JP3975109B2 - 画像形成装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、トナー収納容器に収納されたトナーを、現像装置へ補給するようにした電子写真方式の複写機、プリンタ、ファクシミリ等の画像形成装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の画像形成装置において、トナー収納容器に収納されたトナーを紛体ポンプにより現像装置へ補給するトナー補給装置を備えたものが知られている。そして、この紛体ポンプとして、貫通孔が形成されたステータ、該ステータの貫通孔に嵌合された回転駆動されるロータを有する1軸偏芯スクリューポンプを用いることも公知であり、1軸偏芯スクリューポンプは高い固気比で連続定量移送が可能であって、ロータの回転数に応じた正確なトナーの移送量が得られるものである。
【0003】
本出願人は、その吸引型の1軸偏芯スクリューポンプによりトナー補給を行うようにした画像形成装置としてのカラープリンタを既に提案しており、その概要を図1に示す。
【0004】
図1に示すカラーレーザプリンタは、装置本体1の下部に給紙部2が配置され、その上方に作像部3を配置した構成となっている。作像部3には、給紙側が下で、排紙側が上となるように傾斜させて配置した転写搬送ベルト装置が設けられている。転写搬送ベルト装置は、複数のローラ、本例では4つのローラに巻き掛けられたエンドレスの転写搬送ベルト12を有し、そのローラの1つが駆動ローラとして構成されることにより矢印方向へ回転駆動される。転写搬送ベルト12には、その上部走行辺に沿って下から順にマゼンタ(M)、シアン(C)、イエロー(Y)、黒(Bk)のトナーを用いて画像形成を行う4つの作像ステーション4M,4C,4Y,4Bkが並列配置されている。
【0005】
各作像ステーション4M,4C,4Y,4Bkは、像担持体としての感光体ドラム5が設けられ、該感光体ドラム5は図示していない駆動手段によって時計方向へ回転駆動される。感光体ドラム5の回りには、帯電手段としての帯電ロール6、光書込み装置8によってレーザ光による書込みが行われる光書込み部、現像手段として現像装置10、クリーニング手段としてクリーニング装置9が設けられている。現像装置10は、トナーとキャリアからなる2成分現像装置であって、消費されたトナー量に応じてトナー補給装置によりトナーが補給される。
【0006】
次に、図1に示すカラープリンタのフルカラープリントを行う作像動作についてマゼンタ用の作像ステーション4Mにより説明する。
感光体ドラム5が回転駆動されるとき、その表面が帯電ロール6によって帯電され、その帯電領域には図示していないLD(レーザダイオード)を駆動してレーザ光をポリゴンミラー8aに照射し、シリンダーレンズ等を介して反射光を感光体ドラム5上に導く光書込み装置8により、マゼンタトナーで現像する光像の光書込みが行われる。この書込みにより感光体ドラム5上には、パソコン等のホストマシーンより送られた画像データに基づいた静電潜像が形成され、該潜像は現像装置10によってマゼンタトナーの可視像となる。
【0007】
一方、給紙部2からは転写材として指定された用紙が給紙され、給紙された用紙は転写搬送ベルト12の搬送方向上流側に設けられたレジストローラ13に一旦突き当てられる。そして、用紙は上記可視像に同期するようにして転写搬送ベルト12上に給送され、該ベルトの走行により感光体ドラム5に対向する転写位置に到る。この転写位置では、転写搬送ベルト12の裏面側に配置された転写ロール14の作用によりマゼンタトナーの可視像が用紙に転写される。
【0008】
上記作像動作に同様にして、他の作像ステーション4C,4Y,4Bkにおいてもそれぞれの感光体ドラム5の表面に各トナーによる可視像が形成され、これら可視像は転写搬送ベルト12によって搬送される用紙が各転写位置に到来するごとに重ね転写される。したがって、本カラープリンタはタンデムタイプの特徴であるフルカラーの画像がモノクロとほぼ同様な短時間で用紙に重ね転写できるものである。転写後の用紙は、転写搬送ベルト20から分離されて、定着装置15により定着される。定着を終えた用紙は、通常、そのまま機外に排紙されるか、このとき用紙は反転されて装置本体1の上面に設けられた排紙トレイ16に裏面排紙される。
