JP3980381B2 - 車載通信装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、保持したマップにより受信チャネルをサーチし、最大となる受信電力強度から受信チャネルを特定する車載通信装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の車載通信装置について説明する。例えば、特開2000−307506号公報に示された従来の車載通信装置について説明する。
【0003】
従来の車載通信装置は、一定の検出時間ごとに受信するチャネルを切り替えながら受信待機し、路側機からの送信周波数をサーチしている。
【0004】
このような車載通信装置にあっては、FCMの送信周期が一定時間ごとであるため、予め使用するチャネルが限られている自動料金徴収システムのような場合は、問題がないと思われる。
【0005】
しかしながら、使用されるチャネルが限定されない通信運用では、FCMごとのチェックしかできないため、1チャネルごとにFCMのチェックを行わなければならず、チャネルサーチに時間がかかるという欠点があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上述したような従来の車載通信装置では、チャネルサーチに時間がかかるという問題点があった。
【0007】
この発明は、前述した問題点を解決するためになされたもので、どの受信チャネルが使用されていても即時に受信チャネルを特定することができる車載通信装置を得ることを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
この発明に係る車載通信装置は、狭域通信システムの路側機から送信されてくる電波を受信するアンテナと、前記アンテナからの受信信号のうち希望波以外の信号を減衰させるRF帯域通過フィルタと、前記希望波を増幅するRFアンプと、前記増幅された希望波を局部発振器の出力に基づいて低域の周波数に変換するミキサと、前記ミキサからの希望波を選択するIF帯域通過フィルタと、1チャネルの受信エネルギーに制限された希望波を電圧信号に変換する受信電力強度モニタと、前記電圧信号をデジタル信号に変換するADコンバータと、ナビゲーション装置で使用されるアプリケーション毎にサーチするチャネルの優先順位をそれぞれ格納する複数のチャネルサーチマップと、前記局部発振器を制御する周波数シンセサイザと、外部設定スイッチまたはナビゲーション装置によって選択されたチャネルサーチマップに格納されたチャネルの優先順位に基づいて受信チャネルを特定するCPUと、前記受信電力強度モニタからの電圧信号に基づいてデータ復調するASK復調部と、前記受信電力強度モニタからの電圧信号に基づいてデータ復調するPSK復調部と、前記ASK復調部及び前記PSK復調部からの復調されたビット列に基づいて同期確立、及びユニークワードを検出した場合には、受信チャネルを確定し、前記CPUに対して受信チャネルが確定したことを通知する通信処理部とを備えたものである。
【0014】
また、この発明に係る車載通信装置は、ランプデータを生成するランプ制御部と、前記ランプデータをアナログのランプ信号に変換するDAコンバータと、前記ランプ信号を前記局部発振器の制御電圧とするセレクタとをさらに備えたものである。
【0015】
さらに、この発明に係る車載通信装置は、狭域通信システムの路側機から送信されてくる電波を受信するアンテナと、前記アンテナからの受信信号のうち希望波以外の信号を減衰させるRF帯域通過フィルタと、前記希望波を増幅するRFアンプと、前記増幅された希望波を局部発振器の出力に基づいて低域の周波数に変換するミキサと、前記ミキサに接続されたチャネルサーチ系と、前記ミキサに接続されたデータ復調系と、ナビゲーション装置で使用されるアプリケーション毎にサーチするチャネルの優先順位をそれぞれ格納する複数のチャネルサーチマップと、前記局部発振器を制御する周波数シンセサイザと、外部設定スイッチまたはナビゲーション装置によって選択されたチャネルサーチマップに格納されたチャネルの優先順位に基づいて前記周波数シンセサイザの周波数を設定し、前記チャネルサーチ系の出力に基づいて受信チャネルを特定するCPUと、前記受信電力強度モニタからの電圧信号に基づいてデータ復調するASK復調部と、前記受信電力強度モニタからの電圧信号に基づいてデータ復調するPSK復調部と、前記ASK復調部及び前記PSK復調部からの復調されたビット列に基づいて同期確立、及びユニークワードを検出した場合には、受信チャネルを確定し、前記CPUに対して受信チャネルが確定したことを通知する通信処理部とを備え、前記チャネルサーチ系は、所定の周波数以下の信号を抽出するIF低域通過フィルタと、前記所定の周波数以下の信号データを取り込む高速ADコンバータと、前記高速ADコンバータの出力に基づいて周波数解析する周波数解析部とを有するものである。
【0016】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
この発明の実施の形態1に係る車載通信装置について図面を参照しながら説明する。図1は、この発明の実施の形態1に係る車載通信装置の構成を示す図である。なお、各図中、同一符号は同一又は相当部分を示す。
【0017】
図1において、1はアンテナ、2はRF帯域通過フィルタ(RFBPF)、3は増幅器であるRFアンプ、4は周波数変換器であるミキサ、5は局部発振器用周波数シンセサイザ(SYNTH)、6はIF帯域通過フィルタ(IFBPF)、7は受信電力強度モニタ(RSSI:Received Signal Strength Indicator:受信信号強度表示信号)、8はアナログ信号からデジタル信号への変換を行うADコンバータ(ADC)、9はチャネルサーチ制御を行うCPU、10は局部発振器(LO)、11はチャネルサーチマップである。
【0018】
図1に示すように、CPU9内のメモリ等を利用して複数のチャネルサーチマップ11を設けた。このチャネルサーチマップ11は、『自動料金徴収』、『走行支援』、あるいは『情報収集』等のアプリケーション毎に用意し、アプリケーションによるチャネル優先度を規定している。
【0019】
つぎに、この実施の形態1に係る車載通信装置の動作について図面を参照しながら説明する。
【0020】
図5は、チャネルサーチマップの例を示す図である。CPU9内のメモリアドレスに受信チャネルを割当て、順次メモリアドレスをインクリメントする。図5(a)に示すマップ1と同図(d)に示すマップ4は、順序が逆なため、メモリ節約等の観点から、マップ4はマップ1のメモリアドレスをデクリメントしてもよい。また、割当てたメモリアドレスの最初からサーチしてもよいし、前回受信したチャネルからサーチしてもよい。
【0021】
この車載通信装置によれば、サーチするチャネルの優先順位をアプリケーション毎に決めることができる。車載通信装置単独では、外部設定スイッチ(図示せず)等で対応アプリケーションの切り替えを行い、CPU9がチャネルサーチマップ11を切り替える。
【0022】
車載通信装置がナビゲーション装置と接続した場合は、ナビゲーション装置からの指示によりCPU9がチャネルサーチマップ11を切り替える。この車載通信装置は、ナビゲーション装置との接続運用が効果的で、ナビゲーション装置にアクセスしているドライバからの指示を反映することができる。加えて、ナビゲーション装置は、車両の位置あるいは動態を把握しているため、どのアプリケーションが最適か判定できる。この判定にしたがって、チャネルサーチマップ11を切り替えるように指示ができる。
【0023】
チャネルサーチマップ11は、全チャネルをサーチ設定する必要がなく、アプリケーションに応じてサーチするチャネルを限定してよい。
【0024】
チャネルサーチの動作は、次の通りである。アンテナ1は、路側機から送信されてくる電波(希望波)を受信し、RF帯域通過フィルタ2は、希望波以外の電波を減衰させる。RFアンプ3は、希望波を増幅する。ミキサ4は、増幅された希望波を検波しやすい低域の周波数に変換する。
【0025】
次に、IF帯域通過フィルタ6は、希望波をさらに選択するためのフィルタであって、1チャネルの帯域幅を有している。このIF帯域通過フィルタ6により近傍のチャネルの影響を除去することができる。
