JP3982287B2 - ミキサを備えるディジタルレコーダ - Google Patents
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Description
【発明が属する技術分野】
本発明は、入力されたオーディオデータ等をミキシングして、ハードディスク等の記憶装置に記録することのできるミキサを備えるディジタルレコーダに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、入力されたオーディオ信号を変換したディジタル・データや、ディジタル・データとして入力されたオーディオ・データを、ミキシングして出力するディジタル・ミキサが知られている。また従来より、ディジタル・オーディオ・データをハードディスク装置などの外部記憶装置に録音し再生するディジタル・レコーダが知られている。ディジタル・レコーダには、複数系列のオーディオ・データを複数のトラックに個別に録音できるマルチトラックとされているものがある。最近では、ディジタル・ミキサとマルチトラックのディジタル・レコーダとを組み合わせたミキサを備えるディジタルレコーダが知られている。
【0003】
従来のミキサを備えるディジタルレコーダでは、複数のミキサ入カチャンネルへ選択的に入力ソースを割り当てるパッチングを可能にしたものが知られている。これは、ミキサヘの入力である複数のディジタル化したアナログ入力信号、複数のディジタル入力信号、および外部エフエクタなどからの入力信号を、ミキサ入カチャンネルヘ選択的に割り当てる機能である。また、ミキサ入カチャンネルからどのミキシング用のバスヘ出力するか、あるいは、ダイレクトに出力するかを設定することが可能なものが知られている。これは、ミキサの各入カチャンネルから複数のミキシングバスおよびステレオバスなどのバスへの出力、あるいはミキシングせずに入力した信号をダイレクトに出力することを設定する機能である。ダイレクトに出力された信号あるいはミキシングバスなどのバスからの出力信号はミキサを備えるディジタルレコーダの録音用の各トラックへ任意に割り当てることができるようにされている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
従来のミキサを備えるディジタルレコーダでは、入力ソースのパッチングおよび録音トラックの選択などが自由にパッチングできるようになったため、録音時に設定する設定操作が煩雑になると共に、わかりづらいという問題点があった。
そこで、これを解決するために、入力ソースをダイレクトに録音トラックに録音する際のパッチング操作を簡単に行うための簡易録音設定(クイックREC)機能を用意したものが、本出願人により先願(特願2001−176383号)として提案されている。提案されているクイックRECにおいては、クイックRECが起動された際に表示されるクイックREC画面において、簡単な選択操作を行うことにより、複数の入力ソースを、所望の録音トラックにルーチングすることができるようにされている。すなわち、表示器に表示されている所望の入力ソースを選択し、次いで、この入力ソースを録音したい表示されている録音トラックを選択することにより、選択された入力ソースと選択された録音トラックとがルーチングされるようになされている。
【0005】
この場合、入力ソースのダイレクトアウトを用いて指定された入力ソースから指定された録音トラックへルーチングするようにしている。しかしながら、上記提案されたクイックRECでは、入力ソースと録音トラックとのパッチングを容易に設定することができるものの、ミキシングバスを経由して録音する場合にはクイックRECすることができず、ミキシングバスを経由する場合には、録音時に設定する設定操作が煩雑になると共に、わかりづらいという問題点があった。
【0006】
そこで、本発明はミキシングバスを経由する場合であっても、録音時に設定する設定操作を簡易に行うことのできるミキサを備えるディジタルレコーダを提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明のミキサを備えるディジタルレコーダは、入力された複数の入力ソースを選択的に出力するミキサ入力チャンネル手段と、前記ミキサ入力チャンネル手段から選択的に出力された前記入力ソースをミキシングする複数のバスを備えるミキシングバス手段と、該ミキシングバス手段からのミキシング出力を、録音ソースとして任意の録音トラックに個別に割り当てる録音セレクト手段と、前記複数の入力ソースと、前記ミキシングバス手段における各バスと、前記複数の録音トラックとの接続関係を少なくとも表示する表示手段とを備え、前記表示手段に表示された前記接続関係を表示する画面において、前記ミキシングバス手段における前記バスのいずれかを選択バスとして選択した状態で、前記入力ソースのいずれかと前記録音トラックのいずれかとを選択した時点で、前記ミキサ入力チャンネル手段と前記録音セレクト手段の制御により、選択された入力ソースが前記選択バスにおいてミキシングされて、選択された録音トラックに出力されるように自動的にルーチングされると共に、その接続関係が前記表示手段に表示されるようにしている。
【0008】
また、上記本発明のミキサを備えるディジタルレコーダにおいて、前記表示手段に表示された接続関係を表示する画面において、前記ミキシングバス手段における前記バスのいずれかを選択バスとして選択した状態で、前記入力ソースのいずれか、あるいは、前記録音トラックのいずれかを選択した際に、選択された入力ソースが前記選択バスにおいてミキシングされ、あるいは、前記選択バスのミキシング出力が選択された録音トラックに出力されるようにルーチングされると共に、その接続関係が前記表示手段に表示されるようにしてもよい。
【0009】
さらに、上記本発明のミキサを備えるディジタルレコーダにおいて、前記表示手段に表示された接続関係を表示する画面において、前記ミキシングバス手段における前記バスのいずれかを選択バスとして選択した状態で、前記録音トラックのいずれかを選択した際に、選択された録音トラックが非選択の前記バスに接続されていた場合は、その接続を解除して、前記選択バスのミキシング出力を選択された録音トラックに出力するように接続すると共に、その接続関係が前記表示手段に表示されるようにしてもよい。
【0010】
さらにまた、上記本発明のミキサを備えるディジタルレコーダにおいて、前記表示手段に表示された接続関係を表示する画面において、前記ミキシングバス手段における前記バスのいずれかを選択バスとして選択した状態で、前記入力ソースのいずれか、および/または、前記録音トラックのいずれかを選択した際に、選択された前記入力ソース、および/または、選択された前記録音トラックが前記選択バスに接続されていた場合は、その接続を解除すると共に、その接続関係が前記表示手段に表示されるようにしてもよい。
【0011】
次に、上記目的を達成することのできる本発明の他のミキサを備えるディジタルレコーダは、入力された複数の入力ソースを選択的に出力するミキサ入力チャンネル手段と、前記ミキサ入力チャンネル手段から選択的に出力された前記入力ソースをミキシングする複数のバスを備えるミキシングバス手段と、該ミキシングバス手段からのミキシング出力を、録音ソースとして任意の録音トラックに個別に割り当てる録音セレクト手段と、前記複数の入力ソースと、前記ミキシングバス手段における各バスと、前記複数の録音トラックとの接続関係を少なくとも表示する表示手段とを備え、前記表示手段に表示された前記接続関係を表示する画面において、前記入力ソースのいずれかと前記録音トラックのいずれかとを選択した時点で、前記ミキサ入力チャンネル手段と前記録音セレクト手段の制御により、選択された入力ソースが、選択された録音トラックに応じた前記バスの1つにおいてミキシングされて、選択された録音トラックに出力されるように自動的にルーチングされると共に、その接続関係が前記表示手段に表示されるようにしている。
【0012】
また、上記本発明の他のミキサを備えるディジタルレコーダにおいて、前記表示手段に表示された接続関係を表示する画面において、前記入力ソースのいずれか、あるいは、前記録音トラックのいずれかを選択した際に、選択された入力ソースに応じた前記バスの1つにおいて選択された入力ソースがミキシングされるように接続、あるいは、選択された録音トラックに応じた前記バスのミキシング出力が選択された録音トラックに出力されるように接続されると共に、その接続関係が前記表示手段に表示されるようにしてもよい。
【0013】
さらに、上記本発明の他のミキサを備えるディジタルレコーダにおいて、前記表示手段に表示された接続関係を表示する画面において、前記入力ソースのいずれか、および/または、前記録音トラックのいずれかを選択した際に、選択された前記入力ソース、および/または、選択された前記録音トラックが対応する前記バスに接続されていた場合は、その接続を解除すると共に、その接続関係が前記表示手段に表示されるようにしてもよい。
【0014】
