JP3983873B2 - 酸化チタンの被着方法 - Google Patents

酸化チタンの被着方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
光触媒に係わる酸化チタンを被着体に被着する方法に関しており、特に、熱分解性粘着剤と融着剤とを含む粘着シートを被着体に被着した後に酸化チタン粉体層を設ける場合と、酸化チタン粉体が予め熱分解性粘着剤と融着剤とを含む粘着シートに混合されている場合と、熱分解性粘着剤と融着剤とを含む粘着シートと、酸化チタン粉体とバインダーとを含む酸化チタンコーティング層を貼り合わせて用いる場合との酸化チタンの被着方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
光触媒酸化チタンは紫外線によって活性化され、抗菌・防汚効果などを示す。この効果のため、光触媒酸化チタンは、タイルや外壁などに用いて、将来性のある高付加価値分野として期待されている。
【0003】
タイルや外壁などに抗菌・防汚効果をもたらすためにこの光触媒酸化チタンを用いるには、光触媒酸化チタン粉体を液体状の分散体として、被着体に塗布する方法が行われている。塗布方法としては、分散液を浸し掛け、流し掛け、吹き掛け、塗り掛けなどが挙げられる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、これらの方法はいわゆるウェット方法であるので、液だれ、塗布むら、曲面への塗布の困難さなどを生じる。このように、ウェット法による表面コーティングでは、作業環境が悪く、作業性が低いなどの問題点がある。
【0005】
また、光触媒酸化チタンは、有機物を光触媒作用により分解していしまう性質を有している。コーティングされる物(被着体)、結合剤等が有機物であると、これら自体が酸化チタンの光触媒作用により分解されてしまい、最終製品として利用しにくくなるという問題点もある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上述の問題を解決するためになされたものであり、酸化チタンを被着体に被着する方法として、粘着シートを被着体に被着した後にその上から酸化チタン粉体層を設けて被着体に被着する方法、酸化チタン含有粘着シートを用いて酸化チタンを被着体に被着する方法、および粘着シートと酸化チタンコーティング層を貼り合わせて用いて酸化チタンを被着体に被着する方法を提供する。
【0007】
すなわち、酸化チタンを被着体に被着する被着方法として、3通りの方法がある。
【0008】
第1の酸化チタンの被着方法は、
熱分解性粘着剤と融着剤とを含む粘着シートを被着体に被着する工程と、
粘着シートを被着した被着体の粘着シート上に酸化チタン粉体層を設ける工程と、
酸化チタン粉体層を設けた粘着シートを被着した被着体を焼成し、熱分解性粘着剤を熱分解させ、酸化チタンを融着剤で被着体に被着する工程と、
を具えている。
【0009】
さらに、前述の酸化チタン粉体層を設けた粘着シートを被着した被着体を300℃以上で焼成することが好ましい。
【0010】
第2の酸化チタンの被着方法は、
熱分解性粘着剤と融着剤と酸化チタン粉体とを含む酸化チタン含有粘着シートを被着体に被着する工程と、
酸化チタン含有粘着シートを被着した被着体を焼成し、熱分解性粘着剤を熱分解させ、酸化チタンを融着剤で被着体に被着する工程と、
を具えている。
【0011】
ここで、酸化チタン含有粘着シートを被着した被着体を300℃以上で焼成することが好ましい。
【0012】
また、上述の第2の酸化チタンを被着する方法に用いられる酸化チタン含有粘着シートは、熱分解性粘着剤と融着剤と酸化チタン粉体とを含み、その配合割合は融着剤100重量部を基準として、熱分解性粘着剤が5〜100重量部および酸化チタン粉体が1〜100重量部であると好ましい。
【0013】
さらに、この酸化チタン含有粘着シート中の融着剤の融点が300℃以上であるとよい。
【0014】
第3の酸化チタンの被着方法は、
フィルム上に酸化チタン粉体とバインダーとからなる酸化チタンコーティング層を形成する工程と、
