JP3977968B2 - 懸架制御装置 - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数の脚(転輪)に対しそれぞれ油圧ダンパ(懸架シリンダ)を介して車体が支持(懸架)される貨客車両の懸架制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、上記のような懸架制御装置において、乗り心地と操縦安定性を高いレベルで両立させるシステムとして油圧式アクティブサスペンション等が実用化されているが、油圧ポンプなど消費エネルギの大きいパワー源を必要とするという問題点があった。
【0003】
これに対し、車両の振動状態に合わせて油圧ダンパの減衰力をリアルタイムで制御するセミアクティブサスペンションは、操縦安定性の面ではアクティブサスペンションに劣るものの、乗り心地は近いものが得られると言われており、油圧ポンプなどのパワー源を不要とし消費エネルギの面でも優れることから注目を集めている。
【0004】
このセミアクティブサスペンションは、例えば図7に示すような油圧回路で構成される。
【0005】
これによれば、転輪1にベルクランク2を介して連結した油圧ダンパ(懸架シリンダ)3とアキュムレータ4とを結ぶ油圧回路途中に比例電磁弁5が介装され、この比例電磁弁5がコントローラ6により、下記の表1に示す制御方式で開度調整されて減衰力が調整されるようになっている。
【0006】
【表1】
Figure 0003977968
上記表1で、
vb-vw : 転輪−車体間上下相対速度センサ出力
vb : 車体上下速度センサ出力
Fd : 減衰力
min : 最小減衰力
C : 係数
【0007】
尚、図中7は回路内の油圧過上昇を防止するリリーフ弁、8は比例電磁弁5の油圧駆動用の自動切換弁、9は比例電磁弁5の故障対策用のパッシブ制御(何も制御しない)要素で、逆止弁と固定オリフィスからなる。
【0008】
前記制御方式を達成するための制御ロジックを、図8に示したセミアクティブ制御のブロック線図を用いて説明する。
【0009】
先ず、車体上下速度センサ(図1の車体上下速度センサ12参照)からの車体上下速度計測電圧は、演算部20で車体上下速度計測電圧物理量変換係数Gdzbを乗じて速度に変換された後、演算部21で、後述するスイッチ22が懸架が停止している時に不必要にON−OFF動作するのを回避するために、バイアス値Cv(一定値,例えば2cm/sec)が加算されて演算部23と演算部24とに分岐して入力される。
【0010】
次に、前記演算部23では絶対値が求められ、この絶対値に演算部25でマイナスの目標減衰力係数Ksemi を乗じて目標減衰力が決定される(例えば、図9の比例電磁弁開度と車体上下絶対速度の関係を示すグラフからわかるように両者は逆の関係にあるので減少関数のかたちで与えられる。逆の場合は増加関数のかたちで与えられる。弁の特性を踏まえて対応する。)。この後、演算部26で比例電磁弁電圧信号変換係数Ksp を乗じて電圧信号に変換された後、演算部27に入力される。
【0011】
次に、前記演算部27では、前記演算部26からの電圧信号と後述するスイッチ22からの電圧信号にKbias (一定値)が加算され、ここでスイッチ22からの電圧信号が無い(最小0V )場合は、前記演算部26からの電圧信号にKbias (一定値)が加算されものが比例電磁弁5のリミッタ28にかけられて比例電磁弁電圧指令として比例電磁弁ドライバ29に入力される。
【0012】
一方、転輪−車体間上下相対速度センサ(図1の転輪−車体間上下相対速度・変位センサ11参照)からの転輪−車体間上下相対速度計測電圧は、演算部30で転輪−車体間上下相対速度計測電圧物理量変換係数Gdw を乗じて速度に変換された後、演算部31で、後述するスイッチ22が懸架が停止している時に不必要にON−OFF動作するのを回避するために、バイアス値Cv(一定値,例えば2cm/sec)が加算されて演算部24に入力される。
【0013】
前記演算部24では、演算部21と演算部31との速度信号が乗算され、この信号swが前記スイッチ22に入力される。このスイッチ22では、前記信号swがsw≧0 の時はin1 即ち、最小0V を出力し、sw<0の時はin2 即ち、最大Kbias (比例電磁弁全開信号)×5V を出力する。従って、前記演算部27では、スイッチ22からの電圧信号が最大Kbias ×5V の場合は、これに前記演算部26からの電圧信号とKbias (一定値)が加算されものが前記リミッタ28にかけられて比例電磁弁電圧指令として比例電磁弁ドライバ29に入力される。
