JP3978771B2 - 車両制御装置 - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両制御装置に関し、より詳細には、車輪(タイヤ)の空気圧が所定範囲から逸脱したとき等に警報を発するとともに、空気圧に応じて車両の制御特性を補正する車両制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
車輪の空気圧を測定し、測定した空気圧が所定範囲から逸脱していた場合にその旨の警報を発して運転者に報知する空気圧警報システムを搭載した自動車が知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
車輪の空気圧が変化すると、路面に対するタイヤグリップ力等も変化し、その結果、車両の走行特性が変化することになる。このような走行特性の変化を抑制し、安定した走行を実現するために、空気圧に応じて車両の制御特性を変更し、車輪(タイヤ)の空気圧変化に起因する車両の走行特性の変化を抑制することができる車両制御装置が提案されている。
【0004】
しかしながら、このような車両制御装置は、車両側が空気圧変化による走行特性の変化を自動的に補って、走行特性を改善しているため、車輪の空気圧が適正範囲から大きく逸脱して、安全走行に支障をきたすような値になっても、車両の走行状態があまり変化しない。このため、運転者が、空気圧が適正範囲から逸脱していることを認識しにくく、空気圧を適正範囲に調整しなくなる事態が生じる可能性がある。
【0005】
本発明は、このような状況を考慮してなされたものであり、車輪の空気圧が所定値より大きく低下しているときには、車両の走行特性を改善する制御を抑制し、運転者に車輪の空気圧が低下していることを知らせて、空気圧の調整を促す車両制御装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、各車輪それぞれの空気圧を検出し、該空気圧に応じて車両の制御特性を変更する特性変更手段と、記特性変更手段による制御特性の変更を抑制する変更抑制手段と、を備え、前記変更抑制手段は、前記空気圧が適正範囲内から所定値以上低下していないときには、前記特性変更手段による前記空気圧の低下を補うための制御特性の変更を抑制せず、前記空気圧が適正範囲から所定値以上低下したときには、前記特性変更手段による前記空気圧の低下を補うための制御特性の変更を抑制する、ことを特徴とする車両制御装置が提供される。
【0007】
このような構成によれば、車輪(タイヤ)の空気圧が低下したときに、空気圧の低下に応じて車両の走行制御特性が変更されるので、車輪の空気圧変化に起因する車両の走安性変化が抑制され、車両の走行特性が改善され、安全性が向上する。また、空気圧の低下が所定値より大きいときには、制御特性の変更が抑制される。即ち、車両の走行特性の改善が抑制される。この結果、車両を運転しにくくなり、運転者は、空気圧を適正範囲に調整する必要性を体感する。
【0008】
本発明の好ましい態様によれば、記変更抑制手段が、前記特性変更手段による制御特性の変更を禁止する。このような構成によれば、制御特性の改善が全く行われないので、運転者は、空気圧低下に対応した運転しにくさを、体感することになる。
【0009】
本発明の他の好ましい態様によれば、前記変更抑制手段が、車両停止時に、前記制御特性の変更を抑制する。このような構成によれば、運転しにくさを感じやすく、また、運転しにくくても事故につながる可能性が極めて少ない発進時に、運転者に運転しにくさを体感させ、車輪の空気圧調整を促すことができる。
【0010】
本発明のもう一つの好ましい態様によれば、前記変更抑制手段が、車両の低速直進時に、前記制御特性の変更を抑制する。このような構成によれば、運転しにくさを感じやすく、また、運転しにくくても事故につながる可能性が極め少ない低速直進時に、運転者に運転しにくさを体感させ、車輪の空気圧調整を促すことができる。
【0011】
本発明のもう一つの好ましい態様によれば、前記制御特性が、車両の操舵特性である。このような構成によれば、車輪の空気圧が所定値より大きく低下すると、運転者が敏感に感じやすい操舵感が悪化するので、運転者に車輪の空気圧調整を促すことができる。
【0012】
