JP3979718B2 - 測定チップ用液滴固定装置及び該固定装置を持つ測定チップ調製装置 - Google Patents

測定チップ用液滴固定装置及び該固定装置を持つ測定チップ調製装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、測定チップの表面に該表面との親和性が低い液滴を効果的に固定することのできる測定チップ用液滴固定装置及び該固定装置を持つ測定チップ調製装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
測定チップの表面に試料液などを滴下し、該試料液などを適宜の測定手段により観察し分析することは通常行われている。例えば、透光性の基板上に試料液を配置して光を照射し、反射光や透過光の屈折率や吸収率などの変量に基づき試料を分析することは行われており、具体例として、臨床検査などでの免疫反応を利用した各種検査法において、生理活性物質の変化を高感度に検出することのできる光学的分析方法、例えば表面プラズモン共鳴(SPR)を利用した光学的分析方法などが挙げられる。
【0003】
前記した表面プラズモン共鳴を利用した光学的分析方法の場合、光学的分析装置に用いられる測定チップは、一般的には、下から透光性基板、金属薄膜及び分析対象物に応じた生理活性物質を固定した固定膜とからなり、このような構成を有する測定チップが、光学的分析装置のプリズム上に透光性基板側が面するようにしてセットされる。試料液は、給液ポンプを利用して生理活性物質を固定した固定膜面に連続して送り込まれるか、試料液を収容したセルの液体面が固定膜に接触するようにされ、生理活性物質と分析対象物の相互作用を生じさせる(例えば、特公平5−2181号公報、特開昭63−75542号公報など参照)。また、固定膜に生理活性物質を固定化するには、固定化層を設けた基板を生理活性物質の濃厚溶液に浸漬するか、マイクロディスペンサーにより滴下する方法が取られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記のような、表面プラズモン共鳴を利用した光学的分析方法の場合には、透光性基板の裏面に照射する入射光と該金属薄膜からの反射光の光学的分析から必要な情報を得るものであり、測定チップを構成する透光性基板表面の金属膜上の生理活性物質はごく小面積であって良く、また、固定膜上に固定された生理活性物質上には極少量の試料液が存在すれば十分に目的が達せられる。しかし、固定化層を設けた基板を生理活性物質の濃厚溶液に浸漬する方法によって生理活性物質を固定化する方法は、大量の濃厚溶液を必要とする。また、前記公報に記載されるような方法により、生理活性物質と分析対象物の相互作用を生じさせる場合にも、大量の試料液の調製を必要とし、試料調製のために、時間的かつコスト的にロスが存在する。
【0005】
本発明者らは、微量の生理活性物質の濃厚溶液あるいは試料液を測定チップ表面、すなわち透光性基板表面の固定膜上に供与する手段として、従来知られたマイクロディスペンサーを用いて測定チップ表面に液滴を滴下することを試みた。しかし、測定チップ表面の親疎水性及び滴下する溶液の性質により、例えば、図8a〜図8cに示すように、マイクロディスペンサー10のニードル11先端から落下する液滴Pは、ニードル11先端の下方位置である基板20上の所定位置に留まらず、位置ずれを起こしてしまい、固定あるいは反応に必要とされる時間、所定の場所に液滴を保持しておくことが困難であることを経験した。特に、測定チップの表面が疎水表面を有し、そこに蛋白質溶液を滴下すると上記現象は起こりやすかった。多少位置ずれを起こしても所望の部位を覆うことができる量を滴下すれば、所要の分析を行うことは可能であるが、一般に蛋白質溶液は高価なものであり、量産レベルでは、大量滴下は可能な限り避けなければならない。
【0006】
対応策として、図9に示すように、液滴Pをマイクロディスペンサー10のニードル11の先端に形成しておき(図9a)、基板表面に溶液が接触しても尚溶液を射出して、所定量射出した後(図9b)に、ニードル11を引き上げる(図9c)方法を試みた。この手法により、滴下位置は比較的安定し、所要時間にわたり所定位置で液滴を保持することができ、微量での分析が可能となったが、マイクロディスペンサー側の制御が容易でなく、量産レベルの手法としては有効とはいえない。