得られた酸化チタンコーティング層上に熱分解性粘着剤と融着剤とを含有する粘着シートを貼り合わせる工程と、
酸化チタンコーティング層に貼り合わされた粘着シートの粘着シート面を被着体に被着する工程と、
フィルムを剥離する工程と、
酸化チタンコーティング層に貼り合わせた粘着シートを被着した被着体を焼成し、バインダーと熱分解性粘着剤を熱分解して、酸化チタンを融着剤で被着体に被着する工程と、
を具える。
【0015】
【発明の実施の形態】
本発明についてさらに詳細に説明する。
【0016】
酸化チタンを被着体に被着する方法として、ここでは3通りの方法を提示する。
【0017】
第1の被着方法は、次の通りである。
【0018】
まず、粘着シート1を製造する。この粘着シート1は、融着剤2、熱分解性粘着剤3、および媒体を含む分散体から、従来の方法で製造することができる。
【0019】
本発明では融着剤としてガラスフリットが用いられ、低融点のガラスフリットであれば特に限定はないが、好ましくは融点が、300〜1800℃、さらに好ましくは300〜700℃のガラスフリットがよい。ガラスフリットの融点が300℃より低いと、熱分解性粘着剤が熱分解する前にガラスフリットが溶融し、熱分解性粘着剤が除去されにくくなる。また、1800℃より高いと、エネルギー消費量が多くなったり、被着体によっては変形してしまう被着体もある。具体的には、PbO−B23 −SiO2 系ガラス、Na2 O−B23 −SiO2 系ガラス、BaO−CaO−SiO2 系ガラス、PbO−ZnO−B23 −SiO2 系ガラスなどが用いられ、好ましくは、PbO−B23 −SiO2 系ガラス、PbO−ZnO−B23 −SiO2 系ガラスであり、さらに好ましくは、PbO−ZnO−B23 −SiO2 系ガラスである。また、このガラスフリットの平均粒径は、0.1〜30μmであり、好ましくは、0.1〜10μmである。融着剤としては、ガラスフリットの他にホーローフリット、釉薬フリットがある。
【0020】
粘着シートに用いられる熱分解性粘着剤は、アクリル系、ゴム系、セルロース系などの樹脂で特に限定はないが、アクリル系のものが好ましい。特に、アクリル酸エステル系およびメタクリル酸エステル系などが好ましい。この熱分解性粘着剤は、ガラスフリット100重量部に対して、5〜100重量部、好ましくは10〜80重量部含む。
【0021】
上述のガラスフリットと熱分解性粘着剤との分散体を得るために用いる溶媒としては、トルエン、酢酸エチル、メチルエチルケトン(MEK)、エタノール、メタノール、または水系(エマルション)などが挙げられるが、特にトルエン、酢酸エチル、MEKが好ましい。
【0022】
また、必要に応じて添加剤を用いることができる。添加剤としては、分散剤、粘着付与剤、可塑剤、などを適宜用いることができる。分散剤は、溶液中へのガラスフリットの分散性の向上を目的とし、例えば、界面活性剤、パルミチン酸、ステアリン酸などがあり、粘着付与剤は、適度な粘着性を与えることを目的とし、例えば、ロジンエステル系、水素添加ロジンエステル系、テルペンフェノール系などがあり、可塑剤は粘性向上を目的とし、例えば、フタル酸ジオクチル(DOP)、アジピン酸系、グリコールエステル系がある。
【0023】
さらに、本発明の粘着シートの品質に悪影響を与えないものであれば、その他の添加剤も添加することができる。
【0024】
これらの材料の分散体を得るために、ボールミル、三本ロール、などの混合方法で溶媒および熱分解性粘着剤にガラスフリットを分散する。
【0025】
このガラスフリット2、熱分解性粘着剤3、および溶媒を含む分散体をコーターを用いて剥離フィルム4上に塗布して、これをドライヤーを用いて、温度60〜120℃で乾燥し、厚さが10〜300μmの均一な層を作り、粘着シート1を得る。その後、剥離フィルム4を貼付した粘着シート1の該剥離フィルムと反対の面に保護フィルムである剥離フィルム5を貼付する。
【0026】
このようにして、ここで用いる粘着シート1を得る(図1の(a))。
【0027】
得られた粘着シート1の厚さは、10〜500μm、好ましくは20〜100μmである。粘着シートの厚さが、10μmより薄いと造膜性がなかったり粘着性が不足し、500μmより厚いと焼成時に発泡したりして平滑な面が得にくくなる。
