JP3979058B2 - エンコーダの検査方法及び検査用着磁装置 - Google Patents

エンコーダの検査方法及び検査用着磁装置 Download PDF

Info

Publication number
JP3979058B2
JP3979058B2 JP2001323009A JP2001323009A JP3979058B2 JP 3979058 B2 JP3979058 B2 JP 3979058B2 JP 2001323009 A JP2001323009 A JP 2001323009A JP 2001323009 A JP2001323009 A JP 2001323009A JP 3979058 B2 JP3979058 B2 JP 3979058B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
encoder
magnetic
polymer material
magnetizing
magnetic material
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2001323009A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2003130685A5 (ja
JP2003130685A (ja
Inventor
俊秋 前田
薫 片野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NSK Ltd
Original Assignee
NSK Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NSK Ltd filed Critical NSK Ltd
Priority to JP2001323009A priority Critical patent/JP3979058B2/ja
Publication of JP2003130685A publication Critical patent/JP2003130685A/ja
Publication of JP2003130685A5 publication Critical patent/JP2003130685A5/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3979058B2 publication Critical patent/JP3979058B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Transmission And Conversion Of Sensor Element Output (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、自動車の車輪を懸架装置に対し回転自在に支持する為の転がり軸受ユニットに組み込んだ状態でセンサと組み合わせて使用され、この転がり軸受ユニットにより支持された車輪の回転速度を検出する為の永久磁石製のエンコーダの検査方法及び検査用着磁装置に関する。具体的には、この様なエンコーダから出る磁束の密度を測定する事により、より高性能のエンコーダの製造を図る為のデータを得るのに利用する。
【0002】
【従来の技術】
自動車の車輪を懸架装置に対して回転自在に支持すると共に、アンチロックブレーキシステム(ABS)やトラクションコントロールシステム(TCS)を制御すべく、この車輪の回転速度を検出する為に従来から、各種構造のエンコーダ付転がり軸受ユニットが知られている。車輪の回転速度検出を磁気的に行なう場合、上記エンコーダとして、円周方向に関して磁気特性が交互に(一般的には等間隔に)変化するものを使用する。この様に円周方向に関して磁気特性が交互に変化するエンコーダとして、円周方向に関してS極とN極とを交互に配置した永久磁石を使用するエンコーダは、センサ側の構造を簡単にし、しかも低速時の検出精度を確保する面から、近年使用される場合が増大している。
【0003】
上述の様な用途に使用する永久磁石製のエンコーダは、炭素鋼、ステンレス鋼等の磁性金属板により全体を円環状(円輪状、円筒状等を含み、全体を円形の環状に形成した形状を言う。本明細書全体で同じ。)に形成された心金の一部に、ゴム磁石、プラスチック磁石等の永久磁石を、全周に亙り接着(プライマを介在させてゴム磁石を心金に焼き付けする場合を含む。本明細書全体で同じ。)する事により構成している。即ち、円環状の心金の一部に、ゴム或は合成樹脂等の高分子材料中にフェライト等の強磁性粉末(磁性体)を混入したゴム磁石或はプラスチック磁石等の永久磁石を接着固定している。そして、この永久磁石の表面にS極とN極とを、円周方向に関して交互に配置している。この為に、この永久磁石の着磁方向を、円周方向に関して交互に変化させている。