【0007】
本発明の目的は、測定チップの表面に生理活性物質の濃厚溶液あるいは試料液のような液滴を滴下し、その場所に所定時間保持しておくことを必要とするような測定チップにおいて生じている上記のような不都合を解消することにあり、例えばマイクロディスペンサーのような適宜の液滴滴下手段により滴下した液滴を測定チップの表面に確実に保持固定することのでき、それにより、必要最小限の試料液量で所要の分析を確実に行うこと可能とする測定チップ用液滴固定装置及び該固定装置を持つ測定チップ調製装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するための本発明による測定チップ用液滴固定装置は、滴下した液滴を所定時間にわたり表面に保持しておくことを必要とする測定チップへの液滴固定装置であって、機枠と該機枠から下方に傾斜して延出するスティックとを有し、該スティックは測定チップへの液滴の滴下時にその先端が滴下された液滴の中に浸入できる状態とされていることを特徴とする。
【0009】
使用に際しては、上記測定チップ用液滴固定装置を、そのスティックの先端が測定チップ表面の液滴滴下位置に近接した状態となるようにして、液滴滴下装置と測定チップ表面との間にセットする。その状態で液滴滴下装置から液滴を滴下すると、測定チップ表面に滴下した液滴の中にスティック先端が位置した状態となり、液滴の移動は規制を受ける。その状態で、例えば、液滴(生理活性物質の濃厚溶液や試料液など)が測定チップ表面物質と所要の反応が進行するのを待ち、所定時間経過後に測定チップ用液滴固定装置を取り外して、測定チップを分析装置にセットし、所望の分析作業を行う。
【0010】
上記のようであり、本発明による測定チップ用液滴固定装置を用いることにより、測定チップ表面と試料液(液滴)との親和性がきわめて低い関係にある場合でも、所定の時間、測定チップの所定の表面位置に液滴を確実に保持しておくことが可能となり、必要最小限の液量で所要の分析を確実に行うことのできる測定チップを容易に調製することが可能となる。
スティックを垂直姿勢でなく下方に傾斜させた姿勢とするのは、上方からの液滴の落下を妨げないためであり、傾斜角度は任意である。
【0011】
好ましくは、スティックと滴下される液滴との親和性が、滴下される液滴と測定チップ表面との間の親和性よりも高くなるような材料により、スティックを構成する。例えば、測定チップが、下から透光性基板、金属薄膜及び分析対象物に応じた生理活性物質を固定すべき固定膜とからなるものであり、滴下する液滴が蛋白質溶液(生理活性物質)である場合には、スティックは、ステンレス、カーボン、ガラスなどのような材料で作ることが推奨される。スティックの直径は滴下する液量にも左右されるが、前記した表面プラズモン共鳴(SPR)を利用した光学的分析を行う測定チップを調製する場合には、0.2mm〜1.2mm程度のステンレス針が効果的であった。
【0012】
本発明の測定チップ用液滴固定装置において、好ましくは、機枠として可動機枠が用いられる。該可動機枠にスティックを取り付け、例えば、該機枠を一端を支点として90゜の角度で回動できるようにする、あるいは、選択的に上昇位置と下降位置を取ることができるようにする、などにより、液滴を固定すべき測定チップの表面に対して、少なくとも該スティックの先端が接近及び離間できるようにされる。このような構成とすることにより、連続しかつ画一的に測定チップ表面に液滴を保持固定することが容易となる。
【0013】
さらに好ましくは、複数個の測定チップに対して同時に作用することができるように、機枠に対して複数本のスティックを取り付けるようにする。この場合には、例えば、4列5段というように多数の測定チップを収容した測定チップケースに対して、同時にかつ画一的に試料液を固定することが容易となる。
【0014】