【0026】
次に、受信電力強度モニタ7は、1チャネルの受信エネルギーに制限された希望波を電圧信号に変換する。この電圧信号は、希望波を受信した電力強度に比例している。
【0027】
次に、ADコンバータ8は、この電圧信号をデジタル信号に変換して、CPU9で演算処理する。このADコンバータ8は、1ビットコンパレータから16ビット程度の分解能有しており、CPU9に内蔵してもよい。
【0028】
CPU9の処理手順は、次の通りである。CPU9は、外部設定スイッチやナビゲーション装置等から指示されるチャネルサーチマップ11により規定したチャネルで局部発振器用周波数シンセサイザ5の周波数設定を行う。
【0029】
路側機から希望波が到来している場合、受信電力強度モニタ7の電圧が上昇する。電圧値が所望の基準値以上であれば、設定周波数が通信チャネルとして通信処理を続行する。
【0030】
一方、路側機から希望波が到来していない場合、受信電力強度モニタ7の電圧は上昇せず、加えて所望の基準値にも達しないため、CPU9は、設定周波数が通信チャネルではないと判定して、チャネルサーチマップ11にしたがって次の周波数に設定する。
【0031】
順次、周波数を切り替えて、受信電力強度モニタ7の電圧値が所望の基準値に達するまで繰り返す。
【0032】
車載通信装置は、これらの手順を繰り返すことで、確実に路側機が使用している通信チャネルに到達することができる利点がある。
【0033】
この実施の形態1は、道路あるいは道路周辺施設等に設置された路側機(路側無線装置、またはRSU)と、自動車内に設置された車載通信装置(車載無線装置、またはOBU)とによる狭域通信(DSRC)システムの路側機から提供されている通信チャネルを車載通信装置が独立にサーチする方法において、車載通信装置の受信チャネルをサーチする順序を示したチャネルサーチマップ11を保持し、そのマップ11にしたがって車載通信装置の通信チャネルを切り換えて、最大となる受信電力強度から受信チャネルを特定する。この構成により、受信を意図する特定のチャネルに優先順位をつけてアクセスすることができる。
【0034】
また、チャネルサーチマップ11を特定のアプリケーション毎に複数持つものである。従って、車両あるいはドライバが使用しているアプリケーションにより、チャネルサーチの優先度が特定できる。
【0035】
また、車載通信装置にドライバが選択できる外部設定スイッチ等を設け、ドライバが意図しているアプリケーションのチャネルを優先的にサーチするものである。従って、ドライバの指示により、ドライバが要求している受信チャネルを特定できる。
【0036】
さらに、ナビゲーション装置が車両の現在位置情報を基に車載通信装置に受信待機チャネル情報を支持することより路側機の通信チャネルをサーチするものである。従って、車両の位置あるいはナビゲーションが使用しているアプリケーションにより使用を予定している受信チャネルを即時に特定できる。
【0037】
実施の形態2.
この発明の実施の形態2に係る車載通信装置について説明する。
【0038】
上記の実施の形態1では、アプリケーション毎に複数のチャネルサーチマップ11を保持しているが、この実施の形態2では、チャネルサーチマップを一つとしたものである。このチャネルサーチマップには、アプリケーション毎のチャネル情報を格納している。
【0039】
アプリケーションに応じてチャネルサーチマップの読み出し位置(アドレス)を切り替え、サーチを開始する先頭チャネルを切り替える。従って、メモリ等を節約できる効果がある。
【0040】
この実施の形態2は、道路あるいは道路周辺施設等に設置された路側機(路側無線装置、またはRSU)と、自動車内に設置された車載通信装置(車載無線装置、またはOBU)とによる狭域通信(DSRC)システムの路側機から提供されている通信チャネルを車載通信装置が独立にサーチする方法において、単独のチャネルサーチマップ11として、サーチを開始する位置をアプリケーションで切り替えるものである。単独のマップとなるため、メモリを節約できる。
【0041】
実施の形態3.
