JP3975763B2 - リン化硼素系半導体発光素子、その製造方法、および発光ダイオード - Google Patents

リン化硼素系半導体発光素子、その製造方法、および発光ダイオード Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体基板上に形成されたリン化硼素系半導体層とIII−V族化合物半導体からなる活性層とを具備するリン化硼素系半導体発光素子に係わり、特に発光素子の発光強度を向上させるために電極構造を改良したリン化硼素系半導体発光素子に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、III−V族化合物半導体の一種であるリン化硼素(BP)を利用して発光ダイオード(LED)或いはレーザダイオード(LD)等の半導体発光素子を形成する技術が知れている(米国特許第6、069、021号参照)。従来のリン化硼素系半導体発光素子は、例えば、珪素単結晶(シリコン)からなる基板上に形成されたリン化硼素層を緩衝層として含む積層構造体を用いて構成されている(上記の米国特許第6、069、021号参照)。最近では、ワイドバンドギャップのリン化硼素層を障壁(クラッド)層とするpn接合型二重ヘテロ接合構造を発光部を備えた半導体発光素子用途の積層構造体も発明されている(特願2001−158282号参照)。
【0003】
従来のシリコンを基板とするリン化硼素系半導体発光素子は、導電性のシリコン基板の裏面に裏面電極を、また上記例の如くの積層構造体の表面側の一構成層に表面電極を配置して構成されている。表面電極或いは裏面電極は、それらを敷設するn形またはp形の半導体層にオーミック(Ohmic)接触する金属材料から構成されている(特開平2−275682号公報参照)。シリコンを基板とするリン化硼素系半導体発光素子にあって、例えば、陽(+)極とする表面電極を、p形の伝導性のリン化硼素層からなるコンタクト(contact)層上に形成する技術が開示されている(上記の特開平2−275682号公報参照)。
【0004】
LED、LD等の発光素子にあって、通常は表面電極と裏面電極とは互いに電気的な極性が反対であり、陰(−)極となる電極はn形半導体層上に、n形半導体層とオーミック接触する金属から構成されるものとなっている。また、従来のリン化硼素系半導体発光素子にあっても、p形またはn形半導体層と接触する電極の部位は、p形またはn形半導体層とオーミック接触をなす金属のみから構成されている。導電性のシリコンを基板とするリン化硼素系半導体素子、特に発光素子にあって、p形またはn形半導体層と接触する電極の部位を、それらの半導体層とオーミック接触を金属から構成すれば、表・裏面電極間に発光素子を動作させるための電流を通流するには好都合である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、例えばリン化硼素系半導体発光素子にあって、表面電極を設ける半導体層が電流の横方向への拡散が不充分となるような層厚と抵抗率を有する層だと、動作電流は、表面電極の直下の領域に位置する発光部に限り優先的に流通し、発光部の広範に拡散されない問題点がある。即ち、動作電流の通流により発光がもたらされる領域は、表面電極の直下に限定されてしまう。しかも、表面電極の直下の領域での発光は、電極に遮蔽され、簡易には外部へ取り出すに至らない欠点がある。このため、高輝度のリン化硼素系半導体発光素子を得るに問題となっていた。
【0006】
本発明では、特にリン化硼素系半導体層を障壁層として備えたリン化硼素系半導体発光素子にあって、動作電流を、表面電極の直下の領域よりむしろその領域以外の、発光を取り出すに好都合な領域の発光部へ広範囲に流通させられる構成の表面電極を備えたLEDを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
すなわち本発明は
(1)裏面に裏面電極が設けられた第1の伝導形の半導体基板と、該基板上に設けられた第1の伝導形の第1のリン化硼素系半導体層と、該第1のリン化硼素系半導体層上に設けられたIII−V族化合物半導体からなる活性層と、該活性層上に設けられた第2の伝導形の第2のリン化硼素系半導体層と、該第2のリン化硼素系半導体層の表面上に設けられた表面電極とを備えたリン化硼素系半導体発光素子に於いて、表面電極が、第2のリン化硼素系半導体層に直接接する、第2のリン化硼素系半導体層にオーミック接触しない金属からなる下部電極と、該下部電極に重ねて設けられた、第2のリン化硼素系半導体層にオーミック接触する金属からなる上部電極とからなり、該上部電極の一部が第2のリン化硼素系半導体層の表面と接触していることを特徴とするリン化硼素系半導体発光素子。
