JP3982183B2 - 電気光学装置及び投射型表示装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
【0002】
本発明は、アクティブマトリクス駆動方式の電気光学装置及びこれを備えた電子機器の技術分野に属し、特に画素スイッチング用の薄膜トランジスタ(Thin Film Transistor:以下適宜、TFTと称す)を、基板上の積層構造中に備えた形式の電気光学装置及びこれを備えた電子機器の技術分野に属する。
【背景技術】
【0003】
TFTアクティブマトリクス駆動形式の電気光学装置では、各画素に設けられた画素スイッチング用TFTのチャネル領域に入射光が照射されると光による励起で光リーク電流が発生してTFTの特性が変化する。特に、プロジェクタのライトバルブ用の電気光学装置の場合には、入射光の強度が高いため、TFTのチャネル領域やその周辺領域に対する入射光の遮光を行うことは重要となる。
【0004】
そこで従来は、対向基板に設けられた各画素の開口領域を規定する遮光膜により、或いはTFTの上を通過すると共にAl(アルミニウム)等の金属膜からなるデータ線により、係るチャネル領域やその周辺領域を遮光するように構成されている。更に、TFTアレイ基板上において画素スイッチング用TFTに対向する位置、即ちTFTの下側にも、例えば高融点金属からなる遮光膜を設けることがある。このようにTFTの下側にも遮光膜を設ければ、TFTアレイ基板側からの裏面反射光や、複数の電気光学装置をプリズム等を介して組み合わせて一つの光学系を構成する場合に他の電気光学装置からプリズム等を突き抜けてくる投射光などの戻り光が、当該電気光学装置のTFTに入射するのを未然に防ぐことができる。
【0005】
他方、表示画像におけるフリッカの防止、直流電圧印加による液晶の劣化等を防止する観点から、例えば走査線毎に液晶駆動電圧の電位極性を反転させる走査線反転駆動方式、データ線毎に液晶駆動電圧の電位極性を反転させるデータ線反転駆動方式、ドット毎に液晶駆動電圧の電位極性を反転させるドット反転駆動方式などの反転駆動方式が開発されている。
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上述した各種遮光技術によれば、以下の問題点がある。
【0007】
即ち、先ず対向基板上やTFTアレイ基板上に遮光膜を形成する技術によれば、遮光膜とチャネル領域との間は、3次元的に見て例えば液晶層、電極、層間絶縁膜等を介してかなり離間しており、両者間へ斜めに入射する光に対する遮光が十分ではない。特にプロジェクタのライトバルブとして用いられる小型の電気光学装置においては、入射光は光源からの光をレンズで絞った光束であり、斜めに入射する成分を無視し得ない程に(例えば、基板に垂直な方向から10度から15度程度傾いた成分を10%程度)含んでいるので、このような斜めの入射光に対する遮光が十分でないことは実践上問題となる。
【0008】
更に、遮光膜のない領域から電気光学装置内に侵入した光が、基板の上面或いは基板の上面に形成された遮光膜の上面やデータ線の下面、即ちチャネル領域に面する側の内面で反射された後に、係る反射光或いはこれが更に基板の上面或いは遮光膜やデータ線の内面で反射された多重反射光が最終的にTFTのチャネル領域に到達してしまう場合もある。
【0009】
特に近年の表示画像の高品位化という一般的要請に沿うべく電気光学装置の高精細化或いは画素ピッチの微細化を図るに連れて、更に明るい画像を表示すべく入射光の光強度を高めるに連れて、上述した従来の各種遮光技術によれば、十分な遮光を施すのがより困難となり、TFTのトランジスタ特性の変化により、フリッカ等が生じて、表示画像の品位が低下してしまうという問題点がある。
【0010】
加えて、このような各種内蔵遮光膜等や蓄積容量、各種配線等を、TFTアレイ基板上に作り込むに連れて、TFTアレイ基板上における積層構造が複雑化且つ肥大化して、画素電極の下地面には、段差がより顕著に生じるようになる。そして、このような段差は、液晶の配向不良等の電気光学物質の動作不良を引き起こし、コントラスト比の低下や光抜けを起こし、最終的にはやはり表示画像の品位が低下してしまうという問題点がある。
【0011】
他方、前述した各種反転駆動方式によれば、相異なる電位極性で駆動される相隣接する画素電極間には、横電界が生じる。これに対し、本願出願人の研究によれば、画素電極の下地面に所定パターンを有する凸部を付けることで横電界の悪影響を低減することも可能であるため、画素電極の下地面に簡単な構成或いは簡単な製造プロセスにより所定パターンを有する凸部を形成できれば大変都合がよい。逆に、このような所定パターンの凸部を形成できなければ、反転駆動方式を採用した場合、大なり小なり横電界の悪影響により、最終的にはやはり表示画像の品位が低下してしまうという問題点がある。
【0012】
本発明は上述の問題点に鑑みなされたものであり、耐光性に優れており明るく高品位の画像表示が可能な電気光学装置を提供すること、画素電極表面における段差に起因した電気光学物質の動作不良を低減可能であり高品位の画像表示が可能な電気光学装置を提供すること、及び画素電極の下地面に所望パターンの凸部を形成可能であり高品位の画像表示が可能な電気光学装置を提供すること、並びにこのような電気光学装置を備えた電子機器を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記課題を解決するために本発明の一実施形態に係る電気光学装置は、基板と、前記基板上にマトリクス状に配置された画素電極と、前記画素電極の縦横の境界に各々沿って配置された走査線及びデータ線と、平面的に見て前記走査線または前記データ線と重なる領域内に配置され、前記画素電極をスイッチング制御する薄膜トランジスタと、前記画素電極に接続された蓄積容量と、前記薄膜トランジスタ及び前記走査線の上側に配置されており前記薄膜トランジスタの少なくともチャネル領域及び前記走査線を上側から覆う上側遮光膜と、前記薄膜トランジスタの下側に配置されており前記薄膜トランジスタの少なくとも前記チャネル領域を下側から覆う下側遮光膜とを備えており、前記蓄積容量は、容量線と、誘電体を介して前記容量線と対向して配置された容量電極とを有し、前記上側遮光膜は、平面視で前記走査線と重なる領域の一部において、少なくとも部分的に前記蓄積容量の容量線或いは容量電極の一部を構成し、少なくとも前記薄膜トランジスタを構成する半導体層に含まれるソース領域、ドレイン領域及び前記チャネル領域は、平面的に見て、前記走査線と重なる領域内または前記データ線と重なる領域内に配置され、少なくとも前記チャネル領域は、平面的に見て前記走査線と前記データ線とが交差する領域と重なる位置に配置され、前記基板には、前記走査線及び前記データ線に対向する領域に第1溝が掘られており、前記基板には更に、前記第1溝内における前記チャネル領域に対向する領域に第2溝が掘られており、前記下側遮光膜は、少なくとも前記第2溝の側壁及び前記第2溝の底面に形成されていることを特徴とする。
【0014】