【0004】
図4は、この様なエンコーダを組み込んだ車輪支持用の転がり軸受ユニット1の従来構造の1例を示している。この転がり軸受ユニット1の場合には、ハブ2の軸方向中間部乃至は内端部(軸方向に関して内とは、自動車の幅方向中央側で、図4、5の右側)に1対の内輪3、3を外嵌する事により回転輪を構成している。このうちのハブ2には、外周面の外端部(軸方向に関して外とは、自動車の幅方向外側で、図4、5の左側)に車輪を支持固定する為のフランジ4を、中心部にスプライン孔5を、又、上記各内輪3、3の外周面には内輪軌道6、6を、それぞれ設けている。上記スプライン孔5には、等速ジョイント7に設けたスプライン軸8を挿入している。そして、このスプライン軸8の外端部に設けた雄ねじ部9にナット10を螺合し更に緊締した状態で、このスプライン軸8の内端部に設けたハウジング部11の外端面により、内側の内輪3の内端面を抑え付け、上記1対の内輪3、3を上記ハブ2に対し固定している。
【0005】
一方、上記ハブ2と内輪3、3とから成る回転輪の周囲には、静止輪である外輪12を配置している。この外輪12は、円筒状の軸受ケース13内に内嵌固定し、この軸受ケース13を、図示しない懸架装置に対し支持固定自在としている。又、上記外輪12の内周面で、上記各内輪3、3の外周面に設けた内輪軌道6、6に対向する部分に、それぞれ外輪軌道14、14を設けている。そして、これら両外輪軌道14、14と、上記各内輪軌道6、6との間に、それぞれ複数個ずつの転動体15、15を、それぞれ保持器16、16により保持した状態で転動自在に設けている。又、上記外輪12の両端部内周面と上記各内輪3、3の端部外周面との間に密封装置17、17aをそれぞれ装着して、上記各転動体15、15を設置した内部空間と外部とを遮断し、この内部空間内に存在するグリースの漏洩防止とこの内部空間内への異物の侵入防止とを図っている。
【0006】
上記各密封装置17、17aは、図5に詳示する様に、それぞれスリンガ18とシールリング19とを組み合わせて成る、組み合わせシールリングを使用している。このうちのスリンガ18は、SPCCの如き炭素鋼板等の磁性金属板を断面L字形で全体を円環状としたもので、上記各内輪3、3の端部に、締り嵌めで外嵌固定している。又、上記シールリング19は、金属板を断面L字形で全体を円環状に形成して成る心金20に弾性材21を、全周に亙って添着支持したもので、このうちの心金20を上記外輪12の両端部に締り嵌めで内嵌する事により、この外輪12の両端部に内嵌固定している。この状態で、上記弾性材21に設けた複数本のシールリップ22、22の先端縁を上記スリンガ18に、それぞれ全周に亙り摺接させている。
【0007】
上述の様な各密封装置17、17aのうち、内側の密封装置17aを構成するスリンガ18の内側面に、エンコーダ23を全周に亙って添設している。従って、このスリンガ18が、請求項2、3に記載した心金に相当する。上記エンコーダ23は、ゴム或は合成樹脂等の高分子材料中に、磁性体であるフェライト等の強磁性粉末を混入したゴム磁石或はプラスチック磁石等の永久磁石であって、軸方向に着磁している。着磁方向は、円周方向に関して交互に且つ等間隔で変化させている。従って、上記エンコーダ23の被検出面である内側面には、S極とN極とが、円周方向に関して交互に配置されている。この様なエンコーダ23は、上記スリンガ18に設けた円輪部24の内側面に、接着により支持固定されている。
【0008】
一方、前記軸受ケース13の一部で、上記外輪12の内端面よりも内方に突出した部分に取付孔25を、この軸受ケース13を径方向に貫通する状態で形成している。この取付孔25には、回転速度検出用のセンサ(図示省略)を組み付け自在としている。そして、このセンサの先端部に設けた検出面を、上記エンコーダ23に微小隙間を介して、アキシアル方向に対向自在としている。
【0009】
上述の様に構成する、エンコーダ23を組み込んだ転がり軸受ユニット1は、前記軸受ケース13により上記外輪12を懸架装置に結合固定すると共に、前記フランジ4により前記ハブ2に車輪を支持固定する。この状態で、この車輪が上記懸架装置に対し回転自在に支持される。車輪が回転すると、上記センサの検出面の近傍を、上記エンコーダ23の内側面に存在するS極とN極とが交互に通過し、上記センサの出力信号が変化する。この様にセンサの出力信号が変化する周波数は、上記車輪の回転速度に比例するので、この出力信号を図示しない制御器に送れば、この車輪の回転速度を求め、ABSやTCSを適切に制御できる。
【0010】