本発明は、さらに、一個又は複数個の測定チップと、上記した測定チップ用液滴固定装置と、測定チップの表面に液滴を滴下するマイクロディスペンサーとを少なくとも有することを特徴とする測定チップ調製装置をも開示している。マイクロディスペンサーを公知の制御装置を用いて3軸方向の移動制御と液滴の滴下制御を行うことにより、同時にかつ画一的に液滴の固定した測定チップを調製することができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、添付の図面を参照しながら、好ましい実施の形態に基づき本発明を詳細に説明する。なお、以下の説明は、光学的分析装置としての表面プラズモン共鳴を利用した免疫センサーに用いるのに好適な測定チップを例として説明するが、測定チップは、これに限らず、他の任意の分析装置に用いる測定チップをも包含する。
【0016】
表面プラズモン共鳴現象とは、ガラスなどの光学的に透明な物質と金属薄膜層との境界から反射された単色光の強度が、金属の出射側にある試料の屈折率に依存することによるものであり、従って、反射された単色光の強度を測定することにより、試料を分析することができる。その分析装置に用いる測定チップは、基本的に、透光性基板と、この基板の一面に形成された金属薄膜と、この金属薄膜の上に形成された生理活性物質を固定化する固定膜とから構成される。
【0017】
図1はその測定チップを説明するものであり、透光性基板1の上に金属薄膜2が配置され、その上に、生理活性物質4を固定する固定膜3が形成される。透光性基板1は、一般的にはガラスや、レーザー光に対して透明な材料からなるものであり、その厚さは0.1〜5mm程度である。
【0018】
金属薄膜2は、表面プラズモン共鳴が生じ得るようなものであればよく、金属の種類としては、金、銀、白金、銅、アルミニウムなどが挙げられ、それらを単独で又は組み合わせて使用することができる。また、前記透光性基板1への付着性を考慮して、透光性基板1と金、銀などからなる層との間にクロムなどからなる介在層が設けられる場合もある。金属薄膜2の膜厚は、100〜2000Åであるのが好ましく、通常、100〜500Å程度である。
【0019】
生理活性物質4は、分析対象物(例えば、抗原など)と相互作用し得るものであれば特に限定されず、例えば免疫蛋白質、酵素、微生物、細菌などが挙げられる。免疫蛋白質としては、例えば分析対象物を抗原とする抗体を使用することができる。抗体としても特に限定されることなく、種々の免疫グロブリン、即ちIgG、IgM、IgA、IgE、IgDを使用することができる。具体的には、分析対象物がヒト血清アルブミンであれば、抗体として抗ヒト血清アルブミン抗体を使用することができる。また、農薬、殺虫剤、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌、抗生物質、麻薬、コカイン、ヘロイン、クラックなどを抗原とする場合には、例えば抗アトラジン抗体、抗カナマイシン抗体、抗メタンフェタミン抗体などの抗体を使用することができる。
【0020】
酵素としては、分析対象物又は分析対象物から代謝される物質に対して活性を示すものであれば特に限定されることなく、種々の酵素、例えば酸化還元酵素、加水分解酵素、異性化酵素、脱離酵素、合成酵素などを使用することができる。具体的には、分析対象物がグルコースであれば、グルコースオキシダーゼを、分析対象物がコレステロールであれば、コレステロールオキシダーゼを使用することができる。また、農薬、殺虫剤、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌、抗生物質、麻薬、コカイン、ヘロイン、クラックなどを分析対象物とする場合には、それらから代謝される物質と特異的反応を示す、例えばアセチルコリンエステラーゼ、カテコールアミンエステラーゼ、ノルアドレナリンエステラーゼ、ドーパミンエステラーゼなどの酵素を使用することができる。
【0021】
微生物、細菌としては、特に限定されることなく、大腸菌をはじめとする種々の微生物、細菌を使用することができる。また、生理活性物質4はDNA塩基鎖であってもよく、相補的な塩基鎖を特異的に結合させることができる。
前記生理活性物質4を固定する固定膜3は、該生理活性物質4が担持又は固定される層であればよく、例えば、多孔質材料として、合成繊維、天然繊維、無機繊維などからなる織物、編物、不織布や、多孔性の無機又は有機材料などが使用される(特開平3−164195号公報参照)。さらに、化学あるいは生化学反応に基づいたある特定の官能基を有する材料からなる薄膜のようなものであってもよい。