これによれば、画素電極をこれに接続された薄膜トランジスタによりスイッチング制御することにより、アクティブマトリクス駆動方式による駆動を行なえる。そして、薄膜トランジスタの少なくともチャネル領域は、上側から上側遮光膜により覆われているので、基板に垂直な方向からの入射光に対する遮光は、上側遮光膜により十分に高めることができる。更に、薄膜トランジスタの少なくともチャネル領域は、下側から下側遮光膜により覆われているので、基板の裏面反射光や、複数の電気光学装置をライトバルブとして用いた複板式のプロジェクタにおける他の電気光学装置から出射され合成光学系を突き抜けてくる光等の戻り光に対する遮光は、下側遮光膜により十分に高めることができる。ここで入射光や戻り光は、基板に対して斜め方向から入射する成分(以下、斜め光と称す)を含んでいる。更に、この斜め光が、基板上における下側遮光膜の上面や上側遮光膜の下面、即ち薄膜トランジスタに面する側の内面で反射されて、当該電気光学装置内に、斜めの内面反射光が生成される。更にまた、このような斜めの内面反射光が当該電気光学装置内の他の界面で反射されて斜めの多重反射光が生成される。
【0015】
しかるに本発明の一実施形態に係る電気光学装置では、例えばストライプ状、格子状等に基板に掘られている第1溝内に、層間絶縁膜等を介して配線及び薄膜トランジスタが少なくとも部分的に埋め込まれており、しかも、この第1溝内に更に掘られた第2溝内に、層間絶縁膜等を介して薄膜トランジスタのうちチャネル領域が少なくとも部分的に埋め込まれている。そして、この第2溝内には下側遮光膜が形成されているので、チャネル領域は、下側遮光膜により下側から包囲されることになる。例えば第2溝を十分深くすれば、下側遮光膜で覆われた第2溝内にチャネル領域を埋め込むこともできる。従って、第2溝内の下側遮光膜で下側から包囲する度合いに応じて、上述の如き斜めの戻り光、斜めの内面反射光や多重反射光がチャネル領域の付近において基板上で主に下側から上側に向かう際に遮光でき、このような斜め光のうち最終的にチャネル領域に到達する成分を低減できる。この結果、良好なトランジスタ特性を有する薄膜トランジスタにより高品位の画像を表示可能となり、特に高い光強度の入射光を用いて明るい画像を表示する際に有利となる。
【0016】
加えて、本発明の一実施形態に係る電気光学装置によれば、例えば配線に沿ってストライプ状、格子状等に基板に掘られた第1溝内に、層間絶縁膜等を介して配線及び薄膜トランジスタが配置されているので、これらの配線及び薄膜トランジスタの存在に応じた画素電極の下地面における段差を緩和することも可能となる。この結果、当該段差に起因した液晶の配向不良等の電気光学物質の動作不良を低減でき、高品位の画像を表示可能となる。
【0017】
尚、本発明の一実施形態に係る電気光学装置では、配線の一部が上側遮光膜を兼ねてもよい。
【0018】
本発明の一実施形態に係る電気光学装置では、前記第2溝の側壁には、テーパが付けられている。
【0019】
この態様によれば、例えば45度から80度程度のテーパが付けられた第2溝内に形成された下側遮光膜により、その上方に位置するチャネル領域における斜め光に対する遮光を広範囲に渡って良好に行なうことが可能となる。
【0020】
このように構成すれば、第2溝の底面及び側壁上に形成された下側遮光膜により、チャネル領域における遮光を広範囲に渡って良好に行なうことができる。加えて、第2溝の縁部に一致した下側遮光膜の縁部では、上方からの斜め光を含む入射光が、第2溝外にある下側遮光膜部分の上面で反射して第2溝の上方空間に侵入する事態を防止できる。即ち、チャネル領域に対する遮光性能を向上できる。
【0021】
本発明の一実施形態に係る電気光学装置では、前記下側遮光膜の平面形状は、前記上側遮光膜の平面形状より一回り小さい。
【0022】
この態様によれば、上側遮光膜の脇を抜けて上方から入射する斜め光が、下側遮光膜の上面で反射して第2溝の上方空間に侵入する事態を防止できる。即ち、チャネル領域に対する遮光性能を向上できる。
【0023】
本発明の一実施形態に係る電気光学装置では、前記走査線は導光膜からなり、前記第2溝は、前記チャネル領域に対向する領域に加えて前記走査線に対向する領域にも掘られている。
【0024】
この態様によれば、一の配線は、例えばポリシリコン膜等の導光膜からなるので、仮に一の配線のいずれかの個所に斜め光が入射すると、これが一の配線で導光されてチャネル領域にまで至ってしまう可能性がある。しかるに、第2溝は、チャネル領域に対向する領域に加えて一の配線に対向する領域にも、例えば一の配線に追ってストライプ状に掘られている。このため、導光膜からなる一の配線を、第2膜内に形成された下側遮光膜で下方から包囲することにより、斜め光が当該一の配線に入射する可能性を低減できる。
【0025】
本発明の一実施形態に係る電気光学装置では、前記走査線は、前記薄膜トランジスタのゲート電極を含むと共に該ゲート電極の部分で幅広に形成されており、前記第2溝は、前記チャネル領域に対向する領域に加えて前記走査線に対向する領域にも掘られている。
【0026】
この態様によれば、配線は、ゲート電極を含む走査線を含むので、例えばゲート電極に適したポリシリコン膜等から走査線を構成した場合、走査線のいずれかの個所に斜め光が入射すると、これが走査線で導光されてゲート電極に対向するチャネル領域にまで至ってしまう可能性がある。しかるに、第2溝は、走査線に対向する領域にも掘られており、しかもゲート電極の部分で幅広に形成された走査線に対応した平面形状を持つように掘られている。このため、ゲート電極部分を含めて走査線を、第2膜内に形成された下側遮光膜で下方から包囲することにより、斜め光が当該走査線に入射して、そのゲート電極の部分に至る可能性を低減できる。
【0027】
尚、上述の態様の如く、導光膜からなる一の配線或いは走査線における下方からの斜め光に対する遮光性能を高めるためには、下側遮光膜の形成領域を広げればよいようにも考えられるが、単純に下側遮光膜の形成領域を広げてしまったのでは、表示画像の明るさを向上させるべく各画素の開口率を高めることが根本的に困難になるという問題点が生じる。更に下側遮光膜の存在により、斜め光に起因した内面反射や多重反射光が発生することに鑑みればむやみに下側遮光膜の形成領域を広げたのでは、このような内面反射光や多重反射光の増大を招くという解決困難な問題点もある。従って、上述した本発明の一実施形態に係る電気光学装置の態様は大変有利である。
【0028】
本発明の一実施形態に係る電気光学装置では、前記第2溝は、前記チャネル領域に加えて、前記半導体層における前記チャネル領域に隣接する領域に対向する領域にも掘られている。
【0029】
この態様によれば、チャネル領域に加えて、LDD(Lightly Doped Drain)領域、オフセット領域等のチャネル領域に隣接する領域に対向する領域における遮光性能も向上する。このため、良好なトランジスタ特性を有する薄膜トランジスタにより高品位の画像を表示可能となり、特に高い光強度の入射光を用いて明るい画像を表示する際に有利となる。
【0030】
本発明の一実施形態に係る電気光学装置では、前記下側遮光膜は、高融点金属を含む膜からなる。
【0031】
この態様によれば、高融点金属を含む膜からなる下側遮光層により、薄膜トランジスタの下側における遮光を良好に行なえる。高融点金属を含む膜としては、例えば、Ti(チタン)、Cr(クロム)、W(タングステン)、Ta(タンタル)、Mo(モリブデン)、Pb(鉛)等の高融点金属のうち少なくとも一つを含む、金属単体、合金、金属シリサイド、ポリシリサイド、これらを積層したもの等が挙げられる。
【0032】
本発明の一実施形態に係る電気光学装置では、前記画素電極に接続された蓄積容量を更に備えており、前記上側遮光膜は、少なくとも部分的に前記蓄積容量を構成する容量線或いは容量電極からなる。
【0033】
この態様によれば、上側遮光膜の少なくとも一部は、例えば高融点金属を含む膜からなる容量線或いは容量電極からなるので、基板上における積層構造及び製造プロセスの簡略化を図れる。
【0034】
