JP3981621B2 - ハイブリッド車のモータ過回転防止制御装置 - Google Patents

ハイブリッド車のモータ過回転防止制御装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、主動力源(例えば、エンジン)と2つのモータ(例えば、モータジェネレータ)を持つハイブリッド車のモータ過回転防止制御装置の技術分野に属する。
【0002】
【従来の技術】
従来のハイブリッド車は、エンジンと、2つの遊星歯車と、2つの遊星歯車のサンギヤを制御する2つのモータジェネレータとを備え、遊星歯車のキャリヤをエンジンに接続し、遊星歯車のリングギヤを車輪に接続するものが記載されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開2000−102106号公報(図1)
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来のハイブリッド車にあっては、エンジンの効率を高くするための最適燃費線付近で動作させようとする場合、エンジン回転数とエンジントルクとの関係が最適燃費線にて拘束されるため、これにより低速走行や高速走行が制限される場合が生じていた。つまり、燃費を向上させるためにエンジンの動作点をエンジンの最適燃費線上に拘束すると、エンジンパワーに応じて変速比が一意に決まり、これで決まる2つのモータジェネレータ回転速度のうち、一方のモータジェネレータ回転速度が過回転する場合に、エンジンの動作点を最適燃費線に拘束しながらモータの過回転を防止するようにモータ動作点を決め、或いはエンジンの動作点を最適燃費線から完全に外してモータの過回転を防止するようにエンジン動作点を決めると、車速・駆動トルク目標・燃費最適を両立できないことが生じていた。
【0004】
本発明は、上記問題に着目してなされたもので、2つのモータ回転速度のうち、一方のモータ回転速度が過回転すると予測される場合、主動力源の回転数補正により、車速・駆動トルク目標・燃費最適を両立しながら、モータの過回転を未然に防止することができるハイブリッド車のモータ過回転防止制御装置を提供することを課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明では、主動力源と第1モータと第2モータと出力部材との4要素が、共線図上で第1モータ、主動力源、出力部材、第2モータの回転速度順になるように連結された歯車機構を有するハイブリッド駆動系を搭載したハイブリッド車において、
前記出力部材の回転数を検出する出力回転数検出手段と、前記主動力源の動作点が最適エネルギ効率線上にくるように主動力源回転数と主動力源トルクによる主動力源の動作点を算出する主動力源動作点算出手段と、主動力源回転数と出力回転数により設定された変速比に基づいて、第1モータと第2モータの回転速度を算出するモータ回転速度算出手段と、前記モータ回転速度算出手段にて算出されたモータ回転速度が上限値以下か否かを判断するモータ回転速度上限値判断手段と、前記モータ回転速度上限値判断手段によりモータ回転速度が上限値を超えると判断された場合、モータ回転速度を低下させるように主動力源回転数を補正し、前記モータ回転速度算出手段に入力する主動力源回転数を書き換える主動力源動作点補正手段と、前記モータ回転速度上限値判断手段によりモータ回転速度が上限値以下と判断された場合、その判断時の主動力源回転数と主動力源トルクにより主動力源の動作点を決定する主動力源動作点決定手段と、前記主動力源動作点決定手段により決定された主動力源の動作点に基づいて、モータ回転速度とモータトルクによるモータ動作点を決定するモータ動作点決定手段と、を有するモータ過回転防止制御手段を設けた。
【0006】
ここで、「主動力源」とは、複数の動力源のうち主となる動力源をいい、例えば、エンジンやメインモータをいう。そして、主動力源がエンジンの場合、「最適エネルギ効率線」とは、最適燃費線のことをいう。
【0007】
「第1モータ」と「第2モータ」としては、2つの独立したモータでも良いし、また、共通ステータと2つのロータにより外観上は1つのモータであるが、機能上は2つのモータを達成するものでも良い。また、モータとジェネレータを兼用するモータジェネレータを用いても良い。
【0008】
「歯車機構」とは、主動力源と第1モータと第2モータと出力部材との4要素を、共線図上で第1モータ、主動力源、出力部材、第2モータの回転速度順になるように連結できる歯車により構成される機構で、例えば、ラビニョウ型複合遊星歯車列等をいう。
【0009】
【発明の効果】
よって、本発明のハイブリッド車のモータ過回転防止制御装置にあっては、2つのモータ回転速度のうち、一方のモータ回転速度が上限値を超えると予測される場合、主動力源の回転数補正により、車速・駆動トルク目標・最適エネルギ消費を両立しながら、モータの過回転を未然に防止することができる。
また、主動力源の最適燃費線からの主動力源の動作点の修正を最小に抑えることができ、この結果、燃費の悪化を最小限としつつ、車両の動作範囲を広げて高車速・低車速領域で動作することができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明のハイブリッド車のモータ過回転防止制御装置を実現する実施の形態を、第1実施例と、第2実施例と、第3実施例に基づいて説明する。
【0011】
(第1実施例)
まず、構成を説明する。
図1は第1実施例のハイブリッド車のモータ過回転防止制御装置が適用されたハイブリッドシステムを示す全体図、図2は第1実施例装置が適用されたハイブリッドシステムを示す概略ブロック図である。
【0012】
図1及び図2において、1はエンジン(主動力源)、2は同軸多層モータ(第1モータと第2モータ)、3はラビニョウ型複合遊星歯車列(歯車機構)、4は出力ギヤ(出力部材)、5はカウンターギヤ、6はドライブギヤ、7はディファレンシャル、8,8はドライブシャフト、9はモータ&ギヤケース、10はエンジン出力軸、11は第1モータジェネレータ出力軸(第1モータ出力軸)、12は第2モータジェネレータ出力軸(第2モータ出力軸)、13はモータ室、14はギヤ室、15はクラッチ、16はブレーキである。
【0013】
前記同軸多層モータ2は、モータ&ギヤケース9に固定され、コイルを巻いた固定電機子としてのステータSと、前記ステータSの外側に配置し、図外の永久磁石を埋設したアウターロータORと、前記ステータSの内側に配置し、図外の永久磁石を埋設したインナーロータIRと、を同軸上に配置することで構成されている。以下、ステータS+インナーロータIRを、第1モータジェネレータMG1といい、ステータS+アウターロータORを、第2モータジェネレータMG2という。
【0014】
前記ラビニョウ型複合遊星歯車列3は、互いに噛み合う第1ピニオンP1と第2ピニオンP2を支持する共通キャリヤCと、第1ピニオンP1に噛み合う第1サンギヤS1と、第2ピニオンP2に噛み合う第2サンギヤS2と、第1ピニオンP1に噛み合う第1リングギヤR1と、第2ピニオンP2に噛み合う第2リングギヤR2と、の5つの回転要素を有する。
【0015】