このような本発明によれば、入力ソースと、ミキシングバス手段における各バスと、録音トラックとの接続関係を表示する画面において、簡単な選択操作を行うことにより、入力ソースと、ミキシングバス手段における各バスと、録音トラックとが選択に応じてルーチングされるようになる。これにより、ミキシングバスを使用する場合であっても、録音時に設定する設定操作を簡易に行うことができるようになる。
ところで、ミキシングバスを使用した録音の設定では、一般には、複数の入力ソースについて、各入力ソース毎にどのミキシングバスへ出力するかを指定していかなければならないため、全体としての接続状態が把握しにくい。しかし、本発明では、画面上にミキシングバスをグラフィック表示しているため、複数本のバスがある場合でもバスの接続状態が一目で把握できるようになる。
【0015】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態のミキサを備えるディジタルレコーダの構成を示すブロック図を図1に示す。
図1に示す本発明の実施の形態に係るミキサを備えるディジタルレコーダ1は、ミキシング機能を備えており、このミキシング機能により複数の入力ソースをミキシングして録音することができるようにされている。ミキサを備えるディジタルレコーダ1において、CPU(Central Processing Unit)10は、録音処理や再生処理を実行する中央処理装置であり、フラッシュメモリ11は、CPU10が実行する録音処理や再生処理に関するプログラム等を格納している書き換え可能なROM(Read Only Memory)である。RAM12は、ミキサを備えるディジタルレコーダ1におけるシステムメモリであり、CPU10のワークエリア等が設定されるRAM(Random Access Memory)である。表示器13は、後述する簡易録音設定(クイックREC)を含む各種の設定画面や情報を表示するための液晶表示装置等からなるディスプレイである。フェーダ14は、ミキサチャンネルのレベル調整や、出力レベルの調整、トラックチャンネルのモニターレベルの調整などを行なうスライドボリューム形式の操作子である。操作子15は、録音ボタンや再生ボタン等の各種の操作子である。
【0016】
DSP16は、オーディオ・データ等の入力ソースのミキシング処理や、エフェクト付与処理などを行なうディジタル・シグナル・プロセッサである。このDSP16によりディジタル・ミキサが構成されており、DSP16にはアナログ入力部(AD)30に入力されたアナログのオーディオ入力が、ディジタルデータに変換されて入力されていると共に、ディジタル入力部(DinL/R)31に入力されたステレオ2チャンネルのディジタルのオーディオデータが入力されている。また、DSP16から出力されたステレオ2chのディジタルのオーディオデータがアナログ出力部(AoutL/R)32においてアナログ信号に変換されて出力されると共に、ステレオ2chのディジタルのオーディオデータがディジタル出力部(DoutL/R)33から出力される。
【0017】
バッファメモリ17は、ハードディスク19にオーディオデータ等の波形データを録音/再生する時に、その波形データを一時記憶するバッファである。転送回路18は、CPU10の制御の基で、ハードディスク19とバッファメモリ17との間のデータ転送B、およびDSP16とバッファメモリ17との間のデータ転送Aを制御している。ハードディスク19に対する録音および再生は、マルチトラックで行うことができるようにされている。マルチトラックにおける各トラックに録音する際の転送回路18の基本的な動作は、サンプリング周期ごとにDSP16から録音用のデータを1サンプルずつ受け取ってバッファメモリ17に書き込み(転送A)、バッファメモリ17に1記録単位分のサンプルが蓄積された際に、1記録単位分のサンプルをハードディスク19へ転送(転送B)して記録している。この動作を繰り返し行うことにより、各トラックに録音するようにしている。なお、転送Aは転送Bの動作時にも時分割で平行して行われている。
【0018】
また、各トラックを再生する際の転送回路18の基本的な動作は、当該トラックの先頭から所定記録単位分のサンプルをハードディスク19から読み出してバッファメモリ17に書き込み(転送B)、サンプリング周期ごとにバッファメモリ17から1サンプルずつ読み出してDSP16に渡して(転送A)再生している。そして、読み出しによりバッファメモリ17に所定の空き領域が生じる毎に、ハードディスク19からその空き領域へ後続の1記録単位分のデータを転送するようにしている。なお、1記録単位はハードディスク19の記録領域を分割している単位であるセクタとすることができる。
さらに、パーソナル・コンピュータ(PC)とのI/Oインターフェース20は、PCをミキサを備えるディジタルレコーダ1に接続するためのインターフェースであり、バス21は、各部の間でデータや制御信号を授受するバスラインである。
【0019】
本発明にかかるミキサを備えるディジタルレコーダ1において、DSP16により実現されるミキシング処理の概要を表すブロック図を図2に示す。
図2において、AD40では、8本あるアナログ入力をそれぞれアナログ・ディジタル変換して、入力パッチ42に8chの入力ソースを提供している。DinL/R41では、ステレオ2chのディジタルの入力ソースを入力パッチ42に入力している。入力パッチ42は、入力された8chの入力ソースと、ステレオ2chの入力ソースのいずれか1つを、8chのミキサ入力ch部43のそれぞれのチャンネルに選択的に割り当てている。ミキサ入力ch部43は、ミキシングを行なう2本の汎用バス(MIX1,2)45、ステレオ用バス(Stereo L/R)46および2本のAUXバス(AUX1,2)47へ、選択的にミキサ入力チャンネルを接続している。ミキサ入力ch部43は、全部で8chあり、各chごとに入力の周波数特性調整、コンプレッサ、およびパンなどの制御や、音量レベル調整を行なうことができるようにされている。
【0020】
ミキサ入力ch部43は任意のミキシングバス45,46,47に選択的に8chのミキサ入力チャンネルを接続している。特に、ミキサ入力ch部43における各ミキサ入力チャンネルから、フェーダによりチャンネルレベル制御した信号を、2本の汎用バス45、あるいは2本のステレオ用バス46へ選択的に出力可能とされている。また、各ミキサ入力チャンネルから、チャンネルレベル制御した信号にさらにAUXレベル制御して、2本のAUXバス47へ出力可能とされている。また、ミキサ入力ch部43は、ハードディスクレコーダ52の16個のトラックヘ直接入力するためのダイレクトアウトを持っている。ミキサ入力ch部43から録音セレクタ51へ直接入力されている8chのパスが、このダイレクトアウトに相当する。さらに、ミキサ入力ch部43におけるミキサ入力チャンネルは、後述する出力パッチ48を介して直接出力することができるようにされている。
【0021】
ミキシング出力が出力されるAoutL/R49は、ステレオ2chのアナログ出力(図1に示すAoutL/R32に相当している)である。また、ミキシング出力が出力されるDoutL/R50は、ステレオ2chのディジタル出力(図1のDoutL/R33に相当している)である。ハードディスクレコーダ52は、16トラック録音/16トラック再生が可能とされている内部レコーダである。各トラックには、録音用の録音ソースとして、2本の汎用バス45、ミキサ入力ch部43からの8チャンネルのダイレクトアウト、1組(2本)のステレオ用バス46、または2本のAUXバス47の全14本のうちの何れか1本を選択的に接続可能とされている。その割り当ては、録音セレクタ51により行われる。
【0022】
ハードディスクレコーダ52の各トラックの再生出力は、レコーダch部44に供給される。レコーダch部44は、ハードディスクレコーダ52の16トラックに対応して16ch設けられている。各レコーダch部44の各レコーダチャンネルでは、周波数特性調整、コンプレッサ、およびパンなどの制御や音量レベル調整を行なうことができる。また、レコーダch部44における各レコーダチャンネルには、対応するトラックの録音用の入力または対応するトラックからの再生出力が入力される。各レコーダch部44から、フェーダによりチャンネルレベル制御した信号を、2本の汎用バス45、または2本のステレオ用バス46へ選択的に出力可能とされている。また、レコーダch部44から、チャンネルレベル制御した信号にさらにAUXレベル制御して2本のAUXバス47へ出力可能とされている。汎用バス45,ステレオ用バス46,AUXバス47の出力あるいはミキサ入力ch部43のダイレクト出力は出力パッチにより選択的に、AoutL/R49あるいはDoutL/R50に割り当てることができる。
【0023】
本発明にかかるミキサを備えるディジタルレコーダ1におけるパネルの外観構成を図3に示す。