本発明の別の態様によれば、前記空気圧が適正範囲から前記所定値よりもさらに一定値以上大きく低下した危険範囲にあるときの方が、前記空気圧が適正範囲から前記所定値以上低く且つ前記危険範囲よりも高いときよりも、前記特性変更手段が、車両の走行をより大きく抑制するように制御特性を変更し、且つ、前記変更抑制手段が、前記特性変更手段による前記車両の走行を抑制する変更を抑制しない
また、本発明の別の態様によれば、前記空気圧が適正範囲から前記所定値よりもさらに一定値以上大きく低下した危険範囲にあるときには、前記空気圧が適正範囲から前記所定値以上低く且つ前記危険範囲よりも高いときよりも、前記変更抑制手段が、前記特性変更手段による前記空気圧の低下を補うための制御特性の変更をより大きく抑制する。
【0013】
このような構成によれば、車輪の空気圧が危険範囲にあるときには、車両側が積極的に走行を抑制するように運転者に働きかけるので、運転者が無理な運転を行って事故等が発生することが抑止される。
また、本発明の別の態様によれば、前記特性変更手段は、所定時にステアリングホイールに振動を与える制御命令を出力する。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の好ましい実施形態について詳細に説明する。まず、本発明の実施形態の車両制御装置の構成を説明する。図1は、本実施形態の車両制御装置1が搭載された車両の概略的な構成を示すブロック図である。本実施形態の車両制御装置1は、車輪(タイヤ)2の空気圧を検出し、空気圧が適正範囲から逸脱したときに警報を発するとともに、空気圧の変化に応じて車両の制御特性を補正することができる車両制御装置である。
【0015】
図1に示されているように、車両制御装置1は、車両の各車輪2に取付けられた検出装置4と、車体側に配置された処理装置6を備えている。本実施形態の車両は、アンチロックブレーキシステム(ABS)、トラクションコントロールシステム(TRC)等の機能を有する車両安定性制御(DSC:Dynamic Stability Control)装置を装備えている。また、本実施形態の車両は、ギア比が変更可能な(VGR:Variable Gear Ratio)機構を備えた電動パワーステアリング(EPS:Electric Power Steering)装置7を備えている。さらに、本実施形態の車両は、ダンパの硬さ変更による振動特性の変更、ダンパの長さ変更による車高変更等を行うことができるサスペンション装置を備えている。
【0016】
検出装置4は、各車輪2のホイールのエアバルブ付近に取付けられ、各車輪内(タイヤ内)の空気の圧力、温度等を検出し、検出結果等を空気圧信号として、車体側の処理装置6に送信するように構成されている。
【0017】
検出装置4は、図2に示されているように、各車輪(タイヤ)内の空気圧を検出する圧力センサ8と、車輪(タイヤ)内の空気の温度を検出する温度センサ10と、車輪2に加わる加速度を検出する加速度センサ12と、タイヤ識別IDを記憶しているメモリ14を備えている。検出装置4には、さらに、これを処理装置6側からの要求に応じて、各センサ8、10、12の検出値およびタイヤ識別IDを含む空気圧信号を生成して送信させる送受信CPU16と、この送受信を行う送受信機18が設けられている。検出装置4は、図示しない内蔵バッテリによって作動されるように構成されている。
【0018】
本実施形態では、空気圧信号は、図3に示されているように、タイヤ識別ID、車輪内空気圧信号、車輪内空気温度信号、加速度信号、異常低下コード、バッテリ電圧信号および故障コードが順に並べられたデータフォーマットで、検出装置4から処理装置6側に送信される。
【0019】
空気圧信号に含まれる、タイヤ識別IDは、空気圧信号が自車両に取付けられている車輪からの信号であることを識別するために用いられる符号であり、処理装置4毎に異なる。このタイヤ識別IDは、検出装置4からの送信後、処理装置6側で登録されているタイヤ識別IDと照合される。また、加速度信号は、車輪の回転による円周方向の加速度に車輪の上下動による加速度等が加わった加速度を示している。異常低下コードとは、車輪内の空気圧が急速に低下したことを報知するコードである。さらに、バッテリ電圧信号および故障コードは、それぞれ、検出装置4の内蔵バッテリの電圧および検出装置4の作動状態を処理装置6に報知するために用いられる信号である。
【0020】
図1に示されているように、各車輪2の近傍の位置に、各検出装置4から送信された空気圧信号を受信するための専用アンテナ20が、それぞれ配置されている。各アンテナ20が受信した空気圧信号は処理装置4に伝えられる。
【0021】