そして、ハイブリッド駆動系は、前記第2リングギヤR2とエンジン出力軸10とをクラッチ15を介して連結し、前記第1サンギヤS1と第1モータジェネレータ出力軸11とを連結し、前記第2サンギヤS2と第2モータジェネレータ出力軸12とを連結し、前記共通キャリヤCに出力ギヤ4を連結することにより構成されている。
【0016】
前記ラビニョウ型複合遊星歯車列3は、第1サンギヤS1と第1ピニオンP1と第2ピニオンP2と第2リングギヤR2によりダブルピニオン型遊星歯車が構成され、このダブルピニオン型遊星歯車は、共線図上で(S−R−CまたはC−R−S)配列となる。また、前記ラビニョウ型複合遊星歯車列3は、第2サンギヤS2と第2ピニオンP2と第2リングギヤR2によりシングルピニオン型遊星歯車が構成され、このシングルピニオン型遊星歯車は、共線図上で(S−C−RまたはR−C−S)配列となる。
【0017】
このため、ラビニョウ型複合遊星歯車列3に連結されるエンジン1と第1モータジェネレータMG1と第2モータジェネレータMG2と出力ギヤ4との4つの回転要素は、図3に示すように、共線図上において、第1モータジェネレータMG1、エンジン1、出力ギヤ4、第2モータジェネレータMG2の回転速度順になるように連結される。
【0018】
ここで、共線図(速度線図)とは、遊星歯車のギヤ比を考える場合、式により求める方法に代え、より簡単で分かりやすい作図により求める方法で用いられる速度線図であり、縦軸に各回転要素の回転数(回転速度)をとり、横軸にリングギヤ、キャリヤ、サンギヤを、間隔がサンギヤとリングギヤの歯数比になるように配置したものである。なお、シングルピニオン型遊星歯車の場合は、サンギヤとリングギヤとが逆回転するため、キャリヤの回転速度軸が真ん中になるように配置し、ダブルピニオン型遊星歯車の場合は、サンギヤとリングギヤとが同回転するため、キャリヤの回転速度軸が外になるように配置する。
【0019】
前記ブレーキ16は、共線図上で出力ギヤ4の回転速度軸と第2モータジェネレータMG2の回転速度軸との間の位置に配置され、転結により変速比をアンダードライブ側のロー変速比に固定する。
【0020】
前記出力ギヤ4からの出力回転及び出力トルクは、カウンターギヤ5→ドライブギヤ6→ディファレンシャル7を経過し、ドライブシャフト8,8から図外の駆動輪へ伝達される。
【0021】
ハイブリッドシステムの制御系の構成を図1により説明すると、21はエンジンコントローラ、22はスロットルバルブアクチュエータ、23はモーターコントローラ、24はインバータ、25はバッテリ、26はハイブリッドコントローラ、27はアクセル開度センサ、28は車速センサ(出力回転数検出手段)、29はモータ温度センサ、30はエンジン回転数センサである。
【0022】
前記エンジンコントローラ21は、ハイブリッドコントローラ26からの指令に応じて、エンジン回転数NeとエンジントルクTeによるエンジン動作点を得る指令をスロットルバルブアクチュエータ22へ出力する。すなわち、エンジン回転数センサ30からのエンジン回転数検出値をフィードバック情報としてスロットルバルブを開閉制御する。
【0023】
前記モータコントローラ23は、第1モータジェネレータMG1の回転数N1とトルクT1によるモータ動作点と、第2モータジェネレータMG2の回転数N2とトルクT2によるモータ動作点と、をそれぞれ独立に得る指令をインバータ24へ出力する。
【0024】
前記インバータ24は、前記同軸多層モータ3のステータSのコイルに接続され、モータコントローラ23からの指令により、インナーロータIRへの駆動電流(三相電流)とアウターロータORへの駆動電流(三相電流)とを複合させた複合電流を作り出す。このインバータ24には、直流電圧を得るバッテリ25が接続されている。
【0025】
前記ハイブリッドコントローラ26は、アクセル開度センサ27,車速センサ28,モータ温度センサ29,エンジン回転数センサ30等からのセンサ信号を入力して所定の演算処理を行う。このハイブリッドコントローラ26からは、前記エンジンコントローラ21に対しエンジン動作点(Ne,Te)を得る指令を出力すると共に、前記モータコントローラ23に対しモータ動作点(N1,T1,N2,T2)を得る指令を出力する。
【0026】
なお、ハイブリッドコントローラ26とエンジンコントローラ21、および、ハイブリッドコントローラ26とモータコントローラ23とは、それぞれ双方向通信線により接続されている。
【0027】
次に、第1実施例装置に適用されたハイブリッドシステムの特徴点について述べる。
(1)同軸多層モータの採用
モータジェネレータとして2ロータ・1ステータの同軸多層モータ2を採用したことで、アウターロータ磁力線とインナーロータ磁力線とに2つの磁力線が作られ、コイル及びインバータ24を2つのインナーロータIRとアウターロータORに対し共用できる。そして、インナーロータIRに対する電流とアウターロータORに対する電流を重ね合わせた複合電流を1つのコイルに印加することにより、2つのロータIR,ORをそれぞれ独立に制御することができる。つまり、外観的には、1つの同軸多層モータ2であるが、モータ機能とジェネレータ機能の異種または同種の機能を組み合わせたものとして使える。
【0028】
よって、例えば、それぞれにロータとステータを持つ2個の独立したモータジェネレータを設ける場合に比べ、コスト(部品点数低減、インバータ電流定格低減、磁石低減)・サイズ(同軸構造による小型化、インバータサイズ低減)・効率(鉄損低減・インバータ損失低減)の面で有利にすることができる。
【0029】
また、複合電流制御のみで(モータ+ジェネレータ)の使い方に限らず、(モータ+モータ)や(ジェネレータ+ジェネレータ)の使い方も可能であるというように、高い選択自由度を持つため、例えば、第1実施例のように、ハイブリッド車の駆動源に同軸多層モータ2を採用した場合、これら多数の選択肢の中から車両状態に応じて最も効果的、或いは、効率的な組み合わせを選択することができる。
【0030】
(2)ラビニョウ型複合遊星歯車列の採用
第1実施例装置のように、エンジンと第1モータジェネレータと第2モータジェネレータと出力部材との4要素を有するハイブリッド駆動系には、4要素を連結するために少なくとも4つの回転要素を有するものであれば様々な遊星歯車機構を採用することができる。
【0031】
しかし、多数の遊星歯車機構が考えられる中で、遊星歯車機構の動的な動作を簡易的に表せる剛体レバーモデルを導入でき、かつ、軸方向寸法が短くなりコンパクトな遊星歯車機構とすることができるという理由により、ラビニョウ型複合遊星歯車列3を採用した。
【0032】
すなわち、ラビニョウ型複合遊星歯車列3は、2列の遊星歯車の幅寸法でありながら、4つの遊星歯車(2つの平行な縦方向遊星歯車と2つのクロスする前後方向遊星歯車)の組み合わせを実現しているため、例えば、4つの遊星歯車を軸方向に配列するのに比べて大幅に軸方向寸法が短縮される。
【0033】
(3)ハイブリッド駆動系への適用
ハイブリッド駆動系に対し同軸多層モータ2とラビニョウ型複合遊星歯車列3を適用した場合、下記に列挙するメリットがある。
【0034】
(i)互いに同軸構造であるため、同軸多層モータ2の出力軸11,12と、ラビニョウ型複合遊星歯車列3の両サンギヤS1,S2とを、例えば、スプライン嵌合にて簡単に連結できるというように、組み合わせ相性が非常に良く、スペース・コスト・重量の面で極めて有利である。
【0035】