(2)第1のリン化硼素系半導体層が活性層に対する障壁層を構成する上記(1)に記載のリン化硼素系半導体発光素子。
(3)半導体基板と第1のリン化硼素系半導体層との間に、非晶質または多結晶のリン化硼素系半導体層からなる緩衝層を有することを特徴とする上記(1)または(2)に記載のリン化硼素系半導体発光素子。
(4)第1のリン化硼素系半導体層と、活性層と、第2のリン化硼素系半導体層とが、2重ヘテロ(double hetero:DH)構造の発光部を構成する上記(1)ないし(3)に記載のリン化硼素系半導体発光素子。
(5)第2のリン化硼素系半導体層がp形リン化硼素(BP)であり、下部電極が金・ゲルマニウム(Au・Ge)合金、金・インジウム(Au・In)合金、金・錫(Au・Sn)合金またはインジウム・錫複合酸化物(英略称:ITO)からなることを特徴とする上記(1)ないし(4)に記載のリン化硼素系半導体発光素子。
(6)上部電極が金・亜鉛(Au・Zn)合金または金・ベリリウム(Au・Be)合金からなることを特徴とする上記(5)に記載のリン化硼素系半導体発光素子。
(7)第2のリン化硼素系半導体層がn形BPであり、下部電極が金・亜鉛(Au・Zn)合金または金・ベリリウム(Au・Be)合金からなることを特徴とする上記(1)ないし(4)に記載のリン化硼素系半導体発光素子。
(8)上部電極が金・ゲルマニウム(Au・Ge)合金、金・インジウム(Au・In)合金または金・錫(Au・Sn)合金からなることを特徴とする上記(7)に記載のリン化硼素系半導体発光素子。
(9)下部電極と第2のリン化硼素系半導体層とがショットキー接合をなすことを特徴とする上記(1)ないし(4)に記載のリン化硼素系半導体発光素子。
(10)下部電極が、ニッケル(Ni)、タングステン(W)、タンタル(Ta)、アルミニウム(Al)、チタン(Ti)、金(Au)、窒化チタン(TiN)または炭化タングステン(WC)からなることを特徴とする上記(9)に記載のリン化硼素系半導体発光素子。
である。
【0008】
また本発明は、
(11)第1の伝導形の半導体基板上に、第1の伝導形の第1のリン化硼素系半導体層と、III−V族化合物半導体からなる活性層と、第2の伝導形の第2のリン化硼素系半導体層とを積層し、その後、半導体基板の裏面に裏面電極を、また第2のリン化硼素系半導体層の表面上に表面電極を形成するリン化硼素系半導体発光素子の製造方法に於いて、第2のリン化硼素系半導体層上に直接接して、第2のリン化硼素系半導体層にオーミック接触しない金属からなる下部電極を形成し、次いで該下部電極に重ねて、第2のリン化硼素系半導体層にオーミック接触する金属からなる上部電極を、該上部電極の一部が第2のリン化硼素系半導体層の表面と接触するように形成することを特徴とするリン化硼素系半導体発光素子の製造方法。
(12)第1のリン化硼素系半導体層が活性層に対する障壁層を構成する上記(11)に記載のリン化硼素系半導体発光素子の製造方法。
(13)半導体基板と第1のリン化硼素系半導体層との間に、非晶質または多結晶のリン化硼素系半導体層からなる緩衝層を形成することを特徴とする上記(11)または(12)に記載のリン化硼素系半導体発光素子の製造方法。
(14)第1のリン化硼素系半導体層と、活性層と、第2のリン化硼素系半導体層とが、2重ヘテロ(double hetero:DH)構造の発光部を構成する上記(11)ないし(13)に記載のリン化硼素系半導体発光素子の製造方法。
である。
【0009】
また、特に本発明は、
(15)上記(1)ないし(10)に記載のリン化硼素系半導体発光素子からなる発光ダイオード。
である
【0010】
【発明の実施の形態】
図1に例示する積層構造体1Aからリン化硼素系半導体発光素子のLEDを構成する場合を例にして本発明の実施の形態を説明する。
【0011】
本発明に係わるLED用途の積層構造体1Aの基板101には、珪素(Si)単結晶(シリコン)やリン化ガリウム(GaP)、砒化ガリウム(GaAs)或いはリン化硼素(BP)(▲1▼J.Electrochem.Soc.,120(1973)、p.p.802〜806.、及び▲2▼米国特許5,042,043号公報参照)等のIII−V族化合物半導体単結晶を利用できる。基板101をなす単結晶表面の面方位は、{100}、{110}、或いは{111}等から選択できる。導電性の結晶材料を基板とすれば、基板101の裏面に正負、何れかの極性のオーミック(Ohmic)性電極を裏面電極107として敷設でき、簡便に発光素子を構成するに寄与できる。特に、抵抗率を1ミリオーム(mΩ)以下、より望ましくは0.1mΩ以下とする低い比抵抗(抵抗率)の導電性単結晶基板は、順方向電圧(所謂、Vf)の低いLEDをもたらすに貢献する。また、放熱性に優れるため安定した発振をもたらすLDを構成するに有効となる。