図3に示すように、ミキサを備えるディジタルレコーダ1のパネル上には、次に示すものが備えられている。クイックRECの設定画面等が表示される表示器(LCD)13、クイックRECの設定時に録音する入力ソースを選択可能なINPUTのセレクタボタン(SEL)60、クイックRECを起動するクイックRECボタン(QUICK REC)61、クイックRECの設定時に録音するトラックを選択可能なトラックのセレクタボタン(SEL2)62、停止中および録音中は接続されているINPUTのモニターレベルを調整可能とされ、録音中でない走行中はそのトラックの再生のモニターレベルを調整可能なトラック毎に設けられているフェーダ63、各種データの設定値を設定変更することのできるジョグダイヤル64、表示器13に表示されるカーソルを移動させる方向キー65、入力を確定させるエンターキー(ENTER)66、REWキー(巻き戻し)、FFキー(早送り)、PLAYキー(再生)、RECキー(録音)、STOPキー(停止)からなる再生/録音操作子67、アナログINPUTのゲインを調整するゲインノブ68。なお、トラック9/10,トラック11/12,トラック13/14,トラック15/16,トラック17/18はステレオペアトラックとされており、これらのステレオペアトラックにおけるステレオペアのモニターレベルを調整するフェーダがトラックのフェーダ63に設けられている。また、ミキシングや効果付与されて最終的に得られたステレオ信号(MASTER)の出力レベルを調整するフェーダ(MASTER)がトラックのフェーダ63に設けられている。
【0024】
次に、クイックRECの説明を行う。クイックRECではいくつかのモードを備えており、まず、ダイレクトアウトを用いて録音指定された入力ソース(録音ソース)から録音指定されたトラック(録音トラック)へルーチングするダイレクトモード設定の説明を行う。
図3に示すパネルに設けられたクイックRECボタン61を操作し、表示画面における「DIRECT」にカーソルを移動させると表示器13に表示されるクイックRECの表示画面が、図4に示すようなダイレクトモードの表示画面となる。ここで設定された入力ソースからトラックへの結線は、全て、前述したダイレクトアウトのラインにより行なわれる。この表示画面において、左側にはモード選択71の欄が表示され、「DIRECT」が反転表示されてダイレクトモードとされていることが示される。画面上部に表示されているINPUTの欄には、ミキサ入力ch部43における1ch〜8chが番号で示され、そのチャンネル番号の直下に結線74を行うための入力ジャック(INPUT JACK)72が表示されている。また、ハードディスクレコーダ52における16トラックの各トラック番号が画面下部のTRACK欄に表示され、その直上に結線74を行うためのトラックジャック(TRACK JACK)73が表示されている。ここで、奇数番のトラック番号とその次の偶数番のトラック番号の間に「・」が表示されている場合、その2つのトラックがペアであることを示している。トラック9〜16は常時ペアとされており、他方、トラック1〜8は各組ごとにペア設定を行なうことが可能である。この表示画面では「TRACK5・6」と表示されているので、トラック5と6がペア設定されていることが判る。
【0025】
図4に示す表示画面では、上部左側に「TRACK13・14」と表示されているようにステレオペアトラック13/14が選択されており、その対応するレコーダチャンネルのレベルがレベルメータ75の欄に表示されている。トラック13/14は録音用に結線されていないので、ここで表示されているレベルはトラック13/14の再生レベルであることが判る。また、INPUTのチャンネル番号「6」が反転表示されて選択されており、「INPUT6」にA.GUITAR(アコースティック・ギター)が選択されていることが示されている。このINPUTのTYPEは選択可能とされ、エレクトリック・ギターやバス、ボーカル、キーボードなどを選択することができる。
図4に示す表示画面においては、INPUTチャンネル1がステレオペアトラックの一方のトラック15に、INPUTチャンネル2がステレオペアトラックの他方のトラック16に接続されていることが結線74により示されている。同様に、INPUTチャンネル3がトラック1に、INPUTチャンネル4がトラック4に、INPUTチャンネル5がステレオペアトラックの一方のトラック9に、INPUTチャンネル6がトラック2に、INPUTチャンネル7がステレオペアトラックの一方のトラック5に、INPUTチャンネル8がステレオペアトラックの他方のトラック6に接続されていることが結線74により示されている。ハードディスクレコーダ52の16トラックのうち、この表示画面で結線されたトラックは、自動的に録音待機状態とされる。
【0026】
これにより、トラック1にミキサ入力ch部43のチャンネル3から出力されるオーディオデータが録音され、トラック2にミキサ入力ch部43のチャンネル6から出力されるオーディオデータが録音され、トラック4にミキサ入力ch部43のチャンネル4から出力されるオーディオデータが録音される。さらに、ステレオペアトラックの一方のトラック5にミキサ入力ch部43のチャンネル7から出力されるオーディオデータが録音され、ステレオペアトラックの他方のトラック6にミキサ入力ch部43のチャンネル8から出力されるオーディオデータが録音される。さらにまた、トラック9にミキサ入力ch部43のチャンネル5から出力されるオーディオデータが録音され、ステレオペアトラックの一方のトラック15にミキサ入力ch部43のチャンネル1から出力されるオーディオデータが録音され、ステレオペアトラックの他方のトラック16にミキサ入力ch部43のチャンネル2から出力されるオーディオデータが録音される。
【0027】
このようにINPUTで示される入力ソースを録音ソースとして、TRACKで示される録音先のトラックに割り当てる動作を図5に示す入力セレクタとトラックセレクタの同時押し処理のフローチャートを参照しながら説明する。なお、入力セレクタは図3に示すパネルにおいてINPUTのセレクタボタン(SEL1)60に相当し、トラックセレクタは図3に示すパネルにおいてトラックのセレクタボタン(SEL2)62に相当している。
ここで、INPUTチャンネル3(録音ソース)がトラック1(録音トラック)にまだ割り当てられておらず、その表示画面ではINPUTチャンネル3とトラック1とが結線74で接続されていない状態であったとする。そして、INPUTチャンネル3(録音ソース)からのオーディオデータをトラック1(録音トラック)に録音させたい場合には、図3に示すパネル上のINPUTのセレクタボタン(SEL1)60の「3」と、トラックのセレクタボタン(SEL2)62の「1」とを同時に押す。CPU10は、2つめに操作されるボタンの押下時点(オンタイミング)で2つのボタンの同時押しであることを検出できる。すると、図5に示す入力セレクタとトラックセレクタの同時押し処理が起動され、ステップS10においてINPUTのセレクタボタン(SEL1)60のいずれかを押して入力した入力チャンネル番号、この場合は「3」がINSELレジスタに格納されると共に、トラックのセレクタボタン(SEL2)62のいずれかを押して入力したトラック番号、この場合は「1」がTRSELレジスタに格納される。
【0028】
次いで、ステップS11にて同時押しされて選択されたINPUTチャンネルとトラックとが既に接続されているか否かが判断される。この場合は、INPUTチャンネル3とトラック1とが接続されていないとしたので、ステップS11にてNOと判断されてステップS13に分岐する。ステップS13では、同時押しされて選択されたINPUTチャンネルあるいはトラックに別の結線74が既に行われているか否かが判断される。この場合、INPUTチャンネル3あるいはトラック1に既接続の結線74がされていない場合は、ステップS13にてNOと判断されてステップS15に進む。そして、ステップS15にてINSELレジスタに格納されているチャンネル番号のINPUTチャンネルと、TRSELレジスタに格納されているトラック番号のトラックとがルーチングされて接続されると共に、表示器13の表示画面にINPUTチャンネル3とトラック1とを接続する結線74を追加する。
【0029】
また、ステップS13において、INPUTチャンネル3あるいはトラック1に既接続の結線74があると判断された場合は、ステップS14に分岐して既接続の別の結線74が表示画面から削除されると共に、その接続が解除される。さらに、図4に示すようにINPUTチャンネル3とトラック1とが接続されていた場合は、ステップS11にてYESと判断されてステップS12に進み、INPUTチャンネル3とトラック1とを接続する結線74が削除されると共に、INPUTチャンネル3とトラック1とを接続するルーチングが解除される。具体的に説明すると、図4に示す表示画面のように割り当てが設定されていた場合に、INPUTチャンネル5とトラック5とに相当するセレクタボタンが同時に押されたとする。図4に示す表示画面では、INPUTチャンネル5とトラック9とが接続されていると共に、INPUTチャンネル7とトラック5とが接続されている。そこで、ステップS13にてINPUTチャンネル5とトラック9とを接続している結線74、および、INPUTチャンネル7とトラック5とを接続している結線74が削除されると共に、そのルーチングが解除される。ステップS12あるいはステップS15の処理が終了すると、入力セレクタとトラックセレクタの同時押し処理は終了する。