処理装置6は、空気圧警報CPU22と、ABS/TRC/DSC制御用CPU24と、EPS/VGR制御用CPU26と、サスペンション制御用CPU28と、総合制御CPU30と、記憶手段32とを備えている。
【0022】
空気圧警報CPU22は、いずれかの検出装置4から送信されてきた空気圧信号に基づいて算出された車輪の空気圧が、適正範囲から逸脱したときには、インスツルメントパネル内に配置された空気圧警告灯34を点灯させ、乗員に何れかの車輪の空気圧が異常である旨の報知を行うように構成されている。空気圧の適正範囲は、車輪内の空気温度と関連するので、適正範囲であるか否かの判定には、空気圧信号に含まれる車輪内空気温度が勘案される。
【0023】
ABS/TRC/DSC制御用CPU24は、舵角センサ、スロットル開度センサ、車輪速センサ、ヨーレートセンサ等からの種々の情報に基づいて、車載の車両安定性制御(DSC:Dynamic Stability Control)装置の制御特性を決定し、この制御特性に基づいて、これらの装置の作動を制御するように構成されている。
【0024】
同様に、EPS/VGR制御用CPU26は、車両の走行状態、運転状態等に基づいて、電動パワーステアリング(Electric Power Steering)装置のアシスト量の変更、ギア比の変更およびこれらの変更タイミング等の制御特性を決定し、この制御特性に基づいて、電動パワーステアリングの作動を制御するように構成されている。
【0025】
さらに、サスペンション制御用CPU28は、車両の走行状態等に基づいて、サスペンションのダンパの硬さ変更による振動特性制御、ダンパの長さ変更による車高制御等の制御特性を決定し、この制御特性に基づいて、サスペンション装置の作動を制御するように構成されている。
【0026】
また、総合制御CPU30は、車輪の空気圧変化に起因する車両の走行特性の変化、例えば、グリップ力の変化、操舵時の位相遅れ、車高変化等を補正するために必要な制御特性の変更量を算出する。具体的には、一方の前輪の空気圧が或る量低下したとき、この空気圧低下に起因する操舵時の位相遅れを補正し、空気圧が低下していない場合の操舵状態を維持するためには、どの制御の特性をどれだけ変更すればよいか等を演算する。同様に、この空気圧低下に起因する路面に対するタイヤグリップ力の変化を補正し、空気圧が低下していない場合の走行状態を維持するためには、どの制御特性をどれだけ変更すればよいかを演算する。このような演算に基づいて算出された、制御特性の変更量が、各制御を行うABS/TRC/DSC制御用CPU24、EPS/VGR制御用CPU26と、サスペンション制御用CPU28とに送られ、制御特性が変更される。
【0027】
さらに、本実施形態では、総合制御CPU30は、何れかの車輪の空気圧が所定値より大きく適正範囲から低下したときには、EPS/VGR装置の制御特性の変更を抑制、禁止等する。
【0028】
記憶手段32は、自車両に装着されているタイヤのタイヤ識別ID、装着されているタイヤの適正空気圧等の空気圧警報を行うときに必要となるデータが記憶されている。さらに、記憶手段32には、空気圧変化に伴う走行特性の変化を補正する制御特性の変更量を算出するために必要なデータ、および、この変更を抑制する条件を演算するために必要なデータ等の種々のデータが記憶されている。
【0029】
次に、本実施形態の車両制御装置の動作を説明する。車両完成時、タイヤ交換時等には、各車輪に取付けられている検出装置4のタイヤ識別IDが、処理装置6の記憶手段32に記憶させられる。本実施形態では、車輪2毎に専用のアンテナ20が配置されているので、各検出装置4から空気圧信号を各アンテナ20に受信させることにより、どの位置の車輪がどのタイヤ識別IDを有しているかを登録することができる。
【0030】
車両の使用中には、処理装置6側からの要求に応じて、検出装置4から処理装置6に空気圧信号が送られる。この空気圧信号に基づいて、空気圧警報CPU22が、各車輪の空気圧が記憶手段32に記憶されている適正範囲内にあるか否かを判定し、適正範囲から逸脱しているときには、空気圧警告灯34を点灯させる。車両がナビゲーション装置などの表示画面を備えた装置を搭載している場合には、図4に示されてるような表示を画面上に表示させ、どの車輪の空気圧がどの程度不足(または過剰)であるか、さらに、各車輪(左前輪:FL、右前輪:FR、左後輪:RL、右後輪:RR)の空気圧と適正空気圧帯域との関係を知らせるように構成してもよい。さらに、専用腕時計に表示部に、各車輪の現在の空気圧と、適正空気圧とを表示させるように構成してもよい(図5)。