尚、上側遮光膜の一部は、例えばAl膜等からなるデータ線からなってもよいし、薄膜トランジスタと画素電極とを中継接続する中間導電層からなってもよい。
【0035】
本発明の一実施形態に係る電気光学装置では、前記基板に対して電気光学物質を介して対向配置された対向基板を更に備えており、前記上側遮光膜に代えて又は加えて、前記対向基板上に、少なくとも前記チャネル領域を上方から覆う他の遮光膜を備える。
【0036】
この態様によれば、薄膜トランジスタの少なくともチャネル領域は、上側から上側遮光膜に加えて又は代えて、対向基板上に形成された他の遮光膜により覆われているので、チャネル領域における上側からの入射光に対する遮光を行なえる。
【0037】
また本発明の一実施例に係る電気光学装置では、一対の第1及び第2基板間に電気光学物質が挟持されてなり、前記第1基板上に、画素電極と、該画素電極に接続された薄膜トランジスタと、該薄膜トランジスタに接続されており第1方向に延びる第1配線と、前記薄膜トランジスタに接続されており前記第1方向に交差する第2方向に延びる第2配線とを備えており、前記基板には、前記第1配線及び前記第2配線のうち少なくとも一方に対向する領域に第1溝が掘られており、前記基板には更に、前記第1溝内における前記第1配線及び前記第2配線が交差する領域に島状の第2溝が掘られており、前記薄膜トランジスタは平面視において前記第2溝と重なる領域に形成されおり、少なくとも前記第2溝の側壁及び前記第2溝の底面に遮光膜が形成されていることを特徴とする。
【0038】
これによれば、画素電極をこれに接続された薄膜トランジスタによりスイッチング制御することにより、アクティブマトリクス駆動方式による駆動を行なえる。ここで特に、例えば配線に沿ってストライプ状、格子状等に基板に掘られた第1溝内に、層間絶縁膜等を介して配線が少なくとも部分的に埋め込まれておいる。従って、配線を埋め込む分だけ、画素電極の下地面における段差を低減でき、当該段差に起因した液晶の配向不良等の電気光学物質の動作不良を低減できる。しかも、この第1溝内に更に掘られた第2溝内に、層間絶縁膜等を介して相交差する配線部分が少なくとも部分的に埋め込まれている。即ち、配線が交差することで2つの配線の厚みが合算されて、画素電極の下地面における段差が局所的に非常に大きくなる領域では、溝が2段階に深く掘られているので、段差を低減することができる。従って。当該段差に起因した液晶の配向不良等の電気光学物質の動作不良を低減でき、最終的には高品位の画像を表示可能となる。
【0039】
本発明の一実施例に係る電気光学装置では、前記第2溝は、前記第1配線及び前記第2配線が交差する領域に加えて前記第1配線又は前記第2配線に対向する領域にも掘られている。
【0040】
この態様によれば、第2溝は、交差する領域のみならず、第1及び第2配線のうち一方に対向する領域にも掘られている。例えば、第2溝は、平面的に見て配線に沿ってストライプ状又は格子状に掘られている。これに対し、第1及び第2配線のうち他方に対向する領域には第1溝しか掘られていない。従って、第1及び第2配線のうち他方の上方にある画素電極の下地面の高さを、第1及び第2配線のうち一方の上方にある画素電極の下地面の高さよりも高くできる。即ち、溝の有無により、第1及び第2配線のうち他方の上方にある画素電極の下地面に凸部を形成可能となる。この結果、例えば前述した各種反転駆動方式における横電界の悪影響を、このような凸部を利用して低減することも可能となる。しかも、このような凸部は、基板における第1溝や第2溝の有無により比較的簡単に形成できる。
【0041】
本発明の一実施例に係る電気光学装置では、前記薄膜トランジスタのチャネル領域は、前記第1配線及び前記第2配線が交差する領域に位置する。
【0042】
この態様によれば、第1及び第2配線並びにチャネル領域を構成する半導体層が重ねられており、基板上における積層体の膜厚は、この領域で局所的に厚くなっている。しかしながら、この領域では第1溝内に第2溝が掘られているのため、この領域における画素電極の下地面の段差を低減できる。
【0043】
本発明の一実施例に係る電気光学装置では、前記画素電極に接続された蓄積容量を更に備えており、前記第1配線又は前記第2配線は、前記蓄積容量を構成する容量線を含む。
【0044】
この態様によれば、第1又は第2配線は、例えば高融点金属を含む膜からなる容量線を含むので、基板上における積層構造及び製造プロセスの簡略化を図れる。
【0045】
尚、配線は、例えばポリシリコン膜からなる走査線、Al膜からなるデータ線等を含んでもよい。
【0046】
また本発明の一実施例に係る電気光学装置では、基板上に、画素電極と、該画素電極に接続されると共に前記画素電極の下方に積層された薄膜トランジスタと、該薄膜トランジスタに接続されると共に前記画素電極の下方に積層された配線とを備えており、前記薄膜トランジスタ及び前記配線は相互に部分的に重なるように積層形成されており、前記基板には、前記画素電極の下地面が平坦化されるように、前記薄膜トランジスタと前記配線とが重なる領域では両者の膜厚に応じた深さの第1溝、及び前記配線の形成領域内で前記配線と前記薄膜トランジスタとが重ならない領域では前記配線の膜厚に応じた深さの第2溝を含む多数段の溝が掘られており、少なくとも前記第1溝の側壁及び前記第1溝の底面に遮光膜が形成されていることを特徴とする。
【0047】
これによれば、画素電極をこれに接続された薄膜トランジスタによりスイッチング制御することにより、アクティブマトリクス駆動方式による駆動を行なえる。ここで特に、薄膜トランジスタ及び配線は相互に部分的に重なるように積層形成されているが、基板には、薄膜トランジスタと配線とが重なる領域では両者の膜厚に応じた深さの溝、及び配線の形成領域内で配線と薄膜トランジスタとが重ならない領域では配線の膜厚に応じた深さの溝を含む多数段の溝が掘られており、これにより、画素電極の下地面は平坦化される。従って、画素電極の下地面における段差に起因した液晶の配向不良等の電気光学物質の動作不良を低減でき、最終的には高品位の画像を表示可能となる。
【0048】
また本発明の一実施例に係る電気光学装置では、前記第1配線は走査線であり、前記第1溝は前記走査線に対向しており、前記第1溝は、前記画素電極の下地面が前記走査線に沿ったストライプ状の凸部を有するように形成されていることを特徴とする。
【0049】
これによれば、例えば前述した各種反転駆動方式における横電界の悪影響を低減する平面パターンを持つ凸部を比較的簡単に形成できる。このように多数段の溝を掘ることにより、画素電極の下地面における段差に起因した液晶の配向不良等の電気光学物質の動作不良を低減でき、最終的には高品位の画像を表示可能となる。
【0050】
また本発明の一実施例に係る電気光学装置では、前記第1配線はデータ線であり、前記第1溝は前記データ線に対向しており、前記第1溝は、前記画素電極の下地面が前記データ線に沿ったストライプ状の凸部を有するように形成されていることを特徴とする。
【0051】
これによれば、例えば前述した各種反転駆動方式における横電界の悪影響を低減する平面パターンを持つ凸部を比較的簡単に形成できる。このように多数段の溝を掘ることにより、画素電極の下地面における段差に起因した液晶の配向不良等の電気光学物質の動作不良を低減でき、最終的には高品位の画像を表示可能となる。
【0052】
上記課題を解決するために本発明の投射型表示装置は、上述した本発明の実施例に係る電気光学装置(但し、その各種態様も含む)のうちいずれか一つからなるライトバルブと、該ライトバルブに投射光を照射する光源と、前記ライトバルブから出射される投射光を投射する光学系とを備える。
【0053】