【0028】
剥離フィルム5を剥がし、粘着シート1を被着体6に被着する(図1の(b))。被着体としては特に限定はないが、ガラス、ホーローやタイル陶磁器、ステンレスや鉄などの金属板などが挙げられる。
【0029】
引き続き剥離フィルム4を剥がす(図1の(c))。
【0030】
次に、粘着シートを被着した被着体の粘着シート上に、市販の酸化チタン粉体7を均一に設ける(図1の(d))。このときの均一に設けた酸化チタン粉体の量は、粘着シート上の表面積25cm2 あたり、0.1〜10g、好ましくは0.1〜5gである。また、この酸化チタン粉体の平均粒径は0.001〜100μmであり、好ましくは0.1〜30μmである。酸化チタン粉体の平均粒径が100μmより大きいと、表面積が小さくなり光触媒作用が低下し、面が粗くなる。
【0031】
引き続き、酸化チタン粉体を均一に設けた層を焼成し、熱分解性粘着剤を熱分解することによって、熱分解性粘着剤を粘着シート1より除去し、ガラスフリットを溶融して、酸化チタン粉体7を少なくともかなりの表面が露出するように、ガラス融着体8中に埋め込んだ状態の酸化チタン粉体を被着した被着体を得る(図1の(e))。焼成温度は、材料によって異なるが、粘着シート中のガラスの溶融温度以上および熱分解性粘着剤の熱分解温度以上であればよく、通常300℃以上である。
【0032】
第2の被着方法は、次の通りである。
【0033】
まず、酸化チタン含有粘着シート9を製造する。この酸化チタン含有粘着シート9は、酸化チタン粉体10の他に融着剤(ガラスフリット)11、熱分解性粘着剤12、および媒体を含む分散体から従来の方法で製造することができる。
【0034】
本発明で用いられる融着剤としてのガラスフリットの種類は、第1の被着方法で記載した通りである。
【0035】
また、酸化チタン含有粘着シートに用いられる熱分解性粘着剤の種類は、第1の被着方法に記載した通りである。
【0036】
酸化チタン含有粘着シートに含まれる酸化チタン粉体の量は、ガラスフリット100重量部に対して、0.1〜100重量部、好ましくは0.1〜50重量部、さらに好ましくは1〜20重量部である。酸化チタンの量が0.1重量部より少ないと光触媒性能が発揮されにくくなり、100重量部より多いと均一に分散されにくくなる。また、酸化チタン粉体の平均粒径は0.001〜100μmであり、好ましくは0.1〜30μmである。酸化チタン粉体の平均粒径が100μmより大きいとコーティング時に沈降したり、均一に塗布することが困難となる。
【0037】
上述の熱分解性粘着剤、ガラスフリットおよび酸化チタンの分散体を得るために用いる溶媒としては、第1の被着方法に記載したものが用いることができる。
【0038】
また、必要に応じて添加剤を用いることができる。添加剤としては、第1の被着方法で記載したものを用いることができる。
【0039】
さらに、本発明の酸化チタン含有粘着シートの品質に悪影響を与えないものであれば、その他の添加剤も添加することができる。
【0040】
これらの材料の分散体を得るために、ボールミル、三本ロール、などの混合方法で溶媒および熱分解性粘着剤にガラスフリットと酸化チタンを均一に分散する。
【0041】
この酸化チタン粉体10、ガラスフリット11、熱分解性粘着剤12、および溶媒を含む分散体をコーターを用いて剥離フィルム13上に塗布して、これをドライヤーを用いて温度約60〜120℃で乾燥し、厚さが10〜500μmの均一な層を作り、酸化チタン含有粘着シート9を得る。その後、剥離フィルム13を貼付した酸化チタン含有粘着シート9の該剥離フィルムと反対の面に保護フィルムである剥離フィルム14を貼付する。
【0042】
このようにして、ここで用いる酸化チタン含有粘着シート9を得る(図2の(a))。
【0043】
得られた酸化チタン含有粘着シート9の厚さは、10〜500μm、好ましくは20〜200μmである。酸化チタン粘着シートの厚さが、10μmより薄いと造膜性がなかったり粘着性が不足し、500μmより厚いと焼成時に発泡したりして平滑な面が得にくくなる。
【0044】
