JP3975348B2 - 燃料噴射装置の組付構造 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、燃料噴射装置(以下、インジェクタという)を内燃機関(以下、エンジンという)に組付ける組付構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、インジェクタをエンジンに組付けるには、例えば図8に示すようにインジェクタ100のノズル部101をエンジン110の組付孔111に挿入し、クランプ120でノズル部101をエンジン110に押圧して固定している。
この図8に示す組付構造では、ノズル部101と組付孔111との間に円環板状のシール部材130,131を配設している。そして、クランプ120の押圧力を受けるノズル部101と組付孔111とによりシール部材130,131を軸方向において挟圧することで、ノズル部101と組付孔111との間をシールしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記図8に示すインジェクタ100の組付構造では、剛性の高いクランプ120をエンジン110にボルト等の高い軸力によって固定し、シール部材130,131を圧縮変形させることでシール性を確保している。ところが、実際にはボルト固定のための作業スペースを確保できない場合や、クランプ120の搭載スペースを確保できない場合がある。また、シール部材130,131は、熱収縮やクリープにより初期の反力が低下し、シール性が悪化するおそれがある。
【0004】
一方、クランプ120の代わりに図9に示すようなばね部材140でインジェクタ100をエンジン110に押圧する構造が考えられる。この組付構造では、インジェクタ100に燃料を搬送する燃料搬送管の燃料供給口150とインジェクタ100の反ノズル部側部分102との間にばね部材140を挟み込むことで、ばね部材140を設置できる。そのため、ばね部材140の設置作業が容易となり、設置初期時にはシール部材130,131によるシール性を確保することができる。しかし、外力等によりインジェクタ100が径方向に変位すると、あるいは低温時にばね部材140が熱収縮すると、ばね部材140の押圧力が変化してシール部材130,131によるシール性が悪化するおそれがある。
【0005】
本発明の目的は、インジェクタのノズル部とエンジンの組付孔との間のシール性を向上するインジェクタの組付構造を提供することにある。
本発明の他の目的は、インジェクタのノズル部とエンジンの組付孔との間のシール性を安定して確保できるインジェクタの組付構造を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1に記載のインジェクタの組付構造によると、インジェクタのノズル部とエンジンの組付孔との間をシールするシール部材は、エンジンの燃焼室から組付孔に伝わる燃焼圧を受けて、その燃焼圧による径方向内側向きの力によりノズル部を押圧する。このように燃焼室で不可避的に発生する燃焼圧を利用することにより、シール部材はノズル部を径方向内側に押圧してノズル部に密接することができる。したがって、請求項1に記載の組付構造によれば、ノズル部と組付孔との間のシール性を向上することができる。
また、本発明の請求項1に記載のインジェクタの組付構造によると、シール部材は弾性材で形成され、筒状部の内周側に圧入されたノズル部を径方向内側向きの弾性反力により押圧する。これにより、シール部材は弾性反力によって常にノズル部を径方向内側に押圧するので、燃焼圧が低い場合でも筒状部とノズル部とを密接させることができる。また、外力等によりインジェクタが径方向に変位しても、筒状部が弾性変形してノズル部との間隙を埋めることができる。したがって、請求項4に記載の組付構造によれば、ノズル部と組付孔との間において安定したシール性を確保することが可能になる。
【0007】