(ii)同軸多層モータ2の一方を放電(モータ)として用い、他方を発電(ジェネレータ)として用いた場合、1つのインバータ24を介してモータ電流を制御することも可能であり、バッテリ25からの持ち出しを少なくすることができる。例えば、ダイレクト配電制御モードの場合、理論上、バッテリ25からの持ち出しをゼロにすることができる。
【0036】
(iii)同軸多層モータ2の両方を放電(モータ)として用いた場合、駆動範囲を広くとることができる。すなわち、2つのモータパワーを掛け合わせた値がパワー最大値(一定値)以下の全ての領域を駆動可能範囲とし、一方のモータが小パワーで、他方のモータが大パワーという組み合わせで用いることもできる。
【0037】
次に、作用を説明する。
【0038】
[ハイブリッド駆動系の設計]
主たる動力源であるエンジンと、複数の補助動力源であるモータとを併用して走行し、バッテリの直流出力をインバータにより交流に変換してモータを駆動し、それに接続されている歯車変速機構が変速動作を行う、いわゆる、ハイブリッド車の変速機構においては、複数の補助動力源であるモータの間で電力を融通し、一方のモータが発電しているときには他方のモータが電力を消費するように、電力の総和の絶対値が小さく、または、ゼロとなるようなパワーの流れ作り出すように制御することで、主たる動力源から車軸出力に至る変速機構自体のパワーの消費あるいはパワーの発生が小さく、または、ゼロになるような制御を行っている。
【0039】
このとき、モータの特性とエンジンの特性との相違から、モータの回転数がエンジンの回転数より大きくなるように歯車変速機構を設計するのが望ましい。このような状態を、変速機構の各軸速度の相互関係をあらわす共線図と呼ばれる図によってあらわすと、図3に示すようになる。
【0040】
このとき、出力軸の速度は既知であるとすると、エンジン・2つのモータの合わせて3つの速度のうち1つを決定することにより全ての速度関係が決まり、変速比も決まることになる。この意味で、エンジン・2つのモータのうち1つの速度を一定とするように速度制御することは変速比を制御することと等価である。
【0041】
一方、共線図上で4つのトルクの関係については、2つのトルクを決めることにより、速度関係によらず残る2つのトルクの値が決まることが知られている。例えば、図3に示す2自由度4要素の作動歯車機構では、図4に示すように、2つのトルクバランス式が常に成立する。
【0042】
また、モータ1のパワーとモータ2のパワーの総計のパワーは、バッテリからの放電パワー(負の場合は充電パワー)となることから、これの絶対値をゼロまたは小さく設定することにより、搭載すべきバッテリの容量を小さくしてコストを低減することもできる。また、減速機あるいは増速機として定常状態にあるとき、モータ1とモータ2の一方が発電機としてパワーを出力し、他方がモータとしてパワーを消費し、この二つのパワーがバランスしている状態では、モータ1とモータ2の動作点に応じたモータおよびモータ駆動装置のパワー損失が発生するので、これを小さくするべく、モータの動作点を高回転・低トルクとなるように、図4のα,βを正値に設計する、すなわち、共線図上でモータ1、モータ2をエンジン及び出力軸の外側に配置することが行われる。
【0043】
[ハイブリッド制御系の基本設計]
上記理由によりハイブリッド駆動系を、共線図上でモータ1,エンジン、出力軸、モータ2の回転速度順になるように設計した場合、エンジンの回転数及び出力軸の回転数がそれぞれ安全動作範囲であったとしても、モータ1又はモータ2の回転速度が大きくなり過ぎるため、動作を禁止される領域が発生することがあった。
【0044】
図3及び図4において、エンジン回転数Neと出力軸回転数Noが等しい場合は、モータ1とモータ2の回転速度N1,N2もNe,Noと全て等しいが、Ne>Noの場合、すなわちローギヤの場合はモータ1の回転速度N1が大きくなり、逆に、Ne<Noの場合、すなわちハイギヤの場合はモータ2の回転速度N2が大きくなるため、変速比を極端にローギヤあるいはハイギヤにすると、モータ1あるいはモータ2の過回転(以下、オーバレブという。)が発生するため、変速範囲に制限が生じる。なお、Ne>Noに限らずNe<Noの場合であってもモータ1がオーバーレブすることがあるし、逆に、Ne<Noに限らずNe>Noの場合であってもモータ1がオーバーレブすることがある。
【0045】
特に、エンジンの効率を高くするための最適燃費線付近で動作させようとする場合、エンジン回転数とエンジントルクとの関係が最適燃費線にて拘束されるため、これにより低速走行や高速走行が制限される場合が生じていた。図5に動作点決定の基本フローを示すが、燃費を向上させるためにエンジンの動作点をエンジンの最適燃費線上に拘束すると、エンジンパワーに応じて変速比が一意に決まり、これで決まるモータ1とモータ2の回転速度のうち、一方の回転速度がオーバーレブする場合は、その車速・駆動トルク目標・燃費最適を両立できないことが生じていた。
【0046】
[動作点決定の基本フロー]
図5は動作点決定の基本フローであり、目標駆動トルク決定部50において、アクセル開度検出値APSと車速検出値Vspと目標駆動トルクマップに基づいて、目標駆動トルクToを決定する。出力軸回転数算出部51において、車速検出値Vspと変換係数K1とを用いて出力軸回転数Noを算出する。目標パワー算出部52において、目標駆動トルク決定部50からの目標駆動トルクToと、出力軸回転数算出部51からの出力軸回転数Noと、変換係数K2とを用いて目標パワーPoを算出し、次の目標エンジンパワー算出部53において、目標パワーPoと、メカ効率ηmとを用いて、目標エンジンパワーPeを算出する。
【0047】
次に、最適燃費エンジン回転数決定部54において、目標エンジンパワーPeと、最適燃費線によるエンジン出力マップを用いて、最適燃費エンジン回転数Neαを決定する。エンジン動作点算出部55において、最適燃費エンジン回転数Neαをエンジン回転数Neとし、目標エンジンパワーPeとエンジン回転数NeによりエンジントルクTeを算出する。
【0048】
次に、モータ動作点算出部56において、エンジン回転数Ne、出力軸回転数No、エンジントルクTeを入力し、(変速比i=Ne/No)
N1=Ne+α(Ne−No) ...(1)
N2=No−β(Ne−No) ...(2)
To=T1+T2+Te ...(3)
N1・T1+N2・T2=Pb ...(4)
αT1+To=(1+β)T2 ...(5)
であらわされる(1)〜(5)の式(E−IVTバランス式)において、(4)式のバッテリパワーPbを、Pb=0として、連立運動方程式を解くと、
T1={N2×Te}/{βN1+(α+1)N2} ...(6)
T2={N1×Te}/{βN1+(α+1)N2} ...(7)
となり、上記(1),(2)式によりモータ動作点(N1,N2)を算出し、上記(6),(7)式によりモータ動作点(T1,T2)を算出する。
【0049】
よって、動作点決定の基本フローによる共線図は、図6に示すようになり、最適燃費線に沿ったエンジン動作点(Ne,Te)とモータ動作点(N1,T1,N2,T2)とを得る制御により、バッテリ負荷を最小に抑えながら、車速・駆動トルク目標・燃費最適を高レベルにて両立することができる。
【0050】
