JP3977052B2 - 着磁装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、円筒状の永久磁石材料を着磁する装置に関するものである。又、この着磁装置は、電磁駆動モータ等のアクチュエータ等に組み込まれる永久磁石を着磁する装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の円筒状の永久磁石材料を着磁する着磁装置を図11に示す。
【0003】
図11において、101は円筒状の永久磁石材料、102は着磁ヨーク、103はコイル、104は空気である。コイル103は着磁ヨーク102に1本の導線を巻いて構成しており、コイル103に電流を流すことによって着磁装置内に着磁磁界を発生する。この時、図11の黒丸は紙面の裏から表方向への電流の流れ、×印は紙面の表から裏への電流の流れを示している。これによって、矢印で示すような磁束の流れが発生し、この着磁磁界内に設置した永久磁石材料101は着磁され永久磁石となる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、図11に示す着磁装置内の空気104部分の透磁率は小さいので、図11に示すように磁束が永久磁石材料101の内径まで通らない。その為、図12に示すように磁石表面での周方向の磁束密度分布の波形は尖っているもののピークの絶対値が小さく、所望の強さの着磁をすることが難しかった。その結果、この永久磁石101を電磁駆動モータ等のアクチュエータ等に搭載すると、要望したトルクが出ないことがあった。
【0005】
(発明の目的)
本発明の目的は、磁石表面でのピークの絶対値が高い円筒状の永久磁石を着磁できる新タイプの着磁装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は下記の構成を特徴とする永久磁石の着磁装置である。
(1)永久磁石材料を挿入する円筒状の穴を有する着磁ヨークと、前記ヨークにコイルを巻きつけ、前記コイルに電流を流すことによって発生する磁束によって永久磁石材料を少なくとも4極に着磁する装置において、前記円筒状の穴の円周上で、前記磁束における磁束密度分布がピークとなるように、前記円筒状の穴内に、透磁率が高い部材からなる中心部と前記中心部より透磁率が低い部材からなる外周部を有する軸を設けたことを特徴とする永久磁石の着磁装置。
(2)前記軸は磁性材料からなる中心部と非磁性材料からなる外周部の二層構造とすることを特徴とする(1)に記載の永久磁石の着磁装置。
(3)前記透磁率が高い部材は、前記軸に垂直な断面での形状が突起部分を有することを特徴とする(1)に記載の永久磁石の着磁装置。
【0011】
【発明の実施の形態】
(実施例1)
以下に、円筒状の永久磁石を着磁する着磁装置について説明する。図1〜図4は本発明の実施例1の着磁装置を示す図である。図1は着磁装置の平面図、図2は軸部の断面の拡大図、図3は図1の一部の拡大図、図4は磁石表面における周方向の磁束密度分布図である。
【0012】
図1及び図2において、1は永久磁石材料、2は着磁ヨーク、3はコイル、4は軸である。永久磁石材料1はフェライトから構成しており、円筒形状をしている。又、ここでは、永久磁石材料1を4極に着磁する場合を示している。
【0013】
着磁ヨーク2は鉄から構成している。着磁ヨーク2は中央に円筒状の永久磁石材料1を挿入する円状の穴を有しており、その周りにコイル3を通す穴を4個有している。コイル3は着磁ヨーク2に1本の導線を巻いて構成している。軸4は着磁ヨーク2の円筒状の穴内に挿入する円筒状の永久磁石材料1の円筒内に設けられる。即ち、着磁ヨーク2の円筒状の穴内に設けられる。軸4は中心部の透磁率の高い軟磁性部材4aと、その外周部が非磁性部材4bからなる二層構造をしている。ここでは、部材4aは鉄、部材4bはプラスチック樹脂を使用している。
【0014】
