JP3981884B2 - 電力系統保護制御装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電力系統設備の保護継電ユニットおよび監視制御ユニットを備えた電力系統保護制御装置に係り、特に信頼性と小型化とを両立する手段に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、電力系統の変圧器,母線,送電線などに事故や異常状態が発生した時に被害を軽減しその波及を最小限にする保護継電装置と、電圧や無効電力を制御し電力を配分する開閉装置などの機器を監視制御する監視制御装置とは、独立した装置であった。
【0003】
このように独立した構成では、コスト高になるばかりでなく、狭い現場に設置することが困難である場合があるとして、保護継電手段と監視制御手段とをユニット化し、保護継電手段および監視制御手段のヒューマンインターフェイスおよびネットワークインターフェイスを共通として小型化した電力系統保護制御装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】
【0005】
特開平2002−152972号公報(第4〜5頁、図1)
【発明が解決しようとする課題】
上記従来の保護継電装置および制御装置は、各々独立していたので、広い設置スペースが必要となり、コストも高かった。
【0006】
一方、特許文献1のように、小型化のために、保護継電手段および監視制御手段のヒューマンインターフェイスおよびネットワークインターフェイスを共通化した場合は、インターフェイスが故障すると、保護系統も制御系統もともにダウンしてしまい、信頼性が低下する。
【0007】
また、保護継電手段および監視制御手段のどちらかが故障した場合、他に影響しない構成とするには、別の対策を種々追加する必要があった。
【0008】
本発明の目的は、保護継電手段および監視制御手段の独立性と全体の信頼性とを確保しながら小型化した電力系統保護制御装置を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記目的を達成するために、送電線,母線,機器,配電線などの電力系統を保護する保護継電装置と電圧や無効電力を制御し電力を配分する開閉装置などの機器を監視制御する監視制御装置とを備えた電力系統保護制御装置において、前記保護継電装置が、保護継電ユニットインターフェイスと専用電源から給電される保護継電手段とからなる保護継電ユニットとして構成され、前記監視制御装置が、監視制御ユニットインターフェイスと専用電源から給電される監視制御手段とからなる監視制御ユニットとして構成され、保護継電ユニットと監視制御ユニットとが、電力系統保護制御装置内に一体化して実装され、絶縁されたインターフェイスにより直接接続され、保護継電ユニットおよび監視制御ユニットにそれぞれ対応する表示器とスイッチ類などの操作手段とが、電力系統保護制御装置のパネル面で保護系統と制御系統とに分けそれぞれまとめて配置されている電力系統保護制御装置を提案する。
【0010】
保護継電ユニットと監視制御ユニットとは、上下に積み重ねるか、前後に配置するか、左右に配置する。
【0011】
いずれの電力系統保護制御装置においても、ネットワークを介して保護継電ユニットおよび監視制御ユニットのインターフェイスに接続され、電力系統設備の情報を管理するローカルPCを備えることができる。
【0012】
また、外部からネットワークを介して保護継電ユニットおよび監視制御ユニットのインターフェイスに接続され、電力系統設備の情報を管理するリモートPCを電力系統の制御所に備えることも可能である。
【0013】
本発明においては、保護継電装置が、保護継電ユニットインターフェイスと専用電源から給電される保護継電手段とからなる保護継電ユニットとして構成され、監視制御装置が、監視制御ユニットインターフェイスと専用電源から給電される監視制御手段とからなる監視制御ユニットとして構成されているので、一体化して実装しても、保護継電装置と監視制御装置とは独立しており、どちらかのユニットの故障は、他方のユニットには影響しない。
【0014】
従来は独立していた保護継電ユニットと監視制御ユニットとを一体化して実装した結果、設置スペースを大幅に縮小でき、コストダウンも可能となった。
【0015】
また、保護継電ユニットと監視制御ユニットとを完全に独立構成としているため、単一部品の故障による保護継電ユニットと監視制御ユニットとの同時停止を防止できる。
【0016】
より具体的には、基板型入力変換器を使用して、実装スペースを削減した。小型電源を用いた結果、ラック内に納まる大きさとなった。CPU基板を高速化したので、基板枚数をへらしても、単位時間あたりの処理量が増加した。保護継電ユニットの前面ケース板を可動扉とし、扉裏面に補助継電器を配置し、実装効率を高めた。
【0017】
【発明の実施の形態】
次に、図1〜図8を参照して、本発明による電力系統保護制御装置の実施形態を説明する。
【0018】