本発明の請求項2及び3に記載のインジェクタの組付構造によると、シール部材は、燃焼室に繋がる組付孔の深部側に向かうにつれ先細りとなる筒状部を有する。そしてシール部材は、筒状部の外壁面で燃焼圧を受け、筒状部の内壁面でノズル部を押圧する。これにより、燃焼圧を利用して径方向内側にノズル部を押圧するシール部材を簡素な構成で実現できる。
【0009】
本発明の請求項4に記載のインジェクタの組付構造によると、シール部材は環板状の弾性材で形成され、軸方向に曲げられた内周縁部で筒状部を形成している。このように環板状弾性材の曲げにより形成された筒状部でノズル部を押圧するので、低温時にシール部材が熱収縮しても、曲げに対する筒状部の復元力によって筒状部をノズル部に密接させ続けることができる。したがって、低温時におけるシール性の悪化を防止することができる。
【0010】
本発明の請求項5に記載のインジェクタの組付構造は、シール部材を第一シール部材として備え、また第一シール部材とは別に、ノズル部と組付孔との間をシールする第二シール部材を備える。この第二シール部材は、第一シール部材よりも組付孔の入口側に配設される。そしてノズル部は、燃焼室から組付孔に伝わる負圧を受けて、その負圧による力により第二シール部材を組付孔に押圧する。このように燃焼室で不可避的に発生する負圧を利用することによって、燃焼圧の発生時のみならず負圧の発生時にもノズル部と組付孔との間のシール性を確保可能となる。
【0011】
本発明の請求項6に記載のインジェクタの組付構造によると、第二シール部材は、押圧により弾性変形する突起部をシール箇所に有するので、そのシール箇所におけるシール性を高めることができる。
本発明の請求項7に記載のインジェクタの組付構造によると、第二シール部材は、ノズル部に当接する前記突起部と組付孔に当接する前記突起部とを有する。これにより第二シール部材は、ノズル部で組付孔に押圧されるとき、弾性変形する突起部の弾性反力をノズル部及び組付孔の双方に加えつつ密接することができるので、高いシール性を確実に得ることができる。
【0012】
本発明の請求項8に記載のインジェクタの組付構造によると、インジェクタのノズル部とエンジンの組付孔との間をシールするシール部材は、燃焼室から組付孔に流入する燃焼ガスの温度が所定温度に達したとき、熱変形による径方向内側向きの力によりノズル部を押圧する。このようにシール部材は、燃焼室で不可避的に発生する燃焼ガスの温度に応じた熱変形を利用することによって、ノズル部を径方向内側に押圧してノズル部に密接することができる。したがって、請求項9に記載の組付構造によれば、ノズル部と組付孔との間のシール性を向上することができる。
【0013】
本発明の請求項9及び10に記載のインジェクタの組付構造によると、シール部材は、熱膨張係数の異なる複数素材の積層体により形成される。これにより、燃焼ガスの温度に応じたシール部材の熱変形量を制御することが容易となり、ノズル部と組付孔との間において安定したシール性を確保可能となる。
【0014】
本発明の請求項11及び12に記載のインジェクタの組付構造によると、シール部材は、組付孔の深部側に向かうにつれ先細りとなる筒状部を有し、筒状部の外壁面で燃焼ガスに接し、筒状部の内壁面でノズル部を押圧する。これにより、熱変形を利用して径方向内側にノズル部を押圧するシール部材を簡素な構成で実現できる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を示す複数の実施例を図面に基づいて説明する。
(第一実施例)
本発明の第一実施例によるインジェクタの組付構造を図1及び図2に示す。第一実施例では、エンジン1のシリンダヘッド2にインジェクタ20をシール部材50,60を介して組付けている。
【0016】
インジェクタ20の一端部側には、燃料流入口21が設けられている。燃料流入口21は、燃料搬送管90の燃料供給口91に挿入される。燃料流入口21と燃料供給口91との間はOリング22でシールされる。燃料搬送管90により搬送される燃料は、燃料供給口91及び燃料流入口21を通じてインジェクタ20内の燃料通路23に流入する。インジェクタ20では、コネクタ33からの供給電流に応じコイル34で形成した磁気回路によって弁部材35を往復駆動して、後述する噴孔31を開閉する。インジェクタ20はその噴孔31の開放時に燃料通路23内の燃料を噴孔31から噴射する。