この発明の実施の形態3に係る車載通信装置について図面を参照しながら説明する。図2は、この発明の実施の形態3に係る車載通信装置の構成を示す図である。
【0042】
図1において、通信チャネルが搬送波のみであった場合、あるいは妨害波が搬送波と同一周波数帯であった場合の受信電力強度モニタ(RSSI)7の検出電圧では判定できない可能性がある。そこで、図2においては、ASK復調部12、PSK復調部13、および通信処理部14を設ける。
【0043】
つぎに、この実施の形態3に係る車載通信装置の動作について図面を参照しながら説明する。
【0044】
受信電力強度モニタ7の電圧で得られたチャネルのデータ受信をASK復調部12およびPSK復調部13でデータ復調する。つまり、ASK復調部12は、周波数変換した受信信号から受信電力強度モニタ(RSSI)により、AM変調成分を抽出して、そのRSSI出力をA/D変換する。その後、デジタルフィルタ等で処理し、波形整形を行ってデータ再生する。PSK復調部13は、周波数変換した受信信号をリミッタアンプ等で振幅変動成分を除去し、そのリミッタ出力をA/D変換する。その後、デジタル処理によりPSK位相情報を抽出し、データ再生する。復調されたビット列によって、通信処理部14で同期確立、ユニークワードの検出等を行えれば、この時点でチャネルを確定する。CPU9に対して、チャネル確定したことを通知する。この通信処理部14は、ARIBで規定された通信プロトコル処理を行う部分である。路側器から提供される通信サービスに対して、リンク確立及びサービス確立を行うアソシエーションフェーズと通信スロット割付及びデータ交換を行う通信フェーズをもって、対応する。
【0045】
通知を受けたCPU9は、新たに周波数設定を変更することなく、データ処理を開始する。これによって、受信電力強度およびデータ確立の両条件を満足することで、さらに通信チャネルを確定する精度が向上する利点がある。
【0046】
この実施の形態3は、道路あるいは道路周辺施設等に設置された路側機(路側無線装置、またはRSU)と、自動車内に設置された車載通信装置(車載無線装置、またはOBU)とによる狭域通信(DSRC)システムの路側機から提供されている通信チャネルを車載通信装置が独立にサーチする方法において、通信チャネルの決定方法として、受信電力強度に加えて、復調されたデータの正誤判定を加えるものである。通信チャネルに類似の電波が混信した場合あるいは搬送波のみの場合に、混信電波あるいは搬送波のチャネルを回避することができる。
【0047】
実施の形態4.
この発明の実施の形態4に係る車載通信装置について図面を参照しながら説明する。図3は、この発明の実施の形態4に係る車載通信装置の構成を示す図である。
【0048】
図3においては、局部発振器用周波数シンセサイザ5に局部発振器10の制御電圧を選択することができるセレクタ15を設け、デジタル信号をアナログ信号に変換するDAコンバータ(DAC)16、ランプデータを生成するランプ制御部19を設けた。このDAコンバータ16は、CPU9に内蔵されていてもよい。このランプ制御部19は、局部発振器10の制御電圧を可変するためのランプ信号すなわち鋸歯状波を生成するための部分である。ランプ信号の傾き、周期、及び振幅を制御し、DAC16に対して繰り返し信号を与える。このランプ信号によって局部発振器10は、発振周波数が希望とする周波数範囲を希望とする速度で送信することができる。
【0049】
つぎに、この実施の形態4に係る車載通信装置の動作について図面を参照しながら説明する。
【0050】
CPU9から局部発振器用周波数シンセサイザ5へ周波数設定を行うと、セレクタ15は、周波数シンセサイザ5からの制御電圧信号をスルーして局部発振器10を制御する。ここで、CPU9は、セレクタ15を切換信号17によって外部からの制御電圧を受けるように設定する。ランプ制御部19で生成されたランプデータは、DAコンバータ16によってランプ信号18となって、局部発振器10の制御電圧となる。制御電圧となるランプ信号18によって、局部発振器10の周波数が掃印されるため、周波数シンセサイザ5を高速に切り替えたことと同等になり、さらに高速なチャネルサーチが行える利点がある。
【0051】
ランプ信号18の電圧範囲は、路側機が使用可能なチャネル間隔を最大取りうる範囲を掃印できるように設定するが、使用するチャネルサーチマップ11に応じて切り替えるものとする。また、ランプ信号18のランプ傾きの設定は、路側機からFCMが送出されるタイミングで同調する設定とするが、FCMを最初に捉まえるタイミングは、車載通信装置からみてランダムなためアプリケーション等に応じて可変するものとする。
【0052】
実施の形態5.
