JP3981874B2 - 薬液処理方法および薬液処理装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、薬液処理方法に関するものであって、あらゆる金属膜や有機膜等の被薬液処理層を有した基板のエッチングや現像、表面処理等の薬液処理の加工プロセスをもつ、半導体製造や 液晶基板製造およびプリント配線板製造などの分野に適用する。
【0002】
【従来の技術】
プリント配線板や半導体、液晶分野において配線層間に形成される金属配線層は、近年対象製品の小型軽量化に伴い、配線密度の高密度化が進んできている。従来、エッチングや現像、表面処理等の薬液処理方法は均一な処理を行うためにスプレ噴霧時の圧力または浸漬時の噴流量と薬液温度、液組成などを制御しスプレ時間によって薬液処理量を調整するなどの検討が行われている。本発明の分野における従来技術は例えば、以下のようなものが挙げられる。
特開平3−26056号公報には、基板を水平搬送しながらエッチング液を基板にスプレし、基板上の導体層をエッチングし、回路を形成する方法において、基板進行方向に対し、複数のノズルを取り付けたシャワー管を平行になるように複数列配置し、個々のシャワー管の圧力を任意に調整できるバルブを取り付ける方法が提案されている。
特許第3082359号公報には、スプレでプリント配線板などの材料にエッチング液を噴射すると共に、空気などのガス体を気体噴出用スリットから噴射し、エッチング液に強制的流動を起こし、プリント配線板中央部分におけるエッチング液の滞留を解消しつつ、エッチングする方法が提案されている。
【0003】
特開平5−226810号公報には、スプレでプリント配線板などの材料にエッチング液を噴射する噴射時期を順次周期的に変化させ、エッチング液が噴射しない位置のプリント配線板表面にエッチング液の滞留を順次移動させていくことにより、エッチング液に強制的流動を起こし、確実にエッチング液をプリント配線板表面から移動させてエッチングする方法が提案されている。
特許第3079027号公報には、スプレされるエッチング液中に研磨材をいれることによりエッチングの堀り進む物理的な垂直成分の力を強化して、エッチング液の微細間隙浸入性を高める方法が提案されている。
特開平3−72088号公報には、エッチングマスク上から被エッチング層をエッチングする際、エッチング液のスプレ噴霧と気体の吹付けを交互に行いエッチングする方法が提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、基板面内の製品面付け数の増加による基板サイズの大型化、また、特にエッチングにおいて、形成される配線パターンの微細化により、スプレ時間やスプレ噴霧の圧力調整などの制御では、均一な薬液処理条件の設定が困難になってきている。これは、基板面内で薬液の当り方が不均一であることと、特にエッチングにおいてエッチング処理されるエッチングレジストマスクの微細間隙への液浸入性のばらつきの2要因が考えられ、ともに歩留に大きく影響する。前者は、薬液スプレ噴霧時に発生する。基板面内の薬液処理ばらつきは基板中央部と基板外周部では薬液の当り方が不均一になり、特に水平搬送の上面では中央部と外周部の格差として現れ、外周部は配線が細り易くなる。後者はプリント配線基板のエッチングを例に取った場合、基板面内局部での配線パターンはビアランド間に複数本の配線を配置する高密度部分やビアランド間に配線が1本のみの場合など、配線の引き回しの都合上、基板の一部分に集中して高密度配線が配置されるような場合がこれである。この場合、基板上には高密度部分と疎の部分の両方が混在することになり、結果、高密度部分では配線が太る傾向、疎の部分では細る傾向があり、その格差が大きくなるため最適エッチング量の調整が難しくなる。
【0005】
このように均一な薬液処理を阻害する要因について、先ず第1の課題は、基板面上での薬液の不均一な当り方への対応である。被薬液処理基板を水平搬送した場合には、水平搬送上面において薬液のスプレによる液溜まりが面内で発生し、薬液処理量のばらつきが発生する。この被薬液処理基板の中心部と基板外周部での薬液処理ばらつきを低減するために、種々の方法が提案されている。例えば特開平3−26056号公報には、基板を水平搬送しながらエッチング液を基板にスプレし、基板上の導体層をエッチングし、回路を形成する方法において、基板進行方向に対し、複数のノズルを取り付けたシャワー管を平行になるように複数列配置し、個々のシャワー管の圧力を任意に調整できるバルブを取り付けている。そこで、エッチング液を基板にスプレする際に基板中央部と基板投入方向に対して垂直方向の基板両端部に対し、エッチング液のノズルからの吐出圧力を、中心部が基板両端部より高くなるように設定する方法を提示している。この方法では基板水平搬送時の上面の中心部分に発生するエッチング液溜まりを基板の中心部と基板投入方向に対して垂直の方向の基板両端部との間でスプレ流量に格差をつけることによって強制的に、中心部から基板進行方向に対して垂直方向の基板両端部にエッチング液の流れを作り、液溜まりをなくそうとする方法が開示されている。しかしながら、この方法ではエッチング液の液溜まりを低減されるものの、基板投入方向に対して垂直方向である基板両端部での液流速が基板中心部より早くなるため、基板両端部でのエッチング量が中心部より多くなり、結果的に基板中心部と基板端部でのエッチング面内ばらつきの解消ができない欠点を有している。
【0006】
また、特許第3082359号公報に記載されたように、スプレでプリント配線板などの材料にエッチング液を噴射すると共に、空気などのガス体を気体噴出用スリットから噴射し、エッチング液に強制的流動を起こし、プリント配線板中央部分におけるエッチング液の滞留を解消しつつ、エッチングする方法も提案されているが、スリットでのガス体噴射の方法では、プリント配線板上における劣化したエッチング液の滞留は表面より除去されるものの、エッチング液がガス体の噴射方向にのみ流れるためにこの方向に平行な配線が過剰にエッチングされ、不均一なエッチングが生じることになる。さらに、特開平5−226810号公報に記載されたように、スプレでプリント配線板などの材料にエッチング液を噴射する噴射時期を順次周期的に変化させ、エッチング液が噴射しない位置のプリント配線板表面にエッチング液の滞留を順次移動させていくことにより、エッチング液に強制的流動を起こし、確実にエッチング液をプリント配線板表面から移動させてエッチングする方法も提案されているが、やはりエッチング液が噴射時期を順次周期的に変化させていくスプレの方向にのみ流れるためにこの方向に平行な配線が過剰にエッチングされ、またスプレを間欠的に噴射するためエッチングブースが必要以上に冗長になるなどプリント配線板の導体パターン精度の維持および生産性に影響を及ぼすという問題点を有している。
【0007】
次に第2の課題は、エッチング液を微細配線の間隙にいかに浸入させるか、である。エッチング液のスプレ噴霧状態では、液はエッチングマスク表面に接触した後、液膜を形成する。この結果物理的に吐出圧力を高めてもエッチング初期のエッチング液の微細配線間隙への浸入性が不足し、エッチング液が充分にマスク間隙内に拡散せず、エッチング量が大きく低下する現象が発生する。微細配線の間隙にエッチング液を浸入させるには、微粒子化した液を高インパクトで叩きつけることが有効である。しかし、従来の装置では、高インパクトにするために噴射圧力や吐出流量を大きくしても液溜まりが拡大するだけで効果がなく、ノズルと基板間の距離を狭くすると、スプレエリアが小さくなるため、ノズルの数を増やす必要があり、装置の構造が複雑になるばかりか、逆に液溜まりからの液抜けを低下させてしまう。そこで、対策としては、エッチング液の浸入性によるばらつきが、比較的エッチングマスクの加工精度の悪い状態、すなわち感光性樹脂をマスクにした場合には紫外線照射光の精度が悪い場合などマスク間隙部の形状が逆テーパ状になる場合に顕著に発生する傾向があるので、エッチングマスクの加工精度を改善するために紫外線照射光の平行度とマスクの精度を改善するなどで、エッチングマスクの加工精度を向上させ液の液浸入性を確保するのが主流であった。しかしながら、エッチングマスクを形成するためのマスク精度や紫外線照射光の精度を向上させた場合、露光装置やマスクに高額な投資が必要となるほか、工程の管理が非常に高度になる問題点がある。
【0008】
このような問題点に対応するため、被エッチング層の微細配線間隙部へのエッチング液浸入性を高め、微細間隙へのエッチング量を均一化するために、種々の方法が提案されている。例えば、特許第3079027号公報に記載されたエッチング方法では、スプレされるエッチング液中に研磨材をいれることによりエッチングの堀り進む物理的な垂直成分の力を強化して、エッチング液の微細間隙浸入性を高める方法が提案されている。この方法では微細配線間隙に対してエッチング液の浸入拡散が可能である反面、液中に研磨材を入れることによる液の劣化とエッチング液ポンプなどの設備寿命に大きな欠点を有する他、エッチングマスクとなる有機系樹脂膜などにも衝撃が大きく、エッチング時にマスクが損傷し、欠陥となる可能性が大きい。また研磨材をスプレ吐出させるポンプ設備にも大規模な改造が必要になる。