【0017】
インジェクタ20の他端部側には、ノズル部24が設けられている。ノズル部24は、シール部材50,60と一緒にシリンダヘッド2の組付孔3にほぼ同軸上に挿入され、クランプ70によりシリンダヘッド2側に押圧されている。
以下、組付孔3、ノズル部24、クランプ70、シール部材50,60について詳細に説明する。
【0018】
まず、組付孔3について説明する。
組付孔3はシリンダヘッド2を円形の横断面で中心軸O方向に貫通し、深部3a側がエンジン1の燃焼室10に繋がっている。組付孔3はその深部3aから入口3bに向かって順に、第一ストレート部4、テーパ部5、第一段差部6、第二ストレート部7、第二段差部8及び第三ストレート部9を有している。
【0019】
最深部にある第一ストレート部4は、内部を燃焼室10内に連通させている。テーパ部5は第一ストレート部4に接続され、深部3a側から入口3b側に向かって次第に拡径するテーパ状に形成されている。第二ストレート部7は、第一ストレート部4及びテーパ部5よりも大径に形成されている。第一段差部6は中心軸Oに垂直な平坦面状に形成され、テーパ部5と第二ストレート部7との間を接続している。最も入口3b側となる第三ストレート部9は、第二ストレート部7よりも大径に形成されている。第二段差部8は中心軸Oに垂直な平坦面状に形成され、第二ストレート部7と第三ストレート部9との間を接続している。
【0020】
次に、ノズル部24について説明する。
ノズル部24は円筒状に形成され、組付孔3の深部3a側から入口3b側に向かって順に、燃料噴射口25、テーパ壁26、中間壁27及びフランジ28を有している。
【0021】
燃料噴射口25は、噴孔31を備える弁ボディ32を内周側に保持し、組付孔3の第一ストレート部4内に挿入されている。それによりインジェクタ20は、燃料通路23内の燃料を噴孔31を通じて燃焼室10内に噴射することができる。中間壁27は、燃料噴射口25よりも大径の外壁面を有し、組付孔3の第二ストレート部7内に挿入されている。テーパ壁26は、組付孔3の深部3a側から入口3b側に向かって次第に拡径するテーパ状の外壁面を有し、燃料噴射口25と中間壁27との間を接続している。テーパ壁26は、組付孔3のテーパ部5内に挿入されている。中間壁27においてテーパ壁26との接続部分は第一段付部29を形成している。第一段付部29は、インジェクタ20の中心軸Nに垂直な平坦面状に形成され、組付孔3の第一段差部6との間に第一シール部材50及び調心部材68を挟んでいる。フランジ28は、それよりも外壁面が小径の中間壁27に接続され、組付孔3の第三ストレート部9内に挿入されている。フランジ28において中間壁27との接続部分は第二段付部30を形成している。第二段付部30は、インジェクタ20の中心軸Nに垂直な平坦面状に形成され、組付孔3の第二段差部8との間に第二シール部材60を挟んでいる。
【0022】
次に、クランプ70について説明する。
クランプ70は、インジェクタ20の外周側を囲む円環板状の押圧部71を有し、シリンダヘッド2の外壁面2a側に図示しないボルトで締結されている。そのボルトの軸力により押圧部71は、組付孔3の入口3bから露出するフランジ28の被押圧部37を組付孔3の入口側3b側から深部3a側に向かって押圧している。
【0023】
次に、第一シール部材50について説明する。
第一シール部材50は、ノズル部24と組付孔3との間をシールする。第一シール部材50は、ゴム、樹脂、金属等の弾性変形可能な弾性材で形成され、図1及び図3に示すように、互いに同軸の環状部51と筒状部52とを有している。
【0024】
環状部51は、ノズル部24のテーパ壁26の外周側を囲む円環板状に形成され、組付孔3の第二ストレート部7内にほぼ同軸上に収容されている。この収容状態において環状部51は、ノズル部24の第一段付部29と組付孔3の第一段差部6との間に調心部材68と一緒に挟持されている。尚、調心部材68は環状部51の反燃焼室側においてテーパ壁26の外周側に円環板状に設けられ、インジェクタ20を径方向に位置決めするものである。