上述の様に構成し作用するエンコーダ23を組み込んだ転がり軸受ユニット1による、車輪の回転速度検出の信頼性を確保する為には、上記エンコーダ23の被検出面から出る磁束の密度が、十分に高く、且つ、着磁方向の変化に基づく本来の変化以外に大きく変化しない事が必要になる。これに対して、ゴム磁石或はプラスチック磁石である上記エンコーダ23は、金型内部に設けたキャビティ内に磁性体を含む高分子材料を注入する、射出成形により造る為、一部にウェルドと呼ばれる高分子材料の合わせ目が生じる事が避けられない。
【0011】
即ち、射出成形時に上記キャビティ内には、ゲートと呼ばれる注入口から上記磁性体を含む高分子材料を注入する。円環状の上記エンコーダ23を射出成形すべく、円環状の上記キャビティ内に送り込まれた上記高分子材料は、図6に矢印で示す様に流れ、上記注入口に対して円周方向反対側で互いに突き当たる。そして、この突き当たり部に、上記合わせ目が生じる。この様な合わせ目の性状は、しばしば他の部分と異なり、例えば、上記高分子材料中に含まれる磁性体の割合が少なくなったり、この磁性体の配向方向が所望の状態と異なり易い。そして、磁性体の割合が少なくなったり配向方向が不正になった場合には、着磁後に上記合わせ目部分の側面から出る磁束の密度が低くなる。この点に就いて、図7により説明する。
【0012】
図7は、上記エンコーダ23の内側面(被検出面)から出る磁束の密度の、円周方向に関する分布状態を表している。この様な図7のうちの(A)は、高分子材料中に含まれる磁性体の量が十分且つ均一で、且つ配向方向が適正である部分の分布状態を表している。センサの検出部が対向する部分の磁束密度の分布状態が、上記図7(A)に示す様な状態であれば、上記センサによる回転速度検出の信頼性を十分に確保できる。これに対して図7の(B)は、上記ウェルドに対応して、高分子材料中に含まれる磁性体の量が部分的に不足したり、配向方向が不正である事により、性状が円周方向に関して不均一である部分の、磁束密度の分布状態を表している。上記センサの検出部が対向する部分の磁束密度の分布状態が、上記図7(B)に示す様な状態であると、上記センサによる回転速度検出の信頼性が低下する可能性がある。
【0013】
即ち、磁束密度の変化の程度(大きさ)が小さく、この磁束密度の変化に対応したセンサの出力変化が所定の閾値を越えない場合には、このセンサの出力信号を受け入れた制御器が上記エンコーダ23の回転を検出できない。この為、合わせ目部分で上記図7(B)に示す様に磁束密度の低下が生じた場合には、その低下の程度を抑える(小さくする)べく、射出成形用の金型の構造を工夫したり、高分子材料の注入速度を調節したり、高分子材料中への磁性体の混合割合を調節したり、この磁性体の配向状態を工夫したりする必要がある。そして、この様な対応を行なう為には、上記合わせ目がどの部分に生じ、この合わせ目部分の磁束密度が他の部分に比べてどの程度低下しているかを知る必要がある。この為に従来から、射出成形後のエンコーダ23を目視して、上記合わせ目の位置を確認したり、円周方向に関して交互に着磁(被検出面にS極とN極とを交互に配置)した後のエンコーダ23の被検出面の磁束密度の変化を測定する事により、上記合わせ目の位置及びこの合わせ目部分で磁束密度が低下する程度を測定している。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
合わせ目は必ずしも明瞭に現れるとは限らず、目視によるこの合わせ目部分の確認作業は、必ずしも正確に行なえるとは限らないし、仮に合わせ目の位置を正確に知る事ができても、その部分で磁束密度が低下する程度まで知る事はできない。又、エンコーダ23の被検出面にS極とN極とを交互に配置した後に、この被検出面の磁束密度の変化を測定する場合も、やはり上記合わせ目部分の位置を正確に把握できないだけでなく、この合わせ目部分で磁束密度が低下する程度も正確に知る事ができない。この理由は、S極とN極とを交互に配置した、上記エンコーダ23の被検出面には、非着磁部を含め、磁束密度が極く低い部分が存在する為である。
【0015】
例えば、上記合わせ目の存在に基づいて上記被検出面の磁束密度の分布が、図7(B)の様になった場合に就いて考えると、上記合わせ目は、この図7(B)にWで示した範囲内に存在する事が分かる。但し、磁束密度の変化のみでは、上記合わせ目が上記範囲W内の何れの位置にあるかを特定する事はできない。これに伴って、上記合わせ目部分でどの程度磁束の密度が低下するかを把握する事もできない。この理由は、上記合わせ目が磁束密度が高くなるべき部分に存在して当該部分の磁束密度を本来の値よりも低くしているのか、元々低くなるべき部分に存在しているのかが分からない為、仮に所定の位相に対応して磁束密度が低くなっている部分を確認できても、本来の磁束密度に比べてどの程度低くなっているかを算定できない為である。
【0016】
