JP3982646B2 - 画像識別装置および方法および画像識別装置を備えた画像検出識別装置ならびに画像識別用プログラムを記録した媒体 - Google Patents

画像識別装置および方法および画像識別装置を備えた画像検出識別装置ならびに画像識別用プログラムを記録した媒体

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、種々の画像を識別する画像識別装置および方法および画像識別装置を備えた画像検出識別装置ならびに画像識別用プログラムを記録した媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】
布や紙などの各種製造工程、あるいは印刷工程などにおいては、品質を保持するために異物付着やきずや印刷漏れなどの欠点の有無について検査を行っている。従来、この検査では、被対象物の反射光や透過光などにより得られた画像情報を予め用意した標準画像と比較するなどして欠点の有無を検出し、検査の省力化および自動化が図られていた。
【0003】
また、欠点の有無を検出するのみでなく、欠点の種類をも識別することにより、それを直ちに製造工程などにフィードバックし、その欠点の発生原因に応じた対応を取ることができるようにした画像識別手段も提案されている。例えば、標準画像と比較して得た欠点画像から特徴量を抽出し、その特徴量に基づいてファジィ推論およびニーラルネットワークを用い欠点の種類を識別するようにしたものである(特開平7−333170参照)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、この画像識別手段では欠点画像から抽出した特徴量に基づいてファジィ推論を行うので、“大きい”“細い”などの言語表現をもって作業者が設定を行う必要があり、作業が煩雑であるという問題があった。また、ファジィ推論とニーラルネットワークのみで欠点の種類を識別しているので、データベースに無い欠点が入力された場合や欠点を誤検出した場合に登録済みの欠点の種類のうちの1つとして出力してしまう可能性が高いという問題もあった。
【0005】
また、他の画像識別手段としては、画像の輝度情報に関する平均を算出し、ファジィ推論とハイブリット・ニューラルネットワーク(すなわち階層型ネットワークと対向伝搬ネットワークとを組み合わせたもの)を用いて牛肉の肉色と脂肪色とを識別するものが提案されている(特開平6−318244参照)。しかし、この画像識別手段は、構造が複雑であり簡単に識別することができないという問題があった。
【0006】
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたもので、その第1の目的は、簡単に高精度の識別をすることができる画像識別装置および方法および画像識別装置を備えた画像検出識別装置ならびに画像識別用プログラムを記録した媒体を提供することにある。
【0007】
第2の目的は、容易に効率良く識別することができる画像識別装置および方法および画像識別装置を備えた画像検出識別装置ならびに画像識別用プログラムを記録した媒体を提供することにある。
【0008】
第3の目的は、画像の識別に必要なデータの設定などを容易に行うことができる画像識別装置および方法および画像識別装置を備えた画像検出識別装置ならびに画像識別用プログラムを記録した媒体を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の画像識別装置は、画像を取り込む画像取り込み手段と、この画像取り込み手段により取り込んだ画像について欠点の特徴量を抽出し特徴量信号として出力する特徴量抽出手段と、前記画像取り込み手段により取り込んだ画像について欠点の識別を補助するための例外処理信号を検出し出力する例外検出手段と、前記特徴量抽出手段から出力された特徴量信号と、前記例外検出手段から出力された例外処理信号とに基づき画像中の欠点を識別する判断処理手段とを備えるようにしたものである。
かつ、判断処理手段が、特徴量抽出手段から出力された特徴量信号に基づき欠点を識別する識別手段と、この識別手段により識別した結果と例外検出手段から出力された例外処理信号とに基づいて、少なくとも欠点の有無を判定する判定手段とを有するようにしたものである。
【0010】
この画像識別装置では、画像取り込み手段により画像を取り込み、その画像について特徴量抽出手段により欠点の特徴量を抽出し、例外検出手段により例外処理信号を検出する。この特徴量と例外処理信号とに基づき判断処理手段により画像中の欠点を識別する。すなわち、例外処理信号により欠点の識別を補助する。
より詳しくは、特徴量信号に基づいて識別手段により画像中の欠点を識別し、判定手段によりこの識別結果と例外処理信号とに基づいて、少なくとも欠点の有無を判定する。すなわち、判定手段により識別手段の識別を補助する。よって、識別手段において扱う情報を削減することができる。
【0011】
この画像識別装置は、また、前記特徴量抽出手段が識別対象画像に基づいて特徴量を抽出する画像内特徴量抽出手段を有するようにしてもよい。更に、識別対象画像と背景画像とを含む画像に基づいて特徴量を抽出する背景含有画像特徴量抽出手段を更に有するようにすれば、より多くの異なった性質の情報を抽出することができるので好ましい。
【0012】
請求項4記載の画像識別装置は、請求項1に記載のものにおいて、例外検出手段が、取り込んだ画像について白黒判定を行い前記例外処理信号の1つとして白黒信号を出力する白黒判定部と、取り込んだ画像中の欠点の有無を検出して欠点が無い場合に例外処理信号の1つとして無欠点信号を出力する無欠点判定部と、取り込んだ画像中の欠点の個数を計測して例外処理信号の1つとして欠点の個数の割合を示す密集信号を出力する個数計測部とを有するようにしたものである。
【0014】
請求項記載の画像識別装置は、請求項3記載のものにおいて、前記判断処理手段が、総合判定手段をさらに有すると共に、識別手段が、1次識別手段と2次識別手段とを有するようにしたものである。そして、前記1次識別手段が、前記画像内特徴量抽出手段から出力された特徴量信号に基づき画像の欠点を識別し、前記判定手段が、この1次識別手段により識別した結果を前記例外検出手段から出力された例外処理信号に基づき判定し、前記2次識別手段が、この判定手段の判定結果に応じて、前記背景含有画像特徴量抽出手段から出力された特徴量信号に基づき画像の欠点を識別し、前記総合判定手段が、前記判定手段の判定と前記2次識別手段による識別結果とに基づいて総合的な判定を行い、少なくとも欠点の有無および欠点の種別を出力するようにしたものである。
【0015】
この画像識別装置では、1次識別手段により画像を識別し、判定手段によりこの識別結果を判定する。また、その判定結果に応じて、2次識別手段により画像を識別する。すなわち、判定手段および必要に応じて2次識別手段により1次識別手段の識別を補助する。よって、1次識別手段において扱う情報が少なくても高精度の識別を行うことができる。
【0016】
この画像識別装置は、また、前記判断処理手段が、前記1次識別手段としての機能と前記2次識別手段としての機能とを共用する1つの識別手段を備えると共に、前記1つの識別手段について1次識別手段としての機能と2次識別手段としての機能との切り替えを行う識別切り替え手段を備えるようにしてもよい。
【0017】
この画像識別装置では、1次識別手段としての識別手段により画像を識別し、判定手段によりこの識別結果を判定する。また、その判定結果に応じて、切り替え手段により識別手段の機能を2次識別手段に切り替え、2次識別手段としての識別手段により画像を識別する。
【0018】
請求項記載の画像識別装置は、請求項1乃至のいずれか1に記載のものにおいて、更に、画像の識別において基準となるデータを保持するデータ保持手段を備えており、前記判断処理手段は特徴量信号と例外処理信号と前記データ保持手段に保持されたデータとに基づいて画像を判断するようにしたものである。
【0019】
この画像識別装置では、データ保持手段により画像の識別において基準となるデータを保持する。判断処理手段では、特徴量信号と例外処理信号とデータ保持手段に保持されたデータとに基づいて画像を判断する。
【0020】
請求項記載の画像識別装置は、請求項記載のものにおいて、更に、画像の識別において基準となるデータを学習して前記データ保持手段に保持させる学習手段を備えるようにしたものである。
【0021】
この画像識別装置では、学習手段により画像の識別において基準となるデータを学習してデータ保持手段に保持させることができる。
【0024】
本発明の画像識別方法は、画像を取り込む画像取り込み工程と、この画像取り込み工程により取り込んだ画像について欠点の特徴量を抽出する特徴量抽出工程と、前記画像取り込み工程により取り込んだ画像について欠点の識別を補助するための例外処理信号を検出する例外処理信号検出工程と、前記特徴量抽出工程により抽出した特徴量と、前記例外処理信号検出工程により検出した例外処理信号とに基づき画像中の欠点を識別する判断処理工程とを含むようにしたものである。
かつ、前記判断処理工程が、前記特徴量抽出工程により抽出した特徴量に基づき欠点を識別する識別工程と、この識別工程により識別した結果と前記例外処理信号検出工程により検出した例外処理信号とに基づいて、少なくとも欠点の有無を判定する判定工程とを含むようにしたものである。
【0025】
この画像識別方法では、画像取り込み工程により画像を取り込んだのち、特徴量抽出工程により画像について欠点の特徴量を抽出すると共に、例外処理信号検出工程により画像について例外処理信号を検出する。そののち、この特徴量と例外処理信号とに基づき判断処理工程により画像中の欠点を識別する。
【0026】
本発明の画像検出識別装置は、撮像画像から特定の画像を検出し識別する画像検出識別装置であって、本発明の画像識別装置を備えるようにしたものである。
【0027】
この画像検出識別装置では、撮像画像から特定の画像が検出され、これを本発明に係る画像識別装置により識別する。
【0028】
本発明の記載の画像識別用プログラムを記録した媒体は、コンピュータによって画像中の欠点を識別するためのものであって、画像識別用プログラムが、コンピュータに画像を取り込む画像取り込み手順と、この画像取り込み手順により取り込んだ画像について欠点の特徴量を抽出する特徴量抽出手順と、前記画像取り込み手順により取り込んだ画像について欠点の識別を補助するための例外処理信号を検出する例外処理信号検出手順と、前記特徴量抽出手順により抽出した特徴量と、前記例外処理信号検出手順により検出した例外処理信号とに基づき画像中の欠点を識別する判断処理手順とを含むようにしたものである。
かつ、前記判断処理手順が、前記特徴量抽出手順により抽出した特徴量に基づき欠点を識別する識別手順と、この識別手順により識別した結果と前記例外処理信号検出手順により検出した例外処理信号とに基づいて、少なくとも欠点の有無を判定する判定手順とを含むようにしたものである。
