JP3978258B2 - プロトロンビンおよびトロンビンに結合するペプチド - Google Patents
プロトロンビンおよびトロンビンに結合するペプチド Download PDFInfo
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Description
【発明が属する技術分野】
本発明は、一般的にタンパク質−リガンド相互作用の同定、そして具体的にはプロトロンビンおよびその活性化状態であるトロンビンに結合し、かつこれらのタンパク質のアフィニティー精製法に使用できるペプチドリガンドに関する。
【0002】
【従来の技術】
α-トロンビンは、血漿セリンプロテアーゼチモーゲンであるプロトロンビンの活性化状態であり、タンパク質中のArg−Gly結合に高い特異性を有する。α-トロンビンは、その内皮細胞レセプター、血漿凝固調節プロテインC、凝固V、VIIIおよびXIII因子、ならびに血液凝固の主要タンパク質であるフィブリノーゲンを含む多くの生理学的基質を有する。α-トロンビンによるフィブリノーゲンのフィブリンへの開裂は、フィブリンの血液凝固への重合を生じる。トロンビンは、典型的にはフィブリングルーまたは封止材と呼ばれる止血用の調製物において商業的に使用されている。
【0003】
ヒトの血漿からのトロンビンの精製は、コーン画分IIIを出発材料として使用して、Fentonら(1971)ならびにMillerおよびCopeland(1965)の研究から引用されるようにFentonら(1977)に記載された。この方法はアルカリ塩沈殿および陽イオン交換クロマトグラフィーを含むが、高純度のα-トロンビンを生成した。
【0004】
またトロンビンは、プロトロンビン濃縮物(プロトロンビン複合体濃縮物:prothrombin complex concentrate:PTCとも言う)から調製することもでき、これは典型的には全血漿を陰イオン交換樹脂へ吸着させ、そして溶出させることにより調製される(Coanら、1981に要約されている)。この画分を、プロトロンビン(II因子)、VII、IXおよびX因子、プロテインCならびにプロテインSを含む数種のビタミン−K依存性プロテアーゼのチモーゲン形に濃縮する。続く処理は典型的には、陽イオン交換クロマトグラフィーが必要である(WalzおよびSeegers、1974;Downingら、1975)。
【0005】
アフィニティー法は、プロトロンビン濃縮物から、または陽イオン交換クロマトグラフィーにより調製された下流の中間体から、血漿α-トロンビンを高純度濃縮するために導入された。トロンビンはアフィニティー相互作用のために利用された構造的特徴、すなわち触媒部位、陰イオン-結合部位(フィブリノーゲン-結合エキソサイトIとしても知られている)、およびヘパリン−結合部位(エキソサイトII)を有する。有用なリガンドは、例えばクロロベンジルアミン(Thompson、1976:ThompsonおよびDavie、1971)およびp-アミノベンザミジン(Lorneら、1989:Khamlichiら、1990)のような合成インヒビター、および触媒部位に結合するL-アルギニルメチルエステル(Yuら、1986)のような基質類似体を含む。ヘパリンおよび陽イオンクロマトグラフィー樹脂は、ヘパリン−結合部位(エキソサイトII)に結合する(Miller-Andersonら、1980:NgaiおよびChang、1991)。
【0006】
ペプチドリガンドクロマトグラフィー
トロンビンに相互作用し、そして/またはトロンビンにより開裂されると知られているタンパク質の部位に由来する多数のペプチド配列があるが、本発明者はプロトロンビンまたはトロンビンのアフィニティー精製に関して、そのようなペプチドを利用する参考文献が無いことを知っている。Petersら(1993)は、セリンプロテアーゼサーミターゼの精製のために、セリンプロテアーゼインヒビターと認識されているペプチジルメチルケトンを使用することにより、修飾ペプチドリガンドの有用性を実証した。
【0007】
ヒルジン、浸出抗凝固タンパク質は、トロンビンの陰イオン結合部位で相互作用する結合配列(約55−65残基)を有する(Krstenanskyら、1987)。
【0008】