【0030】
ここで、INPUTのセレクトボタン(SEL1)60とトラックのセレクトボタン(SEL2)62の同時押しは、一方のボタンが押されているとき他方のボタンがさらに押された場合のことをいい、どちらが先に押されたかは問題ではない。そこで、一方のボタンが押されたとき、押されたセレクトボタンに対応するINPUTチャンネルないしトラックの結線先のトラックないしINPUTチャンネルに対応したセレクトボタンを赤色で点滅発光するようにすれば、他方のボタンの操作をその状態で結線の状態を確認しながら行なうことができる。さらに、表示器13に表示されている表示画面において、押されたボタンに相当するINPUTチャンネル番号の入力ジャック72あるいはそのトラック番号のトラックジャック73にカーソルが移動するようになる。
また、ステレオペアとされているトラック番号のセレクタボタン(SEL2)62が押された場合は、この際に選択されたINPUTチャンネルがステレオペアとされているか否かによって異なる割り当てが行われる。すなわち、そのINPUTチャンネルがステレオペアとされている場合は、そのINPUTチャンネルが奇数/偶数チャンネルにかかわらずそのステレオペアの奇数チャンネルのINPUTチャンネルは奇数番号のトラックに、偶数チャンネルのINPUTチャンネルは偶数番号のトラックに2チャンネル同時に割り当てられる。また、そのINPUTチャンネルがステレオペアとされていない場合は、奇数チャンネルのINPUTチャンネルは奇数番号のトラックに、偶数チャンネルのINPUTチャンネルは偶数番号のトラックにチャンネル単位で個別に割り当てられる。例えば、図4で、INPUTチャンネル2のセレクトボタン(SEL1)60とトラック15・16のセレクトボタン(SEL2)62を同時押しする場合、INPUTチャンネル1と2がペア設定されていなければ、INPUTチャンネル2とトラック16の結線のみが制御され、INPUTチャンネル1と2がペア設定されていれば、INPUTチャンネル1とトラック15の結線とINPUTチャンネル2とトラック16の結線が2本同時に制御される。
【0031】
上述した繰作を行うことにより、INPUTチャンネルがトラックに割り当てられて録音ソースとされた場合は、録音ソースとされたINPUTチャンネルにおけるフェーダは基準レベルである0dBに設定されると共に、バスアサインは全て解除される。さらに、そのINPUTチャンネルがアナログインプットとされていた場合は、パネルに設けられているゲインノブ68によりゲインを調整することにより、録音レベルを調整することができる。また、レコーダch部44における録音トラックに対応したレコーダチャンネルのイコライザおよびダイナミクスの周波数特性はフラットに設定される。さらに、そのレコーダチャンネルにおけるパンは、モノラルの場合はセンターに、ステレオペアに設定されているトラックの場合は奇数チャンネルのパンが最も左に、偶数チャンネルのパンが最も右に設定される。さらにまた、そのレコーダチャンネルに対応するフェーダ63では、停止中および録音中は接続されているINPUTチャンネル出力のモニターレベルの調整を行え、録音中でない走行中はそのレコーダチャンネルからの再生のモニターレベルの調整を行える。さらにまた、MASTERフェーダではモニターレベルの調整が行える。
なお、図4に示す表示画面において「1−8」にカーソルを移動させてエンターキー66を押すと、INPUTチャンネル1〜8の録音先にトラック1〜8が選択され、録音待機状態とされる。また、「9−16」にカーソルを移動させてエンターキー66を押すと、INPUTチャンネル1〜8の録音先にトラック9〜16が選択され、録音待機状態とされる。さらに、「SAFE」にカーソルを移動させてエンターキー66を押すと、全ての録音先の選択と録音待機状態を解除することができる。
【0032】
次に、クイックRECにおけるミクスドモードを説明する。ミクスドモードでは、選択された入力ソース(録音ソース)が2本の汎用バス45でミキシングされて指定された録音トラックへルーチングされるモードである。
図3に示すパネルに設けられたクイックRECボタン61を操作し、表示画面における「MIXED」にカーソルを移動させると表示器13に表示されるクイックRECの表示画面が、図6に示すようなミクスドモードの表示画面となる。この表示画面において、左側にはモード選択71の欄が表示され、「MIXED」が反転表示されてミクスドモードとされていることが示される。画面上部に表示されているINPUTの欄には、ミキサ入力ch部43における1ch〜8chが番号で示され、そのチャンネル番号の直下に結線74を行うための入力ジャック(INPUT JACK)72が表示されている。また、ハードディスクレコーダ52における16トラックの各トラック番号が画面下部のTRACK欄に表示され、その直上に結線74を行うためのトラックジャック(TRACK JACK)73が表示されている。ここでは、「INPUT5・6」と「TRACK5・6」のように表示されているので、INPUTチャンネル5と6およびトラック5と6がそれぞれペア設定されていることが判る。
【0033】
図6に示す表示画面では、上部左側に「TRACK13・14」と表示されているようにステレオペアトラック13/14が選択されており、そのレベルがレベルメータ75の欄に表示されている。また、INPUTのステレオペアとされているチャンネル番号「5・6」が反転表示されて選択されており、「INPUT5・6」にKEYBOARDが選択されていることが示されている。このINPUTのTYPEは選択可能とされ、アコースティックギターやエレクトリック・ギター、バス、ボーカルなどを選択することができる。各INPUTチャンネルでは、そのチャンネルで選択されたTYPEに応じたゲインやイコライザ等の設定が行なわれる。さらに、表示画面の中央部には汎用バス45における第1バス76と第2バス77とが表示されている。図6に示す表示画面においては、第1バス76でミキシングされる録音ソースとしてINPUTチャンネル1、INPUTチャンネル3、INPUTチャンネル7が接続され、第2バス77でミキシングされる録音ソースとしてINPUTチャンネル1、INPUTチャンネル2、INPUTチャンネル4、INPUTチャンネル8が接続されていることが示されている。そして、第1バス76の録音トラックはトラック1と、第2バス77の録音トラックはトラック2とされていることが示されている。
【0034】
これにより、ミキサ入力ch部43のチャンネル1、チャンネル3およびチャンネル7から出力されるオーディオデータが、汎用バス45における第1バス76でミキシングされてトラック1に録音され、ミキサ入力ch部43のチャンネル1、チャンネル2、チャンネル4、チャンネル8から出力されるオーディオデータが、汎用バス45における第2バス77でミキシングされてトラック2に録音されるようになる。
また、図6に示す表示画面において、カーソルを「BUS」に移動させると、図7に示す表示画面となり汎用バス45のレベルを調整可能なバスフェーダ80と、バスレベルを示すバスレベルメータ78とが追加表示されるようになる。
【0035】
ミクスドモードにおいて、INPUTで示されるINPUTチャンネルを録音ソースとして汎用バス45に割り当てると共に、TRACKで示されるトラックのいずれかを録音トラックとして汎用バス45に割り当てる動作を、図9ないし図12に示すフローチャートを参照しながら説明する。
図9は、バス選択処理のフローチャートであり、カーソルを第1バス76あるいは第2バス77に移動させて、エンターキー66を押すことによりバス選択処理が起動される。そして、ステップS20にてカーソルが移動されたバスが選択されて、そのバス番号のバスが選択されたバスであるEBUSとされる。これにより、バス選択処理は終了する。なお、選択されたバス(EBUS)を点滅表示するようにしてもよい。
【0036】
図10はバス選択処理が終了してから実行される入力セレクタとトラックセレクタの同時押し処理のフローチャートである。なお、入力セレクタは図3に示すパネルにおいてINPUTのセレクタボタン(SEL1)60に相当し、トラックセレクタは図3に示すパネルにおいてトラックのセレクタボタン(SEL2)62に相当している。ここで、図6に示す設定状態において、上述したバス選択処理により第1バス76が選択されてEBUSとされていたとし、図3に示すパネル上のINPUTのセレクタボタン(SEL1)60の「3」と、トラックのセレクタボタン(SEL2)62の「1」とが同時に押されたとする。すると、図10に示す入力セレクタとトラックセレクタの同時押し処理が起動され、ステップS21においてINPUTのセレクタボタン(SEL1)60のいずれかを押して入力した入力チャンネル番号、この場合は「3」がINSELレジスタに格納されると共に、トラックのセレクタボタン(SEL2)62のいずれかを押して入力したトラック番号、この場合は「1」がTRSELレジスタに格納される。