【0029】
この画像識別用プログラムを記録した媒体では、この媒体に記録された画像識別用プログラムにより実行される画像取り込み手順によってコンピュータに画像が取り込まれ、媒体に記録された画像識別用プログラムにより実行される特徴量抽出手順によって欠点の特徴量が抽出され、媒体に記録された画像識別用プログラムにより実行される例外処理信号検出手順によって例外処理信号が検出される。また、媒体に記録された画像識別用プログラムにより実行される判断処理手順によって抽出された特徴量と検出された例外処理信号とに基づき画像中の欠点が識別される。
【0030】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0031】
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る画像識別装置の概略構成を表すものである。この画像識別装置は各種画像の識別に用いられるものであるが、ここでは、紙や布などの製造工程において被対象物に虫などの異物付着や穴や油じみなどの欠点が有るか否かを検査する際に、被対象物の撮像画像から検出した欠点画像を識別する場合について説明する。なお、この欠点画像は撮像画像から欠点があると思われる部分を抽出したものであり、階調を持つ濃淡画像で、識別対象画像である欠点部分と共にその背景も有するものである。
【0032】
この画像識別装置は、欠点画像などの画像を取り込む画像取り込み部10と、この画像取り込み部10により取り込んだ欠点画像などの画像を処理する画像処理部20と、この画像処理部20により処理した結果に基づき欠点画像を識別する判断処理部30とを備えている。この判断処理部30には、メモリ素子などの適宜な記憶媒体よりなるデータ保持部40が接続されている。このデータ保持部40には、識別において基準となるデータが保持されており、識別に際し参照されるようになっている。
【0033】
なお、判断処理部30は、欠点画像を識別する判断処理手段としての機能に加えて、識別において基準となるデータを学習してデータ保持部40に保持させる学習手段としての機能も有している。判断処理部30が学習手段として機能する場合には、予め判明している欠点を撮像した画像(基準画像)を画像取り込み部10により取り込み、それを画像処理部20により処理して、その結果に基づき判断処理部30により学習を行うようになっている。また、画像取り込み部10,画像処理部20および判断処理部30は、マウスやキーボードなどの適宜な入力部61およびモニタなどの表示部62を備えたマンマシンインターフェース部60にそれぞれ接続されている。
【0034】
図2は、画像処理部20の構成を表すものである。画像処理部20は、画像取り込み部10から入力された画像について適宜な前処理を行う画像前処理部21と、画像の識別を補助するための例外処理信号を検出し出力する例外検出部22と、画像を識別するための特徴量を抽出し特徴量信号として出力する特徴量抽出部23とにより構成されている。
【0035】
画像前処理部21は、濃度ヒストグラム作成部211と平均濃度算出部212とにより構成されており、濃度ヒストグラム作成部211により画像の濃度ヒストグラムを作成すると共に、平均濃度算出部212により濃度ヒストグラムにおける平均濃度を算出するようになっている。
【0036】
例外検出部22は、画像について白黒判定を行い例外処理信号として白黒信号i221を出力する白黒判定部221と、画像中に含まれる欠点を検出し検出できない場合に例外処理信号として無欠点信号i222を出力する無欠点判定部222と、画像から欠点部分のみを表す欠点内画像を作成する欠点内画像作成部223と、画像中に含まれる欠点の個数を計測し欠点の個数が2個以上の場合には例外処理信号として密集信号i223を出力する個数計測部224とにより構成されている。この例外検出部22から出力される例外処理信号は、特徴量抽出部23により抽出された特徴量に基づき識別された欠点画像の識別結果を判定するために用いられるものである。
【0037】
白黒判定部221は、濃度ヒストグラム作成部211により作成された濃度ヒストグラムの黒側平均値(重心値)および白側平均値(重心値)を平均濃度算出部212により算出された平均濃度値とそれぞれ比較し、どちらの方が平均濃度値との濃度差(すなわち距離)が大きいかに基づいて白黒判定を行うものである。具体的には、黒側平均値の方が平均濃度値との濃度差が大きい場合には平均濃度値よりも濃度が高いと判断し黒欠点信号を白黒信号i221として判断処理部30に出力し、白側平均値の方が大きい場合には平均濃度値よりも濃度が低いと判断し白欠点信号を白黒信号i221として判断処理部30に出力するようになっている。
【0038】
無欠点判定部222は、画像取り込み部10により取り込んだ画像を2値化して2値画像を作成すると共に、この2値画像について孤立点を除去したのち欠点に接して囲み込む矩形状の外接ウインドウを設定して、外接ウインドウが正しく設定できない場合には欠点が無いと判断し、設定できた場合には欠点が有ると判断するものである。
【0039】
欠点内画像作成部223は、無欠点判定部222により外接ウインドウが正しく設定された場合に、欠点部分を黒で表した外接ウインドウと同じ大きさの欠点内白黒画像と、欠点部分を濃淡で表した外接ウインドウと同じ大きさの欠点内濃淡画像とを欠点内画像として作成するものである。例えば、図3に示したような虫が付着した欠点画像Xaが取り込まれた場合には、欠点内画像として、図4に示したような欠点内白黒画像Xbと図5に示したような欠点内濃淡画像Xcを作成するようになっている。すなわち、欠点画像Xaは欠点部分の画像と背景画像とを有するものであるのに対し、欠点内白黒画像Xbおよび欠点内濃淡画像Xcは欠点部分のみの画像である。
【0040】
個数計測部224は、欠点内画像作成部223により作成された欠点内白黒画像Xbに基いて欠点の個数を計測し、それに応じて密集信号i223を出力するものである。なお、この密集信号i223は、欠点が複数ある場合の判断処理部30における処理順序を設定する際に用いるようにしてもよい。
【0041】
特徴量抽出部23は、欠点内画像作成部223により作成された欠点内白黒画像Xbに基づいて欠点の幾何形状に関する特徴量を抽出する幾何形状特徴量抽出部231と、欠点内濃淡画像Xcに基づいて欠点部分の濃度パターンヒストグラムを作成する欠点内濃度パターンヒストグラム作成部232と、作成した欠点内濃度パターンヒストグラムから欠点部分の濃度パターンに関する特徴量を抽出する欠点内濃度パターン特徴量抽出部233とにより構成されている。すなわち、この特徴量抽出部23は、欠点内画像に基づいて(識別対象画像である欠点部分の画像に基づいて)特徴量を抽出する画像内特徴量抽出手段により構成されている。
【0042】
幾何形状特徴量抽出部231は、欠点内白黒画像Xbから欠点の幾何形状を特定するための項目を抽出し、それに基づいて欠点の幾何形状特徴量を算出して、それを特徴量信号の幾何形状信号i231として出力するようになっている。抽出する項目は、例えば表1に示したように、面積S,周囲長L,外接長方形(Ox,Oy),図形重心位置(Gx,Gy),最大径MAXPである。なお、外接長方形(Ox,Oy)というのは、図5に示したように、欠点に各辺が接して囲み込む長方形のX軸方向の長さとY軸方向の長さである。図形重心位置(Gx,Gy)というのは、図5に示したように、欠点の重心位置をXY座標で表したものである。最大径MAXPというのは、図5に示したように、欠点に接する最大円の直径である。
【0043】
【表1】
Figure 0003982646
【0044】
また、幾何形状特徴量は、例えば表2に示したように、面積S,面積比SR,円形度CR,フェレ比FR,丸さ度合rough_R,伸長度lengthである。これらの各幾何形状特徴量は、表2に示した計算式によりそれぞれ算出される。なお、伸長度lengthは、適宜設定される。
【0045】
【表2】
Figure 0003982646
【0046】
欠点内濃度パターンヒストグラム作成部232により作成する欠点内濃度パターンヒストグラムというのは、例えば図6に示したように、欠点部分の濃度頻度をグラフ化したものである。欠点内濃度パターン特徴量抽出部233により抽出する欠点内濃度パターン特徴量は、例えば表3に示したように、白/黒の別(W/B),濃度(I),濃度分散(σ),濃度パターン(P)である。これらの各欠点内濃度パターン特徴量は、表3に示した計算式によりそれぞれ算出される。なお、hmax は最大濃度頻度値であり、Iwidth は濃度値の広がり幅であり、gmax は複数濃度パターン間のギャップの幅である。欠点内濃度パターン特徴量抽出部233は、これらの欠点内濃度パターン特徴量を特徴量信号の欠点内濃度パターン信号i233として出力するようになっている。
【0047】
【表3】
Figure 0003982646
【0048】
図7は判断処理部30の構成を表すものである。判断処理部30は、特徴量抽出部23から出力された特徴量信号i231,i233に基づき欠点を識別する識別部31と、この識別部31により識別した結果が正しいか否かを判定する判定部32とにより構成されている。なお、識別部31は、欠点を識別する識別手段としての機能に加えて、学習手段としての機能も有している。
【0049】
識別部31は、特徴量信号i231,i233をデータ保持部40に予め学習により記憶させておいた識別用データ41と単純に比較する比較回路や、ファジィ回路などの計算回路により構成される。ファジィ回路としては、例えば、ニューラルネットワークによる入力の重みとしきい値を用いた回路や、ニューラルネット・プロセッサ(NNP)素子とメモリとにより重みと履歴値とを用い重み付けを経験に応じて変化させることができる回路など、種々の回路を用いることができる。識別部31に入力される特徴量信号i231,i233の信号形式は、識別部31の構成に応じて適宜に選択され、アナログ信号でもデジタル信号でもよい。
【0050】
また、識別用データ41というのは、例えば表4に示したように、識別のための重みとしきい値,欠点名と出力番号および特徴量名と入力番号がそれぞれ関連づけられたものである。すなわち、識別部31は、識別手段として機能する場合には、識別用データ41の特徴量名と入力番号およびそれに対応した重みとしきい値とを参照して欠点を識別し、その結果を欠点名がそれぞれ対応されたいずれかの出力端子から識別信号i311〜i31nとして出力するようになっている。この識別信号i311〜i31nは、出力番号により欠点名を表し、信号の大きさにより可能性の度合いを表している。よって、1つの欠点名に特定できた場合には、対応する出力番号の出力端子から1つの識別信号i311を出力し、1つに特定できず2以上の欠点名を選択した場合には、対応する各出力番号の各出力端子から各々任意の大きさの識別信号i311〜i31nを出力するようになっている。
