JP3981253B2 - ワイヤハーネスの製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明はワイヤーハーネスの製造方法に関し、さらに詳しくは、一端側が電気接続箱などに接続されるとともに、中間部に接続を変換する変換ボックスを備えるワイヤハーネスのサブアッセンブリーの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、ワイヤハーネスとしては、例えば自動車のドアやインスツルメントパネル内などの空間に電気配線として用いられる。図3に示すように、ジャンクションボックス1と、例えばパワーウインドモータ、集中ドアロック用ソレノイドなどの電装品2、3、4とを接続する場合に、複数の電線5、6、7、8、9などを備えるワイヤハーネス10を用いている。また、このワイヤハーネス10の中間部には、適宜ジャンクションコネクタ11が用いられている。なお、図4は、このワイヤハーネス10を構成するサブアッセンブリ11を示している。このサブアッセンブリー11は、一端側のコネクタ14に、ハーネス12、13が分岐するように接続され、ハーネス12、13の他端側にコネクタ15、16が設けられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記した従来技術では、図3に示したように、電装品2、3、4に対して、ワイヤハーネス10側の端子ピン配列の指定が困難であるため、ワイヤハーネスの自動化生産が困難であった。特に、図3に示すように、ワイヤハーネス10とジャンクションボックス1とを接続するコネクタ10Aの端子配列と、電装品2、3、4に接続するコネクタ10B、10C、10Dの端子ピン配列は、大幅に異なっている。そして、ワイヤハーネス10の製造方法を容易にするために、例えば図4に示すようなサブアッセンブリを検討、成立させるために要する設計時間が長期化するという問題点を有している。また、図3に示すワイヤハーネス10では、電線同士が錯綜しているため、誤配線を招く虞れがあった。
【0004】
そこで、本発明の目的は、製造が容易で自動化生産が可能であると共に、端子嵌め違いなどの発生を防止して品質向上を図ることができ、しかも車種や規格の異なるシステム間でも使用できる汎用性の高いワイヤーハーネスのサブアッセンブリの製造方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、一対の長尺の多極切断用コネクタ同士を所定間隔を隔てて平行をなすように配置した後、複数の電線を前記一対の多極切断用コネクタに亙るように載置、接続させ、前記一対の多極切断用コネクタを所定の位置で切断して、複数の電線群を有するワイヤーハーネスに分割、作成し、前記ワイヤーハーネスは、配線配列を変換する変換ボックスに、前記多極切断用コネクタの分割された部分で接続されることを特徴とするワイヤーハーネスの製造方法。
【0006】
このような請求項1記載のワイヤーハーネスの製造方法では、所望数の電線群を有し、且つ両端にコネクタを備えるワイヤーハーネスを容易かつ確実に製造することができ、製造コストを低減させることができる。
また、配線配列を変換する変換ボックスに簡単な構造のワイヤーハーネスを接続することで、複雑な回路構成のワイヤーハーネス完成品を容易に作成することができる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係るワイヤハーネスの製造方法の詳細を図面に示す各実施形態に基づいて説明する。なお、ワイヤハーネスの製造方法の説明に先駆けてワイヤハーネスの構成を説明する。
【0010】
図1は本発明に係るワイヤハーネス20を示す説明図である。このワイヤハーネス20は、それぞれ複数の電線21を備えてなるパラレルサブハーネス22、23、24と、変換ボックス25と、これらパラレルサブハーネス22、23、24が分岐線となるパラレルハーネス26とから大略構成されている。
【0011】
パラレルサブハーネス22、23、24は、それぞれ固有の数の電線21が平行に並べられて、これらの電線21を可撓性を有する電気絶縁体で一体的に被覆してなるフラットケーブル状のものである。そして、パラレルサブハーネス22の両端には、互いに同一の端子ピン配列のコネクタ22A、22Bが設けられている。同様に、パラレルサブハーネス23、24においても、それぞれの両端にコネクタ23A、23B、24A、24Bが設けられている。なお、コネクタ22A、23A、24Aは、図1に示すように電装機器34、35、37に接続されるようになっている。
【0012】