【0031】
さらに、総合制御CPU30は、車輪の空気圧が適正範囲から逸脱したことに起因する走行特性の変化を補正するために必要な、車両の各制御特性の変更量を演算し、この変更量を各CPU24、26、28に送り、制御特性を変更させる。
【0032】
本実施形態では、ABS/TRC/DSC制御用CPU24等によって、ドリフトアウトを回避・抑制する制御であるアンダーステア制御と、スピン等を回避・抑制する制御であるオーバーステア制御が行われる。このアンダーステア制御は、制御目標ヨーレートと実際のヨーレートとの偏差が介入しきい値より大きいときに、旋回内側の前輪(旋回内前輪)あるいは旋回内側の後輪(旋回内後輪)に対して制動力を付予する制御がおこなわれる。また、オーバーステア制御では、制御目標ヨーレートと実際のヨーレートとの偏差が介入しきい値より小さいときに、旋回外側の前輪(旋回外前輪)に制動力を付予する制御がおこなわれる。
【0033】
このような制御は、基本的には、制御対象(制動対象)となる車輪の空気圧が適正範囲にあることを前提に、制御量(制動量)が設定される。しかしながら、対象となる車輪の空気圧が適正範囲から逸脱していたときには、空気圧が適正範囲にあるときと同じ内容の制御を行ったのでは、所望の効果が得られない。例えば、オーバーステア制御では、旋回外側の前輪(旋回外前輪)に制動力を付予するとき、この旋回外前輪の空気圧が適正範囲より低い状態にあると、空気圧が適正範囲にあることを前提に設定された制御量に基づいて制動力を付予しても、空気圧の低下により十分なグリップ力を発揮できない旋回外前輪は、路面に対して所定の制動力を発揮できず、その結果、所望のオーバーステア制御が行われないことになる。
【0034】
このため、空気圧が適正範囲より低い状態にあってもオーバーステア制御に必要な制動力が得られるように、空気圧の適正範囲からの逸脱量あるいは最適空気圧との差に基づいて制御量が変更される。本実施形態では、総合制御CPU28が、車輪内空気圧に基づいて、制御特性の変更量の演算を行い、この演算結果を、制御を行うABS/TRC/DSC制御用CPU24に送り、変更量を加味した制御を行われる。
【0035】
さらにまた、車輪の空気圧が低くなると、車高が下がるので、本実施形態では、総合制御CPU30が、車輪内空気圧に基づいて、空気圧の低下を補正するようなサスペンションの制御量の変更量を演算し、この演算結果を、制御を行うサスペンション用CPU28に送り、変更量を加味したサスペンション装置の制御を行い、車両が所定の車高で水平に維持される。
【0036】
また、車輪の空気圧が高くなると、振動特性が変化し乗り心地が低下するので、本実施形態では、総合制御CPU30が、各車輪の車輪内空気圧に基づいて、高すぎる空気圧を補正するようなサスペンションの制御量の変更量を演算し、この演算結果を、制御を行うサスペンション用CPU28に送り、変更量を加味した制御を行い、車両の振動特性が適正状態に維持される。
【0037】
本実施形態では、EPS装置については、車両走行性安定装置等の制御とは異なった制御が行われる。即ち、総合制御CPU30は、車輪の空気圧が所定値より大きく適正範囲から低下したときには、EPS装置の制御特性の変更を抑制し、運転者に車輪に空気を充填することを促す。すなわち、空気圧の低下に伴う走行特性の悪化を改善する補正を抑制、あるいは、禁止し、運転しにくい状態とし、車輪に空気を充填することを促す。以下、総合制御CPU30が行うこれらの処理を示す図6A、図6Bのフローチャートに沿って説明する。
【0038】
処理がスタートすると、まず、ステップS1でDSC/ABSが作動中であるか否かを判定し、YESのときには、ステップS2に進み、DSC/ABSの作動を示すフラグFに1をたてる。さらに、ステップS3に進み、検出装置4に対して、空気圧信号の送信レートを上げるように指示した後、ステップS4に進む。DSC/ABSが作動しているときには、これらの作動を緻密に制御するため、車輪の空気圧、加速度等を示す空気圧信号を頻繁に受信する必要があるためである。
【0039】
ステップS1でNO、即ち、DSC/ABSが作動中ではないと判定されたときには、ステップS5に進み、DSC/ABSの作動を示すフラグFが1であるか否かを判定し、NOのときにはそのまま、YESのときにはステップS6でフラグFをリセットして、ステップS4に進む。
【0040】
