JP3983433B2 - 情報記録材料の製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、情報記録材の製造方法に関するものであり、特に、塗布品質が良好で、諸特性が優れた情報記録材料の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
【0003】
支持体上に情報を記録するための層を設けた情報記録材料は、幅広い分野で使用されている。このような情報記録材料としては、感圧記録材料、感熱記録材料、熱転写記録材料、インクジェット記録材料など多種多様なものが実用化されている。近年、これらの情報記録材料は高機能化、高性能化の要求から、支持体上に2層以上の層を設けたものも使用されている。
【0004】
感熱記録材料は、一般に支持体上に加熱により発色する成分を含有する感熱記録層を設けたもので、サーマルヘッド(熱ヘッド)、熱ペン、レーザー光などで加熱することにより、発色画像が得られるもので、特公昭43−4160号公報および特公昭45−14039号公報などに開示されている。
【0005】
この様な感熱記録材料は、比較的簡単な装置で記録が得られ、保守が容易なこと、騒音の発生がないことなどの利点があり、計測記録計、ファクシミリ、プリンター、コンピューターの端末機、ラベル、乗車券の自動販売機など広範囲の分野に利用されている。また、近年、より優れた発色濃度・感度、画像の安定性、複数の色調などを得る目的で、単層の感熱記録層のみでなく、保護層、下引き層、2層以上の感熱記録層などを塗布した感熱記録材料も実用化されている。
【0006】
インクジェット記録方式は、インクジェット記録装置から噴射されるインクの微小滴をインクジェット記録材料に付着させ、画像や文字を記録する記録方式である。これに用いられるインクジェット記録材料には、非塗工紙のような記録層が塗布されていないものが用いられることもあるが、インク受理性の無い合成樹脂フィルムなどに印字する場合やより高精細な画像を得たい場合などには、支持体に記録層を設けて使用される。近年、用途の多様化やカラー化や高速印字などの高性能化に伴い、より多量のインクが噴射される様になり、より大容量のインク吸収性と高い印字濃度が要求される様になった。このような要求に対して、従来の単層の記録層では十分な性能が得られないため、2層以上の記録層を設けたインクジェット記録材料も実用化されている。
【0007】
従来より、支持体の上に2層以上の層を積層してなる情報記録材料においては、1層ずつ塗布・乾燥して積層した層が形成されており、塗布方式としてはエアナイフ塗布、ブレード塗布、ロッド塗布、リバースロール塗布などの方法が用いらているが、この様な方法で作製された情報記録材料は、塗布品質が悪いこと、上層の塗液の下層中へのしみこみ、上層塗布時のはじきなどに起因する上層のピンホール、長時間の連続塗布における品質のばらつきなどの問題が生じるほか、高速塗布に限界があること、多数回塗布から生じる生産性が低下などの問題がある。
【0008】
これらの塗布方法に対して、特公昭49−24133号、同49−35447号公報などに開示されているカーテン塗布方法は、塗布液の自由落下カーテンを形成し、これを支持体に衝突せしめて塗布する方法であり、塗布品質が良好で、高速塗布に適性を有することが知られている。また、複数層の塗液膜から成る塗料膜を形成してカーテン塗布することにより、複数の層を同時に塗布することも可能であり、多層塗布の生産性を大幅に向上することができる。カーテン塗布方法を用いた多層同時塗布では、支持体上に複数層の塗液膜から成る塗料膜を塗布した後、層構成を乱さずに乾燥・固化させる必要がある。従来より、カーテン塗布方法による多層同時塗布が行われている写真感光材料などの分野では、通常塗液中にバインダーとしてゼラチンが含有されており、塗料膜を支持体上に転移させた直後、冷却することにより塗液中のゼラチンがゲル化し塗液が不動化するため層間の混合が起こらない。
【0009】