この様に従来は、射出成形に伴う高分子材料の合わせ目の位置、並びにこの合わせ目部分で磁束密度が低下する程度を正確に知る事ができなかった為、この合わせ目部分での磁束密度の低下を抑える為に十分な対策を採る事に就いて不都合を生じた。即ち、上記位置及び程度を正確に知る事ができない為、上記磁束密度の低下を抑える為に採るべき、射出成形用の金型の構造、高分子材料の注入速度、高分子材料中への磁性体の混合割合、この磁性体の配向状態等の工夫乃至は調節を適切に行なう事が難しかった。
本発明のエンコーダの検査方法及び検査用着磁装置は、この様な事情に鑑みて発明したものである。
【0017】
【課題を解決するための手段】
本発明のエンコーダの検査方法及び検査用着磁装置のうち、請求項1、2に記載したエンコーダの検査方法は、磁性体を含む高分子材料を射出成形後、着磁方向を円周方向に関して交互に変化させて着磁する以前に、上記磁性体を含む高分子材料を円周方向に関して均一な磁場に置く事により、この磁性体を含む高分子材料を円周方向に関して同一方向に着磁する。その後、この磁性体を含む高分子材料から出る磁束の密度を測定する。
【0018】
又、請求項3に記載したエンコーダの検査用着磁装置は、上記磁性体を含む高分子材料を軸方向に、且つ円周方向に関して同一方向に着磁すべく、上記磁性体を含む高分子材料を添着した心金を保持するホルダと、このホルダに対し遠近動する着磁ヨークとを備える。そして、この着磁ヨークは、上記磁性体を含む高分子材料に対向する、この磁性体を含む高分子材料の中心軸に対し直交する方向に存在する平面上に、この中心軸の方向に、円周方向に関して同方向で且つ均一な磁場を造り出す為の着磁コイルの軸方向端面を設置したものである。
【0019】
【作用】
上述の様に構成する本発明のエンコーダの検査方法及び検査用着磁装置によれば、射出成形に伴う高分子材料の合わせ目の位置、並びにこの合わせ目部分で磁束密度が低下する程度を正確に知る事ができる。この点に就いて、図1を参照しつつ説明する。
磁性体を含む高分子材料を円周方向に関して均一な磁場に置く事により、この磁性体を含む高分子材料を円周方向に関して同一方向に着磁した状態では、上記合わせ目を含まず、この高分子材料中に上記磁性体が均一に分布している部分では、エンコーダの被検出面の磁束密度は、図1(A)に示す様に、円周方向(図1の左右方向)に関して均一に分布する。
【0020】
これに対して、上記合わせ目を含む被検出面の磁束密度は、図1(B)に示す様に、この合わせ目部分で低くなる様に、不均一になる。上記エンコーダの被検出面は、全周に亙って均一な磁場により着磁されているので、上記高分子材料中の磁性体の分布及び配向状態が均一であれば、上記被検出面の磁束密度の分布も、上記図1(A)に示す様に均一になる。従って、上記図1(B)に示す様に、上記被検出面の一部に、磁束密度が低くなる部分が存在すれば、その位置が上記合わせ目の位置として、正確に特定できる。又、この様に磁束密度が低くなった部分の磁束密度が他の部分の磁束密度よりも低下している程度を、上記合わせ目部分で磁束密度が低下する程度として、正確に把握できる。
尚、図1は、N極に着磁された部分の磁束密度を測定した状態を示しているが、本発明を実施する際には、必ずしもN極部分の磁束密度を測定する必要はない。S極部分の磁束密度を測定しても、同様の作用・効果を得られる。
【0021】
【発明の実施の形態】
図2は、本発明のエンコーダの検査用着磁装置の実施の形態の1例を示している。この検査用着磁装置26は、互いに同心に配置され、且つ互いの遠近動を自在とされたホルダ27と着磁ヨーク28とを備える。このうちのホルダ27は、ゴム磁石製のエンコーダ23を、心金37を介して保持するもので、この心金37の内周縁部に形成した円筒部29を外嵌支持自在な円柱部30の周囲に凹溝31と平坦面部32とを、この円柱部30と同心に設けている。このうちの凹溝31は上記円筒部29と上記ホルダ27との干渉を防止すべく、この円筒部29を進入自在に設け、上記平坦面部32は、上記心金37の円輪部24を突き当てるべく、上記ホルダ27の中心軸に対し直交する方向に形成している。上記エンコーダ23に着磁する際には上記心金37を、上記円筒部29を上記円柱部30に、軽い締り嵌めで外嵌すると共に、上記円輪部24の軸方向両側面のうちで上記エンコーダ23を添着した面と反対面を、上記平坦面部32に突き当てる。
【0022】
一方、上記着磁ヨーク28は、円環状の着磁ブロック33に着磁コイル34を設置して成る。このうちの着磁ブロック33は、中心部に上記ホルダ27の円柱部30が進入自在な円孔35を形成し、この円孔35の周囲に着磁プレート36設けている。この着磁プレート36は、上記ホルダ27及び着磁ブロック33の中心軸に対し直交する平面上に設置しており、片面(図2の上面)を、上記ホルダ27の平坦面部32に対向させている。又、上記着磁プレート36の他面(図2の下面)の径方向中間部に上記着磁コイル34を、全周に亙って添設して{この着磁コイル34の軸方向一端面(図2の上面)を突き当てて}いる、この着磁コイル34は、通電に基づいて、図2に矢印で示す方向の磁場を、全周に亙って均一に生成する。