【0009】
次に、トナー収納容器20M,20C,20Y,20Bkに収納されたトナーを各作像ステーション4M,4C,4Y,4Bkに補給するトナー補給装置について、図2を用いて説明する。なお、各作像ステーション4M,4C,4Y,4Bkの現像装置10に補給するトナー補給装置は実質上、同一構造に構成されている。
【0010】
現像装置10には、その近傍または一体に吸い込み型の粉体ポンプ40である一軸偏芯スクリューポンプが設けられている。この粉体ポンプ40の構成は、図2に示すように、金属などの剛性をもつ材料で偏芯したスクリュー形状に作られたロータ41と、2条スクリュー形状の貫通孔が形成され、ゴム等の弾性体で作られるステータ42と、該ステータ42が回転しないように保持し、かつ粉体の搬送路を形成する樹脂材料などで作られたホルダ43とを有している。
【0011】
また、上記ホルダ43の先端、すなわち、図2の右端にはトナー吸い込み部43aが設けられ、トナー吸い込み部43aと後述するノズル51に設けられたトナー用接続口54とトナー搬送チューブ17によって接続されている。このトナー搬送チューブ17としては、耐トナー性に優れたゴム材料(例えば、ポリウレタン、ニトリル、EPDM、シリコン等)から作られたフレキシブルなチューブを用いることがきわめて有効であり、フレキシブルなチューブであれば上下左右の任意方向へ配管が容易に行い得る。
【0012】
一方、上記現像装置10に補給するトナーを収納したトナー収納容器20は図1において画像形成装置本体1の右側上部に設けられたセット部50にセットされ、現像装置10と別体のユニットとして構成されている。セット部50には、トナー収納容器20内に挿入される断面が円形のノズル51が立設され、トナー収納容器20を上方から画像形成装置本体1のセット部50へセットすることにより容器内に差し込まれる。このノズル51は、上部に断面円錐状の尖端部52が形成され、その内部は二重管構造になっており、エアー流入路53とトナー排出路54が隔壁によって形成されている。トナー排出路54は、ノズル51の下端まで延びて左方へ曲げられ、上記したトナー搬送チューブ17が嵌合されている。
【0013】
他方、エアー流入路53はトナー排出路54よりも上方で図の右方へ曲げられ、エアーポンプ30とエアー移送パイプ31を介して接続されている。このエアーポンプ30が作動すると、該ポンプからエアー移送パイプ31およびエアー流入路53を介してトナー収納容器20内に対し下部側よりエアーが噴出される。そして、トナー収納容器20内に噴出されたエアーは、収納されたトナーの層を通過することによりトナーを攪拌しながら流動化させる。なお、ノズル51はエアー流入路53とトナー排出路54が一体となった単管構造のものを用いてもよい。
【0014】
このように構成されたトナー補給装置は、粉体ポンプ40である1軸偏芯スクリューポンプが、高い固気比で連続定量移送が可能であって、ロータ41の回転数に比例した正確なトナーの移送量が得られるので、トナー濃度検知や画像濃度検知等によってトナー補給指令が発せられると、粉体ポンプ40が作動し、要求された量のトナーが現像装置10に補給することができる。
【0015】
このように構成されたカラープリンタの粉体ポンプ40とトナー収納容器20のレイアウトの一例を図3に示す。
上記各作像ステーション4M,4C,4Y,4Bkは、傾斜して配置した転写搬送ベルト12に沿って配置しているため、各粉体ポンプ40が設置される高さレベルがそれぞれ異なる。また、トナー収納容器20は、マゼンタ(M)、シアン(C)、イエロー(Y)は同容量であるが、最も消費される黒(Bk)用の容器はカラー用のほぼ2倍強の容量を有しており、その容量増加分を上下方向の長さを長くして得ている。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記構成のカラープリンタにおいて、トナー収納容器20のトナーは容器の最下点からノズル51を介して排出されるが、黒(Bk)の場合、トナー収納容器20Bkの最下点が最も低いにも拘らず、作像ステーション4Bkは最も高い位置になっており、符号HBkで示す黒用のトナー補給装置の高さ差は他の色の高さ差(HM,HC,HY)と比べて最も大きくなっている。そして、このような大きな揚程HBkのトナー補給装置があると、放置されたときにトナー搬送チューブ17内に滞留している流動化したトナーが自重で徐々に締まって凝集し、チューブが詰まるという問題があった。