一方、情報記録材料においては、例えば、感熱記録材料では、冷却により塗液が不動化するだけのゼラチンを添加すると、発色、画像安定性などの諸特性が大幅に悪化する問題があり、また、インクジェット記録材料では、インクの吸収容量や吸収速度が十分得られないなどの場合があり、また、ゼラチン以外のものを用いてこれらの特性を損なわずに塗液を不動化する方法は見出されておらず、写真感光材料と同様な方法で層間混合を防止することはできていない。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、塗布品質が良好で、諸特性が優れた情報記録材料を生産性良く得ることである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために検討した結果、支持体の上に少なくとも2層以上の層を積層してなる情報記録材料の製造方法において、該情報記録材料が、感熱記録材料または、インクジェット記録材料であり、該情報記録材料を構成する層の一部または全部を、複数層の塗液膜から成る塗料膜をカーテン塗布し、塗布後2分以内に塗料膜を層間混合が生じない塗液の流動性が無くなるよう乾燥させることを特徴とする情報記録材料の製造方法により解決した。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明の情報記録材料の製造方法では、情報記録材料を構成する複数の層の一部または全部を複数層の塗液膜から成る塗料膜を支持体にカーテン塗布した後、乾燥させて感熱記録材料が製造される。カーテン塗布して形成される層の種類は特に限定されないが、例えば、感熱記録材料では下引き層、感熱記録層、保護層など、インクジェット記録材料では複数の記録層などが挙げられ、これらの隣接する一連の層がカーテン塗布により多層同時塗布される。多層同時塗布する層の組み合わせの具体例としては、感熱記録層では、下引き層と感熱記録層の組み合わせ、感熱記録層と保護層の組み合わせ、下引き層、感熱記録層および保護層の組み合わせ、種類の異なる2種以上の下引き層の組み合わせ、種類の異なる2種以上の感熱記録層の組み合わせ、種類の異なる2種以上の保護層の組み合わせ、インクジェット記録材料では複数の記録層などがあげられ、これ以外の組み合わせについても特に限定されない。
【0013】
複数層の塗液膜から成る塗料膜を支持体にカーテン塗布するのに用いるカーテン塗布装置としては、エクストルージョンホッパー型カーテン塗布装置、スライドホッパー型カーテン塗布装置などが挙げられ、特に限定されないが、写真感光材料などに使用されている特公昭49−24133号公報に開示されたスライドホッパー型カーテン塗布装置を特に好ましく用いることができる。このスライドホッパー型カーテン塗布装置を用いると容易により多層の同時塗布を行うことができる。
【0014】
本発明の情報記録材料の製造方法では、カーテン塗布装置により支持体に塗布された複数層の塗液膜から成る塗料膜は、塗布された後2分以内に乾燥される。ここで乾燥とは、塗料膜を構成する塗液中に含まれる水または有機溶剤が蒸発し、層間混合が生じない塗液の流動性が無くなることを示す。カーテン塗布された塗料膜は、塗布直後から徐々に層間混合が進行する。従って、塗布後乾燥するまでの時間が長いと層間混合がひどくなり、塗布後乾燥するまでの時間が2分をこえると諸特性が良好な情報記録材料を得ることはできない。例えば、感熱記録材料では、下引き層と感熱記録層をカーテン塗布により多層同時塗布し、乾燥するまでの時間が2分をこえた場合には、下引き層と感熱記録層が混合した状態となり、発色濃度が低下する。また、感熱記録層と保護層をカーテン塗布により多層同時塗布し乾燥するまでの時間が2分をこえた場合には、感熱記録層と保護層が混合した状態となり、保護層のバリア性が低下したり、印字障害が発生するなどの問題が生じる。また、インクジェット記録材料では、複数の記録層が混合すると、発色濃度の低下、インク吸収容量、吸収速度の低下などが発生する。この様に、塗布後乾燥するまでの時間が2分をこえると層間混合が生じ、各層の機能を十分発揮することができなくなる。塗布後2分以内に乾燥すると層間混合が生じにくく、各層の機能を十分発揮する事ができ、諸特性が良好な情報記録材料を得ることができ、塗布後より短時間で乾燥させるほどより諸特性が良好な情報記録材料を得ることができる。