【0014】
このようにして、減衰力最小(min) の時、比例電磁弁5を全開にして圧油を低圧側(アキュムレータ側)に戻す一方、減衰力が必要な場合は、車体上下速度に比例した減衰力を発生させるため、比例電磁弁5を車体上下速度に比例して絞るのである。
【0015】
これにより、図10のアクティブ制御の各車速における懸架制御性能(三角波時間応答)のグラフと図11の従来型セミアクティブ制御の各車速における懸架制御性能のグラフからもわかるように、比較的車速の高い領域では、両者は略同じような乗り心地(制振効果)が得られる一方で、従来型セミアクティブ制御は油圧ポンプなどのパワー源を不要とするので、消費エネルギが小さくて済む。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、前述したような従来のセミアクティブサスペンションにおいては、アキュムレータ4が一つで、比例電磁弁5が全開となる減衰力最小(Fd=min)の時のガスバネが一定であるため、車速が小さい場合にはガスバネが固めとなり、制振作用が十分に発揮されないという問題点があった。また、セミアクティブ制御はパッシブ制御的な要素も含んでいることから、元来、車速が低い時には、その制振効果が小さいという問題点もあった(図10と図11のグラフ参照)。
【0017】
本発明は、上述した実情に鑑みてなされたもので、セミアクティブサスペンションのガスバネを可変にして十分な制振作用が発揮される懸架制御装置を提供すると共に、前記ガスバネを可変にしたセミアクティブ制御にアクティブ制御を組み合わせて消費エネルギの低減を図りつつ車速が低速から高速まで広い範囲で大きな制振効果が得られる懸架制御装置を提供することを目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】
斯かる目的を達成する本発明の懸架制御装置は、複数の転輪に対しそれぞれ油圧ダンパを介して車体が支持される車両の懸架制御装置において、前記油圧ダンパとアキュムレータとを結ぶ油圧回路に比例電磁弁を介装すると共に、該比例電磁弁と前記アキュムレータとの間の油圧回路から少なくとももう一つのアキュムレータに繋がる油圧回路を分岐して該油圧回路にガスバネ可変用ON−OFF弁を介装し、且つ減衰力を最小にする必要がある時に前記比例電磁弁を全開にすると共にガスバネ可変用ON−OFF弁を開き、減衰力が必要な場合は比例電磁弁を車体上下速度に比例して絞ると共にガスバネ可変用ON−OFF弁を閉じるように制御するコントローラを設け、且つ前記油圧ダンパと比例電磁弁との間の油圧回路に油圧ポンプからの油圧回路を接続して該油圧回路にサーボ弁を介装し、前記コントローラは車体の振動や動揺を検出して乗り心地における最大限のフラット感を得るように前記サーボ弁を開閉制御し、その際に、アクティブ制御における各種信号に基づいて制御信号を作る演算部と該制御信号を電圧信号に変換する演算部との間にローパスフィルタを設けた懸架制御装置において、前記各種信号は、車体上下速度センサからの車体上下速度計測電圧と、車体上下速度から算出される車体上下変位計測電圧と、転輪−車体間上下相対速度・変位センサからの転輪上下速度計測電圧と、車体上下変位から転輪−車体間上下相対変位を減算して得られる転輪上下変位計測電圧と、油圧ダンパの圧力センサからのシリンダ圧力計測電圧であり、前記ローパスフィルタの設定周波数は、車両と懸架から構成されるシステムの共振周波数付近に設定されることを特徴とする。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る懸架制御装置を実施例により図面を用いて詳細に説明する。
【0022】
[第1実施例]
[構成]
図1は本発明の第1実施例を示す、懸架制御装置の概略構成図、図2は同じく油圧回路図、図3は同じくガスバネ可変セミアクティブ制御のブロック線図である。尚、図1乃至図3において、図7及び図8と同一部材には同一符号を付して重複する説明は省略する。
【0023】
図1に示すように、複数(図中では4個)の転輪1に対しそれぞれベルクランク2と油圧ダンパ(懸架シリンダ)3を介して車体10が支持(懸架)される。そして、車体10と転輪1間にはそれぞれ転輪−車体間上下相対速度・変位センサ11が配設されると共に、当該転輪−車体間上下相対速度・変位センサ11に近接した車体10には車体上下速度センサ12がそれぞれ取り付けられる。また、油圧ダンパ3には圧力センサ(シリンダ圧力センサ)13がそれぞれ取り付けられる。これらのセンサ出力は、後述するコントローラ6Aに入力される。
【0024】
図2に示すように、比例電磁弁5とアキュムレータ4とを結ぶ油圧回路途中からもう一つのアキュムレータ14に接続する油圧回路が分岐され、この油圧回路途中に油圧駆動のガスバネ可変用ON−OFF弁(開閉弁)15が介装される。このON−OFF弁15は、電磁切換弁16を介してコントローラ6Aにより開閉制御される。
【0025】
前記コントローラ6Aにより、下記の表2に示す制御方式で、比例電磁弁5が開度調整されると共にON−OFF弁15が開閉制御されて減衰力が調整されるようになっている。その他の構成は図7と同様である。
【0026】
【表2】
Figure 0003977968
上記表2で、
vb-vw : 転輪−車体間上下相対速度センサ出力
vb : 車体上下速度センサ出力
Fd : 減衰力
min : 最小減衰力
C : 係数
【0027】
前記制御方式を達成するための制御ロジックを、図3に示したガスバネ可変セミアクティブ制御のブロック線図を用いて説明する。
【0028】
これによれば、図8で説明したスイッチ22からの電圧信号が演算部27に入力されると共にON−OFF弁15のリミッタ32にかけられ、ここでスイッチ22からの電圧信号が無い(最小0V )場合は、ON−OFF弁指令としてOFF(閉)信号がON−OFF弁ドライバ33に入力され、スイッチ22からの電圧信号が最大Kbias ×5V の場合は、ON(開)信号がON−OFF弁ドライバ33に入力されるようになっている。その他の構成は図8と同様である。
【0029】
[作用・効果]
このようにして、本実施例では、減衰力最小(min) の時、比例電磁弁5を全開にして圧油を低圧側(アキュムレータ側)に戻すと共に、ON−OFF弁15を開きアキュムレータ14を使用可能にして2個のアキュムレータ4,14の作用下でガスバネを柔らかくする一方、減衰力が必要な場合は、ガスバネを固くするためON−OFF弁15を閉じてアキュムレータ14を使用不能にすると共に、車体上下速度に比例した減衰力を発生させるため比例電磁弁5を車体上下速度に比例して絞るのである。
【0030】
これにより、油圧ポンプなどのパワー源を不要とし消費エネルギの面でも優れるセミアクティブサスペンションの優位性を生かしつつそのガスバネを可変にして十分な制振作用が発揮される(図12のガスバネ可変セミアクティブ制御の各車速における懸架制御性能(三角波時間応答)のグラフ参照)。
【0031】
[第2実施例]
[構成]
図4は本発明の第2実施例を示す、懸架制御装置の油圧回路図、図5は同じくアクティブ制御のブロック線図である。尚、図4において、図2と同一部材には同一符号を付して重複する説明は省略する。
【0032】
この実施例は、先の実施例のガスバネ可変セミアクティブ制御にアクティブ制御を組み合わせて、所謂ハイブリット制御を行い得るようにしたものである。即ち、図4に示すように、油圧ダンパ3と比例電磁弁5とを結ぶ油圧回路途中に油圧ポンプからの油圧回路が接続され、この油圧回路途中にサーボ弁17とその下流に(油圧ダンパ3側に)位置して油圧駆動のアクティブ用ON−OFF弁(開閉弁)18が介装される。このON−OFF弁18は電磁切換弁19を介して、前記サーボ弁17と同様にコントローラ6Bにより開閉制御される。
【0033】
前記コントローラ6Bにより、前述した表2に示す制御方式で、比例電磁弁5が開度調整されると共にON−OFF弁15が開閉制御され、これと同時に、サーボ弁17が図5に示す制御ロジックで開度調整される。ON−OFF弁18は▲1▼セミアクティブ制御のみ、▲2▼(セミアクティブ制御−アクティブ制御)を切り換えるためだけの弁である。▲2▼の制御は、常に開の状態で使用制御されて減衰力が調整されるようになっている。その他の構成は図2と同様である。
【0034】
前記サーボ弁17の制御ロジックを、図5に示したアクティブ制御のブロック線図を用いて説明する。
【0035】
先ず、車体上下速度センサ12(図1参照)からの車体上下速度計測電圧が、演算部34で車体上下速度計測電圧物理量変換係数Gdzbを乗じて速度に変換された後、所定のゲインK1をかけられて演算部39に入力される。
【0036】
また、車体上下変位計測電圧が、演算部35で車体上下変位計測電圧物理量変換係数Gzb を乗じて変位に変換された後、所定のゲインK2をかけられて演算部39に入力される。尚、車体上下変位は車体上下速度を積分して算出される。
【0037】
また、転輪−車体間上下相対速度・変位センサ11(図1参照)からの転輪上下速度計測電圧が、演算部36で転輪上下速度計測電圧物理量変換係数Gdw を乗じて速度に変換された後、所定のゲインK3をかけられて演算部39に入力される。尚、転輪上下速度は車体上下速度から転輪−車体間上下相対速度を減算して得られる。
【0038】
また、転輪上下変位計測電圧が、演算部37で転輪上下変位計測電圧物理量変換係数Gwを乗じて変位に変換された後、所定のゲインK4をかけられて演算部39に入力される。尚、転輪上下変位は車体上下変位から転輪−車体間上下相対変位を減算して得られる。
【0039】
また、圧力センサ13(図1参照)からのシリンダ圧力計測電圧が、演算部38でシリンダ圧力計測電圧物理量変換係数Gpを乗じて圧力に変換された後、所定のゲインK5をかけられて演算部39に入力される。
【0040】
そして、前記演算部39では、前記5つの信号を全て引き算して制御信号を作り、該制御信号が演算部40でサーボ弁電圧信号変換係数Ksを乗じて電圧信号に変換された後、サーボ弁ドライバ41に入力される。尚、ON−OFF弁18のON−OFF弁ドライバ42には適宜ON/OFF信号が入力される。
【0041】
[作用・効果]
このようにして、アクティブ制御下には、路面の凹凸や車両の走行状態に応じて発生する振動や動揺を、車体上下速度センサ12,転輪−車体間上下相対速度・変位センサ11及び圧力センサ13で検出して、最大限のフラット感を得るように、懸架シリンダ(油圧ダンパ)3を連続的に作動させ、乗り心地と操縦安定性を高いレベルで両立させる(図10のアクティブ制御の各車速における懸架制御性能(三角波時間応答)のグラフ参照)。
【0042】
従って、前記各ゲインK1,K2,K3,K4,K5を小さくし(これで、油圧ポンプの消費エネルギを小さくできる)、常時ON−OFF弁18を開いてアクティブ制御とガスバネ可変セミアクティブ制御を併用すれば、即ちハイブリット制御を行なえば、車速の低い領域はアクティブ制御で持たせ車速の高い領域はガスバネ可変セミアクティブ制御に持たせることができ、消費エネルギの低減を図りつつ車速が低速から高速まで広い範囲で大きな制振効果が得られる。尚、上述したハイブリット制御を行う場合、ON−OFF弁18は特に設けなくても良い。
【0043】
また、上記実施例で、前記各ゲインK1,K2,K3,K4,K5を高くし、車速の低い領域はON−OFF弁18を開いて(この場合は、比例電磁弁5を固定開度に制御して減衰力を一定にする必要がある)アクティブ制御を行い、車速の高い領域はON−OFF弁18を閉じてガスバネ可変セミアクティブ制御に切り換えることもできる。この場合も、消費エネルギを可及的に低減しつつ車速が低速から高速まで広い範囲で大きな制振効果が得られる。また、常時ON−OFF弁18を閉じてガスバネ可変セミアクティブ制御だけを行うことができることは言うまでもない。
【0044】
[第3実施例]
[構成]
図6は本発明の第3実施例を示す、アクティブ制御のブロック線図である。
【0045】
これは、第2実施例における図5のアクティブ制御のブロック線図において、演算部39と演算部40との間にローパスフィルタ45を挿入し、設定周波数よりも低い周波数ではアクティブ制御を作用させ、設定周波数よりも高い周波数では信号を減衰させてアクティブ制御の制御動作を減衰させるようにした例である。
【0046】
これによれば、設定した周波数よりも高い周波数では、ガスバネ可変セミアクティブ制御が効果を示し、アクティブ制御は減衰するので消費電力は少なくて済む。尚、ローパスフィルタ45の設定周波数は、車両と懸架から構成されるシステムの共振周波数付近に設定する。
【0047】
尚、本発明は上記各実施例に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、アキュムレータを3以上設ける等各種変更が可能である。
【0048】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、本発明に係る懸架制御装置は、複数の転輪に対しそれぞれ油圧ダンパを介して車体が支持される車両の懸架制御装置において、前記油圧ダンパとアキュムレータとを結ぶ油圧回路に比例電磁弁を介装すると共に、該比例電磁弁と前記アキュムレータとの間の油圧回路から少なくとももう一つのアキュムレータに繋がる油圧回路を分岐して該油圧回路にガスバネ可変用ON−OFF弁を介装し、且つ減衰力を最小にする必要がある時に前記比例電磁弁を全開にすると共にガスバネ可変用ON−OFF弁を開き、減衰力が必要な場合は比例電磁弁を車体上下速度に比例して絞ると共にガスバネ可変用ON−OFF弁を閉じるように制御するコントローラを設けたことを特徴とするので、減衰力最小時に少なくとも2個のアキュムレータの作用下でガスバネを柔らかくする一方、減衰力が必要な場合は1個のアキュムレータの作用下でガスバネを固くすることができ、油圧ポンプなどのパワー源を不要とし消費エネルギの面でも優れるセミアクティブサスペンションの優位性を生かしつつそのガスバネを可変にして十分な制振作用が発揮される。また、前記油圧ダンパと比例電磁弁との間の油圧回路に油圧ポンプからの油圧回路を接続して該油圧回路にサーボ弁を介装し、前記コントローラは車体の振動や動揺を検出して乗り心地における最大限のフラット感を得るように前記サーボ弁を開閉制御することを特徴とするので、コントローラによる各種制御ゲインを小さくしてアクティブ制御とガスバネ可変セミアクティブ制御を併用する即ち、ハイブリット制御を行なうことができ、車速の低い領域はアクティブ制御で持たせ車速の高い領域はガスバネ可変セミアクティブ制御に持たせて消費エネルギの低減を図りつつ車速が低速から高速まで広い範囲で大きな制振効果が得られる。また、アクティブ制御における各種信号に基づいて制御信号を作る演算部と該制御信号を電圧信号に変換する演算部との間にローパスフィルタを設けたので、ローパスフィルタの設定した周波数よりも高い周波数では、ガスバネ可変セミアクティブ制御が効果を示し、アクティブ制御は減衰するので消費電力は少なくて済むという効果も得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例を示す、懸架制御装置の概略構成図である。
【図2】同じく油圧回路図である。
【図3】同じくガスバネ可変セミアクティブ制御のブロック線図である。
【図4】本発明の第2実施例を示す、懸架制御装置の油圧回路図である。
【図5】同じくアクティブ制御のブロック線図である。
【図6】本発明の第3実施例を示す、アクティブ制御のブロック線図である。
【図7】従来の懸架制御装置の油圧回路図である。
【図8】同じくセミアクティブ制御のブロック線図である。
【図9】比例電磁弁開度と車体上下絶対速度の関係を示すグラフである。
【図10】アクティブ制御の各車速における懸架制御性能(三角波時間応答)のグラフである。
【図11】従来型セミアクティブ制御の各車速における懸架制御性能(三角波時間応答)のグラフである。
【図12】ガスバネ可変セミアクティブ制御の各車速における懸架制御性能(三角波時間応答)のグラフである。
【符号の説明】
1 転輪
2 ベルクランク
3 懸架シリンダ(油圧ダンパ)
4 アキュムレータ
5 比例電磁弁
6,6A,6B コントローラ
7 リリーフ弁
8 自動切換弁
9 パッシブ制御要素
11 転輪−車体間上下相対速度・変位センサ
12 車体上下速度センサ
13 圧力センサ(シリンダ圧力センサ)
14 アキュムレータ
15 ON−OFF弁
16 電磁切換弁
17 サーボ弁
18 ON−OFF弁
19 電磁切換弁

Claims (1)

  1. 複数の転輪に対しそれぞれ油圧ダンパを介して車体が支持される車両の懸架制御装置において、前記油圧ダンパとアキュムレータとを結ぶ油圧回路に比例電磁弁を介装すると共に、該比例電磁弁と前記アキュムレータとの間の油圧回路から少なくとももう一つのアキュムレータに繋がる油圧回路を分岐して該油圧回路にガスバネ可変用ON−OFF弁を介装し、且つ減衰力を最小にする必要がある時に前記比例電磁弁を全開にすると共にガスバネ可変用ON−OFF弁を開き、減衰力が必要な場合は比例電磁弁を車体上下速度に比例して絞ると共にガスバネ可変用ON−OFF弁を閉じるように制御するコントローラを設け、且つ前記油圧ダンパと比例電磁弁との間の油圧回路に油圧ポンプからの油圧回路を接続して該油圧回路にサーボ弁を介装し、前記コントローラは車体の振動や動揺を検出して乗り心地における最大限のフラット感を得るように前記サーボ弁を開閉制御し、その際に、アクティブ制御における各種信号に基づいて制御信号を作る演算部と該制御信号を電圧信号に変換する演算部との間にローパスフィルタを設けた懸架制御装置において、前記各種信号は、車体上下速度センサからの車体上下速度計測電圧と、車体上下速度から算出される車体上下変位計測電圧と、転輪−車体間上下相対速度・変位センサからの転輪上下速度計測電圧と、車体上下変位から転輪−車体間上下相対変位を減算して得られる転輪上下変位計測電圧と、油圧ダンパの圧力センサからのシリンダ圧力計測電圧であり、前記ローパスフィルタの設定周波数は、車両と懸架から構成されるシステムの共振周波数付近に設定されることを特徴とする懸架制御装置。
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