しかしながら、モータ1とモータ2とには回転速度上限値が存在し、例えば、エンジン動作点を変えずにモータ回転速度を上限値に規定する制御方法では車速が変わってしまうし、また、最適燃費線による拘束を外し、車速を保ちながらモータ回転速度が上限値以下になるようにエンジン動作点を決める制御方法では、駆動トルク目標・燃費最適とが成立しない。
【0051】
[エンジン動作点とモータ動作点の決定処理]
図7は第1実施例のハイブリッドコントローラ26にて実行されるエンジン動作点とモータ動作点の決定処理の流れを示すフローチャートで、以下、各ステップについて説明する(モータ過回転防止制御手段)。
【0052】
ステップS70では、目標エンジンパワーPeを算出し、ステップS71へ移行する。ここで、目標エンジンパワーPeは、図5と同様に、目標駆動トルク決定部50と出力軸回転数算出部51と目標パワー算出部52と目標エンジンパワー算出部53により算出される。
【0053】
ステップS71では、目標エンジンパワーPeと、最適燃費線と等パワー線によるエンジン出力マップを用い、最適燃費線と等パワー線との交点からエンジン動作点(エンジン回転数NeとエンジントルクTe)を算出し、ステップS72へ移行する(主動力源動作点算出手段)。このエンジン動作点の算出処理は、図5の最適燃費エンジン回転数決定部54及びエンジン動作点算出部55での処理と実質的に同様である。
【0054】
ステップS72では、ステップS71またはステップS74またはステップS76からのエンジン回転数Neと、車速Vspにより算出された出力軸回転数Noと、上記(1),(2)式とを用い、第1モータジェネレータMG1のモータ回転速度N1と、第2モータジェネレータMG2のモータ回転速度N2が算出され、ステップS73へ移行する(モータ回転速度算出手段)。
【0055】
ステップS73では、ステップS72にて算出された第2モータジェネレータMG2のモータ回転速度N2が上限値Nlimit以下か否かが判断され、N2≦Nlimitの場合はステップS75へ移行し、N2>Nlimitの場合はステップS74へ移行する(モータ回転速度上限値判断手段)。
【0056】
ステップS74では、その時のエンジン回転数Neの設定を、エンジン回転数補正量△Neだけ大きくし(Ne+△Ne)、ステップS72へ移行してエンジン回転数Neを書き換える(主動力源動作点補正手段)。
【0057】
ステップS75では、ステップS72にて算出された第1モータジェネレータMG1のモータ回転速度N1が上限値Nlimit以下か否かが判断され、N1≦Nlimitの場合はステップS77へ移行し、N1>Nlimitの場合はステップS76へ移行する(モータ回転速度上限値判断手段)。
【0058】
ステップS76では、その時のエンジン回転数Neの設定を、エンジン回転数補正量△Neだけ小さくし(Ne−△Ne)、ステップS72へ移行してエンジン回転数Neを書き換える(主動力源動作点補正手段)。
【0059】
ステップS77では、ステップS73とステップS75により2つのモータ回転速度条件を満足すると、その判断時のエンジン回転数NeとエンジントルクTeをエンジン動作点として決定し、ステップS78へ移行する(主動力源動作点決定手段)。
【0060】
ステップS78では、ステップS77で決定されたエンジン回転数Neと、車速Vspにより算出された出力軸回転数Noと、上記(1),(2)式とを用い、第1モータジェネレータMG1のモータ回転速度N1と、第2モータジェネレータMG2のモータ回転速度N2が算出され、ステップS79へ移行する(モータ動作点決定手段)。
【0061】
ステップS79では、ステップS77で決定されたエンジントルクTeと、ステップS78で決定されたモータ回転速度N1,N2と、上記(6),(7)式を用い、第1モータジェネレータMG1のモータトルクT1と、第2モータジェネレータMG2のモータトルクT2が算出される(モータ動作点決定手段)。
【0062】
[モータ回転速度上限値以下のときの動作点決定作用]
モータ動作点のうちステップS72にて算出された第1モータジェネレータMG1のモータ回転速度N1が上限値Nlimit以下で、かつ、第2モータジェネレータMG2のモータ回転速度N2が上限値Nlimit以下である場合、図7のフローチャートにおいて、ステップS70→ステップS71→ステップS72→ステップS73→ステップS75→ステップS77→ステップS78→ステップS79へと進む流れとなり、ステップS77では、ステップS71にて算出されたエンジン動作点(Ne,Te)が、そのまま最終的なエンジン動作点としてステップS77にて決定される。
【0063】
よって、最適燃費線と等パワー線との交点によりエンジン動作点(Ne,Te)を決め、かつ、エンジン動作点(Ne,Te)のうちエンジン回転数Neを用いた変速比に基づいて、モータ動作点(N1,T1,N2,T2)を決めるように制御することで、車速・駆動トルク目標・燃費最適を高レベルで両立させることができる。しかも、バッテリパワーPbは、理論上ゼロであるため、ラビニョウ型複合遊星歯車列3は、内部の両モータージェネレータMG1,MG2間のパワーの流れが小さく、エンジン1から出力ギヤ4へのパワーの流れが大きい、いわゆる、電気変速機として動作する。
【0064】
[モータ回転速度N2が上限値Nlimitを超えるときの動作点決定作用]
一方、モータ動作点のうちステップS72にて算出された第2モータジェネレータMG2のモータ回転速度N2が上限値Nlimitを超える場合には、図7のフローチャートにおいて、ステップS70→ステップS71→ステップS72→ステップS73→ステップS74へと進む流れとなり、ステップS74では、エンジン回転数Neの設定がエンジン回転数補正量△Neだけ大きくされる。そして、再びステップS72へ進んで、書き換えられたエンジン回転数Neと車速Vspとからモータ回転速度N2が算出され、ステップS73にて第2モータジェネレータMG2のモータ回転速度N2が上限値Nlimit以下になったかどうかが判断される。
【0065】
そして、ステップS73のN2≦Nlimitが成立するまでは、ステップS72→ステップS73→ステップS74の流れが繰り返され、ステップS73のN2≦Nlimitが成立すると、ステップS75→ステップS77→ステップS78→ステップS79へと進む流れとなり、ステップS77では、ステップS71にて算出されたエンジン動作点(Ne,Te)のうち、エンジン回転数NeのみがステップS72にて使用された最新のエンジン回転数Neに書き換えられ、最終的なエンジン動作点として決定される。
【0066】
すなわち、図8の剛体レバーaに示すように、第2モータジェネレータMG2のモータ回転速度N2の算出値が上限値Nlimitを超える場合、エンジン回転数Neを高回転数側に補正して設定することで、出力軸回転数Noを中心として剛体レバーが時計回りに回転し、図8の剛体レバーbに示すように、モータ回転速度N2の算出値を上限値Nlimit以下に抑えることができる。
【0067】
よって、車速を維持したままで、第2モータジェネレータMG2のモータ回転速度N2が上限値Nlimitを超えることがない走行を確保することができる。また、エンジン回転数Neのみを変更し、エンジントルクTeを変更しないようにしているため、トルク変更に伴うトルクリミッタを考慮する必要が無く、簡便にエンジン動作点(Ne,Te)とモータ動作点(N1,T1,N2,T2)を決めることができる。さらに、エンジン回転数補正量△Neの幅できめ細かくエンジン回転数Neを変更するようにしているため、エンジン1の最適燃費線からのエンジン動作点(Ne,Te)の修正が最小限に抑えられ、この結果、燃費の悪化を最小にしつつ、高車速領域で動作することができる。