【0015】
本発明の情報記録材料の製造方法に係る乾燥方法は特に限定されないが、具体例としては、加熱した空気を吹き付ける方法、除湿した空気を吹き付ける方法、赤外線を照射する方法、マイクロ波を照射する方法などが挙げられ、これらを組み合わせて用いることもできる。
【0016】
本発明の情報記録材料の製造方法に係る乾燥方法のうち、加熱した空気を吹き付ける方法、除湿した空気を吹き付ける方法などの空気を吹き付ける方法では、吹き付ける空気の衝撃により塗料膜を構成する塗液膜の層構成が乱される場合があるので、吹き付ける空気の衝撃はなるべく小さくすることが好ましい。吹き付ける空気の衝撃を小さくして、塗布後より短時間で乾燥させるために、加熱した空気を用いる場合には空気の温度を十分高温にし、除湿した空気を用いる場合には空気中の水分を十分取り除くことが必要となる。
【0017】
本発明の情報記録材料の製造方法に係る乾燥方法のうち、赤外線を照射する方法、マイクロ波を照射する方法などは、塗布された塗料膜に衝撃を与えないのでより好ましく用いることができる。また、加熱した空気を吹き付ける方法、除湿した空気を吹き付ける方法、赤外線を照射する方法などでは、塗料膜表面が塗料膜内部より先に乾燥が進行するので塗料膜を構成する塗液膜の層構成の安定保持にはやや不利であるが、マイクロ波を照射する方法では塗料膜の表面、内部ともに全体を同時に乾燥できるので塗料膜を構成する塗液膜の層構成が乱され難く特に好ましい。
【0018】
本発明の情報記録材料の製造方法により塗布される塗料膜を構成する複数層の塗液は、カーテン塗布時の層間混合を防止するため、粘度、表面張力が調節されて使用される。各層の塗液の粘度差は少ないほうが層間の混合が少なく、各層の塗液の粘度差は100mPa・s以下が好ましい。また、各層の塗液の表面張力は、下層となる塗液の表面張力が上層より小さいと、上層の塗液膜が下層の塗液膜上ではじく現象が発生し、均一な塗料膜ができず塗布品質が悪化する場合があり好ましくない。各層の塗液の表面張力が同一であるとはじく現象が発生しにくく好ましく、下層となる層より上層となる層のほうが小さくなる様に設定するとより良好な塗布品質が得られて特に好ましい。3層以上の層を同時に塗布する場合には、最下層すなわち最も支持体に近い層から順に支持体から最も遠い最上層にかけて表面張力が順々に小さくなる様に調節するのが好ましい。
【0019】
塗液の粘度を調整するために、ポリビニルアルコール、澱粉、カルボキシメチルセルロースなどの水溶性高分子やアクリル系エマルジョンなどの各種増粘剤を塗液に混合し粘度を上昇させる手段や、塗布液の固形分濃度を高くして粘度を上昇させたり、逆に塗布液を希釈して粘度を下げる手段を講じることができる。
【0020】
塗液の表面張力を調整するために、カルボン酸塩、スルホン酸塩、硫酸エステル塩、リン酸エステル塩などのアニオン系界面活性剤、エーテル型、エーテルエステル型、エステル型、含窒素型などのノニオン系界面活性剤、ベタイン、アミノカルボン酸塩、イミダゾリン誘導体などの両性系界面活性剤を塗布液に任意の量を混合することができる。
【0021】
本発明の情報記録材料の製造方法で塗布される塗料膜を構成する複数層の塗液には、添加剤として、顔料分散剤、増粘剤、流動性改良剤、消泡剤、抑泡剤、離型剤、発泡剤、浸透剤、着色染料、着色顔料、蛍光増白剤、酸化防止剤、防腐剤、防バイ剤、耐水化剤、湿潤紙力増強剤、乾燥紙力増強剤などを適宜配合することもできる。
【0022】