トロンビンおよびXa因子への結合に関して、本発明で見いだされたペプチドQLWGSH(配列番号1)は、トロンビンの既知の機能に関するタンパク質に明らかな配列相同性を持たない。例えば、データベース中のタンパク質に対する相同性配列では、QLWGSHに対して同一のものは無いが、ハロバクテリウムハロビウム(Halobacterium halobium)由来のスーパーオキシドジスムターゼ、大腸菌(E.Coli)由来のウラシル-DNAグリコシラーゼ(EC3.2.2.-)およびソラナム チューベロサム(Solanum tuberosum)(ジャガイモ)由来の4-アルファ-グルカノトランスフェラーゼ(EC2.4.1.25)と、6つ連続残基の中に5つの同一性が明らかになった。
【0009】
付加されたアミノ−末端ヒスチジンを含むQLWGSHの変異体(HQLWGSH、配列番号21)は、トロンビンの既知の機能に関与するタンパク質と明らかな配列相同性を持たない。データベースの調査では、HQLWGSHとの同一のものは導かれなかったが、レイシュマニア ドノバニ(Leishmania donovani)由来の多剤耐性P-グリコプロテインは、7つの中に5つの同一連続残基を有することが判明した。この調査ではまた、すでに述べたQLWGSHの配列も明らかになった。QLWGSH変異体と同一の配列に関するデータベースの調査では、RQLWGSH(配列番号20)が同じものを持たないことが明らかになった。7つの連続同一アミノ酸の中の5つを持つ2つの配列が見いだされた:それはヒトアデノウイルス由来の初期E2A DNA 結合タンパク質およびマウスポリオーマウイルス由来の小T抗原である。
【0010】
ペプチドYFPGPYL(配列番号19)に関する配列相同性の調査では、トロンビンの既知の機能に関与するタンパク質と配列類似性が無いことが明らかとなった。7つの非連続的な同一残基の中の5つを持つ3つのタンパク質が、データベース調査により見いだされた:ムス ムスカラス(Mus musculus)由来のパラオキソナーゼ、ソルガム ビカラー(Sorghum bicolor)由来の澱粉シンターゼ(EC2.4.1.11)およびコリストネウラ フミフェローナ(Choristoneura fumiferona)由来の遺伝子p74タンパク質である。
【0011】
【発明の構成】
今回、出願人はプロトロンビンおよびトロンビンに結合する能力を特徴とするペプチドの一群を見いだした。この群には以下のペプチドアフィニティーリガンドを含む:QLWGSH、RQLWGSH、HQLWGSHおよびYFPGPYL(それぞれ配列番号1、20、21、19)。好適なリガンドはQLWGSH(配列番号1)およびYFPGPYL(配列番号19)である。また出願人は、プロトロンビンおよびトロンビンの精製法も記載し、この方法はタンパク質含有溶液を、定めた配列のペプチドアフィニティーリガンドを結合している基質上に通し、そして次にプロトロンビンまたはトロンビンを溶出することを含んで成る。
【0012】
【発明の態様】
材料 トロンビンに対するモノクローナルマウス抗体は、アメリカン ダイアグノスティカ(American Diagnostica:グリーンウィッチ、コネチカット州)から購入した。第二抗体結合体であるヤギ抗−マウスIgG-アルカリホスファターゼおよび色素基質NBT/BCIPおよびFast Red TRは、ピアス化学社(Pierce Chemical Co.:ロックフォード、イリノイ州)から購入した。ヒトのトロンビンはエンザイム リサーチ ラボズ(Enzyme Research Labs:サウスベンド、イリノイ州)から購入した。Fmocアミノ酸は、ノボビオケム(Novobiochem:ラジョラ、カリフォルニア州)から購入した。他の全ての化学品は試薬級以上であった。
【0013】
一般的方法 PELICAN法を使用する組み合わせペプチドライブラリーのスクリーニング(Buettnerら、1996)は、2.1mm×15cmのカラム内でミクロボア(microbore)HPLC(ミクローム バイオリソースイズ:Microme Bioresources、オバーン、カリフォルニア州)で行った。ペプチドおよび6-merの組み合わせライブラリーは、Buettnerら(1996)により記載されたように、標準的なFmoc化学を使用して、4,7,10-トリオキサ-1,13-トリデカンジアミン(Totda:アルドリッチ;Aldritch、セントルイス、モンタナ州)で修飾したToyopearl AF Chelate 650M(トーソーハース:TosoHaas、モンゴメリービル、ペンシルバニア州)で合成した。ペプチドはギルソン(Gilson)AMS 422を使用することにより、ロボットで合成した。上記の方法で達成されたペプチドの密度は、典型的には0.2−0.5ミリモル/g樹脂の範囲であった。
【0014】