上記の構成の着磁装置において、コイル3に電流を流すことによって、着磁ヨーク2が励磁され、着磁装置内に着磁磁界が発生する。この時、図1のコイル3の黒丸は紙面の裏から表方向への電流の流れ、×印は紙面の表から裏方向への電流の流れを示している。これによって、矢印で示すような磁束の流れが発生する。又、図1の部分Aを拡大した磁束の流れを図3に示す。
【0015】
図11の従来例に比べ、軸4の中心部の部材4aは透磁率が高いので、磁束が流れやすく、永久磁石材料1の内径部分近傍にまで磁束が流れる。又、永久磁石材料1の内径近傍は透磁率が低い軸4の外周部の部材4bに近接しているので磁束が軸4まで流れず、永久磁石1における磁束は径方向に向かない。
【0016】
その結果、図3の矢印で示すように着磁磁束は磁来密度分布のピーク点となる方向に集まるように流れる。そして、永久磁石1の磁化分布は本着磁磁束とほぼ同じ向きに向くことになり、着磁磁化の方向は磁極の中心方向に揃うようになる。これによって、永久磁石1の円周上の磁束密度分布は図4に示すようにピークの絶対値が高くなる。この永久磁石1を電磁駆動モータ等のアクチュエータ等に搭載すると、高トルクになる。
【0017】
ここで、上記現象を更に説明するために、図5のような着磁装置を示す。図5において、1は円筒状の永久磁石材料、2は着磁ヨーク、3はコイル、5は高い透磁率の磁性体で一層構造になっている軸である。図1と同様に、コイル3に電流を流すことによって着磁装置内に着磁磁界を発生し、永久磁石材料1は着磁され永久磁石となる。
【0018】
これは、軸5に鉄等の透磁率の高い部材のみを用いて磁束が軸5まで流れるようにしたものである。本着磁装置を用いて着磁を行なうと、磁束の流れは軸5内に流れるものの永久磁石1の表面の円周上の磁束密度分布は図6に示すようにピーク部分の波形が平らになり、ピークの絶対値が高くならない。
【0019】
ここで、図7に図5の部分Aの磁束の流れを拡大して示す。図7に示すように、軸5は透磁率が高いので、磁束は永久磁石材料1内では内径から外径または、外径から内径の径方向に流れる。そして、永久磁石材料1は磁束の流れに沿って磁化されるので、永久磁石材料1は径方向に磁化されるという現象が起きる。その為、磁石単体になったとき、磁束密度分布のピーク点近傍では永久磁石1の磁化が周方向に広がった状態になるので、磁束が分散して集まらず、磁束密度分布のピーク部分の波形が平らになり、ピークの絶対値が高くならない。
【0020】
従って、図1の着磁装置での永久磁石材料1内の磁束は図11の従来例と図5の中間の状態で流れることになることから、より効果的に着磁磁束は磁束密度分布のピーク点となる方向に集まって流れることがわかる。そして、永久磁石1の磁化分布は本着磁磁束とほぼ同じ向きに向くことになり、着磁磁化の方向は磁極の中心方向により効果的に揃うようになる。これによって、永久磁石1の円周上の磁束密度分布は図4に示すようにピークの波形が尖っている上に絶対値が高くなる。
【0021】
特に、我々の検討によれば、軸4の中心部の透磁率の高い部材4aの内径が永久磁石1の内径に対して占める割合と磁束密度分布のピーク値には図8に示すような関係があることがわかった。この事から、軸4の中心部の透磁率の高い部材4aの径を永久磁石1の内径の1/5から3/4にしたとき、磁東京度分布のピーク値を最大にできる。従って、このとき電磁駆動モータ等のアクチュエータのトルクも最大になる。
【0022】
尚、ここでは、軸4の透磁率の高い軟磁性部材4aの材料として鉄を用いたが、本部材は透磁率の高い軟磁性材であれば何でも良く、例えば磁性ステンレス等でも同様の効果が得られる。又、軸4の外周部の非磁性部材4bの材料にはプラスチック樹脂を用いたが、他の非磁性材料を用いても同様の効果が得られる。
【0023】
更に、ここでは、永久磁石材料1として、フェライト磁石を用いたが、希土類磁石、アルニコ磁石等の材料の場合でも同様の効果が得られる。又、ここでは、軸4を磁性体材料4aの周りを非磁性体材料4bが囲む二層構造としたが、容易にわかるように、軸の中心部から外周部にかけて透磁率の分布が小さくなるような構成であればよい。