【0025】
筒状部52は、環状部51の内周縁から組付孔3の深部3a側に突出している。すなわち筒状部52は、中心軸M方向の両端部のうち組付孔3の入口3b側となる端部から径方向外側に突出する環状部51と一体に形成されている。筒状部52は、組付孔3の入口3b側から深部3a側に向かって次第に縮径する概ね円錐台形状に形成されている。すなわち筒状部52は、組付孔3の入口3b側から深部3a側に向かうにつれ先細りとなっている。筒状部52において径方向の肉厚は、組付孔3の入口3b側から深部3a側に向かって次第に薄くなっている。筒状部52の内周側には、ノズル部24のテーパ壁26がほぼ同軸上に圧入されている。それにより筒状部52は、内壁面54でノズル部24のテーパ壁26に当接し、外壁面55で組付孔3のテーパ部5に間隔をあけて向き合っている。
【0026】
本実施例では、上記先細り形状の筒状部52を有する第一シール部材50が次のようにして形成される。
(1)図4(A)に示すように、円環板状の弾性材50を準備し、弾性材50の外周縁部51を組付孔3の第一段差部6に当接させる。
(2)図4(B)に示すように、弾性材50の内孔58にインジェクタ20のノズル部24を組付孔3の深部3a側に向かって圧入しつつ、弾性材50の内周縁部52を中心軸M方向に曲げる。それと共に、弾性材50の外周縁部51をノズル部24の第一段付部29と組付孔3の第一段差部6とで挟む。以上により、弾性材50の外周縁部51と内周縁部52とでそれぞれ環状部51と筒状部52とが形成される。
上記(1),(2)の操作については、インジェクタ20をシリンダヘッド2に組付ける際に同時に実施することができるので、所望の形状の第一シール部材50を容易に形成することができる。尚、上記以外の方法によって第一シール部材50を形成することも勿論可能である。
【0027】
ここで、第一シール部材50のシール作用について説明する。
第一シール部材50において環状部51は、クランプ70の押圧力を受けたノズル部24の第一段付部29によって調心部材68を介して組付孔3の第一段差部6側に押圧され、第一段付部29と第一段差部6との間をシールする。
【0028】
エンジン1の燃焼室10内で燃料が燃焼されて燃焼ガスが発生すると、燃焼ガスによる燃焼圧が燃焼室10から組付孔3に伝わる。このとき図3に模式的に示すように、組付孔3内の第一シール部材50は筒状部52の外壁面55で燃焼圧Pを受圧する。すると筒状部52は、上記先細り形状を有していることにより、弾性変形しつつ径方向内側向きの力を生む。この力により筒状部52は内壁面54でノズル部24のテーパ壁26を径方向内側に押圧するので、当該筒状部52はテーパ壁26に密接する。このように第一実施例の組付構造では、燃焼室10で不可避的に発生する燃焼圧Pを利用することによって、第一シール部材50とノズル部24とを密着させることができる。したがって、第一実施例の組付構造によれば、ノズル部24と組付孔3との間のシール性を向上することができる。
【0029】
また、弾性材で形成されて内周側にノズル部24が圧入されている第一シール部材50の筒状部52は、その圧入に対する径方向内側向きの弾性反力を常にノズル部24のテーパ壁26に及ぼす。そのため、燃焼ガスの排出時等、燃焼圧Pが低くなるときでも、上記弾性反力によって筒状部52とテーパ壁26とが密接する。また、インジェクタ20に径方向の外力が働くとき、筒状部52において外力方向の前側となる部分はテーパ壁26に押圧されて弾性圧縮し、筒状部52において外力方向の後側となる部分は復元力により弾性膨張してテーパ壁26を押圧し続ける。すなわちインジェクタ20が径方向に変位しても、筒状部52はその弾性変形によりテーパ壁26との間隙を埋めることができる。このように第一実施例の組付構造によれば、ノズル部24と組付孔3との間において常に安定したシール性を確保することができる。
【0030】