この発明の実施の形態5に係る車載通信装置について図面を参照しながら説明する。図4は、この発明の実施の形態5に係る車載通信装置の構成を示す図である。
【0053】
図4において、ミキサ4の後段に、チャネルサーチ系として、IF低域通過フィルタ(IFLPF)20、高速ADコンバータ(HSADC)21、および周波数解析部(FFT)22を設けた。また、IF帯域通過フィルタ6は、データ復調系としてミキサ4からの出力を分岐して、復調部7A及び通信処理部8Aにより別系統の受信処理できるようにした。すなわち、IF帯域通過フィルタ6は、周波数変換されたIF信号を中心周波数として2MHz以上10MHz以下の帯域を有する信号を通過させ、路側器から提供される通信情報を通過させることができる。また、復調部7Aは、図2のASK復調部12及びPSK復調部13を一体化した部分である。さらに、通信処理部8Aは、図2の通信処理部14と同様である。
【0054】
つぎに、この実施の形態5に係る車載通信装置の動作について図面を参照しながら説明する。
【0055】
まず、CPU9は、局部発振器用周波数シンセサイザ5を最も高い周波数のチャネルが受信できるように設定する。この設定によって、設定周波数以下の受信チャネルの信号は直流成分から設定受信周波数範囲に収まる。
【0056】
路側機からの搬送波の中心周波数は、5775MHzから5805MHzで、5MHz間隔で合計7チャネル想定されている。たとえば、局部発振器10を5815MHz、設定受信周波数を5775MHzに設定すると、IF受信周波数は40MHzとなる。したがって、5780MHzに対して35MHz、5785MHzに対して30MHz、5790MHzに対して25MHz、5795MHzに対して20MHz、5800MHzに対して15MHz、5805MHzに対して10MHzとなるスペクトルが発生する。
【0057】
よって、IF低域通過フィルタ20により40MHz以下の周波数を抽出して、40MHz以下の信号を高速ADコンバータ21で取り込む。次に、周波数解析部22により周波数解析すると、10MHzから40MHzの範囲でいずれかのチャネルのスペクトルを有している。これによって、路側機がどのチャネルを使用していても即座に抽出できる。ここで、スペクトルの振幅が基準値以上、たとえば−70から−60dBm以上であったと推定された場合に通信エリア内と判定し、抽出したスペクトルのチャネルを受信することができるように、車載通信装置のチャネルをCPU9は設定する。
【0058】
また、抽出されたスペクトルが複数得られた時は、チャネルサーチマップ11にしたがって優先順位があるチャネルからサーチし、通信チャネルを確保する。
【0059】
実施の形態6.
また、図4においては、チャネルサーチ系とデータ復調系の2系統を有しているが、データ復調系を省略してチャネルサーチ系のみとして、このチャネルサーチ系を用いてデータを復調させてもよい。
【0060】
チャネルスペクトルのサーチが完了した後、サーチしたスペクトルの周波数帯のみを抽出できるようなフィルタ処理をデジタルフィルタで実現し、帯域内の波形解析を行うことでデータを復調する。すなわち、高速ADC21により取り込んだ受信信号をFFT22でFFT解析して、通信チャネルを特定する。この特定されたスペクトルについて、デジタル処理してASKあるいはPSK成分を抽出し、データ再生し、通信処理を行う。
【0061】
【発明の効果】
この発明に係る車載通信装置は、以上説明したとおり、狭域通信システムの路側機から送信されてくる電波を受信するアンテナと、前記アンテナからの受信信号のうち希望波以外の信号を減衰させるRF帯域通過フィルタと、前記希望波を増幅するRFアンプと、前記増幅された希望波を局部発振器の出力に基づいて低域の周波数に変換するミキサと、前記ミキサからの希望波を選択するIF帯域通過フィルタと、1チャネルの受信エネルギーに制限された希望波を電圧信号に変換する受信電力強度モニタと、前記電圧信号をデジタル信号に変換するADコンバータと、ナビゲーション装置で使用されるアプリケーション毎にサーチするチャネルの優先順位をそれぞれ格納する複数のチャネルサーチマップと、前記局部発振器を制御する周波数シンセサイザと、外部設定スイッチまたはナビゲーション装置によって選択されたチャネルサーチマップに格納されたチャネルの優先順位に基づいて受信チャネルを特定するCPUと、前記受信電力強度モニタからの電圧信号に基づいてデータ復調するASK復調部と、前記受信電力強度モニタからの電圧信号に基づいてデータ復調するPSK復調部と、前記ASK復調部及び前記PSK復調部からの復調されたビット列に基づいて同期確立、及びユニークワードを検出した場合には、受信チャネルを確定し、前記CPUに対して受信チャネルが確定したことを通知する通信処理部とを備えたので、通信チャネルに類似の電波が混信した場合あるいは搬送波のみの場合に、混信電波あるいは搬送波のチャネルを回避することができるという効果を奏する。
【0067】
また、この発明に係る車載通信装置は、以上説明したとおり、ランプデータを生成するランプ制御部と、前記ランプデータをアナログのランプ信号に変換するDAコンバータと、前記ランプ信号を前記局部発振器の制御電圧とするセレクタとをさらに備えたので、周波数シンセサイザーチャネル切り換え時間より高速にチャネルを切り換えることができ、路側機が使用している通信チャネルを特定できるという効果を奏する。
【0068】
さらに、この発明に係る車載通信装置は、以上説明したとおり、狭域通信システムの路側機から送信されてくる電波を受信するアンテナと、前記アンテナからの受信信号のうち希望波以外の信号を減衰させるRF帯域通過フィルタと、前記希望波を増幅するRFアンプと、前記増幅された希望波を局部発振器の出力に基づいて低域の周波数に変換するミキサと、前記ミキサに接続されたチャネルサーチ系と、前記ミキサに接続されたデータ復調系と、ナビゲーション装置で使用されるアプリケーション毎にサーチするチャネルの優先順位をそれぞれ格納する複数のチャネルサーチマップと、前記局部発振器を制御する周波数シンセサイザと、外部設定スイッチまたはナビゲーション装置によって選択されたチャネルサーチマップに格納されたチャネルの優先順位に基づいて前記周波数シンセサイザの周波数を設定し、前記チャネルサーチ系の出力に基づいて受信チャネルを特定するCPUと、前記受信電力強度モニタからの電圧信号に基づいてデータ復調するASK復調部と、前記受信電力強度モニタからの電圧信号に基づいてデータ復調するPSK復調部と、前記ASK復調部及び前記PSK復調部からの復調されたビット列に基づいて同期確立、及びユニークワードを検出した場合には、受信チャネルを確定し、前記CPUに対して受信チャネルが確定したことを通知する通信処理部とを備え、前記チャネルサーチ系は、所定の周波数以下の信号を抽出するIF低域通過フィルタと、前記所定の周波数以下の信号データを取り込む高速ADコンバータと、前記高速ADコンバータの出力に基づいて周波数解析する周波数解析部とを有するので、全受信チャネルの電波を一括して分析することができ、どの受信チャネルが使用されていても即時に受信チャネルを特定でき、通信チャネルに類似の電波が混信した場合あるいは搬送波のみの場合に、混信電波あるいは搬送波のチャネルを回避することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1に係る車載通信装置の構成を示す図である。
【図2】 この発明の実施の形態3に係る車載通信装置の構成を示す図である。
【図3】 この発明の実施の形態4に係る車載通信装置の構成を示す図である。
【図4】 この発明の実施の形態5に係る車載通信装置の構成を示す図である。
【図5】 この発明の各実施の形態に係る車載通信装置のチャネルサーチマップの例を示す図である。
【符号の説明】