【0009】
特開平3−72088号公報に記載された方法では、エッチングマスク上から被エッチング層をエッチングする際、エッチング液のスプレ噴霧と気体の吹付けを交互に行いエッチングする方法がとられている。エッチング液が、これにより微細配線間隙上で液膜を形成するのを防ぎ、エッチング液を効率よく間隙に対し侵入させる方法が提案されている。
この方法では、エッチング液噴霧後に気体を吹付けるため著しくエッチング速度が低下して生産性が劣るほか、エッチング液によっては吹付けられる気体と反応してエッチング液の劣化を及ぼすなどの不具合が生じる。
【0010】
本発明は被薬液処理層を有した基板の薬液処理の生産性を低下させることなく、特にエッチングでの微細配線の形成において高精度なエッチングマスク形成設備を使用せずに、薬液処理状態を均一にし、高精度の半導体や液晶基板およびプリント配線板を歩留りよく生産することを目的とするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
一般に、スプレインパクトとスプレ時の吐出圧力及びスプレインパクトとスプレノズルと基板間の距離の関係は下記のような関係があることから、薬液処理状態を均一に制御するためのパラメータとして、スプレ時の吐出圧力、スプレノズルと基板間の距離を選択した。さらに基板表面での液溜まりを防ぐために、スプレインパクトを制御する具体的パラメータとして吐出流量、ノズルから吐出する液滴の平均粒径(VMD)及びスプレノズルの傾斜角度を制御した。
(スプレインパクト)∝(√スプレ時の吐出圧力)、
(スプレインパクト)∝1/(スプレノズルと基板間の距離)2
即ち、本発明の被薬液処理層を有した基板の薬液処理方法は、基板搬送面の垂直方向より薬液を噴射するノズルを備えた複数のシャワー管を有し、前記シャワー管を基板搬送面と平行に取り付けた2個以上の支持体が前記シャワー管を前記基板搬送面との平行状態を維持したまま2個を組としてそれぞれ逆方向に回転運動し、ノズルから薬液を噴射する方法であって、ノズルから吐出する液滴の平均粒径(VMD)が0.2mm〜1.6mmかつ、ノズルからの吐出圧力が0.1〜0.5MPaかつ、ノズルと被薬液処理層を有した基板との距離を5〜80mmに調整することで、特にレジストマスクを介した薬液処理において、微細なレジストマスクの間隙への薬液浸入性を改善し、基板面内の薬液処理状態を均一化させる薬液処理方法および薬液処理装置を提案するものである。
【0012】
即ち本発明は、以下のことを特徴とする。
(1)被薬液処理層を有した基板を搬送し、薬液のシャワーによる前記基板の薬液処理において、前記基板の垂直方向より薬液を噴射するノズルを備えた複数のシャワー管を有し、前記シャワー管を基板搬送面と平行に取り付けた2個以上の支持体が前記シャワー管を前記基板搬送面との平行状態を維持したまま2個を組としてそれぞれ逆方向に回転運動し、ノズルから薬液を噴射する方法であって、ノズルから吐出する液滴の平均粒径(VMD)を0.2〜1.6mmかつ、ノズルからの吐出圧力を0.1〜0.5MPaかつ、ノズルと被薬液処理層を有した基板との距離を5〜80mmにすることを特徴とした薬液処理方法。
(2)(1)に記載の薬液処理方法であって、前記支持体に取り付けられた複数のシャワー管に設けられたノズルの配列が、回転方向に沿って回転半径が小さくなるように配置してあることを特徴とする薬液処理方法。
(3)(1)に記載の薬液処理方法であって、回転半径の大きいノズルの吐出流量が回転半径の小さいノズルの吐出流量より大きいことを特徴とする薬液処理方法。
(4)(1)に記載の薬液処理方法であって、前記ノズルにおいて、薬液の噴射する角度を基板搬送面の垂線に対して回転の進行方向に0〜60°傾けることを特徴とする薬液処理方法。
(5)(1)乃至(4)のいずれかに記載の薬液処理方法に用いられる薬液処理装置。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の態様について、図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の一実施例における薬液処理方法および薬液処理装置を実現するエッチング液処理方法の概念を示すものである。図1において、1はスプレノズル、2はシャワー管、3は支持体、4は被エッチング基板、5は回転体ユニットである。