アフィニティークロマトグラフィー形式でペプチドをスクリーニングするためには、ペプチド−ペプチド相互作用および1つのペプチドにトロンビンが結合する立体障害の危険性を減少させるために、低いペプチド密度が望ましい。これらは許容量および特異性の減少を生じ得る。そのような望ましい密度は、アフィニティークロマトグラフィーの通常の技術で実施されているような0.05−0.2ミリモル/g樹脂(10−40mg/ml樹脂)の範囲となるだろう。Totdaリンカー上に合成されたペプチド密度を制御するために、Fmoc-L-アラニン対t-Boc-L-アラニンの変動比率を含む混合物を、Totda-Toyopearlにカップリングした。以下の混合物を作成した:100% Fmoc-L-アラニン;20% Fmoc-L-アラニン/80%t-Boc-L-アラニン;10% Fmoc-L-アラニン/90%t-Boc-L-アラニン;4% Fmoc-L-アラニン/96%t-Boc-L-アラニン;および1%Fmoc-L-アラニン/99%t-Boc-L-アラニン。全アミノ酸濃度([Fmoc-L-アラニン]に[t-Boc-L-アラニン]を加える)は、約2.5ミリモル/g樹脂(Totdaの5倍)で一定に保たれた。当該技術分野で実施されている標準的なFmoc条件を使用して、混合物をカップリングした後、Fmoc保護基はアルカリにより離脱されるが、アルカリ耐性t-Bocは離脱されなかった。残っているt-Boc-誘導化L-アラニンは第一アミンを欠き、そしてさらなるペプチド合成に利用できなかった。次にペプチドは、Fmoc-誘導化-アミノ酸を使用して樹脂上に合成され、続いて酸性条件下で脱保護することにより合成した(これは残存t-Bocも外した)。バッチ樹脂に関するペプチド密度は、標準的な手法により乾燥、測定した全アミノ酸分析により決定した。最適なペプチド密度は、10%Fmoc-L-アラニン/90%t-Boc-L-アラニンの混合物を用いて達成され、約0.1−0.2ミリモル/g樹脂の密度を生じた。
【0015】
Rink樹脂(ノボビオケム)は、可溶性の精製ペプチドが可溶性の結合リガンドとして必要な時の合成に使用した。ペプチドを開裂し、そして脱保護し、次に調製用の逆相HPLCにより精製した。あるいはアフィニティークロマトグラフィーに必要なペプチドの中には、N-末端Fmoc基の除去無しで、脱保護そしてRink樹脂から開裂され、逆相HPLCにより精製され、そして適当なアフィニティー樹脂にカップリングされたものもある。可溶性ペプチドの純度は、分析用逆相HPLCにより評価し、そして分子量はFABマススペクトロメトリーで確認した。
【0016】
分析法 ドデシル硫酸ナトリウムポリアクリルアミドゲル電気泳動(SDS-PAGE)を、8%または12%ポリアクリルアミドゲル(ノベックス:Novex、サンディエゴ、カリフォルニア州)で、Laemmli(1970)の手法に従い行った。ゲルからのタンパク質の転写はTowbinら(1979)の方法により、未使用の膜結合部位をブロックするためにカゼイン(ピアスケミカル社)を使用して行った。結合した抗体は化学発光物質CSPD(トロピックス:Tropix、ベッドフォード、マサチューセッツ州)を使用し、そしてXARフィルム(イーストマンコダック:Eastman Kodak、ロチェスター、ニューヨーク州)に暴露して検出した。
【0017】
免疫比濁法は、ベーリング(Behring)比濁計、モデルBNAを使用することにより、ベーリングベルケ社(Behringwerke AG)(マールブルグ、独国)から購入したアッセイキットを用いて行った。
【0018】
トロンビン活性は、合成基質S-2238(H-D-Phe-Pip-Arg-p-ニトロアラニン・2HCl)(ファルマシア:Pharmacia、フランクリン、オハイオ州)を使用して測定した。
【0019】
トロンビンへの結合ペプチドの発見
米国特許出願番号第08/438,331号明細書(引用により本明細書に編入する)に使用されたものに類似するアッセイを、プロトロンビンおよびα-トロンビンの両方に結合するペプチドを推定するために使用した。簡単に説明すると、組み合わせペプチドライブラリーを、約0.4ミリモル/g樹脂の最終ペプチド密度で、トーソーハース クロマトグラフィー樹脂、Toyopearl AF Chelate 650M(Buettnerにより修飾)上に直接合成した。ライブラリーはFmoc-化学を使用して、20の天然アミノ酸の中の18個を用いて合成した(システインおよびメチオニンは含まなかった)。
【0020】