本発明の投射型表示装置によれば、光源から投射光がライトバルブに照射され、ライトバルブから出射される投射光は、光学系により、スクリーン等に投射される。この際、当該ライトバルブは、上述した本発明の電気光学装置からなるので、投射高強度を高めても、前述の如く優れた遮光性能によって光リーク電流の低減された薄膜トランジスタにより画素電極を良好にスイッチング制御できる。或いは、液晶の配向不良等の電気光学物質の動作不良が低減された電気光学装置からなるライトバルブにより光を変調できる。この結果、最終的には高品位の画像を表示可能となる。
【0054】
本発明のこのような作用及び他の利得は次に説明する実施の形態から明らかにされる。
【発明の実施の形態】
【0055】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。以下の実施形態は、本発明の電気光学装置を液晶装置に適用したものである。
【0056】
(第1実施形態)
先ず本発明の実施形態における電気光学装置の画素部における構成について、図1から図3を参照して説明する。図1は、電気光学装置の画像表示領域を構成するマトリクス状に形成された複数の画素における各種素子、配線等の等価回路である。図2は、データ線、走査線、画素電極等が形成されたTFTアレイ基板の相隣接する複数の画素群の平面図である。図3は、図2のA−A’断面図である。尚、図3においては、各層や各部材を図面上で認識可能な程度の大きさとするため、各層や各部材毎に縮尺を異ならしめてある。
【0057】
図1において、本実施形態における電気光学装置の画像表示領域を構成するマトリクス状に形成された複数の画素には夫々、画素電極9aと当該画素電極9aをスイッチング制御するためのTFT30とが形成されており、画像信号が供給されるデータ線6aが当該TFT30のソースに電気的に接続されている。データ線6aに書き込む画像信号S1、S2、…、Snは、この順に線順次に供給しても構わないし、相隣接する複数のデータ線6a同士に対して、グループ毎に供給するようにしても良い。また、TFT30のゲートに走査線3aが電気的に接続されており、所定のタイミングで、走査線3aにパルス的に走査信号G1、G2、…、Gmを、この順に線順次で印加するように構成されている。画素電極9aは、TFT30のドレインに電気的に接続されており、スイッチング素子であるTFT30を一定期間だけそのスイッチを閉じることにより、データ線6aから供給される画像信号S1、S2、…、Snを所定のタイミングで書き込む。画素電極9aを介して電気光学物質の一例としての液晶に書き込まれた所定レベルの画像信号S1、S2、…、Snは、対向基板(後述する)に形成された対向電極(後述する)との間で一定期間保持される。液晶は、印加される電圧レベルにより分子集合の配向や秩序が変化することにより、光を変調し、階調表示を可能にする。ノーマリーホワイトモードであれば、各画素の単位で印加された電圧に応じて入射光に対する透過率が減少し、ノーマリーブラックモードであれば、各画素の単位で印加された電圧に応じて入射光に対する透過率が増加され、全体として電気光学装置からは画像信号に応じたコントラストを持つ光が出射する。ここで、保持された画像信号がリークするのを防ぐために、画素電極9aと対向電極との間に形成される液晶容量と並列に蓄積容量70を付加する。
【0058】
図2において、電気光学装置のTFTアレイ基板上には、マトリクス状に複数の透明な画素電極9a(点線部9a’により輪郭が示されている)が設けられており、画素電極9aの縦横の境界に各々沿ってデータ線6a及び走査線3aが設けられている。
【0059】
また、半導体層1aのうち図中右上がりの細かい斜線領域で示したチャネル領域1a’に対向するように走査線3aが配置されており、走査線3aはゲート電極として機能する。特に本実施形態では、走査線3aは、当該ゲート電極となる部分において幅広に形成されている。このように、走査線3aとデータ線6aとの交差する個所には夫々、チャネル領域1a’に走査線3aがゲート電極として対向配置された画素スイッチング用のTFT30が設けられている。
【0060】
図2及び図3に示すように、容量線300は、走査線3a上に形成されている。容量線300は、平面的に見て走査線3aに沿ってストライプ状に延びる本線部と、走査線3a及びデータ線6の交点における該本線部からデータ線6aに沿って図2中上下に突出した突出部とを含んでなる。容量線300は、例えば高融点金属を含む金属シリサイド膜等からなる。但し、容量線300は、導電性のポリシリコン膜等からなる第1膜と高融点金属を含む金属シリサイド膜等からなる第2膜とが積層された多層構造を持つように構成してもよい。容量線300は、容量線本来の機能の他、蓄積容量70の固定電位側容量電極としての機能を持ち、更に、TFT30の上側において入射光からTFT30を遮光する上側遮光膜としての機能を持つ。
【0061】
他方、容量線300に対して、誘電体膜75を介して対向配置される中継層71は、蓄積容量70の画素電位側容量電極としての機能を持ち、更に、画素電極9aとTFT30の高濃度ドレイン領域1eとを中継接続する中間導電層としての機能を持つ。
【0062】
このように本実施形態では、蓄積容量70は、TFT30の高濃度ドレイン領域1e及び画素電極9aに接続された画素電位側容量電極としての中継層71と、固定電位側容量電極としての容量線300の一部とが、誘電体膜75を介して対向配置されることにより構築されている。
【0063】
そして、図2中縦方向に夫々延びるデータ線6aと図2中横方向に夫々延びる容量線300とが相交差して形成されることにより、TFTアレイ基板10上におけるTFT30の上側に、平面的に見て格子状の上側遮光膜が構成されており、各画素の開口領域を規定している。
【0064】
他方、TFTアレイ基板10上におけるTFT30の下側には、下側遮光膜11aが格子状に設けられている。
【0065】
これらの上側遮光膜の一例を構成する容量線300及び下側遮光膜11aは夫々、例えば、Ti、Cr、W、Ta、Mo、Pb等の高融点金属のうちの少なくとも一つを含む、金属単体、合金、金属シリサイド、ポリシリサイド、これらを積層したもの等からなる。
【0066】
また図3において、容量電極としての中継層71と容量線300との間に配置される誘電体膜75は、例えば膜厚5〜200nm程度の比較的薄いHTO膜、LTO膜等の酸化シリコン膜、あるいは窒化シリコン膜等から構成される。蓄積容量70を増大させる観点からは、膜の信頼性が十分に得られる限りにおいて、誘電体膜75は薄い程良い。
【0067】
図2及び図3に示すように、画素電極9aは、中継層71を中継することにより、コンタクトホール83及び85を介して半導体層1aのうち高濃度ドレイン領域1eに電気的に接続されている。このように中継層71を中継層として利用すれば、層間距離が例えば2000nm程度に長くても、両者間を一つのコンタクトホールで接続する技術的困難性を回避しつつ比較的小径の二つ以上の直列なコンタクトホールで両者間を良好に接続でき、画素開口率を高めること可能となり、コンタクトホール開孔時におけるエッチングの突き抜け防止にも役立つ。
【0068】
他方、データ線6aは、コンタクトホール81を介して、例えばポリシリコン膜からなる半導体層1aのうち高濃度ソース領域1dに電気的に接続されている。尚、データ線6aと高濃度ソース領域1aとを中継層により中継接続することも可能である。
【0069】