【0051】
【表4】
Figure 0003982646
【0052】
識別部31は、また、学習手段として機能する場合には、特徴量抽出部23から出力された特徴量信号i231,i233に基づき所定の学習動作を行っていずれかの出力端子から識別信号i311〜i31nを出力するようになっている。この出力端子の出力番号は、入力部61から入力される欠点名や、その他必要なデータと共にデータ保持部40に記憶され、識別用データ41を構成する。なお、識別用データ41は、その一部もしくは全部をデータ保持部40にではなく識別部31内に必要に応じて保持させるようにしてもよい。
【0053】
判定部32は、識別部31から出力された各識別信号i311〜i31nの入力先をそれぞれ切り替える切り替え部321と、各識別信号i311〜i31nの入力に応じて識別結果の確信度を計算する確信度計算部322と、確信度計算部322からの出力に基づき識別部31で識別した結果を判定する判定結果出力部323とにより構成されている。
【0054】
切り替え部321は、識別部31の出力端子の数に対応した複数のスイッチ回路3211〜321nと、各スイッチ回路3211〜321nの切り替え動作をそれぞれ制御する切り替え制御部321Aとを有している。切り替え制御部321Aは、マンマシンインターフェース部60からの指示に応じて、識別部31が識別手段として機能する時と学習手段として機能する時とで異なった制御をするようになっている。
【0055】
すなわち、識別部31が識別手段として機能する時には、画像処理部20から出力された例外処理信号である白黒信号i221,無欠点信号i222および密集信号i223と、データ保持部40に予め学習により記憶させておいた例外制御用データ42とに基づき各スイッチ回路3211〜321nをそれぞれ制御するようになっている。一方、識別部31が学習手段として機能する時には、各スイッチ回路3211〜321nを動作させずに“open”の状態とすると共に、必要に応じて例外処理信号を例外制御用データ42としてデータ保持部40に記憶させるようになっている。なお、例外制御用データ42というのは、表5に示したように、全欠点の白黒信号値である。
【0056】
【表5】
Figure 0003982646
【0057】
また、識別部31が識別手段として機能する時の各スイッチ回路3211〜321nの制御条件は、例えば表6に示したように設定されている。すなわち、無欠点信号i222が入力された(例えば“1”が入力された)場合には、欠点画像にはもともと欠点が含まれていなかった誤検出として、各スイッチ回路3211〜321nを接点aにも接点bにも接続せず“open”の状態とするように設定されている。また、無欠点信号i222が入力されない(例えば“0”が入力された)場合には、例外処理信号の白黒信号i221と例外制御用データ42の白黒信号値が共に“白”の時に接点aを閉じ、共に“黒”の時に接点bを閉じ、それ以外の時(すなわち一致しない時)に“open”の状態とするように設定されている。なお、密集信号i223が入力された場合には、欠点が複数あるとして判定動作を繰り返し行うか、判定不能として処理するか、あるいは密集欠点として処理するように制御されている。
【0058】
【表6】
Figure 0003982646
【0059】
確信度計算部322は、各スイッチ回路3211〜321nの接点aにそれぞれ接続された白欠点確信度計算部3221と、接点bにそれぞれ接続された黒欠点確信度計算部3222とにより構成されている。すなわち、確信度計算部322では、各スイッチ回路3211〜321nの動作に応じて各識別信号i311〜i31nが白欠点確信度計算部3221にそれぞれ入力されるか、黒欠点確信度計算部3222にそれぞれ入力されるか、またはどちらにも入力されないようになっている。また、白欠点確信度計算部3221および黒欠点確信度計算部3222は、入力された識別信号i311〜i31nに基づいて適宜の計算を行い、識別部31による識別結果の確からしさを表す確信度を算出するものである。この確信度は、例えば、識別部31からの出力全体に対する1つの出力(すなわち1つの欠点名に関する出力)の割合で表される。
【0060】
判定結果出力部323における判定の条件は、白欠点確信度計算部3221または黒欠点確信度計算部3222により計算された各欠点名の確信度と、それらを評価するための2つの基準(評価値1,評価値2)との関係に応じて、例えば表7に示したように設定されている。すなわち、1つの欠点名の確信度1のみが高い場合(パターンA)は“欠点有り”と判定し、高い確信度のものがなくやや高いものが複数ある場合、あるいは高い確信度のものが複数ある場合(パターンB)は“未確定”と判定し、その他の場合(パターンC)は“未登録”と判定するように設定されている。判定結果出力部323は、判定が“欠点有り”の場合にはその確信度が高かった欠点名およびその他必要な情報を出力し、“未確定”および“未登録”の場合には識別不能として出力するようになっている。
【0061】
【表7】
Figure 0003982646
【0062】
また、図1に示したこのマンマシンインターフェース部60は、データ設定機能と動作設定・結果表示機能とを有している。データ設定機能としては、表8に示したように、(イ)予め学習によりデータ保持部40に識別用データ41を記憶させるに際し欠点名などを手動で設定する機能、(ロ)画像処理部20で画像を処理する際などの各種パラメータを変更調整する機能、(ハ)統計処理などにおける評価表示のためのデータシートを作成する機能がある。なお、これらのデータ設定は、モニタ62の画面を見ながら入力手段61によって行うことができるようになっている。
【0063】
【表8】
Figure 0003982646
【0064】
動作設定・結果表示機能としては、表9に示したように、(イ)学習・識別などのモード切り替えおよびスタートの設定機能、(ロ)判断処理部30において判定した結果とその関連データを表示する機能がある。例えば、この学習・識別切り替えにより学習モードに設定すれば、判断処理部30(すなわち識別部31および判定部32)における動作結果および関連の情報がデータ保持部40に記憶され、識別モードに設定すれば、判定結果などが表示され必要な情報が記録されるようになっている。
【0065】
【表9】
Figure 0003982646
【0066】
このような構成を有する画像識別装置は、次のようにして動作する。なお、本発明の画像識別方法は、この画像識別装置が動作することにより実行される。よって、ここでは、画像識別装置の動作を説明することにより本発明の画像識別方法の説明に代える。
【0067】
図8はこの画像識別装置の全体動作(すなわち本実施の形態に係る画像識別方法における各工程)を表す概略流れ図である。この画像識別装置および方法においては、まず、学習・識別切り替えにより学習モード(学習ステップA)あるいは識別モード(識別ステップB)のどちらかが選択される(ステップS101)。ここでは、欠点画像の識別動作に先立ち、欠点を識別する際に識別の基準となるデータをデータ保持部40に記憶させる必要があるので、まずは、マンマシンインターフェース部60を介して手動により学習モードを選択する。
【0068】
(学習モード)
学習モードに切り替えられたのち、画像取り込み部10により、基準画像(予め判明している欠点を例えばCCDカメラなどで撮像した画像;例えば図3に示したような虫が付着した画像)を取り込む(ステップS102A)。次いで、この基準画像について画像前処理部21により前処理を行う(ステップS103A)。すなわち、濃度ヒストグラム作成部211により濃度ヒストグラムを作成し、平均濃度算出部212により平均濃度を算出する。
【0069】
続いて、例外検出部22により例外処理信号の検出と欠点内画像の作成を行う(ステップS104A)。図9に例外検出部22における動作の流れ図を示す。例外検出部22では、まず、白黒判定部221において濃度ヒストグラム作成部211により作成した濃度ヒストグラムの黒側平均値および白側平均値を平均濃度算出部212により算出した平均濃度とそれぞれ比較して、黒側平均値の方が白側平均値よりも平均濃度値との差が大きい場合には黒と判定し、白側平均値の方が差が大きい場合には白と判断する(ステップS1041A)。これにより、黒と判断した場合には例外処理信号の白黒信号i221として黒欠点信号を切り替え部321に出力し、白と判断した場合には例外処理信号の白黒信号i221として白欠点信号を切り替え部321に出力する(ステップS1042A)。
【0070】
次いで、無欠点判定部222において画像取り込み部10により取り込んだ基準画像の2値化を行い2値画像を作成する(ステップS1043A)。続いて、この2値画像について孤立点の除去を行い(ステップS1044A)、欠点を囲む外接ウインドウを設定する(ステップS1045A)。ここで、外接ウインドウを正しく設定できなかった場合には(ステップS1046A;N)、例外処理信号として無欠点信号i222を切り替え部321に出力する(ステップS1042A)。一方、外接ウインドウを正しく設定できた場合には(ステップS1046A;Y)、欠点内画像作成部223において欠点内白黒画像Xb(図4参照)と欠点内濃淡画像Xc(図5参照)を作成する(ステップS1047A)。
【0071】
そののち、個数計測部224においてこの欠点内白黒画像Xbに基づき欠点の個数を計測する(ステップS1048A)。欠点の個数が2個以上であった場合には(ステップS1049A;Y)、例外処理信号として密集信号i223を切り替え部321に出力する(ステップS1042A)。一方、欠点の個数が1個であった場合には(ステップS1049A;N)、例外検出部22における動作を終了する。
【0072】
このように例外検出部22により欠点内画像の作成がされたのち、この欠点内画像に基づいて特徴量抽出部23により欠点の特徴量を抽出する(ステップS105A)。すなわち、幾何形状特徴量抽出部231により表1に示した項目を抽出し、それに基づき表2に示した幾何形状特徴量を算出する。また、欠点内濃度パターンヒストグラム作成部232により欠点内濃度パターンヒストグラム(図6参照)を作成し、これに基づき欠点内濃度パターン特徴量抽出部233により表3に示した欠点内濃度パターン特徴量を抽出する。そののち、これら抽出した幾何形状特徴量および欠点内濃度パターン特徴量を、特徴量信号の幾何形状信号i231および欠点内濃度パターン信号i233として識別部31にそれぞれ出力する。
【0073】