本発明の情報記録材料の製造方法で製造される情報記録材料の各層には、任意のバインダーを含有させることができる。バインダーの具体例としては、デンプン類、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ゼラチン、カゼイン、ポリビニルアルコール、変性ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリアクリル酸エステル、ポリメタクリル酸エステル、ポリアクリル酸ソーダ、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、塩素化ポリエーテル、アリル樹脂、フラン樹脂、ケトン樹脂、オキシベンゾイルポリエステル、ポリアセタール、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルスルホン、ポリイミド、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリアミノビスマレイミド、ポリメチルペンテン、ポリフェニレンオキシド、ポリフェニレンスルフィド、ポリフェニレンスルホン、ポリスルホン、ポリアリレート、ポリアリルスルホン、ポリブタジエン、ポリカーボネート、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリ酢酸ビニル、ポリウレタン、フェノール樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、メラミンホルマリン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、ビスマレイミドトリアジン樹脂、アルキド樹脂、アミノ樹脂、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、スチレン/ブタジエン共重合体、アクリロニトリル/ブタジエン共重合体、アクリル酸メチル/ブタジエン共重合体、エチレン/酢酸ビニル共重合体、アクリル酸アミド/アクリル酸エステル共重合体、アクリル酸アミド/アクリル酸エステル/メタクリル酸3元共重合体、スチレン/無水マレイン酸共重合体のアルカリ塩、エチレン/無水マレイン酸共重合体のアルカリ塩またはアンモニウム塩、その他各種ポリオレフィン系樹脂などが挙げられ、これらは、単独もしくは2種以上混合して用いることができる。
【0023】
本発明の情報記録材料の製造方法で製造される情報記録材料に用いる支持体は透明、半透明、および不透明のいずれであってもよく、紙、各種不織布、織布、合成樹脂フィルム、合成樹脂ラミネート紙、合成紙、金属箔、セラミック紙、ガラス板など、あるいはこれらを組み合わせた複合シートを目的に応じて任意に用いることができるが、これらに限定されるものではない。
【0024】
本発明の情報記録材料の製造方法で製造される情報記録材料の任意の層には、必要に応じて、ケイソウ土、タルク、カオリン、焼成カオリン、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化ケイ素、水酸化アルミニウム、尿素−ホルマリン樹脂などの無機および有機顔料、その他に、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウムなどの高級脂肪酸金属塩、パラフィン、酸化パラフィン、ポリエチレン、酸化ポリエチレン、ステアリン酸アミド、カスターワックスなどのワックス類を、また、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウムなどの分散剤、さらに界面活性剤、および蛍光染料などを含有させることもできる。
【0025】
また、耐光性を向上する目的で酸化防止剤、紫外線吸収剤を添加することができる。酸化防止剤の例としては、ヒンダードアミン系酸化防止剤、ヒンダードフェノール系酸化防止剤、およびスルフィド系酸化防止剤などが挙げられるが特に限定されない。また、紫外線吸収剤の例としては、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、サリチル酸系紫外線吸収剤、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤などの有機系紫外線吸収剤、および酸化亜鉛、酸化チタン、酸化セリウムなどの無機系紫外線吸収剤が挙げられるが特に限定されない。
【0026】