【0068】
[モータ回転速度N1が上限値Nlimitを超えるときの動作点決定作用]
一方、モータ動作点のうちステップS72にて算出された第1モータジェネレータMG1のモータ回転速度N1が上限値Nlimitを超える場合には、図7のフローチャートにおいて、ステップS70→ステップS71→ステップS72→ステップS73→ステップS75→ステップS76へと進む流れとなり、ステップS76では、エンジン回転数Neの設定がエンジン回転数補正量△Neだけ小さくされる。そして、再びステップS72へ進んで、書き換えられたエンジン回転数Neと車速Vspとからモータ回転速度N1が算出され、ステップS75にて第1モータジェネレータMG1のモータ回転速度N1が上限値Nlimit以下になったかどうかが判断される。
【0069】
そして、ステップS75のN1≦Nlimitが成立するまでは、ステップS72→ステップS73→ステップS75→ステップS76の流れが繰り返され、ステップS75のN1≦Nlimitが成立すると、ステップS77→ステップS78→ステップS79へと進む流れとなり、ステップS77では、ステップS71にて算出されたエンジン動作点(Ne,Te)のうち、エンジン回転数NeのみがステップS72にて使用された最新のエンジン回転数Neに書き換えられ、最終的なエンジン動作点として決定される。
【0070】
すなわち、図8の剛体レバーcに示すように、第1モータジェネレータMG1のモータ回転速度N1の算出値が上限値Nlimitを超える場合、エンジン回転数Neを低回転数側に補正して設定することで、出力軸回転数Noを中心として剛体レバーが反時計回りに回転し、図8の剛体レバーdに示すように、モータ回転速度N1の算出値を上限値Nlimit以下に抑えることができる。
【0071】
よって、車速を維持したままで、第1モータジェネレータMG1のモータ回転速度N1が上限値Nlimitを超えることがない走行を確保することができる。また、エンジン回転数Neのみを変更し、エンジントルクTeを変更しないようにしているため、トルク変更に伴うトルクリミッタを考慮する必要が無く、簡便にエンジン動作点(Ne,Te)とモータ動作点(N1,T1,N2,T2)を決めることができる。さらに、エンジン回転数補正量△Neの幅できめ細かくエンジン回転数Neを変更するようにしているため、エンジン1の最適燃費線からのエンジン動作点(Ne,Te)の修正が最小限に抑えられ、この結果、燃費の悪化を最小にしつつ、低車速領域で動作することができる。
【0072】
次に、効果を説明する。
第1実施例のハイブリッド車のモータ過回転防止制御装置にあっては、下記に列挙する効果を得ることができる。
【0073】
(1) エンジン1と第1モータジェネレータMG1と第2モータジェネレータMG2と出力ギヤ4との4要素が、共線図上で第1モータジェネレータMG1、エンジン1、出力ギヤ4、第2モータジェネレータMG2の回転速度順になるように連結されたラビニョウ型複合遊星歯車列3を有するハイブリッド駆動系を搭載したハイブリッド車において、エンジン1の動作点が最適燃費線上にくるように変速比を設定し、この変速比設定に基づいて算出されたモータ回転速度N1,N2のうち一方の回転速度が過回転と判断された場合、エンジン回転数Neを補正することでモータ回転速度N1またはN2を下げるモータ過回転防止制御手段を設けたため、2つのモータ回転速度N1,N2のうち、一方のモータ回転速度が過回転すると予測される場合、エンジン1の回転数補正により、車速・駆動トルク目標・燃費最適を両立しながら、モータの過回転を未然に防止することができる。
【0074】
(2) 前記モータ過回転防止制御手段は、車速を検出する車速センサ28と、エンジン1の動作点が最適燃費線にくるようにエンジン回転数NeとエンジントルクTeによるエンジン動作点を算出するエンジン動作点算出ステップS71と、エンジン回転数Neと出力回転数Noにより設定された変速比に基づいて、第1モータジェネレータMG1と第2モータジェネレータMG2の回転速度N1,N2を算出するモータ回転速度算出ステップS72と、モータ回転速度算出ステップS72にて算出されたモータ回転速度N1またはN2が上限値Nlimit以下か否かを判断するモータ回転速度上限値判断ステップS73及びステップS75と、モータ回転速度N1,N2が上限値Nlimitを超えると判断された場合、モータ回転速度N1またはN2を低下させるようにエンジン回転数Neを補正し、前記モータ回転速度算出ステップS72に入力するエンジン回転数Neを書き換えるエンジン動作点補正ステップS74及びステップS76と、前記モータ回転速度上限値判断ステップS73及びステップS75によりモータ回転速度N1,N2が上限値Nlimit以下と判断された場合、その判断時のエンジン回転数NeとエンジントルクTeによりエンジンの動作点を決定するエンジン動作点決定ステップS77と、前記エンジン動作点決定ステップS77により決定されたエンジン1の動作点に基づいて、モータ回転速度N1,N2とモータトルクT1,T2によるモータ動作点を決定するモータ動作点決定ステップS78及びステップS79と、を有するため、エンジン1の最適燃費線からのエンジン動作点の修正を最小に抑えることができ、この結果、燃費の悪化を最小限としつつ、車両の動作範囲を広げて高車速・低車速領域で動作することができる。
【0075】
(3) エンジン動作点補正ステップS74は、モータ回転速度上限値判断ステップS73により第2モータ回転速度N2が上限値Nlimitを超えると判断された場合、エンジントルクTeはそのままで、エンジン回転数Neのみを高回転数側に補正し、モータ回転速度算出ステップS72に入力するエンジン回転数Neを書き換えるようにしたため、トルク変更に伴うトルクリミッタの考慮をせず簡便に新たなエンジン動作点(Ne,Te)を決めることができる。
【0076】
(4) エンジン動作点補正ステップS74は、モータ回転速度上限値判断ステップS75により第1モータ回転速度N1が上限値Nlimitを超えると判断された場合、エンジントルクTeはそのままで、エンジン回転数Neのみを低回転数側に補正し、モータ回転速度算出ステップS72に入力するエンジン回転数Neを書き換えるようにしたため、トルク変更に伴うトルクリミッタの考慮をせず簡便に新たなエンジン動作点(Ne,Te)を決めることができる。
【0077】
(5) 第1モータジェネレータMG1と第2モータジェネレータMG2を、コイルを巻いた固定電機子としてのステータSと、ステータSの外側に配置し、永久磁石を埋設したアウターロータORと、ステータSの内側に配置し、永久磁石を埋設したインナーロータIRと、ステータSのコイルに接続され、インナーロータIRへの駆動電流とアウターロータORへの駆動電流とを複合させた複合電流を作り出すインバータ24と、該インバータ24に接続されたバッテリ25と、を備えた同軸多層モータ2としたため、それぞれロータとステータを持つ2個の独立したモータジェネレータを設ける場合に比べ、コスト(部品点数低減、インバータ電流定格低減、磁石低減)・サイズ(同軸構造による小型化、インバータサイズの低減)・効率(鉄損低減、インバータ損失低減)の面で有利とすることができる。
【0078】
(6) 歯車機構を、互いに噛み合う第1ピニオンP1と第2ピニオンP2を支持する共通キャリヤCと、第1ピニオンP1に噛み合う第1サンギヤS1と、第2ピニオンP2に噛み合う第2サンギヤS2と、第2ピニオンP2に噛み合う第2リングギヤR2との4つの回転要素を有するラビニョウ型複合遊星歯車列3とし、第2リングギヤR2とエンジン出力軸10とをクラッチ15を介して連結し、第1サンギヤS1と第1モータジェネレータ出力軸11とを連結し、第2サンギヤS2と第2モータジェネレータ出力軸12とを連結し、共通キャリヤCに出力ギヤ4を連結することにより、共線図上で第1モータジェネレータMG1、エンジン1、出力ギヤ4、第2モータジェネレータMG2の回転速度順になるように連結したため、遊星歯車機構の動的な動作を簡易的に表せる剛体レバーモデルを導入でき、かつ、軸方向寸法が短くなりコンパクトな遊星歯車機構とすることができる。
【0079】
(第2実施例)
この第2実施例は、モータ回転速度N1またはN2が上限値Nlimitを超えると判断された場合、エンジン回転数Neを補正すると共に、等パワー線に沿ってエンジントルクTeを補正するエンジン動作点補正を行うようにした例である。なお、構成的には第1実施例と同様であるので、図示並びに説明を省略する。
【0080】
次に、作用を説明する。
【0081】
[エンジン動作点とモータ動作点の決定処理]
図9は第2実施例のハイブリッドコントローラ26にて実行されるエンジン動作点とモータ動作点の決定処理の流れを示すフローチャートで、以下、各ステップについて説明する(モータ過回転防止制御手段)。
【0082】
なお、ステップS80及びステップS81を除く、ステップS70〜ステップS79は、図7のステップS70〜ステップS79と同じであるので、説明を省略する。
【0083】
ステップS80では、その時のエンジン回転数Neの設定を、エンジン回転数補正量△Neだけ大きくし(Ne+△Ne)、等パワー線に沿ってエンジントルクTeを△Teだけ小さくし、ステップS72へ移行してエンジン回転数Neを書き換える(主動力源動作点補正手段)。
【0084】
ステップS81では、その時のエンジン回転数Neの設定を、エンジン回転数補正量△Neだけ小さくし(Ne−△Ne)、等パワー線に沿ってエンジントルクTeを△Teだけ大きくし、ステップS72へ移行してエンジン回転数Neを書き換える(主動力源動作点補正手段)。
【0085】
[モータ回転速度N2が上限値Nlimitを超えるときの動作点決定作用]
モータ動作点のうちステップS72にて算出された第2モータジェネレータMG2のモータ回転速度N2が上限値Nlimitを超える場合には、図9のフローチャートにおいて、ステップS70→ステップS71→ステップS72→ステップS73→ステップS80へと進む流れとなり、ステップS80では、エンジン回転数Neの設定がエンジン回転数補正量△Neだけ大きくされ、等パワー線に沿ってエンジントルクTeが△Teだけ小さくされる。そして、再びステップS72へ進んで、書き換えられたエンジン回転数Neと車速Vspとからモータ回転速度N2が算出され、ステップS73にて第2モータジェネレータMG2のモータ回転速度N2が上限値Nlimit以下になったかどうかが判断される。
【0086】
そして、ステップS73のN2≦Nlimitが成立するまでは、ステップS72→ステップS73→ステップS80の流れが繰り返され、ステップS73のN2≦Nlimitが成立すると、ステップS75→ステップS77→ステップS78→ステップS79へと進む流れとなり、ステップS77では、ステップS71にて算出されたエンジン動作点(Ne,Te)が最新のエンジン回転数NeとエンジントルクTeに書き換えられ、最終的なエンジン動作点として決定される。
【0087】
[モータ回転速度N1が上限値Nlimitを超えるときの動作点決定作用]
モータ動作点のうちステップS72にて算出された第1モータジェネレータMG1のモータ回転速度N1が上限値Nlimitを超える場合には、図9のフローチャートにおいて、ステップS70→ステップS71→ステップS72→ステップS73→ステップS75→ステップS81へと進む流れとなり、ステップS81では、エンジン回転数Neの設定がエンジン回転数補正量△Neだけ小さくされ、等パワー線に沿ってエンジントルクTeが△Teだけ大きくされる。そして、再びステップS72へ進んで、書き換えられたエンジン回転数Neと車速Vspとからモータ回転速度N1が算出され、ステップS75にて第1モータジェネレータMG1のモータ回転速度N1が上限値Nlimit以下になったかどうかが判断される。
【0088】
そして、ステップS75のN1≦Nlimitが成立するまでは、ステップS72→ステップS73→ステップS75→ステップS81の流れが繰り返され、ステップS75のN1≦Nlimitが成立すると、ステップS77→ステップS78→ステップS79へと進む流れとなり、ステップS77では、ステップS71にて算出されたエンジン動作点(Ne,Te)が最新のエンジン回転数NeとエンジントルクTeに書き換えられ、最終的なエンジン動作点として決定される。
【0089】
次に、効果を説明する。
第2実施例のハイブリッド車のモータ過回転防止制御装置にあっては、第1実施例の効果に加え、下記の効果を得ることができる。
【0090】
(7) エンジン動作点補正ステップS80は、モータ回転速度上限値判断ステップS73により第2モータ回転速度N2が上限値Nlimitを超えると判断された場合、その時のエンジン回転数Neの設定を、エンジン回転数補正量△Neだけ大きく補正し、等パワー線に沿ってエンジントルクTeを△Teだけ小さく補正し、モータ回転速度算出ステップS72に入力するエンジン回転数Neを書き換えるようにしたため、エンジン動作点(Ne,Te)が等パワー線上に存在し、バッテリ25の充放電電力を変更することなくモータ動作点(N1,T1,N2,T2)を決めることができる。
【0091】
(8) エンジン動作点補正ステップS81は、モータ回転速度上限値判断ステップS75により第1モータ回転速度N1が上限値Nlimitを超えると判断された場合、その時のエンジン回転数Neの設定を、エンジン回転数補正量△Neだけ小さく補正し、等パワー線に沿ってエンジントルクTeを△Teだけ大きく補正し、モータ回転速度算出ステップS72に入力するエンジン回転数Neを書き換えるようにしたため、エンジン動作点(Ne,Te)が等パワー線上に存在し、バッテリ25の充放電電力を変更することなくモータ動作点(N1,T1,N2,T2)を決めることができる。
【0092】
(第3実施例)
この第3実施例は、モータ回転速度N1またはN2が上限値Nlimitを超えると判断された場合、エンジン回転数Neを補正すると共に、最適燃費線に沿ってエンジントルクTeを補正するエンジン動作点補正を行うようにした例である。なお、構成的には第1実施例と同様であるので、図示並びに説明を省略する。
【0093】
次に、作用を説明する。
【0094】
[エンジン動作点とモータ動作点の決定処理]