【0012】
次に、上記の基板101表面上に積層する手順を述べる。第1の伝導形の単結晶基板101上には、先ず、第1の伝導形の第1のリン化硼素系半導体層103を形成する。本発明にあって、リン化硼素系半導体とは、硼素(B)とリン(P)とを構成元素として含む、例えばBαAlβGaγIn1- α - β - γ1- δAsδ層(0<α≦1、0≦β<1、0≦γ<1、0<α+β+γ≦1、0≦δ<1)である。また、例えば、BαAlβGaγIn1- α - β - γ1- δδ(0<α≦1、0≦β<1、0≦γ<1、0<α+β+γ≦1、0≦δ<1)である。特に、発光層104よりも禁止帯幅の広い半導体から構成した第1のリン化硼素系半導体層は発光層に対する障壁層として利用できる。因みに本発明の云う活性層とは、発光素子では発光層である。
【0013】
本発明では、発光層との禁止帯幅の差を約0.2eV〜0.3eVとするリン化硼素系半導体から障壁層を構成するのが好ましい。例えば、有機金属熱分解気相成長(MOCVD)手段に依り、成長速度を毎分2nm以上で30nm以下とし、リン等のV族元素と硼素等のIII族元素の原料の供給比率(所謂、V/III比)を15以上で60以下の範囲にすると広い禁止帯幅のリン化硼素系半導体を形成できる。この様な条件下で形成された室温での禁止帯幅を約3eVとする単量体のリン化硼素(boron monophosphide)からは、青色帯或いはそれより長波長の発光をもたらす発光層に対する障壁層を好適に構成できる。リン化硼素系半導体の禁止帯幅は、例えば屈折率(=n)と消衰係数(=k)から求められる複素誘電率の虚数部(ε2=2・n・k)の光エネルギー依存性から求められる。障壁層を単量体のリン化硼素から構成するに際し、望ましいキャリア濃度は伝導形に拘わらず約1×1018cm-3〜約5×1019cm-3程度である。また、望ましい層厚は約100nm〜約1000nmの範囲である。
【0014】
基板101との中間に配置した緩衝層102上に、第1のリン化硼素系半導体層103を形成する手段もある。緩衝層102は、非晶質または多結晶のリン化硼素系半導体層から構成するのが好適である。非晶質または多結晶の緩衝層102は、基板101との格子不整合性を緩和して、ミスフィット転位等の結晶欠陥密度の小さい第1のリン化硼素系半導体層をもたらすに効果を発揮する。また、緩衝層に含まれる硼素とリンは、成長を促進する「成長核」として作用するため、その上に連続性のある第1のリン化硼素系半導体層を形成するに効果を奏する。例えば、有機金属化学的気相堆積法(MOCVD法)により250℃〜750℃の温度で形成した非晶質または多結晶のリン化硼素(BP)から緩衝層を構成する例を挙げられる(米国特許6,069,021号参照)。緩衝層102の層厚は約1nm以上で50nm以下、更には2nm以上で15nm以下とするのが好ましい。
【0015】
第1のリン化硼素系半導体層103上には、例えば、窒化ガリウム・インジウム(GaXIn1-XN:0≦X≦1)等のIII−V族化合物半導体からなる発光層104を形成する。発光層104の伝導型は第1の伝導形或いはそれとは逆の第2の伝導形を有する層から構成する。第1の伝導形の第1のリン化硼素系半導体層103と第2の伝導形の発光層104との接合により、単一ヘテロ(SH)接合構造の発光部を構成できる。発光層は、GaXIn1-XN(0≦X≦1)或いはリン化窒化ガリウム(GaN1-YY:0<Y≦1)等からなる井戸(well)層を備えた単一或いは多重の量子井戸(Quantum Well)構造から構成することもできる。因みに、井戸層に対するバリア(barrier)層は窒化アルミニウム・ガリウム(AlXGa1-XN:0≦X≦1)やGaN1-ZZ(0≦Z<1、Z<Y)等から構成することができる。
【0016】
発光層104上に、高い禁止帯幅の第2の伝導形の第2のリン化硼素系半導体層105を設ければ、2重ヘテロ(double hetero:DH)構造の発光部を構成できる。第2のリン化硼素系半導体層も、BαAlβGaγIn1- α - β - γ1- δAsδ(0<α≦1、0≦β<1、0≦γ<1、0<α+β+γ≦1、0≦δ<1)またはBαAlβGaγIn1- α - β - γ1- δδ(0<α≦1、0≦β<1、0≦γ<1、0<α+β+γ≦1、0<δ<1)等から構成する。伝導形を互いに逆としつつ、高い禁止帯幅の第1及び第2のリン化硼素系半導体層と発光層との接合を備えた積層構造体は、単一ヘテロ接合構造に比較して高強度の発光をもたらせるpn接合型DH構造の発光部を有するLEDを得るに利用できる。特に、第1及び第2のリン化硼素系半導体層を同厚で同一の半導体材料から構成すると、格子ミスマッチ或いは熱膨張率の相違に起因して発光層に印加される歪量を均等とするに寄与できる。これより、発光層への格子歪或いは熱歪の導入に因る発光波長の徒な変動を抑制した発光層を構成できる。