【0017】
さらに、トナー収納容器20M,20C,20Y,20Bkの挿入されたノズル51から紛体ポンプ40までの高さ差HM,HC,HY、HBkにばらつきがあり、そのばらつきにより搬送条件が異なると、粉体ポンプ等をすべて同一の部材を用いたときにトナー補給に対する能力差が生じて制御が難しいという問題もあった。
【0018】
本発明は、上記した事情に鑑み、トナーの搬送条件によって生ずる搬送チューブの詰まり等の不具合を解消することができる画像形成装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0019】
上記の目的を達成するため、本発明は、画像形成を行うそれぞれ異なる高さレベルに配置された複数の作像ステーションと、該作像ステーション毎に所属するように設けられ、セット部にセットされる複数のトナー収納容器とを有し、該トナー収納容器に収納されたトナーが最下点に設けられたトナー排出部から作像ステーションに設けた粉体ポンプにより搬送チューブを介して当該作像ステーションへ補給される画像形成装置において、各作像ステーションにおける前記トナー収納容器のセット部はセットされたトナー収納容器の排出部から前記粉体ポンプまでの高さ差がそれぞれ同じになるように段差を付けて設けられ、前記トナー収納容器は高さ方向の長さそれぞれ異なって前記セット部にセットされたとき各トナー収納容器の上面高さレベルが一致されることを特徴とする画像形成装置を提案する。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好ましい実施形態を添付図面にしたがって説明する。
図4は、本発明に係る画像形成装置としてのカラープリンタを示す概略図である。図4に示すプリンタは、図1のものほぼ同様の構成を有しており、よって同一部材には同一符号を付している。図4のプリンタでは、各作像ステーション4M,4C,4Y,4Bkの位置が図1と異なる。すなわち、図1の各作像ステーションは転写搬送ベルト12の搬送方向においてマゼンタ4M,シアン4C,イエロー4Y,黒4Bkの順に配置されているが、図4では黒4Bk,イエロー4Y,シアン4C,マゼンタ4Mの順となっている。
【0024】
また、各作像ステーション4M,4C,4Y,4Bkの現像装置10に対して補給するトナーを収納した各トナー収納容器20M,20C,20Y,20Bkは、図5に示すように、上記した図4のものと同一形状で、同一状態に配置している。
【0025】
このように黒用の作像ステーション4Bkを転写搬送ベルト20の最下部側へ移すと、黒用のトナー補給装置はトナー収納容器20Bkの最下点であるノズル51と粉体ポンプ40の高さ差HBkを小さくすることができ、上記したトナーが自重で徐々に締まって凝集し、チューブが詰まるという問題を軽減することができる。
【0026】
ところで、図5に示す各作像ステーション4M,4C,4Y,4Bkのトナー補給装置において、マゼンタの高さ差HMが最も大きく、次が黒のHBk、シアンのHCであり、イエローのHYは逆高さ差、すなわちノズル51よりも粉体ポンプ40が下方に位置している。このように、図5に示す実施形態では各トナー補給装置の高さ差に多少のばらつきを生じている。
【0027】
このように各トナー補給装置の高さ差にばらつきがあると、各装置においてすべて同じ粉体ポンプ40M,40C,40Y,40Bkを使用しても、単位時間当りのトナー搬送量を一致させることが難しい。図1で説明した装置では、ポンプの回転数等を制御してトナー搬送量を合わせているが、かかる制御は複雑である。よって、外的条件、すなわち、各トナー補給装置の高さ差をほぼ均一にすることができれば、制御も簡略化される。
【0028】