本発明の情報記録材料の製造方法で製造される感熱記録材料に含有される加熱により発色する成分は特に限定されず、例えば、通常無色あるいは淡色の電子供与性染料前駆体と電子受容性化合物の組み合わせ、芳香族イソシアナート化合物とイミノ化合物の組み合わせ、通常無色あるいは淡色の電子供与性染料前駆体と芳香族イソシアナート化合物の組み合わせ、金属化合物と配位化合物の組み合わせ、ジアゾニウム塩とカプラーの組み合わせなどが挙げられる。発色、画像安定性などの諸特性が良好な点で、通常無色あるいは淡色の電子供与性染料前駆体と電子受容性化合物の組み合わせ、芳香族イソシアナート化合物とイミノ化合物の組み合わせ、通常無色あるいは淡色の電子供与性染料前駆体と芳香族イソシアナート化合物の組み合わせが特に好ましく用いられる。
【0027】
本発明の情報記録材料の製造方法で製造される感熱記録材料においては、感熱記録材料中の任意の層に、電気的、磁気的、または光学的に情報が記録可能な材料を含有させても良い。感熱記録層が設けられている面または、反対側の面にインクジェット記録のインク受容性を持たせてもよい。また、感熱記録層が設けられている面と反対側の面にカール防止や帯電防止などを目的としてバックコート層を設けても良く、さらに粘着加工などを行ってもよい。また、感熱記録層の表面にUVインキなどによる印刷などを行ってもよい。
【0028】
本発明の情報記録材料の製造方法で製造される感熱記録材料においては、レーザー光による印字を行なうために、感熱記録材料中の任意の層および支持体に光熱変換材料を含有させることができる。
【0029】
本発明の情報記録材料の製造方法で製造されるインクジェット記録材料においては、インクジェット記録材料中の任意の層に、電気的、磁気的、または光学的に情報が記録可能な材料を含有させても良い。また、記録層が設けられている面と反対側の面にカール防止や帯電防止などを目的としてバックコート層を設けても良く、さらに粘着加工などを行ってもよい。
【0030】
【実施例】
以下に、本発明を実施例をあげて説明するが、本発明はこれらの例に限定されるものではない。又、実施例に於いて示す「部」および「%」は、特に明示しない限り重量部および重量%を示す。
【0031】
実施例1
(A)下引き層塗液の作製
下記の組成の混合液をホモミキサーで攪拌し、粘度100mPa・s、表面張力30mN/mの下引き層塗液を作製した。
【0032】
下引き層塗液:
焼成カオリン(エンゲルハード製 アンシレックス) 100部
50%スチレンブタジエン系共重合ラテックス 24部
10%でんぷん水溶液(日本食品化工製 MS4600) 60部
ポリアクリル酸ソーダ 2部
水 116部
フッ素系界面活性剤(旭硝子製 サーフロンS−111) 0.51部
【0033】
(B)感熱記録層塗液の作製
下記の組成の混合液をボールミルで分散し、体積平均粒径1μmのB1,B2,B3液および体積平均粒径2μmのB4液を得た。
【0034】
B1液:
3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン 40部
ポリビニルアルコール10%水溶液 20部
水 40部
【0035】
B2液:
4,4′−ビス(ヒドロキシフェニル)スルホン 80部
ポリビニルアルコール10%水溶液 40部
水 80部
【0036】
B3液:
2−ベンジルオキシナフタレン 80部
ポリビニルアルコール10%水溶液 40部
水 80部
【0037】
B4液:
炭酸カルシウム(白石工業製 カルライトSA) 80部
ポリアクリル酸ソーダ 1部
水 79部
【0038】
以上の様にして得たB1,B2,B3,B4液、10%ポリビニルアルコール水溶液800部、水105部、フッ素系界面活性剤(旭硝子製 サーフロンS−111)0.67部を混合し、粘度100mPa・s、表面張力30mN/mの感熱記録層の塗液を作製した。
【0039】
(C)感熱記録材料の作製
(A),(B)で作製した下引き層塗液、感熱記録層塗液をスライドホッパー型カーテン塗布装置を用いて、下層側から下引き層塗液、感熱記録層塗液の順で構成される塗料膜を形成し、各層の固形分塗抹量が下引き層8g/m2、感熱記録層6g/m2になる様に60g/m2の上質紙の上に塗布し、塗布直後から温度180℃の加熱空気を30秒間吹き付けて乾燥させて感熱記録材料を作製した。