【0037】
次いで、ステップS22にて同時押しされて選択されたINPUTチャンネルとトラックとが選択されているバス(EBUS)により既に接続されているか否かが判断される。この場合は、図6に示すようにINPUTチャンネル3とトラック1とがEBUSである第1バス76により接続されているので、YESと判断されてステップS23に進み、選択されたINPUTチャンネル3とEBUSである第1バス76とを接続する結線79と接続点が削除されると共に、INPUTチャンネル3とEBUSである第1バス76とを接続するルーチングが解除される。なお、他のINPUTチャンネルがEBUSに接続されている可能性があることから、選択されたトラック1とEBUSである第1バス76との接続は維持される。このような設定を行った後は、INPUTチャンネル1とINPUTチャンネル7からのオーディオデータが第1バス76においてミキシングされてトラック1に録音されるようになる。
【0038】
また、選択されたINPUTチャンネル3とトラック1とがEBUSである第1バス76により接続されていない場合は、ステップS22にてNOと判断されてステップS24に分岐する。ステップS24では、選択されていないバス(IEBUS)である第2バス77と選択されたトラックとが既に接続されているか否かが判断される。この場合、IEBUSである第2バス77とトラック1とが接続されていると判断された場合は、ステップS25に分岐してIEBUSである第2バス77がオフされると共に、第2バス77とトラック1との結線が削除される。次いで、ステップS24にてNOと判断された場合と同様にステップS26に進む。そして、ステップS26にてEBUSである第1バス76とTRSELレジスタに格納されているトラック番号(録音トラック)のトラック1とがルーチングされて接続される。この場合、EBUSである第1バス76がオフされている場合はオンされる。さらに、ステップS27にてEBUSである第1バス76とINSELレジスタに格納されているチャンネル番号のINPUTチャンネル3(録音ソース)とが接続されていない場合は、第1バス76とINPUTチャンネル3とがルーチングされて接続されると共に、表示器13の表示画面においてINPUTチャンネル3とトラック1とを第1バス76を経由して接続する結線79と接続点とを追加する。ステップS23あるいはステップS27の処理が終了すると、入力セレクタとトラックセレクタの同時押し処理は終了する。
【0039】
ここで、INPUTのセレクトボタン(SEL1)60とトラックのセレクトボタン(SEL2)62の同時押しは、一方のボタンが押されているとき他方のボタンがさらに押された場合のことをいい、どちらが先に押されたかは問題ではない。そこで、一方のボタンが押されたとき、押されたセレクトボタンに対応するINPUTチャンネルないしトラックの結線先のトラックないしINPUTチャンネルに対応したセレクトボタンを赤色で点滅発光するようにすれば、他方のボタンの操作をその状態で結線の状態を確認しながら行なうことができる。さらに、表示器13に表示されている表示画面において、押されたボタンに相当するINPUTチャンネル番号の入力ジャック72あるいはそのトラック番号のトラックジャック73にカーソルが移動するようになる。
【0040】
上述した繰作を行うことにより、録音ソースに選択されたINPUTチャンネルにおいては、そのINPUTチャンネルにおけるフェーダは基準レベルである0dBに設定されると共に、バスアサインは汎用バス45以外のアサインが解除される。さらに、そのINPUTチャンネルがアナログインプットとされていた場合は、パネルに設けられているゲインノブ68によりゲインを調整することにより、録音レベルを調整することができる。録音レベルは、バスフェーダ80を調整することによっても調整することができる。また、レコーダch部44における録音トラックに対応したレコーダチャンネルのイコライザおよびダイナミクスの周波数特性はフラットに設定される。さらに、そのレコーダチャンネルにおけるパンは、モノラルの場合はセンターに、ステレオペアに設定されているトラックの場合は奇数チャンネルのパンが最も左に、偶数チャンネルのパンが最も右に設定される。さらにまた、そのレコーダチャンネルに対応するフェーダ63では、停止中および録音中は接続されているバスのモニターレベルの調整を行え、録音中でない走行中はそのレコーダチャンネルからの再生のモニターレベルの調整を行える。さらにまた、レコーダch部44における録音トラックとされていないトラックに対応するレコーダチャンネルにおいては、そのレコーダチャンネル再生のモニターレベルの調整が行える。
なお、図6に示す表示画面において「SAFE」にカーソルを合わせてエンターキー66を押すと、全ての録音先の選択と録音待機状態を解除することができる。
【0041】
ここで、ステップS25にてIEBUSの結線が削除された表示態様を、具体例を挙げて説明する。この例では、EBUSが第2バス77とされると共に、図6に示す設定状態とされているとする。そして、パネル上のINPUTのセレクタボタン(SEL1)60の「1」と、トラックのセレクタボタン(SEL2)62の「1」とが同時に押されたとする。この場合は、IEBUSである第1バス76と選択されたトラック1とが既接続とされていることから、ステップS25にて第1バス76の結線が図8に示すように削除される。そして、ステップS26においてEBUSである第2バス77と録音トラックであるトラック1とが図8に示すように結線される。
【0042】
ミクスドモードにおいては、パネル上のINPUTのセレクタボタン(SEL1)60のいずれかを単独で押した際に、録音ソースの選択/解除を行うことができ、トラックのセレクタボタン(SEL2)62のいずれかを単独で押した際に、録音トラックの選択/解除を行うことができる。そこで、INPUTのセレクタボタン(SEL1)60のいずれかを単独で押した際に実行される入力セレクタ処理を、図11に示すフローチャートを参照して説明する。なお、CPUは、1つめに操作されたボタンが非押下状態に戻る時点(オフタイミング)で、他のボタンとの同時押下ではない、すなわち、単独で押されたことを検出できる。
INPUTのセレクタボタン(SEL1)60のいずれかが単独で押されると、入力セレクタ処理が起動されステップS30にてINPUTのセレクタボタン(SEL1)60のいずれかを押して入力した入力チャンネル番号がINSELレジスタに格納される。次いで、ステップS31にて選択されたINPUTチャンネルが選択されているバス(EBUS)に既に接続されているか否かが判断される。ここで、選択されたINPUTチャンネルがEBUSに接続されていると判断された場合はステップS32に進み、選択されたINPUTチャンネルとEBUSとを接続する結線79と接続点が削除されると共に、INPUTチャンネルとEBUSとを接続するルーチングが解除される。
【0043】
また、ステップS31にて選択されたINPUTチャンネルがEBUSに接続されていないと判断された場合はステップS33に分岐し、選択されたINPUTチャンネルとEBUSとを接続する結線79が追加されると共に、INPUTチャンネルとEBUSとを接続するようにルーチングされる。ステップS32あるいはステップS33の処理が終了すると、入力セレクタ処理は終了する。このように、入力セレクタ処理ではINPUTのセレクタボタン(SEL1)60のいずれかを単独で押すことにより、録音ソースの選択されたバスへの選択/解除を行えるようになる。なお、INPUTのセレクタボタン(SEL1)60のいずれかを単独で押すことに替えて、ミクスドモードの表示画面においてカーソルを入力ジャック72のいずれかに移動させることにより、その入力ジャック72に対応するINPUTチャンネルを選択するようにしてもよい。
【0044】
次に、トラックのセレクタボタン(SEL2)62のいずれかを単独で押した際に実行されるトラックセレクタ処理を、図12に示すフローチャートを参照して説明する。トラックのセレクタボタン(SEL2)62のいずれかが単独で押されると、トラックセレクタ処理が起動されステップS35にてトラックのセレクタボタン(SEL2)62のいずれかを押して入力したトラック番号がTRSELレジスタに格納される。次いで、ステップS36にて選択されたトラックが選択されているバス(EBUS)に既に接続されているか否かが判断される。ここで、選択されたトラックがEBUSに接続されていると判断された場合はステップS37に進み、EBUSがオフされる。さらに、選択されたトラックと接続する結線が削除されると共に、選択されたトラックとEBUSとを接続するルーチングが解除される。
【0045】