ステップS4で、検出装置4からの空気圧信号に含まれる車輪内の空気圧、空気温度、および、車輪の加速度を示す情報を入力する。さらに、ステップS7に進み、空気圧および空気温度と、記憶手段内のタイヤ空気圧の適正範囲に関するデータとを照合して、現在の車輪の空気圧が適正範囲内にあるか否かを判定する。ステップS7でNOであるときには、ステップS8に進み、空気圧が所定値以上低下しているか、即ち、適正範囲より、大きく下方に逸脱しているか否かを判定する。ステップS8でNO、即ち、例えば、図7のグラフの「異常▲1▼」の領域にあるときには、ステップS9に進み、車輪の空気圧低下を補うよう制御特性の変更量を演算する。
【0041】
操舵輪の空気圧が低下すると、ハンドル操作が重くなり、操舵時の位相遅れが生じるので、総合制御CPU30が、車輪内空気圧に基づいて、これらの操舵時の特性変化を補うために必要なEPS装置の制御特性の変更量を演算する。
【0042】
そして、ステップS10に進み、この演算結果を、EPS装置の制御を行うEPS/VGR用CPU26に送る。
【0043】
ステップS8でYES、即ち、空気圧が図7のグラフの「異常▲1▼」の領域より下にあるときには、ステップS11に進み、車輪の空気圧が、走行が危険になる危険範囲にあるか否かを判定する。ステップS11でNO、即ち、何れかの車輪の空気圧がかなり低い状態ではあるが走行が危険になるほどではない「異常▲2▼」の領域にあるときには、ステップS12に進み、停車中であるか否かを判定する。
【0044】
ステップS12でYESのときには、ステップS13に進み、アシスト量を低下させ、低下タイミングを遅くし、且つ、VGR機構のギア比を小さくするようにEPS装置の制御特性が変更される。変更後の制御特性に基づく制御を行うことにより、ハンドルが重くなり且つハンドル操作に対する車両の反応が鈍くなる。なお、ステップS13での制御特性の変更は、車輪の空気圧低下を補うEPS装置の作動を抑制する方向の変更であれば、どのような変更でもよい。
【0045】
ステップS12でNOのときに、ステップS14に進み、低速走行であるか否かを判定し、NOのときには、ステップS15に進み直進状態であるか否かを判定する。
【0046】
ステップS15でNOのときには、中・高速で旋回中なので、ステップS16に進み、安全性重視野観点からステップS9と同様の処理を行い、空気圧低下を補うようにEPS装置の制御特性する変更量を演算する。
【0047】
また、ステップS14でYESまたはステップS15でYESのときには、ステップS17に進み、アシスト量を低下させ、且つ、VGR機構のギア比を小さくするようにEPS装置の制御特性が変更される。ステップS17での変更量は、ステップS13での変更量より小さく設定される。なお、ステップS13での制御特性の変更は、車輪の空気圧低下を補うEPS装置の作動を抑制する方向の変更であれば、どのような変更でもよい。従って、車輪の空気圧低下を補うEPS装置の作動を禁止するものでもよい。
【0048】
ステップS11でYES、即ち、何れかの車輪の空気圧が極め低く走行が危険であるときには、ステップS18に進み、車両が低速走行または停車状態であるか否かが判定される。ステップS18でYESのときには、ステップS19に進み、EPS装置のアシスト量を低下させ、且つ、VGR機構のギア比を小さくするようにEPS装置の制御特性を変更するとともに、ステアリングホイールに振動を与える制御命令をEPS装置に送る。また、ステップS18でNOのときには、ステップS20に進み、EPS装置のアシスト量を低下させ、且つ、VGR機構のギア比を小さくするようにEPS装置の制御特性が変更される。ステップS19、S20での変更量は、ステップS17での変更量より小さく設定される。なお、ステップS19、S20での制御特性の変更は、車輪の空気圧低下を補うEPS装置の作動を抑制する方向の変更であれば、どのような変更でもよい。従って、車輪の空気圧低下を補うEPS装置の作動を禁止するものでもよい。
【0049】
次いで、ステップS10に進み、演算結果を、EPS装置の制御を行うEPS/VGR用CPU26に送り、さらに、ステップS21に進み、決定された制御特性に基づいてEPS装置の制御が行われる。
【0050】
上述した制御特性の変更は、何れかの車輪の空気圧が適正範囲から逸脱している場合の他、複数の車輪の空気圧が適正範囲から逸脱している場合にも行われる。
【0051】
