JP2004197743A - 燃料噴射弁 - Google Patents
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Abstract
【課題】フレキシブルな区分が、操作系統の運動の力作用ならびにアクチュエータハウジングの内部の圧力作用によって負荷されないようにする。
【解決手段】アクチュエータハウジング12が、該アクチュエータハウジング12の内部と外部との間の圧力差を補償するための補償エレメント16を有しており、該補償エレメント16が、操作系統3、13から構造上完全に分離されているようにした。
【選択図】図1
【解決手段】アクチュエータハウジング12が、該アクチュエータハウジング12の内部と外部との間の圧力差を補償するための補償エレメント16を有しており、該補償エレメント16が、操作系統3、13から構造上完全に分離されているようにした。
【選択図】図1
Description
本発明は、特に燃料を内燃機関の燃焼室内に直接噴射するための燃料噴射弁であって、圧電式、電気歪み式または磁気歪み式のアクチュエータと、該アクチュエータに操作系統を介して作用結合された弁閉鎖体とが設けられており、該弁閉鎖体が、弁座面と協働してシール座を形成しており、アクチュエータが、フレキシブルな区分を備えたアクチュエータハウジングによって気密に取り囲まれており、フレキシブルな区分が、操作系統に結合されており、アクチュエータが、アクチュエータハウジング内で熱伝導性の媒体によって取り囲まれている形式のものに関する。
たとえばドイツ連邦共和国特許出願公開第4005455号明細書に基づき、操作系統を介して弁閉鎖体に作用結合された圧電式のアクチュエータを備えた燃料噴射弁が公知である。操作系統に所属した弁ニードルがその噴射側の端部に弁閉鎖体を有している。この弁閉鎖体は弁座面と協働してシール座を形成している。アクチュエータは上側のハウジング部分に配置されている。ばねダイヤフラムの形のフレキシブルな区分は上側のハウジング部分を、燃料で充填された下側のハウジング部分に対して気密にシールしている。フレキシブルな区分は、一方で操作系統に所属したアクチュエータピンの周面にかつ他方で下側のハウジング部分の内面に気密に固定されている。
また、アクチュエータハウジングを熱伝導性の液体で完全に充填し、これによって、アクチュエータを半径方向で完全に熱伝導性の液体に接触させることも知られている。このことは、アクチュエータの損失熱の熱導出に役立つ。
公知技術から、熱伝導性の液体で充填されたアクチュエータハウジングにおいて、アクチュエータハウジングの内部とアクチュエータハウジングの外部との間に位置しかつ操作系統に直接結合されたフレキシブルな区分が、操作系統の運動の力作用によってだけでなく、アクチュエータハウジングの内部の圧力作用によっても負荷されるという欠点が明らかとなる。したがって、フレキシブルな区分をこれらの力作用の1つに関して最適化することができない。これによって、たとえば操作系統に対するフレキシブルな区分の、弁動特性に不利な影響を与える増大させられた力作用が生ぜしめられる。さらに、これによって、たとえばフレキシブルな区分の耐用年数が短縮され得る。
ドイツ連邦共和国特許出願公開第4005455号明細書
したがって、本発明の課題は、冒頭で述べた形式の燃料噴射弁を改良して、フレキシブルな区分が、操作系統の運動の力作用ならびにアクチュエータハウジングの内部の圧力作用によって負荷されないようにすることである。
この課題を解決するために本発明の第1の構成では、アクチュエータハウジングが、該アクチュエータハウジングの内部と外部との間の圧力差を補償するための補償エレメントを有しており、該補償エレメントが、操作系統から構造上完全に分離されているようにした。
この課題を解決するために本発明の第2の構成では、アクチュエータハウジングの、アクチュエータに対して半径方向に配置された側が、フレキシブルな区分を形成しているようにした。
請求項1の特徴を備えた本発明による燃料噴射弁は従来のものに比べて、操作系統に結合された、アクチュエータハウジングの内部をアクチュエータハウジングの外部から気密にシールするフレキシブルな区分を操作系統運動の力作用に関して最適化することができるという利点を有している。アクチュエータハウジングの内部の圧力変動もしくはアクチュエータハウジングの内部とアクチュエータハウジングの外部との間の圧力差に起因する力作用は、フレキシブルな区分の寸法設定および形成時に考慮される必要がない。なぜならば、これらの力作用は大部分が補償エレメントによって補償されるからである。