さらに、円環板状弾性材50の曲げにより形成された筒状部52は、低温時に熱収縮しても、曲げに対する復元力によって径方向内側にあるノズル部24に密接し続けるように変形する。したがって、第一実施例の組付構造によれば、低温時においてノズル部24と組付孔3との間のシール性が悪化することを防止できる。
【0031】
次に、第二シール部材60について説明する。
第二シール部材60は、第一シール部材50よりも組付孔3の入口3b側となる配設位置においてノズル部24と組付孔3との間をシールする。図1及び図5に示すように、第二シール部材60は、ゴム、樹脂、金属等の弾性変形可能な弾性材で円環板状に形成されている。図1及び図6に示すように第二シール部材60は、ノズル部24の中間壁27の外周側を囲むようにして組付孔3の第三ストレート部9内にほぼ同軸上に収容されている。この収容状態において第二シール部材60はノズル部24の第二段付部30と組付孔3の第二段差部8との間に挟持されている。
【0032】
図5及び図6に示すように第二シール部材60は、第二段付部30に対向する反燃焼室側面61と、第二段差部8に対向する燃焼室側面62との双方に突起部64を有している。本実施例では、各面61,62において突起部64が二つずつ設けられ、いずれの突起部64も周方向に連続する環状に形成されている。各突起部64の先端面は、対応する面61,62に向かい合う第二段付部30又は第二段差部8に当接している。
【0033】
ここで、第二シール部材60のシール作用について説明する。
エンジン1の燃焼室10内から燃焼ガスが外部に排出されて燃焼室10内に負圧が発生すると、その負圧が燃焼室10から組付孔3に伝わる。このとき、組付孔3内のノズル部24は負圧を受けて組付孔3の深部3a側に引張られる。すると、その引張力によってノズル部24の第二段付部30が第二シール部材60を組付孔3の第二段差部8側に押圧する。この押圧により、第二シール部材60の各面61,62の突起部64は弾性変形し、当接する第二段付部30と第二段差部8とを弾性反力で押圧する。その結果、第二シール部材60は各突起部64によりノズル部24及び組付孔3の双方に密接する。このように第一実施例の組付構造では、燃焼室10で不可避的に発生する負圧を利用することにより、上述の燃焼圧Pが消えて負圧が発生したときにも、ノズル部24と組付孔3との間で高いシール性を実現することができる。
【0034】
(第二実施例)
本発明の第二実施例によるインジェクタの組付構造の要部を図7に示す。第一実施例と実質的に同一の構成部分には同一符号を付す。
第二実施例の組付構造では、第一実施例のシール部材50の代わりに図7に示すシール部材80を第一シール部材として使用している。この第一シール部材80は、それを形成する素材以外について第一実施例の第一シール部材50と同様の構成を有する。すなわち第一シール部材80は、ノズル部24の第一段付部29と組付孔3の第一段差部6との間に挟持される円環板形状の環状部51と、組付孔3の深部3a側に向かうにつれ先細りとなる筒状部52とを有している。
【0035】
図7に示すように第二実施例の第一シール部材80は、熱膨張係数の異なる二種類の金属板82,83を積層し張り合わせた所謂バイメタルにより形成されている。第一シール部材80の配設状態において組付孔3の深部3a側となる金属板82の熱膨張係数C1は、組付孔3の入口3b側となる金属板83の熱膨張係数C2よりも大きく設定されている。
【0036】
このような第一シール部材80のシール作用について以下に説明する。