図1は、本発明による電力系統保護制御装置を備えた電力系統保護制御システムの全体構成を示す図である。
【0019】
本発明によるディジタル保護制御装置111は、変電所121に設置されている。ローカルPC114は、ディジタル保護制御装置111内の保護継電ユニットおよび監視制御ユニットの情報を管理している。ディジタル保護制御装置111内のこれらの情報は、例えばTCP/IPプロトコル123で送信/受信され、ルータ124,モデム125,光ケーブルなどを介して、制御所122に配置されているリモートPC120からも確認できる。
【0020】
【実施形態1】
図2は、電力系統保護制御装置111の内部構成を示すブロック図である。電力系統保護制御装置111は、保護継電ユニット112と監視制御ユニット113とを含んでいる。
【0021】
ローカルPC114は、例えば汎用ブラウザを備えたPCであり、ネットワーク115を介して、保護継電ユニット112および監視制御ユニット113からデータを取得する。ローカルPC114は、電力系統および電力系統の構成要素である機器の保護と、制御情報の表示,分析,評価,操作などの制御とを実行し、電力系統を管理している。
【0022】
保護継電ユニット112および監視制御ユニット113は、それぞれ独立しており、ここでは図示しない各電源および保護継電ユニットインターフェイス116,保護継電手段117,監視制御ユニットインターフェイス118,監視制御手段119を含めて、入力から出力まで完全に分離して構成されている。したがって、監視制御ユニットに故障が発生しても、保護継電ユニットに影響を及ぼすことはない。逆に、保護継電ユニットに故障が発生しても、監視制御ユニットに影響を及ぼすことはない。
【0023】
また、監視制御ユニット113のインターフェイス118に問題が生じて、ローカルPC114において監視制御ユニット側の管理が不可能になっても、保護継電ユニット112のインターフェイス116は別に設置されており、電力系統の保護継電ユニットの管理が同時に不可能になることはない。
【0024】
逆に、保護継電ユニット112のインターフェイス116に問題が生じて、ローカルPC114において保護継電ユニット側の管理が不可能になっても、監視制御ユニット113のインターフェイス118は別に設置されており、電力系統の監視制御ユニットの制御が同時に不可能になることはない。
【0025】
このように、本発明においては、保護継電ユニットと監視制御ユニットとが、見かけ上は、電力系統保護制御装置内に一体化して実装されているが、内部では、一方のユニットの故障が他方のユニットに影響しないように、電源およびインターフェイス部を含めて、各々独立した構成となっている。
【0026】
図3は、保護継電ユニット112の上に監視制御ユニット113を配置する2段積み構成を示す斜視図である。この構成では、保護継電ユニット112が下段に配置されているので、保護継電ユニット112の点検やメンテナンスがしやすく、保護継電ユニット112のインターフェイス116の操作が容易である。
【0027】
【実施形態2】
図4は、監視制御ユニット113の上に保護継電ユニット112を配置する2段積み構成を示す斜視図である。この構成では、監視制御ユニット113が下段に配置されているので、監視制御ユニット113の点検やメンテナンスがしやすく、監視制御ユニット113のインターフェイス118の操作が容易である。
【0028】
【実施形態3】
図5は、監視制御ユニット113を前面に配置し、保護継電ユニット112を背面に配置した構成を示す斜視図である。
【0029】
監視制御ユニット113内の制御装置や保護継電ユニット112内の保護継電装置の点検やメンテナンスは、通常、各装置の裏面を開けて実施する。配線が多いユニットは装置の前面に配置し、点検やメンテナンス回数が多いユニットは装置の背面に配置すると利点が多い。
【0030】
本実施形態3は、監視制御ユニット113の配線が多く、保護継電ユニット112の点検やメンテナンスの回数が多く必要な場合に有利である。
【0031】
【実施形態4】
図6は、保護継電ユニット112を前面に配置し、監視制御ユニット113を背面に配置した構成を示す斜視図である。
【0032】
本実施形態4は、保護継電ユニット112の配線が多く、監視制御ユニット113の点検やメンテナンスの回数が多く必要な場合に有利である。
【0033】
【実施形態5】
図7は、正面から見て、監視制御ユニット113を左に配置し、保護継電ユニット112を右に配置した構成を示す斜視図である。
【0034】
本実施形態5は、監視制御ユニット113と保護継電ユニット112の両方とも点検やメンテナンスを必要とし、また、インターフェイスの操作を要する場合に有利である。
【0035】
【実施形態6】
図8は、正面から見て、保護継電ユニット112を左に配置し、監視制御ユニット113を右に配置した構成を示す斜視図である。
【0036】
本実施形態6は、保護継電ユニット112と監視制御ユニット113の両方とも点検やメンテナンスを必要とし、また、インターフェイスの操作を要する場合に有利である。