さらに、操作系統の運動は補償エレメントに直接作用しない。なぜならば、補償エレメントが構造上、操作系統から分離されているからである。これによって、補償エレメントを圧力差の力作用に関して最適化することができる。
フレキシブルな区分の負荷軽減よって、フレキシブルな区分を、操作系統を介してフレキシブルな区分に作用する力に関して一層高く負荷することができる。これによって、特に内部燃焼を伴うレシプロエンジンで噴射頻度の増加が可能となる。したがって、さらに、シール部材の耐用年数が増大させられる。
独立請求項5の特徴を備えた本発明による燃料噴射弁は公知先行技術に比べて、フレキシブルな区分が少なくともアクチュエータの全長にわたって延びることができるという利点を有している。アクチュエータハウジングの内部と外部との間の圧力差に起因する力は、フレキシブルな区分の、増大させられた面にわたって均一に分配される。したがって、圧力差による単位面積あたりのフレキシブルな区分の力負荷が低減されている。
操作系統の運動によるフレキシブルな区分の負荷はより大きな長さへ分配される。これによって、単位面積あたりのフレキシブルな区分の、低減された負荷が生ぜしめられる。
従属請求項に記載した手段によって、独立請求項に記載した燃料噴射弁の有利な構成が可能となる。
本発明による燃料噴射弁の第1の有利な構成では、補償エレメントが、ダイヤフラムである。このダイヤフラムは簡単にかつ廉価に製作することができる。この場合、ダイヤフラムの特性、たとえばフレキシビリティは簡単に調整することができる。
本発明による燃料噴射弁の第2の有利な構成では、補償エレメントおよび/またはフレキシブルな区分が、少なくとも部分的に金属、特に鋼から成っている。金属は、有利には調整可能な塑性的なかつ弾性的な特性を有している。鋼は、燃料噴射弁の運転温度の範囲でほんの僅かしか変動しない特性を有していて、廉価に提供することができると共に処理することができる。
別の有利な構成では、アクチュエータハウジングが、補償エレメントのための結合箇所で平坦加工されているかもしくは扁平加工されていて、したがって、湾曲させられていない二次元の平面を形成している。これによって、補償エレメントを、たとえば単純なプレートから製作することができる。これによって、補償エレメントの内部の応力およびアクチュエータハウジングと補償エレメントとの間の結合箇所における応力が回避される。
アクチュエータハウジングを取り囲むように燃料が流れることができると有利である。したがって、アクチュエータの損失熱が簡単に熱伝導性の媒体とアクチュエータハウジングとを介して燃料に導出される。
熱伝導性の媒体として非圧縮性の液体が使用されると有利である。したがって、熱伝導性の媒体の、圧力に関連した容積変化に基づく補償エレメントの適合は考慮され得ない。
熱伝導性の媒体が、可塑性のペースト、ゲルまたは封止材料であると、簡単に操作することができる型によって製作を簡単にすることができる。
熱伝導性の媒体が、有利には非導電性であると、アクチュエータの、断熱性のかつ故障を招きやすい付加的な絶縁を省略することができる。
熱伝導性の媒体が、化学的に中性であると有利である。これによって、熱伝導性の媒体に接触する構成部材の耐用年数および信頼性が高められる。
フレキシブルな区分が、有利には波形管状に形成されていると、フレキシブルな区分は、軸方向の伸長または圧縮時にアクチュエータハウジングの内部と外部との間に圧力差を生ぜしめない。
以下に、本発明を実施するための最良の形態を図面につき詳しく説明する。この場合、図面において、同じ構成部材には同じ符号が付してある。
図1に軸方向の断面図で示した本発明による燃料噴射弁1は、特に燃料を混合気圧縮型の火花点火式の内燃機関の燃焼室内に直接噴射するために働く。ハウジング2内には、互いに同軸的にピストン状のカップラ18と、筒状のもしくは円筒状のアクチュエータハウジング12と、案内体9と、弁閉鎖体4を備えた弁ニードル3とが配置されている。ハウジング2は、噴射側とは反対の上側の端部に燃料供給部17を有している。カップラ18はその上側の端部でハウジング2の上側の端部の内面に支持されている。カップラ18の下側には円筒状のアクチュエータハウジング12が続いている。このアクチュエータハウジング12の内部には、ピストン状のアクチュエータ14が、アクチュエータハウジング12の上側の端部の内面と、横断面で見てT字形のアクチュエータピン13との間に配置されている。アクチュエータ14の横断面は、円形の横断面と異なり、正方形または孔付き板状であってもよい。また、アクチュエータハウジング12は、円形の横断面と異なり、アクチュエータ14の横断面に対して相応して成形されていてもよい。
