JP3978008B2 - モールドランナーおよびそれを利用した配線板 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は,配線板のピース部と他の部材とを接着により接続するモールドランナーおよびそれを利用した配線板に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
プリント基板製造工程により製造されるプリント基板は,ピース部とフレーム部とで構成される。ピース部とフレーム部とを接続する方法は種々あり,モールドランナーによる接続はその接続方法の1つである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら,従来のモールドランナーには,次のような問題点があった。すなわち,従来のモールドランナーでは,接着する面積が小さく,接着剤の量も不十分で接着力が弱い。このため,予期しないピース部の脱落が発生する。
【0004】
本発明は,前記した従来のモールドランナーが有する問題点を解決するためになされたものである。すなわちその課題とするところは,接着力を強化したモールドランナーおよびそれを利用した配線板を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
この課題の解決を目的としてなされた本発明のモールドランナーは,配線板のピース部と他の部材とを接着により接続するモールドランナーにおいて,少なくとも一方の接着面が波状面であるものである。
【0006】
すなわち,本発明のモールドランナーでは,配線板のピース部もしくは他の部材の少なくとも一方の接着面が波状面になっている。これにより,モールドランナーのその接着面の接着面積が大きい。また,この波状面に接着剤を注入することによりより,十分な量の接着剤が付着する。よって,モールドランナーと配線板との間の接着力が強化される。また,ピース部が予期せずして脱落するようなことはない。
【0007】
また,本発明の配線板は,ピース部と他の部材とを接続した配線板において,ピース部と他の部材とを接着により接続するモールドランナーを有し,モールドランナーの接着面と,その接着面に接する被接着面とがともに波状面であり,両波状面が組み合わされているものとするとよい。これにより,モールドランナーと配線板との接合面積が広く,接着力が強化されている。なお,ここでいう他の部材とは,他のピース部であってもよいし,フレームであってもよい。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下,本発明を具体化した実施の形態について,添付図面を参照しつつ詳細に説明する。本形態は,モールドランナーを利用する多ピース基板に,本発明を適用したものである。
【0009】
[第一の形態]
本形態に係る多ピース基板1は,図1に示すように,フレーム5と,3つのピース部(プリント基板)2〜4とを有している。各ピース部2〜4とフレーム5との間には,スリットが開けられている。そして,各ピース部2〜4を固定するモールドランナー7が随所に設けられている。さらには,ピース部2と4との間,およびピース部3と4との間はフレキシブル基板6により随所で接続されている。各プリント基板2〜4は,プリント基板2が8層,プリント基板3が6層,プリント基板4が4層のそれぞれ異なった積層プリント配線板である。
【0010】
多ピース基板1におけるピース部2とフレーム5とを接ぐモールドランナー7の概略構造を図2に示す。モールドランナー7は,図中上面のある一方の側に複数の溝8を有しており,その部分は波状面をなしている。この溝8は,一方の端からほぼ中央にかけて形成されている。溝8の大きさは,モールドランナー7の厚さ0.2〜2.4mmの範囲内に対し,深さは0.1〜1.0mmの範囲内(厚さの0.25〜0.75倍の範囲内)のものである。多ピース基板1では,溝8に接着剤を注入することにより,モールドランナー7と,ピース部2もしくはフレーム5とが接着されている。
【0011】
図3は,図2中のモールドランナー7および,モールドランナー7に接着しているフレーム5とプリント基板2との,A−A部の断面図である。本形態のモールドランナー7では,プリント基板2の側面と当該モールドランナー7の側面とが接着している。また,モールドランナー7は,溝8が存在する面でフレーム5と接している。一方,フレーム5では,モールドランナー7に対する被接着面に対して複数の突起9を有しており,その部分は波状面をなしている。そして,モールドランナー7とフレーム5とは,溝8と突起9が噛合うように組み合わされている。これにより,フレーム5とプリント基板2とが接続されている。
