JP3985274B2 - コンクリート組成物及びコンクリート - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、コンクリート組成物およびコンクリートに関する。さらに詳しくは、本発明は、スランプロス防止性にすぐれ、強度が高く、フライアッシュを含有するコンクリート組成物およびそのコンクリートに関する。
【0002】
【従来の技術】
コンクリートは、強度が高い、造形が自由である、耐火性、耐腐蝕性にすぐれている等の特徴のほか、大量生産ができ、安価で使いやすい、使用法が容易である等の商品として多くのすぐれた特徴をもっているため、現在のところこれにまさる建設資材はなく、大量に使用されている。
近年、コンクリート構造物の高層化、大型化に伴い、コンクリートに対する高強度化の要望がたかまっている。コンクリートの高強度化のためには、コンクリート組成物中のセメント等の水硬性成分の増加、水分の減少等が必要であるが、コンクリート組成物を混練したあとの粘性が高まるため、減水剤等の添加剤が必要となっている。 そのため、水の配合量の少ない減水剤が望まれている。さらに、高流動化コンクリートの開発が進められるとともに、減水剤に対する要求性能はさらに高いものとなっている。
減水剤としては、ナフタレンスルホン酸ホルムアルデヒド縮合物塩、メラミンスルホン酸ホルムアルデヒド縮合物塩、リグニンスルホン酸塩、ポリカルボン酸系化合物等が用いられている。ナフタレンスルホン酸ホルムアルデヒド縮合物塩及びメラミンスルホン酸ホルムアルデヒド縮合物塩はスランプロスが大きく、また、減水性も十分とは言えない。リグニンスルホン酸塩は減水性が不十分である。そのため、ポリカルボン酸系の減水剤を使用する場合が多くなってきている。
【0003】
通常、コンクリ−ト組成物1m3中には、成分(A)のセメントは200〜600kg、成分(B)の水は100〜185kg、成分(C)の細骨材は400〜1200kg、成分(D)の粗骨材は400〜1200kgが主成分として含まれている。
産業廃棄物の再利用の一つとして、石炭火力発電所等から発生するフライアッシュを、これらのコンクリート組成物の一部として使用している。(例えば技法堂出版、岡村、前田、小澤著「ハイパーフォマンスコンクリート」50〜65頁1993年)
しかしその使用量は、発生するフライアッシュのごく一部であり、さらに多くの使用が望まれている。
また、フライアッシュ中には、活性化された炭素が含まれるために、通常の減水剤などの混和剤の効果を低下させることがある。フライアッシュをコンクリート組成物の一部として使用した場合、上記のポリカルボン酸系の減水剤を使用した場合においても、スランプロスが大きくなるという欠点があり、これがフライアッシュの利用が十分に行われていない原因の一つとなっている。そのため、フライアッシュを多量に配合してもスランプロスが大きくならず、かつ高強度を保持するコンクリート組成物が求められている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、フライアッシュを多く含み、スランプロスが少ないコンクリート組成物およびそれを硬化してなる高強度のコンクリートの提供を目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記の課題を解決するために鋭意検討を行った結果、フライアッシュと、特定のポリオキシアルキレン誘導体と無水マレイン酸とを特定の方法で共重合した共重合物と特定のポリオキシアルキレン誘導体との反応生成物とを含んだコンクリート組成物が、スランプロスが少く、かつ高強度のコンクリートを与えることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、
(1)(A)セメント、(B)水、(C)細骨材および(D)粗骨材を主成分とするコンクリート組成物において、
コンクリート組成物1m3中に、
(E)フライアッシュ50〜300kgおよび、
(F)下記の一般式(1)、
R1O(A1O)nR2 (1)
(ただし、R1は炭素数2〜5のアルケニル基、A1Oは炭素数2〜4のオキシアルキレン基、n=5〜300、R2は炭素数1〜8の炭化水素基を表わす。またオキシアルキレン基の50モル%以上はオキシエチレン基である。)
