JP3983152B2 - 駆動装置 - Google Patents

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JP3983152B2
JP3983152B2 JP2002280463A JP2002280463A JP3983152B2 JP 3983152 B2 JP3983152 B2 JP 3983152B2 JP 2002280463 A JP2002280463 A JP 2002280463A JP 2002280463 A JP2002280463 A JP 2002280463A JP 3983152 B2 JP3983152 B2 JP 3983152B2
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Description

【0001】
【発明が属する技術分野】
本発明は、バッテリから供給される電力により駆動させられる電動機と、この電動機により駆動させられる走行駆動用車輪などの被動体とを備えた車椅子などの駆動装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
【0003】
【特許文献1】
特開2001‐104395号公報
【0004】
上記駆動装置の一例としての車椅子には、上記特許文献1に示されるものがある。
【0005】
上記特許文献1のものによれば、車椅子は、その静止側部材である車体に支持されるバッテリと、上記車体に支持され上記バッテリから供給される電力により正、逆転駆動可能とされる電動機と、この電動機からの動力を入力して回転駆動可能とされる被動体である走行駆動用車輪とを備えている。
【0006】
また、上記構成において、従来、車輪を制動可能とする制動手段を設けたものがある。この制動手段は、上記バッテリから電動機への電力供給の停止時に、ばねの付勢力により上記車輪を制動するようロック動作し、もって、電動機の停止時における車椅子の無意図的な走行を防止することとされている。一方、上記電動機への電力の供給中には、上記バッテリから供給される電力により、上記制動手段が上記ばねの付勢力に対抗しつつ上記ロック動作を解除することとされ、もって、車輪の走行駆動が許容されて、車椅子の走行が可能とされている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記従来の技術では、バッテリから電動機に電力が供給されているときは、上記バッテリから制動手段へも電力が供給され続けて、バッテリの電力が消費されることから、その分、このバッテリの電力消費が早められ、この結果、このバッテリからの電力供給による車椅子の走行可能な距離、換言すれば、駆動装置の駆動可能な期間、が短縮させられるという問題点が生じる。
【0008】
また、上記車椅子の走行中、バッテリから電動機への電力供給が何らかの理由で停止させられたとすると、上記制動手段への電力供給も停止させられて、この制動手段が直ちに制動動作するため、この場合には車椅子が急停止させられるおそれが生じる。
【0009】
本発明は、上記のような事情に注目してなされたもので、バッテリから電動機への電力供給の停止時に、被動体を停止状態のままにロック可能とさせるようにした場合において、このロックや、ロック解除のための電力を不要として、上記バッテリの電力消費を抑制するようにし、もって、バッテリからの電力供給による駆動装置の駆動可能な期間が短縮されないようにすることを課題とする。
【0010】
また、上記駆動装置の駆動中に、上記バッテリから電動機への電力供給が停止させられたとしても、上記駆動装置が急停止させられないようにすることを課題とする。
【0011】
また、上記課題を解決する駆動装置の構成を簡単なものにすることを課題とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するための本発明の駆動装置は、次の如くである。なお、この項において各用語に付記した符号は、本発明の技術的範囲を後述の「発明の実施の形態」の項の内容に限定解釈するものではない。
【0013】