また、ステップS36にて選択されたトラックがEBUSに接続されていないと判断された場合はステップS38に分岐し、選択されたトラックとEBUSとが接続されると共に、選択されたトラックとEBUSとを接続するようにルーチングされる。また、EBUSがオンされていない場合はオンする。ステップS37あるいはステップS38の処理が終了すると、トラックセレクタ処理は終了する。このように、トラックセレクタ処理ではトラックのセレクタボタン(SEL2)62のいずれかを単独で押すことにより、選択されたバスにおける録音トラックの選択/解除を行えるようになる。なお、トラックのセレクタボタン(SEL2)62のいずれかを単独で押すことに替えて、ミクスドモードの表示画面においてカーソルをトラックジャック73のいずれかに移動させることにより、そのトラックジャック73に対応するトラックを選択するようにしてもよい。
【0046】
さらに、ミクスドモードでは汎用バス45における第1バス76には奇数番号のトラックのみが割当可能とされ、第2バス77には偶数番号のトラックのみが割当可能と、予め定めておくようにしてもよい。
この場合におけるINPUTで示されるINPUTチャンネルを録音ソースとして汎用バス45のいずれかに割り当てると共に、TRACKで示されるトラックを録音トラックとして汎用バス45のいずれかに割り当てる動作を、図13ないし図15に示すフローチャートを参照しながら説明する。
【0047】
図13は、入力セレクタとトラックセレクタの同時押し処理のフローチャートである。なお、入力セレクタは図3に示すパネルにおいてINPUTのセレクタボタン(SEL1)60に相当し、トラックセレクタは図3に示すパネルにおいてトラックのセレクタボタン(SEL2)62に相当している。ここで、図6に示す設定状態において、図3に示すパネル上のINPUTのセレクタボタン(SEL1)60の「4」と、トラックのセレクタボタン(SEL2)62の「5」とが同時に押されたとする。すると、図13に示す入力セレクタとトラックセレクタの同時押し処理が起動され、ステップS40においてINPUTのセレクタボタン(SEL1)60のいずれかを押して入力した入力チャンネル番号、この場合は「4」がINSELレジスタに格納されると共に、トラックのセレクタボタン(SEL2)62のいずれかを押して入力したトラック番号、この場合は「5」がTRSELレジスタに格納される。
【0048】
次いで、ステップS41にて同時押しされて選択されたINPUTチャンネルとトラックとが汎用バス45における2本のバスの内のトラック番号に対応したBUSXにより既に接続されているか否かが判断される。ここでは、トラック番号が「5」で奇数であるので、BUSXは第1バス76となる。図6に示す場合は、選択されたINPUTチャンネル4とトラック5とがいずれのバスでも接続されていないので、NOと判断されてステップS43に分岐する。ステップS43では、同時押しされて選択されたトラックに応じたバスBUSXに、選択されたトラックが録音トラックとして接続される。この場合は、選択されたトラックがトラック5と奇数番号トラックとされていることから対応する第1バス76がBUSXとされ、トラック5が第1バス76に結線されると共に、ルーチングされて接続される。この場合、BUSXである第1バス76がオフされている場合はオンされる。さらに、ステップS44にてBUSXである第1バス76とINSELレジスタに格納されているチャンネル番号(録音ソース)のINPUTチャンネル4とが接続されていない場合は、第1バス76とINPUTチャンネル4とがルーチングされて接続されると共に、表示器13の表示画面においてINPUTチャンネル4とトラック5とを第1バス76を経由して接続する結線79と接続点とが追加される。
【0049】
また、ステップS41にてINPUTチャンネル4とトラック5とが対応するバスBUSX(この場合は、第1バス76)により接続されていると判断された場合は、ステップS42に進み選択されたINPUTチャンネル4とBUSXとを接続する結線79と接続点が削除されると共に、INPUTチャンネル4とBUSXとを接続するルーチングが解除される。なお、他のINPUTチャンネルがBUSXに接続されている可能性があることから、選択されたトラック5とBUSXとの接続は維持される。ステップS42あるいはステップS44の処理が終了すると、入力セレクタとトラックセレクタの同時押し処理は終了する。
【0050】
ここで、INPUTのセレクトボタン(SEL1)60とトラックのセレクトボタン(SEL2)62の同時押しは、一方のボタンが押されているとき他方のボタンがさらに押された場合のことをいい、どちらが先に押されたかは問題ではない。そこで、一方のボタンが押されたとき、押されたセレクトボタンに対応するINPUTチャンネルないしトラックの結線先のトラックないしINPUTチャンネルに対応したセレクトボタンを赤色で点滅発光するようにすれば、他方のボタンの操作をその状態で結線の状態を確認しながら行なうことができる。さらに、表示器13に表示されている表示画面において、押されたボタンに相当するINPUTチャンネル番号の入力ジャック72あるいはそのトラック番号のトラックジャック73にカーソルが移動するようになる。
【0051】
上述した繰作を行うことにより、録音ソースに選択されたINPUTチャンネルにおいては、そのINPUTチャンネルにおけるフェーダは基準レベルである0dBに設定されると共に、バスアサインは汎用バス45以外のアサインが解除される。さらに、そのINPUTチャンネルがアナログインプットとされていた場合は、パネルに設けられているゲインノブ68によりゲインを調整することにより、録音レベルを調整することができる。録音レベルは、バスフェーダ80を調整することによっても調整することができる。また、レコーダch部44における録音トラックに対応したレコーダチャンネルのイコライザおよびダイナミクスの周波数特性はフラットに設定される。さらに、そのレコーダチャンネルにおけるパンは、モノラルの場合はセンターに、ステレオペアに設定されているトラックの場合は奇数チャンネルのパンが最も左に、偶数チャンネルのパンが最も右に設定される。さらにまた、そのレコーダチャンネルにおけるトラックのフェーダ63では、停止中および録音中は接続されているバスのモニターレベルの調整を行え、録音中でない走行中はそのトラックからの再生のモニターレベルの調整を行える。さらにまた、レコーダch部44における録音トラックとされていないトラックに対応するレコーダチャンネルにおいては、そのトラック再生のモニターレベルの調整が行える。
なお、図6に示す表示画面において「SAFE」にカーソルを合わせてエンターキー66を押すと、全ての録音先の選択と録音待機状態を解除することができる。
【0052】
録音トラックとバスとが対応しているミクスドモードにおいても、パネル上のINPUTのセレクタボタン(SEL1)60のいずれかを単独で押した際に、録音ソースの選択/解除を行うことができ、トラックのセレクタボタン(SEL2)62のいずれかを単独で押した際に、録音トラックの選択/解除を行うことができる。そこで、INPUTのセレクタボタン(SEL1)60のいずれかを単独で押した際に実行される入力セレクタ処理を、図14に示すフローチャートを参照して説明する。
INPUTのセレクタボタン(SEL1)60のいずれかが単独で押されると、入力セレクタ処理が起動されステップS50にてINPUTのセレクタボタン(SEL1)60のいずれかを押して入力した入力チャンネル番号がINSELレジスタに格納される。次いで、ステップS51にて選択されたINPUTチャンネルがいずれかのバスに既に接続されているか否かが判断される。ここで、選択されたINPUTチャンネルがいずれかのバスに接続されていると判断された場合はステップS52に進み、選択されたINPUTチャンネルとそのバスとを接続する結線79と接続点が削除されると共に、INPUTチャンネルとそのバスとを接続するルーチングが解除される。
【0053】
また、ステップS51にて選択されたINPUTチャンネルがいずれかのバスに接続されていないと判断された場合はステップS53に分岐し、選択されたINPUTチャンネルと表示されているバスとを接続する結線79が追加されると共に、INPUTチャンネルと表示されているバスとを接続するようにルーチングされる。この場合、表示されているバスとは選択されたINPUTチャンネルがモノラルとされている場合は、表示されているバスが第1バス76と第2バス77との2本のバスとされ、選択されたINPUTチャンネルがステレオとされている場合は、そのINPUTチャンネルが奇数チャンネルの時に第1バス76とされ偶数チャンネルの時に第2バス77とされる。ステップS52あるいはステップS53の処理が終了すると、入力セレクタ処理は終了する。このように、入力セレクタ処理ではINPUTのセレクタボタン(SEL1)60のいずれかを単独で押すことにより、録音ソースの選択されたバスへの選択/解除を行えるようになる。
【0054】