で示されるポリオキシアルキレン誘導体と無水マレイン酸との共重体と
下記の一般式(2)、
R3O(A2O)mH (2)
(ただし、R3は炭素数1〜8の炭化水素基、A2O は炭素数2〜4のオキシアルキレン基、m=1〜200を表わす。)
で示されるポリオキシアルキレン誘導体とを共重合物中の無水マレイン酸残基数と一般式(2)のポリオキシアルキレン誘導体中の水酸基数の比が1:1.5〜1:0.1でエステル化した反応生成物またはその塩からなる添加剤0.1kg〜10kg、
を含有することを特徴とするコンクリート組成物である。
(2)前記のコンクリート組成物を硬化してなるコンクリートである。
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明のコンクリート組成物は、まだ固まらないコンクリートであり、JISA1138「試験室におけるコンクリートの作り方」に準じて配合することができ、JIS A1112「まだ固まらないコンクリートの洗い分析試験方法」にしたがって分析することができる性状のものである。
【0007】
本発明のコンクリ−ト組成物1m3中には、
成分(A)のセメントは200〜500kg、成分(B)の水は100〜185kg、成分(C)の細骨材は400〜1200kg、成分(D)の粗骨材は400〜1200kgが主成分として含まれる。
本発明で使用する成分(A)のセメントとしては、ポルトランドセメントを挙げることができるが、さらに、ポルトランドセメントに高炉スラグ、石灰石粉末、シリカ粉末、シリカフューム等を混合した組成物も、使用することができる。
本発明の組成物においては、コンクリート組成物1m3中にセメント200〜500kgが配合される。コンクリート組成物1m3中のセメントの量が200kg未満であると、硬化後のコンクリートの強度が不十分となる。コンクリート組成物1m3中のセメントの量が500kgを超えると、セメントの硬化に伴う発熱が多くなり、乾燥収縮が大きくなって、ひび割れが発生しやすくなる。
【0008】
本発明の組成物において成分(B)の水は、コンクリート組成物1m3中に100〜185kgが配合される。コンクリート組成物1m3中の水の量が100kg未満であると、コンクリートの練混ぜが困難であったり、フローが低下したりするおそれがある。コンクリート組成物1m3中の水の量が185kgを超えると、コンクリートの強度が不十分となる。
本発明において、コンクリート組成物中の水の量は特に重要であるので、配合する細骨材や粗骨材が表面乾燥飽水状態にない場合は、その含有水量を定量し、実際に配合する水の量に補正を加えなければならない。
【0009】
本発明において使用される成分(C)の細骨材は、JIS A0203に規定される10mm網ふるいを全部通り、5mm網ふるいを質量で85%以上通る骨材であり、このような骨材には、川砂、陸砂、山砂、海砂、砕砂等がある。本発明の組成物においては、コンクリート1m3中に細骨材400〜1200kgが配合される。コンクリート組成物1m3中の細骨材の量が400kg未満であると、粗骨材が分離しやすくなり、運搬、打ち込み、締め固め、仕上げなどの作業性が低下する。コンクリート組成物1m3中の細骨材の量が1200kgを超えると、作業性が再び阻害される。
【0010】
本発明において使用される成分(D)の粗骨材は、JIS A0203に規定される5mm網ふるいに質量で85%以上留まる骨材であり、このような骨材には、川砂利、陸砂利、山砂利、砕石等がある。本発明の組成物においては、コンクリート組成物1m3中に粗骨材400〜1200kgが配合される。コンクリート組成物1m3中の粗骨材の量が400kg未満であると、コンクリートの強度が低下するおそれがある。コンクリート組成物1m3中の粗骨材の量が1200kgを超えると、ワーカビリティーが阻害される。
本発明の組成物において、細骨材及び粗骨材の重量は、表面乾燥飽水状態における重量である。コンクリート組成物に配合する細骨材及び粗骨材の種類及び量は、経済性、硬化時の発熱、乾燥収縮、骨材分離等の適度なバランスを考慮して選定することが必要である。
【0011】
本発明の組成物に使用する成分(E)のフライアッシュは、火力発電所等で微粉炭燃焼ボイラの煙道ガス等から集塵器で採取するフライアッシュ等を全般的に含むものである。通常、フライアッシュのブレーン値(比表面積)は、2500〜10000cm2/gであり、本発明の使用の際には適宜選択して用いることができる。