次に、剥離フィルム14を剥がし、酸化チタン含有粘着シート9を被着体15に被着する(図2の(b))。被着体としては、前述したように、ガラス、ホーローやタイル陶磁器、ステンレスや鉄などの金属板などが挙げられる。
【0045】
引き続き剥離フィルム13を剥がす(図2の(c))。
【0046】
次に、酸化チタン含有粘着シート9を被着した被着体を焼成し、熱分解性粘着剤12を熱分解することにより、熱分解性粘着剤12を酸化チタン含有粘着シート9より除去し、ガラスフリット11を溶融して、酸化チタン粉体10を、ガラス融着剤16により被着した被着体を得る(図2の(d))。焼成温度は、材料によって異なるが、酸化チタン含有粘着シート中のガラスフリットの溶融温度以上および熱分解性粘着剤の熱分解温度以上であればよく、通常300℃以上である。
【0047】
第3の被着方法は、次の通りである。
【0048】
まず、酸化チタン粉体18、バインダー19、および溶媒を含む分散体をコーターを用いて剥離性または剥離処理されたフィルム20上に塗布して、これをドライヤーを用いて、温度80〜150℃で乾燥し、均一な層を作り、酸化チタンコーティング層17を得る(図3の(a))。
【0049】
酸化チタンコーティング層17の製造に用いられる酸化チタン粉体18の平均粒径は、0.001〜100μm、好ましくは0.01〜1μmである。酸化チタン粉体の平均粒径が100μmより大きいと、コーティング時に沈降したり、均一に塗布することが困難となる。
【0050】
酸化チタンコーティング層17に用いられるバインダー19は、熱分解性樹脂、無機系バインダー、例えばケイ素系バインダーなどである。このバインダーは、酸化チタン100重量部に対して、多くても200重量部、好ましくは10〜100重量部含む。バインダーの含有量が酸化チタン粉体100重量部に対して非常に少ないとコーティング面が剥がれ易かったり、平滑性が損なわれる要因となり、200重量部より多いと、酸化チタンがバインダー中に隠れて効果が発現されにくくなる。
【0051】
好ましい酸化チタンコーティング層17の厚さは、0.1〜100μmである。酸化チタンコーティング層17の厚さが0.1μmより薄いと酸化チタン粉体がガラス融着体中に埋もれてしまい、100μmより厚いと平滑面が得られない原因となり、効果が発現されにくくなる。
【0052】
次に、第1の被着方法で用いたものと同様の粘着シート1の剥離フィルム5を剥がし、酸化チタンコーティング層17と粘着シート1とを貼り合わせる(図3の(b))。
【0053】
次に、剥離フィルム4を剥がして、酸化チタンコーティング層17と貼り合わせた粘着シート1を被着体21に被着する(図3の(c))。被着体21としては、ガラス、ホーローやタイル陶磁器、ステンレスや鉄などの金属板などが挙げられる。
【0054】
引き続きフィルム20を剥がす(図3の(d))。
【0055】
次に、酸化チタンコーティング層17に貼り合わされた粘着シート1を被着した被着体21を焼成し、酸化チタンコーティング層17中のバインダー19と粘着シート中の熱分解性粘着剤3を熱分解することにより、被着体上からバインダー19と熱分解性粘着剤3を除去し、ガラスフリット2を溶融して、酸化チタン粉体18を少なくともかなりの表面が露出するように、ガラス融着体22中に埋め込んだ状態の酸化チタン粉体18を被着した被着体を得る(図3の(e))。焼成温度は、粘着シート中のガラスフリットの溶融温度以上、熱分解性粘着剤の熱分解温度以上であればよく、通常300℃以上である。
【0056】
以下、本発明を実施例に基づき具体的に示すが、本発明は以下の実施例に限定されるものでなく、その要旨を逸脱しない範囲において、種々変更可能である。
【0057】
【実施例】
実施例1
本実施例では、粘着シートを用いた酸化チタンの被着方法を例示する。
【0058】
ガラスフリット 100重量部
PbO−ZnO−B23 −SiO2
平均粒径 3μm
熱分解性粘着剤(ラウリルメタクリレート) 50重量部
ロジン系粘着付与剤 ハーコリンDE 5重量部
酢酸エチル 25重量部
上記の材料をボールミルの混合機にいれて、15分間にわたって混合し、均一な分散体を得た。