請求項1の発明は、全図に例示するように、バッテリ10と、静止側部材1aに支持され上記バッテリ10から供給される電力により正、逆転駆動A,B可能とされる電動機12と、この電動機12からの動力を入力して回転駆動可能とされる被動体13とを備えた駆動装置において、
【0014】
上記電動機12と被動体13との間に介設されこれら電動機12と被動体13との間の動力伝達のうち、上記電動機12から被動体13への動力伝達のみを許容する一方、上記電動機12の停止時、上記被動体13を上記静止側部材1aに対し自動的にロック可能とするロック機構14を備え
【0015】
上記被動体13からロック機構14に伝達される伝達トルクが所定値以上になったとき、上記静止側部材1aに対する被動体13の相対回転を許容するトルクリミッター16を設けたものである。
【0016】
請求項2の発明は、全図に例示するように、上記被動体13とロック機構14との間における互いの動力伝達を接続、切断可能とするクラッチ15を設けたものである。
【0017】
請求項の発明は、図5に例示するように、バッテリ10と、静止側部材1aに支持され上記バッテリ10から供給される電力により正、逆転駆動A,B可能とされる電動機12と、この電動機12からの動力を入力して回転駆動可能とされる被動体13とを備えた駆動装置において、
【0018】
上記電動機12と被動体13との間に介設されこれら電動機12と被動体13との間の動力伝達のうち、上記電動機12から被動体13への動力伝達のみを許容する一方、上記電動機12の停止時、上記被動体13を上記静止側部材1aに対し自動的にロック可能とするロック機構14を備え、
【0019】
記ロック機構14を上記静止側部材1aに対し解除可能に摩擦接合させて、この静止側部材1aに対する上記ロック機構14の回転を規制する回転規制手段44を備えたものである。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面により説明する。
【0021】
図1〜4において、符号1は、車両である車椅子2として例示される駆動装置1であり、矢印Frはこの車椅子2の前方を示している。
【0022】
上記車椅子2は、その静止側部材1aである車体3と、この車体3の前部に支承される左右一対の前車輪4,4と、上記車体3の後部に車軸5を介し支承される左右一対の後車輪6,6と、これら車輪6,6を走行駆動させる駆動手段7とを備え、上記各車輪4,6により走行面上に車椅子2が支持されている。
【0023】
上記駆動手段7は、上記車体3に着脱自在に支持されるバッテリ10と、上記車体3に締結具11により支持され上記バッテリ10から不図示のスイッチを介し供給される電力により正、逆転駆動A,B可能とされる電動機12と、この電動機12からの動力を入力して回転駆動可能とされる被動体13と、上記電動機12と被動体13との間に介設されこれら電動機12と被動体13との間の動力伝達のうち上記電動機12から被動体13への動力伝達のみを許容する一方、上記電動機12の停止時、上記被動体13を機械的に上記静止側部材1aに自動的にロックさせ、つまり、この静止側部材1aに対し上記被動体13を停止状態のままにロック可能とするロック機構14と、上記被動体13とロック機構14との間における互いの動力伝達を接続、切断可能とするクラッチ15と、上記被動体13からロック機構14に伝達される伝達トルクが所定値以上になったとき、上記静止側部材1aに対する被動体13の相対回転を許容するトルクリミッター16とを備えている。
【0024】
上記電動機12は、その外殻を構成して上記車体3に締結具11により支持されるハウジング20と、このハウジング20内に収容されて車体3の幅方向に延びる軸心21回りに正、逆転駆動A,B自在となるよう支承されるローター22と、このローター22の外周面に対応して上記ハウジング20の内面に取り付けられるステータ23とを備えている。
【0025】
上記被動体13は、上記軸心21上に位置して上記ローター22に連動連結される出力歯車26と、上記車体3に支持された中間軸27に支承され上記出力歯車26と噛合する入力歯車28と、この入力歯車28と同軸上で上記中間軸27に支承される中間歯車29と、上記車軸5に支持されて上記中間歯車29と噛合する従動歯車30と、上記後車輪6,6とを備えている。
【0026】