本発明の組成物においては、コンクリート組成物1m3中にフライアッシュ50〜300kgが配合される。コンクリート組成物1m3中のフライアッシュの量が50kg未満であると、本発明の目的に合わないし、ワーカビリティーが低下する。コンクリート組成物1m3中のフライアッシュの量が300kgを超えると、コンクリートの初期強度が不十分となる。
【0012】
一般式(1)において、R1は炭素数2〜5のアルケニル基であり、このようなアルケニル基としては、例えば、ビニル基、アリル基、メタリル基、3−ブテニル基、4−ペンテニル基、3−メチル−3−ブテニル基等を挙げることができる。R1で示されるアルケニル基の炭素数が5を超えると、得られる共重合物の親水性が十分でなくなる。
【0013】
一般式(1)において、R2は炭素数1〜8の炭化水素基であり、このような炭化水素基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、アミル基、イソアミル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基などの飽和炭化水素基;シクロヘキシル基、フェニル基、ベンジル基、トリル基、フェネチル基などの環状炭化水素基等を挙げることができる。R2で示される炭化水素基の炭素数が8を超えると、得られる共重合体の親水性が十分でなくなる。
【0014】
一般式(1)において、A1Oは炭素数2〜4のオキシアルキレン基であり、このようなオキシアルキレン基としては、例えば、オキシエチレン基、オキシプロピレン基、オキシブチレン基、オキシテトラメチレン基等を挙げることができる。A1Oで示されるオキシアルキレン基がオキシメチレン基である場合は、一般式(1)で示される化合物が不安定である上に、分解によって有害なホルムアルデヒドを発生する。A1Oで示されるオキシアルキレン基の炭素数が4を超えると、一般式(1)で示される化合物の親水性が十分でなくなる。本発明の組成物に用いられる一般式(1)で示される化合物においては、オキシアルキレン基の50モル%以上がオキシエチレン基である。オキシアルキレン基中のオキシエチレン基が50モル%未満であると、水溶性が不十分となり、減水剤としての性能が劣る。
一般式(1)において、nの値は5〜300である。nの値が5未満であると、凝結遅延が大きくなり、nの値が300を超えると粘性が高くなり製造が困難となる。
【0015】
一般式(1)で示されるポリオキシアルキレン誘導体と無水マレイン酸との共重合物は、一般式(1)のポリオキシアルキレン誘導体と無水マレイン酸とを、過酸化物系開始剤、アゾ系開始剤等を用いて、公知の方法によって共重合することにより、容易に得ることができる。その際、ベンゼン、トルエン、キシレン等の溶剤を用いることができる。
さらに、共重合の際、スチレン、酢酸ビニル等の他の共重合可能な単量体を添加して得た共重合物も、本発明の組成物に使用することができる。
【0016】
一般式(1)で示されるポリオキシアルキレン誘導体と無水マレイン酸との共重合の反応モル比は、3:7〜7:3が好ましく、特に約1:1であることが好ましい。
一般式(1)で示されるポリオキシアルキレン誘導体と無水マレイン酸との共重合の際に、系中の水分はポリオキシアルキレン誘導体と無水マレイン酸との合計量の1重量%以下とするのが好ましい。系中の水分がポリオキシアルキレン誘導体と無水マレイン酸との合計量の1重量%より多いと、反応性が劣り共重合物の分子量が大きくなりにくく、さらに共重合体と一般式(2)との反応性が悪くなる。
【0017】
一般式(2)において、R3は炭素数1〜8の炭化水素基であり、このような炭化水素基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、アミル基、イソアミル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基などの飽和炭化水素基;アリル基、ブテニル基、ペンテニル基などの不飽和炭化水素基;、シクロヘキシル基、フェニル基、ベンジル基、トリル基、フェネチル基などの環状炭化水素基等を挙げることができる。R3で示される炭化水素基の炭素数が8を超えると、一般式(1)で示される化合物の親水性が十分でなくなる。