次に、トラックのセレクタボタン(SEL2)62のいずれかを単独で押した際に実行されるトラックセレクタ処理を、図15に示すフローチャートを参照して説明する。トラックのセレクタボタン(SEL2)62のいずれかが単独で押されると、トラックセレクタ処理が起動されステップS55にてトラックのセレクタボタン(SEL2)62のいずれかを押して入力したトラック番号がTRSELレジスタに格納される。次いで、ステップS56にて選択されたトラックが、選択されたトラックに対応するBUSXに既に接続されているか否かが判断される。ここで、選択されたトラックがBUSXに接続されていると判断された場合はステップS57に進み、BUSXがオフされる。さらに、選択されたトラックと接続する結線が削除されると共に、選択されたトラックとBUSXとを接続するルーチングが解除される。
【0055】
また、ステップS56にて選択されたトラックがBUSXに接続されていないと判断された場合はステップS58に分岐し、選択されたトラックとBUSXとが接続されると共に、選択されたトラックとBUSXとを接続するようにルーチングされる。また、BUSXがオンされていない場合はオンする。ステップS57あるいはステップS58の処理が終了すると、トラックセレクタ処理は終了する。このように、トラックセレクタ処理ではトラックのセレクタボタン(SEL2)62のいずれかを単独で押すことにより、選択されたバスにおける録音トラックの選択/解除を行えるようになる。
【0056】
クイックRECにおいては、以上説明したモード以外にサンプリングモード(SAMPLE)、バウンスモード(BOUNCE)およびマスターモード(MASTER)がある。これらのモードには、図4や図6に示すクイックRECの表示画面において、カーソルを「SAMPLE」に移動させるとサンプリングモードとなり、カーソルを「BOUNCE」に移動させるとバウンスモードとなり、カーソルを「MASTER」に移動させるとマスターモードになる。
サンプリングモードは、ミキサ入力ch部43における1ch〜8chをINPUTチャンネルとして、パッドにINPUTチャンネルを割り当てることにより、そのINPUTチャンネルからのオーディオデータをサンプリングしてパッドに割り当てるモードである。また、バウンスモードは、複数トラックを汎用バス45を経由して別トラックへまとめて録音するモードであり、マスターモードは複数トラックをマスタートラックへまとめて録音するモードであり、この場合は複数トラックをステレオ用バス46を経由してマスタートラックへ録音するようにしている。
【0057】
上記説明したように、本発明のミキサを備えるディジタルレコーダ1においては、ダイレクトモードないしミクスドモードの表示画面において、INPUTのセレクトボタン(SEL1)60とトラックのセレクトボタン(SEL2)62を同時押しすることにより結線が行なわれるようにされている。この同時押しは、同時に2つのボタンが押された場合に限らず、一方のボタンを押してそのボタンが選択されている状態で他方のボタンを押した場合も同時押しされたものとしてよい。例えば、以下の(1)〜(4)のように動作する。
【0058】
(1)何も結線されていないINPUTチャンネルのセレクトボタン(SEL1)60が押された場合。
そのINPUTチャンネルが選択状態となる(カーソルが入力ジャック72へ移動)とともに、全てのトラックのセレクトボタン(SEL2)62が赤色で点滅する。この状態で、INPUTセレクトボタン(SEL1)60ないしトラックセレクトボタン(SEL2)62が操作可能となっている。ここで、何れかのトラックのセレクトボタン(SEL2)62が押されると、選択状態のINPUTチャンネルからそのトラックへの結線が行なわれ、その選択状態が解除されるとともにトラックセレクトボタン(SEL2)62の点滅が停止する。
また、選択状態のINPUTチャンネルのセレクトボタン(SEL1)60が再び押されると、その選択状態が解除されるとともに、トラックセレクトボタン(SEL2)62の点滅が停止する。さらに、選択状態になっているINPUTチャンネルとは異なるINPUTチャンネルのセレクトボタン(SEL1)60が押された場合は、その選択状態が解除されるとともに、後から押されたINPUTチャンネルが選択状態になる。
【0059】
(2)既に結線されているINPUTチャンネルのセレクトボタン(SEL1)60が押された場合。
そのINPUTチャンネルが選択状態となる(カーソルが入力ジャック72へ移動)とともに、その結線先のトラックのセレクトボタン(SEL2)62のみが赤色で点滅する。この状態で、INPUTセレクトボタン(SEL1)60ないしトラックセレクトボタン(SEL2)62が操作可能となっている。ここで、点滅しているトラックセレクトボタン(SEL2)62が押されると、選択状態のINPUTチャンネルからの現結線が削除され、その選択状態が解除されるとともにその点滅が停止する。
【0060】
また、点滅していないトラックセレクトボタン(SEL2)62が押されると、選択状態のINPUTチャンネルからの現結線が削除されて、代わりに新たに押されたボタン(SEL2)62に対応するトラックへの結線が行なわれ、その選択状態が解除されるとともに点滅しているトラックセレクトボタン(SEL2)の点滅が停止する。さらに、選択状態になっているINPUTチャンネルのセレクトボタン(SEL1)60が再び押されると、入力ジャック72の選択状態が解除され、点滅しているトラックセレクトボタン(SEL2)の点滅が停止する。さらにまた、選択状態になっているINPUTチャンネルとは異なるINPUTチャンネルのセレクトボタン(SEL1)60が押されると、選択状態となっているINPUTチャンネルが解除され、後から押されたINPUTチャンネルが選択状態になる。そのときのトラックセレクトボタン(SEL2)の点滅の状態は、上記(1)ないし上記(2)の場合に準じる。
【0061】
(3)何も結線されていないトラックのセレクトボタン(SEL2)62が押された場合。
(1)の場合に準じて、INPUTチャンネルとトラックの立場が逆になった動作を行なう。
(4)既に結線されているトラックのセレクトボタン(SEL2)62が押された場合。
(2)の場合に準じて、INPUTチャンネルとトラックの立場が逆になった動作を行なう。
上記(1)〜(4)のように動作することにより、最初の操作で、INPUTのセレクトボタン(SEL1)60とトラックのセレクトボタン(SEL2)62を押すことにより、その押したボタンに対応するINPUTチャンネルあるいはトラックがどのように結線されているかを確認することができるようになる。そして、その次の操作で、INPUTのセレクトボタン(SEL1)60とトラックのセレクトボタン(SEL2)62を押すことにより、新規の結線、現在の結線の削除や操作の中止を行うことができるようになる。すなわち、何れの処理を行う際にも2回だけボタンを操作することにより実行可能となる。したがって、カーソルを動かしてリターンキーを押すのに比べ、少ない操作で簡単に結線を制御することができるようになる。
【0062】
なお、ミクスドモードにおけるINPUTチャンネルとトラックの結線は、INPUTのセレクトボタン(SEL1)60とトラックのセレクトボタン(SEL2)62を同時押しではなく、各ボタンの個別の操作で行なえるようにしてもよい。例えば、以下の(1)〜(3)のように動作する。
(1)INPUTチャンネルのセレクトボタン(SEL1)60が押された場合。
ボタンを押す度に、次に示す状態1〜状態4の4つの接続状態が順次選択される。
(状態1)何れのバスとも接続なし。
(状態2)第1バスと第2バスの両方と接続。
(状態3)第1バスのみと接続。
(状態4)第2バスのみと接続。
各バスの接続されるトラックは変更されない。
【0063】
(2)バスに接続されていないトラックのセレクトボタン(SEL2)62が押された場合。
押されたボタンに対応するトラックのトラック番号が奇数の場合は、第1バス76とその他のトラックとの接続が削除され、そのトラックが第1バス76と接続される。また、押されたボタンに対応するトラックのトラック番号が偶数の場合は、第2バス77とその他のトラックとの接続が削除され、そのトラックが第2バス77と接続される。
(3)既にバスに接続されているトラックのセレクトボタン(SEL2)62が押された場合。
そのトラックのバスとの接続が削除される。
上記した(1)〜(3)のように動作することにより、第1バス76は必ず奇数番のトラックに接続され、第2バス77は必ず偶数番のトラックに接続されるようになる。その結果、奇数番のトラックを2つ、あるいは、偶数番のトラックを2つ選択できなくなるが、その分、操作をユーザが理解しやすくなる。また、上記した(1)〜(3)のように動作することにより、INPUTチャンネルに対応した1つのセレクトボタン(SEL1)60だけで、そのINPUTチャンネルとバスとの接続を設定することができる。さらに、録音先のトラックは、各トラックに対応した1つのセレクトボタン(SEL2)62の一回の操作だけで選択ないし解除することができるようになる。
【0064】
【発明の効果】
本発明は以上のように構成されているので、入力ソースと、ミキシングバス手段における各バスと、録音トラックとの接続関係を表示する画面において、簡単な選択操作を行うことにより、入力ソースと、ミキシングバス手段における各バスと、録音トラックとが選択に応じてルーチングされるようになる。これにより、ミキシングバスを使用する場合であっても、録音時に設定する設定操作を簡易に行うことができるようになる。