エンジン1の燃焼室10内で燃料が燃焼されて燃焼ガスが発生すると、その燃焼ガスは燃焼室10から組付孔3に流入する。組付孔3に流入した燃焼ガスは、第一シール部材80のうち筒状部52の外壁面55を含む金属板82側の表面84に接する。第一シール部材80では、金属板82の熱膨張係数C1が金属板83の熱膨張係数C2よりも大きいことにより、表面84に接するガスの温度が上昇すると、各金属板82,83の内部応力に差異が生じる。その結果、表面84に接するガスの温度が所定温度に達すると、第一シール部材80が変形し始める。このとき、上記先細り形状を有する筒状部52は、各金属板82,83の内部応力差に基づいて径方向内側向きの力を生み、内壁面54でノズル部24のテーパ壁26を押圧してテーパ壁26に密接する。このように第二実施例の組付構造では、不可避的に発生する燃焼ガスの温度に応じ第一シール部材80を熱変形させることによって、第一シール部材80とノズル部24とを密着させることができる。したがって、第二実施例の組付構造によれば、ノズル部24と組付孔3との間のシール性を向上することができる。
【0037】
尚、第二実施例の第一シール部材80については、それを形成する各金属板82,83の熱膨張係数C1,C2や厚さ等を設定することで、ガス温度に応じた熱変形量を容易に制御することができる。よって、例えば低い温度で熱変形するように第一シール部材80を構成すれば、エンジン1の燃焼サイクルのほぼ全般に亘って安定したシール性を確保することが可能となる。
また、第二実施例の第一シール部材80については、各金属板82,83からなるバイメタルを弾性変形可能に構成することで、第一実施例と同様の効果を享受することができる。
【0038】
以上説明した複数の実施例では、第一シール部材50又は80に加え、負圧発生時のシール効果を高める第二シール部材60を用いた。これに対し、そのような第二シール部材60を設けないようにしてもよいし、第一シール部材50,80及び第二シール部材60以外のシール部材をさらに設けるようにしてもよい。
【0039】
また上記複数の実施例では、第二シール部材60においてノズル部24に対向する面61と組付孔3に対向する面62の双方に突起部64を設けた。これに対し、第二シール部材60の面61及び62のいずれか一方に突起部64を設けるようにしてもよいし、突起部64を第二シール部材60に設けないようにしてもよい。
【0040】
さらに上記第二実施例では、互いに熱膨張係数の異なる二種類の金属板82,83の積層体により第一シール部材80を形成した。これに対し、互いに熱膨張係数の異なる三種類以上の金属板の積層体により第一シール部材80を形成してもよいし、互いに熱膨張係数の異なる金属以外の素材を複数積層することにより第一シール部材80を形成してもよい。
またさらに上記複数の実施例では、インジェクタ20をエンジン1のシリンダヘッド2側に押圧する押圧手段としてクランプ70を用いたが、そのような押圧手段には、例えば図9に示す如きばね部材140等の弾性部材を用いてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一実施例によるインジェクタの組付構造を示す断面図である。
【図2】本発明の第一実施例によるインジェクタの組付構造を示す模式図である。
【図3】図1の第一シール部材の配設状態を拡大して示す断面図である。
【図4】図1の第一シール部材の形成方法を説明するための模式図である。
【図5】図1に示す第二シール部材の平面図及び底面図に対応する模式図である。
【図6】図1の第二シール部材の配設状態を拡大して示す断面図である。
【図7】本発明の第二実施例によるインジェクタの組付構造の要部を示す断面図であって、図3に対応する図である。
【図8】従来のインジェクタの組付構造を示す断面図である。
【図9】従来の別のインジェクタの組付構造を示す断面図である。
【符号の説明】
1 エンジン
2 シリンダヘッド
3 組付孔
3a 深部
3b 入口
5 テーパ部
6 第一段差部
8 第二段差部
10 燃焼室
20 インジェクタ
24 ノズル部
26 テーパ壁
29 第一段付部
30 第二段付部
50 第一シール部材(シール部材),弾性材
51 環状部,外周縁部
52 筒状部,内周縁部
54 内壁面
55 外壁面
60 第二シール部材
61 反燃焼室側面
62 燃焼室側面
64 突起部
80 第一シール部材(シール部材)
82,83 金属板(素材)
84 表面
90 燃料搬送管
91 燃料供給口

Claims (12)