一般式(2)において、A2O は炭素数2〜4のオキシアルキレン基であり、このようなオキシアルキレン基としては、前記A1Oで示した具体例と同じものを挙げることができる。
A2Oで示されるオキシアルキレン基の炭素数が4を超えると一般式(1)で示されるポリオキシアルキレン誘導体と無水マレイン酸との共重合物と一般式(2)で示されるポリオキシアルキレン誘導体との反応生成物である添加剤の起泡性が大きくなる。
一般式(2)において、mの値は1〜200である。mが200を超えると粘度が高くなり取り扱いにくくなる。
【0018】
一般式(1)で示されるポリオキシアルキレン誘導体と無水マレイン酸との共重合物と一般式(2)で示されるポリオキシアルキレン誘導体と一般式(2)との反応生成物は、一般式(1)で示されるポリオキシアルキレン誘導体と無水マレイン酸との共重合体と一般式(2)で示されるポリオキシアルキレン誘導体とを無触媒で加熱下で混合するか、触媒の存在下、常温または加熱下で混合することにより、容易に得ることができる。触媒としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、ナトリウムメチラート、アンモニア、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノイソプロパノールアミン、ジイソプロパノールアミン、トリイソプロパノールアミン等がある。
【0019】
一般式(1)で示されるポリオキシアルキレン誘導体と無水マレイン酸との共重合物と一般式(2)で示されるポリオキシアルキレン誘導体との反応生成物の塩としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等で中和することにより得られるアルカリ金属塩;水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム等で中和することにより得られるアルカリ土類金属塩;モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等で中和することにより得られるアミン塩;アンモニアで中和することにより得られるアンモニウム塩等を挙げることができる。
本発明の組成物においては、一般式(1)で示されるポリオキシアルキレン誘導体と無水マレイン酸との共重合物と一般式(2)で示されるポリオキシアルキレン誘導体との反応生成物またはその塩からなる添加剤が、コンクリート組成物1m3中に0.1〜10kg、好ましくは0.4〜5kg配合される。コンクリート組成物1m3中の該添加剤の配合量が0.1kg未満であると十分なスランプロス防止効果が得られない。コンクリート組成物1m3中の添加剤の配合量が10kgを超えても、配合量の増加に見合った効果の向上が得られない。
【0020】
本発明のコンクリート組成物には、本発明の組成物の性能を損なわない範囲において、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物塩、メラミンスルホン酸ホルムアルデヒド縮合物塩、ポリカルボン酸系化合物等の他の添加剤、あるいは他の消泡剤、空気連行剤、防錆剤、凝結促進剤、凝結遅延剤等を加えることができる。
【0021】
本発明のコンクリート組成物は、バッチミキサ、連続式ミキサなどの公知のミキサを用いて練混ぜることができるが、二軸強制練りミキサ、可傾式ミキサ等のバッチミキサを好適に使用することができる。
本発明のコンクリート組成物は、生コンクリート、二次製品用コンクリート等として使用することができる。
本発明のコンクリート組成物は、超硬練りコンクリート、高流動コンクリート等さまざまな流動性のコンクリート用として使用できるが、特にスランプフロー40cm以上の高流動コンクリート用として優れている。
【0022】
【発明の効果】
本発明のコンクリート組成物は、フライアッシュを多量に配合しても、スランプロスが少なく、作業性が良好である。また、本発明の硬化したコンクリートは、圧縮強度が高いものである。
【0023】
【実施例】
以下に実施例をあげて本発明をさらに詳細に説明する。表中の数値は、細骨材、粗骨材の水分測定をして、補正した値で示した。