変換ボックス25は、図1に示すように、内部に所望パターンの複数のパターン配線27が設けられている。この変換ボックス25は、具体的には例えば偏平な絶縁樹脂ボックス内に、所望のパターン配線が印刷されたプリント配線基板などが収納され、絶縁樹脂ボックスの上が蓋で閉塞されている。また、絶縁樹脂ボックスの側部にパラレルサブハーネス22、23、24のコネクタ22B、23B、24Bや、パラレルハーネス26側のコネクタと結合するボックス側コネクタ部が設けられている。
【0013】
パラレルハーネス26は、パラレルサブハーネス22、23、24が変換ボックス25を介して接続されるケーブルであり、図1に示すように一端側に変換ボックス25に接続されるコネクタ26Aと他端側にジャンクションボックス33に接続されるコネクタ26Bが設けられている。
【0014】
このような構成のワイヤハーネス20では、パラレルサブハーネス22、23、24を複数用意することで、変換ボックス25にこれらパラレルサブハーネス22、23、24を単純に接続するだけで所定の配索パターンを備えるワイヤハーネス20を実現することができる。また、本実施形態では、変換ボックス25内の配線パターンを適宜変更することにより、車種や規格の異なるシステム間でも使用でき汎用性を高めることができる。
【0015】
また、パラレルサブハーネス22、23、24の両端の端子ピン配列が同一となるため、自動化生産を容易に行うことができる。
【0016】
次に、本実施形態に係るワイヤハーネスのサブアッセンブリであるパラレルサブハーネスの製造方法について図2を用いて説明する。
【0017】
(イ) まず、図2(a)に示すように、長尺の多極切断タイプコネクタ40、41を用意して、所定間隔に平行に配置する。
【0018】
(ロ) 次に、これら多極切断タイプコネクタ40、41に亙って複数の電線42を平行をなすように布線し、圧接又は圧着して多極切断タイプコネクタ40、41に接続する。
【0019】
(ハ) その後、図2(b)に示すように、所定本数の電線42の群をなすように図中符号CLで示すラインで多極切断タイプコネクタ40、41を切断して複数(本実施形態では3つ)に分割する。この結果、複数のパラレルサブハーネス43の製造が完了する。
【0020】
なお、この製造方法では、同一のパラレルサブハーネス43を複数製造する場合について説明したが、電線42の本数や、太さ、特性などが異なる電線群でなるパラレルサブハーネスを製造してもよい。
【0021】
このような製造方法により、ワイヤハーネスのサブアッセンブリとしての複数のパラレルサブハーネスを一括して作成することができる。この結果、ワイヤハーネスの低コスト化を図ることができる。
【0022】
以上、実施形態について説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、構成の要旨に付随する各種の変更が可能である。
【0023】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、請求項1記載の発明によれば、所望数の電線群を有し、且つ両端にコネクタを備えるワイヤーハーネスを容易かつ確実に製造することができ、製造コストを低減させる効果がある。
また、配線配列を変換する変換ボックスに簡単な構造のワイヤーハーネスを接続することで、複雑な回路構成のワイヤーハーネス完成品を容易に作成できるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るワイヤハーネスの実施形態であるワイヤハーネス完成品を示す説明図である。
【図2】(a)及び(b)は、実施形態に係るパラレルサブハーネスの製造工程を示す斜視図である。
【図3】従来のワイヤハーネスを示す説明図である。
【図4】従来のサブワイヤハーネスを示す平面図である。
【符号の説明】
21、42 電線
22、23、24、43 パラレルサブハーネス
25 変換ボックス
40、41 多極切断タイプコネクタ
Claims (1)
- 一対の長尺の多極切断用コネクタ同士を所定間隔を隔てて平行をなすように配置した後、複数の電線を平行に、かつ前記一対の多極切断用コネクタに亙るように載置、接続させ、前記一対の多極切断用コネクタを所定の位置で切断して、複数の電線群を有するワイヤーハーネスに分割、作成し、前記ワイヤーハーネスは、配線配列を変換する変換ボックスに、前記多極切断用コネクタの分割された部分で接続されることを特徴とするワイヤーハーネスの製造方法。
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