上記ロック機構14は、上記軸心21上で上記ハウジング20内に成形された支持孔34に嵌入される円筒形状のロックケース35と、上記軸心21上で上記ロックケース35内に収容され上記電動機12のローター22に連動連結される入力側部材36と、上記軸心21上で上記入力側部材36に対向するようロックケース35内に収容され上記出力歯車26と互いに連動連結される出力側部材37と、上記ロックケース35の内周面と出力側部材37の外周面との間に介設されて上記ロックケース35を介し静止側部材1aに出力側部材37を係脱自在に係止させる一対の楔ローラ38,38と、上記ロックケース35を介し静止側部材1aに出力側部材37を係止させるように上記楔ローラ38,38を付勢するばね39とを備えている。上記トルクリミッター16は、円環形状をなして、上記軸心21上に配置され、上記支持孔34の内周面にロックケース35の外周面を摩擦接合させるようこれら内、外周面の間に介設されている。
【0027】
上記電動機12の正転駆動Aに連動して上記入力側部材36が、まず、所定角度だけ上記出力側部材37に対し相対回転すると(図4中一点鎖線)、このように相対回転する入力側部材36が、上記ロックケース35に対し出力側部材37を係止させている楔ローラ38を押動してその係止を解除させ離脱させる。更に、上記電動機12の正転駆動Aに連動して入力側部材36が上記出力側部材37に対し相対回転すると、上記入力側部材36に出力側部材37が連動してこれら入力側部材36と出力側部材37とが一体的に正転駆動Aするようになっている。一方、これとは逆に、上記電動機12の逆転駆動Bに連動して上記入力側部材36が上記出力側部材37に対し相対回転したときも、上記と同様にして、入力側部材36に出力側部材37が連動してこれら入力側部材36と出力側部材37とが一体的に逆転駆動Bするようになっている。
【0028】
一方、上記電動機12の停止に伴い入力側部材36が停止した状態では、この入力側部材36に対し出力側部材37が相対的に正、逆転しようとしても、この回転は、上記ばね39で付勢された楔ローラ38によりロックケース35を介し静止側部材1aに出力側部材37が係止されていることにより阻止される。つまり、上記ロック機構14によれば、前記したように、上記電動機12から被動体13への動力伝達のみが許容される一方、上記電動機12の停止時には、上記被動体13は上記静止側部材1aに自動的にロック可能とされている。
【0029】
上記クラッチ15は、その駆動側部材42である入力歯車28と、従動側部材43である中間歯車29とを備え、上記入力歯車28に対し中間歯車29がドッグ式に係脱自在に係止することにより、上記クラッチ15が接続、切断動作することとされ、この動作により、上記被動体13とロック機構14との間における互いの動力伝達が接続、切断自在とされている。
【0030】
上記構成によれば、電動機12と被動体13との間に介設されこれら電動機12と被動体13との間の動力伝達のうち、上記電動機12から被動体13への動力伝達のみを許容する一方、上記電動機12の停止時、上記被動体13を上記ハウジング20を介し静止側部材1aに対し自動的にロック可能とするロック機構14を備えている。
【0031】
このため、上記バッテリ10から電動機12に電力が供給されて、この電動機12が駆動するとき、上記ロック機構14は上記電動機12から被動体13への動力伝達を許容してこの被動体13が駆動させられ、つまり、車椅子2が走行させられる。そして、この場合、上記ロック機構14は機械的なものであって、このロック機構14へのバッテリ10からの電力供給は不要である。
【0032】
一方、上記バッテリ10から電動機12への電力供給の停止に伴うこの電動機12の停止時には、上記ロック機構14は被動体13を上記静止側部材1aに対し停止状態のままにロックして、この被動体13が無意図的に回転することは防止され、つまり、車椅子2が無意図的に走行することは防止される。そして、この場合も、上記ロック機構14は機械的なものであって、このロック機構14へのバッテリ10からの電力供給は不要である。
【0033】
即ち、バッテリ10から電動機12への電力供給の停止時に、被動体13を上記静止側部材1aに対し停止状態のままにロック可能とさせるようにした場合において、このロックや、ロック解除のための電力が不要とされて、上記バッテリ10の電力消費が抑制されるのであり、このため、バッテリ10からの電力供給による駆動装置1の駆動可能な期間が短縮されるということは防止され、つまり、車椅子2の走行可能な距離が短縮させられる、ということが防止される。
【0034】
また、前記したように、被動体13とロック機構14との間における互いの動力伝達を接続、切断可能とするクラッチ15を設けている。
【0035】
このため、上記したように、バッテリ10から電動機12への電力供給が停止され、これに伴い上記ロック機構14が被動体13を停止状態のままにロックした状態でも、この被動体13を回転させたい場合には、つまり、車椅子2を例えば押動させたいような場合には、上記クラッチ15を切断動作させればよい。
【0036】
そして、上記のようにクラッチ15を切断動作させれば、上記ロック機構14による被動体13のロックが解除されて、この被動体13を自由に回転させることができ、つまり、電動機12を停止させたままで、上記車椅子2を所望位置にまで移動させたり、各後車輪6を自由に回転させて、これに対し保守点検作業等をすることが容易にできる。
【0037】
また、前記したように、被動体13からロック機構14に伝達される伝達トルクが所定値以上になったとき、上記静止側部材1aに対する被動体13とロック機構14の相対回転を許容するトルクリミッター16を設けている。
【0038】
このため、上記被動体13からロック機構14に過大な伝達トルクが伝達されようとするときには、上記トルクリミッター16により上記静止側部材1aに対し被動体13がロック機構14を伴い軸心21回りで相対回転して、上記被動体13とロック機構14とに過大な負荷が与えられることが防止され、これは被動体13とロック機構14の寿命上有益である。
【0039】
一方、上記バッテリ10からの電力供給により電動機12の駆動に伴う上記被動体13の駆動中に、上記バッテリ10から電動機12への電力供給が停止させられたとすると、上記ロック機構14の働きにより、上記被動体13は急停止させられようとする。しかし、この被動体13からロック機構14への伝達トルクが過大であるときには、上記したように、トルクリミッター16により上記静止側部材1aに対し被動体13がロック機構14を伴い軸心21回りで相対回転するため、この被動体13の急停止が防止される。つまり、車椅子2の走行中に上記バッテリ10から電動機12への電力供給が停止させられたとしても、上記被動体13からロック機構14への伝達トルクが過大であれば、上記車椅子2の急停止が防止される。
【0040】
また、上記構成によれば、電動機12のハウジング20内にロック機構14が収容されて、上記電動機12のハウジング20が上記ロック機構14のハウジングに利用されてこのロック機構14が保護されている。よって、その分、上記駆動装置1の構成部品が少なくなって、この駆動装置1の駆動手段7の構成が簡単になり、また、この駆動手段7はコンパクトとなるため、特に、余剰空間の狭い車椅子2にとっては有益である。
【0041】
なお、以下の図5は、第2の実施の形態を示している。この実施の形態は、前記第1の実施の形態と構成、作用効果において多くの点で共通している。そこで、これら共通するものについては、図面に共通の符号を付してその重複した説明を省略し、異なる点につき主に説明する。
【0042】
図5において、上記ロック機構14を上記ハウジング20を介し静止側部材1aに対し解除可能に摩擦接合させて、この静止側部材1aに対する上記ロック機構14の回転を規制する回転規制手段44を備えている。
【0043】
上記回転規制手段44はバンドブレーキ式の構造を有するもので、この回転規制手段44は、上記電動機12のハウジング20に締結具45により支持される基台46と、この基台46に枢支軸47により回動自在に枢支されてその回動により上記ロック機構14のロックケース35を挟む一対の摩擦部材48,48と、これら摩擦部材48,48を上記ロックケース35の外周面に、より大きい摩擦力で摩擦接合させるよう上記摩擦部材48を弾性的に付勢するばね49と、外部からの操作力を入力して上記ばね49に対抗しながら上記ロックケース35の外周面から上記各摩擦部材48を離反可能とさせるカム式の操作部50とを備え、上記ばね49の付勢力は、他のばね49に取り換えするなどして、調整可能とされている。