【0017】
本発明の発光素子は、第2の伝導形の第2のリン化硼素系半導体層105の表面上に2層構造の表面電極106を設けて構成する。本発明の表面電極106は、下部電極106a及び上部電極106bを重層させて構成することを特徴としている。下部電極106aは、第2の伝導形とは反対の第1の伝導形のリン化硼素系半導体層105にオーミック接触を果たす金属材料から構成する。例えば、第2のリン化硼素系半導体層をアンドープのp形リン化硼素(boronmonophosphide:BP)とした場合、下部電極106aはn形リン化硼素系半導体層にオーミック接触をなす金・ゲルマニウム(Au・Ge)合金、金・インジウム(Au・In)合金、並びに金・錫(Au・Sn)合金などの金合金やインジウム・錫複合酸化物(英略称:ITO)等から形成する。逆に、n形BPからなる第2のリン化硼素系半導体層105については、p形リン化硼素系半導体層にオーミック接触する金・亜鉛(Au・Zn)、金・ベリリウム(Au・Be)等の金(Au)合金から構成する。このようにすると、下部電極と第2導電形の第2のリン化硼素系半導体層とはオーミック接触を形成しないことになる。
【0018】
下部電極106aの上部に、下部電極106aに接触させて設ける上部電極106bは、第2の伝導形の第2のリン化硼素系半導体層とオーミック接触をなす金属材料から構成する。例えば、n形の単量体のリン化硼素(BP)からなる第2のリン化硼素系半導体層に対しては、上部電極106bは前項に例示した金・ゲルマニウム(Au・Ge)合金、金・インジウム(Au・In)合金、あるいは金・錫(Au・Sn)合金等の金合金から構成する。p形BP層からなる第2のリン化硼素系半導体層に対しては、前項に例示した金・亜鉛(Au・Zn)、金・ベリリウム(Au・Be)等の金合金から構成する。この際、例えば下部電極106aと上部電極106bとを同一の金属系合金から構成すると密着性に優れる表面電極106を形成できる。例えば、下部電極106aを金合金のAu・Znから、また、上部電極106bを同じく金合金のAu・Geから構成すれば、密着性に優れる表面電極106を形成できる。
【0019】
発光素子を動作させるための電流(動作電流)を流通させるために、上部電極106bの一部は第2のリン化硼素系半導体層105の表面に接触させて設ける必要がある。即ち、上部電極106bの下部電極106aと接触する部分以外の領域に、第2のリン化硼素系半導体層105と接触する領域108を設ける。低い接触抵抗のオーミック接触を有する電極となすために、上部電極106bをコンタクト(contact)層に接触させて設けることもできる。この場合のコンタクト層は第2の伝導形の層から構成する必要がある。また、発光層104からの発光を透過するに好都合となる透明な材料から構成するのが望ましい。表面電極106は下部電極106aと上部電極106bとの中間に中間層を配置した多層構造から構成することもできる。中間層としては、下部及び上部電極106a、106bでの電極を構成する原子の相互拡散を抑制できる金属材料や絶縁性材料等から構成できる。また、上部電極106b上に、例えば、表面電極106への結線(ボンディング)を容易とする層を積層させた多層構造の表面電極106を構成できる。この場合、上部電極106b上に積層させる層は、上部電極106bへの動作電流の流通に支障を来さない導電性の材料から構成する。
【0020】
表面電極106を構成する下部電極106aは、上記の様に第2の伝導形の第2のリン化硼素系半導体層とはオーミック接触をなさない。従って、下部電極106aを敷設した領域に於いて、上部電極106bを介して供給される動作電流の発光部への流通を阻害する作用を有する。一方、本発明では、第2のリン化硼素系半導体層とオーミック接触する上部電極106bについては、第2のリン化硼素系半導体層と接触する領域108を設ける構成としているため、動作電流は下部電極106aの写影領域109以外の領域110へ優先的に流通される。領域110は表面電極106が設置されていない領域であり、表面電極106に因り遮蔽されることなく外部へ発光を取り出せる外部に開放された領域である。即ち、上部電極106bは、発光を取り出すに好都合な外部へ開放された領域110に動作電流を効率的に優先的に供給する作用を有するものである。結線を容易とするためには、円形の上部電極106bの直径は大凡、100μm以上とするのが望ましい。
【0021】