【0024】
(実施例2)
次に、図9及び図10を用いて、第二の実施例について説明する。本実施例は、実施例1と基本的には同じ構成になっており、実施例1の軸の形状が異なっている場合である。図9は実施例1の図1に対応し、図10は実施例1の図2に対応している。以下に実施例1と異なる点を説明する。
【0025】
6は軸であり、軸6の中心部は透磁率の高い軟磁性部材6aであり、軸6に垂直な断面での形状がコイルの設置している方向に突起状になっている。その部材6aの外周部は非磁性部材6bからなり、二層構造になっている。ここでは、実施例1と同様に、部材6aは鉄、部材6bはプラスチック樹脂から構成している。
【0026】
上記の構成の着磁装置において、実施例1と同様にコイル3に電流を流すことによって、着磁ヨーク2が励磁され、着磁装置内に着磁磁界が発生し、図9の矢印で示すような磁束の流れが発生する。本磁束は軸6の透磁率の高い部材6aの突起部分の方向に流れようとするので、実施例1に比べて、より磁束密度分布のピーク点近傍に集まる。そして、永久磁石1の磁化分布は本着磁磁束とほぼ同じ向きに向くことになり、着磁磁化の方向は磁極の中心方向に揃うようになる。その為、磁束密度分布のピークの絶対値は高くなる。これによって、この永久磁石1を電磁駆動モータ等のアクチュエータに搭載すると、高トルクになる。
【0027】
又、ここでは軸6を磁性体材料6aの周りを非磁性体材料5bが囲む二層構造としたが、容易にわかるように、軸の中心部から外周部に向かう透磁率の分布がコイルの設置している方向に透磁率の高い部分があるような構成であればよい。
【0028】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、磁石表面で磁束密度分布のピークの絶対値が高い円筒状の永久磁石を着磁できる新タイプの着磁装置を提供出来る。又、電磁駆動モータ等のアクチュエータ等の製品に搭載した際に、高トルクで駆動が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施例1を示す着磁装置の平面図
【図2】 図1の着磁装置における軸部の断面拡大図
【図3】 図1の着磁装置における部分拡大図
【図4】 図1の着磁装置における磁束密度分布図
【図5】 軸部を一層構造にした場合の着磁装置の平面図
【図6】 図5の着磁装置おける磁束密度分布図
【図7】 図5の着磁装置おける部分拡大図
【図8】 軸の中心部の透磁率の高い部材の内径が永久磁石の内径に対して占める割合と磁束密度分布のピーク値の関係を示す図
【図9】 本発明の実施例2を示す着磁装置の平面図
【図10】 図9における着磁装置の軸部の断面拡大図
【図11】 従来の着磁装置の平面図
【図12】 図11の従来の着磁装置おける磁束密度分布図
【符号の説明】
1 永久磁石材料
2 着磁ヨーク
3 コイル
4 実施例1の軸
5 一層構造の軸
6 実施例2の軸
101 従来例の永久磁石材
102 従来例の着磁ヨーク
103 従来例のコイル
104 空気
105 従来例の軸

Claims (3)

  1. 永久磁石材料を挿入する円筒状の穴を有する着磁ヨークと、前記ヨークにコイルを巻きつけ、前記コイルに電流を流すことによって発生する磁束によって永久磁石材料を少なくとも4極に着磁する装置において、
    前記円筒状の穴の円周上で、前記磁束における磁束密度分布がピークとなるように、前記円筒状の穴内に、透磁率が高い部材からなる中心部と前記中心部より透磁率が低い部材からなる外周部を有する軸を設けたことを特徴とする永久磁石の着磁装置。
  2. 前記軸は磁性材料からなる中心部と非磁性材料からなる外周部の二層構造とすることを特徴とする請求項1に記載の永久磁石の着磁装置。
  3. 前記透磁率が高い部材は、前記軸に垂直な断面での形状が突起部分を有することを特徴とする請求項1に記載の永久磁石の着磁装置。
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