識別部31では、特徴量信号が入力されると、この特徴量に基づいて適宜の学習動作を行い、いずれかの出力端子から識別信号i311〜i31nを出力する。この出力端子の出力番号は、基準画像の欠点名(例えば虫)を対応させてデータ保持部40に識別用データ41として登録し記憶させる(ステップS106A)。なお、特徴量の選択や欠点名の設定などは入力手段61を介して手動により行う。
【0074】
一方、切り替え部321では、切り替え制御部321Aにより各スイッチ回路3211〜321nを制御して動作させずに“open”の状態とする。また、識別部31における動作と並行してまたはそれと前後して、入力された例外処理信号(ここでは白黒信号i221)を必要に応じてデータ保持部40に例外制御用データ42として登録し記憶させる(ステップS107A)。
【0075】
以上の動作を繰り返すことにより、種々の基準画像に関するデータをデータ保持部40に記憶させる。このようにして学習モードが終了したら、マンマシンインターフェース部60を介して手動により識別モード(識別ステップB)に切り替える(ステップS101)。
【0076】
(識別モード)
識別モードに切り替えられたのち、画像取り込み部10により識別対象を含む欠点画像(例えば図3に示したような虫が付着した画像)を取り込む(ステップS102B;画像取り込み工程)。次いで、学習モードと同様にして、この欠点画像について画像前処理部21により前処理(濃度ヒストグラムの作成,平均濃度の算出)を行う(ステップS103B)。
【0077】
続いて、学習モードと同様にして、例外検出部22により例外処理信号の検出と欠点内画像の作成を行う(ステップS104B(図9参照);例外処理信号検出工程)。すなわち、白・黒欠点判断を行い白黒信号i221を出力すると共に、欠点画像の2値化を行い孤立点を除去したのち、外接ウインドウの設定を行う。この外接ウインドウが正しく設定できた場合には欠点内画像(欠点内白黒画像Xb(図4参照),欠点内濃淡画像Xc(図5参照))を作成し、設定できなかった場合には無欠点信号i222を出力する。そののち、欠点内画像に基づいて欠点の個数を計測し、欠点の個数が2個以上であった場合には密集信号i223を出力する。
【0078】
例外検出部22により欠点内画像の作成がされたのち、学習モードと同様にして、この欠点内画像に基づいて特徴量抽出部23により欠点の特徴量(幾何形状特徴量,欠点内濃度パターン特徴量)を抽出する(ステップS105B;特徴量抽出工程)。そののち、抽出した特徴量(幾何形状特徴量,欠点内濃度パターン特徴量)を、特徴量信号(幾何形状信号i231,欠点内濃度パターン信号i233)として識別部31に出力する。
【0079】
識別部31では、特徴量信号が入力されると、この特徴量に基づいて識別用データ41を参照し欠点の識別を行う(ステップS106B;識別工程)。すなわち、特徴量と識別用データ41とを単純に比較し、あるいは適宜な計算処理をして、欠点画像の欠点が識別用データ41に記憶されているいずれかの欠点(例えば虫)あるいはそれに類似した欠点であると識別する。この識別結果は、識別信号i311〜i31nとして欠点名が対応された1つあるいは複数の出力端子から切り替え部321に出力される。
【0080】
一方、切り替え部321では、識別部31における動作と並行してまたはそれと前後して、入力された例外処理信号に基づいて例外制御用データ42を参照し、表6に示したように各スイッチ回路3211〜321nの設定を行う(ステップS107B)。すなわち、無欠点信号i222が入力された場合には“open”の状態とし、入力されない場合には例外処理信号の白黒信号i221と例外制御用データ42の白黒信号値が共に“白”の時に接点aを閉じ、共に“黒”の時に接点bを閉じる。ここで、切り替え部321が“open”の状態である場合には、判定不能の信号を確信度計算部322を介して判定結果出力部323に出力する。接点aまたは接点bが閉じられた場合には、識別信号i311〜i31nを白欠点確信度計算部3221または黒欠点確信度計算部3222のいずれかに出力する。また、密集信号i223が入力された場合には、判定動作を繰り返し行うか判定不能の信号あるいは密集欠点の信号を判定結果出力部323に出力する。
【0081】
識別信号i311〜i31nが確信度計算部322に入力された場合には(ステップS107B;接続)、白欠点確信度計算部3221または黒欠点確信度計算部3222のいずれかにより確信度を算出し判定結果出力部323に出力する(ステップS108B)。そののち、判定結果出力部323により確信度を所定の評価値と比較して表7に示したように判断を行う(ステップS109B;S107Bから以上判定工程)。
【0082】
ここで、“欠点有り”と判定した場合には(ステップS109B;有)、識別信号i311〜i31nが出力された出力端子の出力番号に対応する欠点名(例えば虫)をその他必要な情報と共に出力する(ステップS110B)。一方、“未登録”または“未確定”と判定した場合には(ステップS109B;未)、識別不能として出力する(ステップS110B)。また、切り替え部321より判定不能の信号が入力された場合には識別不能と出力し、密集欠点の信号が入力された場合には欠点名と共に密集欠点であることを出力する(ステップS110B)。この出力結果はモニタ62により表示されると共に、必要に応じて記録される。これにより、欠点画像の識別が終了する。
【0083】
このように本実施の形態に係る識別装置および方法によれば、画像処理部20において特徴量としての幾何形状特徴量および欠点内濃度パターン特徴量を抽出するに加え、例外処理信号(白黒信号i221,無欠点信号i222,密集信号i223)を検出するようにしたので、例外処理信号により識別を補助することができる。よって、特徴量に基づいて行った識別が誤っていても例外処理信号によりそれを検出することができ、識別精度を向上させることができる。
【0084】
また、識別部31により特徴量に基づいて画像の識別を行うと共に、判定部32により例外処理信号に基づいて識別部31による識別結果の判定を行うようにしたので、判定部32による判定により識別を補助することができる。よって、例えば画像の白黒判定が容易となり、識別部31において扱う特徴量および識別部31の処理内容を削減することができる。すなわち、識別を容易に効率よく行うことができる。
【0085】
更に、識別に必要なデータの設定などを手動により行うためのマンマシンインターフェース部60を備えるようにしたので、学習モードにおける各種設定を容易に行うことができる。
【0086】
(第2の実施の形態)
図10は、本発明の第2の実施の形態に係る画像識別装置における識別部1031の構成を表すものである。この画像識別装置は、識別部1031および識別用データ1041の構成が異なっていることを除き、他は第1の実施の形態に係る画像識別装置と同一の構成を有している。よって、ここでは、第1の実施の形態と同一の構成要素には同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
【0087】
識別部1031は、入力層10311と中間層10312と出力層10313の3層構造よりなるニューラルネットワークにより構成されている。入力層10311,中間層10312および出力層10313の各層内部における各ニューロン間の結合は無く、下位層の各ニューロンは上位層の全てのニューロンと結合している。各ニューロンの出力値Oiは数1に示した式で表される。
【0088】
【数1】
Oi=f(ΣWij×Iij−θ)
Wij ; 下位層のj番目のニューロンとの結合重み
Iij ; j番目のニューロンからの入力値
θ ; しきい値
f ; 非線形関数(いわゆるシグモイド関数)
【0089】
このニューラルネットワークの学習則は、教師有りのバックプロパゲーション学習則となっている。バックプロパゲーション学習というのは、誤差逆伝搬法とも呼ばれ、各教師信号値とそれに対応する出力ニューロンの出力値の誤差の総和が最小となるように各ニューロンの重みとしきい値を繰り返し演算により決定するものである。学習した重みおよびしきい値は、データ保持部1040に識別用データ1041として記憶される。この識別用データ1041は、表10に示したように、ニューロンの重みとしきい値,欠点名と出力番号および特徴量名と入力番号がそれぞれ関連づけられたものである。
【0090】
【表10】
Figure 0003982646
【0091】
すなわち、この識別部1031は、特徴量抽出部23から入力層10311に特徴量信号が入力されると、各ニューロンにおいて式1に示した計算を行い、出力層10313の1つあるいは複数のニューロンから識別結果としての識別信号i311〜i31nを判定部32に出力するようになっている。この識別信号i311〜i31nは、出力番号(すなわち出力したニューロンの番号)により欠点名を表し、信号の大きさにより可能性の度合いを表している。
【0092】
このような構成を有する画像識別装置は、識別部1031における具体的な識別動作が異なることを除き、第1の実施の形態と同様にして動作する。
【0093】
このように本実施の形態に係る画像識別装置および方法によれば、識別部1031をニューラルネットワークにより構成しニューラルネットワークを用いて識別を行うようにしたので、多くの入力ポートによって多くの特徴量を容易に扱うことができる。また、重みとしきい値を学習により最適化することができる。よって、精度良い識別を容易に行うことができる。
【0094】
(第3の実施の形態)
図11は、本発明の第3の実施の形態に係る画像識別装置における画像処理部2020の構成を表すものである。この画像識別装置は、第1の実施の形態に加えて例外検出部2022が背景含有画像作成部225を備えると共に、特徴量抽出部2023が背景含有濃度パターンヒストグラム作成部234および背景含有濃度パターン特徴量抽出部235を備えたことを除き、他は第1の実施の形態に係る画像識別装置と同一の構成を有している。すなわち、この画像識別装置は、第1の実施の形態に加えて、背景含有画像に基づく特徴量を抽出し用いるようにしたものである。よって、ここでは、第1の実施の形態と同一の構成要素には同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
【0095】
例外検出部2022は、白黒判定部221,無欠点判定部222,欠点内画像作成部223および個数計測部224に加えて、欠点部分の画像と背景画像とを含む背景含有画像を作成する背景含有画像作成部225を備えている。この背景含有画像作成部225は、無欠点判定部222により外接ウインドウが正しく設定された場合に、欠点部分および背景を濃淡で表した外接ウインドウと同じ大きさの背景含有濃淡画像を作成するものである。例えば、図3に示したような虫が付着した欠点画像Xaが取り込まれた場合には、図12に示したような背景含有濃淡画像Xdを作成するようになっている。すなわち、背景含有濃淡画像Xdは欠点部分と外接ウインドウで囲まれた部分の背景とを有する画像である。