ライブラリー(0.5ml)への最初の添加は、平衡化緩衝液(10mM HEPES、pH6.8および0.1M NaCl、0.1mM EGTAおよび0.1容量/容量% Tween-20)、そして次に洗浄緩衝液(1M NaClを含む平衡化緩衝液)であった。これに続いて連続的に樹脂を検出系の個々の成分と接触させた。これらの成分は、すなわちマウスで作成された抗−ヒトトロンビン抗体、次にアルカリホスファターゼと結合したヤギ抗−マウスIgG抗体であり、そしてBCIP/NBT発色系(青)を用いて染色した。第二の接触は、平衡化緩衝液中の1μM α-トロンビン(全1ナノモル)で開始し、続いて検出系、そしてFast Redによる染色を上記に概説し、そしてBuettnerら(1996)に詳細にさらに記載されているように行った。
【0021】
【表1】
【0022】
検出系との非特異的相互作用を示すブルービーズは、0.1%未満でカラム全体に均一に見いだされた:10個のビーズが赤く染まった。個々の赤いビーズを手で単離し、そして不溶性の赤色色素を除去するために20分間、メタノール中で超音波処理を行った。固定化したペプチドをエドマン分解によりシークエンシングし、そしてそれを表1に与える。曖昧な信号があるサイクルについては、最高の応答を有するアミノ酸を第一ラインに掲載し、そしてより低い応答のアミノ酸を続くラインに掲載した。
【0023】
確認の結合アッセイは、0.2ミリモル/g樹脂の最終置換密度で、Totdaに続いてアラニン残基を用いて修飾したToyopearl 650 M Chelate樹脂(A-Totda-Toyopearl)に、直接合成した個々のペプチド配列を使用して、ミクロボアHPLCに関するカラムクロマトグラフィーの形式で行った。これらの樹脂の接触には、A)平衡化緩衝液(上記のような)、洗浄緩衝液(上記のような)、高塩濃度緩衝液(3M NaClを含有する平衡化緩衝液)、そして溶出緩衝液(2.5%酢酸)のみ;B)平衡化緩衝液中のヒト血清アルブミン(hSA;0.5mg)、続いて洗浄、高塩濃度、そして溶出緩衝液、C−E)平衡化緩衝液中に段階的な精製α-トロンビンの付加量(50、100および200μg)、続いて洗浄、高塩濃度、そして溶出緩衝液を含んだ。終点は、トロンビン接触物中の酸溶出液中の添加量−依存的増加であり、そして定量は280nm吸収の積算によった。すべてのペプチド樹脂からの溶出液の積算を、表2に与える。
【0024】
PELICANスクリーニングからの陽性レッドビーズに由来する数種の配列が、添加量依存的な様式でトロンビンに結合した(表2)。溶出は大部分、NaClではなく低pH処理を使用することにより行なわれ、結合の相互作用がヒルジン-誘導化ペプチドよりも明らかに強いことを示唆していた。トロンビンに結合したこれらのペプチドは、QLWGSH(ならびにQの前にさらにRまたはHが挿入された変異体)、PFPYGW(およびすべての変異体、VFPYGW、PFPYAW、VFPYAW、PFPYVWおよびVFPYVW)、YTPFAV(しかし第一位でVまたはLをYへ置換する変異体ではない)、LFAPTL(しかしPFAPTLではない)、SVRPFL、FEPANP、GFRKGP(およびGFRNGP)、ERPYKG(しかしERPYHGではない)およびYFPGPYLであった。PFPYVWを含有するペプチド樹脂はトロンビンに結合するが、添加量依存的様式ではなかった(配列番号については表2を参照にされたい)。
【0025】
【表2】
【0026】
ペプチド樹脂QLWGSH(配列番号1)を、さらなる実験に使用するために選択した。精製α-トロンビン(50、100および200μg)の結合および溶出プロフィールは、図1に表す。酸溶出液中に、添加量依存的な増加があった(図1C、DおよびE)。画分は、発色物質S2238を使用するトロンビン活性のアッセイのために集められた。添加したα-トロンビンエステラーゼ活性の約64−79%が、酸溶出液のpHを中性に調整した後に回収された(表3)。より少ない活性量が非結合画分中(示さず)および3M NaCl溶出液中に溶出した。アルギニンおよびヒスチジンのアミノ末端への点付加で、結合を強化できた(配列番号20および21)。
【0027】
ペプチド樹脂YFPGPYL(配列番号19)を、図5に示す精製α-トロンビンおよびhSA(0.5容量/容量%)の混合物に関する結合および溶出プロフィールに基づくさらなる実験のために選択した。酸溶出液中に、添加量依存的な増加があった(図5C、DおよびE)。
【0028】
【表3】
【0029】
【実施例】
実施例1
QLWGSH樹脂 ( 配列番号1 ) を使用することによる、活性化プロトロンビン複合体(PTC)溶出物からのα - トロンビンの精製