外部発光効率に優れる発光素子、特にLEDは下部電極106aを第2のリン化硼素系半導体層とショットキー(Schottky)接合をなす材料から構成してももたらされる。ショットキー接合に依るキャリアの空乏層(depletion layer)の形成に因って、下部電極106aの下方への動作電流の流通が阻害されるからである。リン化硼素系半導体層にショトキー接合をなす材料としてはニッケル(Ni)、タングステン(W)、タンタル(Ta)、アルミニウム(Al)、チタン(Ti)、金(Au)等の単体金属及び窒化チタン(TiN)、炭化タングステン(WC)等のその合金を例示できる。砒化ガリウム(GaAs)等のIII−V族化合物半導体についてショットキー接合をなす材料は、下部電極106aを構成するに適する。特に、零(0)バイアス下に於いて、空間的に大きな空乏領域を発生させる、所謂、高いショットキー障壁を生ずる材料は好適である。下部電極106aをショットキー接合をなす材料から構成する場合も、上部電極106bは第2の伝導形の第2のリン化硼素系半導体層にオーミック接触する金属材料から構成する。例えば、下部電極106aをNiとし、上部電極106bを金系合金とした表面電極106を例示できる。
【0022】
下部電極106aは、例えば、円形、楕円形、正方形、長方形或いは多角形の平面形状とすることができる。上部電極106bはこの下部電極106aと例えば、相似の形状とする。本発明に係わる構成からなる表面電極は、LEDにあっては動作電流を発光の開放領域に拡散させて通流させる。一方、本発明に依れば、レーザ発振を誘起するために発光層の特定領域に集中的に動作電流を注入するためのレーザダイオード(LD)用途の表面電極も構成できる。LD112を構成するに利用できる下部電極106aとそれに接触させて設けた上部電極106bとからなる表面電極106の断面構造を図2に模式的に例示する。図2に例示す表面電極106にあって、下部電極106aは、素子112の中央部の帯状に開口された領域113を挟んで対向して設けてある。帯状領域113には第2のリン化硼素系半導体層105の表面が露出されている。上部電極106bは下部電極106aと帯状領域113に露出した第2のリン化硼素系半導体層105との双方に接触する様に設けてある。下部電極106aは第2のリン化硼素系半導体層105と非オーミック接触またはショットキー接触する何れかの材料から構成しているため、下部電極106aが敷設されている領域の直下への動作電流の流通は阻害される。一方、上部電極106bは、帯状領域113で第2のリン化硼素系半導体層105とオーミック接触する。このため、動作電流が流通できる領域は、上部電極106bと第2のリン化硼素系半導体層105とが接触している領域、即ち、上記の帯状の開口領域113に限定される。従って、本発明の構成からなる表面電極は、電流狭窄型のLDを得るに貢献できる。
【0023】
【作用】
表面電極の下部を構成する、第2の伝導形の第2のリン化硼素系半導体層に非オーミック接触をする或いはショットキー接合をなす材料から構成される下部電極は、発光が遮蔽される表面電極の写影領域に動作電流を流通するのを抑制する作用を有する。また、第2の伝導形の第2のリン化硼素系半導体層とオーミック接触をなす領域が設けられている上部電極は、発光を外部に取り出すに好都合となる外部発光領域に優先的に動作電流を流通させる作用を有する。
【0024】
【実施例】
(第1実施例)
本発明の詳細をLEDを作製した例を用いて説明する。本発明の第1実施例に係わるLED2Bの平面模式図を図3に示す。また、LED2Bの図3に示す破線X−X’に沿った断面模式図を図4に示す。図3及び図4に示す積層構造体2Aにおいて、図1に例示した積層構造体1Aと同一の構成要素については図1と同一の符号を付してある。
【0025】
LED2B用途の積層構造体2Aは、(111)結晶面を表面とするアンチモン(Sb)ドープのn形Si単結晶を基板101として構成した。本第1実施例では、第1の伝導形をn形とした。基板101上には、トリエチル硼素((C253B)/ホスフィン(PH3)/水素(H2)系常圧MOCVD法により、350℃で、as−grown状態で非晶質を主体とするリン化硼素からなる緩衝層102を堆積した。緩衝層102の層厚は5nmとした。緩衝層102の表面には、上記のMOCVD法を利用して1050℃で成長させた、n形のリン化硼素(BP)層からなる第1のリン化硼素系半導体層103を積層した。n形の障壁層をなす第1のリン化硼素系半導体層103のキャリア濃度は約8×1018cm-3とし、また、層厚は約330nmとした。第1のリン化硼素系半導体層103をなす単量体のBP層の室温での禁止帯幅は大凡、3.0eVであった。
【0026】