【0040】
実施例2
実施例1(C)で温度180℃の加熱空気を30秒間吹き付ける代わりに、温度120℃の加熱空気を1分間吹き付けて乾燥させた以外は実施例1と同一条件で感熱記録材料を作製した。
【0041】
実施例3
実施例1(C)で温度180℃の加熱空気を30秒間吹き付ける代わりに、温度90℃の加熱空気を2分間吹き付けて乾燥させた以外は実施例1と同一条件で感熱記録材料を作製した。
【0042】
実施例4
実施例1(C)で温度180℃の加熱空気を30秒間吹き付ける代わりに、温度40℃、露−10℃の除湿空気を2分間吹き付けて乾燥させた以外は実施例1と同一条件で感熱記録材料を作製した。
【0043】
実施例5
実施例1(C)で温度180℃の加熱空気を30秒間吹き付ける代わりに、赤外線を1分間照射して乾燥させた以外は実施例1と同一条件で感熱記録材料を作製した。
【0044】
実施例6
実施例1(C)で温度180℃の加熱空気を30秒間吹き付ける代わりに、マイクロ波を1分間照射して乾燥させた以外は実施例1と同一条件で感熱記録材料を作製した。
【0045】
実施例7
(D)下引き層塗液の作製
実施例1(A)と全く同一条件で粘度100mPa・s、表面張力30mN/mの下引き層塗液を作製した。
【0046】
(E)感熱記録層塗液の作製
実施例1(B)と全く同一条件で粘度100mPa・s、表面張力30mN/mの感熱記録層の塗液を作製した。
【0047】
(F)保護層塗液の作製
下記の組成の混合液をボールミルで分散し、体積平均粒径1μmのF液を得た。
【0048】
F液:
水酸化アルミニウム(昭和電工製 ハイジライトH42) 6部
ポリアクリル酸ソーダ 0.1部
水 13.9部
【0049】
以上の様にして得たF液、40%ステアリン酸亜鉛分散液25部、10%ポリビニルアルコール水溶液1000部、水244部およびフッ素系界面活性剤(旭硝子製 サーフロンS−111)0.90部を混合し、粘度100mPa・s、表面張力25mN/mの保護層塗液を作製した。
【0050】
(G)感熱記録材料の作製
(D),(E),(F)で作製した下引き層塗液、感熱記録層塗液、保護層塗液をスライドホッパー型カーテン塗布装置を用いて、下層側から下引き層塗液、感熱記録層塗液、保護層の順で構成される塗料膜を形成し、各層の固形分塗抹量が下引き層8g/m2、感熱記録層6g/m2保護層2g/m2になる様に60g/m2の上質紙の上に塗布し、塗布直後から温度180℃の加熱空気を45秒間吹き付けて乾燥させて感熱記録材料を作製した。
【0051】
実施例8
(H)下層インク受理層塗液の作製
下記の組成の混合液をホモミキサーで攪拌し、粘度100mPa・s、表面張力35mN/mの下層インク受理層塗液を作製した。
【0052】
下層インク受理層塗液:
合成非晶質シリカ(水澤化学製 ミズカシルP78D) 28部
ポリビニルアルコール10%水溶液 55部
水 117部
フッ素系界面活性剤(旭硝子製 サーフロンS−111) 0.04部
【0053】
(I)上層インク受理層塗液の作製
下記の組成の混合液をホモミキサーで攪拌し、粘度100mPa・s、表面張力35mN/mの上層インク受理層塗液を作製した。
【0054】
Figure 0003983433
【0055】
(J)インクジェット記録材料の作製
(H),(I)で作製した下層インク受理層塗液、上層インク受理層塗液をスライドホッパー型カーテン塗布装置を用いて、下層側から下層インク受理層塗液、上層インク受理層塗液の順で構成される塗料膜を形成し、各層の固形分塗抹量が下層インク受理層塗液30g/m2、上層インク受理層塗液9g/m2になる様に60g/m2の上質紙の上に塗布し、塗布直後から温度180℃の加熱空気を2分間吹き付けて乾燥させてインクジェット記録材料を作製した。
【0056】
実施例9
実施例8(J)で温度180℃の加熱空気を2分間吹き付ける代わりに、赤外線と温度180℃の加熱空気を同時に1分間あてて乾燥させた以外は実施例8と同一条件でインクジェット記録材料を作製した。
【0057】
比較例1