ヒトのプール血漿を、標準的な製造技法によりPTC溶出物に処理した。簡単に説明すると、DEAE-Sephadex樹脂を寒冷沈殿の溶出後に加え、そしてゆるく結合したタンパク質を低塩緩衝液を用いて洗い流した。高濃度のNaClは、プロトロンビンおよびビタミンK-依存的凝固プロテアーゼチモーゲン(VII、IX、X因子、プロテインCおよびプロテインS)を含むPTCと呼ばれる画分を溶出した。PTC溶出物の試料を25(重量/重量)%のクエン酸ナトリウムの存在下で4日間、室温で活性化した。約1.0mlの活性化PTC溶出物を、ペプチド樹脂QLWGSH-A-Totda-Toyopearlに注入した(図2のA)。カラムは、1.0M NaClを含有する平衡化緩衝液(10mM HEPES、pH6.8、1.0mM EGTAおよび0.1(容量/容量)%Tween-20)で洗浄し、そして次に3.0M NaClを含有する平衡化緩衝液でさらに洗浄した。酸処理(2.5%酢酸)は、タンパク質をペプチド樹脂から外すために使用した。
【0030】
QLWGSH-A-Totda-Toyopearlは、活性化PTC溶出物からのタンパク質に結合した(図2のA)。少量のタンパク質が、樹脂に結合し、これはNaClまたは酸処理のいずれかにより放出された。SDS-PAGEおよびウエスタンブロッティング(図3のAおよびB)により、活性化PTC溶出物はカラムを通過することによりトロンビンが減った(レーン5、非結合画分を参照にされたい)。1M NaClおよび2.5%酢酸の両方が、高度に濃縮されたトロンビンを含んでいた(図3のAおよびB、レーン6および7)。同量のトロンビンが3M NaClで溶出した(示さず)。約42,000の見かけ上の分子量を持つ第二ポリペプチド(SDS-PAGEの移動度により決定するような)は、トロンビンと同時に溶出するが、トロンビンに対する抗体とは反応しなかった。このポリペプチドのN−末端配列分析は、識別しうる配列を生じなかった。これはQLWGSHがトロンビンに結合し、そして濃縮することを示唆している。
【0031】
実施例2
QLWGSH樹脂 ( 配列番号1 ) を使用することによる、プロトロンビン複合体(PTC)溶出物からのプロトロンビンの精製
ヒトのプール血漿を、実施例1に示したように標準的な製造技法によりPTC溶出物を処理した。約1.0mlのPTC溶出物をペプチド樹脂QLWGSH-A-Totda-Toyopearlに注入した(図2のB)。カラムは、1.0M NaClそして次に3.0M NaClをを含有する平衡化緩衝液で洗浄した。酸処理(2.5%酢酸)はタンパク質をペプチド樹脂から離すために使用した。
【0032】
QLWGSH-A-Totda-Toyopearlは、非活性化PTC溶出物からのタンパク質に結合した。全タンパク質の大部分(A280による)が、1M NaClにより放出され(図2のB)、これはSDS-PAGEおよびウエスタンブロッティング分析により、プロトロンビンを濃縮した(図4のAおよびB)。少量のプロトロンビンが3M NaClにより放出された(図2のBおよび図4AおよびB)。酸溶出は少なくとも3つのポリペプチドを遊離し、そのいずれもトロンビンに対する抗体とは反応しなかった。これらの結果は、プロトロンビンがペプチドQLWGSHに結合し、そして1M NaCl含有の溶出緩衝液により、濃縮された純度でペプチドから外されることができることを実証した。
【0033】
実施例3
YFPGPYL樹脂 ( 配列番号19 ) を使用することによる、活性化プロトロンビン複合体(PTC)溶出物からのα - トロンビンの精製
ヒトのプール血漿を、実施例1に示すように標準的な製造技法によりPTC溶出物を処理した。PTC溶出物の試料を50mM CaCl2の存在下で6日間、4℃で活性化した。300μgのα-トロンビンでスパイクした約1mlの活性化PTC溶出物を、ペプチド樹脂YFPGPYL-Totda-Toyopearlに注入した(図6)。カラムは、A280がベースラインに戻るまで平衡化緩衝液(10mM HEPES、pH6.5、10mM CaCl2、500mM NaCl、0.1(容量/容量)%PEG-400)で洗浄した。次にペプチドに結合したα-トロンビンを放出するために、このペプチドカラムを1mM クエン酸ナトリウム、pH7.0で洗浄した。酸処理(2%酢酸)は、カラムに未だに結合しているタンパク質を除去するために、クリーニング工程として使用した。
【0034】