【0096】
特徴量抽出部2023は、幾何形状特徴量抽出部231,欠点内濃度パターンヒストグラム作成部232および欠点内濃度パターン特徴量抽出部233に加えて、背景含有濃淡画像Xdに基づいて背景も含めた欠点に関する濃度パターンヒストグラムを作成する背景含有濃度パターンヒストグラム作成部234と、作成した背景含有濃度パターンヒストグラムから濃度パターンに関する特徴量を抽出する背景含有濃度パターン特徴量抽出部235とを備えている。
【0097】
すなわち、この特徴量抽出部2023は、幾何形状特徴量抽出部231と欠点内濃度パターンヒストグラム作成部232と欠点内濃度パターン特徴量抽出部233とからなり欠点内画像(識別対象画像である欠点部分の画像)に基づいて特徴量を抽出する画像内特徴量抽出部2023Aと、背景含有濃度パターンヒストグラム作成部234と背景含有濃度パターン特徴量抽出部235とからなり背景含有画像(識別対象である欠点部分の画像と背景画像とを含む画像)に基づいて特徴量を抽出する背景含有特徴量抽出部2023Bとにより構成されている。
【0098】
背景含有濃度パターンヒストグラム作成部234により作成する背景含有濃度パターンヒストグラムというのは、例えば図13に示したように、欠点部分と外接ウインドウで囲まれた背景部分における濃度と頻度とをグラフ化したものである。この背景含有濃度パターンヒストグラムは背景部分の情報を含んでいるので、欠点内濃度パターンヒストグラム(図6参照)とは異なった形状となる。
【0099】
背景含有濃度パターン特徴量抽出部235により抽出する背景含有濃度パターン特徴量は、欠点内濃度パターン特徴量と同じように、白/黒の別(W/B),濃度(I),濃度分散(σ),濃度パターン(P)である(表3参照)。但し、欠点内濃度パターン特徴量とは異なった値が抽出される。背景含有濃度パターン特徴量抽出部235は、この背景含有濃度パターン特徴量を特徴量信号の背景含有濃度パターン信号i225として識別部31に出力するようになっている。すなわち、本実施の形態に係る画像識別装置は、識別に関する情報を第1の実施の形態に係る画像識別装置よりも多く識別部31に与え、性質の異なった特徴量としての情報に基づき識別を行うようになっている。
【0100】
このような構成を有する画像識別装置は、次のようにして動作する。
【0101】
図14はこの画像識別装置の全体動作(すなわち本実施の形態に係る画像識別方法の各工程)を表す概略流れ図である。ここでは、まず、マンマシンインターフェース部60を介して手動により学習モード(学習ステップA)に切り替える(ステップS101)。
【0102】
(学習モード)
学習モードに切り替えられたのち、第1の実施の形態と同様にして、画像取り込み部10により基準画像を取り込み(ステップS102A)、画像前処理部21により前処理を行う(ステップS103A)。次いで、第1の実施の形態と同様にして、例外検出部22により例外処理信号の検出と欠点内画像の作成を行う(ステップS104A)。但し、無欠点判定部222において外接ウインドウを設定できた場合には、欠点内画像の作成と並行してあるいはそれと前後して、背景含有画像作成部225により背景含有画像Xdも作成する(ステップS201A)。
【0103】
続いて、第1の実施の形態と同様にして、特徴量抽出部23(幾何形状特徴量抽出部231,欠点内濃度パターンヒストグラム作成部232,欠点内濃度パターン特徴量抽出部233)により欠点内画像に基づく特徴量(幾何形状特徴量,欠点内濃度パターン特徴量)を抽出し、特徴量信号の幾何形状信号i231および欠点内濃度パターン信号i233として識別部31にそれぞれ入力する(ステップS105A)。
【0104】
また、欠点内画像に基づく特徴量の抽出と並行してあるいはそれと前後して、特徴量抽出部23(背景含有濃度パターンヒストグラム作成部234,背景含有濃度パターン特徴量抽出部235)により、背景含有画像に基づく特徴量を抽出する(ステップS202A)。すなわち、背景含有濃度パターンヒストグラム作成部234により背景含有濃度パターンヒストグラム(図13参照)を作成し、これに基づき背景含有濃度パターン特徴量抽出部235により表3に示した背景含有濃度パターン特徴量を抽出する。そののち、この背景含有濃度パターン特徴量を特徴量信号の背景含有濃度パターン信号i235として識別部31に出力する。
【0105】
識別部31では、特徴量信号(幾何形状信号i231,欠点内濃度パターン信号i233,背景含有濃度パターン信号i235)が入力されると、第1の実施の形態と同様にこの特徴量に基づいて適宜の学習動作を行い、その結果を1つの出力端もしくは複数の出力端から識別信号i311〜i31nとして出力する。その出力端子の出力番号は欠点名を対応させてデータ保持部40に識別用データ41として登録し記憶させる(ステップS203A)。
【0106】
一方、切り替え部321では、第1の実施の形態と同様にして、各スイッチ回路3211〜321nを動作させずに“open”の状態とすると共に、入力された例外処理信号を必要に応じてデータ保持部40に例外制御用データ42として登録し記憶させる(ステップS107A)。
【0107】
このようにして学習モードが終了したら、マンマシンインターフェース部60を介して手動により識別モード(識別ステップB)に切り替える(ステップS101)。
【0108】
(識別モード)
識別モードに切り替えられたのち、第1の実施の形態と同様にして、画像取り込み部10により識別対象を含む欠点画像(例えば図3参照)を取り込み(ステップS102B;画像取り込み工程)、画像前処理部21により前処理を行う(ステップS103B)。次いで、第1の実施の形態と同様にして例外検出部22により例外処理信号の検出と欠点内画像の作成を行うと共に(ステップS104B;例外処理信号検出工程)、学習モードと同様にして背景含有画像Xdを作成する(ステップS201B)。
【0109】
続いて、第1の実施の形態と同様にして、特徴量抽出部23(幾何形状特徴量抽出部231,欠点内濃度パターンヒストグラム作成部232,欠点内濃度パターン特徴量抽出部233)により欠点内画像に基づく特徴量(幾何形状特徴量,欠点内濃度パターン特徴量)を抽出し、特徴量信号(幾何形状信号i231,欠点内濃度パターン信号i233)として識別部31に出力する(ステップS105B;画像内特徴量抽出工程)。また、学習モードと同様にして、特徴量抽出部23(背景含有濃度パターンヒストグラム作成部234,背景含有濃度パターン特徴量抽出部235)により背景含有画像に基づく特徴量を抽出し、特徴量信号の背景含有濃度パターン信号i235として識別部31に出力する(ステップS202B;背景含有画像特徴量抽出工程)。
【0110】
識別部31では、特徴量信号(幾何形状信号i231,欠点内濃度パターン信号i233,背景含有濃度パターン信号i235)が入力されると、この特徴量に基づいて識別用データ41を参照し欠点の識別を行う(ステップS203B;識別工程)。この識別結果は、1つもしくは複数の出力端から識別信号i311〜i31nとして切り替え部321に出力される。
【0111】
一方、切り替え部321では、第1の実施の形態と同様にして、各スイッチ回路3211〜321nの設定をする(ステップS107B)。これにより、スイッチ回路3211〜321nが動作し、確信度計算部322に識別信号i311〜i31nが入力された場合には(ステップS107B;接続)、第1の実施の形態と同様にして、確信度計算部322により確信度を算出し(ステップS108B)、判定結果出力部323により比較判定を行う(ステップS109B;S107Bから以上判定工程)。判定結果出力部323は、その判定結果および切り替え部321からの出力に基づいて所定の出力を行う(ステップS110B)。これにより、欠点画像の識別が終了する。
【0112】
このように本実施の形態に係る画像識別装置および方法によれば、幾何形状特徴量および欠点内濃度パターン特徴量に加えてそれらとは性質の異なった背景含有濃度パターン特徴量を抽出し、それらに基づき識別を行うようにしたので、多くの情報に基づいて識別をすることができ、識別精度を向上させることができる。
【0113】
なお、第3の実施の形態においては、第1の実施の形態と同様に、識別部31の構成を特に限定しないで説明したが、第2の実施の形態のようにニューラルネットワークにより構成するようにしてもよい。このように、識別部31をニューラルネットワークにより構成するようにすれば、多くの入力ポートを持つことができ、多くの特徴量信号を容易に扱うことができる。よって、第1の実施の形態に比べて特徴量信号が多くても、容易に識別処理をすることができる。すなわち、精度良い識別を容易に行うことができる。
【0114】
(第4の実施の形態)
図15は本発明の第4の実施の形態に係る画像識別装置における判断処理部3030の構成を表すものである。図16は判断処理部3030の2次識別部33の構成を表すものである。この画像識別装置は、第3の実施の形態に加えて、判断処理部3030が2次識別部33および総合判定出力部34を備え、データ保持部3040が2次識別用データ43を備えたことを除き、他は第3の実施の形態に係る画像識別装置と同一の構成を有している。なお、第3の実施の形態は、第1の実施の形態に加えて、背景含有画像に基づく特徴量を抽出するようにしたものである(図11参照)。よって、ここでは、第1および第3の実施の形態と同一の構成要素には同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
【0115】
判断処理部3030は、1次識別部としての識別部31,切り替え部321,確信度計算部322および判定結果出力部323に加えて、特徴量信号の背景含有濃度パターン信号i235に基づき欠点を識別する2次識別部33と、判定結果出力部323からの出力および2次識別部33からの出力に基づいて識別結果を総合的に判定する総合判定出力部34とを備えている。
【0116】
なお、識別部31には、第3の実施の形態とは異なり、特徴量信号のうち欠点内画像に基づく幾何形状信号i231と欠点内濃度パターン信号i233のみが入力され、背景含有画像に基づく背景含有濃度パターン信号i235は入力されないようになっている。判定結果出力部323は、“欠点有り”および“未登録”と判定した場合には識別結果などを総合判定出力部34に出力し、“未確定”と判定した場合には2次識別部33に識別を行うように指示を与えると共に、無欠点信号i222の入力による判定不能の信号あるいは密集信号i223の入力による判定不能および密集欠点の信号が入力された場合にはその旨を総合判定出力部34に出力するようになっている。
【0117】