一方でアクチュエータハウジング12の上側の端部の内面にかつ他方でT字形のアクチュエータピン13の横方向エレメントに取り付けられたばねエレメント15はアクチュエータピン13を予荷重もしくはプレロードによって、アクチュエータ14の噴射側の端部に常に当て付けられた状態で保持している。T字形のアクチュエータピン13の長手方向エレメントはアクチュエータハウジング12の下面を貫通している。一方でアクチュエータハウジング12にかつ他方でアクチュエータピン13の長手方向エレメントの周面に位置決めされた、たとえば波形管状のフレキシブルな区分11はアクチュエータハウジング12をここで気密にシールしている。アクチュエータハウジング12は熱伝導性の媒体で完全に充填されている。この実施例では、この熱伝導性の媒体は非導電性のオイルである。
アクチュエータピン13の下側の端部だけでなく、弁ニードル3の上側の端部も案内される板状の案内体9は燃料通路10を有している。案内体9の噴射側には、弁閉鎖体4を備えた弁ニードル3と、戻しばね7と、フランジ8と、噴射開口5とが配置されている。戻しばね7はハウジング2の下側の端部の内面に支持されていて、弁ニードル3を、この弁ニードル3に位置決めされたフランジ8を介してプレロードによってアクチュエータピン13の下側の端部に対して押圧している。
電気的な接続部20が、ハウジング2の上側の端部と、側方でアクチュエータハウジング12とを貫いてアクチュエータ14に案内されている。
この実施例でアクチュエータ14に対して半径方向に配置された側19では、補償エレメント16がアクチュエータハウジング12の開口21に配置されている。補償エレメント16は、この実施例では、ダイヤフラムの形状を有していて、鋼から製作されていて、開口21を気密にシールしている。
燃料噴射弁1の機能形式は以下の通りである。
外向きに開放する燃料噴射弁1の休止位置では、アクチュエータ14は励起されていない。戻しばね7はフランジ8と弁ニードル3とを介して弁閉鎖体4を、噴射開口5に配置された弁座面6に対して押圧している。したがって、弁閉鎖体4と弁座面6とによって形成されたシール座が閉鎖されている。
燃料噴射弁1を操作するためには、アクチュエータ14が励起される。この場合、アクチュエータ14が長手方向でばねエレメント15のばね力に抗して伸長し、この場合、この実施例でアクチュエータピン13と弁ニードル3とから成る操作系統3,13を噴射方向に運動させる。戻しばね7が圧縮される。弁閉鎖体4が弁座面6から離れ、圧力下で燃料供給部17と燃料通路10とを介して供給された燃料が噴射開口5を介して噴射される。
補償エレメント16は、特にアクチュエータ14の容積変化によって生ぜしめられる圧力差を補償する。容積変化は、熱伝導性のオイルで完全に充填されたアクチュエータハウジング12を介して、フレキシブルな区分11と補償エレメント16とに圧力変化の形で伝達される。フレキシブルな区分11に比べて柔軟にかつ可撓性に設計された補償エレメント16は容積変化を補償し、これによって、フレキシブルな区分11を、特にアクチュエータ14と熱伝導性の媒体との容積変化によって生ぜしめられた圧力負荷から負荷軽減する。したがって、この実施例で波形管状に形成されたフレキシブルな区分11は、圧力負荷軽減が十分である場合に単純なダイヤフラム(図示せず)によって置き換えることができる。さらに、操作系統3,13と補償エレメント16との構造上の完全な分離によって、補償エレメント16が操作系統3,13の運動によって負荷されないことが達成される。
さらに、燃料噴射弁1は、小さなアクチュエータストロークをより大きな弁ストロークに変換するストローク変換装置(図示せず)を有していてよい。このストローク変換装置(図示せず)は操作系統3,13の一部であってよい。
カップラ18は、特にアクチュエータ14の熱膨張を補償するために働き、カップラ18を取り囲む燃料に対して気密にシールされていて、有利にはフラットダイヤフラム(図示せず)によって形成されている。カップラ18はアクチュエータ14と弁ニードル3との間に配置されていてもよく、操作系統3,13の一部であってよい。この場合、アクチュエータハウジング12は、ハウジング2の内面の、噴射側とは反対の側の端部に接触していることが望ましい。この場合、カップラピン(図示せず)がアクチュエータ14の行程を弁ニードル3に伝達する。
図2には、本発明による燃料噴射弁1の第2実施例が、図1に示した第1実施例に類似して概略的に示してある。第1実施例と異なり、フレキシブルな区分11がアクチュエータハウジング12の大部分を形成している。このアクチュエータハウジング12の、アクチュエータ14に対して半径方向に配置された側19が、この実施例では、完全にフレキシブルな区分11によって形成されている。この場合、このフレキシブルな区分11は波形管の形状を有している。