図10は第3実施例のハイブリッドコントローラ26にて実行されるエンジン動作点とモータ動作点の決定処理の流れを示すフローチャートで、以下、各ステップについて説明する(モータ過回転防止制御手段)。
【0095】
なお、ステップS90及びステップS91を除く、ステップS70〜ステップS79は、図7のステップS70〜ステップS79と同じであるので、説明を省略する。
【0096】
ステップS90では、その時のエンジン回転数Neの設定を、エンジン回転数補正量△Neだけ大きくし(Ne+△Ne)、最適燃費線に沿ってエンジントルクTeを△Teだけ補正し、ステップS72へ移行してエンジン回転数Neを書き換える(主動力源動作点補正手段)。
【0097】
ステップS81では、その時のエンジン回転数Neの設定を、エンジン回転数補正量△Neだけ小さくし(Ne−△Ne)、最適燃費線に沿ってエンジントルクTeを△Teだけ補正し、ステップS72へ移行してエンジン回転数Neを書き換える(主動力源動作点補正手段)。
【0098】
[モータ回転速度N2が上限値Nlimitを超えるときの動作点決定作用]
モータ動作点のうちステップS72にて算出された第2モータジェネレータMG2のモータ回転速度N2が上限値Nlimitを超える場合には、図10のフローチャートにおいて、ステップS70→ステップS71→ステップS72→ステップS73→ステップS90へと進む流れとなり、ステップS90では、エンジン回転数Neの設定がエンジン回転数補正量△Neだけ大きくされ、最適燃費線に沿ってエンジントルクTeが△Teだけ補正される。そして、再びステップS72へ進んで、書き換えられたエンジン回転数Neと車速Vspとからモータ回転速度N2が算出され、ステップS73にて第2モータジェネレータMG2のモータ回転速度N2が上限値Nlimit以下になったかどうかが判断される。
【0099】
そして、ステップS73のN2≦Nlimitが成立するまでは、ステップS72→ステップS73→ステップS90の流れが繰り返され、ステップS73のN2≦Nlimitが成立すると、ステップS75→ステップS77→ステップS78→ステップS79へと進む流れとなり、ステップS77では、ステップS71にて算出されたエンジン動作点(Ne,Te)が最新のエンジン回転数NeとエンジントルクTeに書き換えられ、最終的なエンジン動作点として決定される。
【0100】
[モータ回転速度N1が上限値Nlimitを超えるときの動作点決定作用]
モータ動作点のうちステップS72にて算出された第1モータジェネレータMG1のモータ回転速度N1が上限値Nlimitを超える場合には、図10のフローチャートにおいて、ステップS70→ステップS71→ステップS72→ステップS73→ステップS75→ステップS91へと進む流れとなり、ステップS91では、エンジン回転数Neの設定がエンジン回転数補正量△Neだけ小さくされ、最適燃費線に沿ってエンジントルクTeが△Teだけ補正される。そして、再びステップS72へ進んで、書き換えられたエンジン回転数Neと車速Vspとからモータ回転速度N1が算出され、ステップS75にて第1モータジェネレータMG1のモータ回転速度N1が上限値Nlimit以下になったかどうかが判断される。
【0101】
そして、ステップS75のN1≦Nlimitが成立するまでは、ステップS72→ステップS73→ステップS75→ステップS81の流れが繰り返され、ステップS75のN1≦Nlimitが成立すると、ステップS77→ステップS78→ステップS79へと進む流れとなり、ステップS77では、ステップS71にて算出されたエンジン動作点(Ne,Te)が最新のエンジン回転数NeとエンジントルクTeに書き換えられ、最終的なエンジン動作点として決定される。
【0102】
次に、効果を説明する。
第3実施例のハイブリッド車のモータ過回転防止制御装置にあっては、第1実施例の効果に加え、下記の効果を得ることができる。
【0103】
(9) エンジン動作点補正ステップS90は、モータ回転速度上限値判断ステップS73により第2モータ回転速度N2が上限値Nlimitを超えると判断された場合、その時のエンジン回転数Neの設定を、エンジン回転数補正量△Neだけ大きく補正し、最適燃費線に沿ってエンジントルクTeを△Teだけ補正し、モータ回転速度算出ステップS72に入力するエンジン回転数Neを書き換えるようにしたため、エンジン動作点(Ne,Te)が最適燃費線上に存在し、燃費性能を低下させることなくモータ動作点(N1,T1,N2,T2)を決めることができる。
【0104】
(10) エンジン動作点補正ステップS81は、モータ回転速度上限値判断ステップS75により第1モータ回転速度N1が上限値Nlimitを超えると判断された場合、その時のエンジン回転数Neの設定を、エンジン回転数補正量△Neだけ小さく補正し、最適燃費線に沿ってエンジントルクTeを△Teだけ補正し、モータ回転速度算出ステップS72に入力するエンジン回転数Neを書き換えるようにしたため、エンジン動作点(Ne,Te)が最適燃費線上に存在し、燃費性能を低下させることなくモータ動作点(N1,T1,N2,T2)を決めることができる。
【0105】
以上、本発明のハイブリッド車のモータ過回転防止制御装置を第1実施例〜第3実施例に基づき説明してきたが、具体的な構成については、この第1実施例〜第3実施例に限られるものではなく、特許請求の範囲の各請求項に係る発明の要旨を逸脱しない限り、設計の変更や追加等は許容される。
【0106】
第1実施例〜第3実施例では、第1モータジェネレータと第2モータジェネレータとして、共通ステータと2つのロータにより外観上は1つのモータジェネレータであるが、機能上は2つのモータジェネレータを達成する同軸多層モータ2の適用例を示したが、2つの独立したモータまたはモータジェネレータを用いたものであっても良い。
【0107】
第1実施例〜第3実施例では、歯車機構として、ラビニョウ型複合遊星歯車列3の適用例を示したが、エンジンと第1モータと第2モータと出力部材との4要素を、共線図上で第1モータ、エンジン、出力部材、第2モータの回転速度順になるように連結できる歯車機構であれば、ラビニョウ型複合遊星歯車列3に限られることはない。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施例のハイブリッド車のモータ過回転防止制御装置が適用されたハイブリッドシステムの全体図である。
【図2】第1実施例装置が適用されたハイブリッドシステムの概略ブロック図である。
【図3】共線図上でモータ1、エンジン、出力軸、モータ2の回転速度順となる2自由度4要素の歯車機構を示す剛体レバー図である。
【図4】共線図上でモータ1、エンジン、出力軸、モータ2の回転速度順となる2自由度4要素の歯車機構のトルクバランスを示す図である。
【図5】エンジン動作点とモータ動作点を決定する基本フローを示す図である。
【図6】基本フローによるエンジン動作点とモータ動作点を示す共線図である。
【図7】第1実施例装置のハイブリッドコントローラにて実行されるエンジン動作点とモータ動作点の決定処理の流れを示すフローチャートである。
【図8】第1実施例装置でモータ回転速度が過回転になるときの過回転防止制御作用を説明する共線図である。
【図9】第2実施例装置のハイブリッドコントローラにて実行されるエンジン動作点とモータ動作点の決定処理の流れを示すフローチャートである。