容量線300は、画素電極9aが配置された画像表示領域からその周囲に延設され、定電位源と電気的に接続されて、固定電位とされる。係る定電位源としては、TFT30を駆動するための走査信号を走査線3aに供給するための走査線駆動回路(後述する)や画像信号をデータ線6aに供給するサンプリング回路を制御するデータ線駆動回路(後述する)に供給される正電源や負電源の定電位源でもよいし、対向基板20の対向電極21に供給される定電位でも構わない。更に、下側遮光膜11aについても、その電位変動がTFT30に対して悪影響を及ぼすことを避けるために、容量線300と同様に、画像表示領域からその周囲に延設して定電位源に接続するとよい。
【0070】
図2及び図3において、電気光学装置は、透明なTFTアレイ基板10と、これに対向配置される透明な対向基板20とを備えている。TFTアレイ基板10は、例えば石英基板、ガラス基板、シリコン基板からなり、対向基板20は、例えばガラス基板や石英基板からなる。
【0071】
TFTアレイ基板10には、図2では省略されているが、図3に示すように、平面的に見て下側遮光膜より一回り大きい格子状の溝10cvが掘られている。走査線3a、データ線6a、TFT30等の配線や素子等は、この溝10cv内に埋め込まれている。これにより、配線、素子等が存在する領域と存在しない領域との間における段差が緩和されており、最終的には段差に起因した液晶の配向不良等の画像不良を低減できる。
【0072】
本実施形態では特に、溝10cvの底面には、チャネル領域1a’及びその隣接領域に対向する位置に島状の凹部401が形成されている。このような凹部401の構成及び作用効果については遮光機能と共に図4から図6を参照して後に詳述する。
【0073】
図3に示すように、TFTアレイ基板10には、画素電極9aが設けられており、その上側には、ラビング処理等の所定の配向処理が施された配向膜16が設けられている。画素電極9aは例えば、ITO(Indium Tin Oxide)膜などの透明導電性膜からなる。また配向膜16は例えば、ポリイミド膜などの有機膜からなる。
【0074】
他方、対向基板20には、その全面に渡って対向電極21が設けられており、その下側には、ラビング処理等の所定の配向処理が施された配向膜22が設けられている。対向電極21は例えば、ITO膜などの透明導電性膜からなる。また配向膜22は、ポリイミド膜などの有機膜からなる。
【0075】
このように構成された、画素電極9aと対向電極21とが対面するように配置されたTFTアレイ基板10と対向基板20との間には、後述のシール材により囲まれた空間に電気光学物質の一例である液晶が封入され、液晶層50が形成される。液晶層50は、画素電極9aからの電界が印加されていない状態で配向膜16及び22により所定の配向状態をとる。液晶層50は、例えば一種又は数種類のネマティック液晶を混合した液晶からなる。シール材は、TFTアレイ基板10及び対向基板20をそれらの周辺で貼り合わせるための、例えば光硬化性樹脂や熱硬化性樹脂からなる接着剤であり、両基板間の距離を所定値とするためのグラスファイバー或いはガラスビーズ等のギャップ材が混入されている。
【0076】
更に、画素スイッチング用TFT30の下には、下地絶縁膜12が設けられている。下地絶縁膜12は、下側遮光膜11aからTFT30を層間絶縁する機能の他、TFTアレイ基板10の全面に形成されることにより、TFTアレイ基板10の表面の研磨時における荒れや、洗浄後に残る汚れ等で画素スイッチング用TFT30の特性の劣化を防止する機能を有する。
【0077】
図3において、画素スイッチング用TFT30は、LDD(Lightly Doped Drain)構造を有しており、走査線3a、当該走査線3aからの電界によりチャネルが形成される半導体層1aのチャネル領域1a’、走査線3aと半導体層1aとを絶縁するゲート絶縁膜を含む絶縁膜2、半導体層1aの低濃度ソース領域1b及び低濃度ドレイン領域1c、半導体層1aの高濃度ソース領域1d並びに高濃度ドレイン領域1eを備えている。
【0078】
走査線3a上には、高濃度ソース領域1dへ通じるコンタクトホール81及び高濃度ドレイン領域1eへ通じるコンタクトホール83が各々開孔された第1層間絶縁膜41が形成されている。
【0079】
第1層間絶縁膜41上には中継層71及び容量線300が形成されており、これらの上には、コンタクトホール81及びコンタクトホール85が各々開孔された第2層間絶縁膜42が形成されている。
【0080】
第2層間絶縁膜42上にはデータ線6aが形成されており、これらの上には、中継層71へ通じるコンタクトホール85が形成された第3層間絶縁膜43が形成されている。画素電極9aは、このように構成された第3層間絶縁膜43の上面に設けられている。
【0081】
次に、図4から図6を参照して、本実施形態における基板10に掘られた第1溝の一例たる溝10cv及び第2溝の一例たる凹部401に係る構成及び遮光機能について詳述する。ここに図4は、凹部401上にある下地絶縁膜12及びこの上に配置された半導体層1aを示す部分拡大斜視図である。図5は、溝10cv及び凹部401が掘られた基板10の上面を示す部分拡大斜視図である。また、図6は、上述した実施形態の基本構成の中で、TFT30のチャネル領域1a’の上下における上側遮光膜(容量線300及びデータ線6a)及び下側遮光膜11aによる遮光の様子を2次元的に示す図式的な擬似断面図である。尚、図6における実際の各膜や凹部の形状や配置は、3次元的であり図6に示したものより複雑となるが、ここではチャネル領域1a’付近における入射光及び戻り光に対する、遮光の関係を図式的に示すこととする。また図6では、基板10上の積層構造の中からチャネル領域1a’とその上下遮光膜とを抽出して、これらと入射光及び戻り光との関係を示すようにしている。
【0082】
図4及び図5並びに前述した図2及び図3に示すように、本実施形態では特に、各半導体層1aのうち少なくともチャネル領域1a’に対向する領域において、基板10に島状の凹部401が掘られている。そして、このような凹部401は、走査線3a及びデータ線6aに沿って格子状に掘られた溝10cv内に設けられており、且つ走査線3a及びデータ線6aの交点に位置している。
【0083】
本実施形態によれば、チャネル領域1a’並びにこれに隣接する低濃度ソース領域1b及び低濃度ドレイン領域1c(図3参照)は、上側から上側遮光膜たる容量線300及びデータ線6aにより覆われているので、図6に示すように、基板10に垂直な方向からの入射光L1s及び斜めの入射光L1iを含む入射光L1に対する遮光は、上側遮光膜たる容量線300及びデータ線6aにより十分に高めることができる。他方、チャネル領域1a’並びにこれに隣接する低濃度ソース領域1b及び低濃度ドレイン領域1c(図3参照)は、下側から下側遮光膜11aにより覆われているので、図6に示すように、基板10の裏面反射光や、複数の電気光学装置をライトバルブとして用いた複板式のプロジェクタにおける他の電気光学装置から出射され合成光学系を突き抜けてくる光等の、戻り光L2のうち基板10に垂直な戻り光L2に対する遮光は、下側遮光膜11aにより十分に高めることができる。
【0084】
ここで図6に示すように、入射光L1及び戻り光L2Sは、基板10に対して斜め方向から入射する斜め光L1i及びL2iを夫々含んでいる。例えば、入射角が垂直から10度〜15度位までずれる成分を10%程度含んでいる。
【0085】
そこで、斜めの入射光L1iについては、本実施形態では、上側遮光膜たる容量線300及びデータ線6aの幅を、下側遮光膜11aの幅より夫々一回り広くすることにより、上側遮光膜の脇を抜ける斜めの入射光L1iが、基板10上に形成された下側遮光膜11aの上面で反射されて、チャネル領域1a’に至ることを未然防止している。
