JP3985072B2 - 液面レベルスイッチ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、液相と気相とにおいて熱放散定数が異なることを利用した測温抵抗体を用いる液面レベルスイッチに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の液面レベルスイッチは、図4に示す特開平7−63592号公報等で知られたものである。すなわち、液体を収容する容器11のフランジ部11aには、先端が閉じた2個の保護管12,13を備えたステンレス製蓋14が、金属製パッキン15を介して気密に取付けられる。保護管12,13の先端には測温センサ16,17が挿入あるいは封入され、液面の検出したい高さとなる基準位置Lに設定されている。センサとして、例えば、薄膜白金測温抵抗体を用いる。センサから外部回路に接続するリード線18が連接されている。
【0003】
前記液面レベルスイッチは、液相と気相とでは熱放散定数が異なることを利用して液面を検出するもので、液面の検出手段として測温抵抗体を用いている。この測温抵抗体を通電加熱させると、測温抵抗体が周囲の温度よりも高温になり、放熱が加熱を相殺するような温度になって平衡する。平衡する温度は、測温抵抗体がおかれている周囲環境により支配され、液相中では熱放散定数が大きいから測温抵抗体の温度が低くなり、気相中では熱放散定数が小さいから測温抵抗体の温度が高くなる。他方の測温抵抗体を、同じ位置に周囲温度を測定するために設け、この測温抵抗体の抵抗値と通電加熱させた測温抵抗体の抵抗値を比較すれば液面が測温抵抗体の上方にあるか、下方にあるかを判別することができる。
【0004】
液面レベルスイッチは機械的な可動部がなく、取付部の密閉構造が完全で、レベルスイッチを取り付ける容器への不純物の侵入がない、液面検出感度が高いなどの特徴がある。例えば半導体製造装置において、化学蒸着装置に反応ガスを供給する液体原料供給装置の容器や、冷却用冷媒供給装置の容器内の液面レベルを検出するのに用いられている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ここで液面レベルスイッチの液面検出感度を上げるには、図5に示すように、液面が下がって保護管12,13の先端レベル検出部19が液面から離れるときに、液20が保護管12,13の先端に残さないように、保護管12,13の先端レベル検出部20を円錐形状にし、液面レベルスイッチの液面からの離脱をすばやく行い、正確に液面レベルを検知する必要がある。
【0006】
ところが保護管の径が細いため、保護管の先端レベル検出部を密封するために電子ビーム溶接を行う場合、保護管先端レベル検出部を安定した円錐形状するのは困難であった。
【0007】
本発明は、保護管の先端レベル検出部を安定した円錐形状にすることにより、液面レベルスイッチの液面から離脱するときの液相、気相の状態を保護管の周りと液面を同じにし、正確なレベル検知をすることを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明は、測温抵抗体を挿入した複数の保護管からなる液面レベルスイッチにおいて、前記保護管を測温抵抗体の存する先端レベル検出部と容器の蓋に取付ける基幹部に分割し、前記保護管の先端レベル検出部と基幹部とを溶接するとともに前記先端レベル検出部を円錐形状になすものであり、好適には、前記保護管の先端レベル検出部をスエージング加工により円錐形状に成形し、さらに先端レベル検出部をプラズマ溶接により密閉にするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、測温抵抗体を挿入した複数の保護管からなり、前記保護管を測温抵抗体の存する先端レベル検出部と容器の蓋に取付ける基幹部に分割し、前記保護管の基幹部内径を前記先端レベル検出部外径よりも小さくし、更に前記先端レベル検出部は円錐形状に形成し、先端部をプラズマ溶接により密閉し、他端部を前記保護管の基幹部端部に挿入して接合部を溶接し、前記複数の保護管の基幹部を補強板の外縁に溶接した構成からなる液面レベルスイッチにおいて、前記補強板に円形凹部を形成し、該円形凹部の内径を前記基幹部の外径より大きくし、前記円形凹部に前記保護管を線接触させ、溶接できないデッドスペースがなくなるように前記円形凹部の外縁を溶接したことにより上記課題を解決する手段とする。
【0010】
【発明の実施の態様】