2次識別部33は、入力層331と出力層332の2層構造よりなるニューラルネットワークにより構成されている。入力層331には、背景含有濃度パターンヒストグラムの各濃度値における頻度値が背景含有濃度パターン信号i235として各ニューロンに入力されるようになっている。また、出力層332には、識別部31による識別で確信度が比較的高かった複数の欠点が1つのニューロンに対して1つづつ割り当てられる。出力層332の各ニューロンの重みには、対応する欠点の濃度パターンヒストグラムにおける各頻度値が用いられる。なお、この重みは、表11に示したように、予め学習によりデータ保持部40に2次識別用データ43として欠点名と関連づけて記憶されている。
【0118】
【表11】
Figure 0003982646
【0119】
また、出力層332の各ニューロンの出力値Toは数2に示した式で表される。すなわち、この2次識別部33は、入力された背景含有濃度パターンヒストグラムと2次識別用データ43の重み(すなわち学習しておいた濃度パターンヒストグラム)との相関度を調べ、相関度が最も高い(すなわち出力値Toが最小の)ニューロンの欠点名を出力するようになっている。
【0120】
【数2】
Figure 0003982646
【0121】
総合判定出力部34における判定の条件は、表12に示したように設定されている。すなわち、判定結果出力部323から欠点名が入力された場合には確実な欠点種別と判定してその旨と欠点名を出力し、識別不能の入力がされた場合には学習されていない欠点種別と判定してその旨出力し、無欠点信号i222の入力が有った旨の入力がされた場合には欠点無しと判定してその旨出力し、密集信号i223の入力が有った旨の入力がされた場合には密集欠点と判定してその旨出力し、2次識別部33から欠点名が入力された場合にはやや確信度が下がる欠点種別と判定してその旨と欠点名を出力するようになっている。
【0122】
【表12】
Figure 0003982646
【0123】
このような構成を有する画像識別装置は、次のようにして動作する。
【0124】
図17はこの画像識別装置の全体動作(すなわち本実施の形態に係る画像識別方法の各工程)を表す概略流れ図である。ここでは、まず、マンマシンインターフェース部60を介して手動により学習モード(学習ステップA)に切り替える(ステップS101)。
【0125】
(学習モード)
学習モードに切り替えられたのち、第1の実施の形態と同様にして、画像取り込み部10により基準画像を取り込み(ステップS102A)、画像前処理部21により前処理を行う(ステップS103A)。次いで、第1の実施の形態と同様にして、例外検出部22により例外処理信号の検出と欠点内画像の作成を行う(ステップS104A)と共に、第3の実施の形態と同様に用いて、背景含有画像Xdの作成を行う(ステップS201A)。
【0126】
続いて、第1の実施の形態と同様にして、特徴量抽出部23(幾何形状特徴量抽出部231,欠点内濃度パターンヒストグラム作成部232,欠点内濃度パターン特徴量抽出部233)により欠点内画像に基づく特徴量(幾何形状特徴量,欠点内濃度パターン特徴量)を抽出し、特徴量信号の幾何形状信号i231および欠点内濃度パターン信号i233として識別部31にそれぞれ出力する(ステップS105A)。
【0127】
識別部31では、欠点内画像に基づく特徴量信号(幾何形状信号i231,欠点内濃度パターン信号i233)が入力されると、第1の実施の形態と同様にして、この特徴量に基づいて適宜の学習動作を行い、その結果を1つの出力端もしくは複数の出力端から識別信号i311〜i31nとして出力する。その出力端子の出力番号は欠点名を対応させてデータ保持部40に識別用データ41として登録し記憶させる(ステップS106A)。
【0128】
一方、切り替え部321では、第1の実施の形態と同様にして、各スイッチ回路3211〜321nを動作させずに“open”の状態とすると共に、入力された例外処理信号を必要に応じてデータ保持部40に例外制御用データ42として登録し記憶させる(ステップS107A)。
【0129】
2次識別部33では、背景含有画像に基づく特徴量信号(背景含有濃度パターン信号i235)が入力されると、その背景含有濃度パターンヒストグラムの各濃度値に対する頻度値を出力層332の1つのニューロンの重みとして欠点名と共に設定する。そののち、設定した欠点名と出力ニューロンの重みを関連づけて2次識別用データ43としてデータ保持部40に登録し記憶させる(ステップS301A)。
【0130】
このようにして学習モードが終了したら、マンマシンインターフェース部60を介して手動により識別モード(識別ステップB)に切り替える(ステップS101)。
【0131】
(識別モード)
識別モードに切り替えられたのち、第1の実施の形態と同様にして、画像取り込み部10により識別対象を含む欠点画像を取り込み(ステップS102B;画像取り込み工程)、画像前処理部21により前処理を行う(ステップS103B)。次いで、第1の実施の形態と同様にして、例外検出部22により例外処理信号の検出と欠点内画像の作成を行う(ステップS104B;例外処理信号検出工程)と共に、第3の実施の形態と同様にして、背景含有画像Xdを作成する(ステップS201B)。
【0132】
続いて、第1の実施の形態と同様にして、特徴量抽出部23(幾何形状特徴量抽出部231,欠点内濃度パターンヒストグラム作成部232,欠点内濃度パターン特徴量抽出部233)により欠点内画像に基づく特徴量(幾何形状特徴量,欠点内濃度パターン特徴量)を抽出し、特徴量信号の幾何形状信号i231および欠点内濃度パターン信号i233として識別部31にそれぞれ出力する(ステップS105B;画像内特徴量抽出工程)。
【0133】
識別部31では、欠点内画像に基づく特徴量信号(幾何形状信号i231,欠点内濃度パターン信号i233)が入力されると、第1の実施の形態と同様にして欠点の識別を行い、識別結果を切り替え部321に出力する(ステップS106B;1次識別工程)。
【0134】
一方、切り替え部321では、第1の実施の形態と同様にして、各スイッチ回路3211〜321nの設定をする(ステップS107B)。これにより、スイッチ回路3211〜321nが動作し、確信度計算部322に識別信号i311〜i31nが入力された場合には(ステップS107B;接続)、第1の実施の形態と同様にして、確信度計算部322により確信度を算出し(ステップS108B)、判定結果出力部323により比較判定を行う(ステップS109B;S107Bから以上判定工程)。
【0135】
ここで、“欠点有り”と判定した場合には(ステップS109B;有)、総合判定出力部34に欠点名などを出力する。“未登録”と判定した場合には(ステップS109B;未登)、総合判定出力部34に識別不能と出力する。“未確定”と判定した場合には(ステップS109B;未確)、特徴量抽出部23(背景含有濃度パターンヒストグラム作成部234,背景含有濃度パターン特徴量抽出部235)により背景含有画像に基づく特徴量を抽出し、背景含有濃度パターン信号i235を2次識別部33に出力する(ステップS202B;背景含有特徴量抽出工程)。
【0136】
2次識別部33では、背景含有画像に基づく特徴量信号(背景含有濃度パターン信号i235)が入力されると、その背景含有濃度パターンヒストグラムの各濃度値に対する頻度値を入力層331の入力とし、2次識別用データ43を参照して所定の計算を行い、相関度が最も高い欠点名を総合判定出力部34に出力する(ステップS301B;2次識別工程)。
【0137】
総合判定出力部34では、判定結果出力部323,切り替え部321および2次識別部33からの出力に基づき判定を行い(表12参照)、所定の出力を行う(ステップS302A)。これにより、欠点画像の識別が終了する。
【0138】
このように本実施の形態に係る画像識別装置および方法によれば、欠点内画像に基づく特徴量により識別を行う1次識別部31と、背景含有画像に基づく特徴量により識別を行う2次識別部33とを備えると共に、1次識別部31による識別結果を確定することができない場合に2次識別部33による識別を行うようにしたので、2次識別部33により1次識別を補助することができる。よって、1次識別部31において用いる特徴量が少なくても精度良く識別することができる。すなわち、識別の時間を短縮することができ、迅速に効率良く識別することができる。
【0139】
なお、第4の実施の形態においては、第1の実施の形態と同様に、識別部31の構成を特に限定しないで説明したが、第2の実施の形態のようにニューラルネットワークにより構成するようにしてもよい。
【0140】
また、この画像識別装置の効果を確認するために、この画像識別装置により数種類の欠点画像について識別実験を行った。ちなみに、識別部31には、第2の実施の形態において説明したニューラルネットワークよりなる識別部1031を用いた。また、識別に先立ち、同一の欠点画像を用いて学習を行った。
【0141】
その結果を図18に示す。このように、1次識別部31のみによる識別では虫の識別精度が低いのに対し、1次識別部31と2次識別部33による識別では改善されている。すなわち、虫のように複雑な欠点については、1次識別部31のみの識別では十分な識別精度を得ることができず、2次識別部33により改善できることが分かる。
【0142】
(第5の実施の形態)
図19は本発明の第5の実施の形態に係る画像識別装置における判断処理部4030の構成を表すものである。この画像識別装置は、第4の実施の形態に加えて、判断処理部3030が識別切り替え部35を備え、識別部31が1次識別部としての機能と2次識別部としての機能とを有するようにしたことを除き、他は第4の実施の形態に係る画像識別装置と同一の構成を有している。よって、ここでは、第4の実施の形態と同一の構成要素には同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
【0143】
判断処理部4030は、1次識別部および2次識別部としての識別部31,切り替え部321,確信度計算部322,判定結果出力部323および総合判定出力部34に加えて、識別部31について1次識別部としての機能と2次識別部としての機能との切り替えを行う識別切り替え部35を備えている。
【0144】
識別切り替え部35は、特徴量抽出部23と識別部31との接続を切り替える特徴量切り替え部351と、データ保持部3040と識別部31との接続を切り替えるデータ切り替え部352とを有している。特徴量切り替え部351は、特徴量抽出部23の幾何形状特徴量抽出部231,欠点内濃度パターン特徴量抽出部233および背景含有濃度パターン特徴量抽出部235を識別部31にそれぞれ接続するものである。また、データ切り替え部352は、1次識別用データとしての識別用データ41と2次識別用データ43を識別部31にそれぞれ接続するものである。
【0145】