  1. 内燃機関の組付孔にノズル部が挿入され、前記組付孔の深部に繋がる前記内燃機関の燃焼室に燃料を噴射する燃料噴射装置と、
    前記ノズル部と前記組付孔との間をシールするシール部材と、
    を備え、
    前記シール部材は、筒状に形成され、内周側に前記ノズル部を挿入することにより、前記燃焼室側に弾性変形する筒状部と、前記筒状部の前記燃焼室とは反対側に位置する環状部とが形成され、前記燃焼室から前記組付孔に伝わる燃焼圧を受けて、その燃焼圧による径方向内側向きの力により前記ノズル部を押圧するとともに、
    前記ノズル部は、前記シール部材に挿入することにより形成された前記筒状部から該筒状部の変形にともない径方向内側向きの弾性反力を受けることを特徴とする燃料噴射装置の組付構造。
  2. 前記シール部材は、前記組付孔の深部側に向かうにつれ先細りとなる前記筒状部を有し、前記筒状部の外壁面で前記燃焼圧を受け、前記筒状部の内壁面で前記ノズル部を押圧することを特徴とする請求項1に記載の燃料噴射装置の組付構造。
  3. 前記シール部材は、前記筒状部から径方向外側に突出する前記環状部を有し、その環状部を前記ノズル部と前記組付孔との間に挟持されることを特徴とする請求項2に記載の燃料噴射装置の組付構造。
  4. 前記シール部材は環板状の弾性材で形成され、軸方向に曲げられた内周縁部で前記筒状部を形成していることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の燃料噴射装置の組付構造。
  5. 前記シール部材を第一シール部材として備え、
    前記第一シール部材とは別に、前記ノズル部と前記組付孔との間をシールする第二シール部材を備えており、
    前記第二シール部材は、前記第一シール部材よりも前記組付孔の入口側に配設され、
    前記ノズル部は、前記燃焼室から前記組付孔に伝わる負圧を受けて、その負圧による力により前記第二シール部材を前記組付孔に押圧することを特徴とする請求項に1〜4のいずれか一項に記載の燃料噴射装置の組付構造。
  6. 前記第二シール部材は、押圧により弾性変形する突起部をシール箇所に有することを特徴とする請求項5に記載の燃料噴射装置の組付構造。
  7. 前記第二シール部材は、前記ノズル部に当接する前記突起部と前記組付孔に当接する前記突起部とを有することを特徴とする請求項6に記載の燃料噴射装置の組付構造。
  8. 内燃機関の組付孔にノズル部が挿入され、前記組付孔の深部に繋がる前記内燃機関の燃焼室に燃料を噴射する燃料噴射装置と、
    前記ノズル部と前記組付孔との間をシールするシール部材と、
    を備え、
    前記シール部材は、筒状に形成され、内周側に前記ノズル部を挿入することにより、前記燃焼室側に弾性変形する筒状部と、前記筒状部の前記燃焼室とは反対側に位置する環状部とが形成され、前記燃焼室から前記組付孔に流入する燃焼ガスの温度が所定温度に達したとき、熱変形による径方向内側向きの力により前記ノズル部を押圧するとともに、
    前記ノズル部は、前記シール部材に挿入することにより形成された前記筒状部から該筒状部の変形にともない径方向内側向きの弾性反力を受けることを特徴とする燃料噴射装置の組付構造。
  9. 前記シール部材は、熱膨張係数の異なる複数素材の積層体により形成されることを特徴とする請求項8に記載の燃料噴射装置の組付構造。
  10. 前記素材は金属であることを特徴とする請求項9に記載の燃料噴射装置の組付構造。
  11. 前記シール部材は、前記組付孔の深部側に向かうにつれ先細りとなる前記筒状部を有し、前記筒状部の外壁面で前記燃焼ガスに接し、前記筒状部の内壁面で 前記ノズル部を押圧することを特徴とする請求項8から10のいずれか一項に記載の燃料噴射装置の組付構造。
  12. 前記シール部材は、前記筒状部から径方向外側に突出する環状部を有し、その環状部を前記ノズル部と前記組付孔との間に挟持されることを特徴とする請求項11に記載の燃料噴射装置の組付構造。
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