ところで、ミキシングバスを使用した録音の設定では、一般には、複数の入力ソースについて、各入力ソース毎にどのミキシングバスへ出力するかを指定していかなければならないため、全体としての接続状態が把握しにくい。しかし、本発明では、画面上にミキシングバスをグラフィック表示しているため、複数本のバスがある場合でもバスの接続状態が一目で把握できるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態のミキサを備えるディジタルレコーダの構成を示すブロック図である。
【図2】 本発明の実施の形態のミキサを備えるディジタルレコーダにおいてDSPにより実現されるミキシング処理の概要を表すブロック図である。
【図3】 本発明の実施の形態のミキサを備えるディジタルレコーダにおいてパネルの外観構成を示す図である。
【図4】 本発明の実施の形態のミキサを備えるディジタルレコーダにおけるダイレクトモードの表示画面の図である。
【図5】 本発明の実施の形態のミキサを備えるディジタルレコーダにおいてダイレクトモードで実行される入力セレクタとトラックセレクタの同時押し処理のフローチャートである。
【図6】 本発明の実施の形態のミキサを備えるディジタルレコーダにおけるミクスドモードの表示画面の図である。
【図7】 本発明の実施の形態のミキサを備えるディジタルレコーダにおけるミクスドモードにおいてバスにカーソルを移動した際の表示画面の図である。
【図8】 本発明の実施の形態のミキサを備えるディジタルレコーダにおけるミクスドモードにおいてバスとトラックとの間の結線が削除された表示画面の図である。
【図9】 本発明の実施の形態のミキサを備えるディジタルレコーダにおいてミクスドモードで実行されるバス選択処理のフローチャートである。
【図10】 本発明の実施の形態のミキサを備えるディジタルレコーダにおいてミクスドモードで実行される入力セレクタとトラックセレクタの同時押し処理のフローチャートである。
【図11】 本発明の実施の形態のミキサを備えるディジタルレコーダにおいてミクスドモードで実行される入力セレクタ処理のフローチャートである。
【図12】 本発明の実施の形態のミキサを備えるディジタルレコーダにおいてミクスドモードで実行されるトラックセレクタ処理のフローチャートである。
【図13】 本発明の実施の形態のミキサを備えるディジタルレコーダにおいてミクスドモードで実行される入力セレクタとトラックセレクタの他の同時押し処理のフローチャートである。
【図14】 本発明の実施の形態のミキサを備えるディジタルレコーダにおいてミクスドモードで実行される他の入力セレクタ処理のフローチャートである。
【図15】 本発明の実施の形態のミキサを備えるディジタルレコーダにおいてミクスドモードで実行される他のトラックセレクタ処理のフローチャートである。
【符号の説明】
1 ミキサを備えるディジタルレコーダ、10 CPU、11 フラッシュメモリ、12 RAM、13 表示器、14 フェーダ、15 操作子、16 DSP、17 バッファメモリ、18 転送回路、19 ハードディスク、20 PC I/O、21 バス、30 AD、31 DinL/R、32 AoutL/R、33 DoutL/R、40 AD、41 DinL/R、42 入力パッチ、43 ミキサ入力ch部、44 レコーダch部、45 汎用バス、46ステレオ用バス、47 AUXバス、48 出力パッチ、49 AoutL/R、50 DoutL/R、51 録音セレクタ、52 ハードディスクレコーダ、60 INPUTのセレクタボタン、61 クイックRECボタン、62 トラックのセレクタボタン、63 フェーダ、64 ジョグダイヤル、65 方向キー、66 エンターキー、67 録音操作子、68 ゲインノブ、71 モード選択、72 入力ジャック、73 トラックジャック、74 結線、75 レベルメータ、76 第1バス、77 第2バス、78 バスレベルメータ、79 結線、80 バスフェーダ
Claims (7)
- 入力された複数の入力ソースを選択的に出力するミキサ入力チャンネル手段と、
前記ミキサ入力チャンネル手段から選択的に出力された前記入力ソースをミキシングする複数のバスを備えるミキシングバス手段と、
該ミキシングバス手段からのミキシング出力を、録音ソースとして任意の録音トラックに個別に割り当てる録音セレクト手段と、
前記複数の入力ソースと、前記ミキシングバス手段における各バスと、前記複数の録音トラックとの接続関係を少なくとも表示する表示手段とを備え、
前記表示手段に表示された前記接続関係を表示する画面において、前記ミキシングバス手段における前記バスのいずれかを選択バスとして選択した状態で、前記入力ソースのいずれかと前記録音トラックのいずれかとを選択した時点で、前記ミキサ入力チャンネル手段と前記録音セレクト手段の制御により、選択された入力ソースが前記選択バスにおいてミキシングされて、選択された録音トラックに出力されるように自動的にルーチングされると共に、その接続関係が前記表示手段に表示されるようにしたことを特徴とするミキサを備えるディジタルレコーダ。 - 前記表示手段に表示された接続関係を表示する画面において、前記ミキシングバス手段における前記バスのいずれかを選択バスとして選択した状態で、前記入力ソースのいずれか、あるいは、前記録音トラックのいずれかを選択した際に、選択された入力ソースが前記選択バスにおいてミキシングされ、あるいは、前記選択バスのミキシング出力が選択された録音トラックに出力されるようにルーチングされると共に、その接続関係が前記表示手段に表示されるようにしたことを特徴とする請求項1記載のミキサを備えるディジタルレコーダ。
- 前記表示手段に表示された接続関係を表示する画面において、前記ミキシングバス手段における前記バスのいずれかを選択バスとして選択した状態で、前記録音トラックのいずれかを選択した際に、選択された録音トラックが非選択の前記バスに接続されていた場合は、その接続を解除して、前記選択バスのミキシング出力を選択された録音トラックに出力するように接続すると共に、その接続関係が前記表示手段に表示されるようにしたことを特徴とする請求項1あるいは2記載のミキサを備えるディジタルレコーダ。
- 前記表示手段に表示された接続関係を表示する画面において、前記ミキシングバス手段における前記バスのいずれかを選択バスとして選択した状態で、前記入力ソースのいずれか、および/または、前記録音トラックのいずれかを選択した際に、選択された前記入力ソース、および/または、選択された前記録音トラックが前記選択バスに接続されていた場合は、その接続を解除すると共に、その接続関係が前記表示手段に表示されるようにしたことを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載のミキサを備えるディジタルレコーダ。
- 入力された複数の入力ソースを選択的に出力するミキサ入力チャンネル手段と、
前記ミキサ入力チャンネル手段から選択的に出力された前記入力ソースをミキシングする複数のバスを備えるミキシングバス手段と、
該ミキシングバス手段からのミキシング出力を、録音ソースとして任意の録音トラックに個別に割り当てる録音セレクト手段と、
前記複数の入力ソースと、前記ミキシングバス手段における各バスと、前記複数の録音トラックとの接続関係を少なくとも表示する表示手段とを備え、
前記表示手段に表示された前記接続関係を表示する画面において、前記入力ソースのいずれかと前記録音トラックのいずれかとを選択した時点で、前記ミキサ入力チャンネル手段と前記録音セレクト手段の制御により、選択された入力ソースが、選択された録音トラックに応じた前記バスの1つにおいてミキシングされて、選択された録音トラックに出力されるように自動的にルーチングされると共に、その接続関係が前記表示手段に表示されるようにしたことを特徴とするミキサを備えるディジタルレコーダ。 - 前記表示手段に表示された接続関係を表示する画面において、前記入力ソースのいずれか、あるいは、前記録音トラックのいずれかを選択した際に、選択された入力ソースに応じた前記バスの1つにおいて選択された入力ソースがミキシングされるように接続、あるいは、選択された録音トラックに応じた前記バスのミキシング出力が選択された録音トラックに出力されるように接続されると共に、その接続関係が前記表示手段に表示されるようにしたことを特徴とする請求項5記載のミキサを備えるディジタルレコーダ。
- 前記表示手段に表示された接続関係を表示する画面において、前記入力ソースのいずれか、および/または、前記録音トラックのいずれかを選択した際に、選択された前記入力ソース、および/または、選択された前記録音トラックが対応する前記バスに接続されていた場合は、その接続を解除すると共に、その接続関係が前記表示手段に表示されるようにしたことを特徴とする請求項5または6に記載のミキサを備えるディジタルレコーダ。
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