【0022】
一般に、このような固定膜3への生理活性物質4の固定化方法は常法によって行えばよく、例えば、所定量の生理活性物質4を固定膜3に所定時間接触させる方法、浸漬、含浸、マイクロディスペンサー、インクジェットなどのような方法により固定化することができるが、後記する。本発明による測定チップ用液滴固定装置を用いる場合には、マイクロディスペンサーのように、測定チップの表面に上方から液滴の状態で滴下できる手段が用いられる。
【0023】
なお、本出願人は先の出願である特願平9−241276号において、透明基板、該透明基板上に配置される金属膜、該金属膜上に配置される例えば有機ケイ素膜のような疎水結合又は静電結合した膜、及び該膜上に配置される生理活性物質を備えなる表面プラズモン共鳴を利用した免疫センサーに用いるのに好適な測定チップを提案しているが、このような疎水結合した膜に対して生理活性物質を固定するような場合に、本発明による測定チップ用液滴固定装置は特に効果的である。
【0024】
次に、上記の表面プラズモン共鳴を利用した光学的分析装置用として用いる測定チップを調製する場合を例として、本発明による測定チップ用液滴固定装置及び該固定装置を持つ測定チップ調製装置の好ましい実施の形態について具体的に説明する。図2は測定チップの一例であり、この光学的分析装置用測定チップAおいて、前記した透光性基板1は、1辺が18mm程度、厚みが0.1〜0.5mm程度のガラス板である。基板1の素材としては、他に、無延伸ポリエチレンテレフタレート、無延伸ポリカーボネート、トリアセテートなどのように、透光性があり、偏光に対して異方性を示さず、かつ加工性に優れた物性を持つ樹脂材料も有効に用いることができる。透光性基板1の一面中央部には、前記した金属薄膜2と固定膜3とが積層された分析領域5が形成されている。
【0025】
具体例として、例えば、透光性基板1として13mm×18mm、厚さ0.3mmの青板ガラスの上に、スパッタリングによりクロムからなる層、ついで金からなる層を形成し分析領域5とした。スパッタリングは、クロムについては100W、30秒間、金については100W、150秒間で行った。得られたクロム層の厚さは32.2Åであり、金層の厚さは474Åであった。上記の金属層を有する透光性基板を、ウンデカンチオール1mMエタノール溶液に24時間浸漬し、図1の固定膜3に相当する有機薄膜層(有機ケイ素膜のような疎水結合した膜)を形成した。
【0026】
図3、図4は、本発明によるこ測定チップ用液滴固定装置30を用いて、この光学的分析装置用測定チップAの前記固定膜3の上に生理活性物質の濃厚溶液を滴下し、生理活性物質を固定化する場合を示している。測定チップ用液滴固定装置30は、測定チップAを収容できる大きさのコ字状脚31と、該コ字状脚31から立設する立板32と、該立板32の上縁からやや下方に向けて傾斜して延出するステンレス鋼材からなるスティック33とから構成され、スティック33の長さと傾斜角度は、測定チップ用液滴固定装置30が使用状態に置かれたときに、図3に示すように、スティック33の先端が測定チップAの前記分析領域5部分の表面からわずかに(0.1〜5mm程度であってよい)離れた位置となるようにされている。
【0027】
生理活性物質の固定化に際しては、図3,図4に示すように、生理活性物質の濃厚溶液を滴下する装置の一例であるマイクロディスペンサー10のニードル11の先端下方位置に、測定チップAの前記分析領域5部分が位置するように両者の位置決めを行い、次に、前記測定チップ用液滴固定装置30をそのスティック33の先端が前記分析領域5部分のほぼ中央位置となるようにセットする。
【0028】
図示しない制御装置を介してマイクロディスペンサー10を操作し、生理活性物質4の濃厚溶液の液滴Pを滴下する。液滴Pが落下し前記分析領域5の表面に到達した時点で、前記スティック33の先端は該液滴Pの内部には入り込んだ、又は液滴上部に接触した状態となる。この例において、スティック33はステンレスであり、固定膜(有機ケイ素膜のような疎水結合した膜)3と生理活性物質4の濃厚溶液の液滴Pとの間の親和性よりも、スティック33と液滴Pとの間の親和性は高い。そのために、液滴Pは位置を変えることなく滴下した位置でそのまま保持される。