なお、スランプフロー及び圧縮強度は、次の方法により測定した。
(1)スランプフロー値:
JIS A1101に準じて、スランプコーンにコンクリートを詰めたのち、スランプコーンを静かに鉛直に引き上げ、コンクリートの流動が止まるまで静置する。その後、コンクリートの広がりの径を最大値と見られる所と、これと直角の方向の二カ所で測り、その平均値をスランプフロー値とする。なお、表中の記号(−)は、スランプフロー値が非常に悪いので途中で試験を中止したことを示す。
<スランプフロー値の測定条件>
表の各成分を強制練りミキサにとり、3分間練混ぜたのち取り出して混合直後、スランプフローを測定した。さらに可傾式ミキサに移し、毎分2回転で混合し、30分後、60分後、90分後のスランプフローを測定した。
(2)圧縮強度:
JIS A1108に従って成型後28日のコンクリートを測定した。
【0024】
実施例1
成分(A)としてポルトランドセメント315kg、成分(B)として水170kg、成分(C)として砂790kg、成分(D)として砂利894kgおよび成分(E)のフライアッシュ135kgおよび成分(F)として第2表の添加剤1の1.80kgを強制練りミキサーにとり3分間混合してコンクリート組成物を得た。
【0025】
実施例2〜20、比較例1〜14
実施例1と同様に、第1表に示した共重合物を原料として使用した第2表に示した本発明の(F)成分である添加剤1〜8または第3表に示した他の添加剤a〜dを用い、第4表−1、−2、第5表−1、−2に示す配合組成でコンクリート組成物を配合した。
前記のスランプフロー値の測定、圧縮強度の測定を行い、これらの結果を第4表−1、−2、第5表−1、−2に示した。
【0026】
【表1】
【0027】
【表2】
【0028】
【表3】
【0029】
【表4】
【0030】
【表5】
【0031】
【表6】
【0032】
【表7】
【0033】
以上の結果より、本発明のコンクリート組成物は、比較例のコンクリート組成物よりスランプロスが少なく、かつ十分な流動性を有し、また、硬化後のコンクリートは十分な及び圧縮強度を持つことが分かる。すなわち、本発明で使用する添加剤を用いた実施例1〜9、10〜18はスランプフロー値が高いのに比べ、一般式(1)とマレイン酸の共重合体のみで一般式(2)との反応物になっていない添加剤を用いた比較例1、6は、時間が経つとスランプフロー値が低くなり、また、一般式(1)の末端が水酸基である添加剤を用いた比較例2、7は、時間が経つとよりスランプフロー値が低くなる。
さらに、従来技術であるポリカルボン酸系の化合物を添加剤として用いた比較例3、8およびナフタレンスルホン酸ホルムアルデヒド縮合物ナトリウム塩を添加剤として用いた比較例4、9もスランプフロー値が低くなる。さらに、添加剤を用いない比較例5、10は、スランプフロー値が低く、途中で流動性がなくなることが分かる。
Claims (2)
- (A)セメント、(B)水、(C)細骨材および(D)粗骨材を主成分とするコンクリート組成物において、
コンクリート組成物1m3中に、
(E)フライアッシュ50〜300kgおよび、
(F)下記の一般式(1)、
R1O(A1O)nR2 (1)
(ただし、R1は炭素数2〜5のアルケニル基、A1Oは炭素数2〜4のオキシアルキレン基、n=5〜300、R2は炭素数1〜8の炭化水素基を表わす。またオキシアルキレン基の50モル%以上はオキシエチレン基である。)
で示されるポリオキシアルキレン誘導体と無水マレイン酸との共重体と
下記の一般式(2)、
R3O(A2O)mH (2)
(ただし、R3は炭素数1〜8の炭化水素基、A2O は炭素数2〜4のオキシアルキレン基、m=1〜200を表わす。)
で示されるポリオキシアルキレン誘導体とを共重合物中の無水マレイン酸残基数と一般式(2)のポリオキシアルキレン誘導体中の水酸基数の比が1:1.5〜1:0.1でエステル化した反応生成物またはその塩からなる添加剤0.1kg〜10kg、
を含有することを特徴とするコンクリート組成物。 - 請求項1のコンクリート組成物を硬化してなるコンクリート。
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1996
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