第1のリン化硼素系半導体層103上には、トリメチルガリウム((CH33Ga)/トリメチルインジウム((CH33In)/アンモニア(NH3)/H2系常圧MOCVD法により、850℃でに於いて、n形の窒化ガリウム・インジウム(Ga0.94In0.06N)からなる発光層104を積層した。発光層104の層厚は50nmとした。発光層104の表面上には、p形のリン化硼素(BP)からなる第2のリン化硼素系半導体層105を積層した。本第1実施例では、第2の伝導形はp形となる。p形の第2のリン化硼素系半導体層105のキャリア濃度は約1×1019cm-3とし、また、層厚は約330nmとした。第2のリン化硼素系半導体層105は、室温での禁止帯幅を大凡、3.0eVとする単量体のリン化硼素より構成した。伝導形を相違する第1のリン化硼素系半導体層103および第2のリン化硼素系半導体層105と発光層104とからpn接合型ダブルヘテロ(DH)構造型の発光部を構成した。
【0027】
p形の第2のリン化硼素系半導体層105の表面の中央部には表面電極106を配置した。表面電極106を構成するための下部電極106aは、第1の伝導形(本第1実施例ではn形である)とオーミック接触をなす金(Au)・ゲルマニウム(Ge)合金から構成した。下部電極106aとした円形のAu・Ge真空蒸着膜の膜厚は約0.7μmとし、直径は90μmとした。下部電極106aの上部には、ニッケル(Ni)真空蒸着膜を中間層111として被着した。中間層111の膜厚は約0.2μmとした。下部電極106aと中心を一致させて設けた平面形状を円形とする中間層111の直径は約90μmとした。中間層111上には、金・亜鉛(Au・Zn)合金からなる上部電極106bを設けた。Au・Zn真空蒸着膜の平面形状は、下部電極106aと同じく円形としたが、その直径は下部電極106aよりも大きく約140μmとした。また、上部電極106bの周縁部は、p形の第2のリン化硼素系半導体層105の表面にオーミック接触させた。上部電極106bをなすAu・Zn膜の膜厚は、約0.6μmとした。以上の下部電極106a、中間層111、及び上部電極106bから表面電極106を構成した。
【0028】
n形Si単結晶基板101の裏面の略全面には、裏面電極107としてアルミニウム・アンチモン(Al・Sb)合金からなるオーミック電極を配置してLED2Bを構成した。Al・Sb蒸着膜の膜厚は約2μmとした。表面電極106及び裏面電極107を形成した後、Si単結晶基板101を[211]方向に平行及び垂直な方向に裁断して、一辺を約350μmとする正方形のLED2Bを作製した。
【0029】
表面電極106と裏面電極107との間に順方向に20ミリアンペア(mA)の動作電流を通流した際のLEDの発光の中心波長は420nmとなった。一般的な積分球を利用して測定されるチップ(chip)状態での輝度は9ミリカンデラ(mcd)となり、高発光強度のLED2Bが提供された。また、表面電極106の下部電極106aをp形の第2のリン化硼素系半導体層105に対しオーミックしない材料から構成し、動作電流を開放領域110に優先的に流通させる構成としたため、開放領域110から強度的に均一な発光をもたらせるLEDを提供できた。
【0030】
(第2実施例)
同じく本発明の詳細をLEDを作製した例を用いて説明する。本第2実施例に係わるLED3Bの平面模式図を図5に示す。また、LED3Bの図5に示す破線YーY’に沿った断面模式図を図6に示す。図5及び図6に示す積層構造体3Aにおいて、図1に例示した積層構造体1Aと同一の構成要素については図1と同一の符号を付してある。
【0031】
LED3B用途の積層構造体3Aは、(111)結晶面を表面とする硼素(B)ドープのp形Si単結晶を基板101として構成した。本第1実施例では、第1の伝導形をp形とした。基板101上には、トリエチル硼素((C253B)/ホスフィン(PH3)/水素(H2)系常圧MOCVD法により、350℃で、as−grown状態で非晶質を主体とするリン化硼素からなる緩衝層102を堆積した。緩衝層102の層厚は5nmとした。緩衝層102の表面には、上記のMOCVD法を利用して1050℃で成長させた、p形リン化硼素(BP)層からなる第1のリン化硼素系半導体層103を積層した。p形の障壁層をなす第1のリン化硼素系半導体層103のキャリア濃度は約2×1019cm-3とし、また、層厚は約430nmとした。第1のリン化硼素系半導体層103をなす単量体のBP層の室温での禁止帯幅は大凡、3.0eVであった。
【0032】