そこで、図6に示す実施形態では、トナー収納容器20M,20C,20Y,20Bkの上面に段差をつけて最下点の高さレベルと装置毎に変えるように構成している。この場合、作像ステーション4Bk,4Y,4C,4Mの順に並んでいると、黒用のトナー収納容器20Bkは容器自体が長いので奥側とし、その手前にマゼンタトナー収納容器20M、その手前にシアントナー収納容器20C、その手前にイエロートナー収納容器20Yを配置するとともに、各容器の上面段差が手前に向かう程下方となるように設定している。そして、段差の大きさは各装置の高さ差HM,HC,HY、HBkがほぼ均一になるように、各作像ステーション4の粉体ポンプ40M,40C,40Y,40Bkに応じて付けられている。
【0029】
このように構成すると、カラー用のトナー収納容器20は同一サイズのものを用いても各トナー補給装置の高さ差HM,HC,HY、HBkをほぼ均一にすることができる。このとき、トナー収納容器20M,20C,20Y,20Bkの上面に段差ができるが、この段差は画像形成装置の手前から奥側に向かって順次高くなるので、トナー収納容器の交換を画像形成装置の手前において行う場合でもその操作性をそれほど悪化させることはない。
【0030】
しかし、トナー収納容器の交換操作性は各容器の上面が揃っている方がよく、容器のセットミス等も確実に回避できる。そこで、図7示す実施形態では、トナー収納容器20M,20C,20Y,20Bkの上下方向の長さをそれぞれ変えて高さ差HM,HC,HY、HBkを均一にするように構成している。なお、図8の例では、カラーのトナー収納容器20のトナー収納量を同量とするため、上下方向の長さの長い容器ほど横断面積を小さくしている。そして、トナー収納容器20の横断面を小さくする場合、画像形成装置の幅方向の長さは各容器とも同一で、奥行き方向の幅を変えている。
【0031】
このように構成すれば、セット部の占有面積を効率よくまとめて必要最小限にすることができる。しかも、カラートナー収納容器20も色毎に形状が異なるので、交換の際に色間違いをしてセットしてしまうことが防止できる。
【0032】
【発明の効果】
本発明によれば、トナー収納容器の最下点と粉体ポンプとの高さ差が均一にしたので、搬送チューブ内のトナー詰まりを防止するとともに、トナー補給の制御を簡素化することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 画像形成装置としてのカラープリンタを示す全体概略図である。
【図2】 そのカラープリンタのトナー補給機構を示す断面説明図である。
【図3】 そのカラープリンタにおける各ステーションのトナー補給経路の配置例を示す斜視図である。
【図4】 本発明に係る画像形成装置としてのカラープリンタを示す全体概略図である。
【図5】 図4のカラープリンタにおける各ステーションのトナー補給経路の配置例を示す斜視図である。
【図6】 本発明の他の実施形態における各ステーションのトナー補給経路の配置例を示す斜視図である。
【図7】 本発明のさらに他の実施形態における各ステーションのトナー補給経路の配置例を示す斜視図である。
【符号の説明】
4M,4C,4Y,4Bk 作像ステーション
17M,17C,17Y,17Bk トナー搬送チューブ
20M,20C,20Y,20Bk トナー収納容器
40M,40C,40Y,40Bk 紛体ポンプ
HM,HC,HY,HBk 高さ差
Claims (1)
- 画像形成を行うそれぞれ異なる高さレベルに配置された複数の作像ステーションと、該作像ステーション毎に所属するように設けられ、セット部にセットされる複数のトナー収納容器とを有し、該トナー収納容器に収納されたトナーが最下点に設けられたトナー排出部から作像ステーションに設けた粉体ポンプにより搬送チューブを介して当該作像ステーションへ補給される画像形成装置において、
各作像ステーションにおける前記トナー収納容器のセット部はセットされたトナー収納容器の排出部から前記粉体ポンプまでの高さ差がそれぞれ同じになるように段差を付けて設けられ、
前記トナー収納容器は高さ方向の長さそれぞれ異なって前記セット部にセットされたとき各トナー収納容器の上面高さレベルが一致されることを特徴とする画像形成装置。
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