ペプチドカラムYFPGPYL-Totda-Toyopearlは、α-トロンビン-スパイク-PTC溶出物からのタンパク質を結合した。全タンパク質のほとんどが(A280による)カラムを素通りし、そしてより少量が、1mM クエン酸ナトリウム、pH7.0により放出された(図6)。1mM クエン酸ナトリウム、pH7.0により放出されたタンパク質は、SDS-PAGEの定量的スキャンニング分析により示されるように、少なくとも72%のトロンビンであった(図7)。他の少ない混入物は分子量がより高く、そしてトロンビンの分解生成物とは思われない。酸処理で少量のトロンビンおよび高分子量タンパク質種を除去した。これらの結果により、活性化セリンプロテアーゼトロンビンはYFPGPYLに結合し、そしてペプチドから特別な様式で外し、濃縮できることが実証された。
【0035】
まとめ
PELICAN技法を使用して、α-トロンビンを用いた組み合わせライブラリーをスクリーニングすることにより、アフィニティークロマトグラフィーに有用な結合ペプチドを見いだした。ペプチドリガンドQLWGSH(配列番号1)を含むアフィニティー樹脂は、タンパク質の起源に依存してプロトロンビンまたはトロンビンのいずれかに結合し、そして精製できる。ペプチドリガンドYFPGPYL(配列番号19)を含むアフィニティー樹脂は、活性化PTC溶出物からのトロンビンを結合し、そして精製した。
【0036】
さらに、これらタンパク質のQLWGSH樹脂への結合および保持は、ヒト血漿画分に混入の可能性がある包膜化ウイルスを不活性化するために有用な非-イオン性界面活性剤であるTween-20の存在下で起こった。これはこの樹脂が調製中にプロ(トロンビン)からウイルス不活性化界面活性剤を除くためにも有用であり、あるいはさらに(プロ)トロンビンをアフィニティー樹脂に結合させながら、ウイルスを不活性化するための界面活性剤を用いた(プロ)トロンビンの処理に有用である。
【0037】
上記の実施例は本発明を説明することを意図し、そして当業者は変更態様を作成するであろうと考えられる。したがって本発明の範囲は上記の請求項によってのみ限定されることを意図する。
【0038】
参考文献
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Downing,M.R.ら、J.Biol.Chem.250:8897-8906(1975)。
【0042】
Fenton,J.W.,IIら、Biochim.Biophys.Acta 229:26-32(1971)。
【0043】
Fenton,J.W.,IIら、J.Biol.Chem.252:3587-3598(1977)。
【0044】
Khamlichi,S.,D.ら、Chromatogr.510:123-1312(1990)。
【0045】
Krstenansky,J.L.ら、J.Med.Chem.30:1688- (1987)。
【0046】
Lorne,J.L.ら、Rev.Fr.Transfus.Hemobiol.32:391-402(1989)。
【0047】
Miller,K.D.,およびW.H.Copeland,Exp.Mol.Pathol.4:431-437(1965)。
【0048】
Miller-Anderson,M.ら、Thromb.Res.20:109-122(1980)。
【0049】
Ngai,P.K,およびJ.-Y.Chang.Biochem.J.280:805-808(1990)。
【0050】
Peters,K.ら、J.Chromatog.648:91-99(1993)。
【0051】
Thompson,A.R.Biochim.Biophys Acta 422:200-209(1976)。
【0052】
Thompson,A.R.およびE.W.Davie,Biochim.Biophys.Acta 250:210-215(1971)。
【0053】
Walz,D.A.およびW.H.Seegers,Biochem.Biophys.Res.Commun.60:717-722(1974)。
Yu,X.J.ら、J.Chromatog.376:429-435(1986)。
【0054】
【配列表】
出願人:バイエル コーポレーション
発明の名称:プロトロンビンおよびトロンビンに結合するペプチド
整理番号:9705082
出願日:平成9年6月24日
優先権番号:08/672,805
優先権日:平成8年6月28日
配列の数:21
配列番号1:
配列の長さ:6
配列の型:アミノ酸
鎖の数:一本鎖
トポロジー:直鎖状
配列の種類:ペプチド
配列:
Gln Leu Trp Gly Ser His
1 5
配列番号2:
配列の長さ:6
配列の型:アミノ酸
鎖の数:一本鎖
トポロジー:直鎖状
配列の種類:ペプチド
配列:
Pro Phe Pro Tyr Gly Trp
1 5
配列番号3:
配列の長さ:6
配列の型:アミノ酸
鎖の数:一本鎖
トポロジー:直鎖状
配列の種類:ペプチド
配列:
Val Phe Pro Tyr Gly Trp
1 5
配列番号4:
配列の長さ:6
配列の型:アミノ酸
鎖の数:一本鎖
トポロジー:直鎖状
配列の種類:ペプチド
配列:
Pro Phe Pro Tyr Ala Trp
1 5
配列番号5:
配列の長さ:6
配列の型:アミノ酸
鎖の数:一本鎖
トポロジー:直鎖状
配列の種類:ペプチド
配列:
Val Phe Pro Tyr Ala Trp
1 5
配列番号6:
配列の長さ:6
配列の型:アミノ酸
鎖の数:一本鎖
トポロジー:直鎖状
配列の種類:ペプチド
配列:
Pro Phe Pro Tyr Val Trp
1 5
配列番号7:
配列の長さ:6
配列の型:アミノ酸
鎖の数:一本鎖
トポロジー:直鎖状
配列の種類:ペプチド
配列:
Val Phe Pro Tyr Val Trp
1 5
配列番号8:
配列の長さ:6
配列の型:アミノ酸
鎖の数:一本鎖
トポロジー:直鎖状
配列の種類:ペプチド
配列:
Val Thr Pro Phe Ala Val
1 5
配列番号9:
配列の長さ:6
配列の型:アミノ酸
鎖の数:一本鎖
トポロジー:直鎖状
配列の種類:ペプチド
配列:
Leu Thr Pro Phe Ala Val
1 5
配列番号10:
配列の長さ:6
配列の型:アミノ酸
鎖の数:一本鎖
トポロジー:直鎖状
配列の種類:ペプチド
配列:
Tyr Thr Pro Phe Ala Val
1 5
配列番号11:
配列の長さ:6
配列の型:アミノ酸
鎖の数:一本鎖
トポロジー:直鎖状
配列の種類:ペプチド
配列:
Leu Phe Ala Pro Tyr Leu
1 5
配列番号12:
配列の長さ:6
配列の型:アミノ酸
鎖の数:一本鎖
トポロジー:直鎖状
配列の種類:ペプチド
配列:
Pro Phe Ala Pro Tyr Leu
1 5
配列番号13:
配列の長さ:6
配列の型:アミノ酸
鎖の数:一本鎖
トポロジー:直鎖状
配列の種類:ペプチド
配列:
Ser Val Arg Pro Phe Leu
1 5
配列番号14:
配列の長さ:6
配列の型:アミノ酸
鎖の数:一本鎖
トポロジー:直鎖状
配列の種類:ペプチド
配列:
Phe Glu Pro Ala Asn Pro
1 5
配列番号15:
配列の長さ:6
配列の型:アミノ酸
鎖の数:一本鎖
トポロジー:直鎖状
配列の種類:ペプチド
配列:
Gly Phe Arg Lys Gly Pro
1 5
配列番号16:
配列の長さ:6
配列の型:アミノ酸
鎖の数:一本鎖
トポロジー:直鎖状
配列の種類:ペプチド
配列:
Gly Phe Arg Asn Gly Pro
1 5
配列番号17:
配列の長さ:6
配列の型:アミノ酸
鎖の数:一本鎖
トポロジー:直鎖状
配列の種類:ペプチド
配列:
Glu Arg Pro Tyr His Gly
1 5
配列番号18:
配列の長さ:6
配列の型:アミノ酸
鎖の数:一本鎖
トポロジー:直鎖状
配列の種類:ペプチド
配列:
Glu Arg Pro Tyr Lys Gly
1 5
配列番号19:
配列の長さ:7
配列の型:アミノ酸
鎖の数:一本鎖
トポロジー:直鎖状
配列の種類:ペプチド
配列:
Tyr Phe Pro Gly Pro Tyr Leu
1 5
配列番号20:
配列の長さ:7
配列の型:アミノ酸
鎖の数:一本鎖
トポロジー:直鎖状
配列の種類:ペプチド
配列:
Arg Gln Leu Trp Gly Ser His
1 5
配列番号21:
配列の長さ:7
配列の型:アミノ酸
鎖の数:一本鎖
トポロジー:直鎖状
配列の種類:ペプチド
配列:
His Gln Leu Trp Gly Ser His
1 5□
【図面の簡単な説明】
【図1】ペプチドQLWGSH-A-Totda-Toyopearlでのクロマトグラフィー分離の溶出プロフィールを表す(280nmでの吸収)。(配列番号1)A)緩衝液、タンパク質無し;B)0.5mg hSA;C)50μgトロンビン;D)100μg トロンビン;E)200μg トロンビン。タンパク質は約17μl/分で10分間添加し、そして次にカラムを平衡化緩衝液で865μl/分にて、4分間洗浄した。これに続いて1.0M NaClを含む平衡化緩衝液で5分間、3.0M NaClでさらに5分間、そして0.1M でさらに5分間洗浄した。タンパク質は2%酢酸を使用して30分から35分の間に溶出した。
