ファイバであって、前記プローブ光が該光ファイバで反射された反射光を出力光として出力する当該光ファイバと、
    偏光子を介して前記出力光を光検出器で受光する偏光状態計測部と
    を備え、
    前記偏光状態計測部は、
    入力光の偏光状態が切り替わる周期で、前記光検出器の出力を分離し、第1~第Nの偏光状態のそれぞれについて、出力光の偏光状態の変化量を取得し、
    第1~第Nの偏光状態のなかで、出力光の偏光状態の最も大きい変化量を用いて、振動の検知を行う演算器
    を備えることを特徴とする振動検知光ファイバセンサ。
  3. 周期的に第1~第N(Nは2以上の整数)の偏光状態をとるプローブ光を生成する過程と、
    前記プローブ光を光ファイバの一端側から入力して、前記光ファイバを伝播させ、前記光ファイバの他端側から出力光として出力させる過程と、
    偏光子を介して前記出力光を光検出器で受光する過程と
    を備え
    さらに、
    入力光の偏光状態が切り替わる周期で、前記光検出器の出力を分離し、第1~第Nの偏光状態のそれぞれについて、出力光の偏光状態の変化量を取得する過程と、
    第1~第Nの偏光状態のなかで、出力光の偏光状態の最も大きい変化量を用いて、振動の検知を行う過程と
    を備えることを特徴とする振動検知方法。
  4. 周期的に第1~第N(Nは2以上の整数)の偏光状態をとる光パルス列をプローブ光として生成する過程と、
    前記プローブ光を光ファイバに入力して、前記プローブ光が前記光ファイバで反射された反射光を出力光として出力させる過程と、
    偏光子を介して前記出力光を光検出器で受光する過程と
    を備え
    さらに、
    入力光の偏光状態が切り替わる周期で、前記光検出器の出力を分離し、第1~第Nの偏光状態のそれぞれについて、出力光の偏光状態の変化量を取得する過程と、
    第1~第Nの偏光状態のなかで、出力光の偏光状態の最も大きい変化量を用いて、振動の検知を行う過程と
    を備えることを特徴とする振動検知方法。
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