【0037】
なお、実施形態1〜6の保護継電ユニット112と監視制御ユニット113とは、絶縁されたインターフェイスにより、電力系統保護制御装置の内部で、直接接続されている。
【0038】
また、実施形態1〜6の保護継電ユニット112および監視制御ユニット113にそれぞれ対応する表示器とスイッチ類などの操作手段とは、図3〜図8の下側に示すように、誤操作を防止するために、保護系統と制御系統とに分け、例えば左右にそれぞれまとめて配置する。
【0039】
【発明の効果】
本発明によれば、従来は独立していた保護継電ユニットと監視制御ユニットとを一体化した装置として実装し、設置スペースを大幅に縮小でき、コストダウンも可能となる電力系統保護制御装置が得られる。
【0040】
一方、電力系統保護制御装置の内部では、保護継電ユニットと監視制御ユニットとを完全に独立した構成としているので、単一部品の故障による保護継電ユニットと監視制御ユニットとの同時機能停止を防止でき、信頼性が高まる。
【0041】
さらに、保護/制御対象の構成や保護/制御目的に応じて、種々のユニット配置の中から最適なユニット配置を選択できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による電力系統保護制御装置を備えた電力系統保護制御システムの全体構成を示す図である。
【図2】電力系統保護制御装置111の内部構成を示すブロック図である。
【図3】保護継電ユニット112の上に監視制御ユニット113を配置する2段積み構成を示す斜視図である。
【図4】監視制御ユニット113の上に保護継電ユニット112を配置する2段積み構成を示す斜視図である。
【図5】監視制御ユニット113を前面に配置し、保護継電ユニット112を背面に配置した構成を示す斜視図である。
【図6】保護継電ユニット112を前面に配置し、監視制御ユニット113を背面に配置した構成を示す斜視図である。
【図7】正面から見て、監視制御ユニット113を左に配置し、保護継電ユニット112を右に配置した構成を示す斜視図である。
【図8】正面から見て、保護継電ユニット112を左に配置し、監視制御ユニット113を右に配置した構成を示す斜視図である。
【符号の説明】
111 電力系統保護制御装置
112 保護継電ユニット
113 監視制御ユニット
114 汎用ブラウザを備えたローカルPC
115 ネットワーク
116 保護継電ユニットインターフェイス
117 保護継電手段
118 監視制御ユニットインターフェイス
119 監視制御手段
120 リモートPC
121 変電所
122 制御所
123 TCP/IP
124 ルータ
125 モデム

Claims (6)

  1. 送電線,母線,機器,配電線などの電力系統を保護する保護継電装置と電圧や無効電力を制御し電力を配分する開閉装置などの機器を監視制御する監視制御装置とを備えた電力系統保護制御装置において、
    前記保護継電装置が、保護継電ユニットインターフェイスと専用電源から給電される保護継電手段とからなる保護継電ユニットとして構成され、
    前記監視制御装置が、監視制御ユニットインターフェイスと専用電源から給電される監視制御手段とからなる監視制御ユニットとして構成され、
    前記保護継電ユニットと前記監視制御ユニットとが、前記電力系統保護制御装置内に一体化して実装され、絶縁されたインターフェイスにより直接接続され、
    前記保護継電ユニットおよび前記監視制御ユニットにそれぞれ対応する表示器とスイッチ類などの操作手段とが、前記電力系統保護制御装置のパネル面で保護系統と制御系統とに分けそれぞれまとめて配置されていることを特徴とする電力系統保護制御装置。
  2. 請求項1に記載の電力系統保護制御装置において、
    前記保護継電ユニットと前記監視制御ユニットとが、上下に積み重ねられていることを特徴とする電力系統保護制御装置。
  3. 請求項1に記載の電力系統保護制御装置において、
    前記保護継電ユニットと前記監視制御ユニットとが、前後に配置されていることを特徴とする電力系統保護制御装置。
  4. 請求項1に記載の電力系統保護制御装置において、
    前記保護継電ユニットと前記監視制御ユニットとが、左右に配置されていることを特徴とする電力系統保護制御装置。
  5. 請求項1ないし4のいずれか一項に記載の電力系統保護制御装置において、
    前記ネットワークを介して前記保護継電ユニットおよび前記監視制御ユニットのインターフェイスに接続され、電力系統設備の情報を管理するローカルPCを備えたことを特徴とする電力系統保護制御装置。
  6. 請求項1ないし5のいずれか一項に記載の電力系統保護制御装置において、
    外部から前記ネットワークを介して前記保護継電ユニットおよび前記監視制御ユニットのインターフェイスに接続され、電力系統設備の情報を管理するリモートPCを電力系統の制御所に備えたことを特徴とする電力系統保護制御装置。
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