【0023】
上述の様なホルダ27と着磁ヨーク28とから成る検査用着磁装置26により、上記エンコーダ23を検査の為に着磁する作業は、次の様にして行なう。先ず、このエンコーダ23を添着した心金37の円筒部29を上記ホルダ27の円柱部30に外嵌すると共に、この心金37の円輪部24を上記平坦面部32に突き当てる。次いで、上記ホルダ27を上記着磁ヨーク28に近づけて、被検出面となるべき上記エンコーダ23の片面(図2の下面)を、上記着磁プレート36の片面に突き当てる。この状態で上記着磁コイル34に通電して、この着磁コイル34の周囲に、円周方向に関して均一な磁場を生成する。図示の例では、上記着磁コイル34が、上記エンコーダ23の径方向中間部に対向する為、このエンコーダ23の内径寄り部分と外径寄り部分とは互いに逆方向に着磁され、径方向中間部は非着磁領域となる。
【0024】
そこで、上記ホルダ27を上記着磁ヨーク28から離隔させ、上記エンコーダ23をこのホルダ27から取り外した後、このエンコーダ23の被検出面の内径寄り部分又は外径寄り部分の磁束密度を、円周方向に関して連続的に測定する。尚、この様に磁束密度を測定する部分として好ましくは、使用状態でセンサの検出部と対向する部分を利用する。この場合に、このセンサの検出部に対向する部分とは、通常は径方向中央位置となる。従って、好ましくは、この径方向中央位置が非着磁領域とならない様にする為、上記着磁コイル34を、上記エンコーダ23の径方向中間部ではあっても、径方向中央部から外れた位置に対向させる。図3は、この様な測定により得られる、上記エンコーダ23の被検出面の磁束密度の分布を表す線図である。
【0025】
この様な図3から明らかな通り、上記エンコーダ23の被検出面の磁束密度は、合わせ目部分を除いても、完全に均一にはならないが、合わせ目部分以外では大きく変動する事はない。これに対して、この合わせ目部分では、磁束密度が周囲部分よりも急激に低下する。従って、この様に磁束密度が周囲部分よりも急激に低下した部分を知る事により、上記合わせ目の位置を正確に特定できる。又、この様に磁束密度が低くなった部分の磁束密度が他の部分の磁束密度よりも低下している程度を、上記合わせ目部分で磁束密度が低下する程度として、正確に把握できる。
【0026】
【発明の効果】
上述の様に本発明のエンコーダの検査方法及び検査用着磁装置によれば、射出成形により生じる合わせ目の位置、及びこの合わせ目部分で磁束密度が低下する程度を、何れも正確に求める事ができる。従って、この磁束密度の低下を抑える為に採るべき、射出成形用の金型の構造、高分子材料の注入速度、高分子材料中への磁性体の混合割合、この磁性体の配向状態等の工夫乃至は調節を、比較的容易に、且つ適切に行なえる。
尚、上記エンコーダの合わせ目の位置及びこの合わせ目部分で磁束密度が低下する程度を知る為には、上記エンコーダの被検出面のうちでこの磁束密度を測定する部分が着磁されてさえいれば良い。従って、多少直径の異なるエンコーダに就いて、同じ検査用着磁装置を使用する事ができて、検査に要するコストが徒に嵩む事はない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を説明する為、エンコーダの被検出面の磁束密度の理論上の分布状態を示す線図。
【図2】本発明のエンコーダの検査用着磁装置の実施の形態の1例を示す断面図。
【図3】本発明を実施する際に実際に測定される、エンコーダの被検出面の磁束密度の分布状態の1例を示す線図。
【図4】従来から知られている、永久磁石製のエンコーダを組み込んだ転がり軸受ユニットの1例を示す断面図。
【図5】一部を省略して示す、図4のA部拡大図。
【図6】エンコーダを射出成形する際にウェルドが生じる理由を説明する為の既略図。
【図7】着磁後のエンコーダの磁束密度の分布状態を示す線図で、(A)は磁性体の分布が均一である部分の分布状態を、(B)は磁性体の分布が円周方向に関して不均一である部分の分布状態を、それぞれ示す線図。
【符号の説明】
1 転がり軸受ユニット
2 ハブ
3 内輪
4 フランジ
5 スプライン孔
6 内輪軌道
7 等速ジョイント
8 スプライン軸
9 雄ねじ部
10 ナット
11 ハウジング部
12 外輪
13 軸受ケース
14 外輪軌道
15 転動体
16 保持器
17、17a 密封装置
18 スリンガ
19 シールリング
20 心金
21 弾性材
22 シールリップ
23 エンコーダ
24 円輪部
25 取付孔
26 検査用着磁装置
27 ホルダ
28 着磁ヨーク
29 円筒部
30 円柱部
31 凹溝
32 平坦面部
33 着磁ブロック
34 着磁コイル
35 円孔
36 着磁プレート
37 心金