【0012】
図4は,図2中のモールドランナー7および,モールドランナー7に接着しているフレーム5のB−B部の断面図である。突起9は,モールドランナー7にある溝8と噛合う形をしている。この突起9と溝8とを組み合わせることにより,接着面積が広くなっている。よって,接着力が強化されている。
【0013】
なお,接着樹脂は,熱可塑性樹脂であって250℃以下で流動化するものを使用する。これにより,組立工程では,多ピース基板1をピース部にダメージを与えない範囲内で加熱することで,フレーム5からピース部2〜4を取り出すことができる。
【0014】
[第二の形態]
本形態に係る多ピース基板1は,第一の形態と同様に,フレーム5と,3つのピース部2〜4(プリント基板)とを有している。そして,各ピース部をフレーム部に固定するモールドランナー7が随所に設けられている。本形態のモールドランナー7を図5に示す。モールドランナー7は,両側に複数の溝8を有しており,その部分は波状面をなしている。この溝8は,表面の両端からほぼ中央にかけて形成されている。
【0015】
図6は,図5中のモールドランナー7および,モールドランナー7に接着しているフレーム5とプリント基板2との,C−C部の断面図である。モールドランナー7は,図中上面のある一方の側でフレーム5と接している。また,他方の側でピース部2と接している。そして,モールドランナー7とフレーム5とは,溝8と突起9とが噛合うように組み合わされている。さらに,モールドランナー7とピース部2とも,溝8と突起9とが噛合うように組み合わされている。また,モールドランナー7は,溝8に接着剤としての接着樹脂等を流し込むことによりフレーム5およびピース部2に接着している。これにより,フレーム5とプリント基板2とが接続されている。
【0016】
以上詳細に説明したように本形態のモールドランナー7は,溝8を有し表面を波状面にすることとしている。また,溝8は,フレーム5もしくはピース部2〜4に接することとしている。これにより,モールドランナー7の接着面の面積が大きくなっている。また,溝8に十分な量の接着剤が注入されているため,モールドランナー7と,ピース部2もしくはフレーム5とが確実に接着している。
【0017】
また,本形態の多ピース基板1は,モールドランナー7との接合面に突部9を有することとしている。さらに,当該突部9とモールドランナー7が有する溝8とを組合すこととしている。これにより,モールドランナー7と多ピース基板との接合面積が広くなっている。よって,接着度が強化されるモールドランナーおよび配線板が実現されている。また,ピース部が予期せずして脱落するようなことはない。
【0018】
なお,本実施の形態は単なる例示にすぎず,本発明を何ら限定するものではない。したがって本発明は当然に,その要旨を逸脱しない範囲内で種々の改良,変形が可能である。例えば,第一の形態のモールドランナー7で,ピース部2に接している面に本発明を適用してもよい。この場合は,ピース部2に接している側面に溝8を設ける。また,ピース部2にも,モールドランナー7との接合面に突起9を設ける。
【0019】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように本発明によれば,接着力を強化したモールドランナーおよびそれを利用した配線板が提供されている。
【図面の簡単な説明】
【図1】第一の形態に係る多ピース基板の平面図である。
【図2】第一の形態に係るモールドランナーの平面図である。
【図3】第一の形態のモールドランナーの断面図(その1)である。
【図4】第一の形態のモールドランナーの断面図(その2)である。
【図5】第二の形態に係るモールドランナーの平面図である。
【図6】第二の形態のモールドランナーの断面図である。
【符号の説明】
1 多ピース基板
2〜4 プリント基板
5 フレーム
6 フレキシブル基板
7 モールドランナー
8 溝
9 突起

Claims (2)

  1. 配線板のピース部と他の部材とを接着により接続するモールドランナーにおいて,
    少なくとも一方の接着面が波状面であることを特徴とするモールドランナー。
  2. ピース部と他の部材とを接続した配線板において,
    ピース部と他の部材とを接着により接続するモールドランナーを有し,
    前記モールドランナーの接着面と,その接着面に接する被接着面とがともに波状面であり,両波状面が組み合わされていることを特徴とする配線板。
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