【図10】第3実施例装置のハイブリッドコントローラにて実行されるエンジン動作点とモータ動作点の決定処理の流れを示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 エンジン(主動力源)
2 同軸多層モータ(第1モータと第2モータ)
3 ラビニョウ型複合遊星歯車列(歯車機構)
4 出力ギヤ(出力部材)
5 カウンターギヤ
6 ドライブギヤ
7 ディファレンシャル
8,8 ドライブシャフト
9 モータ&ギヤケース
10 エンジン出力軸
11 第1モータジェネレータ出力軸(第1モータ出力軸)
12 第2モータジェネレータ出力軸(第2モータ出力軸)
13 モータ室
14 ギヤ室
15 クラッチ
16 ブレーキ
21 エンジンコントローラ
22 スロットルバルブアクチュエータ
23 モーターコントローラ
24 インバータ
25 バッテリ
26 ハイブリッドコントローラ
27 アクセル開度センサ
28 車速センサ(出力回転数検出手段)
29 モータ温度センサ
30 エンジン回転数センサ

Claims (9)

  1. 主動力源と第1モータと第2モータと出力部材との4要素が、共線図上で第1モータ、主動力源、出力部材、第2モータの回転速度順になるように連結された歯車機構を有するハイブリッド駆動系を搭載したハイブリッド車において、
    前記出力部材の回転数を検出する出力回転数検出手段と、
    前記主動力源の動作点が最適エネルギ効率線上にくるように主動力源回転数と主動力源トルクによる主動力源の動作点を算出する主動力源動作点算出手段と、
    主動力源回転数と出力回転数により設定された変速比に基づいて、第1モータと第2モータの回転速度を算出するモータ回転速度算出手段と、
    前記モータ回転速度算出手段にて算出されたモータ回転速度が上限値以下か否かを判断するモータ回転速度上限値判断手段と、
    前記モータ回転速度上限値判断手段によりモータ回転速度が上限値を超えると判断された場合、モータ回転速度を低下させるように主動力源回転数を補正し、前記モータ回転速度算出手段に入力する主動力源回転数を書き換える主動力源動作点補正手段と、
    前記モータ回転速度上限値判断手段によりモータ回転速度が上限値以下と判断された場合、その判断時の主動力源回転数と主動力源トルクにより主動力源の動作点を決定する主動力源動作点決定手段と、
    前記主動力源動作点決定手段により決定された主動力源の動作点に基づいて、モータ回転速度とモータトルクによるモータ動作点を決定するモータ動作点決定手段と、
    を有するモータ過回転防止制御手段を設けたことを特徴とするハイブリッド車のモータ過回転防止制御装置。
  2. 請求項に記載されたハイブリッド車のモータ過回転防止制御装置において、
    前記主動力源動作点補正手段は、モータ回転速度上限値判断手段により第2モータ回転速度が上限値を超えると判断された場合、主動力源トルクはそのままで、主動力源回転数のみを高回転数側に補正し、モータ回転速度算出手段に入力する主動力源回転数を書き換えることを特徴とするハイブリッド車のモータ過回転防止制御装置。
  3. 請求項または請求項2に記載されたハイブリッド車のモータ過回転防止制御装置において、
    前記主動力源動作点補正手段は、モータ回転速度上限値判断手段により第1モータ回転速度が上限値を超えると判断された場合、主動力源トルクはそのままで、主動力源回転数のみを低回転数側に補正し、モータ回転速度算出手段に入力する主動力源回転数を書き換えることを特徴とするハイブリッド車のモータ過回転防止制御装置。
  4. 請求項に記載されたハイブリッド車のモータ過回転防止制御装置において、
    前記主動力源動作点補正手段は、モータ回転速度算出手段により算出された第2モータ回転速度が上限値を超えると判断された場合、主動力源回転数を高回転数側に補正すると共に、等パワー線に沿って主動力源トルクを低トルク側に補正し、モータ回転速度算出手段に入力する主動力源回転数を書き換えることを特徴とするハイブリッド車のモータ過回転防止制御装置。
  5. 請求項または請求項2に記載されたハイブリッド車のモータ過回転防止制御装置において、
    前記主動力源動作点補正手段は、モータ回転速度算出手段により算出された第1モータ回転速度が上限値を超えると判断された場合、主動力源回転数を低回転数側に補正すると共に、等パワー線に沿って主動力源トルクを高トルク側に補正し、モータ回転速度算出手段に入力する主動力源回転数を書き換えることを特徴とするハイブリッド車のモータ過回転防止制御装置。
  6. 請求項に記載されたハイブリッド車のモータ過回転防止制御装置において、
    前記主動力源動作点補正手段は、モータ回転速度算出手段により算出された第2モータ回転速度が上限値を超えると判断された場合、主動力源回転数を高回転数側に補正すると共に、最適エネルギ効率線に沿って主動力源トルクを補正し、モータ回転速度算出手段に入力する主動力源回転数を書き換えることを特徴とするハイブリッド車のモータ過回転防止制御装置。
  7. 請求項または請求項2に記載されたハイブリッド車のモータ過回転防止制御装置において、
    前記主動力源動作点補正手段は、モータ回転速度算出手段により算出された第1モータ回転速度が上限値を超えると判断された場合、主動力源トルクを高トルク側に補正すると共に、最適エネルギ効率線に沿って主動力源回転数を補正し、モータ回転速度算出手段に入力する主動力源回転数を書き換えることを特徴とするハイブリッド車のモータ過回転防止制御装置。
  8. 請求項1ないし請求項の何れか1項に記載されたハイブリッド車のモータ過回転防止制御装置において、
    前記主動力源はエンジンであり、前記第1モータは第1モータジェネレータであり、前記第2モータは第2モータジェネレータであり、
    前記第1モータジェネレータと第2モータジェネレータは、コイルを巻いた固定電機子としてのステータと、ステータの外側に配置し、永久磁石を埋設したアウターロータと、ステータの内側に配置し、永久磁石を埋設したインナーロータと、ステータのコイルに接続され、インナーロータへの駆動電流とアウターロータへの駆動電流とを複合させた複合電流を作り出すインバータと、該インバータに接続されたバッテリと、を備えた同軸多層モータであることを特徴とするハイブリッド車のモータ過回転防止制御装置。
  9. 請求項1ないし請求項の何れか1項に記載されたハイブリッド車のモータ過回転防止制御装置において、
    前記歯車機構を、互いに噛み合う第1ピニオンと第2ピニオンを支持する共通キャリヤと、第1ピニオンに噛み合う第1サンギヤと、第2ピニオンに噛み合う第2サンギヤと、第2ピニオンに噛み合う第2リングギヤとの4つの回転要素を有するラビニョウ型複合遊星歯車列とし、
    前記第2リングギヤと主動力源出力軸とをクラッチを介して連結し、前記第1サンギヤと第1モータ出力軸とを連結し、前記第2サンギヤと第2モータ出力軸とを連結し、前記共通キャリヤに出力部材を連結することにより、共線図上で第1モータ、主動力源、出力部材、第2モータの回転速度順になるように連結したことを特徴とするハイブリッド車のモータ過回転防止制御装置。
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