【0029】
その状態で所定時間(2時間程度)放置することにより、固定膜3と生理活性物質4との反応が進行して、生理活性4は固定膜3の上に固定化される。固定化が終了した後に、測定チップAを取り出し、余分な溶液を洗い流すことにより、図1に模式的に示したような光学的分析装置用測定チップAを得ることができる。
【0030】
上記のとおりであり、本発明による測定チップ用液滴固定装置30を用いることにより、一滴の生理活性物質の濃厚溶液試料液を測定チップAの分析領域5の部分に滴下するだけで、分析に必要な量の生理活性化物質が確実に固定化された光学的分析装置用測定チップAを容易に調製することができる。そのために、高価な生理活性物質の濃厚溶液のムダをなくすことができ、低コストでの光学的分析作業が確立される。
【0031】
上記のようにして調製された光学的分析装置用測定チップAを用いて、例えば、前記した表面プラズモン共鳴を利用した光学的分析により所要の分析を行うに際しては、図5に示すように、当該光学的分析装置のプリズム40上に透光性基板1側が面するようにしてセットされる。分析しようとする試料液は、給液ポンプを利用して生理活性物質4を固定した固定膜面3に連続して送り込まれるか、試料液を収容したセルの液体面が固定膜に接触するようにされ、生理活性物質と分析対象物の相互作用を生じさせる。しかし、このような方法では多量の試料液を必要とする。少量の試料液で分析を行うことを望む場合には、本発明による測定チップ用液滴固定装置30を用いて、試料液を生理活性化物質4を固定化した滴下し、所定時間その位置で試料液を保持することにより、所望の反応を行わせるようにすればよい。その場合での測定チップ用液滴固定装置30の使い方は、生理活性物質を固定化する場合と同様である。
【0032】
図6、図7は、本発明による測定チップ用液滴固定装置30の他の実施形態を示している。この測定チップ用液滴固定装置30は、方形状の機枠34の四隅に脚35・・が立設されており、また、機枠34の対向する2辺には横桟36・・が一定間隔で配置されている。前記横桟36・・及び該横桟36・・に平行な機枠部分には所定の間隔で、図3,図4に示したと同様にステンレス鋼材からなるスティック33が取り付けてある。図示のものでは、5段とされた機枠あるいは横桟の各々に4本のスティック33が取り付けられ、計20本のスティック33が機枠に取り付けられている。
【0033】
この測定チップ用液滴固定装置30の使用に当たっては、好ましくは、スティック33の本数と同じ数の測定チップAが、各スティック33の先端下方位置に前記したと同様な姿勢で配置される。図示の例では、測定チップホルダー20を使用しており、該ホルダー20内に4個×5段、計20個の測定チップAがはめ込まれている。
【0034】
測定チップホルダー20の4隅部には孔21が形成されており、該孔21に前記機枠34に設けた脚35が挿入される。使用に当たっては、所要数の測定チップAをはめ込んだ測定チップホルダー20を先ず用意し、その上から、前記測定チップ用液滴固定装置30をその脚35を孔21に差し込むようにして固定する。それを3軸方向(X,Y,Z)に制御されるマイクロディスペンサー10の下方位置におき、図示しない制御装置を介してマイクロディスペンサー10を操作し、生理活性物質4の濃厚溶液の液滴Pを各測定チップAの前記分析領域5に順次滴下していく。液滴Pは滴下された位置でそのまま保持され、生理活性物質の固定化が進行する。
【0035】
固定化が終了した時点で、機枠34を手により、あるいは適宜の移動手段により移動させて、測定チップ用液滴固定装置30を測定チップホルダー20から揚上し、側方に移動させる。その後、余分な溶液を洗い流し、測定チップホルダー20から各測定チップAを取り出すことにより、図1に模式的に示したような光学的分析装置用測定チップAを複数個同時にかつ連続的作業として得ることができる。
【0036】