特徴量切り替え部351とデータ切り替え部352は、判定結果出力部323からの指示により連動して制御されている。判定結果出力部323から切り替えの指示が入力されない時は、特徴量切り替え部351により欠点内画像に基づく特徴量を抽出する幾何形状特徴量抽出部231と欠点内濃度パターン特徴量抽出部233とを識別部31に接続し、データ切り替え部352により識別用データ41を識別部31に接続して、識別部31を1次識別部として機能させるようになっている。一方、判定結果出力部323から切り替えの指示が入力された時は、特徴量切り替え部351により背景含有画像に基づく特徴量を抽出する背景含有濃度パターン特徴量抽出部235を識別部31に接続し、データ切り替え部352により2次識別用データ43を識別部31に接続して、識別部31を2次識別部として機能させるようになっている。
【0146】
このような構成を有する画像識別装置は、判定結果出力部323からの指示により識別切り替え部35が切り替わり、識別部31の機能が1次識別部と2次識別部とで切り替わることを除き、第4の実施の形態と同様にして動作する。
【0147】
このように本実施の形態に係る画像識別装置によれば、識別切り替え部35により識別部31を1次識別部と2次識別部とで共用するようにしたので、装置を小型化および簡素化することができる。
【0148】
(第6の実施の形態)
図20は本発明の第6の実施の形態に係る画像検出識別装置の構成を表すものである。この画像検出識別装置は、例えば、布や紙の製造工程などにおいて被対象物に虫などの異物付着や穴や油じみなどの欠点があるかを検査する際に、被対象物を撮像した画像からそれらの欠点画像を検出しその識別を行うものであって、欠点画像を識別する画像識別装置1を備えている。この画像識別装置1には、第1乃至第5の実施の形態において説明した画像識別装置を適用することができる。
【0149】
この画像検出識別装置は、また、被対処物を撮像するCCDビデオカメラやラインセンサなどからなる撮像装置2と、この撮像装置2により撮像した撮像画像から異物付着や穴などの欠点画像を検出する画像検出装置3とを備えている。この画像検出装置3は、例えば、撮像装置2により撮像された撮像画像を欠点の無い標準画像と比較することにより標準画像に無い画像を欠点画像として検出するようになっている。撮像装置2と画像検出装置3および画像検出装置3と画像識別装置1の画像取り込み部10とはそれぞれオンラインで接続されている。この画像検出識別装置は、更に、画像検出装置3および画像識別装置1の画像取り込み部10にそれぞれ接続されており、画像検出装置3により検出された欠点画像および画像識別装置1により識別された欠点画像を画像格納ディスクなどの記録装置5に記録させる画像記録システム装置4を備えている。
【0150】
この画像検出識別装置では、撮像装置2により被対象物を撮像し、撮像画像を画像検出装置3に出力する。画像検出装置3は、この撮像画像について欠点画像を検出し、画像識別装置1に出力する。画像識別装置1は、画像取り込み部10を介してこの欠点画像を取り込み、識別を行って、欠点であると識別された欠点画像など特定の欠点画像とその識別結果を画像取り込み部10を介して画像録画システム装置4に出力する。画像録画システム装置4は、画像識別装置1から出力された欠点画像を識別結果などと共に記録装置5に記録させる。
【0151】
この画像検出識別装置では、また、画像検出装置3によって検出した欠点画像を画像識別装置1によってリアルタイムで識別処理できない場合、欠点画像を画像検出装置3から画像録画システム装置4に出力する。画像録画システム装置4は、画像検出装置3から出力された欠点画像を記録装置5に記録させる。一方、画像識別装置1は、画像記録システム装置4を介して記録装置5から欠点画像を読み出し、識別を行って、特定の欠点画像とその識別結果を画像録画システム装置4に出力する。画像録画システム装置4は、それらを記録装置5に記録させる。
【0152】
このように本実施の形態に係る画像検出識別装置によれば、本発明に係る画像識別装置1を備えるようにしたので、迅速に高精度の識別をすることができ、識別した特定の欠点画像のみを必要に応じて記録させることができる。よって、リアルタイム処理する場合など特に画像の記録量を削減することができ、データ管理が容易となる。すなわち、この画像検出識別装置を用いた生産工程の生産管理を容易とすることができる。
【0153】
(第7の実施の形態)
上記画像識別装置は、具体的にはコンピュータにより実現することができる。図21はその構成を表すものである。すなわち、このコンピュータは、CPU(中央処理装置)71と、キーボードやマウスなどの入力装置とCRT(陰極線管)やプリンタなどの出力装置からなる入出力装置72と、記憶装置73と、これらが接続されたバス74とを備えている。記憶装置73は、例えば、プログラムを記録する媒体73aであるハードディスクや、プログラムを記録する媒体73bであるCD(コンパクトディスク)−ROM,フロッピィディスク,光磁気ディスク,相変化型光ディスクなどとそれらを駆動するディスクドライブとにより構成される。この記憶装置73には、本発明に係る画像識別装置および方法を実現するための手順を含む画像識別用プログラムが格納されている。
【0154】
このコンピュータでは、入出力装置72からの指示により、記憶装置73から画像識別用プログラムが読み出され、この画像識別用プログラムに従ってCPU71により前述のような画像の識別動作が実行される。
【0155】
以上、実施の形態を挙げて本発明を説明したが、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、種々の変形が可能である。例えば、上記各実施の形態では、画像識別装置を、紙や布などの製造工程において被対象物に虫などの異物付着や穴や油じみなどの欠点が有るか否かを検査する際に用いて、被対象物の撮像画像から検出した欠点画像を識別する場合について説明したが、その他の種々の画像を識別する場合についても同様にして用いることができる。
【0156】
また、上記各実施の形態では、被対象物の撮像画像から抽出された欠点が含まれると思われる欠点画像について識別を行う場合について説明したが、撮像画像について識別を行うようにしてもよい。更に、本発明に係る画像識別装置は、オンラインにより画像を取り込むようにしてもよく、記録装置に録画された画像を取り込むようにしてもよい。
【0157】
加えて、本発明に係る画像識別装置は、生産工程において発生する欠点の判別をオフラインでシミュレートし、その判別能力を予め確認し検証するシミューレーション装置の一部としても用いることができる。
【0158】
更にまた、上記各実施の形態では、判断処理部30,3030が学習手段としての機能を有し、識別用データ41,1041などを学習によりデータ保持部40,1040,3040に記憶させる場合について説明したが、本発明に係る画像識別装置は、学習手段を備えないものも含んでいる。この場合、例えば、シミュレーション装置などにより検証して得られた識別用データ41,1041などをROMなどの記録媒体に記憶させ、それをデータ保持部40,1040,3040として利用したり、その記録媒体からデータ保持部40,1040,3040にデータ取り込み手段によりデータを取り込んだりすればよい。
【0159】
加えてまた、上記各実施の形態では、判断処理部30,3030が判断処理手段としての機能に加えて学習手段としての機能も有する場合について説明したが、本発明に係る画像識別装置は、判断処理部30,3030とは別に学習手段を備えるようにしてもよい。
【0160】
【発明の効果】
以上説明したように本発明の画像識別装置画像識別方法または画像識別用プログラムを記録した媒体によれば、画像について欠点の特徴量を抽出すると共に例外処理信号検出するようにしたので、例外処理信号により欠点の識別を補助することができる。よって、特徴量に基づいて行った識別が誤っていても例外処理信号によりそれを検出することができ、識別精度を向上させることができるという効果を奏する。
また、特徴量に基づいて画像中の欠点の識別を行うと共に、例外処理信号に基づいてその識別結果の判定を行うようにしたので、判定により識別を補助することができ、識別において用いる特徴量および識別における処理内容を削減することができる。すなわち、識別を容易に効率よく行うことができるという効果を奏する。
【0162】
特に、請求項5に記載の画像識別装置,請求項13に記載の画像識別方法または請求項19に記載の画像識別用プログラムを記録した媒体によれば、1次識別の結果を判定すると共に、この判定結果に応じて2次識別を行うようにしたので、判定および必要に応じて2次識別により1次識別を補助することができる。よって、1次識別において用いる特徴量が少なくても精度良く識別することができる。すなわち、識別の時間を短縮することができ、迅速に効率良く識別することができるという効果を奏する。
【0164】
更にまた、本発明の画像検出識別装置によれば、本発明に係る画像識別装置を備えるようにしたので、迅速に高精度の識別をすることができ、識別した特定の欠点画像のみを必要に応じて記録させることができる。よって、リアルタイム処理する場合など特に画像の記録量を削減することができ、データ管理を容易とすることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る画像識別装置を表す概略構成図である。
【図2】図1に示した画像識別装置における画像処理部の構成図である。
【図3】画像識別装置により識別する欠点画像の一例を表す図である。
【図4】図3に示した欠点画像に関する欠点内白黒画像を表す図である。
【図5】図3に示した欠点画像に関する欠点内濃淡画像を表す図である。
【図6】図5に示した欠点内濃淡画像に関する欠点内濃度パターンヒストグラムを表す図である。
【図7】図1に示した画像識別装置における判断処理部の構成図である。
【図8】図1に示した画像識別装置の全体動作を表す流れ図である。
【図9】図1に示した画像識別装置における例外検出部の動作を表す流れ図である。
【図10】本発明の第2の実施の形態に係る画像識別装置における識別部の構成図である。
【図11】本発明の第3の実施の形態に係る画像識別装置における画像処理部の構成図である。
【図12】図3に示した欠点画像に関する背景含有濃淡画像を表す図である。
【図13】図12に示した背景含有濃淡画像に関する背景含有濃度パターンヒストグラムを表す図である。
【図14】図11に示した画像識別装置の全体動作を表す流れ図である。
【図15】本発明の第4の実施の形態に係る画像識別装置における判断処理部の構成図である。
【図16】図15に示した画像識別装置における2次識別部の構成図である。
【図17】図15に示した画像識別装置の全体動作を表す流れ図である。
【図18】図15に示した画像識別装置による識別実験結果を表す図である。
【図19】本発明の第5の実施の形態に係る画像識別装置における判断処理部の構成図である。