【0059】
これを第1の剥離フィルム4(シリコーン樹脂で剥離処理したポリエステルフィルム、125μm)の上にコーターを用いて塗布した。次いで、温度90℃、1分間で乾燥し、均一な厚さ50μmの粘着シート1を得た。その後、第1の剥離フィルム4を貼付した粘着シート1の該剥離フィルムと反対の面に第2の剥離フィルム5(シリコーン樹脂で剥離処理されたポリエステルフィルム、38μm)を貼付した。
【0060】
次いで、ステンレス板上に第2の剥離フィルム5を剥がし、ステンレス板表面に粘着シートを貼り合わせて被着した。
【0061】
さらに前述の剥離フィルム4を剥離した後、粘着シート1上に、平均粒径3μmの酸化チタン粉体7をふるいを用いて0.04g/cm2 で、均一に設けた。
【0062】
酸化チタン粉体7を均一に設けた被着体を引き続き、焼成炉で、焼成温度600℃で30分間にわたって焼成し、熱分解性粘着剤3を熱分解により除去し、さらに、ガラスフリット2を溶融した。このようにして、酸化チタン粉体7をガラス融着体8の中に一部埋め込んだ状態の、酸化チタン粉体7を被着した被着体6が得られた。被着体の表面を電子顕微鏡で観察すると、酸化チタン粉体7が均一に被着していることがわかった。
【0063】
実施例2
本実施例では、酸化チタン含有粘着シートを用いた酸化チタンの被着方法を例示する。
【0064】
ガラスフリット 100重量部
PbO−ZnO−B23 −SiO2
平均粒径 3μm
熱分解性粘着剤(ラウリルメタクリレート) 50重量部
酸化チタン粉体 10重量部
平均粒径 3μm
ロジン系粘着付与剤 5重量部
酢酸エチル 25重量部
上記の材料をボールミルの混合機にいれて、15分間にわたって混合し、均一な分散体を得た。
【0065】
これを幅300mmの剥離フィルム13(シリコーン樹脂で剥離処理されたポリエステルフィルム、125μm)の上にコーターを用いて塗布した。次いで、これを温度90℃、1分間で乾燥して均一な厚さ50μmの酸化チタン含有粘着シート9を得た。その後、剥離フィルム13を貼付した酸化チタン含有粘着シート9の該剥離フィルムと反対の面に剥離フィルム14(シリコーン樹脂で剥離処理されたポリエステルフィルム、38μm)を貼付した。
【0066】
次いで、ガラス上に剥離フィルム14を剥がし、ガラス表面に合わせて被着した。
【0067】
さらに、前述の剥離フィルム13を剥離した後、酸化チタン含有粘着シート9を被着した被着体15を焼成炉で、焼成温度600℃で30分間にわたって焼成し、熱分解性粘着剤12を熱分解により除去し、さらに、ガラスフリット11を溶融した。このようにして、酸化チタン粉体10をガラス融着体16の中に一部埋め込んだ状態の、酸化チタン粉体10を被着した被着体15が得られた。被着体の表面を電子顕微鏡で観察すると、酸化チタン粉体10が均一に被着していることがわかった。
【0068】
実施例3
本実施例では、酸化チタンコーティング層と粘着シートとを貼り合わせて用いた酸化チタンの被着方法を例示する。
【0069】
市販の光触媒酸化チタンとケイ素系バインダーからなるコーティング塗液(配合比:酸化チタン/バインダー=100/25(重量比)、コーティング塗液の状態での酸化チタン平均粒径=50nm)をフィルム20(シリコーン樹脂で剥離処理されたポリエステルフィルム、50μm)の上にコーターを用いて3m/分の速さで塗布した。次いで、これを温度100℃、1分間で乾燥し、同様に均一な厚さ0.5μmの酸化チタンコーティング層17を得た。
【0070】
粘着シート1としては、実施例1で得られた粘着シートを用いた。
【0071】
次いで、粘着シート1の剥離フィルム5を剥がし、粘着シート1と得られた酸化チタンコーティング層17とを貼り合わせた。
【0072】
さらに、これを、ガラス上に剥離フィルム4を剥がし、ガラス表面と粘着シート面を合わせて被着した。
【0073】
次いで、前述のフィルム20を剥離した後、酸化チタンコーティング層17と貼り合わせた粘着シート1を被着した被着体21を焼成炉で、焼成温度600℃で30分間にわたって焼成し、バインダー19と熱分解性粘着剤3を熱分解により除去し、さらに、ガラスフリット2を溶融した。このようにして、酸化チタン粉体18をガラス融着体22の中に一部埋め込んだ状態の、酸化チタン粉体18を被着した被着体21が得られた。被着体の表面を電子顕微鏡で観察すると、酸化チタン粉体18が均一に被着していることがわかった。