【図2】活性化および非活性化PTC溶出物の、ペプチドQLWGSH-A-Totda-Toyopearlでのクロマトグラフィー分離の溶出プロフィールを表す(280nmでの吸収)。A)活性化PTC溶出物;B)非活性化PTC溶出物。操作条件は図1に記載の通り。
【図3】活性化PTC溶出物を、QLWGSH-A-Totda-Toyopearlでクロマトグラフィー分離した画分のSDS-PAGE(8%ポリアクリルアミドゲル電気泳動)の結果をウエスタンブロット分析した結果を示す図に代わる写真である。パネルA:クーマシー−染色ゲル、パネルB:α-トロンビンに対する抗体を使用したウエスタンブロット。レーン1および9、分子量標準;レーン2、プロトロンビン標準;レーン3および8、α-トロンビン標準;レーン4、活性化PTC溶出物;レーン5、非結合画分;レーン6、1M NaCl洗浄画分;レーン7、2%酢酸溶出物。
【図4】QLWGSH-A-Totda-Toyopearlでクロマトグラフィー分離したPTC溶出物のSDS-PAGE(8%ポリアクリルアミドゲル電気泳動)の結果をウエスタンブロット分析した結果を示す図に代わる写真である。パネルA:クーマシー−染色ゲル、パネルB:α-トロンビンに対する抗体を使用したウエスタンブロット。レーン1および10、分子量標準;レーン2、プロトロンビン標準;レーン3および9、α-トロンビン標準;レーン4、PTC溶出物;レーン5、非結合画分;レーン6、1M NaCl洗浄画分;レーン7、3M NaCl洗浄画分;レーン8、2%酢酸溶出物。
【図5】ペプチドYFPGPYL-Totda-Toyopearl(配列番号19)でクロマトグラフィー分離した溶出プロフィールを表す(280nmでの吸収)。A)緩衝液、タンパク質無し;B)0.5mg hSA;C)0.5mg hSA+50μgトロンビン;D)0.5mg hSA+100μg トロンビン;E)0.5mg hSA+200μg トロンビン。操作条件は図1に記載の通り。
【図6】活性化PTC溶出物をペプチドYFPGPYL-Totda-Toyopearlでクロマトグラフィー分離した溶出プロフィールを表す(280nmでの吸収)。平衡(10mM HEPES pH6.5、10mM CaCl2、0.1(容量/容量)% PGE-400、500mM NaCl)は、0.01mlから18.6ml;1mMクエン酸ナトリウム pH7.0は18.6mlから34.1ml;2%酢酸は34.1mlから43.4mlである。
【図7】YFPGPYL-Totda-Toyopearlでクロマトグラフィー分離した活性化PTC溶出物のクーマシー−染色SDS-PAGE(12%ポリアクリルアミドゲル電気泳動)の結果を示す図に代わる写真である。レーン1、300μgα-トロンビンでスパイクした、6日目のCaCl2-活性化PTC溶出物。レーン2および8、分子量標準;レーン3、プロトロンビン標準(MW〜71,600);レーン4、非結合画分;レーン5、1mM クエン酸ナトリウム pH7.0画分;レーン6、2%酢酸画分;レーン7、α-トロンビン標準(MW〜37,000)。
Claims (8)
- 配列番号1、2、3、4、5、6、7、10、11、13、14、15、16、17、18、19、20および21から成る群から選択される配列から成り、かつ、トロンビンもしくはプロトロンビンまたはトロンビン及びプロトロンビンの両者に結合するペプチド。
- 配列番号1、19、20および21から成る群から選択される配列から成る請求項1記載のペプチド。
- 請求項1記載のペプチドを含んでなる組成物。
- プロトロンビンおよびトロンビンから成る群から選択されるタンパク質の精製方法であって、タンパク質が基質に結合するために十分な条件下でタンパク質を含む水溶液を基質と接触させることを含んで成り、基質が支持体に結合した請求項1記載のペプチドを含んで成る方法。
- ペプチドが配列番号1、19、20および21から成る群から選択される配列から成る請求項5記載の方法。
- (P/V)FPY(G/A/V)Wの配列から成り、かつ、トロンビンもしくはプロトロンビンまたはトロンビン及びプロトロンビンの両者に結合するペプチド。
- 請求項6記載のペプチドを含んでなる組成物。
- プロトロンビンおよびトロンビンから成る群から選択されるタンパク質の精製方法であって、タンパク質が基質に結合するために十分な条件下でタンパク質を含む水溶液を基質と接触させることを含んで成り、基質が支持体に結合した請求項6記載のペプチドを含んで成る方法。
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