Claims (3)

  1. 磁性体を含む高分子材料を円環状に射出成形した後、この磁性体を含む高分子材料を、着磁方向を円周方向に関して交互に変化させて着磁する事により造られるエンコーダから出る磁束の密度を検査するエンコーダの検査方法であって、上記磁性体を含む高分子材料を射出成形後、着磁方向を円周方向に関して交互に変化させて着磁する以前に、上記磁性体を含む高分子材料を円周方向に関して均一な磁場に置く事により、この磁性体を含む高分子材料を円周方向に関して同一方向に着磁した後、この磁性体を含む高分子材料から出る磁束の密度を測定するエンコーダの検査方法。
  2. 磁性金属製の心金を構成する円輪部の軸方向片面に、円環状に射出成形した磁性体を含む高分子材料を添着すると共に、この磁性体を含む高分子材料を、着磁方向を円周方向に関して交互に変化させて着磁する事により造られるエンコーダから出る磁束の密度を検査するエンコーダの検査方法であって、上記磁性体を含む高分子材料を射出成形後、着磁方向を円周方向に関して交互に変化させて着磁する以前に、上記磁性体を含む高分子材料を円周方向に関して均一な磁場に置く事により、この磁性体を含む高分子材料を軸方向に、且つ円周方向に関して同一方向に着磁した後、この磁性体を含む高分子材料から軸方向に出る磁束の密度を測定するエンコーダの検査方法。
  3. 請求項2に記載したエンコーダの検査方法を実施する際に、磁性体を含む高分子材料を軸方向に、且つ円周方向に関して同一方向に着磁する、エンコーダの検査用着磁装置であって、エンコーダを構成する為、射出成形により全体を円環状とした磁性体を含む高分子材料を添着した心金を保持するホルダと、このホルダに対し遠近動する着磁ヨークとを備え、この着磁ヨークは、上記磁性体を含む高分子材料に対向する、この磁性体を含む高分子材料の中心軸に対し直交する方向に存在する平面上に、この中心軸の方向に、円周方向に関して同方向で且つ均一な磁場を造り出す為の着磁コイルの軸方向端面を設置したものである、エンコーダの検査用着磁装置。
JP2001323009A 2001-10-22 2001-10-22 エンコーダの検査方法及び検査用着磁装置 Expired - Fee Related JP3979058B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001323009A JP3979058B2 (ja) 2001-10-22 2001-10-22 エンコーダの検査方法及び検査用着磁装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001323009A JP3979058B2 (ja) 2001-10-22 2001-10-22 エンコーダの検査方法及び検査用着磁装置