実施例1(C)で温度180℃の加熱空気を30秒間吹き付ける代わりに、80℃の加熱空気を2分30秒間吹き付けて乾燥させた以外は実施例1と同一条件で感熱記録材料を作製した。
【0058】
比較例2
実施例1(C)で温度180℃の加熱空気を30秒間吹き付ける代わりに、60℃の加熱空気を4分間吹き付けて乾燥させた以外は実施例1と同一条件で感熱記録材料を作製した。
【0059】
比較例3
実施例1(C)で温度180℃の加熱空気を30秒間吹き付ける代わりに、40℃、露点5℃の除湿空気を3分間吹き付けて乾燥させた以外は実施例1と同一条件で感熱記録材料を作製した。
【0060】
比較例4
実施例7(G)で温度180℃の加熱空気を45秒間吹き付ける代わりに、80℃の加熱空気を3分秒間吹き付けて乾燥させた以外は実施例7と同一条件で感熱記録材料を作製した。
【0061】
比較例5
実施例8(J)で温度180℃の加熱空気を2分間吹き付ける代わりに、80℃の加熱空気を10分間吹き付けて乾燥させた以外は実施例8と同一条件でインクジェット記録材料を作製した。
【0062】
試験1 感熱記録材料へのサーマルヘッドによる印字
実施例1〜7、比較例1〜4で作製した感熱記録材料に、TDK製印字ヘッド(LH4409)付き大倉電気製感熱ファクシミリ印字試験機(TH−PMD)を用いて印加パルス1.1ミリ秒、印加電圧20ボルトで、幅5cm、長さ5cmの印字を行い、印字部の濃度を濃度計(マクベスRD918)を用いて測定した。また、印字部の発色状態を目視により観察した。結果を表1に示した。
【0063】
試験2 感熱記録材料の保護層のバリア性試験
実施例7および比較例4で作製した感熱記録材料に、TDK製印字ヘッド(LH4409)付き大倉電気製感熱ファクシミリ印字試験機(TH−PMD)を用いて印加パルス1.1ミリ秒、印加電圧20ボルトで、幅5cm、長さ5cmの印字を行った。次に印字部にひまし油を塗布し、2時間後にひまし油を塗布した部分の濃度を濃度計(マクベスRD918)を用いて測定した。結果を表2に示した。
【0064】
試験3 インクジェット記録材料へのインクジェットプリンターによる印字
実施例8,9、比較例5で作製したインクジェット記録材料に、セイコーエプソン製カラーインクジェットプリンター(PM750C)を用いてブラックインクで幅5cm、長さ5cmの印字を行い、印字部の濃度を濃度計(マクベスRD918)を用いて測定した。また、印字部の発色状態を目視により観察した。結果を表3に示した。
【0065】
【表1】
Figure 0003983433
【0066】
【表2】
Figure 0003983433
【0067】
【表3】
Figure 0003983433
【0068】
表1〜3中、実施例1〜9に示す様に、複数層の塗液膜から成る塗料膜をカーテン塗布し、塗布後2分以内に塗料膜を乾燥させることにより、塗布品質が良好で、諸特性が優れた情報記録材料を生産性良く得ることができた。
【0069】
比較例1〜3においては、下引き層と感熱記録層が混合した状態になり、低い発色濃度しか得られなかった。比較例4においては、下引き層と感熱記録層と保護層が混合した状態になり、低い発色濃度しか得られないとともに保護層のバリア性が非常に低かった。比較例5においては、下層インク受理層、上層インク受理層が混合した状態になり、低い発色濃度しか得られなかった。
【0070】
【発明の効果】
本発明によれば、塗布品質が良好で、諸特性が優れた情報記録材料をカーテン塗布方式による多層同時塗布により生産性良くを得ることができる。

Claims (1)

  1. 支持体の上に少なくとも2層以上の層を積層してなる情報記録材料の製造方法において、該情報記録材料が、感熱記録材料または、インクジェット記録材料であり、該情報記録材料を構成する層の一部または全部を、複数層の塗液膜から成る塗料膜をカーテン塗布し、塗布後2分以内に塗料膜を層間混合が生じない塗液の流動性が無くなるよう乾燥させることを特徴とする情報記録材料の製造方法。
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