【0014】
まず、被エッチング基板にスクリーン印刷法や写真・現像法などによりエッチングレジストを形成する。次に、図1に示すようにエッチングブース(図示せず)内の搬送ローラー(図示せず)により被エッチング基板4を所定の速度で搬送する。被エッチング基板4の垂直方向よりエッチング液を噴射するスプレノズル1を備えた複数のシャワー管2が支持体3から放射状に取り付けられている。また、前記シャワー管2は被エッチング基板4の搬送面と平行に取り付けられており、回転体ユニット5が前記シャワー管2を被エッチング基板4搬送面との平行状態を維持したまま支持体3を中心に回転運動する。
被エッチング基板4の上下面に塩化第2鉄を主成分とするエッチング液をスプレノズル1から噴射し、エッチングを開始する。この際、上下の回転体ユニット5はそれぞれ逆回転し、また、搬送方向奥側の回転体ユニットも手前側と逆方向に回転している。その時の回転体ユニット5の回転数は10〜40回転/分である。回転体ユニット5へ供給されるエッチング液は、圧力調整バルブの開閉によりノズルからの吐出圧力を0.1〜0.5MPaに調整する。0.1MPa未満では、スプレ液のインパクトが弱く、0.5MPaを超えると、スプレ液による基板へのダメージが大きくなる。より好ましくは0.1〜0.4MPaであり、更に好ましくは0.2〜0.4MPaであり、更に一層好ましくは0.2〜0.3MPaである。また、ノズル1から吐出する液滴の平均粒径(VMD)は0.2〜1.6mmに設定する。0.2mm未満では、薬液の処理スピードが低下し、生産性が悪くなる。1.6mm以上では、レジスト上に液溜まりが起きてしまい、微細なレジストマスクの間隙への薬液浸入性が悪くなるばかりでなく、スプレ液のインパクトを阻害してしまう。
【0015】
ノズルから吐出する液滴の平均粒径(VMD)とは、ノズルから吐出されるスプレ液のボリュームミーディアン径を表し、スプレ液の体積(質量)で粒子径を表示したものである。スプレされた全体積の50%が平均値より大きな粒子からなり、残りの50%が小さな径の粒子からなることを意味する。実際には、スプレ液滴の粒度分布を測定することによって、スプレ液全体積の50vol%にあたる粒子径を求めることができる。0.2〜1.2mmがより好ましく、0.2〜1.0mmが更に好ましく、0.2〜0.8mmが更に一層好ましい。
被エッチング基板4とノズル1との距離は、5〜80mmに設定する。5mm未満では、スプレ液が十分に広がらず、80mmを超えると、スプレ液のインパクトが低下する。より好ましくは、10〜80mmであり、更に好ましくは、20〜80mmである。
また、スプレ液の吐出流量は、回転半径の大きいノズルの吐出流量が回転半径の小さいノズルの吐出流量より大きい方が基板中央部での液溜まりが起きにくくなるのでよい。
【0016】
回転体ユニット中心部と外周部における吐出流量の差は0.5L/min〜5L/min程度が好ましく、このうち回転半径の小さいノズルでは、0.5L/min〜2L/min程度が好ましく、回転半径の大きいノズルでは、2.1L/min〜5L/min程度が好ましい。
また、スプレノズルがエッチング液を噴射する角度を基板搬送面の垂線に対して回転の進行方向に0〜60°傾けることにより、エッチング液が基板上から流出することを容易にする。回転の進行方向とは逆向きに傾けると、スプレ液のインパクトを弱めることになり、基板上に液溜まりが出来るだけでなく、エッチング速度の低下、エッチングむらが出来るなど生産性の低下につながる。また、60°を超えた場合も同様に、スプレ液のインパクトの低下や液溜まりの発生、エッチング速度の低下につながり、生産性が低下する。
【0017】
【実施例】
以下、本発明の実施例について図面を参照しながら説明する。図1において、被エッチング基板4上に回転体ユニットから噴射したエッチング液は、図2に示されるような回転方向に沿って回転半径が小さくなるように配列されたノズルからの噴射により被エッチング基板4上に滞留することなく外周方向へ強制的に流出される。また、回転体ユニットのノズルは図3に示されるように外側の吐出流量が中心側の吐出流量より大きくなっており、被エッチング基板4内に均一にスプレできる。さらに、図4に示されるように回転体ユニットの回転方向を搬送方向手前側と奥側で変えることで、被エッチング基板4の搬送方向に対する左右で、エッチング液が強制的に流出する方向が異なることの影響を少なくすることができる。これらにより被エッチング基板4上のエッチング液は滞留することがなく、スプレも被エッチング基板4各部に均一に噴射できるため、基板内で均一なエッチングの効果が得られることが可能となる。また、吐出圧力を一般的なエッチング装置より高い0.2〜0.3MPaに、ノズルから吐出する液滴の平均粒径(VMD)も一般的なエッチング装置より小さい500μmに、被エッチング基板4とノズル1との距離も一般的なエッチング装置より近い80mmに設定することで、微細なレジスト間隙に微細な粒径のエッチング液を高いインパクトで噴射することが可能となり、微細導体パターンのエッチング性を向上させることができる。
【0018】
従来のエッチング方法でのエッチング後の導体パターン幅のばらつきは、ライン幅30μmにおいてプリント配線板上下面および中央部分と周辺部分で±10μmあったが、本実施例によるエッチング方法によれば、ばらつきを±3μmと著しく向上でき、微細導体パターンのエッチング精度の点で優れた効果が得られた。また、エッチングレジストを用いずに銅箔厚70μmの銅張積層板の銅箔厚を20μmまでエッチングした例においては、図5に示されるようにスプレノズルがエッチング液を噴射する角度を基板搬送面の垂線に対して回転の進行方向に40°傾けることにより、さらにエッチング液が基板上から流出することを容易にし、従来のエッチング方法でのエッチング後の銅箔厚のばらつきは、基板上下面および中央部分と周辺部分において±12μmであったが、本実施例によるエッチング方法によれば、ばらつきを±4μmと大きく低減でき、均一な薬液処理が可能であることが確認できた。
【0019】
なお、本発明の実施例において基板はプリント配線板としたが、液晶基板や半導体基板等であってもよく、同様に薬液処理はエッチング処理としたが現像処理や表面処理等としてもよい。
【0020】
【発明の効果】
以上のように本発明の方法及び薬液処理装置によって、特にレジストマスクを介した薬液処理において、微細なレジストマスクの間隙への薬液浸入性を改善し、基板面内の薬液処理状態を均一化させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施例におけるプリント配線板のエッチング方法の概念図
【図2】 本発明の実施例におけるスプレノズルの配置(基板搬送面から見た図)
【図3】 本発明の実施例におけるスプレノズルの配置と吐出流量の関係(基板搬送面から見た図)
【図4】 本発明の実施例における回転体ユニットの回転方向と基板上での液排出方向の関係(基板搬送面から見た図)
【図5】 本発明の実施例におけるスプレノズルの薬液噴射方向
【符号の説明】
1…スプレノズル
2…シャワー管
3…支持体
4…被エッチング基板
5…回転体ユニット
Claims (5)
- 被薬液処理層を有した基板を搬送し、薬液のシャワーによる前記基板の薬液処理において、前記基板の垂直方向より薬液を噴射するノズルを備えた複数のシャワー管を有し、前記シャワー管を基板搬送面と平行に取り付けた2個以上の支持体が前記シャワー管を前記基板搬送面との平行状態を維持したまま2個を組としてそれぞれ逆方向に回転運動し、ノズルから薬液を噴射する方法であって、ノズルから吐出する液滴の平均粒径(VMD)を0.2mm〜1.6mmかつ、ノズルからの吐出圧力を0.1〜0.5MPaかつ、ノズルと被薬液処理層を有した基板との距離を5〜80mmにすることを特徴とした薬液処理方法。
- 請求項1に記載の薬液処理方法であって、前記支持体に取り付けられた複数のシャワー管に設けられたノズルの配列が、回転方向に沿って回転半径が小さくなるように配置してあることを特徴とする薬液処理方法。
- 請求項1に記載の薬液処理方法であって、回転半径の大きいノズルの吐出流量が回転半径の小さいノズルの吐出流量より大きいことを特徴とする薬液処理方法。
- 請求項1に記載の薬液処理方法であって、前記ノズルにおいて、薬液の噴射する角度を基板搬送面の垂線に対して回転の進行方向に0〜60°傾けることを特徴とする薬液処理方法。
- 請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の薬液処理方法に用いられる薬液処理装置。
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