第1のリン化硼素系半導体層103上には、トリメチルガリウム((CH33Ga)/PH3/アンモニア(NH3)/H2系常圧MOCVD法により、850℃でに於いて、n形のリン化窒化ガリウム(GaN0.950.05)からなる発光層104を積層した。発光層104の層厚は100nmとした。発光層104の室温での禁止帯幅は約2.95eVと算定された。発光層104の表面上には、n形のリン化硼素(BP)からなる第2のリン化硼素系半導体層105を積層した。本第2実施例では、第2の伝導形はn形となる。n形の第2のリン化硼素系半導体層105のキャリア濃度は約8×1018cm-3とし、また、層厚は約430nmとした。第2のリン化硼素系半導体層105は、室温での禁止帯幅を大凡、3.0eVとする単量体のリン化硼素より構成した。伝導形を相違する第1のリン化硼素系半導体層103および第2のリン化硼素系半導体層105と発光層104とからpn接合型ダブルヘテロ(DH)構造型の発光部を構成した。
【0033】
n形の第2のリン化硼素系半導体層105の表面の中央部には表面電極106を配置した。表面電極106を構成するための下部電極106aは、第2のリン化硼素系半導体層105とショットキー接合をなすチタン(Ti)から構成した。下部電極106aとしたTiの電子ビームによる蒸着膜の膜厚は約0.5μmとし、直径は約100μmとした。下部電極106aの上部にはアルミニウム(Al)真空蒸着膜を中間層111として被着した。中間層111の膜厚は約0.3μmとした。下部電極106aと中心を一致させて設けた平面形状を円形とする中間層111の直径は約100μmとした。中間層111上には、第2の伝導形(本第2実施例ではn形)の第2のリン化硼素系半導体層105にオーミック接触をなす金・ゲルマニウム(Au・Ge)合金からなる上部電極106bを設けた。上部電極106bは図5に示す様に円形の中心電極106cと、中心電極106cに導通させたLED3Bの双方の対角線上に延在させた帯状電極106dとから構成した。中心電極106cは下部電極106a及び中間層111と同じく円形としたが、その直径はより大きく約150μmとした。また、中心電極106cの周縁部及び帯状電極106dは、n形の第2のリン化硼素系半導体層105の表面にオーミック接触させた。上部電極106bをなすAu・Ge膜の膜厚は、約0.6μmとした。以上の下部電極106a、中間層111、及び上部電極106bから表面電極106を構成した。
【0034】
p形Si単結晶基板101の裏面の略全面には、裏面電極107としてアルミニウム(Al)からなるオーミック電極を配置してLED3Bを構成した。Al真空蒸着膜の膜厚は約3μmとした。表面電極106及び裏面電極107を形成した後、Si単結晶基板101を[211]方向に平行及び垂直な方向に裁断して、一辺を約350μmとする正方形のLED3Bを作製した。
【0035】
表面電極106と裏面電極107との間に順方向に20ミリアンペア(mA)の動作電流を通流した際のLEDの発光の中心波長は420nmとなった。発光層104とヘテロ接合する障壁層である第1のリン化硼素系半導体層103および第2のリン化硼素系半導体層105を同厚の同一材料から構成したため、発光中心波長は発光層の禁止帯幅に対応するものとなった。一般的な積分球を利用して測定されるチップ(chip)状態での輝度は9ミリカンデラ(mcd)となり、高発光強度のLED3Bが提供された。また、表面電極106の下部電極106aをn形の第2のリン化硼素系半導体層105に対しショットキー接合をなす材料から構成し、動作電流を開放領域110に優先的に流通させる構成としたため、開放領域110から強度的に均一な発光をもたらせるLEDを提供できた。しかも、電流−電圧(I−V)特性から求めた順方向電圧(所謂、Vf)は3.6V(順方向電流=20mA)で、逆方向電圧は7V(逆方向電流=10μA)であり、高耐圧のLED3Bが提供された。
【0036】
【発明の効果】
本発明では、半導体基板上に設けたリン化硼素系半導体層に表面電極を設けて発光素子を作製する際に、リン化硼素系半導体層に対してオーミック接触しない或いはショットキー接合をなす下部電極と、リン化硼素系半導体層に対してオーミック接触する上部電極とを重ねて形成した重層電極から表面電極を構成することとしたので、例えばLEDにあって、発光を好都合に外部に取り出せる開放領域に動作電流を有効に優先的に流通できるため、高い発光強度のリン化硼素系半導体発光素子を提供できる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わるLEDの断面構造を示す模式図である。
【図2】 本発明に係わるレーザダイオードの断面構造を示す模式図である。
【図3】本発明の第1実施例に係るLEDの平面模式図である。
【図4】図3に示すLEDの破線X−X’に沿った断面模式図である。
【図5】本発明の第2実施例に係るLEDの平面模式図である。
【図6】図5に示すLEDの破線Y−Y’に沿った断面模式図である。
【符号の説明】
1A、2A、3A 積層構造体
1B、2B、3B LED
101 単結晶基板
102 緩衝層
103 第1のリン化硼素系半導体層
104 発光層
105 第2のリン化硼素系半導体層
106 表面電極
106a 表面電極の下部電極
106b 表面電極の上部電極
106c 中心電極
106d 帯状電極
107 裏面電極
108 上部電極と第2のリン化硼素系半導体層とが接触する領域
109 下部電極に因る写影領域
110 発光を外部へ取り出せる開放領域
111 中間層
112 LD
113 帯状領域

Claims (13)

  1. 裏面に裏面電極が設けられた第1の伝導形の半導体基板と、該基板上に設けられた第1の伝導形の第1のリン化硼素系半導体層と、該第1のリン化硼素系半導体層上に設けられたIII−V族化合物半導体からなる活性層と、該活性層上に設けられた第2の伝導形の第2のリン化硼素系半導体層と、該第2のリン化硼素系半導体層の表面上に設けられた表面電極とを備えたリン化硼素系半導体発光素子に於いて、上記第1のリン化硼素系半導体層が活性層に対する障壁層を構成し、表面電極が、第2のリン化硼素系半導体層に直接接する、第2のリン化硼素系半導体層にオーミック接触しない金属からなる下部電極と、該下部電極に重ねて設けられた、第2のリン化硼素系半導体層にオーミック接触する金属からなる上部電極とからなり、該上部電極の一部が第2のリン化硼素系半導体層の表面と接触していることを特徴とするリン化硼素系半導体発光素子。
  2. 半導体基板と第1のリン化硼素系半導体層との間に、非晶質または多結晶のリン化硼素系半導体層からなる緩衝層を有することを特徴とする請求項1に記載のリン化硼素系半導体発光素子。
  3. 第1のリン化硼素系半導体層と、活性層と、第2のリン化硼素系半導体層とが、2重ヘテロ(doublehetero:DH)構造の発光部を構成する請求項1または2に記載のリン化硼素系半導体発光素子。
  4. 第2のリン化硼素系半導体層がp形リン化硼素(BP)であり、下部電極が金・ゲルマニウム(Au・Ge)合金、金・インジウム(Au・In)合金、金・錫(Au・Sn)合金またはインジウム・錫複合酸化物(英略称:ITO)からなることを特徴とする請求項1ないし3の何れか1項に記載のリン化硼素系半導体発光素子。
  5. 上部電極が金・亜鉛(Au・Zn)合金または金・ベリリウム(Au・Be)合金からなることを特徴とする請求項4に記載のリン化硼素系半導体発光素子。
  6. 第2のリン化硼素系半導体層がn形BPであり、下部電極が金・亜鉛(Au・Zn)合金または金・ベリリウム(Au・Be)合金からなることを特徴とする請求項1ないし3の何れか1項に記載のリン化硼素系半導体発光素子。
  7. 上部電極が金・ゲルマニウム(Au・Ge)合金、金・インジウム(Au・In)合金または金・錫(Au・Sn)合金からなることを特徴とする請求項6に記載のリン化硼素系半導体発光素子。
  8. 下部電極と第2のリン化硼素系半導体層とがショットキー接合をなすことを特徴とする請求項1ないし3の何れか1項に記載のリン化硼素系半導体発光素子。
  9. 下部電極が、ニッケル(Ni)、タングステン(W)、タンタル(Ta)、アルミニウム(Al)、チタン(Ti)、金(Au)、窒化チタン(TiN)または炭化タングステン(WC)からなることを特徴とする請求項8に記載のリン化硼素系半導体発光素子。
  10. 第1の伝導形の半導体基板上に、第1の伝導形の第1のリン化硼素系半導体層と、III−V族化合物半導体からなる活性層と、第2の伝導形の第2のリン化硼素系半導体層とを積層し、その後、半導体基板の裏面に裏面電極を、また第2のリン化硼素系半導体層の表面上に表面電極を形成するリン化硼素系半導体発光素子の製造方法に於いて、上記第1のリン化硼素系半導体層を活性層に対する障壁層として形成し、第2のリン化硼素系半導体層上に直接接して、第2のリン化硼素系半導体層にオーミック接触しない金属からなる下部電極を形成し、次いで該下部電極に重ねて、第2のリン化硼素系半導体層にオーミック接触する金属からなる上部電極を、該上部電極の一部が第2のリン化硼素系半導体層の表面と接触するように形成することを特徴とするリン化硼素系半導体発光素子の製造方法。
  11. 半導体基板と第1のリン化硼素系半導体層との間に、非晶質または多結晶のリン化硼素系半導体層からなる緩衝層を形成することを特徴とする請求項10に記載のリン化硼素系半導体発光素子の製造方法。
  12. 第1のリン化硼素系半導体層と、活性層と、第2のリン化硼素系半導体層とが、2重ヘテロ(doublehetero:DH)構造の発光部を構成する請求項10または11に記載のリン化硼素系半導体発光素子の製造方法。
  13. 請求項1ないし9の何れか1項に記載のリン化硼素系半導体発光素子からなる発光ダイオード。
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