本発明の一実施例を図1に示し、これに従って説明する。保護管Pは、先端レベル検出部1と保護管基幹部2とからなる。先端レベル検出部1は、例えば長さ50mm、外径2.5φmm、肉厚0.25mmのステンレスパイプからなり、その先端レベル検出部は、スエージング加工で円錐形状に成形し、プラズマ溶接等の方法で密閉される。
【0011】
一方、保護管基幹部2は、例えば、長さ150mm、外径3.1φmm、肉厚0.5mmのステンレスパイプからなる。
【0012】
まず、保護管先端レベル検出部1と保護管基幹部2との溶接部3の外周を、図示しない固体レーザ発振媒体のYAG レーザ溶接により密閉する。溶接部は内径部を2.5mmφに加工する。保護管基幹部2の肉厚を増すことにより、振動の共振点を高くし、振動による保護管の損傷を防止することができる。この溶接は、一般にYAGレーザ溶接と称しており固体レーザ発振媒体の代表例である。
【0013】
次いで、保護管基幹部2にステンレス製蓋14を電子ビーム溶接により溶接する。その後、保護管基幹部2に、図4に示すリード線16を溶接した測温センサ16,17を挿入する。
【0014】
図2、図3は保護管Pを補強板5により支持する他の実施例を示す。保護管Pは、4本の先端レベル検出部1,……,1と4本の保護管基幹部2,……,2とからなる。保護管基幹部2と先端レベル検出部1とを溶接するのは先の実施例と同様である。
【0015】
補強板5には、保護管基幹部2,……,2を保持する円形凹部51,……,51を形成する。補強板5の円形凹部51,……,51の内径を保護管基幹部2,……,2の外径より大きくして円形凹部51,……,51の外縁6を溶接する。溶接部6では補強板5と4本の保護管基幹部2,……,2に線接触させるようにする。
【0016】
次いで、保護管基幹部2に、図4に示すステンレス製蓋14を電子ビーム溶接により溶接する。その後、保護管基幹部2に、リード線16を溶接した測温センサ14,15を挿入するのは、先の実施例と同様である。
【0017】
複数の保護管の間に補強板5を設けることにより保護管同士の接触を防止し、補強板5の円形凹部51,……,51の内径を保護管基幹部2,……,2の外径より大きくすることにより、溶接できないデットスペースがなくなり、その後、液面レベルスイッチの全表面を電解研磨等の方法により、例えば表面粗度をRmax0.5以下に容易に仕上げることができる。それにより、使用中のレベルスイッチの表面に熱絶縁物質の付着を防止することができ、熱絶縁物による測温抵抗体の熱放散定数が変動して液面検出の判定に誤差が生ずることを防止することができる。
【0018】
上記2つの実施例は液面検出を2位置で行う構成を説明したが、測温対抗体とその保護管の数を増加すれば3位置以上の液面検出も可能である。
【0019】
【発明の効果】
本発明は、液面レベルスイッチの保護管の先端レベル検出部をスエージング加工により円錐形状としたので、レベルスイッチの保護管の先端レベル検出部が液面から離脱するときに先端レベル検出部の液が滞留することがなく、液面離脱の検出感度を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の液面レベルスイッチの保護管接合部の構造を示す断面図である。
【図2】本発明の液面レベルスイッチの補強板接合部の構造を示す側面図である。
【図3】本発明の液面レベルスイッチの補強板接合部の構造を示す断面図である。
【図4】従来の液面レベルスイッチの構造を示す断面図である。
【図5】従来の液面レベルスイッチの先端レベル検出部を示す断面図である。
【符号の説明】
1 保護管先端レベル検出部
2 保護管基幹部
3 保護管溶接部
5 補強板
6 補強板溶接部
51 円形凹部
Claims (2)
- 測温抵抗体を挿入した複数の保護管からなり、前記保護管を測温抵抗体の存する先端レベル検出部と容器の蓋に取付ける基幹部に分割し、前記保護管の基幹部内径を前記先端レベル検出部外径よりも小さくし、更に前記先端レベル検出部は円錐形状に形成し、先端部をプラズマ溶接により密閉し、他端部を前記保護管の基幹部端部に挿入して接合部を溶接し、前記複数の保護管の基幹部を補強板の外縁に溶接した構成からなる液面レベルスイッチにおいて、前記補強板に円形凹部を形成し、該円形凹部の内径を前記基幹部の外径より大きくし、前記円形凹部に前記保護管を線接触させ、溶接できないデッドスペースがなくなるように前記円形凹部の外縁を溶接したことを特徴とする液面レベルスイッチ。
- 前記保護管の前記先端レベル検出部をスエージング形状に加工することからなる請求項1の液面レベルスイッチ。
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