本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された事項の範囲内で種々の変更・変形が可能である。
【0052】
上記実施形態では、車輪の空気圧が適正範囲から大きく低下しているときに、EPS装置の制御特性の変更を抑制、禁止等するものであるが、車輪の空気圧が適正範囲から大きく低下しているときにに、DSC装置、ダンパ等の他の走行特性制御装置に対して、同様の制御を行う構成でもよい。
【0053】
また、上記実施形態では、車両が、アンチロックブレーキシステム(ABS)およびトラクションコントロールシステム(TRC)の機能を有する車両安定性制御(DSC:Dynamic Stability Control)装置、ギア比が変更可能な(VGR:Variable Gear Ratio)機構を備えた電動パワーステアリング(EPS:Electric Power Steering)装置および振動特性・長さを変更可能なダンパを備えているが、本発明は、これら全てを備える必要はなく、これらの少なくとも1つ、又は、これら以外の車両の走行特性制御装置を備えたものでもよい。
【0054】
【発明の効果】
本発明によれば、車輪の空気圧が所定値より大きく低下しているときには、車両の走行特性を改善する制御を抑制し、運転者に車輪の空気圧が低下していることを知らせて、空気圧の調整を促す車両制御装置が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態の車両制御装置が搭載された車両の概略的な構成を示すブロック図である。
【図2】検出装置の構成を示すブロック図である。
【図3】空気圧信号のデータフォーマットを示す図面である。
【図4】車輪の空気圧表示の例示である。
【図5】車輪の空気圧を表示する専用腕時計を示す図面である。
【図6A】総合制御CPUが行うEPS装置の制御内容を決定する処理の一部を示すフローチャートである。
【図6B】総合制御CPUが行うEPS装置の制御内容を決定する処理の残部を示すフローチャートである。
【図7】車輪内の空気圧力の適正範囲等を例示するグラフである。
【符号の説明】
1:車両制御装置
2:車輪
4:検出装置
6:処理装置

Claims (8)

  1. 各車輪それぞれの空気圧を検出し、該空気圧に応じて車両の制御特性を変更する特性変更手段と、
    記特性変更手段による制御特性の変更を抑制する変更抑制手段と、
    を備え
    前記変更抑制手段は、
    前記空気圧が適正範囲内から所定値以上低下していないときには、前記特性変更手段による前記空気圧の低下を補うための制御特性の変更を抑制せず、
    前記空気圧が適正範囲から所定値以上低下したときには、前記特性変更手段による前記空気圧の低下を補うための制御特性の変更を抑制する、
    ことを特徴とする車両制御装置。
  2. 前記変更抑制手段が、前記特性変更手段による制御特性の変更を禁止する、
    請求項1に記載の車両制御装置。
  3. 前記変更抑制手段が、車両停止時に、前記制御特性の変更を抑制する、
    請求項1または2に記載の車両制御装置。
  4. 前記変更抑制手段が、車両の低速直進時に、前記制御特性の変更を抑制する、
    請求項1ないし3の何れか1項に記載の車両制御装置。
  5. 前記制御特性が、車両の操舵特性である、請求項1ないし4の何れか1項に記載の車両制御装置。
  6. 前記空気圧が適正範囲から前記所定値よりもさらに一定値以上大きく低下した危険範囲にあるときの方が、前記空気圧が適正範囲から前記所定値以上低く且つ前記危険範囲よりも高いときよりも、前記特性変更手段が、車両の走行をより大きく抑制するように制御特性を変更し、且つ、前記変更抑制手段が、前記特性変更手段による前記車両の走行を抑制する変更を抑制しない、
    請求項1に記載の車両制御装置。
  7. 前記空気圧が適正範囲から前記所定値よりもさらに一定値以上大きく低下した危険範囲にあるときには、前記空気圧が適正範囲から前記所定値以上低く且つ前記危険範囲よりも高いときよりも、前記変更抑制手段が、前記特性変更手段による前記空気圧の低下を補うための制御特性の変更をより大きく抑制する、
    請求項1に記載の車両制御装置。
  8. 前記特性変更手段は、所定時にステアリングホイールに振動を与える制御命令を出力する、
    請求項1に記載の車両制御装置。
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