【図20】本発明の第6の実施の形態に係る画像検出識別装置の構成図である。
【図21】本発明の第7の実施の形態に係る画像識別用プログラムを記録した媒体を用いて画像の識別を実行するコンピュータの構成図である。
【符号の説明】
1 画像識別装置
10 画像取り込み部
20,2020 画像処理部
21 画像前処理部
211 濃度ヒストグラム作成部
212 平均濃度算出部
22,2022 例外検出部
221 白黒判定部
222 無欠点判定部
223 欠点内画像作成部
224 個数計測部
225 背景含有画像作成部
23,2023 特徴量抽出部
2023A 画像内特徴量抽出部
2023B 背景含有特徴量抽出部
231 幾何形状特徴量抽出部
232 欠点内濃度パターンヒストグラム作成部
233 欠点内濃度パターン特徴量抽出部
234 背景含有濃度パターンヒストグラム作成部
235 背景含有濃度パターン特徴量抽出部
30,3030 判断処理部
31,1031 識別部(1次識別部)
32 判定部
321 切り替え部
321A 切り替え制御部
3211〜321n スイッチ回路
322 確信度計算部
3221 白欠点確信度計算部
3222 黒欠点確信度計算部
323 判定結果出力部
33 2次識別部
34 総合判定出力部
35 識別切り替え部
351 特徴量切り替え部
352 データ切り替え部
40,1040,3040 データ保持部
41,1041 識別用データ
42 例外制御用データ
43 2次識別用データ
60 マンマシンインターフェース部
61 入力部
62 表示部
71 CPU
72 入出力装置
73 記憶装置

Claims (19)

  1. 取り込んだ画像中の欠点を識別する画像識別装置であって、
    画像を取り込む画像取り込み手段と、
    この画像取り込み手段により取り込んだ画像について欠点の特徴量を抽出し特徴量信号として出力する特徴量抽出手段と、
    前記画像取り込み手段により取り込んだ画像について欠点の識別を補助するための例外処理信号を検出し出力する例外検出手段と、
    前記特徴量抽出手段から出力された特徴量信号と、前記例外検出手段から出力された例外処理信号とに基づき画像中の欠点を識別する判断処理手段と
    を備え、
    前記判断処理手段は、
    前記特徴量抽出手段から出力された特徴量信号に基づき欠点を識別する識別手段と、
    この識別手段により識別した結果と前記例外検出手段から出力された例外処理信号とに基づいて、少なくとも欠点の有無を判定する判定手段と
    を有することを特徴とする画像識別装置。
  2. 前記特徴量抽出手段は、識別対象画像に基づいて特徴量を抽出する画像内特徴量抽出手段を有していることを特徴とする請求項1記載の画像識別装置。
  3. 前記特徴量抽出手段は、更に、識別対象画像と背景画像と含む画像に基づいて特徴量を抽出する背景含有画像特徴量抽出手段を有していることを特徴とする請求項2記載の画像識別装置。
  4. 前記例外検出手段は、
    取り込んだ画像について白黒判定を行い前記例外処理信号の1つとして白黒信号を出力する白黒判定部と、
    取り込んだ画像中の欠点の有無を検出して欠点が無い場合に前記例外処理信号の1つとして無欠点信号を出力する無欠点判定部と、
    取り込んだ画像中の欠点の個数を計測して前記例外処理信号の1つとして欠点の個数の割合を示す密集信号を出力する個数計測部とを有する
    ことを特徴とする請求項記載の画像識別装置。
  5. 前記判断処理手段が、総合判定手段をさらに有すると共に、前記識別手段が、1次識別手段と2次識別手段とを有し、
    前記1次識別手段は、前記画像内特徴量抽出手段から出力された特徴量信号に基づき画像の欠点を識別し、
    前記判定手段は、この1次識別手段により識別した結果を前記例外検出手段から出力された例外処理信号に基づき判定し、
    前記2次識別手段は、この判定手段の判定結果に応じて、前記背景含有画像特徴量抽出手段から出力された特徴量信号に基づき画像の欠点を識別し、
    前記総合判定手段は、前記判定手段の判定と前記2次識別手段による識別結果とに基づいて総合的な判定を行い、少なくとも欠点の有無および欠点の種別を出力する
    ようにしたことを特徴とする請求項3記載の画像識別装置。
  6. 前記判断処理手段は、前記1次識別手段としての機能と前記2次識別手段としての機能とを共用する1つの識別手段を備えると共に、更に、前記1つの識別手段について1次識別手段としての機能と2次識別手段としての機能との切り替えを行う識別切り替え手段を備えたことを特徴とする請求項記載の画像識別装置。
  7. 更に、画像の識別において基準となるデータを保持するデータ保持手段を備えており、前記判断処理手段は特徴量信号と例外処理信号と前記データ保持手段に保持されたデータとに基づいて画像を判断することを特徴とする請求項1乃至のいずれか1に記載の画像識別装置。
  8. 更に、画像の識別において基準となるデータを学習して前記データ保持手段に保持させる学習手段を備えたことを特徴とする請求項記載の画像識別装置。
  9. 取り込んだ画像中の欠点を識別する画像識別方法であって、
    画像を取り込む画像取り込み工程と、
    この画像取り込み工程により取り込んだ画像について欠点の特徴量を抽出する特徴量抽出工程と、
    前記画像取り込み工程により取り込んだ画像について欠点の識別を補助するための例外処理信号を検出する例外処理信号検出工程と、
    前記特徴量抽出工程により抽出した特徴量と、前記例外処理信号検出工程により検出した例外処理信号とに基づき画像中の欠点を識別する判断処理工程と
    を含み、
    前記判断処理工程は、
    前記特徴量抽出工程により抽出した特徴量に基づき欠点を識別する識別工程と、
    この識別工程により識別した結果と前記例外処理信号検出工程により検出した例外処理信号とに基づいて、少なくとも欠点の有無を判定する判定工程と
    を含むことを特徴とする画像識別方法。
  10. 前記特徴量抽出工程は、識別対象画像に基づいて特徴量を抽出する画像内特徴量抽出工程を含むことを特徴とする請求項記載の画像識別方法。
  11. 前記特徴量抽出工程は、更に、識別対象画像と背景画像とを含む画像に基づいて特徴量を抽出する背景含有画像特徴量抽出工程を含むことを特徴とする請求項10記載の画像識別方法。
  12. 前記例外処理信号検出工程は、
    取り込んだ画像について白黒判定を行い前記例外処理信号の1つとして白黒信号を出力する白黒判定工程と、
    取り込んだ画像中の欠点の有無を検出して欠点が無い場合に前記例外処理信号の1つとして無欠点信号を出力する無欠点判定工程と、
    取り込んだ画像中の欠点の個数を計測して前記例外処理信号の1つとして欠点の個数の割合を示す密集信号を出力する個数計測工程と
    を含むことを特徴とする請求項記載の画像識別方法。
  13. 前記判断処理工程として、総合判定工程をさらに含むと共に、前記識別工程として1次識別工程と2次識別工程とを含み、
    前記1次識別工程は、前記画像内特徴量抽出工程により抽出した特徴量に基づき画像の欠点を識別し、
    前記判定工程は、前記1次識別工程により識別した結果を前記例外処理信号検出工程により検出した例外処理信号に基づき判定し、
    前記2次識別工程は、前記判定工程の判定結果に応じて、前記背景含有画像特徴量抽出工程により抽出した特徴量に基づき画像の欠点を識別し、
    前記総合判定工程は、前記判定工程の判定と前記2次識別工程による識別結果とに基づいて総合的な判定を行い、少なくとも欠点の有無および欠点の種別を判定する
    ことを特徴とする請求項11記載の画像識別方法。
  14. 撮像画像から特定の画像を検出し識別する画像検出識別装置であって、
    請求項1乃至のいずれか1に記載の画像識別装置を備えたことを特徴とする画像検出識別装置。
  15. コンピュータによって画像中の欠点を識別するための画像識別用プログラムを記録した媒体であって、
    画像識別用プログラムは、コンピュータに画像を取り込む画像取り込み手順と、この画像取り込み手順により取り込んだ画像について欠点の特徴量を抽出する特徴量抽出手順と、前記画像取り込み手順により取り込んだ画像について欠点の識別を補助するための例外処理信号を検出する例外処理信号検出手順と、前記特徴量抽出手順により抽出した特徴量と、前記例外処理信号検出手順により検出した例外処理信号とに基づき画像中の欠点を識別する判断処理手順とを含み、
    前記判断処理手順は、
    前記特徴量抽出手順により抽出した特徴量に基づき欠点を識別する識別手順と、
    この識別手順により識別した結果と前記例外処理信号検出手順により検出した例外処理信号とに基づいて、少なくとも欠点の有無を判定する判定手順と
    を含むことを特徴とする画像識別用プログラムを記録した媒体。
  16. 前記特徴量抽出手順は、識別対象画像に基づいて特徴量を抽出する画像内特徴量抽出手順を含むことを特徴とする請求項15記載の画像識別用プログラムを記録した媒体。
  17. 前記特徴量抽出手順は、更に、識別対象画像と背景画像とを含む画像に基づいて特徴量を抽出する背景含有画像特徴量抽出手順を含むことを特徴とする請求項16記載の画像識別用プログラムを記録した媒体。
  18. 前記例外処理信号検出手順は、
    取り込んだ画像について白黒判定を行い前記例外処理信号の1つとして白黒信号を出力する白黒判定手順と、
    取り込んだ画像中の欠点の有無を検出して欠点が無い場合に前記例外処理信号の1つとして無欠点信号を出力する無欠点判定手順と、
    取り込んだ画像中の欠点の個数を計測して前記例外処理信号の1つとして欠点の個数の割合を示す密集信号を出力する個数計測手順と
    を含むことを特徴とする請求項15記載の画像識別用プログラムを記録した媒体。
  19. 前記判断処理手順として、総合判定手順をさらに含むと共に、前記識別手順として1次識別手順と2次識別手順とを含み、
    前記1次識別手順は、前記画像内特徴量抽出手順により抽出した特徴量に基づき画像の欠点を識別し、
    前記判定手順は、前記1次識別手順手順により識別した結果を前記例外処理信号検出手順により検出した例外処理信号に基づき判定し、
    前記2次識別手順は、前記判定手順の判定結果に応じて、前記背景含有画像特徴量抽出手順により抽出した特徴量に基づき画像の欠点を識別し、
    前記総合判定手順は、前記判定手順の判定と前記2次識別手順による識別結果とに基づいて総合的な判定を行い、少なくとも欠点の有無および欠点の種別を判定する
    ことを特徴とする請求項17記載の画像識別用プログラムを記録した媒体。
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