Publications (3)

Publication Number Publication Date
JP2003130685A JP2003130685A (ja) 2003-05-08
JP2003130685A5 JP2003130685A5 (ja) 2005-06-23
JP3979058B2 true JP3979058B2 (ja) 2007-09-19

Family

ID=19139961

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001323009A Expired - Fee Related JP3979058B2 (ja) 2001-10-22 2001-10-22 エンコーダの検査方法及び検査用着磁装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3979058B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4605352B2 (ja) * 2004-08-17 2011-01-05 Nok株式会社 磁気ロータリエンコーダ用パルサーリング
JP5252101B2 (ja) * 2012-04-02 2013-07-31 日本精工株式会社 エンコーダ付転がり軸受

Also Published As

Publication number Publication date
JP2003130685A (ja) 2003-05-08

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6570751B2 (en) Magnetic encoder, wheel bearing and method of manufacturing magnetic encoder
JP2003254985A (ja) 回転速度検出装置付転がり軸受ユニット
KR20130105823A (ko) 토크 센서 및 회전각 센서를 포함하는 장치
US6231241B1 (en) Rotation support apparatus with rotational speed sensing device
KR101340279B1 (ko) 로터리 인코더용 펄서 링
EP1627156B1 (en) Rotary device with sensor and method for forming apparatus for measuring load on rolling bearing unit
JP2015152121A (ja) 回転速度検出装置付転がり軸受ユニット
JPH09251028A (ja) 回転速度検出装置付転がり軸受ユニット
JP3979058B2 (ja) エンコーダの検査方法及び検査用着磁装置
US20050223558A1 (en) Rolling bearing unit with encoder and manufacturing method thereof
KR20050085616A (ko) 인코더 부착 구름 베어링 유닛 및 그 제조 방법
JP4742796B2 (ja) 回転検出装置付転がり軸受ユニット
JP2015218855A (ja) 回転速度検出装置付軸受ユニット
JP3653885B2 (ja) 回転速度検出装置用エンコーダの着磁装置
JP2006125594A (ja) センサ付軸受装置
JP2006112454A (ja) センサ付軸受装置
JP2006329770A (ja) 磁気エンコーダ、その製造方法及び転がり軸受装置
JP4622185B2 (ja) エンコーダ及びエンコーダ付転がり軸受ユニット
JPH1123597A (ja) 回転速度センサを備えた軸受
KR102063698B1 (ko) 휠 속도 검출 장치
JP5274042B2 (ja) 回転検出装置付き車輪用軸受装置
JP2013181859A (ja) 着磁パルサリング及びそれを備えた転がり軸受装置
JP2015209905A (ja) 回転速度検出装置付転がり軸受ユニット
JP2003133134A (ja) エンコーダの着磁装置
JP2005016990A (ja) 車輪回転速検出用エンコーダ

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20040928

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20040928

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20060904

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20070605

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20070618

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Ref document number: 3979058

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100706

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110706

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110706

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120706

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120706

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130706

Year of fee payment: 6

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees