JP3977108B2 - 記録装置及び記録媒体の排出スタッカ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、プリンタ等の記録装置及び排出される記録媒体を保持する排出スタッカに関する。
【0002】
【従来の技術】
図7は、従来のプリンタにおける排紙スタッカの周辺部を示す断面側面図である。この排紙スタッカ1は、プリンタ本体2の排紙口3に対して開閉可能なように装着されている。このような構成のプリンタに供給される用紙は、記録ヘッド4により記録され、排紙ローラ5により排紙口3へ送り出され、排紙スタッカ1上に排出されて保持されるようになっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
一般に、排紙スタッカは、プリンタの外観を損なわないように、プリンタ本体の前面形状に合わせた形状に形成されている。特に最近のプリンタ本体の前面形状は丸みを帯びた形状が主流となっており、上述した従来の排紙スタッカ1も、図7に示すように、丸みを帯びたプリンタ本体2の前面形状に合わせて湾曲した形状に形成されている。このため、排紙スタッカ1の先端の高さは、排紙ローラ5により排紙口3へ送り出されたときの用紙(図示点線)の高さより高くなる傾向にある。
【0004】
このような排紙スタッカ1を用いると、図の実線で示す用紙P1のように、用紙P1が排紙ローラ5により送り出されている途中で用紙P1の先端が排紙スタッカ1の先端上に載った場合、用紙P1の重さが用紙P1の排紙ローラ5付近に集中して排出負荷が増大してしまい、排紙ローラ5が空回りして用紙P1を排出することができないおそれがある。
【0005】
さらに、図の一点鎖線で示す用紙P2のように、用紙P2が自重により座屈して排紙スタッカ1上に垂れ下がった場合、用紙P2の後端が記録ヘッド4に接触して汚染されるおそれがある。このような事態を回避するには、排紙スタッカ1の先端までの長さを短くして、排紙スタッカ1の先端の高さを排紙ローラ5により排紙口3へ送り出されたときの用紙の高さより低くすればよいが、用紙が排紙スタッカ1の先端からはみ出してずり落ちるおそれがある。
【0006】
本発明の目的は、上述した課題に鑑みなされたものであり、記録媒体を汚染させることなく確実に排出させることができる排出スタッカを有する記録装置及びその排出スタッカを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的達成のため、本発明の請求項に係る記録装置では、記録装置本体と、当該記録装置本体に回転自在に支持された排出スタッカとを有し、記録書込みした記録媒体を排出ローラとギザローラとによって挟持して前記排出スタッカに排出する記録装置において、前記排出スタッカは、第1排出スタッカと、当該第1排出スタッカに格納・引出自在に設けられた第2排出スタッカとを有し、前記第1排出スタッカは、排出される前記記録媒体を略水平に支持する、当該第1排出スタッカと一体的に形成されている支持部を備え、前記第2排出スタッカを前記第1排出スタッカから引き出した状態で、前記第2排出スタッカの先端部に前記記録媒体が到達した時には、前記排出ローラとギザローラとの挟持部、前記支持部の頂部、及び前記第2排出スタッカの先端部で、前記記録媒体を略水平に支持することにより、前記記録媒体の重さが前記挟持部付近に集中しないようにすることを特徴としている。これにより、排出される記録媒体を面で支持することができるので、記録媒体の重さが排出ローラ付近に集中することはなく、排出ローラの空回りを防止して記録媒体を確実に排出することができる。さらに、記録媒体が自重により座屈して排出スタッカ上に垂れ下がることもなく、記録媒体の後端の記録ヘッドへの接触による汚染も無くすことができる。
【0008】
また、本発明の請求項に係る記録装置では、前記支持部は、山形状の複数の板状部材を有し、当該板状部材が、前記排出スタッカの上面にて前記記録媒体の排出方向と直交する方向に所定間隔をあけて並設されていることを特徴としている。これにより、支持部を排出スタッカと一体的に形成することができるので、コストの上昇を抑えることができる。
【0009】
上記目的達成のため、本発明の請求項に係る記録媒体の排出スタッカでは、記録装置本体に回転自在に支持され、排出される記録媒体を保持する排出スタッカにおいて、請求項1または2に記載の構造を有することを特徴としている。これにより、上記各作用・効果を奏する排出スタッカを提供することができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態について詳細に説明する。
【0011】
図1は、本発明の実施の形態に係る記録装置の1つであるインクジェット式プリンタの外部構成の全体を排紙口を閉じた状態で斜め前方から見た斜視図、図2は、その排紙口を開いた状態の斜視図ある。このインクジェット式プリンタ100は、全体が幅方向に長く延びる直方体状の上部ハウジング101と下部ハウジング102を備えている。上部ハウジング101と下部ハウジング102は、スナップフィットにより締結されている。
【0012】
上部ハウジング101の後方側には、給紙口103が形成されている。この給紙口103には、給紙される用紙が積層載置される給紙トレイ110が配設されている。給紙トレイ110は、斜め上後方へ突き出るように配設されており、用紙を傾斜した状態で保持するようになっている。上部ハウジング101の前方側には、排紙口104が形成されている。そして、上部ハウジング101と下部ハウジング102の前面側には、排紙される用紙が積層載置される後で詳述する排紙スタッカ120が配設されている。
【0013】
上部ハウジング101の上部から前面にかけて窓部105が形成されている。この窓部105は、透明もしくは半透明な湾曲した開閉自在なカバー106によって覆われている。このカバー106を開放することにより、インクカートリッジの交換作業や内部機構のメンテナンス作業等を容易に行うことができる。また、上部ハウジング101の左後方側には、押しボタン式のパワー系のスイッチ131と操作系のスイッチ132、133が配設されている。
【0014】
図3は、図1のインクジェット式プリンタ100の上部ハウジング101を取り外したときの内部構成の全体を斜め前方から見た斜視図、図4は、その主要部の断面側面図である。下部ハウジング102上には、プリンタコントローラを構成する図3に示すメイン基板130が縦置きに配置されていると共に、プリントエンジンを構成する図3に示す記録手段140と、図4に示す用紙の供給手段150及び搬送手段160等が配設されている。
【0015】
メイン基板130には、図示しないCPU、ROM、RAM、ASIC等の制御素子や記憶素子、及びその他の各種回路素子が装着されており、その上端には、上述したパワー系のスイッチ131や操作系のスイッチ132、133が押された時にそれぞれ発光することによりユーザがスイッチONを確認し得るように配置された発光ダイオード134、135、136が突設されている。
【0016】
記録手段140は、キャリッジ141、記録ヘッド142、キャリッジモータ143、タイミングベルト144、吸引ポンプ145等を備えている。搬送手段160により搬送される用紙は、キャリッジモータ143とタイミングベルト144により走査されるキャリッジ141に搭載された記録ヘッド142により記録されるようになっている。この記録ヘッド142は、フルカラー印刷が可能なように、キャリッジ141内に収納された例えばイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの計4色のインクカートリッジ146から各色インクが供給されるようになっている。
【0017】
供給手段150は、給紙トレイ110、給紙ガイド111、給紙ローラ151、ホッパ152、分離パッド153等を備えている。給紙トレイ110に積層載置され給紙ガイド111により揃えられた用紙Pは、給紙ローラ151の回転に伴うホッパ152の上昇により分離パッド153で給紙ローラ151に押付けられ、最上位の用紙Pから1枚ずつ分離されて搬送手段160へ給送されるようになっている。
【0018】
搬送手段160は、紙送りローラ161と従動ローラ162、排紙ローラ163とギザローラ164、紙送りモータ165、排紙スタッカ120等を備えている。供給手段150から供給される用紙Pは、紙送りモータ165により駆動されている紙送りローラ161と従動ローラ162に挟持されて記録手段140へ搬送され、さらに紙送りモータ165により駆動されている排紙ローラ163とギザローラ164に挟持されて排紙スタッカ120へ搬送されるようになっている。
【0019】
図5は、上記排紙スタッカ120の詳細を示す斜視図である。この排紙スタッカ120は、その下部の回動軸120aを中心に上部ハウジング101と下部ハウジング102の前面側に回動可能に取り付けられ、不使用時は起立方向に回動されて排紙口104を閉じ、使用時は倒伏方向に回動されて排紙口104を開け、下部ハウジング102から斜め上前方に突き出る位置で停止して用紙を受けるようになっている。この排紙スタッカ120は、基端側の1段目のスタッカ部材121及びこの1段目のスタッカ部材121に格納・引出自在に設けられた先端側の2段目のスタッカ部材122との2段構成となっている。
【0020】
さらに、排紙スタッカ120の1段目のスタッカ部材121の上面には、排出される用紙を面で支持する山形状の複数の板状部材123aを有する支持部123が一体的に形成されている。これらの板状部材123aは、排紙スタッカ120の1段目のスタッカ部材121の上面にて用紙の排紙(搬送)方向と直交する方向に所定間隔をあけて並設されている。
【0021】
このような板状部材123aは、図6に示すように、排紙スタッカ120を倒伏方向に回動したときの板状部材123aの頂部が、排紙ローラ163とギザローラ164の噛み合わせ部分と略同一となるように形成することにより、排出される用紙Pを略水平に支持することができる。したがって、用紙Pの重さが排紙ローラ163付近に集中することはなくなるので、排紙ローラ163の空回りを防止して用紙Pを確実に排出することができる。さらに、用紙Pが自重により座屈して排紙スタッカ120上に垂れ下がることもなくなるので、用紙Pの後端が記録ヘッド142に接触することもなく、用紙Pの汚染も防止することができる。
【0022】
以上、本発明を種々の実施形態に関して述べたが、本発明は以上の実施形態に限られるものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内で、他の実施形態についても適用されるのは勿論である。例えば、記録装置としてインクジェット式のプリンタを例に説明したが、これに限られるものではなく、排紙スタッカを有する記録装置であれば、例えば熱転写式等のプリンタ、インクジェット式、熱転写式等のファクシミリ装置やコピー装置等にも適用可能である。
【0023】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、排出される記録媒体を面で支持することができるので、記録媒体の重さが排出ローラ付近に集中することはなく、排出ローラの空回りを防止して記録媒体を確実に排出することができる。さらに、記録媒体が自重により座屈して排出スタッカ上に垂れ下がることもなく、記録媒体の後端の記録ヘッドへの接触による汚染も無くすことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る記録装置の1つであるインクジェット式プリンタの外部構成の全体を排紙口を閉じた状態で斜め前方から見た斜視図である。
【図2】図1のインクジェット式プリンタの排紙口を開いた状態の斜視図ある。
【図3】図1のインクジェット式プリンタの上部ハウジングを取り外したときの内部構成の全体を斜め前方から見た斜視図である。
【図4】図3のインクジェット式プリンタの主要部の断面側面図である。
【図5】図1のインクジェット式プリンタの排出スタッカの詳細を示す斜視図である。
【図6】図1のインクジェット式プリンタの排出スタッカの周辺の詳細を示す側面図である。
【図7】従来のプリンタにおける排紙スタッカの周辺部を示す断面側面図である。
【符号の説明】
100 インクジェット式プリンタ
101 上部ハウジング
102 下部ハウジング
103 給紙口
104 排紙口
105 窓部
106 カバー
110 給紙トレイ
111 給紙ガイド
120 排紙スタッカ
123 支持部
123a 板状部材
130 メイン基板
140 記録手段
141 キャリッジ
142 記録ヘッド
143 キャリッジモータ
144 タイミングベルト
145 吸引ポンプ
146 インクカートリッジ
150 供給手段
151 給紙ローラ
160 搬送手段
161 紙送りローラ
163 排紙ローラ
165 紙送りモータ

Claims (3)

  1. 記録装置本体と、当該記録装置本体に回転自在に支持された排出スタッカとを有し、記録書込みした記録媒体を排出ローラとギザローラとによって挟持して前記排出スタッカに排出する記録装置において、
    前記排出スタッカは、第1排出スタッカと、当該第1排出スタッカに格納・引出自在に設けられた第2排出スタッカとを有し、
    前記第1排出スタッカは、排出される前記記録媒体を略水平に支持する、当該第1排出スタッカと一体的に形成されている支持部を備え、
    前記第2排出スタッカを前記第1排出スタッカから引き出した状態で、前記第2排出スタッカの先端部に前記記録媒体が到達した時には、前記排出ローラとギザローラとの挟持部、前記支持部の頂部、及び前記第2排出スタッカの先端部で、前記記録媒体を略水平に支持することにより、前記記録媒体の重さが前記挟持部付近に集中しないようにすることを特徴とする記録装置。
  2. 前記支持部は、山形状の複数の板状部材を有し、当該板状部材が、前記排出スタッカの上面にて前記記録媒体の排出方向と直交する方向に所定間隔をあけて並設されていることを特徴とする請求項1に記載の記録装置。
  3. 記録装置本体に回転自在に支持され、排出される記録媒体を保持する排出スタッカにおいて、
    請求項1または2に記載の構造を有することを特徴とする記録媒体の排出スタッカ。
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