【0044】
図5において、上記回転規制手段44において、軸心21に直交する中心線51を境として左半分は、上記ロック機構14のロックケース35の外周面に各摩擦部材48を摩擦接合させて上記ハウジング20を介し静止側部材1aに対し上記ロック機構14の回転を阻止させるよう規制した摩擦状態を示している。一方、上記回転規制手段44において、中心線51の右半分は、上記操作部50への操作により上記ロックケース35の外周面から各摩擦部材48を離反させて、ロック機構14の回転を許容するようにした摩擦解除状態を示し、この状態では、上記被動体13から電動機12への動力伝達は上記ロック機構14の回転を伴い正、逆回転のいずれにかかわらず可能となる。上記回転規制手段44は、上記摩擦状態と摩擦解除状態とのいずれかを上記操作部50への操作により選択することにより、上記クラッチ15と同じ作用をする。
【0045】
また、上記ばね49の付勢力を調整し、上記各摩擦部材48とハウジング20を介しての静止側部材1aへのロック機構14の摩擦力を調整すれば、上記回転規制手段44は上記トルクリミッター16と同じ作用をする。
【0046】
上記構成によれば、ロック機構14を上記静止側部材1aに対し解除可能に摩擦接合させて、この静止側部材1aに対する上記ロック機構14の回転を規制する回転規制手段44を備えている。
【0047】
このため、上記したように、バッテリ10から電動機12への電力供給が停止され、これに伴い上記ロック機構14が被動体13を静止側部材1aに対し停止状態のままにロックした状態でも、この被動体13を回転させたい場合には、つまり、車椅子2を例えば押動させたいような場合には、上記回転規制手段44を摩擦解除状態にすればよい。
【0048】
そして、上記のように回転規制手段44を摩擦解除状態にすれば、上記ロック機構14と共に被動体13を自由に回転させることができ、つまり、電動機12を停止させたままで、上記車椅子2を所望位置にまで移動させたり、各後車輪6を自由に回転させて、これに対し保守点検作業等をすることが容易にできる。
【0049】
また、前記したように、回転規制手段44は前記トルクリミッター16と同じ作用をするようになっており、つまり、上記被動体13からロック機構14に伝達される伝達トルクが所定値以上になったとき、上記静止側部材1aに対し上記被動体13とロック機構14とが共に相対回転するよう静止側部材1aへの摩擦力が調整されている。
【0050】
このため、上記被動体13からロック機構14に過大な伝達トルクが伝達されようとするときには、上記回転規制手段44により上記静止側部材1aに対し被動体13がロック機構14を伴い軸心21回りで相対回転して、上記被動体13とロック機構14とに過大な負荷が与えられることが防止され、これは被動体13とロック機構14の寿命上有益である。
【0051】
一方、上記バッテリ10からの電力供給により電動機12の駆動に伴う上記被動体13の駆動中に、上記バッテリ10から電動機12への電力供給が停止させられたとすると、上記ロック機構14の働きにより、上記被動体13は急停止させられようとする。しかし、この被動体13からロック機構14への伝達トルクが過大であるときには、上記したように、回転規制手段44により上記静止側部材1aに対し被動体13がロック機構14を伴い軸心21回りで相対回転するため、上記被動体13の急停止が防止される。つまり、車椅子2の走行中に上記バッテリ10からの電力供給が停止させられたとしても、上記被動体13からロック機構14への伝達トルクが過大であれば、上記車椅子2の急停止が防止される。
【0052】
また、上記構成によれば、回転規制手段44は、前記したクラッチ15とトルクリミッター16とを兼用することから、その分、駆動装置1の構成部品が少なくなり、よって、この駆動装置1の構成が簡単になる。
【0053】
なお、以上は図示の例によるが上記ロック機構14は、ウォームギヤ式のものであってもよい。また、上記クラッチ15は回転規制手段44を用いてもよく、また、多板や流体クラッチを用いてもよく、このようにした場合、このクラッチ15にトルクリミッターと同じ作用をさせることができることから、前記したトルクリミッター16はなくてもよい。
【0054】
【発明の効果】
本発明による効果は、次の如くである。
【0055】
請求項1の発明は、バッテリと、静止側部材に支持され上記バッテリから供給される電力により正、逆転駆動可能とされる電動機と、この電動機からの動力を入力して回転駆動可能とされる被動体とを備えた駆動装置において、
【0056】
上記電動機と被動体との間に介設されこれら電動機と被動体との間の動力伝達のうち、上記電動機から被動体への動力伝達のみを許容する一方、上記電動機の停止時、上記被動体を上記静止側部材に対し自動的にロック可能とするロック機構を備えている。
【0057】
このため、上記バッテリから電動機に電力が供給されて、この電動機が駆動するとき、上記ロック機構は上記電動機から被動体への動力伝達を許容してこの被動体が駆動させられる。そして、この場合、上記ロック機構は機械的なものであって、このロック機構へのバッテリからの電力供給は不要である。
【0058】
一方、上記バッテリから電動機への電力供給の停止に伴うこの電動機の停止時には、上記ロック機構は被動体を上記静止側部材に対し停止状態のままにロックして、この被動体が無意図的に回転することは防止される。そして、この場合も、上記ロック機構は機械的なものであって、このロック機構へのバッテリからの電力供給は不要である。
【0059】
即ち、バッテリから電動機への電力供給の停止時に、被動体を停止状態のままにロック可能とさせるようにした場合において、このロックや、ロック解除のための電力が不要とされて、上記バッテリの電力消費が抑制されるのであり、このため、バッテリからの電力供給による駆動装置の駆動可能な期間が短縮されるということは防止される。
【0060】
また、上記被動体からロック機構に伝達される伝達トルクが所定値以上になったとき、上記静止側部材に対する被動体の相対回転を許容するトルクリミッターを設けている。
【0061】
このため、上記被動体からロック機構に過大な伝達トルクが伝達されようとするときには、上記トルクリミッターにより上記静止側部材に対し被動体が相対回転して上記ロック機構に過大な負荷が与えられることが防止され、これはロック機構の寿命上有益である。
【0062】
一方、上記バッテリからの電力供給により電動機の駆動に伴う上記被動体の駆動中に、上記バッテリから電動機への電力供給が停止させられたとすると、上記ロック機構の働きにより、上記被動体は急停止させられようとする。しかし、この被動体からロック機構への伝達トルクが過大であるときには、上記したように、トルクリミッターにより上記静止側部材に対し被動体が相対回転するため、この被動体の急停止が防止される。
【0063】
請求項2の発明は、上記被動体とロック機構との間における互いの動力伝達を接続、切断可能とするクラッチを設けている。
【0064】
このため、上記したように、バッテリから電動機への電力供給が停止され、これに伴い上記ロック機構が被動体を停止状態のままにロックした状態でも、この被動体を回転させたい場合には、上記クラッチを切断動作させればよい。
【0065】
そして、上記のようにクラッチを切断動作させれば、上記ロック機構による被動体のロックが解除されて、この被動体を自由に回転させることができ、つまり、電動機を停止させたままで、被動体を自由に回転させて、これに対し保守点検作業等をすることが容易にできる。
【0066】
請求項の発明は、バッテリと、静止側部材に支持され上記バッテリから供給される電力により正、逆転駆動可能とされる電動機と、この電動機からの動力を入力して回転駆動可能とされる被動体とを備えた駆動装置において、
【0067】
上記電動機と被動体との間に介設されこれら電動機と被動体との間の動力伝達のうち、上記電動機から被動体への動力伝達のみを許容する一方、上記電動機の停止時、上記被動体を上記静止側部材に対し自動的にロック可能とするロック機構を備えている。
【0068】
このため、上記[0057]〜[0059]に記載の[請求項1]の効果と同様の効果が生じる。
【0069】
また、上記ロック機構を上記静止側部材に対し解除可能に摩擦接合させて、この静止側部材に対する上記ロック機構の回転を規制する回転規制手段を備えている。
【0070】
このため、上記したように、バッテリから電動機への電力供給が停止され、これに伴い上記ロック機構が被動体を静止側部材に対し停止状態のままにロックした状態でも、この被動体を回転させたい場合には、上記回転規制手段を摩擦解除状態にすればよい。
【0071】
そして、上記のように回転規制手段を摩擦解除状態にすれば、上記ロック機構と共に被動体を自由に回転させることができ、つまり、電動機を停止させたままで、被動体を自由に回転させて、これに対し保守点検作業等をすることが容易にできる。
【0072】
また、上記被動体からロック機構に伝達される伝達トルクが所定値以上になったとき、上記静止側部材に対しロック機構が相対回転するよう静止側部材への摩擦力を調整すれば、上記被動体からロック機構に過大な伝達トルクが伝達されようとするときには、上記回転規制手段により上記静止側部材に対し被動体がロック機構を伴い相対回転して、上記被動体とロック機構に過大な負荷が与えられることが防止され、これは被動体とロック機構の寿命上有益である。
【0073】
一方、上記バッテリからの電力供給により電動機の駆動に伴う上記被動体の駆動中に、上記バッテリから電動機への電力供給が停止させられたとすると、上記ロック機構の働きにより、上記被動体は急停止させられようとする。しかし、この被動体からロック機構への伝達トルクが過大であるときには、上記したように、回転規制手段により上記静止側部材に対し被動体がロック機構を伴い相対回転するため、上記被動体の急停止が防止される。
【0074】
また、上記構成によれば、回転規制手段は、上記ロック機構の回転を規制する摩擦状態と、回転を許容する摩擦解除状態とのいずれかを選択可能とするクラッチの作用と、被動体からロック機構への過大な伝達トルクの伝達を防止するトルクリミッターとしての作用を兼用することから、その分、駆動装置の構成部品が少なくなり、よって、この駆動装置の構成が簡単になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図2の部分拡大断面図である。
【図2】 駆動装置の平面部分簡略図である。
【図3】 図1の部分拡大断面図である。
【図4】 図3の4‐4線矢視部分断面図である。
【図5】 駆動装置についての他の実施の形態を示し、図4に相当する図である。
【符号の説明】
1 駆動装置
1a 静止側部材
2 車椅子
3 車体
7 駆動手段
10 バッテリ
12 電動機
13 被動体
14 ロック機構
15 クラッチ
16 トルクリミッター
20 ハウジング
21 軸心
42 駆動側部材
43 従動側部材
44 回転規制手段
A 正転駆動
B 逆転駆動

Claims (3)

  1. バッテリと、静止側部材に支持され上記バッテリから供給される電力により正、逆転駆動可能とされる電動機と、この電動機からの動力を入力して回転駆動可能とされる被動体とを備えた駆動装置において、
    上記電動機と被動体との間に介設されこれら電動機と被動体との間の動力伝達のうち、上記電動機から被動体への動力伝達のみを許容する一方、上記電動機の停止時、上記被動体を上記静止側部材に対し自動的にロック可能とするロック機構を備え
    上記被動体からロック機構に伝達される伝達トルクが所定値以上になったとき、上記静止側部材に対する被動体の相対回転を許容するトルクリミッターを設けた駆動装置。
  2. 上記被動体とロック機構との間における互いの動力伝達を接続、切断可能とするクラッチを設けた請求項1に記載の駆動装置。
  3. バッテリと、静止側部材に支持され上記バッテリから供給される電力により正、逆転駆動可能とされる電動機と、この電動機からの動力を入力して回転駆動可能とされる被動体とを備えた駆動装置において
    上記電動機と被動体との間に介設されこれら電動機と被動体との間の動力伝達のうち、上記電動機から被動体への動力伝達のみを許容する一方、上記電動機の停止時、上記被動体を上記静止側部材に対し自動的にロック可能とするロック機構を備え、
    上記ロック機構を上記静止側部材に対し解除可能に摩擦接合させて、この静止側部材に対する上記ロック機構の回転を規制する回転規制手段を備えた駆動装置。
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