図示しないが、図6、図7に示した形態の測定チップ用液滴固定装置30を測定チップホルダー20の一側端側にヒンジを用いて回動自在に枢着することも可能である。この場合には、液滴を滴下する際には、図示のように、機枠34は測定チップホルダー20の表面にスティック33の先端が接近した姿勢とされ、測定チップホルダー20への測定チップAのはめ込み及び取り出し時には、90゜あるいは180゜回動した位置とされる。
【0037】
以上の説明は、本発明による測定チップ用液滴固定装置及び該固定装置を持つ測定チップ調製装置を表面プラズモン共鳴を利用した光学的分析装置の測定チップへの液滴固定装置及び該固定装置を持つ測定チップ調製装置として用いる場合の説明であって、本発明の固定装置及び調製装置は、これに限らず、例えば、酵素の呈色反応を検出する光学的分析のように、反射光でなく試料液を透過した光を変量として用いて分析するような場合における測定チップの調製など、種々の分野で利用することが可能である。
【0038】
【発明の効果】
本発明による光学的分析装置用測定チップを用いることにより、一滴あるいは数滴の試料液をその都度滴下するだけで所要の光学的分析を行うことが可能となり、分析の前作業だけでなく後処理も簡素化できるばかりでなく、試料液のムダをなくすことができ、低コストでの光学的分析作業を確立することができる。
また、作業者の熟練度に起因する誤差を低減することが期待され、だれにでも検査の測定を精度よく簡便に実施する機会を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】表面プラズモン共鳴を利用した光学的分析装置に用いるのに好適な測定チップにおける要部を説明する断面模式図。
【図2】光学的分析装置用測定チップの一例を説明する斜視図。
【図3】本発明による測定チップ用液滴固定装置の使用状態を説明する側面図。
【図4】図3に示す測定チップ用液滴固定装置の使用状態を説明する上方から見た斜視図。
【図5】図2の光学的分析装置用測定チップを光学的分析装置にセットして用いる場合の一例を説明する図。
【図6】本発明による測定チップ用液滴固定装置の他の形態の使用状態を説明する上方から見た斜視図。
【図7】図6に示す測定チップ用液滴固定装置の使用状態を説明する断面図。
【図8】本発明による測定チップ用液滴固定装置の他の形態の使用状態を説明する上方から見た斜視図。
【図9】滴下した液滴の挙動を説明する図。
【符号の説明】
A…光学的分析装置用測定チップ、1…透光性基板、2…金属薄膜、3…固定膜、4…生理活性物質、5…分析領域、10…マイクロディスペンサー、30…測定チップ用液滴固定装置、33…スティック、34…機枠、35…脚、P…液滴

Claims (6)

  1. 滴下した液滴を所定時間にわたり表面に保持しておくことを必要とする測定チップへの液滴固定装置であって、該装置は、機枠と該機枠から下方に傾斜して延出するスティックとを有し、該スティックは測定チップへの液滴の滴下時にその先端が滴下された液滴の中に浸入できる状態とされていることを特徴とする測定チップ用液滴固定装置。
  2. スティックは、滴下される液滴との親和性が、滴下される液滴と測定チップの表面との間の親和性よりも高い材料により構成されていることを特徴とする請求項1記載の測定チップ用液滴固定装置。
  3. 機枠が可動機枠とされ、それにより、液滴を固定すべき測定チップの表面に対して、少なくとも該スティックの先端が接近及び離間できるようにされていることを特徴とする請求項1又は2記載の測定チップ用液滴固定装置。
  4. 複数個の測定チップに対して同時に作用することができるように、機枠に対して複数本のスティックが装着されていることを特徴とする請求項1ないし3いずれか記載の測定チップ用液滴固定装置。
  5. 1個又は複数個の測定チップと、請求項1ないし4いずれか記載の測定チップ用液滴固定装置と、測定チップの表面に液滴を滴下するマイクロディスペンサーとを少なくとも有することを特徴とする測定チップ調製装置。
  6. 測定チップが、透光性基板と、該透光性基板の一面上に形成される生理活性物質を固定する固定膜とを有する光学的分析装置用測定チップであることを特徴とする請求項5記載の測定チップ調製装置。
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