【0086】
他方、斜めの戻り光L2iについては、本実施形態では、下側遮光膜11aの下に凹部401を設け且つその凹部401内に下側遮光膜11aを形成することにより、チャネル領域1a’を下地絶縁膜12を介して下側遮光膜401に包囲された空間内にある程度入れるようにする。これにより、上側遮光膜より幅は狭くても、下側遮光膜11aにより、チャネル領域1aに到達しようとする斜めの戻り光L2iに起因する斜めの内面反射光L3(図6中、破線で示す)の発生を防止できる。特に本実施形態では、下側遮光膜11aは、凹部401の側壁上に形成されており、下側遮光膜11aの縁部は、部分的に基板10上における凹部401の縁部に一致するように構成されている(図6参照)。従って、チャネル領域1a’における遮光を広範囲に渡って良好に行なうことができると同時に、上方からの斜め光L1iが、凹部401外にある下側遮光膜部分の上面で反射して凹部401の上方空間に侵入する事態を有効に防止できる。
【0087】
以上の如く、本実施形態によれば、入射光L1及び戻り光L2に対して高い遮光性能が得られる。
【0088】
加えて、本実施形態によれば、溝10cv内に、層間絶縁膜等を介してTFT30、走査線3a、データ線6a、容量線300等が配置されているので、これらの存在に応じた画素電極9aの下地面たる第3層間絶縁膜43の表面における段差を緩和できる。特に、これらが重なっており基板10上における積層体の厚みが最も厚い領域に、凹部401が掘られているので、極めて効率的に段差を低減できる。この結果、当該段差に起因した液晶の配向不良を低減できる。
【0089】
以上の観点から、凹部401の深さは、例えば、数百から数千nm程度とされる。係る凹部401は、基板10上に溝10cvをエッチングで形成した後に、更にエッチングで形成できるので、製造プロセスは単純で済む。そして、上側遮光膜の形成領域及び光源光の種類などに応じて、凹部401の側壁上に形成された下側遮光膜11aに到達する斜め光L2iがチャネル領域1a’から外れた方向に反射するように、凹部401の側壁に例えば45度から80度程度のテーパをつけるとよい。
【0090】
以上説明した実施形態では、図3に示したように多数の導電層を積層することにより、画素電極9aの下地面(即ち、第3層間絶縁膜43の表面)におけるデータ線6aや走査線3aに沿った領域に段差が生じるのを、TFTアレイ基板10に溝10cv及び凹部401を掘ることで緩和しているが、これに加えて、下地絶縁膜12、第1層間絶縁膜41、第2層間絶縁膜42、第3層間絶縁膜43に溝を掘って、データ線6a等の配線やTFT30等を埋め込むことにより平坦化処理を行ってもよいし、第3層間絶縁膜43や第2層間絶縁膜42の上面の段差をCMP(Chemical Mechanical Polishing)処理等で研磨することにより、或いは有機SOG(Spin On Glass)を用いて平らに形成することにより、当該平坦化処理を行ってもよい。
【0091】
更に以上説明した実施形態では、画素スイッチング用TFT30は、好ましくは図3に示したようにLDD構造を持つが、低濃度ソース領域1b及び低濃度ドレイン領域1cに不純物の打ち込みを行わないオフセット構造を持ってよいし、走査線3aの一部からなるゲート電極をマスクとして高濃度で不純物を打ち込み、自己整合的に高濃度ソース及びドレイン領域を形成するセルフアライン型のTFTであってもよい。また本実施形態では、画素スイッチング用TFT30のゲート電極を高濃度ソース領域1d及び高濃度ドレイン領域1e間に1個のみ配置したシングルゲート構造としたが、これらの間に2個以上のゲート電極を配置してもよい。このようにデュアルゲート或いはトリプルゲート以上でTFTを構成すれば、チャネルとソース及びドレイン領域との接合部のリーク電流を防止でき、オフ時の電流を低減することができる。
【0092】
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態の電気光学装置について図7から図11を参照して説明する。ここに、図7は、第2実施形態における、データ線、走査線、画素電極等が形成されたTFTアレイ基板の相隣接する複数の画素群の平面図である。図8は、図7のB−B’断面図である。尚、図8においては、各層や各部材を図面上で認識可能な程度の大きさとするため、各層や各部材毎に縮尺を異ならしめてある。また、図9は、第2実施形態における凹部上にある下地絶縁膜及びこの上に配置された半導体層を示す部分拡大斜視図である。図10は、溝及び凹部が掘られた基板の上面を示す部分拡大斜視図である。また、図11は、第2実施形態の基本構成の中で、TFTのチャネル領域の上下における上側遮光膜及び下側遮光膜による遮光の様子を2次元的に示す図式的な擬似断面図である。図11における実際の各膜や凹部の形状や配置は、3次元的であり図11に示したものより複雑となるが、ここではチャネル領域付近における入射光及び戻り光に対する、遮光の関係を図式的に示すこととする。また図11では、基板上の積層構造の中からチャネル領域とその上下遮光膜とを抽出して、これらと入射光及び戻り光との関係を示すようにしている。尚、第2実施形態に係る図7から図11では、第1実施形態に係る図2から図6と同様の構成要素には同様の参照符号を付し、それらの説明は省略する。
【0093】
図7から図10に示すように、第2実施形態では、第1実施形態における島状の凹部402に代えて、走査線3aに沿ったストライプ状であり且つ走査線3aが幅広とされたゲート電極部分に応じて幅広とされている凹部402が、溝10cv内に掘られている点が異なる。その他の構成は第1実施形態の場合と同様である。
【0094】
従って第2実施形態によれば、走査線3aは、例えばポリシリコン膜等の導光膜からなっていても、走査線3aのいずれかの個所に斜め光が入射し、走査線3aで導光されてチャネル領域1a’にまで至ってしまう事態を、図11に示したように、凹部402内に形成された下側遮光膜11aにより走査線3aを下方から包囲することで効果的に防止している。しかも、このように走査線3aを包囲することで遮光性能を高めることは、下側遮光膜11aの幅を広げないことに繋がるため、各画素の開口率の向上に役立つ。
【0095】
(変形形態)
以上説明した実施形態には各種の変形形態が考えられる。
【0096】
一の変形形態としては、走査線3aに対向する領域に掘られる溝10cv或いは凹部401又は402を相対的に浅くすることにより、走査線3aに沿ったストライプ状の凸部を画素電極9aの下地面である第3層間絶縁膜43の表面に形成してもよい。これにより、走査線3a毎に画素電極9aの印加電圧の極性を反転して駆動する走査線反転駆動方式を採用する場合に、データ線方向に相隣接する画素電極9a間に生じる横電界の悪影響を、上記凸部で画素電極9aの縁を盛り上げることで該横電界が生じる領域における縦電界を強めることにより、低減できる。
【0097】
同様に、データ線6aに対向する領域に掘られる溝10cv或いは凹部401又は402を相対的に浅くすることにより、データ線6aに沿ったストライプ状の凸部を画素電極9aの下地面である第3層間絶縁膜43の表面に形成してもよい。これにより、データ線6a毎に画素電極9aの印加電圧の極性を反転して駆動するデータ線反転駆動方式を採用する場合に、走査線方向に相隣接する画素電極9a間に生じる横電界の悪影響を、上記凸部で画素電極9aの縁を盛り上げることで該横電界が生じる領域における縦電界を強めることにより、低減できる。
【0098】