1 アンテナ、2 RF帯域通過フィルタ(RFBPF)、3 RFアンプ、4 ミキサ、5 局部発振器用周波数シンセサイザ(SYNTH)、6 IF帯域通過フィルタ(IFBPF)、7 受信電力強度モニタ(RSSI)、8 ADコンバータ(ADC)、9 CPU、10 局部発振器(LO)、11 チャネルサーチマップ、12 ASK復調部、13 PSK復調部、14 通信処理部、15 セレクタ、16 DAコンバータ(DAC)、19 ランプ制御部、20 IF低域通過フィルタ(IFLPF)、21 高速ADコンバータ(HSADC)、22 周波数解析部(FFT)。

Claims (3)

  1. 狭域通信システムの路側機から送信されてくる電波を受信するアンテナと、
    前記アンテナからの受信信号のうち希望波以外の信号を減衰させるRF帯域通過フィルタと、
    前記希望波を増幅するRFアンプと、
    前記増幅された希望波を局部発振器の出力に基づいて低域の周波数に変換するミキサと、
    前記ミキサからの希望波を選択するIF帯域通過フィルタと、
    1チャネルの受信エネルギーに制限された希望波を電圧信号に変換する受信電力強度モニタと、
    前記電圧信号をデジタル信号に変換するADコンバータと、
    ナビゲーション装置で使用されるアプリケーション毎にサーチするチャネルの優先順位をそれぞれ格納する複数のチャネルサーチマップと、
    前記局部発振器を制御する周波数シンセサイザと、
    外部設定スイッチまたはナビゲーション装置によって選択されたチャネルサーチマップに格納されたチャネルの優先順位に基づいて受信チャネルを特定するCPUと、
    前記受信電力強度モニタからの電圧信号に基づいてデータ復調するASK復調部と、
    前記受信電力強度モニタからの電圧信号に基づいてデータ復調するPSK復調部と、
    前記ASK復調部及び前記PSK復調部からの復調されたビット列に基づいて同期確立、及びユニークワードを検出した場合には、受信チャネルを確定し、前記CPUに対して受信チャネルが確定したことを通知する通信処理部と
    を備えたことを特徴とする車載通信装置。
  2. ランプデータを生成するランプ制御部と、
    前記ランプデータをアナログのランプ信号に変換するDAコンバータと、
    前記ランプ信号を前記局部発振器の制御電圧とするセレクタとをさらに備えた
    ことを特徴とする請求項1記載の車載通信装置。
  3. 狭域通信システムの路側機から送信されてくる電波を受信するアンテナと、
    前記アンテナからの受信信号のうち希望波以外の信号を減衰させるRF帯域通過フィルタと、
    前記希望波を増幅するRFアンプと、
    前記増幅された希望波を局部発振器の出力に基づいて低域の周波数に変換するミキサと、
    前記ミキサに接続されたチャネルサーチ系と、
    前記ミキサに接続されたデータ復調系と、
    ナビゲーション装置で使用されるアプリケーション毎にサーチするチャネルの優先順位をそれぞれ格納する複数のチャネルサーチマップと、
    前記局部発振器を制御する周波数シンセサイザと、
    外部設定スイッチまたはナビゲーション装置によって選択されたチャネルサーチマップに格納されたチャネルの優先順位に基づいて前記周波数シンセサイザの周波数を設定し、前記チャネルサーチ系の出力に基づいて受信チャネルを特定するCPUと、
    前記受信電力強度モニタからの電圧信号に基づいてデータ復調するASK復調部と、
    前記受信電力強度モニタからの電圧信号に基づいてデータ復調するPSK復調部と、
    前記ASK復調部及び前記PSK復調部からの復調されたビット列に基づいて同期確立、及びユニークワードを検出した場合には、受信チャネルを確定し、前記CPUに対して受信チャネルが確定したことを通知する通信処理部と
    を備え、
    前記チャネルサーチ系は、所定の周波数以下の信号を抽出するIF低域通過フィルタと、前記所定の周波数以下の信号データを取り込む高速ADコンバータと、前記高速ADコ ンバータの出力に基づいて周波数解析する周波数解析部とを有する
    ことを特徴とする車載通信装置。
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