したがって、フレキシブルな区分11は少なくともアクチュエータ14の全長にわたって延びることができる。アクチュエータハウジング12の内部と外部との間の圧力差に起因する力は、フレキシブルな区分11の、増大させられた面にわたって均一に分配される。したがって、圧力差による単位面積あたりのフレキシブルな区分11の力負荷が低減されている。
操作系統3,13の運動によるフレキシブルな区分11の負荷はより大きな長さに分配される。これによって、単位面積あたりのフレキシブルな区分11の、低減された負荷が生ぜしめられる。
本発明は、図示の実施例に限定されるものではなく、たとえば内向きに開放する燃料噴射弁のために使用することもできる。
1 燃料噴射弁、 2 ハウジング、 3 弁ニードル、 4 弁閉鎖体、 5 噴射開口、 6 弁座面、 7 戻しばね、 8 フランジ、 9 案内体、 10 燃料通路、 11 フレキシブルな区分、 12 アクチュエータハウジング、 13 アクチュエータピン、 14 アクチュエータ、 15 ばねエレメント、 16 補償エレメント、 17 燃料供給部、 18 カップラ、 19 側、 20 接続部、 21 開口
Claims (12)
- 特に燃料を内燃機関の燃焼室内に直接噴射するための燃料噴射弁(1)であって、圧電式、電気歪み式または磁気歪み式のアクチュエータ(14)と、該アクチュエータ(14)に操作系統(3,13)を介して作用結合された弁閉鎖体(4)とが設けられており、該弁閉鎖体(4)が、弁座面(6)と協働してシール座を形成しており、アクチュエータ(14)が、フレキシブルな区分(11)を備えたアクチュエータハウジング(12)によって気密に取り囲まれており、フレキシブルな区分(11)が、操作系統(3,13)に結合されており、アクチュエータ(14)が、アクチュエータハウジング(12)内で熱伝導性の媒体によって取り囲まれている形式のものにおいて、
アクチュエータハウジング(12)が、該アクチュエータハウジング(12)の内部と外部との間の圧力差を補償するための補償エレメント(16)を有しており、該補償エレメント(16)が、操作系統(3、13)から構造上完全に分離されていることを特徴する、燃料噴射弁。 - 補償エレメント(16)が、ダイヤフラムである、請求項1記載の燃料噴射弁。
- 補償エレメント(16)が、少なくとも部分的に金属、特に鋼から成っている、請求項1または2記載の燃料噴射弁。
- アクチュエータハウジング(12)が、補償エレメント(16)のための結合箇所に、湾曲させられていない二次元の平面を形成している、請求項1から3までのいずれか1項記載の燃料噴射弁。
- 特に燃料を内燃機関の燃焼室内に直接噴射するための燃料噴射弁(1)であって、圧電式、電気歪み式または磁気歪み式のアクチュエータ(14)と、該アクチュエータ(14)に操作系統(3,13)を介して作用結合された弁閉鎖体(4)とが設けられており、該弁閉鎖体(4)が、弁座面(6)と協働してシール座を形成しており、アクチュエータ(14)が、フレキシブルな区分(11)を備えたアクチュエータハウジング(12)によって気密に取り囲まれており、フレキシブルな区分(11)が、操作系統(3,13)に結合されており、アクチュエータ(14)が、アクチュエータハウジング(12)内で熱伝導性の媒体によって取り囲まれている形式のものにおいて、
アクチュエータハウジング(12)の、アクチュエータ(14)に対して半径方向に配置された側(19)が、フレキシブルな区分(11)を形成していることを特徴とする、燃料噴射弁。 - アクチュエータハウジング(12)を取り囲むように燃料が流れるようになっている、請求項1から5までのいずれか1項記載の燃料噴射弁。
- 熱伝導性の媒体が、非圧縮性の液体である、請求項1から6までのいずれか1項記載の燃料噴射弁。
- 熱伝導性の媒体が、可塑性のペースト、ゲルまたは封止材料である、請求項1から6までのいずれか1項記載の燃料噴射弁。
- 熱伝導性の媒体が非導電性である、請求項1から8までのいずれか1項記載の燃料噴射弁。
- 熱伝導性の媒体が化学的に中性である、請求項1から9までのいずれか1項記載の燃料噴射弁。
- フレキシブルな区分(11)が波形管状に形成されている、請求項1から10までのいずれか1項記載の燃料噴射弁。
- フレキシブルな区分(11)が、少なくとも部分的に金属、特に鋼から成っている、請求項1から11までのいずれか1項記載の燃料噴射弁。
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