他の変形形態としては、溝10cv内に凹部401又は402を掘る、即ち溝を2段階に掘るだけでなく、凹部401又は402内に更なる凹部を掘ること、即ち溝を3段階に掘ることも可能であり、より一般には、溝をn(n:2以上の自然数)段階掘ることも可能であり、基板10に対する複数回のエッチングによって画素電極9aの下地面たる第3層間絶縁膜43の表面に所望のパターンを形成することも可能である。
【0099】
他の変形形態としては、上側遮光膜たる容量線300及びデータ線6aに代えて、対向基板20上に、少なくともチャネル領域1a’を上方から覆う他の遮光膜を設けてもよい。或いは、上側遮光膜たる容量線300及びデータ線6aに加えて、対向基板20上に、少なくともチャネル領域1a’を上方から覆う他の遮光膜を設けてもよい。後者の場合には、対向基板20上の遮光膜については、若干幅を狭くして、両基板の貼り合わせずれによる各画素の開口領域が小さくなるのを避けるのが好ましい。このような対向基板20上の遮光膜は、液晶層50、TFT30等の温度上昇を防ぐために効果的である。
【0100】
(電気光学装置の全体構成)
以上のように構成された各実施形態における電気光学装置の全体構成を図12及び図13を参照して説明する。尚、図12は、TFTアレイ基板10をその上に形成された各構成要素と共に対向基板20の側から見た平面図であり、図13は、図12のH−H’断面図である。
【0101】
図12において、TFTアレイ基板10の上には、シール材52がその縁に沿って設けられており、その内側に並行して、画像表示領域10aの周辺を規定する額縁としての遮光膜53が設けられている。シール材52の外側の領域には、データ線6aに画像信号を所定タイミングで供給することによりデータ線6aを駆動するデータ線駆動回路101及び外部回路接続端子102がTFTアレイ基板10の一辺に沿って設けられており、走査線3aに走査信号を所定タイミングで供給することにより走査線3aを駆動する走査線駆動回路104が、この一辺に隣接する2辺に沿って設けられている。走査線3aに供給される走査信号遅延が問題にならないのならば、走査線駆動回路104は片側だけでも良いことは言うまでもない。また、データ線駆動回路101を画像表示領域10aの辺に沿って両側に配列してもよい。更にTFTアレイ基板10の残る一辺には、画像表示領域10aの両側に設けられた走査線駆動回路104間をつなぐための複数の配線105が設けられている。また、対向基板20のコーナー部の少なくとも1箇所においては、TFTアレイ基板10と対向基板20との間で電気的に導通をとるための導通材106が設けられている。そして、図13に示すように、図12に示したシール材52とほぼ同じ輪郭を持つ対向基板20が当該シール材52によりTFTアレイ基板10に固着されている。
【0102】
尚、TFTアレイ基板10上には、これらのデータ線駆動回路101、走査線駆動回路104等に加えて、複数のデータ線6aに画像信号を所定のタイミングで印加するサンプリング回路、複数のデータ線6aに所定電圧レベルのプリチャージ信号を画像信号に先行して各々供給するプリチャージ回路、製造途中や出荷時の当該電気光学装置の品質、欠陥等を検査するための検査回路等を形成してもよい。
【0103】
以上図1から図13を参照して説明した実施形態では、データ線駆動回路101及び走査線駆動回路104をTFTアレイ基板10の上に設ける代わりに、例えばTAB(Tape Automated bonding)基板上に実装された駆動用LSIに、TFTアレイ基板10の周辺部に設けられた異方性導電フィルムを介して電気的及び機械的に接続するようにしてもよい。また、対向基板20の投射光が入射する側及びTFTアレイ基板10の出射光が出射する側には各々、例えば、TN(Twisted Nematic)モード、VA(Vertically Aligned)モード、PDLC(Polymer Dispersed Liquid Crystal)モード等の動作モードや、ノーマリーホワイトモード/ノーマリーブラックモードの別に応じて、偏光フィルム、位相差フィルム、偏光板などが所定の方向で配置される。
【0104】
以上説明した実施形態における電気光学装置は、プロジェクタに適用されるため、3枚の電気光学装置がRGB用のライトバルブとして各々用いられ、各ライトバルブには各々RGB色分解用のダイクロイックミラーを介して分解された各色の光が投射光として各々入射されることになる。従って、各実施形態では、対向基板20に、カラーフィルタは設けられていない。しかしながら、画素電極9aに対向する所定領域にRGBのカラーフィルタをその保護膜と共に、対向基板20上に形成してもよい。このようにすれば、プロジェクタ以外の直視型や反射型のカラー電気光学装置について、各実施形態における電気光学装置を適用できる。また、対向基板20上に1画素1個対応するようにマイクロレンズを形成してもよい。あるいは、TFTアレイ基板10上のRGBに対向する画素電極9a下にカラーレジスト等でカラーフィルタ層を形成することも可能である。このようにすれば、入射光の集光効率を向上することで、明るい電気光学装置が実現できる。更にまた、対向基板20上に、何層もの屈折率の相違する干渉層を堆積することで、光の干渉を利用して、RGB色を作り出すダイクロイックフィルタを形成してもよい。このダイクロイックフィルタ付き対向基板によれば、より明るいカラー電気光学装置が実現できる。
【0105】
(電子機器の実施形態)
次に、以上詳細に説明した液晶装置をライトバルブとして用いた電子機器の一例たる投射型カラー表示装置の実施形態について図14及び図15を参照して説明する。
【0106】
先ず、本実施形態の投射型カラー表示装置の回路構成について図14のブロック図を参照して説明する。尚、図14は、投射型カラー表示装置における3枚のライトバルブのうちの1枚に係る回路構成を示したものである。これら3枚のライトバルブは、基本的にどれも同じ構成を持つので、ここでは1枚の回路構成に係る部分について説明を加えるものである。但し厳密には、3枚のライトバルブでは、入力信号が夫々異なり(即ち、R用、G用、B用の信号で夫々駆動され)、更にG用のライトバルブに係る回路構成では、R用及びB用の場合と比べて、画像を反転して表示するように画像信号の順番を各フィールド又はフレーム内で逆転させるか又は水平或いは垂直走査方向を逆転させる点も異なる。
【0107】
図14において、投射型カラー表示装置は、表示情報出力源1000、表示情報処理回路1002、駆動回路1004、液晶装置100、クロック発生回路1008並びに電源回路1010を備えて構成されている。表示情報出力源1000は、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、光ディスク装置などのメモリ、画像信号を同調して出力する同調回路等を含み、クロック発生回路1008からのクロック信号に基づいて、所定フォーマットの画像信号などの表示情報を表示情報処理回路1002に出力する。表示情報処理回路1002は、増幅・極性反転回路、相展開回路、ローテーション回路、ガンマ補正回路、クランプ回路等の周知の各種処理回路を含んで構成されており、クロック信号に基づいて入力された表示情報からデジタル信号を順次生成し、クロック信号CLKと共に駆動回路1004に出力する。駆動回路1004は、液晶装置100を駆動する。電源回路1010は、上述の各回路に所定電源を供給する。尚、液晶装置100を構成するTFTアレイ基板の上に、駆動回路1004を搭載してもよく、これに加えて表示情報処理回路1002を搭載してもよい。
【0108】
次に図15を参照して、本実施形態の投射型カラー表示装置の全体構成、特に光学的な構成について説明する。ここに図15は、投射型カラー表示装置の図式的断面図である。
【0109】
図15において、本実施形態における投射型カラー表示装置の一例たる液晶プロジェクタ1100は、上述した駆動回路1004がTFTアレイ基板上に搭載された液晶装置100を含む液晶モジュールを3個用意し、夫々RGB用のライトバルブ100R、100G及び100Bとして用いたプロジェクタとして構成されている。液晶プロジェクタ1100では、メタルハライドランプ等の白色光源のランプユニット1102から投射光が発せられると、3枚のミラー1106及び2枚のダイクロイックミラー1108によって、RGBの3原色に対応する光成分R、G、Bに分けられ、各色に対応するライトバルブ100R、100G及び100Bに夫々導かれる。この際特にB光は、長い光路による光損失を防ぐために、入射レンズ1122、リレーレンズ1123及び出射レンズ1124からなるリレーレンズ系1121を介して導かれる。そして、ライトバルブ100R、100G及び100Bにより夫々変調された3原色に対応する光成分は、ダイクロイックプリズム1112により再度合成された後、投射レンズ1114を介してスクリーン1120にカラー画像として投射される。
【0110】
本発明は、上述した実施形態に限られるものではなく、請求の範囲及び明細書全体から読み取れる発明の要旨或いは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴なう電気光学装置及び電子機器もまた本発明の技術的範囲に含まれるものである。
【図面の簡単な説明】
【0111】
【図1】 本発明の第1実施形態の電気光学装置における画像表示領域を構成するマトリクス状の複数の画素に設けられた各種素子、配線等の等価回路である。
【図2】 第1実施形態の電気光学装置におけるデータ線、走査線、画素電極等が形成されたTFTアレイ基板の相隣接する複数の画素群の平面図である。
【図3】 図2のA−A’断面図である。
【図4】 第1実施形態における凹部上にある下地絶縁膜及びこの上に配置された半導体層を示す部分拡大斜視図である。
【図5】 第1実施形態における溝及び凹部が形成された基板の上面を示す部分拡大斜視図である。
【図6】 第1実施形態における、上下遮光膜及び基板の凹部を2次元的に示す図式的な擬似断面図である。
【図7】 第2実施形態の電気光学装置におけるデータ線、走査線、画素電極等が形成されたTFTアレイ基板の相隣接する複数の画素群の平面図である。
【図8】 図7のB−B’断面図である。
【図9】 第2実施形態における凹部上にある下地絶縁膜及びこの上に配置された半導体層を示す部分拡大斜視図である。
【図10】 第2実施形態における溝及び凹部が形成された基板の上面を示す部分拡大斜視図である。
【図11】 第2実施形態における、上下遮光膜及び基板の凹部を2次元的に示す図式的な擬似断面図である。
【図12】 実施形態の電気光学装置におけるTFTアレイ基板をその上に形成された各構成要素と共に対向基板の側から見た平面図である。
【図13】 図12のH−H’断面図である。
【図14】 本発明の電子機器の実施形態である投射型カラー表示装置におけるライトバルブに係る回路構成を示したブロック図である。
【図15】 本発明の電子機器の実施形態である投射型カラー表示装置の一例たるカラー液晶プロジェクタを示す図式的断面図である。
【符号の説明】
【0112】
1a…半導体層
1a’…チャネル領域
1b…低濃度ソース領域
1c…低濃度ドレイン領域
1d…高濃度ソース領域
1e…高濃度ドレイン領域
2…絶縁膜
3a…走査線
6a…データ線
9a…画素電極
10…TFTアレイ基板
10cv…溝
11a…下側遮光膜
12…下地絶縁膜
16…配向膜
20…対向基板
21…対向電極
22…配向膜
30…TFT
50…液晶層
70…蓄積容量
71…中継層
75…誘電体膜
81、83、85…コンタクトホール
300…容量線
401、402…凹部
Claims (9)
- 基板と、
前記基板上にマトリクス状に配置された画素電極と、
前記画素電極の縦横の境界に各々沿って配置された走査線及びデータ線と、
平面的に見て前記走査線または前記データ線と重なる領域内に配置され、前記画素電極をスイッチング制御する薄膜トランジスタと、
前記画素電極に接続された蓄積容量と、
前記薄膜トランジスタ及び前記走査線の上側に配置されており前記薄膜トランジスタの少なくともチャネル領域及び前記走査線を上側から覆う上側遮光膜と、
前記薄膜トランジスタの下側に配置されており前記薄膜トランジスタの少なくとも前記チャネル領域を下側から覆う下側遮光膜と
を備えており、
前記蓄積容量は、容量線と、誘電体を介して前記容量線と対向して配置された容量電極とを有し、
前記上側遮光膜は、平面視で前記走査線と重なる領域の一部において、少なくとも部分的に前記蓄積容量の容量線或いは容量電極の一部を構成し、
少なくとも前記薄膜トランジスタを構成する半導体層に含まれるソース領域、ドレイン領域及び前記チャネル領域は、平面的に見て、前記走査線と重なる領域内または前記データ線と重なる領域内に配置され、
少なくとも前記チャネル領域は、平面的に見て前記走査線と前記データ線とが交差する領域と重なる位置に配置され、
前記基板には、前記走査線及び前記データ線に対向する領域に第1溝が掘られており、
前記基板には更に、前記第1溝内における前記チャネル領域に対向する領域に第2溝が掘られており、
前記下側遮光膜は、少なくとも前記第2溝の側壁及び前記第2溝の底面に形成されていることを特徴とする電気光学装置。 - 前記第2溝の側壁には、テーパが付けられていることを特徴とする請求項1に記載の電気光学装置。
- 前記下側遮光膜の平面形状は、前記上側遮光膜の平面形状より一回り小さいことを特徴とする請求項1又は2に記載の電気光学装置。
- 前記走査線は導光膜からなり、
前記第2溝は、前記チャネル領域に対向する領域に加えて前記走査線に対向する領域にも掘られていることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の電気光学装置。 - 前記走査線は、前記薄膜トランジスタのゲート電極を含むと共に該ゲート電極の部分で幅広に形成されており、
前記第2溝は、前記チャネル領域に対向する領域に加えて前記走査線に対向する領域にも掘られていることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の電気光学装置。 - 前記第2溝は、前記チャネル領域に加えて、前記半導体層における前記チャネル領域に隣接する領域に対向する領域にも掘られていることを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の電気光学装置。
- 前記下側遮光膜は、高融点金属を含む膜からなることを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載の電気光学装置。
- 前記基板に対して電気光学物質を介して対向配置された対向基板を更に備えており、前記上側遮光膜に代えて又は加えて、前記対向基板上に、少なくとも前記チャネル領域を上方から覆う他の遮光膜を備えることを特徴とする請求項1から7のいずれか一項に記載の電気光学装置。
- 請求項1から9のいずれか一項に記載の電気光学装置からなるライトバルブと、
該ライトバルブに投射光を照射する光源と、
前記ライトバルブから出射される投射光を投射する光学系と
を備えたことを特徴とする投射型表示装置。
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