【0074】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、被着体に光触媒酸化チタンを被着する際に、液だれ、塗布むらがないなどの良い作業環境で、被着体に容易に酸化チタンを被着できる。また、支持体に無機物のガラスフリットを用い、熱分解性粘着剤またはバインダーとして用いている有機物を焼成により完全に熱分解または昇華してしまうことにより、光触媒作用で分解されるおそれのある有機物が最終製品に含まれない。よって、抗菌タイル、セルフクリーニング建材などへの商品化が容易になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の被着方法により酸化チタンを被着体に被着させる工程を表す図である。
【図2】第2の被着方法により酸化チタンを被着体に被着させる工程を表す図である。
【図3】第3の被着方法により酸化チタンを被着体に被着させる工程を表す図である。
【符号の説明】
1 粘着シート
2、11 融着剤(ガラスフリット)
3、12 熱分解性粘着剤
4、5、13、14 剥離フィルム
6、15、21 被着体
7、10、18 酸化チタン粉体
8、16、22 ガラス融着体
9 酸化チタン含有粘着シート
17 酸化チタンコーティング層
19 バインダー
20 フィルム

Claims (7)

  1. 酸化チタンの被着方法であって、
    熱分解性粘着剤と融着剤とを含む粘着シートを被着体に被着する工程と、
    粘着シートを被着した被着体の粘着シート上に酸化チタン粉体層を設ける工程と、
    酸化チタン粉体層を設けた粘着シートを被着した被着体を焼成し、前記熱分解性粘着剤を熱分解させ、酸化チタンを融着剤で被着体に被着する工程と、
    を具えることを特徴とする酸化チタンの被着方法。
  2. 前記酸化チタン粉体層を設けた粘着シートを被着した被着体を300℃以上で焼成することを特徴とする請求項1に記載の酸化チタンの被着方法。
  3. 酸化チタンの被着方法であって、
    熱分解性粘着剤と融着剤と酸化チタン粉体とを含む酸化チタン含有粘着シートを被着体に被着する工程と、
    酸化チタン含有粘着シートを被着した被着体を焼成し、前記熱分解性粘着剤を熱分解させ、酸化チタンを融着剤で被着体に被着する工程と、
    を具えることを特徴とする酸化チタンの被着方法。
  4. 前記酸化チタン含有粘着シートを被着した被着体を300℃以上で焼成することを特徴とする請求項3に記載の酸化チタンの被着方法。
  5. 請求項3に記載の酸化チタンを被着する方法に用いられる酸化チタン含有粘着シートであって、該酸化チタン含有粘着シートが熱分解性粘着剤と融着剤と酸化チタン粉体とを含み、この配合割合が前記融着剤100重量部を基準として、前記熱分解性粘着剤を5〜100重量部および前記酸化チタン粉体を1〜100重量部とすることを特徴とする酸化チタン含有粘着シート。
  6. 前記融着剤の融点が300℃以上であることを特徴とする請求項5に記載の酸化チタン含有粘着シート。
  7. 酸化チタンの被着方法であって、
    フィルム上に酸化チタン粉体とバインダーとからなる酸化チタンコーティング層を形成する工程と、
    得られた酸化チタンコーティング層上に熱分解性粘着剤と融着剤とを含有する粘着シートを貼り合わせる工程と、
    酸化チタンコーティング層に貼り合わされた粘着シートの粘着シート面を被着体に被着する工程と、
    前記フィルムを剥離する工程と、
    前記酸化チタンコーティング層に貼り合わせた粘着シートを被着した被着体を焼成し、前記バインダーおよび熱分解性粘着剤を熱分解して、酸化チタンを融着剤で被着体に被着する工程と、
    を具えることを特徴とする酸化チタンの被着方法。
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